JP2005336975A - 養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法及び養生シート取付具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、建築現場において安全管理のため養生シートまたはネットを支柱に緊縛する方法が取られている。養生シートまたはネットにハトメの穴を開け、穴に紐や番線を通して結束するが結束部分に隙間が生ずる。この隙間より工具、部品、資材等の落下事故や洗浄液や塗料等の飛散事故が生じている。また、番線や紐に替わる作業効率のよい養生シート取付具が求められている。
【解決手段】 養生シートまたはネットの端を折り返した上に雌の面ファスナーを縫着或いは接着して養生シートまたはネットの端を強化し、その上から穴を穿ってハトメを装着する。このように構成した養生シートまたはネットを紐、番線,取付金具等で結束し、合わせ目の雌の面ファスナーに雄の面ファスナーを貼ることで完全に合わせ目の隙間を塞ぐことができる。養生シート取付具としては、湾曲状に形成した針金の先端を尖らせて養生シートの裏側から突き刺し、隣接する養生シートの表面から裏に突き抜けるので、面ファスナーを貼った後でも、ハトメの位置に関係なく使用でき、単管との固定も可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は建築途上の建物を覆う養生シートまたはネットの結束部の隙間を塞ぐ工法及び簡単に養生シートを単管に固定する取付具に関している。
建築現場の外壁工事等では、壁面に沿って単管パイプ等を組み合わせて支柱を設置し、養生シートまたはネットを結束して単管に固定して建設途上の建物を覆い、工具、部品、資材等の落下防止や飛散物による公害の発生を防いでいる。養生シートまたはネットは縁を折り返して芯地を包み、穴を開けてハトメを装着している。このように作成した養生シートまたはネットのハトメの穴を紐や番線や紐を使用して結束している。養生シートまたはネットを組み立てた単管に固定して建物を包むようにしているが、ハトメの穴を結束した養生シートまたはネットの隙間から工具、部品、資材等の落下事故が生じ、通行人や居合わせた人への負傷事故や死亡事故を起こしたこともある。また、養生シートまたはネットの結束箇所に隙間があると、洗浄液、塗料等が隙間より飛散する状態になっている。
養生シートを単管へ固定する方法として養生シートのハトメ穴に番線を通して単管を巻き込んで番線をねじり合わせる方法や従来提供されている取付具を使用する方法があるが、取り付け、取り外しが面倒な難点がある。
建築現場において安全管理のため養生シートまたはネットを単管で構成される支柱に緊縛する方法が取られている。何枚もの養生シートまたはネットを結束して建物全体を覆う方法であるため、養生シートまたはネットにハトメの穴を開け、穴に番線や紐を通して結束する。しかし、結束以外の部分に隙間が生ずるのは避けることができない。この隙間より工具、部品、資材等の落下事故や洗浄液や塗料等の飛散事故が生じている。一旦事故が生ずると後始末に莫大な費用を必要とするため、養生シートまたはネットの合わせ目に隙間が生ずることは好ましくない。従来の技術ではこの隙間を無くすることができないため、本発明において隙間を完全に塞ぐ養生シートまたはネットを提供しようとするものである。
養生シートのハトメ穴に番線を通して単管を巻き込んで番線をねじり合わせる方法が養生シートを単管へ固定する方法はコストが安く簡便であるので普及している。従来の番線の使用方法は、一定の長さに切った番線を養生シートのハトメの穴に通し単管に巻きつけて番線の両端をねじり合わせている。しかし、番線をねじり合わせる手間とねじり合わせた番線を外す手間が掛かる。また、市販されている養生シート取付具はハトメの穴と単管とを同時に固定するような形状としているが、使用方法が複雑なため工事現場で要求される簡便さに適していない。また、ハトメを装着していない箇所で養生シートを結束することができない。
従来、養生シートまたはネットの端を折り返し、折り返した中に芯地を包みハトメ用の穴を開けてハトメを装着している。この芯地を包む代わりに、養生シートまたはネットの端を折り返した上に雌の面ファスナーを縫着或いは接着して養生シートまたはネットの端を強化し、その上から穴を穿ってハトメを装着する。このように構成した養生シートまたはネットを紐、番線,取付具等で結束し、養生シートの裏面に装着した雌の面ファスナーに雄の帯状の面ファスナーを貼ることで完全に合わせ目の隙間を塞ぐことができる。
従来の芯地の片端を雌の面ファスナーとして従来どおりの方法で養生シートまたはネッの端にハトメを装着し、雌の面ファスナー部分は養生シートまたはネットの折り返し部分より外にはみ出した位置に来るように作成し、両端に雄の面ファスナーを装着した布地を養生シートまたはネットの合わせ目に雄雌の面ファスナーが合うように全面または部分的に貼り合わせることで合わせ目の隙間を塞ぐこともできる。
また、雌の面ファスナーを取り付けた養生シートまたはネットに、芯地の端から更に折り返しを長くして雄の面ファスナーを取り付けた養生シートまたはネットを組み合わせて、合わせ目を雄雌の面ファスナーを貼り合わせた養生シートまたはネットの端で塞ぐ方法も考えられる。
上記方法をチャックに代えると、養生シートまたはネットの折り返しの先端にチャックを装着し、組み合わせる養生シートまたはネットの折り返し部分を長くして先端にチャックを装着し、両方のチャックを合わせて締め、養生シートまたはネットの折り返し部分を利用して合わせ目の隙間を塞ぐ方法もある。
番線を使用して養生シートと単管を固定する方法は簡便でコストも安く、しっかり固定できる特徴がある。しかし、従来の番線の使用方法では取り付け、取り外しの作業効率が悪い。
そこで、本発明においては請求項6に記載のように、一定の長さに切断し湾曲状に形成した針金の一端を輪にし、他端を尖らせて養生シートに刺さるようにしている。このため、ハトメの位置に関係なく養生シートを結束することも、単管に固定することもできる。使用方法は、針金の尖った先端を養生シートの裏側から突き刺すと、先端は一方の養生シートを突き抜け、結束する他方の養生シートの表面から裏面へ抜けてくる。この先端を針金の輪に通して折り曲げれば簡単に養生シート同士を結束することができる。養生シートのハトメの穴を通すことも簡単であり、単管に固定することも簡単である。
養生シートのハトメの穴を利用するときは、請求項7に記載のように、一定の長さに切断し、湾曲状に形成した針金の一端を輪にし、他端を折り曲げた形状の養生シート取付具が適している。折り曲げた部分に小さな輪を作っておくと、ドライバーのような工具でも折り曲げた先端を多端の輪に通して折り返すことができるので作業効率が高まる。針金の先端が丸くなっているので怪我をする危険がなくなる。
本発明の効果は下記の通りである。
養生シートまたはネットの合わせ目の隙間より工具、部品、資材等の落下事故がなくなる。
養生シートまたはネットの合わせ目の隙間より洗浄液や塗料等が飛散しなくなり、近隣の家屋や車等にあらかじめシートを被せる必要がなくなる。
養生シートまたはネットの欠陥により生ずる費用をなくすることができる。
建築現場で安心して施工できるので、工程がはかどる。
養生シートまたはネットの結束の補強になるので、紐や番線による不十分な結束をカバーすることができる。
工具、部品、資材等の落下事故により通行人や居合わせた人に対する人身事故をなくすることができるため、監視人を削減できる。
本発明の養生シート取付具を使用することにより番線の先端をねじり合わせないため、養生シート同士や養生シートを単管へ固定する取付作業と取外作業の効率が上がる。
ハトメの位置に関係なく養生シートを結束できる。
本発明においては、面ファスナーを利用して従来のハトメの穴を結束していた養生シートまたはネットの合わせ目を塞いで隙間をなくしているので、安全管理に貢献することができる。下記の実施例は養生シートを例にしているが、養生シートがネットで構成されていてもよい。
図1は請求項1に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法の実施例である。養生シート(1)は隣接する養生シート(1)と単管(2)にハトメ(3)の穴を通した紐(4)で結束されている。本発明によると、ハトメ(3)を穿つ芯地が雌の面ファスナー(5)であって、養生シート(1)の折り返した端の表面に露出している。養生シート(1)同士と単管(2)を結束した後で、別途用意した雄の面ファスナー(6)を雌の面ファスナー(5)に当着する。このように雄雌の面ファスナー(5)、(6)で固定された養生シート(1)は合わせ目の隙間がなくなる。養生シート(1)の合わせ目が縦方向だけでなく横方向にもある時は、横方向にも雄雌の面ファスナー(5)、(6)で固定することができる。養生シート(1)は足場の外側になるため、面ファスナー(5)、(6)の当着は養生シート(1)の裏面より行われることが多い。
図2は請求項2に記載している養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法の実施例を説明している。従来通り養生シート(1)の端の折り返し部分に芯地(7)を使用するが、芯地(7)の先端を雌の面ファスナー(5)にしていて、折り返した養生シート(1)の先端部分より外にはみ出させているので、雌の面ファスナー(5)がハトメ(3)よりも外側に装着されている状態になっている。この雌の面ファスナー(5)へ、両端が雄の面ファスナー(6)になっている帯を貼り合せて固定することにより養生シート(1)の結束部の隙間を塞いでいる。
図3は請求項3に記載している養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法の実施例を説明している。請求項3に記載の養生シート(1)は端に雄の面ファスナー(6)を装着したもので、結束部分を十分に覆う折り返しの長さを有する。一方の養生シート(1)に雌の面ファスナー(5)を有し、他方の養生シート(1)に雄の面ファスナー(6)を有しているので、養生シート(1)同士を結束するとき雄の面ファスナー(6)と雌の面ファスナー(5)が合わさるように配列することで合わせ目を塞ぐことができる。
図4は請求項4に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法の実施例の説明である。養生シート(1)の包み込んだ芯地(7)の先端か、或いは折り返した養生シート(1)の端にチャック(8)を装着し、ハトメ(3)を紐(4)で結束する養生シート(1)の折り返し部分を長くして先端に相手方のチャック(9)を装着し、養生シート(1)の合わせ目を結束した後、チャック(8)と相手方のチャック(9)を合わせて締めることで結束部の隙間を塞いでいる。
図5は本発明の養生シート取付具である。養生シート取付具は一定の長さに切断し湾曲状に形成した針金(10)の一端を輪(11)にし、他端を尖らせて養生シート(1)に刺さるようにしている。図6に示すように針金(10)の尖った先端(12)を養生シート(1)の裏側から突き刺すと、先端は一方の養生シート(1)を突き抜け、結束する他方の養生シート(1)の表面から裏面へ抜けてくる。この先端を針金の輪(11)に通して折り曲げれば簡単に養生シート(1)同士を結束することができる。先に面ファスナーやチャックで隣接する養生シートの隙間を塞いだ後に、本発明の養生シート取付具を養生シートに刺して単管と固定することもできる。針金の材質はステンレスが適当であるが、他の材質でも良い。
図7は一定の長さに切断し湾曲状に形成した針金(10)の一端を輪(11)にし、他端を折り返した形状(13)の養生シート取付具である。養生シート(1)のハトメ(3)の穴に通すのに便利であり、輪(11)に通して折り返すにも便利である。
請求項1に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法を説明する斜視図 請求項2に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法の説明図 請求項3に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法の説明図 請求項4に記載している養生シートの結束部の隙間を塞ぐ工法の説明図 本発明の養生シート取付具斜視図 請求項6に記載の養生シート取付具の使用例を示す説明図 請求項7に記載の養生シート取付具の斜視図
符号の説明
1 養生シート
2 単管
3 ハトメ
4 紐
5 雌の面ファスナー
6 雄の面ファスナー
7 芯地
8 チャック
9 相手方のチャック
10 湾曲状に形成した針金
11 輪
12 尖った先端
13 折り返した形状

Claims (7)

  1. 建築現場において使用する養生シートに面ファスナーを装着し、養生シートのハトメや単管を紐、番線,取付具等で結束した後、別途用意した面ファスナーを貼り合せて隙間を塞ぐことを特徴とする養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法。
  2. 養生シートの端の折り返し部分に使用する芯地の先端に面ファスナーを装着して折り返し部分より外にはみ出させ、別途用意した面ファスナーを貼り合せて隙間を塞ぐことを特徴とする養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法。
  3. 結束する一方の養生シートの面ファスナーへ、他方の養生シートの面ファスナーを貼り合わせて隙間を塞ぐことを特徴とする養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法。
  4. 片側養生シート生地を折り返した先端にチャックを装着し、反対側養生シート生地の折り返し部分を長くして先端に嵌合するチャックを装着したことを特徴とする養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法。
  5. 養生シートがネットで構成されていることを特徴とする請求項1、2、3及び4に記載する養生シート結束部の隙間を塞ぐ工法。
  6. 湾曲状に形成した番線の一端を輪にし、他端を尖らせた形状であることを特徴とする養生シート取付具。
  7. 湾曲状に形成した番線の一端を輪にし、他端を折り曲げた形状であることを特徴とする養生シート取付具。
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