JP2005336277A - 水性分散体及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分散性、製膜性が良好で、高分子材料にヒートシール性能が優れたシール層を形成することが可能な、また金属材料に対して耐湿性能に優れた防錆層を形成することが可能な、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分散体を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%、メルトフローレートが5〜1500g/10分のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)と、該共重合体(A)100重量部に対して0.5〜10重量部の分散剤及び/又は乳化剤と、水とを有し、該共重合体(A)が、共重合体(A)のカルボキシル基を基準として40〜300モル%のアルカリ金属化合物等により水中に分散されてなる水性分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、分散性、製膜性に優れ、低透湿性の塗膜を形成することが可能なエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分散体及びそれを基材に塗布して得られる積層体に関する。とくに包装材料のヒートシール材料あるいは金属材料の防錆塗料として有用な水性分散体に関する。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を塩基により水に分散させた水性分散液は広く知られている。一般的なこの種水性分散体は、例えばヒートシール層を形成するために金属箔や高分子フィルム等に塗布されて使用されるが、用途によっては、より高い防湿性、耐熱性が求められる場合があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)のような高分子材料に塗布して、防湿性、耐熱性に優れたヒートシール層を形成することが可能な、分散性、製膜性に優れたエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分散体を提供することにある。本発明の他の目的は、金属材料用の耐湿性能に優れた防錆塗料となるエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分散体を提供することにある。本発明の他の目的は、基材にこのような水性分散体を塗布、乾燥してなる積層体を提供することにある。
すなわち本発明によれば、(メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%、メルトフローレートが5〜1500g/10分のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)と、該共重合体(A)100重量部に対して0.5〜10重量部の分散剤及び/又は乳化剤と、水とを有し、該共重合体(A)が、共重合体(A)のカルボキシル基を基準として40〜300モル%のアルカリ金属化合物又はアルカリ金属イオンあるいはアルカリ土類金属化合物又はアルカリ土類金属イオンで水中に分散されてなる水性分散体が提供される。
本発明によればまた、高分子材料や金属材料などの基材に、上記水性分散体を塗布、乾燥してなる積層体が提供される。
本発明によれば、分散性、製膜性に優れ、低透湿性、耐熱性に優れた塗膜を形成することが可能な水性分散体を提供することができる。このような水性分散体は、ヒートシール性に優れた塗膜を形成することができるので、OPPのような高分子材料に塗布してヒートシール層を形成させることができる。また金属接着性、耐湿性に優れているので、金属材料の防錆塗膜形成に使用することができる。
本発明においては、水性分散体の原料として、(メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%、好ましくは3〜15重量%、一層好ましくは5〜13重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)が用いられる。ここに(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味するものである。(メタ)アクリル酸含量が前記範囲より少ない共重合体を用いると、分散性、金属接着性に優れた水性分散液を得ることが難しく、一方、その含量が30重量%を越えるような共重合体を使用した場合には、低吸湿性、耐熱性に優れた塗膜を形成することが可能な水性分散液を得ることは難しい。
このような共重合体にはまた、エチレンと(メタ)アクリル酸のほかに他の単量体が共重合されたものであってもよい。このような他の単量体としては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルのような不飽和エステル、一酸化炭素などを例示することができる。このような他の単量体は、例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で含有されていてもよい。
上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体として、酸の種類、(メタ)アクリル酸含量及び/又はメルトフローレートなどが異なる2種以上の共重合体を使用することができる。とくに平均(メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%、好ましくは3〜15重量%、とくに好ましくは5〜13重量%となるように、(メタ)アクリル酸含量の異なる2種以上のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を用いると、その平均(メタ)アクリル酸含量と同じ(メタ)アクリル酸含量の1種のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を用いた水性分散体に比較して、粘度の低減された水性分散体を得ることができ、したがって固形分濃度を高めることができるので好ましい。とくに(メタ)アクリル酸含量が1重量%以上10重量%未満のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体と(メタ)アクリル酸含量が5〜20重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を、その平均(メタ)アクリル酸含量が5〜14重量%となるような割合で使用するのが好ましい。この場合、前者と後者の(メタ)アクリル酸含量差は、好ましくは1重量%以上、とくに好ましくは1〜18重量%である。
原料のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体としては、水性分散体の製造の容易性、分散安定性、水性分散体から得られる塗膜の物性等を考慮すると、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが5〜1500g/10分、とくに10〜1000g/10分のものが好適である。
本発明の水性分散体は、上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)を、分散剤及び/又は乳化剤(B)、並びにアルカリ金属化合物又はアルカリ金属イオンあるいはアルカリ土類金属化合物又はアルカリ土類金属イオンなどの塩基を用いて、水中に分散させてなるものである。
上記分散剤及び/又は乳化剤としては、一般に界面活性剤として知られているアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性系界面活性剤などの1種又は2種以上を選択して使用することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩、樹脂酸石鹸、ナフテン酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリカルボン酸塩等のカルボン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、ジイソブチルスルホこはく酸ナトリウム、ジヘキシルスルホこはく酸ナトリウム、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウムなどのジアルキルスルホこはく酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物等のスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩などの硫酸エステル;アルキルリン酸エステル、ポリオキシプロピレンアリールエーテルのリン酸エステルなどのリン酸エステル;アニオン性のシリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ステアリルアミン酢酸塩、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルアミングアニジンポリオキシエタノール、アルキルピコリニウムクロライド等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリエーテル変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアラニンなどを例示することができる。
これら界面活性剤の中では、ポリオキシアルキレン系(ポリオキシエチレンやポリオキシプロピレン単位を有するもの)、スルホン酸塩系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系からなる群から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤を使用すると、とくに粘度が低く、また透湿性の小さい塗膜を形成することが可能な水性分散体を得ることができるので好ましい。また重合性炭素ー炭素二重結合を有する反応性界面活性剤を使用すると、低透湿性に優れた塗膜を形成することが可能な水性分散体を得ることができるので好ましい。とくに好適な反応性界面活性剤は、リン酸エステル系のものである。好適なリン酸エステル系反応性界面活性剤として、下記式(1)
Figure 2005336277
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Xはメチレン基又はカルボニル基、(AO)はエチレンオキサイド0〜30モル%及び炭素数3以上のアルキレンオキサイド100〜70モル%で構成されたポリオキシアルキレン基、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムをそれぞれ表し、mは1〜2の数、nは1以上、好ましくは2〜100、一層好ましくは〜50の数を表す)で表されるものを代表例としてあげることができる。このようなリン酸エステルの一例として、商品名アデカリアソーブPP(旭電化工業(株)製)を市場で入手することができる。
このような分散剤及び/又は乳化剤としての界面活性剤は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部の割合で使用される。
本発明の水性分散体の調製に使用される上記アルカリ金属化合物もしくはアルカリ金属イオンにおけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウムなどであり、とくにナトリウム又はカリウムが好ましい。また上記アルカリ土類金属化合物もしくはアルカリ土類金属イオンにおけるアルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどを挙げることができる。
アルカリ金属化合物もしくはアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属化合物もしくはアルカリ土類金属イオンは、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)のカルボキシル基基準で、40〜300モル%、好ましくは50〜100モル%となるような割合で使用される。上記アルカリ土類金属化合物もしくはアルカリ土類金属イオンを使用する場合には、アルカリ金属化合物もしくはアルカリ金属イオンと併用することが好ましい。また水分散性を大きく損なわない範囲において、亜鉛等の多価金属の化合物又はイオンを併用することもできる。
本発明の水性分散体は、次のような方法により製造することができる。すなわち水と、固形分濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となる量の上記した性状のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)と、該共重合体(A)100重量部に対して0.5〜10重量部となる割合の上記分散剤及び/又は乳化剤と、該共重合体(A)のカルボキシル基を基準にして上記のようなイオン量となるアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、場合により上記多価金属の化合物とを、剪断力をかけることが可能な反応装置、例えば撹拌機付きのオートクレーブ中、100℃以上、好ましくは130〜200℃の温度で剪断力をかけながら反応させることによって得ることができる。反応時間は、反応温度やその他反応条件によっても異なるが、30〜300分程度である。アルカリ金属化合物としては、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、カルボン酸塩などを例示することができる。またアルカリ土類金属化合物又はその他の多価金属化合物としては、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの使用が好ましい。
また本発明では、上記のような方法以外にも、予め調製したエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)のアルカリ金属アイオノマー又はアルカリ土類金属アイオノマーと、分散剤及び/又は乳化剤及び必要に応じて他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物を、水中で剪断力をかけながら分散させる方法により本発明の水性分散体を製造することができる。
上記のようにして調製される本発明の水性分散体としては、分散安定性、塗工性、塗布膜の均一性などを考慮すると、平均粒径が1〜5000nm、とくに5〜3000nm、Brookfield粘度計で測定した23℃の粘度が、1〜100000mPa・s、とくに5〜5000mPa・s、PHが8〜12、好ましくは8.5〜11.5の範囲となるものが好ましい。
本発明の水性分散体には、任意に種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、粘着剤、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、接着剤、架橋剤、発泡剤、粘度調整剤、筆記性改良剤、無機充填剤などを挙げることができる。
本発明の水性分散体は、ヒートシール性能の付与、防錆塗膜の形成など種々の目的で、種々の基材に塗布、乾燥させることにより、これらの性能が付与された積層体を得ることができる。基材としては、高、中、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体又はそのアイオノマー、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのようなオレフィン重合体又は共重合体、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS型樹脂、スチレン・ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物のようなスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル及びこれらの任意割合の混合物などの熱可塑性重合体、天然ゴム、合成ゴムのようなゴム材料、フェノール樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹脂、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスのような金属、ガラス、セラミックス、木材、紙、レーヨン、皮革等の天然素材などを例示することができる。熱可塑性重合体にあっては、フィルム、シート、中空成形品、射出成形品、織布、不織布、合成皮革など種々の成形品に適用することができる。基材として、フィルム、シート、織布、不織布、合成皮革、紙などの扁平状基材を使用することにより、基材上にヒートシール層が形成された積層体を容易に得ることができる。本発明の水性分散体は、極性材料に対しては勿論のことオレフィン系重合体やスチレン系重合体などの疎水性材料に対しても、濡れ性が優れているので、塗工性よく水性分散体を塗布することができる。例えばポリオレフィンフィルム、代表的にはOPPフィルムに本発明の水性分散体を塗布、乾燥して得られるフィルムは良好なヒートシール性能を示し、各種包装材料として好適に使用することができる。また金属材料に本発明の水性分散体を塗布、乾燥して得られる積層体は、防錆性、とくに耐湿防錆性に優れており、防錆性の要求される用途に好適に使用することができる。
本発明の水性分散体はまた、他の重合体分散体により改質され、あるいは他の重合体分散体の改質を目的として、他の重合体分散液と任意割合で配合することができる。一般には固形分換算(重量比)で10/90〜90/10、とくに20/80〜80/20の割合で配合するのがよい。
このような他の重合体水性分散液としては、pHが7以上のもの、あるいはアンモニア水等でpHを7以上にしたものであって、本発明の水性分散液と混合したときにゲル化しないようなものを選択する必要がある。またその固形分濃度が2〜60%、好ましくは5〜50%程度のものであって、その平均粒子径が1〜10000nm、好ましくは5〜5000nmのものを選択することが望ましい。
このような他の重合体水性分散体としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタアクリルアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル樹脂、スチレン、アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、プロピレン・エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を挙げることができる。これらは勿論、2種以上使用してもよい。
基材に本発明の水性分散体を塗布するには、公知の方法、例えばロールコーティング、リバースロールコーター、ドクターコーター、刷毛塗り、スプレー塗布などのコーティング方式やスクリーン印刷、グラビア印刷、彫刻ロール印刷、フレキソ印刷などの印刷方式を採用することができる。基材には、接着性等を改良する目的で下塗り剤を塗布しておいてもよく、またコロナ処理等の表面処理を施しておいてもよい。乾燥塗膜の厚みは任意であるが、厚みが1〜300μm、好ましくは5〜200μmとなるように塗布し、これを乾燥させればよい。
次に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に束縛されるものではない。尚、実施例に用いた原料及び水性分散体の物性評価方法を以下に示す。
[水性分散体原料]
(1)ベースポリマー
BP−1:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量11重量%、メルトフローレート(MFR)100g/10分)
BP−2:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量15重量%、MFR600g/10分)
BP−3:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量20重量%、MFR60g/10分)
(2)イオン源
水酸化カリウム:純度86重量%(関東化学(株)製)
(3)分散剤
下記表1のものを使用した。
Figure 2005336277
[水性分散体物性評価方法]
(1)pH
(株)堀場製作所製pH METER F−12を用いて測定した。
(2)粘度
Brookfield粘度計を用いて23℃で測定した。単位(mPa・s)
(3)粒径
(株)堀場製作所製LB−500を用いて測定した。メジアン径を粒径とした。単位(nm)
(4)耐湿接着性評価法
(a)塗膜厚さの目標4μmでNo.4バーコーターにより、水性分散体を電解亜鉛メッキ鋼板に塗布し、100℃で2分乾燥する。
(b)温度50℃、湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保持する。
(c)濾紙を軽く当てて塗膜面の水分を取り、2時間保持する。
(d)カッターナイフで間隔15mm、幅40mmの切れ目を入れる。
(e)セロハン粘着テープを貼りつけ、消しゴムで強く押しつけ、塗面に粘着テープを貼りつける。
(f)約1分保持後、素早く引き剥がし、塗膜の残率(%)を測定する。
(5)ヒートシール性能(HS強度)評価・・・単位(g/15mm)
コロナ処理した厚さ50μmのOPPフィルムに、水性分散体を厚さの目標10μでNo.18バーコーターを用いて塗布し、100℃で3分乾燥した。得られたOPPフィルム2枚を、塗布面同士が接触するように重ね合わせ、100〜150℃の温度、圧力2kg/cm、シール時間0.5秒の条件でヒートシールしてからヒートシール強度を測定した。
(6)透湿性(耐湿性)
OA紙の上に、水性分散体を厚さの目標10μでNo.18バーコーターを用いて塗布し、100℃で3分乾燥した。得られた塗膜の透湿性をJIS K7129に準じて評価した。
[実施例1]
ベースポリマー(BP−1)70g、イオン交換水280g、水酸化カリウム6.8g、分散剤としてプルロニックP85を3g、プルロニックL61を1g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度20重量%の水性分散体1を得た。
[実施例2]
ベースポリマー(BP−1)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム4.7g、分散剤としてエバン785を3g、プルロニックL61を1g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度25重量%の水性分散体3を得た。
[実施例3]
ベースポリマー(BP−1)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム4.7g、分散剤としてアデカリアソーブPPを3g、プルロニックL61を1g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度25重量%の水性分散体4を得た。
[実施例4]
ベースポリマー(BP−1)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム4.7g、分散剤としてモノゲンY500を3g、プルロニックL61を1g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度25重量%の水性分散体5を得た。
[実施例5]
ベースポリマー(BP−1)94.5g、イオン交換水256g、水酸化カリウム5.1g、分散剤としてモノゲンY500を3g、プルロニックL61を1g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度27重量%の水性分散体6を得た。
[実施例6]
ベースポリマー(BP−1)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム4.7g、分散剤としてモノゲンY500を3g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度27重量%の水性分散体7を得た。
[実施例7]
ベースポリマー(BP−1)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム4.7g、分散剤としてアデカリアソーブPPを3g、オートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度25重量%の水性分散体8を得た。
[比較例1]
ベースポリマー(BP−3)35g、イオン交換水315g、水酸化カリウム3.4gをオートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度10重量%の水性分散体9を得た。
[比較例2]
ベースポリマー(BP−2)35g、イオン交換水315g、水酸化カリウム2.6gをオートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度10重量%の水性分散体10を得た。
[比較例3]
ベースポリマー(BP−3)87g、イオン交換水263g、水酸化カリウム9.1gをオートクレーブに加え、温度150℃、攪拌速度1200rpmで1.5時間攪拌した。その後水道水で冷却し、固形分濃度27重量%の水性分散体11を得た。
上記水性分散体1〜11における原料の使用割合及び水性分散体の物性を測定した結果を表2に示す。
Figure 2005336277

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%、メルトフローレートが5〜1500g/10分のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体(A)と、該共重合体(A)100重量部に対して0.5〜10重量部の分散剤及び/又は乳化剤と、水とを有し、該共重合体(A)が、共重合体(A)のカルボキシル基を基準として40〜300モル%のアルカリ金属化合物又はアルカリ金属イオンあるいはアルカリ土類金属化合物又はアルカリ土類金属イオンで水中に分散されてなる水性分散体。
  2. エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体が、2種類以上のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体からなり、該ブレンドにおける平均(メタ)アクリル酸含量が3〜30重量%である請求項1記載の水性分散体。
  3. 分散剤及び/又は乳化剤が、界面活性剤である請求項1又は2記載の水性分散体。
  4. 界面活性剤が、ポリオキシアルキレン系、スルホン酸塩系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤である請求項3記載の水性分散体。
  5. 界面活性剤が、反応性界面活性剤である請求項3又は4記載の水性分散体。
  6. 請求項1〜5記載の水性分散体から形成される塗膜。
  7. 基材に、請求項1〜5記載の水性分散体を塗布、乾燥してなる積層体。
  8. 基材が、高分子材料又は金属である請求項6記載の積層体。
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