JP2005340170A - フレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース - Google Patents

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Shigemasa Takahashi
重正 高橋
Nobuyuki Yagi
信行 八木
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Abstract

【課題】フレキシブル基板の露出しているパターン形成面の部分がケースから浮き上がらないフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースを提供する。
【解決手段】合成樹脂フイルム11上にパターン17,19を形成したフレキシブル基板10を、前記パターン形成面が露出面となるように合成樹脂製のケース40内にインサート成形してなる電子部品用ケース1である。フレキシブル基板10の露出面のパターン17とパターン19の間の部分に孔25を設け、孔25の内部にケース40を構成する合成樹脂を導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースに関するものである。
従来、電子機器に使用される回転式スイッチ、回転式可変抵抗器、スライド式スイッチ、スライド式可変抵抗器等の各種電子部品として、パターンを形成したフレキシブル基板をモールド樹脂製のケース内にインサート成形し、前記ケース内に露出したパターン上に摺動子を摺接させる構造のものがある。
図6はこの種従来の電子部品に使用される電子部品用ケース80の一例を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は側断面図(同図(a)のa−a断面図)である。
同図に示す電子部品用ケース80は、合成樹脂フイルム上にパターン87,89を形成したフレキシブル基板85を、パターン形成面が外部に露出する露出面となるように合成樹脂製のケース100内にインサート成形することによって構成されている。パターン87の外周とパターン89の両端部からはそれぞれ図示しない端子接続パターンが引き出されており、これら各端子接続パターン上には端子91が当接接続されている。電子部品用ケース80の中央にはケース100及びフレキシブル基板85を貫通する貫通孔93が設けられている。
そしてケース100の露出面を設けるために形成した摺動子収納部101内に、摺動子を取り付けた摺動型物を回動自在に収納し、この摺動型物及び摺動子を回動することで前記パターン87,89上に摺動子を摺接させ、これによって各端子91間の電気的出力を変化する。
電子部品用ケース80の製造方法は、図7に示すようにフレキシブル基板85と端子91とを第一,第二金型110,120内に挟持すると共に、第一金型110に設けた基板当接面111をフレキシブル基板85のパターン形成面に当接し、第一,第二金型110,120によって形成されるキャビティー130内に溶融した合成樹脂をピンゲート121から注入することによって行なう。
しかしながら上記従来の電子部品用ケース80の製造方法によれば、完成した電子部品用ケース80のフレキシブル基板85のパターン形成面の裏面とケース100の上面間、即ち両者の接触面間に隙間ができて、フレキシブル基板85のパターン形成面の部分がケース100から少し浮いてしまうという問題が生じた。フレキシブル基板85のパターン形成面の部分がケース100から浮くと、その上を摺動する摺動子の接触圧が変化し、製品寿命が短くなったり、ノイズ発生の原因になったりする。
特開平10−172630号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、フレキシブル基板の露出しているパターン形成面の部分がケースから浮くことなく密着した状態を確実に維持できるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースを提供することにある。
前記フレキシブル基板85のパターン形成面の裏面とケース100の上面間に隙間ができる原因として、本願発明者は、注入した溶融モールド樹脂中から発生する微量のガスがフレキシブル基板85とケース100の接触面間に残ってしまうことと、成形後のフレキシブル基板85とケース100の冷却時の収縮率の相違によって両者の接触面の固着状態が剥がれてしまうことによることを見い出した。またガスがフレキシブル基板85とケース100の接触面間に残ると両者の接触面の固着力が弱くなり、これがフレキシブル基板85とケース100の冷却時の収縮率の相違による固着状態の剥がれを助長することもある。
本願請求項1に記載の発明は、合成樹脂フイルム上にパターンを形成したフレキシブル基板を、前記パターン形成面が外部に露出する露出面となるように合成樹脂製のケース内にインサート成形することによって前記フレキシブル基板とケースとを一体化してなるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにおいて、前記フレキシブル基板の露出面のパターンとパターンの間の部分に孔を設け、その孔の内部に前記ケースを構成する合成樹脂を導入したことを特徴とするフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにある。孔に合成樹脂を導入することでケースとフレキシブル基板間の機械的固定が確実になり、これによってたとえ両者の密着力が弱くても、ケースからフレキシブル基板のパターン形成面が浮き上がることはない。
本願請求項2に記載の発明は、前記ケース内の露出面に露出するパターンは、その上を摺動子が摺接するパターンであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにある。
本願請求項3に記載の発明は、前記ケース内の露出面に露出するパターンは、導電体パターンと抵抗体パターンとであることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにある。
本願請求項4に記載の発明は、前記ケースは、その上面中央に摺動子収納部を設け、この摺動子収納部の底に前記フレキシブル基板のパターン形成面を露出すると同時に、前記フレキシブル基板に設けた孔もこの摺動子収納部内に露出していることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにある。
なお上記フレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースを製造するには、合成樹脂フイルム上にパターンを形成したフレキシブル基板を金型内に挿入すると共に金型に設けた基板当接面をフレキシブル基板のパターン形成面に当接し、金型のキャビティー内に溶融した合成樹脂を注入することによって、前記パターン形成面が外部に露出する露出面となるように合成樹脂製のケースを成形するフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースの製造方法において、前記フレキシブル基板の露出面のパターンとパターンの間の部分に孔を設けておくことで、前記溶融した合成樹脂の注入時にこの溶融した合成樹脂から発生するガスを金型の基板当接面側に排気させるように構成すれば良い。
本発明によれば、フレキシブル基板の露出しているパターン形成面の部分がケースから浮き上がることはなく、フレキシブル基板のパターン形成面の裏面とケースの上面間、即ち両者の接触面間は確実に密着した状態を維持でき、その上を摺動する摺動子の接触圧が常に一定となり、製品寿命が長くなり、またノイズの発生を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース1を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は側断面図(同図(a)のA−A断面図)である。同図に示すように電子部品用ケース1は、フレキシブル基板10と三本の金属板製の端子60とをケース40内にインサート成形することによって構成されている。以下各構成部品について説明する。
図2はフレキシブル基板10と三本の端子60とを示す分解斜視図である。同図においてフレキシブル基板10は、略円形で外周から端子接続部13を引き出してなる合成樹脂フイルム(例えばポリエチレンテレフタレートフイルム)11の中央に貫通孔15を設け、その周囲にリング状の導電体パターン17と円弧状の抵抗体パターン19と、導電体パターン17の外周及び抵抗体パターン19の両端からそれぞれ端子接続部13上に引き出した端子接続パターン21とを設けて構成されている。各端子接続パターン21は導電体パターン17と抵抗体パターン19から引き出された導電塗料層の上に弾性導電塗料層を重ね塗りして構成されている。弾性導電塗料層としては例えば熱硬化性の架橋型ウレタン樹脂に銀粉を混練して乾燥後でも所定のゴム弾性を有するものなどによって構成される。端子接続部13の各端子接続パターン21の両側には合成樹脂導通穴23が設けられている。なおパターンの種類は電子部品に応じて種々の変更が可能であることは言うまでもなく、スイッチパターン等、他の種々のパターンであっても良い。
そして本実施形態においては、フレキシブル基板10の導電体パターン17と抵抗体パターン19の間の部分、即ちパターン形成面の所定位置に5つの孔25を設けている。この孔25は固定用であると同時にガス抜き用の孔にもなる。
ケース40は略矩形状であって、上面中央に凹状の摺動子収納部41を設け、その底にフレキシブル基板10のパターン形成面を露出している。そして前記フレキシブル基板10の孔25は図1に示すようにケース40の摺動子収納部41内に露出する位置に位置しており、各孔25の内部にはケース40を構成する合成樹脂が導入され埋められている。ケース40のフレキシブル基板10の貫通孔15に対向する位置には同一内径の貫通孔43が設けられ、またケース40上面の角部の2ヶ所にはこのケース40上に図示しないカバーを取りつけるための突起状の取付部45が設けられている。ケース40は熱可塑性樹脂であり、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン等で構成されている。
電子部品用ケース1を製造するには図2において三本の端子60の根元の取付部61をフレキシブル基板10の各端子接続パターン21上に当接した状態で、これらフレキシブル基板10と端子60とを図3に示すように第一,第二金型110,120内に挟持する。その際第一金型110に設けた基板当接面111をフレキシブル基板10のパターン形成面に当接する。そして第一,第二金型110,120によって形成されるキャビティー130内に第二金型120に設けたピンゲート121から溶融モールド樹脂を注入することでキャビティー130内を溶融モールド樹脂で満たす。そして溶融モールド樹脂が固化した後に第一,第二金型110,120を取り外せば、電子部品用ケース1が完成する。
本実施形態の場合、フレキシブル基板10に固定兼ガス抜き用の孔25を設けているので、フレキシブル基板10の下側に満たされた溶融モールド樹脂から発生する微量のガスの内のフレキシブル基板10の裏面側に溜まろうとするガスは、充填された溶融モールド樹脂の圧力によって孔25から基板当接面111側に抜けるように押し上げられていく。従ってフレキシブル基板10のパターン形成面の裏面側にガスは溜まらない。
また成形後のフレキシブル基板10とケース40の冷却時の収縮率の相違によって両者の接触面の固着状態が剥がれようとしても、モールド樹脂が孔25の内部にも導入されてこの部分で両者の固着を行なっているので、容易に両者間が剥がれることもない。
以上のことからフレキシブル基板10のパターン形成面の裏面とケース40の上面間、即ち両者の接触面間は確実に密着した状態を維持でき、その上を摺動する摺動子の接触圧が常に一定となり、製品寿命が長くなり、またノイズの発生を防止できる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば本発明にかかる電子部品用ケースは、図4に示す電子部品用ケース1−2のようにフレキシブル基板10をそのままケース40の外部に引き伸ばした構造としてもよく、また図5に示す電子部品用ケース1−3のようにフレキシブル基板10中央の貫通孔15からモールド樹脂を突出して軸部47を形成した構造としても良い等、種々の変形が可能である。要はパターン形成面が外部に露出する露出面となるように合成樹脂製のケース内にフレキシブル基板をインサート成形することによってフレキシブル基板とケースとを一体化してなるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースであればどのような構造であっても良い。
また固定兼ガス抜き用の孔25の位置は上記実施形態以外の種々の位置であっても良い。
上記実施形態では孔25内にモールド樹脂を充填することでフレキシブル基板10のケース40への固定を行なっているが、ガス抜きの作用のみを求める場合は必ずしも孔25内にモールド樹脂を充填しなくても良い。ガス抜きの効果だけでもフレキシブル基板10とケース40間の密着性はかなり向上する。
本発明の一実施形態にかかるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は側断面図(図1(a)のA−A断面図)である。 フレキシブル基板10と端子60とを示す斜視図である。 電子部品用ケース1の製造方法を示す図である。 他のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース1−2の側断面図である。 他のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース1−3の側断面図である。 従来の電子部品用ケース80の一例を示す図であり、図6(a)は斜視図、図6(b)は側断面図(図6(a)のa−a断面図)である。 電子部品用ケース80の製造方法を示す図である。
符号の説明
1 電子部品用ケース
10 フレキシブル基板
11 合成樹脂フイルム
15 貫通孔
17 導電体パターン
19 抵抗体パターン
21 端子接続パターン
25 孔
60 端子
40 ケース
41 摺動子収納部
43 貫通孔
110 第一金型
111 基板当接面
120 第二金型
121 ピンゲート
130 キャビティー

Claims (4)

  1. 合成樹脂フイルム上にパターンを形成したフレキシブル基板を、前記パターン形成面が外部に露出する露出面となるように合成樹脂製のケース内にインサート成形することによって前記フレキシブル基板とケースとを一体化してなるフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケースにおいて、
    前記フレキシブル基板の露出面のパターンとパターンの間の部分に孔を設け、その孔の内部に前記ケースを構成する合成樹脂を導入したことを特徴とするフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース。
  2. 前記ケース内の露出面に露出するパターンは、その上を摺動子が摺接するパターンであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース。
  3. 前記ケース内の露出面に露出するパターンは、導電体パターンと抵抗体パターンとであることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース。
  4. 前記ケースは、その上面中央に摺動子収納部を設け、この摺動子収納部の底に前記フレキシブル基板のパターン形成面を露出すると同時に、前記フレキシブル基板に設けた孔もこの摺動子収納部内に露出していることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のフレキシブル基板内蔵の電子部品用ケース。
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JP2009098343A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 光モジュールおよび光モジュールの製造方法
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