JP2005335818A - 蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、剥離開始点における易開封性を付与するだけでなく、凝集剥離型の易開封機構の際には、開封時に発生する糸引きなどの問題を解消させることを可能にする蓋材を提供することを課題とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材のシーラント層を成す熱可塑性樹脂層の、JIS.K7113における引張破断強度が5〜20MPaの熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする蓋材。
【選択図】図1

Description

本発明は、カップ、トレーなどの蓋材に関し、さらに詳細には、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有するカップ、トレーなどの蓋材において、易開封性を付与するだけでなく、開封時に発生する糸引きなどの問題を解消させることが可能な蓋材に関するものである。
食品包装分野において、インスタントラーメン、ゼリー、ヨーグルトなどカップもしくはトレーに内容物を充填した包装形態が増加してきた。これらのカップもしくはトレーは一般的にポリスチレン、発泡ポリスチレン、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形、真空圧縮成形などの製法を利用して製造されているが、近年、省資源化、ごみの減容積化、リサイクル性などを考慮して、紙にポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂を積層させた紙カップなどが開発されており、内容物としてインスタントラーメンに限らず、飲料なども充填されるようになってきた。
これらのカップ容器における蓋材の要求品質としては、内容物を保護するため蓋材最内層のシーラント層と被着剤であるカップなどの容器が強接着である事が望まれるのに対し、開封時にはできるだけ易開封であるこという相反する要求が求められる。
このような要求を満たすため、様々な機能が蓋材に付与されてきた。その一つが、易開封機構の設計であり、それらの例として、層間剥離機構、凝集剥離機構が挙げられる。
このうち、凝集剥離機構は非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂をブレンドすることで設計され、その剥離原理としては、非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂ブレンド層の凝集力の小さいことを利用し、開封時は蓋材最内シーラントと被着剤との界面ではなく、このような非相溶系あるいは部分相溶系のブレンド層の凝集破壊を利用することで説明される。
この凝集剥離型の易開封機構の問題点としては、開封時の糸引きが挙げられる。この問題は易開封層(ブレンド層)の層厚を薄くする、あるいはブレンド層のマトリックス−ドメイン構造のドメイン径を小さくするなどの構造設計、モルフォロジー設計をする必要がある。
マトリックス−ドメイン構造の制御は、両者の界面接着性の問題となり、この界面接着性を強くすると(ドメイン径を小さくすると)糸引きは発生しなくなるが開封強度が強くなり、逆に界面接着性を弱くすると(ドメイン径を大きくすると)開封強度が弱くなり、易開封性を付与することが可能であるが、ブレンド構成によっては糸引きを発生することになる。
上述したように、易開封層(ブレンド層)を薄くすることも一つの方法であるが、薄くなると膜厚の制御が困難になり、加工性が低下する。
また、易開封性の蓋材を設計するにあたり、上述したような開封強度や開封時の糸引きだけでなく、開封直後の強度をコントロールする必要性が要求されてきている(開封時のきっかけ)。それは、図1−A、−Bで説明される。
図1−Aは、シーラント層1Bがブレンド層でこのシーラント層1bが凝集剥離する場
合、図1−Bはシーラント層1bとブレンド層よりなる中間層2bより構成され、中間層の凝集剥離もしくはシーラント層1bと中間層2bの層間剥離による例を示している。
以下のことは、凝集剥離、層間剥離双方にも言える問題ではあるが、蓋材を開封する際には、カップなどの容器aと蓋材bのシーラント層1bの開封開始点cにおける強度をできるだけ小さくさせることが開封直後の易開封性を附与させることが可能である。
この開封直後の易開封性をコントロールするために、タブdの設計も行われているが、蓋材のシーラント層1bにその機能を附与させることが可能であれば、タブd設計を含めてよりよい易開封性蓋材を提供することが可能であるため、このような蓋材を設計したいのが現状である。
本発明の課題は上記の問題点に鑑みなされたものであり、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、剥離開始点における易開封性を付与するだけでなく、凝集剥離型の易開封機構の際には、開封時に発生する糸引きなどの問題を解消させることを可能にする蓋材を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を克服するために考え出されたものであり、
請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材のシーラント層を成す熱可塑性樹脂層の、JIS.K7113における引張破断強度が5〜20MPaの熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蓋材において、熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、JIS.K7113における引張破断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の蓋材において、多層構成をなす熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、2種以上の熱可塑性樹脂のブレンド層からなることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の蓋材において、シーラント層が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合体、これらオレフィン系樹脂の酸変性物、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα、β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物かイオン架橋物、共重合ポリエステルの単体あるいはこれらを主成分とするブレンド層であることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材とこの蓋材と接着する容器との剥離強度が1〜15N/15mmであることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離がブレンド層の凝集剥離であることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材を構成する多層構成の熱可塑性樹脂層の層間剥離であることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂からなるカップ、トレーであることを特徴とする蓋材、としたものである。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂を積層させた紙カップ、紙トレーであることを特徴とする蓋材、としたものである。
本発明は以上の如き構成であるから、下記に示す如き優れた実用上の効果を有する。
熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有するカップ、トレーなどの蓋材において、易開封性を付与するだけでなく、開封時に発生する糸引きなどの問題を解消することが可能な蓋材とすることができる。
また、開封機構も凝集剥離だけでなく層間剥離などのタイプにも適応が可能である。
今後、紙カップや紙トレーなどの包装材料が多く市場に出る傾向があり、その内容物もあらゆる物が充填されるようになる。
このような時代を迎える上で、密着性を有しながらも易開封性などの機能を付与できるという点で本発明の蓋材はすばらしい蓋材であるといえる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の蓋材は、1層以上からなる熱可塑性樹脂層を主体とした多層構造を有しており、その最内シーラント層が、JIS.K7113における引張破断強度が5〜20MPaの熱可塑性樹脂から構成される。
更に好ましくは前記熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、引張破断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂から構成された構造を有している。この場合の蓋材の構成を例としてあげると、
例1:熱可塑性樹脂(最外層)/熱可塑性樹脂(中間層)/熱可塑性樹脂(シーラント層)
例2:紙/熱可塑性樹脂/金属箔/熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂層(シーラント層)
例3:熱可塑性樹脂(最外層)/紙/熱可塑性樹脂(シーラント層)
など様々である。
この場合、層構成は何層でも構わず、必要に応じてバリア性樹脂層、接着性樹脂層などを積層させても構わない。また、紙の材質も特に限定されるものではない。また、バリア性を付与させるために無機化合物を蒸着などの手法により積層させたフィルムも使用可能である。
蓋材最内シーラント層として使用する熱可塑性樹脂層は、容器の材質に応じて様々な樹脂を使用することが可能である。例を挙げると、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重
合体、エチレンーαオレフィン共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸エステル共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステルなど様々である。また、これらの樹脂は必要に応じて単体で使用しても、ブレンドで使用しても構わない。
さらに、低分子量の石油樹脂、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂樹脂や、ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタエリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類を粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合しても構わない。
ここで、JIS.K7113における引張破断強度、引張破断伸びの測定試験片および測定条件は、JIS.K7113に記載されている内容に従う。
例えば、測定する樹脂が低密度ポリエチレン樹脂であれば、2号試験片で厚さ2.0±0.2mm、試験速度200mm/min.など、各樹脂に応じた試験を行う。
上記シーラント層の引張破断強度は5〜20MPaの熱可塑性樹脂とする。
この範囲で選択することで、凝集剥離タイプの剥離機構で糸引きを発生するような樹脂構成であれば糸引きを解消させることが可能であり、開封時のきっかけとなる強度(図1の開封開始点c)を抑制することができる。
5MPa以下であると、きっかけとなる強度が弱すぎ、落下などの衝撃ですぐに剥離したり、ちょっとしたきっかけで剥離を起こす可能性がある。また、20MPa以上であると開封時の強度が強くなり、易開封性を附与することができない。
上記シーラント層の引張破伸びは600%以下であることが好ましい。600%以上あるということは、図1−Aに示す凝集剥離時に、2種以上の熱可塑性樹脂ブレンドしたシーラント層のマトリックス樹脂が、開封から破断するまでの伸びが大きくなることを意味し、このことは糸引きを発生させることを意味する。
また、図1−Bに示すような中間層2bの凝集剥離や、シーラント層1bと中間層2b間の界面剥離を採用する場合には、引張破断伸びが大きいことで易開封性低下させる結果となる。引張破断強度や引張破断伸びが上述した範囲にある熱可塑性樹脂は、シーラント層のみだけでなく、中間層にも介在させても構わない。
シーラント層としての機能と易開封性との関係を両立させるには、2種以上の熱可塑性樹脂をブレンドしたブレンド層を介在させる方法が挙げられる。凝集剥離の場合にはシーラント層あるいは中間層となるベース樹脂に、これらの樹脂とは完全非相溶あるいは部分相溶する樹脂を適量配合することが挙げられる。
また、層間剥離の場合にはシーラント層または中間層との界面接着強度をコントロールする様にどちらか単膜あるいは双方に樹脂をブレンドする方法が挙げられる。
また、シーラント層あるいは中間層のどちらか一方あるいは双方に酸変性物などのグラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体を使用し、シーラント層と中間層との層間剥離強度をコントロールし、層間剥離性を附与させることも可能であり、その際には酸成分以外の成分、あるいは酸成分とその他の成分を双方含む共重体でも構わない。
凝集剥離を開封機構として採用する場合、凝集剥離する樹脂層にブレンドする熱可塑性樹脂としては、これらの樹脂層と完全非相溶、あるいは部分相溶の樹脂が選択される。ベース樹脂によって異なるが、例を挙げると低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合体、ポリブテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体やエチレンーメタクリル酸共重合体のような酸共重合物やそのエステル化物、エチレンー酢酸ビニル共重合体あるいはその鹸化物、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが可能であり、特に上述した樹脂以外にも、酸変性物など様々な樹脂の使用が可能である。
凝集剥離を採用する場合、これらのブレンド層は開封時に糸引きが発生する恐れがある。上述したように糸引きを解消させるためには、ブレンド層の層厚を薄くする、あるいはブレンド層のドメインを小さくするなどの手法が挙げられるが、凝集剥離を起こすブレンド層の引張破断強度を5〜20MPa、引張破断伸びを600%以下にすることで、これらの手法を用いなくても、糸引きを解消させることが可能である。
また、層間剥離を採用する場合には、シーラント層と中間層との界面接着強度をコントロールするように、どちらか一方あるいは双方に上述したような樹脂をブレンドする方法が挙げられる。また、シーラント層あるいは中間層のどちらかあるいは双方に酸変性物などのグラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体を使用し、シーラント層と中間層との剥離強度をコントロールし層間剥離性を附与させることが可能であり、その際には酸成分以外の成分、あるいは酸成分とその他の成分を双方含む共重合体でも構わない。
これらの蓋材の易開封性を考えると、蓋材の開封強度は1〜15N/15mmである方が好ましい。1N/15mmよりも弱いと接着強度に劣り、15N/15mm以上であると易開封性に劣る。
開封強度としては上述した範囲に設定した方が好ましいが、被着剤が紙カップのように紙を主体とした構成の場合には、開封強度が強すぎると紙剥けする恐れがあるため、その時の開封強度の設定としては1N〜5N/15mm程度が好ましい。
本発明の蓋材の作成方法は、様々な方法を取ることができるが、基本的にはあらかじめドライラミネート、押出ラミネートなどの手法で積層させた積層体を基材として、上記内容の熱可塑性樹脂を押出ラミネートする方法がとられる。その際、凝集剥離型で膜厚を薄くする場合や、層間剥離型にする場合には共押出手法により積層させることでも得られる。これらの蓋材に関する製造方法には制約はない。
また、シーラント層の材料の加工性、熱安定性などを考慮して、必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防雲剤、粘着調整剤、充填剤、着色剤などの添加剤を加えることも可能である。
本発明の蓋材の被着材となる容器aは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(特に結晶化PET:C−PET)、ポリスチレン樹脂などから構成される射出成形や真空圧縮成形で得られたカップ、トレーなどが挙げられる。しかしながら、これらの樹脂種あるいは容器種に限られず、シーラント種を選定することで、様々な樹脂からなる容器にも使用が可能である。また、容器も、ブリスターパックのような容器の蓋材にも使用が可能である。
上述したように、最近では、上述したようなカップやトレーだけでなく、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、結晶化ポリエチレンテレフタレート樹脂を紙に積層させた紙カップや紙トレーも見られるようになってきた。本発明の蓋材はこのような蓋材にも使用することが可能である。
ただし、紙カップのような紙を主体とする容器の場合には開封時に紙剥けという問題が生じる恐れがあるため、紙カップの場合は開封強度が1〜5N/15mm程度が好ましい。
また紙カップの場合はブランク状態からカップ状に成形(図2参照)する際にサイドに設けられた糊代部eをヒートシールするが、その糊代部eが紙カップフランジ部gに段差hを形成させる(図3参照)ため、その密封性が低下する恐れがある。
この問題を解決するため、蓋材となる最内シーラント層をJIS.K7210に準ずる190℃、21.168NにおけるMIが20〜80の熱可塑性樹脂にすることで、蓋材シール時にシーラント層が溶融し、その流動性が高いため、段差hの部分を埋めることが可能であり、密封性も向上する。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に制約を受けるものではない。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム(25μm)上に低密度ポリエチレンを厚さ20μmで押出ラミネートにより積層させたものをシール強度測定要被着体として使用した。
蓋材最内シーラント層として、JIS.K7113における引張破断強度が9MPa、引張破断伸びが450%、そしてJIS.K7210に準ずる190℃、21.168NにおけるMIが70の低密度ポリエチレン樹脂を用い、さらに易開封性を付与させるためポリブテン樹脂を30wt%添加させた。
また、このシーラント層は流動性が高いため、MIが5の低密度ポリエチレン樹脂との共押出により、押出温度280℃で蓋材の基材上に積層した(MI=5低密度ポリエチレン樹脂層30μm、シーラント層10μm)。
その後、この積層体を上述したシール強度測定要被着体とヒートシールし、130〜180℃のヒートシール強度を測定した。その時のシール圧は0.15MPaでシール時間は1秒である。このヒートシール物を幅15mmの短冊状にサンプリングし、90度剥離試験を行った。
その時の接着強度および開封機構を表1に示す。
蓋材としての構成は、その基材として紙(坪量80g/cm2)にアルミ箔を積層させたものを基材と使用した。シーラントの構成は上述したブレンド品を用い、アルミ箔と接着性を有するエチレンーアクリル酸共重合体との共押出により蓋材を作成した。
被着体となる容器は、紙に低密度ポリエチレン樹脂をラミネートした原反から作成した紙カップを実際使用した。この容器と蓋材とのヒートシールにはカップシーラーを使用し、シール温度130℃、シール圧力0.15MPa、シール時間1秒でシールした。この
時の層厚は、上述した場合と同様であり、この際にはエチレンーアクリル酸共重合体の層厚を30μmとした。
段差における密着性はリークチャック液で確認した。シール強度については、前記シール強度測定要被着体を用意して、被着体の変わりとした。この時、この被着体と蓋材とのヒートシールはヒートシーラーにて行い、上述したカップシーラーの条件と同じ条件でヒートシールを行った。これらの結果をまとめて表1に示す。
<実施例2>
シーラント層となる熱可塑性樹脂の引張破断強度を9MPa、引張破断伸びを100%、そしてMIを50にした以外は実施例1と同じである。
<実施例3>
シーラント層となる熱可塑性樹脂の引張破断強度を10MPa、引張破断伸びを100%、そしてMIを35にした以外は実施例1と同じである。
<実施例4>
シーラント層となる熱可塑性樹脂の引張破断強度を9MPa、引張破断伸びを350%、そしてMIを20にした以外は実施例1と同じである。
<実施例5>
シーラント層となる熱可塑性樹脂を引張破断強度を18MPa、引張破断伸びを500%、そして190℃におけるMIが30のポリプロピレン樹脂を使用した。このシーラント層に易開封性を付与させるためのブレンド層(中間層)をポリスチレン樹脂を使用し、その添加量を30wt%にした。この時、このシーラント層は押出しグレードのPP(190℃でMIが15)と共に共押出により製膜した。この積層体をシール強度測定およびカップへの蓋材として使用した。
被着体としては、シール強度測定用には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂にCPPフィルムをドライラミネートにより積層させたフィルムを使用し、蓋材となる被着体としては、射出成形で作成したポリプロピレンカップを使用した。それ以外は実施例1と同じである。
<実施例6>
シーラント層となる熱可塑性樹脂として、引張破断強度を7MPa、引張破断伸びを420%、MIが40の低密度ポリエチレン樹脂を使用した。また、この上層にMIが5の低密度ポリエチレン中にポリメチルメタクリレート樹脂を30wt%をブレンドしたブレンド層を設けた(易開封性の中間層とシーラント層が別の層となる)。これらの層厚はシーラント層20μm、中間層(ブレンド層)20μmである。それ以外は実施例1と同じである。
<実施例7>
シーラント層となる熱可塑性樹脂として、引張破断強度を11MPa、引張破断伸びを550%、MIが30の低密度ポリエチレン樹脂を用い、そのシーラント層に易開封性を付与するため、ポリプロピレン樹脂を30wt%添加し、さらに改質剤として密度が0.902g/cm3のエチレンーαオレフィン共重合体をブレンド樹脂(低密度ポリエチレン樹脂+ポリプロピレン樹脂)100重量部に対し10重量部添加した。それ以外は実施例1と同様である。
<実施例8>
シーラント層となる熱可塑性樹脂として引張破断強度を8MPa、引張破断伸びを90%、MIが40の低密度ポリエチレン樹脂を用いた。その上に中間層として、MIが5の低密度ポリエチレン中にポリスチレン樹脂を30wt%添加したブレンド層を設けた。
これらの2層を、MIが5の低密度ポリエチレン樹脂と共に3層共押出により押出した。その時の層厚は、シーラント層20μm、中間層(ブレンド層)10μm、MI=5低密度ポリエチレン層30μmで押出した。それ以外は実施例1と同じである。
Figure 2005335818
これらの結果より以下のことが言える。
最内シーラント層となる熱可塑性樹脂のJIS.K7113における引張破断強度を5〜20MPaに、更に好ましくは引張破断伸びを600%以下にする、蓋材に設けた易開封層をブレンド層にすることなどで、開封強度1〜15N/15mmの、凝集剥離型の易開封機構を付与することが可能である。
これらの蓋材は開封の際に糸引きすることなく、また、開封強度の初期のきっかけにおける易開封性を附与することが可能である。
またさらに紙カップ用の蓋材としては、JIS.K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIが20〜80にすることで、紙カップフランジ部におけるヒートシールの糊代部に生じた段差を埋めることが可能になり、密封性に優れる蓋材を作成することが可能である。
またこの蓋材は、実施例5にも示すように、紙カップだけでなく、一般的にカップ成形体(射出成形など)にも使用が可能である。
前記の実施例では主にポリエチレン、ポリプロピレンなどの被着体の例を示しているが、シーラント層の種類を様々に振ることで、ポリエステルを積層させた紙トレーなどの蓋材にも展開は可能である。
Aは本発明のシーラント層が凝集剥離するタイプの開封を示す説明図。Bは本発明の中間層が凝集剥離するタイプもしくはシーラント層と中間層が層間剥離するタイプの開封を示す説明図。 A、B、C、Dは、紙カップ製造と蓋材のシールまでの過程の説明図。 紙カップと蓋材の密着性の低下を示す模式図。
符号の説明
a‥‥‥容器
b‥‥‥蓋材
1b‥‥シーラント層
2b‥‥中間層
c‥‥‥開封開始点
d‥‥‥タブ
e‥‥‥紙カップブランクの糊代部
f‥‥‥底蓋
g‥‥‥フランジ部
h‥‥‥段差

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材のシーラント層を成す熱可塑性樹脂層の、JIS.K7113における引張破断強度が5〜20MPaの熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする蓋材。
  2. 請求項1記載の蓋材において、熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、JIS.K7113における引張破断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする蓋材。
  3. 請求項1又は2記載の蓋材において、多層構成をなす熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、2種以上の熱可塑性樹脂のブレンド層からなることを特徴とする蓋材。
  4. 請求項1、2又は3記載の蓋材において、シーラント層が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合体、これらオレフィン系樹脂の酸変性物、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα、β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物かイオン架橋物、共重合ポリエステルの単体あるいはこれらを主成分とするブレンド層であることを特徴とする蓋材。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材とこの蓋材と接着する容器との剥離強度が1〜15N/15mmであることを特徴とする蓋材。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離がブレンド層の凝集剥離であることを特徴とする蓋材。
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材を構成する多層構成の熱可塑性樹脂層の層間剥離であることを特徴とする蓋材。
  8. 請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂からなるカップ、トレーであることを特徴とする蓋材。
  9. 請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂を積層させた紙カップ、紙トレーであることを特徴とする蓋材。
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