JP2005338073A - シート状プローブの製造方法およびその応用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電極構造体の各々は、絶縁層の表面に露出し、絶縁層の表面から突出し、その基端から先端に向かうに従って小径となる形状の表面電極部と、絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、表面電極部の基端から連続して前記絶縁層をその厚み方向に貫通して伸び、裏面電極部に連結された短絡部とよりなり、表面電極部の基端の径が、短絡部の表面電極部と接する側の端の径よりも大きく、短絡部の厚みが、絶縁層の厚みより大きいことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
然るに、被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハである場合において、ウエハを検査するための検査用プローブを作製する場合には、非常に多数の検査電極を配列することが必要となるので、検査用プローブは極めて高価なものとなり、また、被検査電極のピッチが小さい場合には、検査用プローブを作製すること自体が困難となる。
図39は、検査用回路基板85、異方導電性シート80およびシート状プローブ90を備えてなる従来のプローブカードの一例における構成を示す説明用断面図である。
先ず、図40(a)に示すように、絶縁性シート91の一面に金属層92が形成されてなる積層体90Aを用意し、図40(b)に示すように、絶縁性シート91にその厚み方向に貫通する貫通孔98Hを形成する。
そして、このような検査用プローブによれば、ウエハが検査用プローブによって押圧されたときに、ウエハの反りの大きさに応じて異方導電性シート80が変形するため、ウエハにおける多数の被検査電極の各々に対して良好な電気的接続を確実に達成することができる。
上記のシート状プローブ90の製造方法における短絡部98および表面電極部96を形成する工程においては、電解メッキによるメッキ層が等方的に成長するため、図41に示すように、得られる表面電極部96においては、表面電極部96の周縁から短絡部98の周縁までの距離Wは、表面電極部96の突出高さhと同等の大きさとなる。
そのため、被検査回路装置における被検査電極が微小で極めて小さいピッチで配置されてなるものである場合には、隣接する電極構造体95間の離間距離を十分に確保することができず、その結果、得られるシート状プローブ90においては、絶縁性シート91による柔軟性が失われるため、被検査回路装置に対して安定した電気的接続を達成することが困難となる。
このような問題を解決するため、特許文献5および特許文献6において、それぞれ基端から先端に向かって小径となるテーパ状の表面電極部を有する多数の電極構造体が配置されてなるシート状プローブが提案されている。
図42(a)に示すように、絶縁性シート91の表面にレジスト膜93Aおよび表面側金属層92Aがこの順で形成され、絶縁性シート91の裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Bを用意する。
次いで、図42(c)に示すように、この積層体90Bにおける表面側金属層92Aを電極としてメッキ処理することにより、電極構造体形成用凹所90Kに金属を充填して表面電極部96および短絡部98を形成する。
図43(a)に示すように、形成すべきシート状プローブにおける絶縁性シートより大きい厚みを有する絶縁性シート材91Aの表面に表面側金属層92Aが形成され、絶縁性シート材91Aの裏面に裏面側金属層92Bが積層されてなる積層体90Cを用意する。
このようなシート状プローブ90によれば、表面電極部96がテーパ状のものであるため、径が小さくて突出高さが高い表面電極部96を、隣接する電極構造体の表面電極部96との離間距離が十分に確保された状態で形成することができると共に、電極構造体95の各々の表面電極部96は、積層体に形成された電極構造体形成用凹所90Kをキャビティとして成形されるため、表面電極部96の突出高さのバラツキが小さい電極構造体95が得られる。
しかしながら、これらのシート状プローブにおいては、電極構造体における表面電極部の径が短絡部の径すなわち絶縁性シートに形成された貫通孔の径と同等またはそれより小さいものであるため、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落してしまい、シート状プローブを実際上使用することは困難である。
この問題点を解決するために、例えば、特許文献7に示される径が小さいテーパ状の電極構造体における表面電極部側に保持部を有し、電極構造体が絶縁性シートの裏面から脱落することを防止したシート状プローブが提案されている。
図44(a)に示すように、表面側金属層122、絶縁性シート124、第1の裏面側金属層126、絶縁層128、第2の裏面側金属層130からなる5層の積層材料132を用意する。
そして、第1の裏面側金属層126の貫通孔136を通じて絶縁性シート124にエッチングを行い貫通孔136の底部に表面側金属層122を露出させる。
そして、第1の裏面側金属層126をエッチング処理して保持部を形成するとともに、第1の裏面側金属層126をエッチング処理してその一部を除去することにより、裏面電極部97および支持部を形成し、図44(e)に示したようにシート状プローブ90が得られる。
この貫通孔は、図45に示したように、第2の裏面側金属層130の片面に、貫通孔を形成する部分に開口140aを有するフォトレジスト膜140のパターンを形成し、シート全体をエッチング液に浸漬してエッチングを行うことにより、ポリイミドから構成される絶縁層128、絶縁性シート124に貫通孔を形成することにより得ることができる。
すなわち、従来のように、電極構造体を形成するための貫通孔を、ポリイミドの絶縁層にエッチング加工により形成しようとすると、フォトレジスト膜140により表面が覆われた絶縁層128の膜厚t1と絶縁層128の膜厚t2が厚くなると、表面側金属層122までの間に貫通孔142aが形成されないという問題があった。
ているが、一般的に45°〜55°と言われている。
このため絶縁性シート124と絶縁層128の膜厚t1とt2の合計の膜厚は、開口径φ1の1/2程度以下でなければ、絶縁層に確実に貫通孔142aを開けることができない。
すなわち、プローブカードにおいては、異方導電性コネクターの凹凸吸収能と、シート状プローブの凹凸吸収能の合計が、プローブカードの凹凸吸収能となる。そのため、シート状プローブの凹凸吸収能の低下は、プローブカードの凹凸吸収能の低下を生じさせる。
凹凸吸収能を大きくする手段としては、例えば、特許文献8に示すようなシート状コネクターが知られている。
、2つの異方導電性エラストマーシートとよりなる異方導電性コネクターである。
上記の異方導電性コネクターにおいて、複合導電性シートの可動導体は、絶縁性シートおよび異方導電性エラストマーシートの両方に支持されており、複合導電性シートと異方導電性エラストマーシートとを分離した場合には、可動導体が絶縁性シートから脱落するおそれがあるため、複合導電性シートを単独で取り扱うことは実際上極めて困難である。
合、使用するポリイミド膜の厚さtを35μm以下とする必要があり、底面側の開口径φ2をある程度以上とするためには、厚さtをさらに小さくしなければならない。
耐久性が得られるシート状プローブを製造することができる方法を提供することにある。
本発明の目的は、上記のプローブカードを備えた回路装置の検査装置を提供することにある。
絶縁層と、
この絶縁層にその面方向に互いに離間して配置された、前記絶縁層の厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体を備えた接点膜を有するシート状プローブであって、
前記電極構造体の各々は、
前記絶縁層の表面に露出し、前記絶縁層の表面から突出し、その基端から先端に向かうに従って小径となる形状の表面電極部と、
前記絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、
前記表面電極部の基端から連続して前記絶縁層をその厚み方向に貫通して伸び、前記裏面電極部に連結された短絡部とよりなり、
前記表面電極部の基端の径が、前記短絡部の表面電極部と接する側の端の径よりも大きく、
前記短絡部の厚みが、前記絶縁層の厚みより大きい、
ことを特徴とする。
前記短絡部が、前記絶縁層に対して、その厚み方向に移動可能とされていることが好ましい。
絶縁層の厚み方向における電極構造体の移動可能距離が、5〜30μmであることが好ましい。
少なくとも絶縁性シートと、
この絶縁性シートの表面に形成された表面側金属層と、
前記絶縁性シートの裏面に形成された第1の裏面側金属層とを有する積層体を用意し、
この積層体における第1の裏面側金属層と絶縁性シートに互いに連通する、厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、前記積層体の裏面に、表面電極部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して、表面電極部形成用凹所に金属を充填することにより、絶縁層の表面から突出する表面電極部を形成し、
その後に、前記積層体の裏面側に、厚み方向に複数のエッチング速度の異なる樹脂層により構成された絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された第2の裏面側金属層を形成し、
この積層体における第2の裏面側金属層および絶縁層の各々に互いに連通し、底面に表
面電極部を露出させた短絡部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して、短絡部形成用凹所に金属を充填することにより、表面電極部の基端から連続して絶縁層をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部を形成した後、
第2の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、裏面電極部を形成し、
前記表面側金属層および前記絶縁性シートを除去することにより、前記表面電極部および前記第1の裏面側金属層を露出させ、
その後、前記第1の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、前記表面電極部の基端部分から連続して、前記絶縁性シートの表面に沿って外方に伸びる保持部を形成し、
その後、絶縁層にエッチング処理を行い、絶縁層の表面側部分を除去して、絶縁層の厚みを小さくする工程、
を有することを特徴とする。
前記絶縁層を構成するエッチング速度の異なる樹脂層のうち、表面電極部と接する側の樹脂層のエッチング速度が速いことが好ましい。
前記絶縁層を構成するエッチング速度の異なる複数の樹脂層のうち、少なくとも一層の樹脂層を除去することが好ましい。
前記絶縁層が、金属層を介して積層される複数の樹脂層より形成されており、金属層より表面電極部側の樹脂層をエッチングにより除去することが好ましい。
検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された上記のいずれかに記載のシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とする。
検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された上記のいずれかの方法にて製造されたシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とする。
検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートと、
を有してなることが好ましい。
上記のいずれかのプローブカードを備えてなることを特徴とする。
本発明のウエハの検査方法は、
複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、
上記いずれかに記載のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、
前記各集積回路の電気検査を行うことを特徴とする。
そのため、本発明のシート状プローブを用いたプローブカードの凹凸吸収能が向上し、被検査回路装置の被検査電極に高さバラツキがある場合おいても、容易にすべての被検査電極にプローブカードが電気的に接続を達成することができる。
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して、表面電極部形成用凹所に金属を充填することにより、絶縁層の表面から突出する表面電極部を形成し、
その後に、厚み方向に複数のエッチング速度の異なる樹脂層により構成された絶縁層を
積層し、この絶縁層に短絡部形成用凹所を形成して金属を充填することにより、短絡部を形成し、
その後に、絶縁層にエッチング処理を行い、絶縁層の表面側部分を除去して、絶縁層の厚みを小さくするので、
短絡部の厚みが、絶縁層の厚みより大きいシート状プローブを有利に製造することができる。
絶縁層がエッチング速度の異なる複数の樹脂層により構成され、表面電極部と接する側の樹脂層のエッチング速度が速いため、容易に表面電極部と接する側の樹脂層を除去することができ、短絡部の厚みが絶縁層の厚みより大きいシート状プローブを有利に製造することができる。
絶縁層が、金属層を介して積層される複数の樹脂層より形成されているので、容易に表面電極部と接する側の樹脂層を除去することができ、短絡部の厚みが絶縁層の厚みより大きいシート状プローブを有利に製造することができる。
<第1の実施例のシート状プローブ>
図1は、本発明のシート状プローブの第1の実施例における構成を示す説明用断面図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はX−X線による断面図、図2は、図1のシート状プローブにおける接点膜を拡大して示した平面図、図3は、本発明に係るシート状プローブにおける構造を示す説明用断面図、図4は、本発明に係るシート状プローブの電極構造体を拡大して示す説明用断面図である。
このシート状プローブ10は、図1(a)に示したように、被検査対象であるウエハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔が形成された金属フレーム板25を有し、この貫通孔内には接点膜9が配置されている。
図1(b)に示したように、この支持部22は、金属フレーム板25の上に、絶縁膜からなる接点膜9が形成され、この金属フレーム板25によって接点膜9が支持されている。
即ち、絶縁層18Bの厚み方向に延びる複数の電極構造体15が、検査対象であるウエハの被検査電極に対応するパターンに従って絶縁層18Bの面方向に互いに離間して配置されている。
そして、短絡部18の厚みd3より絶縁層18Bの厚みdは小さいものとなっている。
金属フレーム板25は絶縁層18Bと一体的に設けられるもので、絶縁層18Bと積層された状態で絶縁層18Bの表面に設けられてもよく、絶縁層18Bに中間層として含まれてもよい。
金属フレーム板25となる第2の裏面側金属層17Aを構成する金属としては、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはこれらの合金若しくは合金鋼を用いることができるが、後述する製造方法においては、エッチング処理によって容易に第2の裏面側金属層17Aを金属フレーム板25と裏面電極部17に分離分割できる点で、42合金、インバー、コバールなどの鉄−ニッケル合金鋼や銅、ニッケルおよびこれらの合金が好ましい。
この厚みが過小である場合には、シート状プローブを支持する金属フレーム板として必要な強度が得られないことがある。一方、この厚みが過大である場合には、後述する製造
方法において、エッチング処理によって第2の裏面側金属層17Aより金属フレーム板25と裏面電極部17に分離分割することが困難となることがある。
この場合、金属フレーム板25の各々の開口部26に電極構造体15を保持する柔軟な接点膜9が互いに独立した状態(図11(a))、部分的に独立した状態(図11(b))で配置される。
また、図4に示したように、表面電極部16の基端における径R1に対する突出高さh1の比h1/R1は、0.2〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.6である。
表面電極部16の突出高さh1の高さは、接続すべき電極に対して安定な電気的接続を
達成することができる点で、12〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
また、短絡部18の厚みd3は、10〜60μmであることが好ましく、より好ましくは15〜40μmである。
また、保持部19の径R6は、電極構造体15のピッチの30〜70%であることが好ましく、より好ましくは40〜60%である。
また、本発明のシート状プローブ10では、金属フレーム板25と裏面電極部17とが、異なる金属部材から構成してもよい。
また、金属フレーム板24を構成する金属部材の構成金属と、裏面電極部17を構成する金属部材の構成金属が、同じ金属種の構成金属から構成されていてもよい。
このような範囲に、リング状の支持部材2の厚さを設定することによって、金属フレーム板25と、リング状の支持部材2の熱膨張率の相違による影響、すなわち、温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
なお、金属フレーム板25による接点膜9の支持方法としては、図5(b)に示すよう
に接点膜9の片面において金属フレーム板25に接するように支持部22を形成する構造の他に、前述したように、図5(a)、図6(b)に示すように金属フレーム板24が樹脂製の絶縁層18Bによって挟み込まれた状態で支持部22を形成する構造としてもよい。
このリング状の支持部材2の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、コバール、42アロイなどの低熱膨張金属材料、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
このようなシート状プローブ10によれば、電極構造体15には、表面電極部16の基端部分から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に伸びる保持部19が形成されているため、表面電極部16の径が小さいものであっても、保持部19が絶縁層18Bの表面に支持されている状態であるので、電極構造体15が絶縁層18Bの裏面から脱落することがなくて高い耐久性が得られる。
<第1の実施例のシート状プローブの製造方法>
以下、第1の実施例におけるシート状プローブ10の製造方法について説明する。
り容易に形成することができる点で、エッチング可能な材料よりなることが好ましく、特にポリイミドが好ましい。
このような積層体10Aに対し、図14(b)に示すように、その表面側金属層16Aの表面全体に保護フィルム40Aを積層すると共に、第1の裏面側金属層19Aの表面に、形成すべき電極構造体15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔12Hが形成されたエッチング用のレジスト膜12Aを形成する。
次いで、第1の裏面側金属層19Aに対し、レジスト膜12Aのパターン孔12Hを介して露出した部分にエッチング処理を施して部分を除去することにより、図14(c)に示すように、第1の裏面側金属層19Aに、それぞれレジスト膜12Aのパターン孔12Hに連通する複数のパターン孔19Hが形成される。
このようにして表面電極部16、保持部19が形成された積層体10Aに、図16(a)に示すように第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように絶縁層18Bを形成し、この絶縁層18Bの表面に第2の裏面側金属層17Aを形成し積層体10Bとする。
そして、絶縁層18Bを構成する材料としては、エッチング可能な高分子材料が用いられ、好ましくはポリイミドである。
(1)感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニス、
(2)熱可塑性ポリイミド、
(3)ポリイミドフィルム(例えば、東レ・デュポン(株)商品名「カプトン」)
等を用いることができる。
溶媒に溶解させてポリイミド溶液として積層体10Aに塗布した後、溶媒を蒸発させて絶縁層18Bとする方法、または、
熱可塑性ポリイミドのフィルムを積層体10Aに積層し加熱プレスすることによって、積層体10Aに一体化させて、絶縁層18Bとする方法、
を採用することができる。
上記(3)のポリイミドフィルムを、熱可塑性ポリイミドフィルムを介して、積層体10Aに積層して加熱プレスして一体化する方法、
上記(3)のポリイミドフィルムの表面に、上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスによって、半硬化状態のポリイミド層を形成した後に、積層体10Aに積層して硬化して、一体化する方法、
等により絶縁層18Bを形成することができる。
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを硬化して形成したポリイミド層218A、または、上記(2)の熱可塑性ポリイミドより形成したポリイミド層218Aを介して、積層体10Aに積層して一体化することによって、絶縁層18Bを構成する。
すなわち、図10(a)に示したように、第1の裏面側金属層19Aと保持部19を覆うように、ポリイミド層218Aを設けて、第2の裏面側金属層17A側にポリイミドフィルム218Bを形成して、ポリイミド層218Aを介して、積層体10Aに積層して一体化することによって、絶縁層18Bを構成すればよい。
その後、図16(b)に示すように、積層体10Bに対し、第2の裏面側金属層17Aの表面に、形成すべき電極構造体15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔28Hが形成されたエッチング用のレジスト膜28Aを形成する。
次いで、第2の裏面側金属層17Aに対し、レジスト膜28Aのパターン孔28Hを介して露出した部分にエッチング処理を施して、露出した部分を除去することにより、図16(c)に示すように、第2の裏面側金属層17Aに、それぞれレジスト膜28Aのパターン孔28Hに連通する複数のパターン孔17Hが形成される。
絶縁層18Bをエッチング処理するためのエッチング液としては、前述の絶縁性シート11のエッチングに用いたエッチング液を用いることができる。
このようにして、表面電極部16、保持部19、短絡部18および裏面電極部17が形成された積層体10Bからレジスト膜29Aを除去する。その後に、図18(a)に示すように、裏面電極部17と金属フレーム板25とする第2の裏面側金属層17Aの部分を覆うとともに、除去すべき第2の裏面側金属層17Aの部分に対応するパターンに従って、パターン孔29Kを有するパターニングされたエッチング用レジスト膜29Bを形成する。
その後、表面側金属層16Aの上に設けられた保護フィルム40Aを除去し、表面側金属層16Aおよび第2の裏面側金属層17Aにエッチング処理を施す。
2の裏面側金属層17Aにおけるパターン孔29Kにより露出した部分を除去して、開口部26を形成し、これにより、互いに分離した複数の裏面電極部17および金属フレーム板25が形成される。
そしてレジスト膜17Eの表面全体に保護フィルム40Bを積層する。
この場合、絶縁層を形成する樹脂層のエッチング速度の違いを利用し、絶縁層18Bの表面側部分をエッチング処理することによって除去が行われる。
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを硬化して形成したポリイミド層218A、または、
上記(2)の熱可塑性ポリイミドより形成したポリイミド層218Aにより形成され、そして、絶縁層18Bの裏面側部分が、上記(3)のポリイミドフィルム218Bで構成することにより、
絶縁層18Bの表面側部分のエッチング速度が、絶縁層18Bの裏面側部分のポリイミドフィルムより速いので、容易にポリイミド層218Aよりなる表面層部分を、絶縁層18Bからエッチングにより除去することができる。
に示すシート状プローブ10が得られる。
<第2の実施例のシート状プローブ>
次に、本発明の第2の実施例におけるシート状プローブ10について説明する。
そして、絶縁層18Bの厚みdは、短絡部18の厚みd3よりも小さいものとなっている。
絶縁層18Bの貫通孔318の径R7は、電極構造体15の保持部19の径R6および裏面電極部17の外径R5よりも小さいものとされ、短絡部18の絶縁層18Bの裏面側の径R4よりも大きいことが好ましい。
絶縁層の厚み方向における電極構造体の移動可能距離は、短絡部18の厚みd3と絶縁層18Bの厚みdとの差h2と実質的に等しいものとなる。
第2の実施例に係るシート状プローブのその他の構成、好ましい寸法、材料等は、第1の実施例に係るシート状プローブと同様である。
<第2の実施例のシート状プローブの製造方法>
以下、第2の実施例におけるシート状プローブ10の製造方法について説明する。
そして、積層体10Aよりレジスト膜13Aを剥離する。
持部19を覆うように、
上記(1)の感光性ポリイミドの溶液、ポリイミド前駆体の溶液、ポリイミド前駆体や低分子のポリイミドを溶媒で希釈した液状ポリイミドまたはワニスを塗布して硬化するか、
上記(2)の熱可塑性ポリイミドの溶液を塗布して硬化するか、
上記(3)熱可塑性ポリイミドフィルムを積層して加熱プレスすることによって、
ポリイミド層218Aを形成する。
金属薄層220は、エッチング速度が速い易エッチング性の金属により形成することが好ましく、易エッチング性の金属材料としては、銅を用いることができる。
そして、第1の実施例におけるシート状プローブの製造方法の図18(a)〜図19(c)の工程に従って、図24(a)〜図25(c)に示したように、表面電極部16の基端部分の周面から連続して絶縁層18Bの表面に沿って外方に放射状に伸びる保持部19が形成された積層体10Cを得た。
この場合、金属層219までをエッチングにより除去するので、樹脂層のエッチング速度の違いを利用して絶縁層18Bの厚みを制御する方法に比較して、絶縁層18Bの厚みの制御を容易に行うことができる。また、電極構造体15の保持部19と絶縁層18Bの間のポリイミド層18Cの除去も容易であり、絶縁層18Bの厚みを絶縁層18Bの表面全体において均一に制御しやすいという利点がある。
<プローブカードおよび回路装置の検査装置>
図27は、本発明に係る回路装置の検査装置の一例における構成を示す説明用断面図であり、この回路装置の検査装置は、ウエハに形成された複数の集積回路の各々について、集積回路の電気的検査をウエハの状態で行うためのものである。
また、プローブカード1における検査用回路基板20の裏面(図において上面)には、プローブカード1を下方に加圧する加圧板3が設けられ、プローブカード1の下方には、ウエハ6が載置されるウエハ載置台4が設けられており、加圧板3およびウエハ載置台4の各々には、加熱器5が接続されている。
異方導電性コネクター30は、図32に示すように、被検査回路装置であるウエハ6に形成された全ての集積回路における被検査電極7が配置された電極領域に対応して複数の開口32が形成されたフレーム板31と、このフレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された複数の異方導電性シート35とにより構成されている。
また、この検査装置がWLBI(Wafer Level Burn−in)試験を行うためのものである場合には、フレーム板31を構成する材料としては、線熱膨張係数が3×10-5/K以下のものを用いることが好ましく、より好ましくは−1×10-7〜1×10-5/K、特に好ましくは1×10-6〜8×10-6/Kである。
異方導電性シート35における導電部36の各々には、磁性を示す導電性粒子Pが厚み方向に並ぶよう配向した状態で密に含有されている。これに対して、絶縁部37は、導電性粒子Pが全く或いは殆ど含有されていないものである。
一方、この厚みが2000μm以下であれば、所要の導電性特性を有する導電部36が確実に得られる。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、小さい加圧力で導電部36が十分に圧縮されるため、良好な導電性が確実に得られる。
このような突出高さを有する突出部38を形成することにより、突出部38が加圧されたときに座屈することがないため、所期の導電性が確実に得られる。
かかる架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形成材料としては、種々のものを用いることができるが、液状シリコーンゴムが好ましい。
ここで、磁性芯粒子の数平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定されたものをいう。
一方、上記数平均粒子径が40μm以下であれば、微細な導電部36を容易に形成することができ、また、得られる導電部36は、安定な導電性を有するものとなりやすい。
またはそれらの合金などが挙げられる。
高導電性金属の割合が15質量%未満である場合には、得られる異方導電性コネクター30を高温環境下に繰り返し使用したとき、導電性粒子Pの導電性が著しく低下する結果、所要の導電性を維持することができない。
このような導電性粒子Pを用いることにより、得られる異方導電性シート35は、加圧変形が容易なものとなり、また、導電部36において導電性粒子P間に十分な電気的接触が得られる。
この割合が10%未満の場合には、十分に電気抵抗値の小さい導電部36が得られない
ことがある。
以上のような異方導電性コネクター30は、例えば特開2002−324600号公報に記載された方法によって製造することができる。
その後、加熱器5によって、ウエハ載置台4および加圧板3を介してウエハ6が所定の温度に加熱され、この状態で、ウエハ6における複数の集積回路の各々について所要の電気的検査が実行される。
(1)図27および図28に示すプローブカード1は、ウエハ6に形成された全ての集積回路の被検査電極7に対して一括して電気的接続を達成するものであるが、ウエハ6に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極7に電気的に接続されるものであってもよい。
(2)本発明の検査装置の検査対象である回路装置は、多数の集積回路が形成されたウエハ6に限定されるものではなく、半導体チップや、BGA、CSPなどのパッケージLSI、CMCなどの半導体集積回路装置などに形成された回路の検査装置として構成することができる。
(3)シート状プローブ10は円筒形のセラミック等の保持体により保持された状態にて、異方導電性シート35や検査用回路基板20と、例えばガイドピン50等にて固定一体化することもできる。
(4)本発明のシート状プローブ10の製造方法において第2の裏面側金属層17Aは必須のものでなく、これを省略し短絡部形成用凹所18Kとパターン孔17Hに金属を充填することにより短絡部18と一体化した裏面電極部17を形成してもよい。
(5)本発明のシート状プローブ10においては、例えば図11(a)に示すような電極構造体15を有する絶縁層18Bよりなる複数の接点膜9が、金属フレーム板25の開口部26の各々に配置し金属フレーム板25により支持された状態のシート状プローブ10であってもよく、更に図11(b)に示すように一つの接点膜9が金属フレーム板25の複数の開口部26を覆うように配置されたものであってもよい。
<試験用ウエハの作製>
図33に示すように、直径が8インチのシリコン(線熱膨張係数3.3×10-6/K)製のウエハ6上に、それぞれ寸法が6.85mm×6.85mmの正方形の集積回路Lを合計で483個形成した。
次いで、被検査電極の上部以外の領域の感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜B1を露光およびベークして半硬化させた後、感光性ポリイミドにより形成された樹脂膜B1の非露光(未硬化)部分を現像して除去することにより、被検査電極の上部に開口K1を形成した。
膜B1を完全硬化させて、被検査電極の上部に90μm×90μmの矩形の開口K1が形成された厚み約10μmのポリイミドよりなる絶縁膜B2を形成した。
このウエハ6全体の被検査電極7の総数は26116個であり、全ての被検査電極7は互いに電気的に絶縁されている。以下、このウエハ6を「試験用ウエハW1」という。
(実施例1)
直径が20cmで厚みが12.5μmのポリイミドシートの両面にそれぞれ直径が20cmで厚みが4μmの銅よりなる金属層が積層された積層ポリイミドシート(以下、「積層体10A」という。)を用意した(図14(a)参照)。
積層体10Aは、厚みが12.5μmのポリイミドシートよりなる絶縁性シート11の一面に厚みが4μmの銅よりなる第1の裏面側金属層19Aを有し、他面に厚みが4μmの銅よりなる表面側金属層16Aを有するものである。
なるテーパ状のものであって、裏面側の開口径が45μm、表面側の開口径が25μm(平均値)のものであった。
このようにして、絶縁性シート11の裏面に、それぞれ絶縁性シート11の貫通孔11H、第1の裏面側金属層19Aのパターン孔19Hおよびレジスト膜13Aのパターン孔13Hが連通されてなる26116個の表面電極部形成用凹所10Kを形成した。
そして、積層体10Aの第1の裏面側金属層19Aおよび保持部19の表面にポリイミドワニス(宇部興産社製 商品名「U-ワニス」)を塗布、乾燥を繰り返して、厚さ約1
2μmのポリイミド層218Aを形成した。
次いで、積層体10Bに対し第2の裏面側金属層17Aの表面全面に、試験用ウエハW1に形成された被検査電極のパターンに対応するパターンに従って直径が60μmの円形の26116個のパターン孔28Hが形成されたレジスト膜28Aを形成した(図16(b)参照)。
このようにして、積層体10Bの裏面に、それぞれ絶縁層18Bの貫通孔18H、第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hおよびレジスト膜29Aのパターン孔29Hが連通されてなる26116個の短絡部形成用凹所18Kを形成した。
複数の開口部26を有する金属フレーム板25を形成した(図18(b)参照)。
次いで、積層体10Bを45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、金属フレーム板25の裏面および裏面電極部17からレジスト膜29Bを除去した。
その後、積層体10Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁性シート11を除去して積層体10Cを得た(図19(a)参照)。
その後、45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、表面電極部16および保持部19からレジスト膜14Aを除去した。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属フレーム板の各々の貫通孔に電極構造体15が形成された接点膜9を備えた積層体10Cを得た(図13(c))。
なる保護テープを除去し、金属フレーム板25における周縁部分の表面に、接着剤(セメダイン(株):2液型アクリル接着剤 Y−620)を塗布して接着剤層を形成した。
得られたシート状プローブ10は、絶縁層18Bの厚みdが約25μm、電極構造体15の表面電極部16の形状が円錐台状で、その基端の径R1が45μm、その先端の径R2が25μm、その突出高さhが12.5μmであった。
これらのシート状プローブを「シート状プローブM1」〜「シート状プローブM4」とする。
(実施例2)
実施例1と同様にして、表面電極部16および保持部19が形成された積層体10Aを得た(図15(c)参照)。
そして、積層体10Aの第1の裏面側金属層19Aおよび保持部19の表面にポリイミドワニス(宇部興産社製 商品名「U-ワニス」)を塗布、乾燥を繰り返して、厚さ約1
2μmのポリイミド層218Aを形成した(図20(a)参照)。
次いで、絶縁層18Bに対し、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、絶縁層18Bに、それぞれ第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hに連通した26116個の貫通孔18Hを形成した(図22(a)参照)。
その後、積層体10Bに対し、厚みが25μmのドライフィルムレジストによって、第2の裏面側金属層17Aの表面全面を覆うよう、レジスト膜29Aを形成すると共に、レジスト膜29Aに、絶縁層18Bの貫通孔18Hに連通する寸法が200μm×80μmの矩形の26116個のパターン孔29Hを形成した。
このようにして、積層体10Bの裏面に、それぞれ絶縁層18Bの貫通孔18H、第2の裏面側金属層17Aのパターン孔17Hおよびレジスト膜29Aのパターン孔29Hが連通されてなる26116個の短絡部形成用凹所18Kを形成した(図22(b)、図23(b)参照)。
(図22(c)、図23(c)参照)。
次いで、積層体10Bを45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、金属フレーム板25の裏面および裏面電極部17からレジスト膜29Bを除去した。
を施すことにより、絶縁層18Bの表面部分を除去した(図26(a)参照)。
その後、45℃の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬することにより、表面電極部16および保持部19からレジスト膜14Aを除去した。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製、「TPE−3000」)を用い、80℃、10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金属フレーム板の各々の貫通孔に電極構造体15が形成された接点膜9を備えた積層体10Cを得た(図26(d))。
得られたシート状プローブ10は、絶縁層18Bの厚みdが約25μm、電極構造体15の表面電極部16の形状が円錐台状で、その基端の径R1が45μm、その先端の径R2が25μm、その突出高さhが12.5μmであった。
このようにして、合計で4枚のシート状プローブを製造した。
(比較例1)
図44(a)に示すような表面側金属層92A、第2の裏面側金属層92B、第1の裏
面側金属層92Cを有し、絶縁性シート11、絶縁層18Bよりなる積層体90Cを用意した。
次いで、積層体90Cをスルファミン酸ニッケルを含有するメッキ浴中に浸漬し、積層体90Cに対し、表面側金属層92Aを電極として、電解メッキ処理を施して各短絡部形成用凹所90K内に金属を充填した(図41(c)参照)。
次いで、絶縁性シート11をエッチングにより除去した(図41(d)参照)。
次いで、第1の裏面側金属層にエッチングを行い保持部を形成し、第2の裏面側金属層にエッチングを行いその一部を除去することにより裏面電極部と支持部92Eを形成し、絶縁層18Bにエッチングを行い絶縁層を各々の接点膜に分割した(図41(e)参照)。
その後、外径が22cm、内径が20.5cmで厚みが2mmのリング状の窒化シリコンよりなる支持部材2の表面に、シアノアクリレート系接着剤(東亞合成(株)製:品名
アロンアルファ 品番:♯200)を滴下して接着層を形成し、これに接点膜を形成した積層体を積層し、25℃で30分保持することにより、接着層を硬化させてシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブO1」〜「シート状プローブO4」とする。
〈異方導電性コネクターの作製〉
(1)磁性芯粒子の調製:
市販のニッケル粒子(Westaim社製、「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性芯粒子を調製した。
ー回転数が2250rpm、分級点が15μm、ニッケル粒子の供給速度が60g/minの条件で分級処理し、粒子径が15μm以下のニッケル粒子0.8kgを捕集し、更に、このニッケル粒子0.8kgを、比重が8.9、風量が2.5m3/min、ローター
回転数が2930rpm、分級点が10μm、ニッケル粒子の供給速度が30g/minの条件で分級処理し、ニッケル粒子0.5kgを捕集した。
このニッケル粒子を磁性芯粒子Qとする。
(2)導電性粒子の調製:
粉末メッキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子Q100gを投入し、更に、0.32Nの塩酸水溶液2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子Qを含有するスラリーを得た。このスラリーを常温で30分間攪拌することにより、磁性芯粒子Qの酸処理を行い、その後、1分間静置して磁性芯粒子Qを沈殿させ、上澄み液を除去した。
(3)フレーム板の作製:
図36および図37に示す構成に従い、下記の条件により、上記の試験用ウエハW1における各被検査電極領域に対応して形成された966個の開口32を有する直径が8インチのフレーム板31を作製した。
開口32の各々は、その横方向(図36および図37において左右方向)の寸法が3600μmで縦方向(図36および図37において上下方向)の寸法が900μmである。
(4)異方導電性シート用成形材料の調製:
付加型液状シリコーンゴム100重量部に、導電性粒子30重量部を添加して混合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、異方導電性シート用の成形材料を調製し
た。
(i)付加型液状シリコーンゴムの粘度は、B型粘度計により、23±2℃における値を測定した。
(ii)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みは、次のようにして測定した。
(iii)シリコーンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
このシートから打ち抜きによってクレセント形の試験片を作製し、JIS K 6249に準拠して23±2℃における引裂強度を測定した。
(iv)デュロメーターA硬度は、上記(iii)と同様にして作製されたシートを5枚重ね合わせ、得られた積重体を試験片として用い、JIS K 6249に準拠して23±2℃における値を測定した。
(5)異方導電性コネクターの作製:
上記(3)で作製したフレーム板31および上記(4)で調製した成形材料を用い、特開2002−324600号公報に記載された方法に従って、フレーム板31に、それぞれ一の開口32を塞ぐよう配置され、フレーム板31の開口縁部に固定されて支持された、図30に示す構成の966個の異方導電性シート35を形成することにより、異方導電性コネクター30を製造した。
得られた異方導電性シート35について具体的に説明すると、異方導電性シート35の各々は、横方向の寸法が6000μm、縦方向の寸法が2000μmであり、26個の導電部36が120μmのピッチで横方向に一列に配列されており、導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μm、突出部38の突出高さが25μm、絶縁部37の厚みが100μmである。
非接続用の導電部36の各々は、横方向の寸法が60μm、縦方向の寸法が200μm、厚みが150μmである。
このようにして、合計で12枚の異方導電性コネクターを製造した。
これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクターC1」〜「異方導電性コネクターC12」とする。
〈検査用回路基板の作製〉
基板材料としてアルミナセラミックス(線熱膨張係数4.8×10-6/K)を用い、試験用ウエハW1における被検査電極のパターンに対応するパターンに従って検査電極21が形成された検査用回路基板20を作製した。
〈シート状フローブの評価〉
(1)試験1(隣接する電極構造体間の絶縁性):
シート状プローブM1、M2、シート状プローブN1、N2、シート状プローブO1、O2の各々について、以下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極21の各々に順次電圧を印加すると共に、電圧が印加された検査電極と他の検査電極との間の電気抵抗をシート状プローブにおける電極構造体15間の電気抵抗(以下、「絶縁抵抗」という。)として測定し、全測定点における絶縁抵抗が10MΩ以下である測定点の割合(以下、「絶縁不良割合」という。)を求めた。
以上の結果を下記表1に示す。
シート状プローブM3、M4、シート状プローブN3、N4、シート状プローブO3、O4の各々について、以下のようにして被検査電極に対する電極構造体15の接続安定性の評価を行った。
kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧した。
そして、検査用回路基板T1における26116個の検査電極7について、シート状プローブ、異方導電性コネクター30および試験用ウエハW2を介して互いに電気的に接続された2個の検査電極21の間の電気抵抗を順次測定し、測定された電気抵抗値の2分の1の値を、検査用回路基板T1の検査電極21と試験用ウエハW2の被検査電極7との間の電気抵抗(以下、「導通抵抗」という。)として記録し、全測定点における導通抵抗が1Ω以上である測定点の割合(以下、「接続不良割合」という。)を求めた。
次いで、検査用回路基板T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を125℃に昇温してその温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板T1を下方に200kgの荷重(電極構造体1個当たりに加わる荷重が平均で約8g)で加圧し、上記操作(1)と同様にして接続不良割合を求めた。この操作を「操作(2)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を1サイクルとして合計で200サイクル連続して行った。
以上の結果を下記表2に示す。
表2の結果より、比較例に関わるシート状プローブOでは、表面電極部の突出高さが小さいく、絶縁層18Bの厚みが大きいため、絶縁膜にてその表面の周囲を覆われた被検査電極を有するウエハに対しては、その電気的接続を安定して継続できないことが明らかになった。
2 支持部材
3 加圧板
4 ウエハ載置台
5 加熱器
6 ウエハ
7 被検査電極
8 接着剤
9 接点膜
10 シート状プローブ
10A 積層体
10B 積層体
10C 積層体
10K 表面電極部形成用凹所
11 絶縁性シート
11H 貫通孔
12 貫通孔
12A レジスト膜
12H パターン孔
13A レジスト膜
13H パターン孔
14A レジスト膜
15 電極構造体
16 表面電極部
16A 表面側金属層
17 裏面電極部
17A 第2の裏面側金属層
17E レジスト膜
17F レジスト膜
17H パターン孔(貫通孔)
18 短絡部
18B 絶縁層
18C ポリイミド層
18K 短絡部形成用凹所
18H 貫通孔
19 保持部
19A 第1の裏面側金属層
19H パターン孔
20 検査用回路基板
21 検査電極
22 支持部
24 金属フレーム板
25 金属フレーム板
26 開口部
28A レジスト膜
29B レジスト膜
29H パターン孔
29K パターン孔
30 異方導電性コネクター
31 フレーム板
32 開口
35 異方導電性シート
36 導電部
37 絶縁部
38 突出部
40A 保護フィルム
40B 保護フィルム
50 ガイドピン
80 異方導電性シート
85 検査用回路基板
86 検査電極
90 シート状プローブ
90A 積層体
90B 積層体
90C 積層体
90K 電極構造体形成用凹所
91 絶縁性シート
91A 絶縁性シート材
92 金属層
92A 表面側金属層
92B 裏面側金属層
92H 開口部
93 レジスト膜
93A レジスト膜
94A レジスト膜
94B レジスト膜
95 電極構造体
96 表面電極部
97 裏面電極部
98 短絡部
98H 貫通孔
122 表面側金属層
124 絶縁性シート
126 第1の裏面側金属層
128 絶縁層
130 第2の裏面側金属層
132 積層体
132 積層材料
134 開口部
136 貫通孔
138 貫通孔
140 フォトレジスト膜
140a 開口
142a 貫通孔
218A ポリイミド層
218B ポリイミドフィルム
219 金属層
220 金属薄層
318 貫通孔
Claims (14)
- 絶縁層と、
この絶縁層にその面方向に互いに離間して配置された、前記絶縁層の厚み方向に貫通して伸びる複数の電極構造体を備えた接点膜を有するシート状プローブであって、
前記電極構造体の各々は、
前記絶縁層の表面に露出し、前記絶縁層の表面から突出し、その基端から先端に向かうに従って小径となる形状の表面電極部と、
前記絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、
前記表面電極部の基端から連続して前記絶縁層をその厚み方向に貫通して伸び、前記裏面電極部に連結された短絡部とよりなり、
前記表面電極部の基端の径が、前記短絡部の表面電極部と接する側の端の径よりも大きく、
前記短絡部の厚みが、前記絶縁層の厚みより大きい、
ことを特徴とするシート状プローブ。 - 前記短絡部が、前記絶縁層に対して、その厚み方向に移動可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のシート状プローブ。
- 前記絶縁層の厚み方向における電極構造体の移動可能距離が、5〜30μmであることを特徴とする請求項2に記載のシート状プローブ。
- 少なくとも絶縁性シートと、
この絶縁性シートの表面に形成された表面側金属層と、
前記絶縁性シートの裏面に形成された第1の裏面側金属層とを有する積層体を用意し、
この積層体における第1の裏面側金属層と絶縁性シートに互いに連通する、厚み方向に伸びる貫通孔を形成することにより、前記積層体の裏面に、表面電極部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して、表面電極部形成用凹所に金属を充填することにより、絶縁層の表面から突出する表面電極部を形成し、
その後に、前記積層体の裏面側に、厚み方向に複数のエッチング速度の異なる樹脂層により構成された絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された第2の裏面側金属層を形成し、
この積層体における第2の裏面側金属層および絶縁層の各々に互いに連通し、底面に表面電極部を露出させた短絡部形成用凹所を形成し、
この積層体に対し、
その表面側金属層を電極としてメッキ処理を施して、短絡部形成用凹所に金属を充填することにより、表面電極部の基端から連続して絶縁層をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部を形成した後、
第2の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、裏面電極部を形成し、
前記表面側金属層および前記絶縁性シートを除去することにより、前記表面電極部および前記第1の裏面側金属層を露出させ、
その後、前記第1の裏面側金属層にエッチング処理を施すことにより、前記表面電極部の基端部分から連続して、前記絶縁性シートの表面に沿って外方に伸びる保持部を形成し、
その後、絶縁層にエッチング処理を行い、絶縁層の表面側部分を除去して、絶縁層の厚みを小さくする工程、
を有することを特徴とするシート状プローブの製造方法。 - 前記絶縁層を構成するエッチング速度の異なる樹脂層のうち、表面電極部と接する側の
樹脂層のエッチング速度が速いことを特徴とする請求項4に記載のシート状プローブの製造方法。 - 前記絶縁層を構成するエッチング速度の異なる複数の樹脂層のうち、少なくとも一層の樹脂層を除去することを特徴とする請求項4から5のいずれかに記載のシート状プローブの製造方法。
- 前記絶縁層が、金属層を介して積層される複数の樹脂層より形成されており、金属層より表面電極部側の樹脂層をエッチングにより除去すること請求項4から6のいずれかに記載のシート状プローブの製造方法。
- 検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された請求項1から3のいずれかに記載のシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とするプローブカード。 - 検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートと、
を有してなることを特徴とする請求項8に記載のプローブカード。 - 請求項8または請求項9に記載されたプローブカードを備えてなることを特徴とする回路装置の検査装置。
- 検査対象である回路装置とテスターとの電気的接続を行うためのプローブカードであって、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応して複数の検査電極が形成された検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置された異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置された請求項4から7のいずれかの方法にて製造されたシート状プローブと、
を備えてなることを特徴とするプローブカード。 - 検査対象である回路装置が多数の集積回路が形成されたウエハであり、
異方導電性コネクターは、
検査対象であるウエハに形成された全ての集積回路または一部の集積回路における被検査電極が配置された電極領域に対応して複数の開口が形成されたフレーム板と、
このフレーム板の各開口を塞ぐよう配置された異方導電性シートとを有してなることを特徴とする請求項11に記載のプローブカード。 - 請求項11または請求項12に記載されたプローブカードを備えてなることを特徴とする回路装置の検査装置。
- 複数の集積回路が形成されたウエハの各集積回路を、
請求項8、9、11、12のいずれかに記載のプローブカードを介してテスターに電気的に接続し、
前記各集積回路の電気検査を行うことを特徴とするウエハの検査方法。
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