JPH11263848A - 水性分散液及びその製法 - Google Patents

水性分散液及びその製法

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JPH11263848A
JPH11263848A JP6677098A JP6677098A JPH11263848A JP H11263848 A JPH11263848 A JP H11263848A JP 6677098 A JP6677098 A JP 6677098A JP 6677098 A JP6677098 A JP 6677098A JP H11263848 A JPH11263848 A JP H11263848A
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JP
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aqueous dispersion
mol
meth
acrylic acid
copolymer
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Application number
JP6677098A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Nakada
一之 中田
Norihiko Takeda
紀彦 武田
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性、耐熱接着性に優れ、チキソトロ
ピー性があって、コーティング剤に適する水性分散液の
提供。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸含量が10〜30重
量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分
散液で、該共重合体のカルボキシル基を基準にして、
アルカリ金属イオン及び/又はアンモニウムイオンを4
0モル%以上、多価金属イオンを1モル%以上の割合
で含有し、平均粒径が1〜1000nm、固型分濃度が
5〜50重量%である水性分散液、及びこの水性分散液
を基材に塗布してなる積層体。上記水性分散液はエチレ
ン・(メタ)アクリル酸共重合体と、上記及びの金
属イオン含量にイオン化するに充分な量の金属化合物と
を、100℃以上の温度で剪断力をかけながら水中で反
応させることによって製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属イオ
ン又はアンモニウムイオンと、多価金属イオンとを含有
する安定な水性分散液及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン・アクリル酸共重合体又はエチ
レン・メタクリル酸共重合体(以下エチレン・(メタ)
アクリル酸共重合体という)の水性分散液は古くから知
られており、とくに各種基材に被膜を形成するための塗
布液として広く使用されている。このような水性分散液
は、通常、前記共重合体がアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩となって分散している。かかる水性分散液は比
較的製造が容易であるが、水性分散液を基材に塗布した
場合、かならずしも充分な耐熱接着性や耐水接着性を有
していないことがある。またアルカリ金属塩の形で分散
しているものから得られる塗布膜は、凝集力があまり大
きくなく、比較的低い温度で低粘度化するほか、耐水性
に乏しく、流水による膜剥離、温水による白化などを引
き起こすという問題点もある。さらに塗布を行う場合
は、良好な濡れ性を示すとともに作業性が優れること、
また塗布後は液だれのないことが望まれるが、上記水性
分散液においては、剪断力の如何にかかわらず粘度はほ
ぼ一定であり、すなわちチキソトロピー性はほとんどな
く、したがってこのような要望を満たすものではなかっ
た。このうち耐熱接着性の向上のためには、中和度を上
げることによりある程度の改善はみられるが、中和度が
100%近辺になるとゼリー状となり、水性分散液とし
て取り扱えなくなるので、改善の程度には限りがあっ
た。
【0003】一方、エチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の水性分散液において、金属塩の金属種としてアル
カリ金属とともに多価金属の使用可能性に言及した提案
はあるが、その具体例は見当たらない。本発明者らの検
討によれば、多価金属イオンをイオン源とするエチレン
・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分散液であって、
分散状態が良好で貯蔵安定性の優れた水性分散液を得る
ことは非常に難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがアルカリ金属
イオン及び/又はアンモニウムイオンと多価金属イオン
を特定割合で併用し、しかも後記するような方法を採用
するときに、非常に安定な水性分散液が得られることを
見いだすに至った。このような方法で得られる水性分散
液はまた、強いチキソトロピー性を示すこと、またこの
ような水性分散液には多量の金属イオンを包含させるこ
とが可能であり、耐水性、耐熱接着性等の改良された被
膜を生成させることが可能であることも知った。
【0005】したがって本発明の目的は、多価金属イオ
ンを含有する新規な水性分散液を提供することにある。
本発明の他の目的は、強いチキソトロピー性を示す水性
分散液を提供することにある。本発明の他の目的は、種
々の基材に対して、塗工性、接着性、耐熱接着性、耐水
性等に優れた被膜を形成することが可能な水性分散液を
提供することにある。本発明の他の目的は、このような
諸性質を有する水性分散液の製造方法を提供するにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(メタ)アク
リル酸含量が10〜30重量%のエチレン・(メタ)ア
クリル酸共重合体の水性分散液であって、該共重合体の
カルボキシル基を基準にして、アルカリ金属イオン及び
又はアンモニウムイオンを40モル%以上、多価金属イ
オンを1モル%以上の割合で含有し、平均粒径が1〜1
000nm、固型分濃度が5〜50重量%である水性分
散液に関する。
【0007】本発明はまた、(メタ)アクリル酸含量が
10〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体と、該共重合体のカルボキシル基を基準にして、そ
の40モル%以上をイオン化するに充分な量のアルカリ
金属化合物及び又はアンモニアと、その1モル%以上を
イオン化するに充分な量の多価金属化合物とを、100
℃以上の温度で剪断力をかけながら水中で反応させるこ
とを特徴とする混合イオン含有水性分散液の製造方法に
関する。
【0008】本発明の水性分散液の原料として、(メ
タ)アクリル酸含量が10〜30重量%、好ましくは1
3〜25重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体が用いられる。(メタ)アクリル酸含量が前記範囲よ
り少ない共重合体を用いると、安定な水性分散液を得る
ことが難しく、その含量が30重量%を越えるような共
重合体を使用した場合には、一時的には分散するもの
の、直ちに凝集してしまい、貯蔵安定性に優れた水性分
散液を得ることはできない。
【0009】このような共重合体にはまた、エチレンと
(メタ)アクリル酸のほかに他の単量体が共重合された
ものであってもよい。このような他の単量体としては、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、メタクリル
酸メチルのような不飽和エステル、一酸化炭素などを例
示することができる。このような他の単量体は、例えば
20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で含
有されていてもよい。
【0010】原料のエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体としては、水性分散液の製造の容易性、分散安定
性、水性分散液から得られる被膜の物性等を考慮する
と、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレ
ートが1〜2000g/10分、好ましくは10〜10
00g/10分のものが好適である。
【0011】上記共重合体の水性分散液は、そのカルボ
キシル基基準で、アルカリ金属イオン、アンモニウムイ
オン、あるいはこれらのイオン混合物が40モル%以
上、好ましくは45〜90モル%、多価金属イオンが1
モル%以上、好ましくは5〜90モル%、より好ましく
は10〜80モル%である。すなわちアルカリ金属イオ
ン及び又はアンモニウムイオンの含有量が上記範囲より
少ないと、水性分散液の製造が容易でなく、また安定し
た水性分散液とならない。また多価金属イオンは所望の
効果を達成するために、少なくとも1モル%以上必要で
あるが、その量が多くなりすぎると、多価金属イオンに
よるイオン架橋に基づき、未分散樹脂が少なからず発生
することになる。
【0012】ここにアルカリ金属としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウムなどであ
り、とくにナトリウムあるいはカリウムの使用が好まし
い。また多価金属としては、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウムなどのアルカリ土類金属のみならず、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウ
ム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウ
ム等のイオン性を有する各種金属を挙げることができ
る。中でもアルカリ土類金属や亜鉛などの2価金属が好
ましい。
【0013】本発明の水性分散液は、平均粒径が1〜1
000nm、好ましくは5〜500nmの範囲であり、
また固型分濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%の範囲である。すなわちこのような性状を有す
ることにより、適度な溶液粘度を有し、安定で、しかも
塗布膜の均一性が優れた水性分散液となる。
【0014】かかる水性分散液としてはまた、粘度が5
〜1000mPa・s、好ましくは10〜500mPa
・sの範囲にあり、またpHが9.5〜12、好ましく
は10〜11.5の範囲にある。
【0015】上記のような安定でしかも粒径の小さい水
性分散液は、次の方法により製造することができる。す
なわち(メタ)アクリル酸含量が10〜30重量%であ
る原料のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体と、ア
ルカリ金属化合物及び/又はアンモニアと、多価金属化
合物とを、各所定量使用し、100℃以上、好ましくは
130〜160℃の温度で、剪断力をかけながら水中で
反応させることによって得られる。アルカリ金属化合物
としては、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、カルボン酸
塩などを例示することができる。また多価金属化合物と
しては、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの使用が好まし
い。
【0016】この方法においては、水と、固型分濃度が
5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%となる量
の上記した性状のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体と、該共重合体のカルボキシル基を基準にしてその4
0モル%、好ましくは45〜90モル%をイオン化する
量の上記アルカリ金属化合物及び/又はアンモニアと、
該共重合体のカルボキシル基の1モル%以上、好ましく
は5〜90%、より好ましくは10〜80モル%を中和
するに見合う量の上記多価金属化合物とを、剪断力をか
けることが可能な反応装置、例えば撹拌機付きのオート
クレーブ中、所定温度で剪断力をかけながら反応させる
ことによって得ることができる。反応時間は、反応温度
やその他反応条件によっても異なるが、30〜120分
程度である。
【0017】本発明のこのような方法以外に、予めエチ
レン・(メタ)アクリル酸共重合体の多価金属アイオノ
マーを調製しておき、これとアルカリ金属化合物及び/
又はアンモニアとを、水中で、剪断力をかけながら反応
させることによって、同様な水性分散液を製造すること
は可能であるが、この場合は、高中和度の多価金属アイ
オノマーを原料として使用することは非常に困難であ
り、また反応温度も160℃以上のような高温を必要と
する。またこの方法では、多価金属の種類が、多価金属
アイオノマーの生産が容易なものに限定され、例えばア
ルミニウムアイオノマー等の調製が非常に困難なアイオ
ノマーを原料として使用することは事実上不可能であ
る。これに対し、上記本発明の方法によれば、多価金属
イオンによる中和度が高い水性分散液の調製も容易であ
り、また多価金属の種類に殆ど制約がなく、水溶性、非
水溶性の有無にかかわらず、種々の多価金属種を用いる
ことができるという利点がある。
【0018】本発明の水性分散液には、任意に種々の添
加剤を配合することができる。このような添加剤の例と
しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防
止剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止
剤、接着剤、架橋剤、筆記性改良剤、無機充填剤などを
挙げることができる。
【0019】本発明の水性分散液は、コーティング剤、
接着剤、インク材料などとして種々の基材に塗布するこ
とにより、被膜を形成することができる。
【0020】本発明の水性分散液はまた、他の重合体分
散液により改質され、あるいは他の重合体分散液の改質
を目的として、他の重合体分散液と任意割合で配合する
ことができる。一般には固型分換算(重量比)で10/
90〜90/10、とくに20/80〜80/20の割
合で配合するのがよい。
【0021】このような他の重合体水性分散液として
は、pHが7以上のもの、あるいはアンモニア水等でp
Hを7以上にしたものであって、本発明の水性分散液と
混合したときにゲル化しないようなものを選択する必要
がある。またその固型分濃度が2〜60%、好ましくは
5〜50%程度のものであって、その平均粒子径が1〜
10000nm、好ましくは5〜5000nmのものを
選択することが望ましい。
【0022】このような他の重合体水性分散液として
は、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性
アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタアクリルアミ
ド樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル
樹脂、スチレン、アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレ
タン樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸共重合体、スチ
レン・ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、酸
化ポリエチレン、プロピレン・エチレン共重合体、無水
マレイン酸グラフトポリオレフィン、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散液を挙
げることができる。これらは勿論、2種以上使用しても
よい。
【0023】本発明の水性分散液、あるいはこれと他の
重合体水性分散液の混合水性分散液は、任意の基材に塗
布することができる。このような基材としては、高、
中、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共
重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体又はそのアイオノマー、ポリプロピレン、ポリ
−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのよう
なオレフィン重合体又は共重合体、ポリスチレン、ハイ
インパクトポリスチレン、ABS型樹脂、スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体又はその水素添加物のような
スチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートのようなポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66のようなポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル及びこれらの任意割合の混合物など
の熱可塑性重合体、天然ゴム、合成ゴムのようなゴム材
料、フェノール樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹
脂、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスのような金属、
木材、紙、レーヨン、皮革等の天然素材などを例示する
ことができる。熱可塑性重合体にあっては、フィルム、
シート、中空成形品、射出成形品、織布、不織布、合成
皮革など種々の成形品に適用することができる。
【0024】基材に水性分散液を塗布するには、公知の
方法、例えばロールコーティング、刷毛塗り、スプレー
塗布などを採用することができる。基材には、接着性等
を改良する目的で下塗り剤を塗布しておいてもよく、ま
たコロナ処理等の表面処理を施しておいてもよい。塗布
膜の厚みは任意であるが、通常1〜20μm、好ましく
は1〜10μmである。塗布膜には、耐水性、耐久性等
を改良する目的で、電子線照射による架橋処理を施して
もよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、多価金属イオンを含有
する貯蔵安定性が優れた水性分散液を提供することがで
きる。このような水性分散液は、一般には強いチキソト
ロピー性を示し、塗布作業性が優れるとともに、基剤に
塗布後の液だれの発生が抑制されるという利点を有して
いる。さらにまた多価金属イオン量を調節することによ
り、接着性、とりわけ耐熱接着性に優れた塗布膜を生成
させることが可能である。したがって、各種コーティン
グ剤、接着剤、インク材料などの分野に使用することが
できる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
る。なお実施例において用いた原料及び得られた水性分
散液の物性評価方法は下記のとおりである。
【0027】1.原料 (1)ベ−スレジン 下記表1の組成及び物性を有するエチレン・(メタ)ア
クリル酸共重合体を用いた。
【0028】
【表1】
【0029】(2)中和剤 アルカリ金属、アンモニウム及び多価金属のイオン種と
して下記表2の中和剤を用いた。なお、実施例における
「中和度」は、共重合体のカルボキシル基を基準にし、
加えた中和剤がすべて反応したと仮定した場合の金属イ
オンモル%を表す。
【0030】
【表2】
【0031】2.水性分散液の物性 (1)粘度及びチキソトロピー性 JIS K6833に準拠 単一筒回転粘度計(ブルックフィールド粘度計(Synchr
o Lectric Viscometer))を用いて測定。 測定条件:温度23℃でスピンドルの回転速度を3/m
in及び12/minに変化させ、その時に測定粘度に
変化が認められ、しかもこの両者間に相関関係が認めら
れれば、強いチキソトロピー性を持つと判定した。
【0032】(2)pH:JIS K6833準拠 サンプルをそのまま下記pH計を用いて測定 ホリバ カスタニー LAB pHメーターF12
【0033】(3)粒径分布 レーザー光散乱式粒度分布測定装置 NICOMP 3
70HPLにより測定。
【0034】(4)耐熱接着性(剥離温度) 試験方法:グリープテスト(T型剥離試験(100g荷
重)) 昇温条件:40℃で30分静置した後、0.4℃/分の
速度で200℃まで昇温するように設定した加熱槽に設
置し、下記の分散液塗布紙サンプルが剥離した温度を測
定する。 サンプルの調製:上質紙に分散液を塗布し乾燥した後、
塗布面を十分にヒートシールし(150℃/10分)、
15mm幅の短冊にしたものをサンプルとした。
【0035】[実施例1]300mlオートクレーブ中
に、酸共重合体を62.5g、KOHを4.74g、
ZnOを3.55g、及びイオン交換水187.5gを
仕込み、密閉した後150℃で2時間撹拌して分散反応
を行った。反応終了後、氷浴で急冷し微白濁の水性分散
液を得た。分散液の外観、粘度、平均粒径、pH、チキ
ソトロピー性の有無、耐熱接着性を測定した。水性分散
液の製造条件を表3に、物性測定結果を表5に示す。
【0036】[実施例2]実施例1において、多価金属
イオン源としてZnOの代わりにMg(OH)2を2.
53g用いた以外は実施例1と同様にして微白濁の水性
分散液を得、実施例1と同様にして物性を測定した。結
果を表3、表5に示す。
【0037】[実施例3]実施例1において、ZnOの
代わりにCa(OH)2 を3.23g用いた以外は実施
例1と同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表
3、表5に示す。
【0038】[実施例4〜5]実施例1において、Zn
Oをそれぞれ2.37g及び1.18g用い、多価金属
イオンによる中和度をそれぞれ40及び20モル%とし
た以外は実施例1と同様にして微白濁の水性分散液を得
た。結果を表3、表5に示す。
【0039】[実施例6]実施例1において、KOHを
9.48g用い(中和度100モル%)、多価金属とし
てAl(OH)3 を0.57g用いた(中和度10モル
%)以外は実施例1と同様にして微白濁の水性分散液を
得た。結果を表3、表5に示す。
【0040】[実施例7]実施例1において、アルカリ
金属イオン源としてKOHの代わりにNaOHを4.1
5g用いた以外は実施例1と同様にして微白濁の水性分
散液を得た。結果を表3、表5に示す。
【0041】[実施例8]実施例1においてベースレジ
ンとして酸共重合体の代わりに、酸共重合体を6
2.5gを用い、KOH5.66g、ZnOを4.24
g用いた以外は実施例1と同様にして微白濁の水性分散
液を得た。結果を表3、表5に示す。
【0042】[実施例9]実施例8において、KOHの
代わりにNaOHを4.96g用いた以外は実施例8と
同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表3、表
5に示す。
【0043】[実施例10]実施例8において、KOH
の代わりにアンモニアを9.16g用い、またZnOに
よる中和度を20モル%とした以外は実施例8と同様に
して微白濁の水性分散液を得た。結果を表3、表5に示
す。
【0044】[実施例11]実施例1において酸共重合
体の代わりに、酸共重合体を62.5gを用い、K
OH4.25g、ZnOを3.18g用いた以外は実施
例1と同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表
3、表5に示す。
【0045】[実施例12〜13]実施例11におい
て、ZnOをそれぞれ1.58g及び0.79g用い、
多価金属イオンによる中和度をそれぞれ40及び20モ
ル%とした以外は実施例11と同様にして微白濁の水性
分散液を得た。結果を表3、表5に示す。
【0046】[実施例14]実施例11において、KO
Hの代わりにNaOHを3.72g用いた(中和度70
モル%)以外は実施例11と同様にして微白濁の水性分
散液を得た。結果を表3、表5に示す。
【0047】[実施例15]実施例1において酸共重合
体の代わりに酸共重合体を62.5g、KOHを
3.55g、ZnOを2.66g用いた以外は実施例1
と同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表3、
表5に示す。
【0048】[実施例16〜17]実施例15におい
て、ZnOをそれぞれ1.77g及び0.89g用いた
(中和度40モル%及び20モル%)以外は実施例15
と同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表3、
表5に示す。
【0049】[実施例18]実施例15において、KO
Hの代わりにNaOHを3.11g用いた以外は実施例
15と同様にして微白濁の水性分散液を得た。結果を表
3、表5に示す。
【0050】[比較例1]実施例1において、KOHの
みで中和し、多価金属イオンを用いなかった。分散液製
造条件を表4に、得られた分散液の物性を表6に示す。
【0051】[比較例2]比較例1と同様に多価金属イ
オンを用いず、KOHのみで中和したが、KOHを7.
50g用い、アルカリ金属による中和度を80モル%と
した。結果を表4、表6に示す。
【0052】[比較例3]比較例1と同様に多価金属イ
オンを用いず、KOHのみで中和したが、KOHを1
0.42g用い、アルカリ金属による中和度を110モ
ル%とした。分散液は得られなかった。
【0053】[比較例4]比較例1においてKOHの代
わりにNaOHのみで中和し、多価金属イオンを用いな
かった。NaOHを7.70g用い、アルカリ金属によ
る中和度は130モル%であったが、分散液は得られな
かった。
【0054】[比較例5]酸共重合体を、KOH1
0.19gのみで中和し(中和度90モル%)、多価金
属イオンは用いなかった。結果を表4、表6に示す。
【0055】[比較例6]比較例5において、KOHの
代わりにNaOHを6.38g用い(中和度90モル
%)、多価金属イオンは用いなかった。結果を表4、表
6に示す。
【0056】[比較例7]比較例5において、KOHの
代わりにアンモニア1を7.63g用い(中和度75モ
ル%)、多価金属イオンは用いなかった。結果を表4、
表6に示す。
【0057】[比較例8]酸共重合体をKOH6.8
0gのみで中和し(中和度80モル%)、多価金属イオ
ンは用いなかった。結果を表4、表6に示す。
【0058】[比較例9]酸共重合体をKOH5.6
8gのみで中和し(中和度80モル%)、多価金属イオ
ンは用いなかった。結果を表4、表6に示す。
【0059】[比較例10]実施例1において、KOH
を2.84g用いた(中和度30モル%)。分散液は得
られなかった。
【0060】[比較例11]実施例7において、NaO
Hを1.78g用いた(中和度30モル%)。分散液は
得られなかった。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】 樹脂濃度は25wt%に固定。
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】表3〜表6の結果から明らかなように、本
発明方法により、安定で耐熱性に優れた水性分散液が得
られ、この方法で得られた水性分散液はチキソトロピー
性が優れている。これに対し、多価金属イオンを用い
ず、アルカリ金属またはアンモニアのみで中和した場
合、分散液が得られなかったり、分散液が得られたとし
ても、チキソトロピー性がなく、コーティング剤には適
さない性状のものしか得られない。またアルカリ金属イ
オン及び/又はアンモニウムイオンと多価金属イオンを
併用した場合でも、アルカリ金属イオン及び/又はアン
モニウムイオンの含有量が少ない場合は分散液が得られ
ない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸含量が10〜30重
    量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の水性分
    散液であって、該共重合体のカルボキシル基を基準にし
    て、アルカリ金属イオン及び/又はアンモニウムイオン
    を40モル%以上、多価金属イオンを1モル%以上の割
    合で含有し、平均粒径が1〜1000nm、固型分濃度
    が5〜50重量%である水性分散液。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属がカリウムまたはナトリウ
    ムである請求項1記載の水性分散液。
  3. 【請求項3】 多価金属イオンを10〜80モル%の割
    合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載
    の水性分散液。
  4. 【請求項4】 多価金属イオンが亜鉛、マグネシウムま
    たはカルシウムである請求項1〜3のいずれかに記載の
    水性分散液。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル酸含量が10〜30重
    量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体と、該共
    重合体のカルボキシル基を基準にして、その40モル%
    以上をイオン化するに充分な量のアルカリ金属化合物及
    び/又はアンモニアと、その1モル%以上をイオン化す
    るに充分な量の多価金属化合物とを、100℃以上の温
    度で剪断力をかけながら水中で反応させることを特徴と
    する混合イオン含有水性分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 基材に、請求項1〜4のいずれかに記載
    の水性分散液を塗布してなる積層体。
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