JP2005336535A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸形状等の基体等に均質な薄膜を任意の膜厚分布で成膜する。
【解決手段】カソードユニット5は軸Otのまわりに回動し、ターゲット角度Tθを制御する一方、基体Wを回転させる基体回転軸18は軸17aのまわりに枢動することで、基体Wの径方向の走査とスキャン軸角度Sθを制御し、同時に、TS駆動系22によって基体回転軸18を軸方向に移動させることでターゲット基体間距離TSを一定に制御する。ターゲット14a〜14dの前面には筒状のチムニー16a〜16dが設けられ、チムニー高さHとターゲット基体間距離TSを40%以上の比率にすることで、均一な膜質と高精度な膜厚分布を実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スパッタリングによって平面形状または凹凸形状を有する基体に成膜される膜の均質性や膜厚分布を任意に制御して、例えば大口径の基板に、高精度に均質でしかも所望の傾斜膜厚分布を要求されるEUV多層反射ミラー膜等を効率的に成膜可能である成膜装置及び成膜方法に関するものである。
従来から広く用いられている平行平板型のマグネトロンスパッタ装置は、真空槽内に、薄膜の材料となるターゲットと、基板ホルダーに取り付けられた基体とを対向するように配置した上で、プラズマを生成してターゲットをスパッタリングし、スパッタリングによって叩き出された粒子を基体上に堆積させることにより、基体上に薄膜を成膜する装置であり、他の手法に比べて簡便で高速成膜、大面積成膜に適しており、また、ターゲットが長寿命である等の優れた特性を有する。
この様なスパッタ装置で成膜された光学膜の適用分野に於いて、特にステッパー等の半導体露光焼き付け装置では、焼き付け性能を高める為に高NA化が進められ、レンズ口径の大型化やレンズに入射する光線の斜入射特性の改善が要求されており、更に次世代のX線(EUV)露光装置では、大口径であってしかも斜入射特性を大幅に改善した高精度な傾斜膜によるEUV多層反射ミラー等が必要である。
次世代のEUV多層反射ミラーは、例えば13.4nmのEUV波長を使用したモリブデン(Mo)膜とシリコン(Si)膜の多層膜構成で、反射特性が非常に狭帯域幅な為、各点におけるミラー内面に入射するEUV光の入射角度が変わると反射特性が低下する。この改善策として、反射ミラー面内に於いてEUV入射角度に合った反射ミラー特性にする方法がとられている。従って反射ミラー面内に於いて、モリブデン(Mo)膜とシリコン(Si)膜の傾斜膜厚分布を高精度に制御する必要がある。
膜厚分布を制御する方法として、従来は、遮蔽マスクを使用し、その遮蔽マスクの形状と移動速度分布を制御して所望の膜厚分布を得る方法(特許文献1参照)や、基体を蒸発源に対し平行なX方向又はXY方向に移動しながら成膜する方法(特許文献2参照)等が提案されている。更に、自公転運動している基板がターゲット上を通過する時の公転速度を制御して傾斜膜を成膜する方法(特許文献3参照)が知られている。
特開平10−30170号公報 特開平9−213634号公報 米国特許第6010600号明細書
前述の様にEUV多層反射ミラーは、大口径であって且つ非常に高精度な膜厚分布に制御することが要求されており、これらを具現化する為には下記の様な条件を満足する成膜装置が必要である。
1)いろいろな凹凸形状に対し高精度な膜厚分布制御が可能であること。
2)ターゲット材料の粒子放出角度分布の違いによる膜厚分布が異なる為、複数のターゲットに対して個別に膜厚分布制御が可能であること。
3)スパッタ粒子の斜入射膜は膜密度が低いので水分吸着で屈折率が変化し光学特性が変化する。従ってスパッタ粒子の斜入射成分を極力抑えたスパッタリング成膜装置であること。
4)ゴミの発生や残留ガス、特に水や酸素の影響を極力抑える為にロードロック方式の成膜が可能であること。
5)真空装置内に複雑な移動機構を導入しない成膜装置であること。
特許文献1に開示された従来例による遮蔽マスクを使用する方法では、遮蔽マスクの形状と移動速度分布を制御して膜厚分布を高精度に制御するものであるため、同バッチ内で異種材料の交互層からなる多層膜を形成してEUV多層膜構成を得る為には1形状のマスクで対応するには難しく、真空槽を大気に開放してマスクを交換する作業が必要となる。真空槽を大気に開放すると成膜時の放出ガスが多くなり、特に膜中に酸素等の汚染物質が多くなることや、真空槽内に付着した膜に大気中の水が吸着し膜の応力が増加して膜はがれが発生しやすくなる。
また、特許文献2に開示されたように基体を蒸発源に対し平行なX方向又はXY方向に移動しながら成膜する方法や、特許文献3に開示された公転速度を制御する方法では、凹凸形状の曲率の大きな基体の周辺部における成膜では、基体に入射するスパッタ粒子の斜入射成分が大きいために膜密度の低い膜になり、特性シフトや高精度膜厚分布の制御性等の問題がある。加えて、真空装置内に複雑な移動機構が必要で好ましくない。
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、いろいろな形状の大口径基体に均質かつ良質な光学薄膜を高精度な傾斜膜厚分布あるいは極めて均一な膜厚分布で成膜することのできる成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の成膜装置は、凹凸形状又は平面形状の基体に薄膜を成膜する成膜装置であって、スパッタリング粒子を発生するターゲットと、前記ターゲットに対向するように前記基体を保持する基体ホルダーと、前記基体と前記ターゲットの離間距離および相対角度を制御しながら、前記ターゲットに対して前記基体ホルダーを相対移動させる相対移動機構とを有し、前記ターゲットが、前記基体に対向するターゲット面と同形状の開口端を有する筒状の防着部材を備えていることを特徴とする。
本発明の成膜方法は、凹凸形状又は平面形状の基体に薄膜を成膜する成膜方法であって、スパッタリング粒子を発生するターゲットに対向させた前記基体を回転させる工程と、前記基体と前記ターゲットの離間距離および相対角度を制御しながら、間欠的または連続的に前記基体を径方向に走査させる工程と、を有し、前記ターゲットが、前記基体に対向するターゲット面と同形状の開口端を有する筒状の防着部材を備えており、前記基体と前記ターゲットの前記離間距離に対する前記防着部材の前記開口端と前記ターゲットの離間距離の比率を、40%以上の一定値に制御することを特徴とする。
回転する基体とターゲット間の離間距離および相対角度を制御しながら基体を径方向に走査して、基体全面に成膜される薄膜を高精度な傾斜膜厚あるいは均一膜厚等の所望の膜厚分布に制御する。
この様に成膜される薄膜の膜質を向上させ、かつより一層高精度な傾斜膜厚分布等を実現するために、ターゲットの前面に筒状の防着部材を配設し、防着部材の開口端とターゲット面の離間距離をターゲット基体間距離の40%以上にする。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示す成膜装置であるスパッタ装置は、真空チャンバー1を排気する排気系2と、スパッタプロセスガスを供給するガス供給系3と、スパッタ電力を供給するターゲット電源4とを有し、ターゲット電源4は、ターゲット毎に電源が接続されていてもよいし、1台の電源で切り替え器を用いて電力を供給するタイプでも良い。真空チャンバー1の内部には、図示Y方向の軸(第2のY軸)Otのまわりに回転自在であるカソードユニット5と、これに対向して基体Wを保持する基体ホルダー6が配設され、スキャンユニット7は、基体ホルダー6を、基体回転軸であるスキャン軸Osのまわりに回転させながら後述するようにXZ面内でスキャンする揺動回転機構等を有する。
詳しく説明すると、カソードユニット5は、真空チャンバー1の上面及び底面から磁気シール8、9を介してターゲット角度制御軸であるカソード回転軸10、11に保持され、磁気シール9の下部にはターゲット14の送りとターゲット角度Tθの制御を行うカソード回転駆動系12が配設されている。多角柱形状のカソードユニット本体5aの側面には、電気的に絶縁された複数のカソード13a、13b、13c、13dが配設され、Mo、Si、B4 C、Ru、C等の異種材料のターゲット14a、14b、14c、14dが取り付けられている。また、各カソードにはシャッター15a、15b、15c、15dが配設され独立に開閉できるように構成されている。更に各シャッター15の上部には、各ターゲット14のターゲット面(前面)と同形状の開口端を有する筒状の防着部材であるチムニー16a、16b、16c、16dが固着されている。図1においては、説明のためにチムニー16bの一部を破断してターゲット14bとシャッター15bを露出させた状態で示した。
シャッター15の開動作時、チムニー16の底面とターゲットシールド板の隙間からスパッタ粒子が出るのでチムニー16の底面側にはそれらを防止するツバを設けた形状のチムニーが好ましい。
カソード回転軸10、11は中空になっていて、その内部には、カソード冷却水や、スパッタ電力供給ケーブルやスパッタリングガス、シャッター駆動用エアー等を供給している。この様な構成にすることで所望のターゲット14をスパッタしながら回転移動が可能となる。更に、カソード回転駆動系12の駆動モーターにサーボモーターを用いることで高精度に位置制御しながら成膜する事が可能となる。
カソード回転軸10、11およびカソード回転駆動系12とともに相対移動機構を構成するスキャンユニット7は、真空チャンバー1の壁と一体である支持部材1aに枢着された揺動体17とこれに保持された基体回転軸18とを有し、基体ホルダー6は基体回転軸18の先端に固着される。基体回転軸18は、磁気シール19を介して基体Wを回転させる回転駆動系20と、TSベローズ21で大気と隔離しながら基体回転軸18を軸方向へ往復移動させ、ターゲット基体間距離TSを制御するターゲット基体間距離制御軸を構成するTS駆動系22と、大気と隔離しながら曲げが可能なSθベローズ23と、その中央に位置する第1のY軸である軸17aを中心として揺動枠17を枢動させ、スキャンユニット7全体を真空チャンバー1の底面と平行なXZ面内で揺動させることで、基体Wを首振り走査させる基体走査軸を構成するスキャン駆動系24を有する。
この様な4軸駆動構成にすることで、スパッタ中に基体Wを回転させ、ターゲット基体間距離TSを制御しながら径方向にスキャン(首振り走査)して成膜することが可能となる。
更に前述のカソード駆動系と同様に、各制御軸の駆動モーターをサーボモーターにすることで高精度に位置制御しながらの成膜が可能となる。
すなわち、真空チャンバー1の内部で、カソードユニット5が軸Otまわりに回転し、真空チャンバー1の底面に平行なXZ方向に離間したスキャン軸Osのまわりに基体回転軸18が回転し、スキャンユニット7全体はXZ面内で軸17aのまわりに揺動し、スキャン動作をする。
図1及び図2のスパッタ装置を用いた多層膜の成膜は、下記の手順で行われる。
(1)基体表面の複数のステップポイントにおけるスキャン条件設定
(2)各スキャン条件における各ステップポイントの滞在時間又は径方向移動速度の最適化
(3)成膜工程
スキャン条件設定は、スパッタ装置のCAD図面(平面図)を用いて各ステップ条件のターゲット角度Tθ、ターゲット基体間距離TS、スキャン軸角度Sθを求める方法と、プログラムを作成して、ターゲット基体間距離TSが一定でターゲット14の中心を通る法線が基体Wの所望のステップポイント(成膜位置)とほぼ垂直になるように、最適化計算によってターゲット角度Tθ、スキャン軸角度Sθを求める方法がある。以下に、CAD図面から求める方法を説明する。
(1)まず、CAD図面上で基体ホルダーに取り付けられた基体の半径よりも約2から3割程度大きい基体表面を想定し、これを半径方向に10〜20分割し、分割された点を基体中心からステップポイントP0、P1、P2・・・Pnとする。ターゲット中心と基体表面上のステップポイントP0、P1、・・・・Pnにおけるターゲット基体間距離TSを100〜200mm程度の範囲内で一定値にして、各ステップポイントにおける基体表面の法線とターゲット中心の法線がほぼ一致するように各ターゲット角度Tθと各スキャン軸角度Sθを求める。
(2)上記(1)で求めた各ステップポイントのターゲット角度Tθ、ターゲット基体間距離TS、ターゲット基体間距離TSに対する比率が40%以上となるように設定したチムニー高さ(チムニーの開口端とターゲット面の離間距離)H、スキャン軸角度Sθ等の諸条件を設定して膜厚分布シミュレーションを行い、それぞれのターゲット材の膜厚分布を算出する。算出した各ステップポイントにおける膜厚分布に滞在時間を掛けた合計が所望の膜厚分布となる様に、最小二乗法を用いて各ステップポイントの滞在時間を最適化する。
(3)成膜工程では、上記の各ターゲット材料ごとに所望の膜厚となる様に最適化された各ステップポイントの滞在時間をスパッタ装置に入力する。次に基体を基体ホルダーに取り付けロードロック室を介して真空チャンバー内のスキャンユニットにセットする。
真空チャンバー内を排気ユニットで十分に排気後、各ステップポイントにおいて、設定されたターゲット角度Tθ、ターゲット基体間距離TS、スキャン軸角度Sθ、最適化された滞在時間で基体を自転させながら成膜を行い、ステップポイント間を順次ステップ移動させて基体全面を走査する。
また、上記と同様の構成で、各ステップポイントの膜厚シミュレーション結果で得られた所望の膜厚分布となる最適条件から、ターゲット角度Tθ、ターゲット基体間距離TS、スキャン軸角度Sθを連続的に変化させながら最適化された移動速度で次のステップポイントに移行する連続走査方式を採用することもできる。
本実施の形態による成膜方法は、スパッタリングによる成膜中に、ターゲットの中心軸が基体表面の法線と一致するようにターゲット角度Tθとスキャン軸角度Sθを制御し、ターゲット基体間距離TSに対するチムニー高さの比率(H/TS)を40%以上の一定値に保ちながら基体の回転および走査制御を行い、ステップポイント間の移動速度又は各ステップポイントにおける滞在時間を変化させて、所望の傾斜膜厚分布や均一な膜厚分布を自在に達成するものである。これによって、大口径のレンズ等基体に、所望の膜厚分布を有し、しかも膜質が良好かつ均質である光学薄膜を安定して成膜することができ、斜入射特性を大幅に改善した高品質なEUV多層反射ミラーの実現を可能とする。
このように大口径の基体に対するターゲットの相対位置関係を独立に移動制御するための機構は、基体を回転する基体回転軸と、基体に向けられたターゲットの角度すなわちターゲット角度を制御するTθ軸と、Tθ軸とともに基体とターゲットの相対角度を制御し、回転する基体を走査するスキャン軸でもあるSθ軸と、ターゲット基体間距離TSを変化させるTS軸からなる4軸構成の揺動機構により、膜厚分布の高精度制御を行うもので、前記4軸によって、ターゲット中心の法線が基板と垂直に交差するときのターゲット基体間距離TSとチムニー高さHの比率を40%以上の一定値となる様に制御しながら、最適化された移動速度や滞在時間で各ステップポイントを1回又は複数回繰り返しスキャンして成膜する。
例えば、図1および図2に示す装置の基体ホルダーに、大口径凹凸面形状の基体として、外径φ500mmで曲率半径R=1000mmの凸レンズがセットされた場合を説明すると、回転するレンズがXZ面上でターゲット側の半径のどの成膜位置においてもレンズ法線がターゲット面やチムニー開口とほぼ垂直となる様にカソード角度Tθとスキャン軸角度Sθの2軸の角度を制御しながら大口径基体の均一成膜をすると、基体外周部の成膜領域は基体中心部に比べ広い為、間欠走査の場合は滞在時間が長くなり、連続走査の場合はターゲットと基板の相対移動速度が遅くなる。
従ってチムニーが無い場合は、ターゲットから放出された斜入射のスパッタ粒子は基板全面に入射し、特に中心部の成膜領域は外周部に比べて面積が小さい為に膜が厚く形成されることから、最適化条件が難しく膜厚分布は高次成分を有するうねりを持った膜厚分布となる。
本実施の形態においては、ターゲットの前面にターゲット面と同形状の開口端を有する円筒状のチムニーを設置し、斜入射成分をチムニー内部で捕獲することで、ほぼ高次成分を有しない膜厚分布を実現するものである。そして、斜入射成分の捕獲を効果的に行うために、ターゲット基体間距離TSとチムニー高さHの比率を40%以上に設定する。
ターゲット及びターゲット前面に配設されたチムニーと基体である平面形状の大口径基板が前述のように向かい合う複数条件を設定し、各条件における径方向走査の移動速度を制御しながら1回もしくは複数回スキャンして成膜することで、均質な膜を均一な膜厚分布で成膜した場合の、膜厚分布のシミュレーションを行った。
大口径基板は、基板サイズφ500mmの平面形状で、ターゲットサイズφ5インチ、ターゲット基体間距離TSを150mm、200mmの2条件に固定して、チムニー高さHとの比を変化させた複数条件を計算し、基板上の膜厚分布が均一となるように移動速度を最適化して、シミュレーションを行い、大口径基板の径方向膜厚分布の標準偏差値でバラツキを評価した。
図3は、ターゲット基体間距離TSを150mmと200mmに一定とした複数位置条件でチムニー高さHを変えた時の基板中心部の膜厚に対する径方向膜厚分布比(%)の標準偏差を示すグラフであり、このグラフから、チムニー高さHの比率(H/TS)が40%以上であれば標準偏差値が0.1%以下であることが分かる。
図4及び図5は、それぞれ、ターゲット基体間距離TSを150mmと200mmに一定とした時の基板中心部の膜厚に対する半径方向の膜厚分布比を示すグラフであり、ターゲット基体間距離TSに対するチムニー高さHの比率(H/TS)が40%以下では径方向の膜厚分布に高次成分を有するうねりがみられ、40%以上ではそのうねりが改善されるのが分かる。
外径500mmで曲率半径1000mmの凹凸形状の2つの基板に均一な膜厚分布の成膜を行うに当り、チムニー高さHとターゲット基体間距離TSの比率(H/TS)を約59%とした場合と、チムニーが無い場合の膜厚分布比較をシミュレーションにて行った。
ターゲットはφ5インチ、チムニー高さHは100mm、ターゲット基体間距離TSは170mm、基板中心から半径方向に5mmピッチで66ステップの走査速度変化でスキャンし、基板を回転させて成膜した。成膜圧力は散乱の影響が少なくなる放電維持限界0.1Pa程度を想定して散乱効果は無視した。更に放出角度分布は余弦則で計算した。
最適化計算は、各ステップポイントにおける膜厚分布の総合計と目標設定値からの差が極小値になるように最小2乗法で最適化を行った。尚、最適化計算は、最小移動速度、最大移動速度及び最大移動変化速度等、現実可能な値を入れた制限を設け計算を行った。
図6及び図7は、上記2つの凹凸基板をターゲット中心の法線が基板中心から半径方向に5mmピッチで66ステップ移動した場合の各ステップポイントにおける膜厚分布を計算し、各ステップポイントの膜厚分布に滞在時間又は移動(速度)時間の積の総和が所望の100%の均一膜厚分布になる様に最適化して求めた膜厚分布計算結果である。
図6及び図7のグラフから分かるように、チムニーの無い方式では、特に基板外周部の成膜において、スパッタ粒子の基板中心への斜入射成分が有り、その結果、外周部を成膜する滞在比率が高く、あるいは移動速度が遅くなり、成膜面積の小さい中心部も同時に成膜されてしまうので、最適化を行っても膜厚分布に高次成分が含まれたうねりのある分布となり、高精度な膜厚均一性を得ることができない。
一実施の形態による成膜装置を示す模式平面図である。 図1の装置を示す模式断面図である。 実施例1においてH/TS比率に対する膜厚分布の標準偏差を示すグラフである。 実施例1においてターゲット基体間距離TS=150mmでH/TS比率を変化させた時の膜厚分布を示すグラフである。 実施例1においてターゲット基体間距離TS=200mmでH/TS比率を変化させた時の膜厚分布を示すグラフである。 実施例2の凸形状基板による膜厚分布を示すグラフである。 実施例2の凹形状基板による膜厚分布を示すグラフである。
符号の説明
1 真空チャンバー
2 排気系
3 ガス供給系
4 ターゲット電源
5 カソードユニット
6 基体ホルダー
7 スキャンユニット
8、9 磁気シール
10、11 カソード回転軸
12 カソード回転駆動系
13a、13b、13c、13d カソード
14a、14b、14c、14d ターゲット
15a、15b、15c、15d シャッター
16a、16b、16c、16d チムニー
17 揺動枠
18 基体回転軸
19 磁気シール
20 回転駆動系
21 TSベローズ
22 TS駆動系
23 Sθベローズ
24 スキャン駆動系

Claims (4)

  1. 凹凸形状又は平面形状の基体に薄膜を成膜する成膜装置であって、スパッタリング粒子を発生するターゲットと、前記ターゲットに対向するように前記基体を保持する基体ホルダーと、前記基体と前記ターゲットの離間距離および相対角度を制御しながら、前記ターゲットに対して前記基体ホルダーを相対移動させる相対移動機構とを有し、前記ターゲットが、前記基体に対向するターゲット面と同形状の開口端を有する筒状の防着部材を備えていることを特徴とする成膜装置。
  2. 相対移動機構が、基体ホルダーを基体の中心を通るX軸のまわりに回転させる基体回転軸と、前記基体回転軸を前記X軸と交差する第1のY軸のまわりに枢動させる基体走査軸と、前記第1のY軸からXZ方向に離れた第2のY軸のまわりにターゲットを回動させるターゲット角度制御軸と、前記基体を前記基体回転軸上で軸方向に移動させるターゲット基体間距離制御軸とを備えた4軸駆動構成を有することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 基体とターゲットの離間距離に対する防着部材の開口端と前記ターゲットの離間距離の比率が、40%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜装置。
  4. 凹凸形状又は平面形状の基体に薄膜を成膜する成膜方法であって、
    スパッタリング粒子を発生するターゲットに対向させた前記基体を回転させる工程と、
    前記基体と前記ターゲットの離間距離および相対角度を制御しながら、間欠的または連続的に前記基体を径方向に走査させる工程と、を有し、
    前記ターゲットが、前記基体に対向するターゲット面と同形状の開口端を有する筒状の防着部材を備えており、前記基体と前記ターゲットの前記離間距離に対する前記防着部材の前記開口端と前記ターゲットの離間距離の比率を、40%以上の一定値に制御することを特徴とする成膜方法。
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