JP2013247326A - 積層装置及び絶縁層の形成方法 - Google Patents

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【課題】ランニングコストが安く、かつ効率的に支持ベースフィルムの剥離が可能な積層装置、及びこれを用いた絶縁層の形成方法を提供することを課題とする。
【解決手段】請求項1に記載の積層装置を用いて、配線回路基板上に絶縁層を形成する絶縁層の形成方法であって、搬送フィルムと支持ベースフィルムをレーザーによって溶着するレーザー溶着工程と、表裏の搬送フィルムを前記配線回路基板から引き剥がすことで、支持ベースフィルム上の絶縁樹脂層の前記配線回路基板への転写を完了する引き剥がし工程と、を備えていることを特徴とする絶縁層の形成方法。
【選択図】図9

Description

本発明は、絶縁層と配線層とを交互に積み上げて作製する多層プリント配線板において、配線回路基板上に絶縁層を形成する為の積層装置、及びこれを用いた絶縁層の形成方法に関する。
多層プリント配線板の一般的な製造方法として、回路形成された内層回路基板に絶縁層としてのプリプレグシート及び導体層としての銅箔を重ね合わせ、積層プレスにて一括積層した後、スルーホールを形成して層間接続する方法が実用化されている。このプリプレグシートとは、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸して半硬化させた樹脂シートである。しかし、この方法ではプリプレグシートの樹脂を熱により再流動させて一定圧力下で硬化させるため、均一に硬化成形するためには少なくとも1.0〜1.5時間は必要である。加えて、積層プレスでは一度に処理する基板枚数が限られること、及び加熱冷却時間を含めると一回の処理に数時間を要する等、生産性を高めることが困難である。更に、スルーホールめっきを行うため、外層の銅箔上にもめっきされることで外層の導体層が厚くなり、ファインパターンの形成が困難である。また、絶縁層の厚さがガラスクロスにより制限され、多層プリント配線板全体の薄化が困難になる等の問題がある。
このような問題に対し、半導体パッケージ基板では回路形成された内層回路基板上に絶縁層と導体層とを交互に形成し、レーザードリルで形成したビアホールにスルーホールめっきすることによって層間を接続する、いわゆるビルドアップ工法による製造技術が実用化されている。ビルドアップ工法では絶縁層にプリプレグではなく、支持ベースフィルムに絶縁樹脂を塗布し、半硬化させた絶縁樹脂フィルムを用いる。例えば、特許文献1及び特許文献2には、絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱硬化後、粗化剤により表面に凹凸の粗化面を形成し、その表面に導体層をめっきにより形成する多層プリント配線板の製造法が開示されている。
ビルドアップ工法による多層プリント配線板の製造方法では、通常、内層回路基板に絶縁樹脂フィルムを加圧ラミネータによりラミネートして絶縁層を形成する。最近は絶縁層上にファインパターンを形成する場合が多く、絶縁層の表面を平坦化する必要があることから、ラミネート処理と連動して平面プレス処理を行う。このような積層工程では一般的に、加圧ラミネーターユニット30と平面プレスユニット40が上下1対の搬送フィルム131によって連結された一貫ラインとなっている(図1参照)。配線回路基板120は、表裏の所定位置に絶縁樹脂フィルム110を仮付けされた状態で上下の搬送フィルムに挟まれ、加圧ラミネーターユニット30、平面プレスユニット40へと進み、冷却された後に装置から排出される。
絶縁樹脂フィルムの仮付けは、オートカットラミネーターと呼ばれる仮付け装置にて行う。この装置は、配線回路基板の表裏の所定位置に、絶縁樹脂フィルムやフォトリソ用ドライフィルムの先端を配線回路基板に仮付けし、配線回路基板を送りながら仮付けされたフィルムをラミネートし、最後に設定された長さにフィルムをカットした後、配線回路基板を次工程へ送る装置である。仮付け位置はミリ単位で設定でき、煩雑な作業を全自動で行うことで省力化を達成できる。
絶縁樹脂フィルムの仮付けでは積層を加圧ラミネーターユニット30で行う為、ラミネートロール15は加圧させず、絶縁樹脂フィルムを送る際のガイドローラーとして機能する。
絶縁樹脂フィルムの積層が完了した基板は、次の工程でレーザードリルを使用したビア加工を行う為、支持ベースフィルムを剥離して絶縁樹脂層の表面を露出させる必要がある。しかしながら、一般的な絶縁樹脂フィルムにおいては、支持ベースフィルムの寸法は絶縁樹脂の塗工部と同じ、もしくは絶縁樹脂フィルムの巻取り(塗工)方向に沿って、絶縁樹脂が塗布されない数ミリ幅の余白があるのみである。従って、支持ベースフィルム111の剥離は自動化出来ず、オペレーターが1枚ずつ手作業で行うことが一般的であり、生産性の低さと品質のばらつきが問題となっていた。
更に補足すれば、積層後の支持ベースフィルムは絶縁樹脂層との接着力が強く、フォトリソ用ドライフィルムで一般的に使用される、エアーブロー方式や粘着ロール方式の剥離装置(ピーラー)は使用できない。また、絶縁樹脂フィルムに専用設計された剥離装置は高価なうえ、現状では製造設備として採用できる信頼度の高いものが市販されていない。従って、積層後の絶縁樹脂フィルムから支持ベースフィルムを低コストで効率的に、かつ安定して剥離する方法が確立されていないことが問題となっていた。
このような問題に対して、絶縁樹脂フィルムの支持ベースフィルム上に予め接着層を形成し、加圧ラミネートユニットによる真空ラミネート処理の過程で搬送フィルムと接着させ、搬送フィルムが巻き取られる際に自動剥離する方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法では、支持ベースフィルム111上の搬送フィルムと接触する面に接着層113を形成する。接着層113は絶縁樹脂層112の厚みムラを避ける為、絶縁樹脂層112が形成されていない支持ベースフィルム111の余白部に形成される。また、接着層113は絶縁樹脂の塗布と同時に形成される為、絶縁樹脂フィルム110の巻き取り方向に沿って帯状或いは線状に形成される(図11参照)。
接着剤の種類としては、絶縁樹脂フィルムの品質低下を避ける為に、無溶剤で常温におけるタック(粘着性)が無いもの、中でもホットメルト接着剤を好適に使用することができる。ホットメルト接着剤は冷却と同時に固化して接着性を発現するだけでなく、様々な溶融温度をもつものが市販されており、ラミネート温度を変更した際に、溶融特性を調整できるというメリットがある。
接着層が形成された絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に仮付けしたものを真空ラミネート処理すると、接着剤がラミネート温度で溶融し、支持ベースフィルムと搬送フィルムとが溶融密着する。この状態で平面プレス処理を経て、最終的に基板が冷却された段階で搬送フィルムと支持ベースフィルムとが完全に接着する。最終的に基板が排出される際に、搬送フィルムの上下のガイドローラーで分離される形で、支持ベースフィルムが自動的に剥離される。
一方、加圧ラミネーターユニットの投入機に設置したヒートガンで接着層を吐出形成する方法も提案されている(特許文献4参照)。この方法では、絶縁樹脂フィルム110が仮付けされた配線回路基板が加圧ラミネーターユニットへ投入される際に、配線回路基板の搬送方向に沿って絶縁樹脂フィルム110の両端に接着層113を形成する。接着層113は配線回路基板の有効面外に帯状或いは線状に形成される(図12参照)。
更に、支持ベースフィルムの剥離性の改善と、接着層の形成位置の精度を高める為に、ヒートガンをオートカットラミネーターの仮付け位置に取付ける方法も提案されている。この方法では、支持ベースフィルム111を剥離する際の起点と接着層113が重なる為、剥離不良が生じ難いというメリットがある(図13参照)。特許文献3では、接着層を絶縁樹脂フィルムの製造時に形成するが、これらの方法では真空ラミネート処理の直前に装置側で接着層を形成することから、様々な絶縁樹脂フィルムに適用できるというメリットがある。
しかしながら、特許文献3による絶縁層の形成方法においては、絶縁樹脂フィルムの製造コストが高くなるという問題がある。絶縁樹脂フィルムは塗工原反をスリット加工して数本の製品に分割するが、ここで使用する絶縁樹脂フィルムは支持ベースフィルムの両端に余白を残す状態で絶縁樹脂を塗布しなければならない。従って、通常より幅の狭い支持ベースフィルムを使用することになり、塗工時の面積効率が下がってしまう。また、接着剤層を形成する為に新たなプロセスが必要になり、設備コストの追加と歩留りの低下から、更に製造コストが上がることになる。
また、特許文献3及び特許文献4においては、接着剤層を絶縁樹脂フィルムの両端部に形成する為、支持ベースフィルムの中央部は搬送フィルムと接着しない。従って基板を排出する際に、上下のガイドローラーで絶縁層から支持ベースフィルムを剥離する過程で支持ベースフィルムの中央部にシワが生じ、絶縁層の表面に、剥離痕(ムラ)141が生じ易いという問題がある(図14参照)。
更に、従来の方法では接着層を絶縁樹脂フィルムの両端部に、その巻き取り方向に沿って帯状(線状)に形成するが、接着層の形成は支持ベースフィルムを剥離する際の起点となる、支持ベースフィルムの先端部にのみ形成すればよい。従って、上述の方法では接着剤の使用量が必要以上に多くなるという問題がある。ノズルアプリケーターをオートカットラミネーターの仮付け位置に取付ける方法では、接着剤の使用を最小限に抑えることができるが、接着剤を使用することによるコストアップは避けられない。
特許第4117690号公報 特許第4300687号公報 特許第4590939号公報 特許第4525180号公報
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、支持ベースフィルムに絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルムを配線回路基板に積層し、支持ベースフィルムを剥離して配線回路基板上に絶縁層を形成する積層装置において、ランニングコストが安く、かつ効率的に支持ベースフィルムの剥離が可能な積層装置、及びこれを用いた絶縁層の形成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、支持ベースフィルム上に絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルムを使って、配線層が形成された配線回路基板上に、前記絶縁樹脂層を転写する積層装置であって、
前記絶縁樹脂フィルムの絶縁樹脂層が形成された面を前記配線回路基板に対面させて、前記配線回路基板の表裏に前記絶縁樹脂フィルムを仮付けし、その表裏から搬送手段である搬送フィルムで挟み込んで前記搬送フィルムごと加圧プレス手段に搬送し、加圧プレス処理を施すことによって得た積層体の、前記支持ベースフィルムと前記搬送フィルムとをレーザー溶着するレーザー溶着手段と、
表裏の前記搬送フィルムを互いに反対方向に引っ張ることで、前記配線回路基板から引き剥がす引き剥がし手段と、を備えていることを特徴とする積層装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層装置を用いて、配線回路基板上に
絶縁層を形成する絶縁層の形成方法であって、
搬送フィルムと支持ベースフィルムをレーザーによって溶着するレーザー溶着工程と、
表裏の搬送フィルムを互いに反対方向に引っ張ることで、支持ベースフィルム上の絶縁樹脂層の前記配線回路基板への転写を完了する引き剥がし工程と、を備えていることを特徴とする絶縁層の形成方法である。
本発明の積層装置を使用することにより、接着剤を用いないことでランニングコストを低減でき、短時間で確実に接合することで品質と生産性を向上できる。また、待機電力を低減することができる。また、接着剤を使用しないため、接着剤の材料費、接着剤による臭気の問題を解決できるばかりでなく、接着に要する時間を省くことができ、生産性を低下させることなくランニングコストを低く抑えることができる。
さらに本発明の積層装置を使用することにより、オートピーラー等の高価な設備を導入する必要がなくなり、また占有スペースを小さくすることが可能となる。
本発明の積層装置の一実施例を示す模式構成図である。 (a)は、絶縁樹脂フィルムを巻き取った巻き取りフィルムの一例を示す斜視図である。(b)は、(a)の斜視図をA−A'で切断した絶縁樹脂フィルムの模式構成断面図である。 (a)は、配線回路基板120の一例を示す模式平面図である。(b)は、(a)の模式平面図をB−B'線で切断した配線回路基板の模式構成断面図である。 (a)は、配線回路基板120の両面に絶縁樹脂フィルム110を仮付けした配線回路基板120aの模式平面図である。112aは絶縁樹脂層の仮付け部を示す。(b)は、(a)の模式平面図をC−C'線で切断した配線回路基板の模式構成断面図である。 搬送フィルム131で配線回路基板120aの両面をサンドイッチした配線回路基板120bを示す模式構成断面図である。 配線回路基板120bを真空ラミネート処理、次いで平面プレス処理を行った配線回路基板120cを示す模式構成断面図である。 配線回路基板120cの絶縁層112b上の支持ベースフィルム111と、搬送フィルム131とをレーザー溶着した状態を示す説明図である。131aはレーザー溶着による接合部分である。 レーザー加工ヘッド55の取り付け位置の一例を示す、模式構成図である。 配線回路基板120cより搬送フィルム131、接着層及び支持ベースフィルム111を剥離している状態を示す説明図である。 配線回路基板120の両面に絶縁層112bが形成された配線回路基板120dを示す模式構成断面図である。 特許文献3及び特許文献4における、接着層113を支持ベースフィルムの両端部に形成した絶縁樹脂フィルムを巻き取った巻き取りフィルムの一例を示す斜視図である。(b)は、(a)の斜視図をD−D'線で切断した絶縁樹脂フィルムの模式構成断面図である。 特許文献4における、基板の搬送方向に沿って絶縁樹脂フィルム110の両端に接着層113を形成した配線回路基板の一例を示す斜視図である。(b)は、(a)の斜視図をE−E'線で切断した配線回路基板の模式構成断面図である。 絶縁樹脂フィルム110の仮付け位置112aの近くに接着層113を形成した配線回路基板の一例を示す斜視図である。(b)は、(a)の斜視図をF−F'線で切断した配線回路基板の模式構成断面図である。 特許文献3、及び特許文献4における剥離痕(ムラ)141の発生状況を示す模式図である。
本発明の積層装置の一実施例を示す模式構成図を図1に示す。
この積層装置は、後記する支持ベースフィルムに絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルムの、前記絶縁樹脂層のある面を配線回路基板の面に対向するように重ねて、前記配線回路基板の有効領域外の所定領域と、前記絶縁樹脂層の端部を仮付けしてから、前記絶縁樹脂フィルムを所定サイズにカットするオートカットラミネーターユニット10と、前記絶縁樹脂フィルムが仮付けされた前記配線回路基板に搬送フィルムを重ね合わせる搬送フィルム送り出しユニット20と、前記絶縁樹脂層を前記配線回路基板の面に所定の条件で加圧プレスすることにより積層して絶縁層とする加圧ラミネーターユニット30と、前記配線回路基板の面に形成された前記絶縁層の平滑化を行う平面プレスユニット40と、前記配線回路基板の面に形成された、前記絶縁層の表面に残った前記支持ベースフィルムと、前記搬送フィルムとをレーザー溶着にて接合し、かつ前記絶縁樹脂層を前記配線回路基板の面に残した状態で、搬送フィルムと前記接着層と支持ベースフィルムとを配線回路基板から剥離する搬送フィルム巻き取りユニット50とを具備している。
本発明の積層装置は、支持ベースフィルムに絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルムの絶縁樹脂層を、予め配線層等が形成された配線回路基板上に転写して絶縁層を形成する積層装置である。以下、本発明の積層装置を構成する各ユニットについて説明する。
オートカットラミネーターユニット10は、後述する支持ベースフィルムに絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルム110を所定のサイズにカットして配線回路基板上の所定位置に貼り付ける装置である。代表的な機種としては、例えば伯東(株)製のMach630、(株)日立プラントテクノロジー製のTLD−6500、(株)エム・シー・ケー製のMTA−602型等が挙げられる。
先ず、オートカットラミネーターユニット10で使用するための絶縁樹脂フィルム110を別途作製する。PETフィルム等からなる支持ベースフィルム111の一方の面に絶縁樹脂層となる樹脂溶液をロールコート等の塗布手段により塗布するか、樹脂フィルムを貼り付け転写する等の方法で絶縁樹脂層112を形成し、絶縁樹脂層の表面を保護フィルムで覆った形態でロール状に巻き取り、絶縁樹脂フィルム110の巻き取りロール11を作製する(図2の(a)及び(b)を参照)。具体的には、例えば市販の絶縁樹脂フィルム(ABF−GX、味の素ファインテクノ(株)製)などが使用できる。
次に、予め配線層等が形成された配線回路基板の有効領域121を有する配線回路基板120(図3の(a)及び(b)を参照)が図1に示すローラーコンベアー14によりオートカットラミネーターユニット10へ搬送される。オートカットラミネーターユニット10には、前述の支持ベースフィルム111に絶縁樹脂層112が形成された絶縁樹脂フィルム110の巻き取りロール11が装填されており、保護フィルムが保護フィルム巻き取りロール13にて巻き取られた後、絶縁樹脂フィルム110の先端が仮付けプレート12に吸着される。さらに、仮付けプレート12が下方へ移動して絶縁樹脂フィルム110の絶縁樹脂層112と配線回路基板120が接触する。その際、配線回路基板120の有効領域121外の所定部分に絶縁樹脂層112の端部を加熱、圧着して仮付けする(図1参照)。このようにして、絶縁樹脂フィルム110の絶縁樹脂が形成された面を配線回路基板120に対面させた形で、絶縁樹脂フィルム110の配線回路基板120への仮付けが完了する。この作業を表裏面に同時に実施することにより、配線回路基板120の表裏面に、絶縁樹脂層112を配線回路基板120に対面させて貼合した形で仮付けが完了する。
絶縁樹脂フィルム110が仮付けされた配線回路基板120a(図4参照)は、ローラーコンベアー14にて搬送フィルム送り出しユニット20へ送り込まれる(図1参照)。搬送フィルム送り出しユニット20では、搬送フィルム送り出しロール21より送り出された搬送フィルム131が、ガイドローラー22にて配線回路基板120aと重ね合わされ、搬送フィルム131で両面がサンドイッチされた配線回路基板120bとなる(図5参照)。搬送フィルム131としては、例えばユニチカ(株)製のPTH−38や、東レ(株)製の26X42、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製のSP36等のPETフィルムを使用することができる。これらのPETフィルムは表面粗度が大きいことから、真空ラミネートの際に基板と搬送フィルムとの間の空気が抜け易く、形成される絶縁層112aの品質が安定するので特に好ましい。
搬送フィルム131で両面をサンドイッチされた配線回路基板120bはフィルム搬送により移動し、加圧ラミネータユニット30、次いで平面プレスユニット40へ送り込まれる(図1参照)。加圧ラミネータユニット30では、支持ベースフィルム111上の絶縁樹脂層112が、配線回路基板120の両面に所定の条件で積層され、平面プレスユニット40では、配線回路基板120の両面に形成された絶縁層112bの平滑化処理が行われる。加圧ラミネータとしては、例えばニチゴー・モートン(株)製のCVP−300、(株)名機製作所製のMVLP−500/600IIB等、市販のものを使用することができる。これらの機種は、加圧ラミネータユニット40と平面プレスユニット50とを備え、これらがフィルム搬送系で連結されていることから特に好ましい。
平面プレスユニット40より送り出された配線回路基板120c(図6参照)は、搬送フィルム巻き取りユニット50へ送られ(図1参照)、ここで、加熱された状態で加圧され、積層処理される。積層処理後の配線回路基板120cはここで1サイクル停止し、その間に上下の冷却ファン54で冷やされる(図1参照)。また、搬送フィルム巻取りユニット50にはレーザー加工ヘッド55が取付けられており、絶縁樹脂フィルム110の先端部に相当する搬送フィルム131の所定の位置を、絶縁樹脂フィルム110の支持ベースフィルム111とレーザー溶着する(図7参照)。通常の積層工程では1サイクルが1分程度であり、ホットメルト接着剤を用いる従来の方法では、1サイクルの時間が短い場合において、積層処理後の配線回路基板120cの冷却が不十分となり、十分な接着強度が得られず剥離が安定しないことがあった。一方、レーザー溶着では溶着時間は数秒で済み、同じ材質同士であれば十分な接着強度が得られる。
レーザー溶着部131aは、支持ベースフィルム111を剥離する際のきっかけとして作用するので、配線回路基板の搬送方向に対して、支持ベースフィルム111の先端部に形成することが好ましい。レーザー溶着部131aの形状はレーザー加工ヘッド55のスキャン方向に対応するが、小型のレーザー加工ヘッドを直線状に複数配置してもよいし、1個のレーザー加工ヘッドを支持ベースフィルム111の端部に沿ってスキャンさせても良い。レーザー加工ヘッド55は搬送フィルム131の外側、配線回路基板に対して上下の位置に設置され、積層処理後の配線回路基板120cが停止した後、その搬送方向に直行するように移動しながら、所定の条件にて溶着を行う(図8参照)。また、レーザー溶着を確実に行うために、搬送フィルム131、支持ベースフィルム111、積層処理後の配線回路基板120cを一定の圧力で加圧する必要がある。よって、レーザー加工ヘッド55は積層処理後の配線回路基板120cの密着を安定させる為のホルダーを備え、かつ加圧可能なエアシリンダーを介して装置本体へ固定されるのが好ましい。
本発明で用いるレーザー溶着装置はレーザー光源、制御装置、加工ヘッドから構成される。レーザー光源と制御装置は装置外の操作し易い場所へ設置することができるが、光源を制御装置に組み込んだ小型の装置の方が取り付け位置の自由度が高く好ましい。具体的には、例えばジェーディーエス ユニフェーズ社(米国)製、(株)ファインデバイス製、リコー光学(株)製、日本アビオニクス(株)製、等の市販のレーザー溶着装置が挙げられる。また、配線回路基板120の厚さ(熱容量)は製品毎に異なるので、加工点の温度を一定に保つ為の出力制御機構を備えていることが好ましい。
絶縁層112bを積層した積層処理後の配線回路基板120cは、搬送フィルム巻き取りユニット50から排出される際に、搬送フィルム巻き取りガイドローラー53により、レーザー溶着部131aを起点として、搬送フィルム131と支持ベースフィルム111とが積層処理後の配線回路基板120cより剥離され(図9参照)、配線回路基板120の両面に絶縁層112bが形成された、支持ベースフィルム剥離後の配線回路基板120dを得ることができる(図10参照)。剥離された支持ベースフィルム111は、搬送フィルム131とともに、搬送フィルム巻き取りロール51に巻き取られて回収される。すなわち、ここで表裏の搬送フィルムは、互いに反対方向に引っ張られることで、図9に示すように、支持ベースフィルム111と一緒に、配線回路基板120の絶縁樹脂層から引き離され、絶縁樹脂層の転写を完了し、配線回路基板120に絶縁層112bが形成される。
レーザー溶着の原理は、レーザー光を透過する材料とレーザー光を吸収する材料とを重ねて密着させ、その部分にレーザー光を照射するとそれら材料の境界面で発熱し、その熱で樹脂を溶かして接合するものである。本発明ではレーザー光透過材料が搬送フィルムと支持ベースフィルム、レーザー光吸収材料が絶縁層と配線回路基板である。但し、各層が数十ミクロンと薄い為、発生した熱で搬送フィルム131、支持ベースフィルム111、絶縁層112b、積層処理後の配線回路基板120cの全てがその界面において接合される。
しかしながら、支持ベースフィルム111と絶縁層112bの接合強度Aは、搬送フィルム131と支持ベースフィルム111とのPET素材間の接合強度B、及び絶縁層112bと積層処理後の配線回路基板120cとの接合強度Cと比較して極めて低く、接合強度A、接合強度B、接合強度Cの間に、式(1)に示す関係が成立していることから、支持ベースフィルム111と絶縁層112bとの界面で安定して剥離することができる。これが、表裏の搬送フィルムを互いに反対方向に引っ張ることで、配線回路基板から引き剥がす、引き剥がし手段である。
配線回路基板120上の、レーザー溶着部131aに対応する部分には導体パターンを配置しないことが好ましい。何故なら、導体パターンはレーザー光の熱を拡散させ、導体パターンの有無で溶着状態が変化し、その結果剥離動作が不安定となるからである。加工条件はレーザー出力とスキャン速度により設定するが、積層工程のサイクルタイムが1分程度であることから、それほど出力を上げる必要はない。一般的な加工条件は、レーザー出力が10〜30W、スキャン速度が10〜100mm/secである。レーザー出力が足りないとレーザー光吸収材料が溶融せず、搬送フィルム131と支持ベースフィルム111とが溶着しない。逆にレーザー出力が高いと加工点の温度が上がり過ぎて溶着不良が発生する場合があり、レーザー光吸収材料とその周辺部材が損傷するため好ましくない。レーザー溶着部131aの形状は直線状でも、ドットが直線上に連なった形状でも、剥離動作が安定すれば特に限定しない。
なお、本発明では、レーザー加工ヘッド55の取り付け位置を、搬送フィルム巻き取りユニット50の内部としているが、積層工程に基板冷却ユニットを追加している場合は、設置スペースを確保し易い基板冷却ユニットに取り付けることもできる。レーザー溶着は積層工程のどの段階で実施しても差し支えないが、例えば絶縁樹脂フィルムが仮付けされた配線回路基板120aでは、レーザー溶着により仮付け部が剥離する可能性があること及
び基材固定用のホルダーを押し付ける際に絶縁樹脂フィルムにしわが生じたりすることから、絶縁層112bが積層された後に行うことが好ましい。
本発明の積層装置を用いた絶縁層の形成方法によれば、オートピーラー等の高価な設備を導入することなく、通常の積層工程における搬送動作に付随した方法で支持ベースフィルムの剥離を行い、配線回路基板上に絶縁層を効率よく形成できる。また、剥離された支持ベースフィルムは搬送フィルムとともに巻き取られて回収されるため、占有スペースが小さく、廃棄作業の負担も軽減される。つまり、生産性と経済性に優れ、品質、歩留まり等で安定して絶縁層を形成することができる。
さらに、配線回路基板120dの絶縁層112b上に回路形成、ビア形成及び上記絶縁層形成を所定回数繰り返すことにより、多層配線回路基板及び、半導体パッケージ基板等を容易に製造することが可能となる。
10・・・・オートカットラミネーターユニット
11・・・・絶縁樹脂フィルム巻き出しロール
12・・・・仮付けプレート
13・・・・保護フィルム巻き取りロール
14・・・・ローラーコンベアー
15・・・・ラミネートロール
20・・・・搬送フィルム送り出しユニット
21・・・・搬送フィルム送り出しロール
22・・・・ガイドロール
30・・・・加圧ラミネーターユニット
31a・・・・ラミネータ上熱板
31b・・・・ラミネータ下熱板
40・・・・平面プレスユニット
41a・・・・平面プレス上熱板
41b・・・・平面プレス下熱板
50・・・・搬送フィルム巻き取りユニット
51・・・・搬送フィルム巻き取りロール
52・・・・ニップロール
53・・・・搬送フィルム巻き取りガイドローラー
54・・・・冷却ファン
55・・・・レーザー加工ヘッド
110・・・・絶縁樹脂フィルム
111・・・・支持ベースフィルム
112・・・・絶縁樹脂層
112a・・・・絶縁樹脂層の仮付け部
112b・・・・絶縁層
113・・・・接着層
120・・・・配線回路基板
120a・・・・絶縁樹脂フィルムが仮付けされた配線回路基板
120b・・・・上下の搬送フィルムでサンドイッチされた配線回路基板
120c・・・・積層処理後の配線回路基板
120d・・・・支持ベースフィルム剥離後の配線回路基板
121・・・・配線回路基板の有効領域
131・・・・搬送フィルム
131a・・・・レーザー溶着部
141・・・・剥離痕(ムラ)

Claims (2)

  1. 支持ベースフィルム上に絶縁樹脂層が形成された絶縁樹脂フィルムを使って、配線層が形成された配線回路基板上に、前記絶縁樹脂層を転写する積層装置であって、
    前記絶縁樹脂フィルムの絶縁樹脂層が形成された面を前記配線回路基板に対面させて、前記配線回路基板の表裏に前記絶縁樹脂フィルムを仮付けし、その表裏から搬送手段である搬送フィルムで挟み込んで前記搬送フィルムごと加圧プレス手段に搬送し、加圧プレス処理を施すことによって得た積層体の、前記支持ベースフィルムと前記搬送フィルムとをレーザー溶着するレーザー溶着手段と、
    表裏の前記搬送フィルムを互いに反対方向に引っ張ることで、前記配線回路基板から引き剥がす引き剥がし手段と、を備えていることを特徴とする積層装置。
  2. 請求項1に記載の積層装置を用いて、配線回路基板上に絶縁層を形成する絶縁層の形成方法であって、
    搬送フィルムと支持ベースフィルムをレーザーによって溶着するレーザー溶着工程と、
    表裏の搬送フィルムを互いに反対方向に引っ張ることで、支持ベースフィルム上の絶縁樹脂層の前記配線回路基板への転写を完了する引き剥がし工程と、を備えていることを特徴とする絶縁層の形成方法。
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