JP2005339995A - 扁平形有機電解液電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】扁平形有機電解液電池に用いるガスケットの樹脂材料の曲げ弾性率を規定することにより、高温保存時における耐漏液性能を保持し、かつ電池内部の気体に起因する内部抵抗の上昇を抑制する。
【解決手段】有底円筒状に形成され一方の電極端子を兼ねるケースと、有底円筒状に形成され他方の電極端子を兼ねる封口板とを、前記ケースと前記封口板とを絶縁する環状のガスケットを挟んでかしめ、内部に有機電解液を含む発電要素を密閉してなる扁平形有機電解液電池のガスケットに曲げ弾性率の値が7500〜10000kg/cm2以下の樹脂材料を使用することにより、高温保存時における耐漏液性能を保持し、かつ内部抵抗の上昇を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】有底円筒状に形成され一方の電極端子を兼ねるケースと、有底円筒状に形成され他方の電極端子を兼ねる封口板とを、前記ケースと前記封口板とを絶縁する環状のガスケットを挟んでかしめ、内部に有機電解液を含む発電要素を密閉してなる扁平形有機電解液電池のガスケットに曲げ弾性率の値が7500〜10000kg/cm2以下の樹脂材料を使用することにより、高温保存時における耐漏液性能を保持し、かつ内部抵抗の上昇を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、扁平形有機電解液電池の高温及び長期保存特性の向上に関するものである。
近年の電子機器は小型化、軽量化が進んでいるが、扁平形有機電解液電池は、電子機器のメモリーバックアップやポータブル電子機器の主電源などに使用され、機器の動向に適合した部品として用途が拡大している。扁平形有機電解液電池の代表例としては電卓、時計などに使用されている二酸化マンガンリチウム電池、メモリーバックアップなどに使用されているフッ化黒鉛リチウム電池などがあげられる。
これらの扁平形有機電解液電池は構成要素である正負極の電極、有機電解液、セパレータを電池内部に有し、有機電解液が外部に漏出しないように密閉されている。かしめ封口方式では、有底円筒状に形成され一方の電極端子を兼ねるケースと、有底円筒状に形成され他方の電極端子を兼ねる封口板とを、前記ケースと前記封口板とを絶縁する環状のガスケットを挟んでかしめ、その内部に、ケースに接触する正極ペレットと封口板に接触する負極、さらに両活物間を絶縁し有機電解液を保持するセパレータとして構成される。
このような扁平形有機電解液電池では、ガスケットには電解液等により変質しない種類の樹脂を使用する。このような樹脂としてはポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系高分子化合物や、それらの混合物、共重合体などがあげられる。一例として特許文献1に、耐漏液性等の特性を確保する目的で曲げ弾性率が12000〜18000kg/cm2以下のプロピレンとエチレンのブロック共重合ポリマーを使用することが示されている。
特開平7−130341号公報
扁平形有機電解液電池の最高使用温度は、60℃と規定されていることが多い。しかし近年自動車室内での使用など、従来の温度範囲より高温条件下での使用や、セキュリティ用途向けに長期間の保存特性や信頼性が要求されるようになっている。このような高温条件下での長期間の使用においては、電池内部に存在する気体の膨張や、電解液の分解による気体の発生により内部の圧力が上昇することによって、電池内部での気体の偏在や内圧による変形で電池の内部抵抗が上昇する場合がある。例として、電池内部に気体が存在すると、電池の保持姿勢や振動などにより気体が正負極の電極間に移動して電極間の電気化学反応を阻害する要因となり、電池の内部抵抗が上昇する場合がある。また電池内圧の上昇により電池が膨張した場合には、電池内の電極間、あるいは電極と集電体間の接触圧力が低下し、この部分の接触抵抗が上昇する。これら電池内部の抵抗上昇は放電時の維持電圧を低下させ、機器内での電池の作動可能時間が短縮される。
本発明は、かしめ封口方式を採用する偏平形有機電解液電池の高温条件下における長期間の保存特性や信頼性を改善することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、有底円筒状に形成され一方の電極端子を兼ねるケースと、有底円筒状に形成され他方の電極端子を兼ねる封口板とを、前記ケースと前記封口板とを絶縁する環状のガスケットを挟んでかしめ、内部に有機電解液を含む発電要素を密閉してなる扁平形有機電解液電池において、前記ガスケットが曲げ弾性率の値が750
0〜10000kg/cm2の樹脂材料よりなることを特徴とする。
0〜10000kg/cm2の樹脂材料よりなることを特徴とする。
扁平形有機電解液電池のガスケットはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂からなっており、かしめ封口により加圧することでガスケットの側面と底面を外装缶及び封口板に圧接し、密閉を行っている。
本発明は、ガスケット材料であるポリオレフィン系樹脂の曲げ弾性率を規定することにより、高温や長期保存による電池の内圧上昇時に外装缶及び封口板とガスケットの隙間より気体を放出し、電池の内部抵抗上昇を抑制するものである。
本発明では、扁平形有機電解液電池のガスケット材料として使用する樹脂の曲げ弾性率を規定することで、高温条件下での長期間の使用において電池内圧が異常に上昇した場合に気体を放出して圧力を適正に保ち、電池内の気体の総量を規制することで、電池内の気体に起因する内部抵抗上昇を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は扁平形有機電解液電池の代表例としての扁平形リチウム一次電池の断面図である。ケース1と封口板2はガスケット3を介在して組み合わせられ、電池の外装を形成している。内部には発電要素としての正極4、負極5、セパレータ6が積層され、さらに電解液により満たされている。ガスケット3には、曲げ弾性率の値が7500〜10000kg/cm2の樹脂を使用する。ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂または複数のポリオレフィン樹脂の混合物あるいは共重合体が好適である。
(実施例)
本発明のより具体的な実施例について説明する。
本発明のより具体的な実施例について説明する。
本発明の実施例として実際に扁平形リチウム一次電池を組み立てて、従来の電池との比較を行った。電池サイズは直径24.5mm、高さ50mmのもので行った。
正極には二酸化マンガンを活物質とし、カーボン粉末を導電剤とした粉体混合物を加圧成型したものを用いた。また負極には金属リチウムを、セパレータにはポリプロピレン不織布を使用した。電解液はプロピレンカーボネートと、1,2−ジメトキシエタンとの等容積混合溶媒に、過塩素酸リチウムを1mol/lの割合で溶解したものを用いた。ケース及び封口板にはステンレス金属板を成型加工したものを用いた。封口板の肉厚は0.25mmとした。封口に使用するプレス、金型はすべての例に同一のものを使用した。ガスケットは、ポリオレフィン系樹脂の樹脂材料とそのの曲げ弾性率を(表1)に示すグレードのものを射出成型して使用し、実施例および比較例の電池とした。
(表2)にこれらの電池(各10個)を80℃の高温環境下に保存して内部抵抗および電池総高の比較を行った結果を示す。比較例2、3、4は内部抵抗が上昇し、同時に電池総高も上昇している。これは電池内部に電解液が分解した気体が滞留し、電池が膨張した結果、電池部品間の接触圧力が低下し抵抗が上昇したためと考えられる。しかし実施例1、2、3及び比較例1はいずれも電池総高の膨張、内部抵抗の上昇ともに抑制されている。すなわち発生した気体がガスケットと外装缶及び封口板の隙間から放出され内圧が低下した結果、接触圧力が保持され内部抵抗の上昇が抑制されていることが明らかである。したがってガスケット樹脂の曲げ弾性率が10000kg/cm2以下であることが電池内部での気体発生時に内部抵抗に影響を及ぼさずに内圧を抑制するために必要な条件である。
また(表3)にはこれらの電池(各100個)を温度60℃の環境に保存し、漏液の出現数を比較した結果を示す。ガスケットに用いる樹脂の曲げ弾性率が変化することにより耐漏液性も変化することが懸念されるが、ガスケットの曲げ弾性率が7500kg/cm2以上とした各実施例及び、比較例2、3、4、6、7の各条件において漏液は発生しない。対してガスケットの曲げ弾性率が7500kg/cm2よりも小さい比較例1、5、8では60℃60日保存後に漏液の発生が確認されている。すなわちガスケット樹脂の曲げ弾性率が7500kg/cm2以上の領域で良好な耐漏液性を示すといえる。
これらの結果より、ガスケットに使用する樹脂として曲げ弾性率の値が7500 〜10000kg/cm2であることが電池の耐漏液特性及び保存時の内部抵抗を確保するために必要な値であることが明らかである。またこの値はガスケットの樹脂材料としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合、その材料にかかわらず一定であり、共重合物や混合物を用いても同様の効果が期待できる。
本発明の偏平形有機電解液電池は、曲げ弾性率の値が7500〜10000kg/cm2の樹脂材料をガスケットに使用することにより、高温保存時の耐漏液性を確保し、かつ内部抵抗上昇を抑制させるのに有用である。
1 ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ
Claims (2)
- 有底円筒状に形成され一方の電極端子を兼ねるケースと、有底円筒状に形成され他方の電極端子を兼ねる封口板とを、前記ケースと前記封口板とを絶縁する環状のガスケットを挟んでかしめ、内部に有機電解液を含む発電要素を密閉してなる扁平形有機電解液電池において、前記ガスケットが曲げ弾性率の値が7500〜10000kg/cm2の樹脂材料よりなることを特徴とする扁平形有機電解液電池。
- ガスケットの樹脂材料がポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂または複数のポリオレフィン樹脂の混合物あるいは共重合体である請求項1記載の扁平形有機電解液電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157417A JP2005339995A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 扁平形有機電解液電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004157417A JP2005339995A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 扁平形有機電解液電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005339995A true JP2005339995A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35493316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004157417A Pending JP2005339995A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 扁平形有機電解液電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005339995A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106233496A (zh) * | 2014-04-18 | 2016-12-14 | 株式会社丰田自动织机 | 电池组 |
CN108054303A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-05-18 | 王生义 | 柱状电池或者纽扣电池 |
-
2004
- 2004-05-27 JP JP2004157417A patent/JP2005339995A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20170033340A1 (en) * | 2014-04-18 | 2017-02-02 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Battery pack |
CN106233496B (zh) * | 2014-04-18 | 2019-01-15 | 株式会社丰田自动织机 | 电池组 |
US10714718B2 (en) * | 2014-04-18 | 2020-07-14 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Battery pack |
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