JP2005333938A - 細胞固定用部材、細胞固定方法、および細胞固定用部材作製装置 - Google Patents

細胞固定用部材、細胞固定方法、および細胞固定用部材作製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞に損傷を与えることなく容易にかつ良好な精度で所望の位置に細胞を固定することが可能な細胞固定用部材を提供する。
【解決手段】細胞固定用シャーレ100は、温度応答性ポリマーから構成され細胞固定基材101の底面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立したポリマースポット102と、ポリマースポット102の表面に形成された細胞外接着因子から構成される複数の独立したEMC層103とを含む。細胞104は、ECM層103を介して、ポリマースポット102の配列パターンに従ってポリマースポット102上に固定される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、細胞固定用部材、細胞固定方法、および細胞固定用部材作製装置に関する。
従来、シャーレやチップ等の細胞固定用部材に細胞を固定する方法として、細胞固定用部材の固定表面に細胞外マトリクスのような細胞接着因子をコーティングする方法がある(例えば、特許文献1参照。)。また、これらの細胞固定用部材の固定表面に微細加工を施して孔や凹部を設けてそこに細胞を配置し、この孔や凹部の反対側から真空ポンプ等で吸引を行って細胞を孔や凹部に固定する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−165166号公報 特開平6−343451号公報
しかしながら、上記のような細胞接着因子により細胞固定を行う方法では、細胞を整列させて細胞固定用部材の固定表面に固定することが困難である。ここで、細胞固定用部材に固定された細胞の配列状態や密度は、細胞の成長や分裂、および実験で注入される薬液等に対する応答性に影響するため、細胞を適切に整列させて固定しない場合、細胞の適切な成長や分裂が阻害される一因となり得るとともに、薬液等に対する応答を観察する際に着目した細胞の変化を追いにくい。
また、細胞を適切に整列させて固定することができないと、細胞に薬液等を注入する自動インジェクション装置を用いて細胞に薬液等を注入する際に、以下のような不利益が生じる。まず、自動インジェクション装置では、キャピラリ(インジェクション針)を用いて細胞内に薬液等の注入が行われ、このキャピラリは、自動制御により走査されて細胞の固定位置に合わせて移動する。そして、キャピラリの先端を細胞に刺して細胞中に薬剤を注入(インジェクション)する。
ここで、上記のインジェクションでは、細胞の大きさが直径10μm程度であることから、キャピラリの先端を細胞の中心に対して±1〜2μm以内の精度で移動および位置合わせする必要がある。それゆえ、細胞が適切に整列して固定されていないと、薬液注入時に自動制御で配置されたキャピラリの位置と固定されている細胞との位置に大きなずれが生じる。その結果、細胞の特定部位へのインジェクションを行う際にその都度キャピラリの先端位置を微調整する必要があり、装置のスループットが上がらないという問題を引き起こす。
一方、細胞固定用部材の固定表面に孔や凹部を形成する方法では、上記の吸引により、細胞に損傷を与えるおそれがある。また、かかる方法では、固定する細胞の大きさや形状等に応じて、細胞固定用部材の固定表面に形成する孔や凹部の大きさを変える必要があるとともに、吸引速度等を調整する必要がある。したがって、固定する細胞の種類等によって使用する細胞固定用部材や固定操作条件等を適宜設定する必要がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、細胞に損傷を与えることなく容易にかつ良好な精度で所望の位置に細胞を固定することが可能な細胞固定用部材および細胞固定方法を提供することを目的の一つとする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる細胞固定用部材は、基材と、高分子材料から構成され、前記基材の表面に同一の所定形状で同一の所定間隔をあけて形成された複数の独立した細胞支持層と、前記複数の細胞支持層の各表面を覆う複数の細胞接着層と、を含んだことを特徴とする。
また、この発明にかかる細胞固定方法は、細胞固定用部材の表面に細胞を固定する細胞固定方法であって、前記細胞固定用部材は、基材と、高分子材料から構成され前記基材の表面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立した細胞支持層と、前記複数の細胞支持層の各々の表面に形成された複数の独立した細胞接着層と、を備え、前記細胞接着層を介して前記細胞支持層にそれぞれ前記細胞が固定されることを特徴とする。
かかる構成の細胞固定用部材および細胞固定方法によれば、細胞支持層の配置構成に対応して、この細胞支持層上に細胞接着層を介して細胞を固定することが可能となる。したがって、細胞を容易にかつ良好な精度で等間隔で二次元的に整列配置して固定することが可能となる。このように等間隔で整列配置された細胞は、例えば、キャピラリを介して細胞に薬液等の注入を行うインジェクション装置に好適に供することが可能である。
また、整列された状態の細胞では、細胞密度に偏りがある場合と比べて分裂や成長の阻害が抑制されるとともに、薬液等に対する応答性の劣化が抑制される。したがって、かかる細胞固定用部材および細胞固定方法は、実験や研究等に有用である。さらに、かかる細胞固定用部材および細胞固定方法では、細胞を固定させるために基材に凹部を形成したり吸引等を行う必要がないため、細胞への損傷が抑制されるとともに、細胞固定用部材の基材の劣化が抑制される。また、この場合には細胞の種類に関係なく安定した固定を実現することが可能となる。
また、この発明にかかる細胞固定用部材作製装置は、配置された細胞固定用部材の基材の表面に、高分子材料から構成され同一形状を有する複数の独立した細胞支持層を等間隔で形成する細胞支持層形成部と、前記複数の細胞支持層の各々の表面に細胞接着層を形成する細胞接着層形成部と、を備えたことを特徴とする。
かかる構成によれば、上記効果を奏する細胞固定用部材を容易にかつ効率よく製造することが可能となる。
本発明にかかる細胞固定用部材および細胞固定方法によれば、細胞に損傷を与えることなく容易にかつ良好な精度で所望の位置に細胞を固定することが可能となる。したがって、所望の間隔、所望のパターンで細胞を二次元的に整列配置させて固定することが可能となる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる細胞固定用部材、細胞固定方法、および細胞固定用部材作製装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる細胞固定用部材の構成を示す模式的な断面図である。ここでは、本発明にかかる細胞固定用部材として、細胞固定用シャーレを例示する。図1に示すように、細胞固定用部材である細胞固定用シャーレ100では、細胞固定基材101(すなわち細胞固定用シャーレ100の本体)の底面に、温度応答性ポリマーをスポット状に成形して配置した複数のポリマースポット102が、所定の間隔Dをあけ等間隔に所定の配列パターン(図4参照)で整列して配設されている。
そしてさらに、このポリマースポット102の表面が、細胞外接着因子(ECM)で構成される層(以下、これをECM層103と呼ぶ)で被覆されている。ここでは、ポリマースポット102が細胞支持層に相当し、ECM層が細胞接着層に相当する。
かかる構成の細胞固定用シャーレ100では、ECM層103を介してポリマースポット102に細胞104が固定される。ここで、前述のようにポリマースポット102は所定の間隔Dおよび所定の配列パターンで整列して細胞固定基材101の底面に配設されているため、固定される細胞104は、ポリマースポット102の配置にしたがって、等間隔で所定の配列パターンに整列して固定される。
複数のポリマースポット102の各々およびその表面を被覆するECM層103は、細胞104の固定に適したスポット径Wおよびスポット形状を有する。例えば、細胞104の大きさが約10μmであることから、ポリマースポット102およびその表面のECM層103は、約10μmのスポット径Wで形成される。そして、隣接するポリマースポット102同士は、少なくとも細胞104の一つ分の間隔Dをあけて等間隔で配置されている。例えば、ポリマースポット102は、少なくとも10μm以上、ここでは100μm程度の間隔Dをあけて等間隔で配置されている。
なお、細胞固定用シャーレ100におけるポリマースポット102の数および配列パターン等の配置構成は、図示したものに限定されるものではない。また、ポリマースポット102のスポット径Wおよび間隔Dは、上記に限定されるものではない。ポリマースポット102の配置構成、スポット径Wおよび間隔Dは、細胞固定用シャーレ100の用途や供される細胞104の大きさや性質等に応じて、適宜設定される。例えば、3cm径のシャーレでは、1cm2当たり100〜1000個のポリマースポット102が配置される。
細胞固定用シャーレ100の細胞固定基材101は、例えば、ガラスや、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の高分子化合物や、セラミックスや、金属等から構成される。細胞固定基材101の大きさや形状は、特に限定されるものではない。また、ECM層103は、具体的に、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン等から構成される。
また、ポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマーは、具体的には、所定温度より高い温度では疎水性の性質を有するが、該所定温度以下では親水性の性質を有するポリマーである。ここでは、該所定温度を、下限臨界溶解温度と呼ぶ。このような温度応答性ポリマーの温度による性質変化は、例えば、ポリマーの構造等に起因する。
ポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(またはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体、またはビニルエーテル誘導体等が挙げられ、これらを単独または二種以上使用してもよい。また、上記以外のモノマー類との共重合、ポリマー同士のグラフトまたは共重合、あるいはポリマー、コポリマーの混合物を用いてもよい。また、ポリマー本来の性質を損なわない範囲であれば、架橋されていてもよい。
ここでは、例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(以下、PIPAAmと表す)によってポリマースポット102が構成されている。PIPAAmは、上記の下限臨界溶解温度が約31℃である。したがって、31℃より高い温度ではポリマーが疎水性を有し、31℃以下の温度ではポリマーが親水性を有する。
次に、細胞固定用シャーレ100の作製について説明する。図2は、細胞固定用シャーレ100の作製方法の概略を示すフローチャートである。また、図3は、細胞固定用シャーレ作製装置の構成を示す機能ブロック図である。また、図4〜図6は、図3の細胞固定用シャーレ作製装置のポリマースポット形成部において実施される図2の細胞固定用シャーレの作製方法における処理工程を示す模式的な断面図である。また、図7は、図3の細胞固定用シャーレ作製装置のECM層形成部の構成を示す模式図である。
具体的に、図4は、図2のフローチャートのステップS21における処理工程を示す模式的な断面図である。また、図5は、図2のフローチャートのステップS22における処理工程を示す模式的な断面図である。また、図6は、図2のフローチャートのステップS23における処理工程を示す模式的な断面図である。
図2に示す細胞固定用シャーレの作製方法は、図3に示す細胞固定用シャーレ作製装置により実施される。図3に示すように、細胞固定用シャーレ作製装置300は、ポリマースポット形成部301と、ECM層形成部302とを備える。なお、細胞固定用シャーレ作製装置300は、これ以外の構成も備えるが、ここでは図示および説明を省略する。
図1の細胞固定用シャーレ100の作製時には、まず、図3の細胞固定用シャーレ作製装置300のポリマースポット形成部301において、図4〜図6に示すように細胞固定基材101の底面にポリマースポット102が形成される。具体的に、まず、図4に示すように、細胞固定基材101の底面全体に、ポリマースポット102の構成材料である温度応答性ポリマー(ここではPIPAAm)102’が塗布される(図2のステップS21参照)。温度応答性ポリマー102’の塗布には、従来のコーティング方法等が用いられる。また、塗布する温度応答性ポリマー102’の厚さは適宜設定する。
続いて、図5に示すように、細胞固定基材101の底面に塗布された温度応答性ポリマー102’の表面に、コーティング用マスク501を配設する。このコーティング用マスク501には、形成したいポリマースポット102(図6参照)の形状や配列パターン等の配置構成に応じた開口502が形成されている。
上記のようにしてコーティング用マスク501を配設した後、コーティング用マスク501の配設側から、このマスク全体にγ線を照射する(以上、図2のステップS22参照)。それにより、図6に示すように、コーティング用マスク501の開口502を通じて、開口502の下部に位置する温度応答性ポリマー102’にγ線が照射される。その結果、コーティング用マスク501の開口502の下部に配置された温度応答性ポリマー102’が硬化して細胞固定基材101の底面に固着する。
一方、コーティング用マスク501の開口502の下部以外の領域に配置された温度応答性ポリマー102’は、照射されたγ線がコーティング用マスク501により遮られるので、この部分ではγ線が温度応答性ポリマー102’に照射されない。このため、コーティング用マスク501の開口502の下部以外の領域の温度応答性ポリマー102’は硬化せず、よって、細胞固定基材101の底面に固着しない。
上記のようにしてγ線の照射を行った後、図6に示すように、コーティング用マスク501を除去するとともに、細胞固定基材101を洗浄する。この洗浄により、硬化していない温度応答性ポリマー102’が除去され、一方、硬化した温度応答性ポリマー102’は、細胞固定基材101の底面に固着した状態を保持する。その結果、図5のコーティング用マスク501の開口502に対応したパターンで、図6のようにポリマースポット102が形成される(図2のステップS23参照)。
上記のようにして図3の細胞固定用シャーレ作製装置300のポリマースポット形成部301において図6のようにポリマースポット102が形成されると、続いて、細胞固定用シャーレ作製装置300のECM層形成部302において、図1のECM層103が形成される。細胞固定用シャーレ作製装置300のECM層形成部302は、図7に示すように、CCDカメラ701と、制御装置704と、キャピラリ703の先端からECMを滴下させるインジェクタ702とを備える。
細胞固定用シャーレ作製装置300のポリマースポット形成部301(ともに図3参照)において図6のように底面にポリマースポット102が形成された細胞固定基材101は、続いて、ポリマースポット形成部301からECM層形成部302に送られる。図7に示すように、ECM層形成部302では、インジェクタ702からキャピラリ703に、ECMが注入される(図2のステップS24参照)。そして、CCDカメラ701により、細胞固定基材101の底面に形成された各ポリマースポット102の位置が検出され、この検出情報が制御装置704に伝達されて各ポリマースポット102の位置が認識される(図2のステップS25参照)。
続いて、図7に示すように、認識されたポリマースポット102の位置にキャピラリ703の先端がくるよう、制御装置704の自動制御によりキャピラリ703が移動する(図2のステップS26参照)。そして、ポリマースポット102の位置に合わせて移動したキャピラリ703の先端から、ポリマースポット102からはみ出さない程度の所定量のECMが滴下される。
このようにして、複数のポリマースポット102の位置に合わせてキャピラリ703が順次移動し、各ポリマースポット102上にECMの滴下が行われる(図2のステップS27参照)。そして、各ポリマースポット102上に滴下されたECMを自然乾燥させる(図2のステップS28参照)。それにより、各ポリマースポット102上に、図1のようにECM層103が形成される。
以上の方法により作製された図1の細胞固定用シャーレ100では、各ポリマースポット102およびその上に形成されたECM層103が等間隔で二次元的に整列配置されている。したがって、この細胞固定用シャーレ100を用いて後述のように細胞固定を行うと、ポリマースポット102の配置に対応して、容易にかつ良好な精度で等間隔に細胞104を二次元的に整列配置させて固定することが可能となる。
この場合、ポリマースポット102の配列パターンを変えることにより、容易に固定される細胞の配置状態を調整することが可能であり、かつ、ポリマースポット102の配列パターンは、γ線照射時に用いる図5のコーティング用マスク501を適宜選択することにより、容易に所望のパターンとすることが可能である。したがって、細胞固定用シャーレ100によれば、細胞104を容易にかつ良好な精度で所望の位置に固定することが可能となる。
なお、ここではコーティング用マスク501(図5参照)を用いたγ線照射によりポリマースポット102のパターニングを行う場合について説明したが、これ以外の方法によりポリマースポット102を形成してもよい。例えば、複数の開口が所定のパターンで形成されたコーティング用フィルタを細胞固定基材101の底面に配置し、このコーティング用フィルタ上に温度応答性ポリマー102’を塗布するとともにγ線を照射してもよい。
この場合、コーティング用フィルタの開口下部に位置する細胞固定基材101の表面に温度応答性ポリマー102’が塗布されるとともに該ポリマーがγ線により硬化するため、この部分にポリマースポット102が形成される。一方、コーティング用フィルタで覆われた領域下部に位置する細胞固定基材101の表面には、コーティング用フィルタによって遮られて温度応答性ポリマー102’が塗布されず、よって、この部分にはポリマースポット102が形成されない。したがって、コーティング用フィルタの開口パターンに応じて、容易にかつ良好な精度でポリマースポット102を形成することが可能となる。
また、図1の細胞固定用シャーレ100を用いた細胞固定では、細胞104を固定するための凹部等を形成する必要がないとともに、細胞104を固定するために吸引を行う必要がない。したがって、細胞固定用シャーレ100では、細胞104の形状や大きさや種類に関わりなく、安定した固定を容易に実現することが可能となるとともに、細胞104への損傷が防止される。特に、従来のように吸引を行う必要がないことから、細胞104への損傷が防止されるとともに、細胞固定用シャーレ100の強度劣化も防止される。
次に、図1の細胞固定用シャーレ100を使用した細胞固定方法について説明する。図8は、細胞固定用シャーレ100の使用方法の概略を示すフローチャートである。図8に示すように、細胞固定時には、まず、図1の細胞固定用シャーレ100を用意する。そして、この細胞固定用シャーレ100に、所定の成分で調整された培地を入れる(ステップS81)。ここでは、液体培地を使用している。続いて、複数の細胞を適量で液体に混濁させた細胞混濁液をさらに加える(ステップS82)。
ここでは、液体培地に細胞104を混濁させた細胞混濁液を加えている。また、図1の細胞固定用シャーレ100へのこのような細胞混濁液の添加は、細胞固定用シャーレ100配置下の環境温度を、前述の温度応答性ポリマー102’(図4参照)の下限臨界溶解温度(約31℃)よりも高い温度に保持して行う。ここでは、例えば37℃としている。そして、このように下限臨界溶解温度よりも高い温度に保持した状態を、後述の細胞剥離工程(図8のステップS87)に至るまで保持する。
上記のようにして細胞混濁液を添加した後、図1のように細胞104がECM層103を介してポリマースポット102に固定されるまで、所定時間、インキュベーションする(図8のステップS83)。このような細胞104の固定は、前述のように環境温度が下限臨界温度よりも高い温度に保持されていることにより、ポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマー102’(図4参照)が疎水性となっているために実現されるものである。
ここで固定された細胞104は、前述のように、ポリマースポット102の配列パターンに対応して等間隔で二次元整列配置して固定される。また、ポリマースポット102のスポット径Wが前述のように細胞104の一つの大きさに合わせて設定されているため、一つのポリマースポット102に一つの細胞104が固定される。
上記のようにしてインキュベーションを行った後、図1のポリマースポット102に固定された細胞104以外の細胞を除くため、培地交換を行う(図8のステップS84)。この培地交換により、ポリマースポット102に固定された細胞104の固定状態を保持しつつ、ポリマースポット102に固定されていない細胞を培地とともに除去することができる。例えば、固定されずに培地中で浮遊していた細胞や、ポリマースポット102間で細胞固定基材101の表面に沈降していた細胞は、培地とともに除去される。なお、培地交換の他に、例えば、PBSを用いた洗浄により細胞の除去を行ってもよい。
このようにして固定されていない細胞とともに培地を除去(廃棄)した後、あらたに培地を加え、ポリマースポット102に固定された細胞104をインキュベーションする(図8のステップS85)。その後、細胞104への薬液注入、すなわちインジェクションを実施する(図8のステップS86)。インジェクションは、従来の自動インジェクション装置を用いて従来の方法により行う。
すなわち、自動制御によりキャピラリ(図示せず)を移動させるとともにキャピラリ先端を細胞104に刺し、キャピラリを介して、細胞104内に薬液を注入する。なお、ここでは、インジェクションを実施する前に、図8のステップS85のインキュベーションを行って細胞104の生育能力(viability)を高めているが、インキュベーションすることなくインジェクションを実施してもよい。
かかるインジェクションでは、キャピラリ(図示せず)が、図1のように各ポリマースポット102に固定された細胞104上を順次走査して移動し、各細胞104の位置にキャピラリ先端を合わせて薬液注入が行われる。このようなキャピラリの移動および薬液注入は、自動制御で行われる。ここで、細胞固定用シャーレ100では、前述のように、各ポリマースポット102に固定された細胞104が等間隔で配置されているため、自動制御により移動するキャピラリの位置を、固定された細胞104の位置に精度よく一致させることが容易に可能となる。したがって、良好な精度でインジェクションを実施することが可能となる。
インジェクションの終了後、細胞固定用シャーレ100配置下の環境温度を、ポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマーの下限臨界溶解温度以下の温度に下げる。ここでは、温度応答性ポリマー102’(図4参照)としてPIPAAmを用いているので、下限臨界溶解温度である31℃以下の温度に下げる。それにより、温度応答性ポリマー102’の性質が疎水性から親水性に変化し、その結果、親水性となった温度応答性ポリマー102’で構成されるポリマースポット102の表面から、細胞104がECM層103とともに剥離して遊離する(図8のステップS87参照)。
ここで、従来においては、例えばトリプシン等の蛋白分解酵素を用いて細胞104を剥離させるが、細胞固定用シャーレ100を用いた細胞固定では、ポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマー102’(図4参照)の温度による性質変化を利用して、細胞104を剥離させることができる。したがって、トリプシン等の蛋白分解酵素を用いる必要がなく、よって、トリプシン等を用いた場合のような細胞104への損傷が防止されるとともに、少ない処理工程数で容易に効率よく細胞を剥離させることが可能となる。
上記のようにして剥離させた細胞104を回収して移し替えを行う(図8のステップS88)。細胞104の回収方法および移し替え方法は、従来と同様である。そして、移し替えた細胞を、顕微鏡等を用いて観察する(ステップS89)。
以上のように、図1の細胞固定用シャーレ100を用いた細胞固定では、細胞104を等間隔で所望のパターンに整列配列することができるので、自動インジェクション装置による薬液注入に適用すると有効な効果が奏される。また、細胞104に損傷を与えることなく容易に剥離させることが可能となるため、実験や研究等の精度や効率の向上が図られる。
なお、上記においては、図8に示すように、インジェクションを実施した後、一旦細胞104を剥離させて移し替えてから観察を行っているが(ステップS86〜ステップS89参照)、インジェクションにより薬液が注入された図1の細胞104を、引き続き、図1の細胞固定用シャーレ100でインキュベーションした後、細胞固定用シャーレ100に固定された状態で細胞104の観察を行ってもよい。このように、図1の細胞固定用シャーレ100は、固定した細胞104を該固定状態を保持したままでインキュベーションすることが可能である。
また、細胞固定用シャーレ100の細胞固定基材101を構成する材料、およびポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマー102’(図4参照)とECM層103を構成する細胞外マトリクス物質が透明性を有する場合には、細胞固定基材101の底面側からの観察、例えば、倒立顕微鏡を用いた観察等が可能となる。このように、インキュベーションや観察にそのまま供することが可能であることから、図1の細胞固定用シャーレ100は、研究や実験等に有用である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかる細胞固定用シャーレは、図1の実施の形態1の細胞固定用シャーレ100と同様の構成を有するが、実施の形態1ではポリマースポット102を構成する温度応答性ポリマー102’(図4参照)が1種類のポリマーから構成されるのに対して、本実施の形態では、異なる下限臨界溶解温度を有する複数種類のポリマーから構成される点が実施の形態1と異なっている。
図9は、本実施の形態にかかる細胞固定用シャーレの構成を示す模式的な断面図である。図9に示すように、細胞固定用シャーレ900は、細胞固定基材101の底面に、温度応答性ポリマーaからなるポリマースポット102aと、温度応答性ポリマーaよりも下限臨界溶解温度が低い温度応答性ポリマーbからなるポリマースポット102bとが形成されている。そして、各ポリマースポット102a,102b上に、ECM層103を介して、細胞104が固定されている。
このように複数種類の温度応答性ポリマーa,bからなるポリマースポット102a,102bは、例えば、ポリマースポット102a,102bを形成する際に使用する図5のコーティング用マスク501のマスクパターンを適宜選択することにより、容易に形成することが可能である。そして、本実施の形態では、ポリマースポット102aに固定した細胞104にインジェクションを実施して薬液Aを注入するとともに、ポリマースポット102bに固定した細胞104にインジェクションを実施して薬液Bを注入する。
その後、実施の形態1の場合と同様にインキュベーションを実施し、続いて、ポリマースポット102a,102bから細胞104を剥離させる。ここで、ポリマースポット102aを構成する温度応答性ポリマーaは、前述のようにポリマースポット102bを構成する温度応答性ポリマーbに比べて下限臨界溶解温度が高いため、実施の形態1の場合と同様に環境温度を下げていくと、まず、ポリマースポット102aを構成する温度応答性ポリマーaの性質が疎水性から親水性に変化する。そして、この温度応答性ポリマーaの性質変化に伴って、薬液Aが注入された細胞104が、ポリマースポット102aから剥離する。
この時、温度応答性ポリマーbから構成されるポリマースポット102bは、下限臨界溶解温度よりも高い温度に保持されているため、疎水性に保持されている。したがって、ポリマースポット102aから細胞104が剥離する際、ポリマースポット102bに固定された細胞104の固定状態は保持される。このようにしてポリマースポット102aから細胞104を剥離させた後、例えば、剥離した細胞104を細胞固定用シャーレ900から培地とともに除去してこの細胞104を移し替え、観察に供する。一方、ポリマースポット102bに固定されたままの細胞104は、再び培地を添加してインキュベーションするとともに、さらに環境温度を下げる。
ポリマースポット102bを構成する温度応答性ポリマーbの下限臨界溶解温度よりも温度以下になると、ポリマースポット102bの性質が疎水性から親水性に変化する。それに伴って、薬液Bが注入された細胞104がポリマースポット102bから剥離する。そして、この剥離した細胞104を培地とともに細胞固定用シャーレ900から除去して移し替えを行い観察に供する。
以上のように、下限臨界溶解温度が異なる複数種類の温度応答性ポリマーa,bを用いてポリマースポット102a,102bを形成した細胞固定用シャーレ900を用いれば、細胞104を剥離させる際の温度を調整することにより、所望の細胞104を選択的に剥離させることが可能となる。それゆえ、実施の形態1と同様の効果が奏される他に、さらに、同一の細胞固定用シャーレ900上に固定された複数の細胞104の各々に、種類の異なる薬剤A,Bを注入する処理が実現可能となる。したがって、実験等への有効性が高くなる。
なお、上記の実施の形態1および実施の形態2においては、図1および図9のポリマースポット102,102a,102bを構成する温度応答性ポリマーの下限臨界溶解温度を利用し、該温度以下に温度を下げることによって細胞104を剥離させているが、これ以外に、所定温度(すなわち、上限臨界溶解温度)以上となるとポリマーの性質が疎水性から親水性に変化する温度応答性ポリマーを用いるとともに、環境温度を上限臨界溶解温度以上に上げることによってポリマースポット102,102a,102bから細胞104を剥離させる構成であってもよい。
また、上記の実施の形態1および実施の形態2においては、本発明をシャーレに適用する場合について説明したが、シャーレ以外の基材に本発明を適用してもよい。例えば、ディッシュ、プレート、チップ等の表面にポリマースポットを形成してもよい。さらに、例えば、樹脂等で構成されたシート状のフィルムの表面にポリマースポットを形成し、このフィルムをシャーレ等に配置して細胞固定を行う構成であってもよい。
(付記1)基材と、
高分子材料から構成され、前記基材の表面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立した細胞支持層と、
前記複数の細胞支持層の各々の表面に形成された複数の独立した細胞接着層と、
を含んだことを特徴とする細胞固定用部材。
(付記2)前記細胞支持層を構成する前記高分子材料は、所定の臨界温度を境にして性質が変化する温度応答性ポリマーであることを特徴とする付記1に記載の細胞固定用部材。
(付記3)前記細胞支持層を構成する前記温度応答性ポリマーは、前記臨界温度より高い温度において疎水性を示し、前記臨界温度以下の温度において親水性を示すことを特徴とする付記2に記載の細胞固定用部材。
(付記4)前記細胞支持層を構成する前記温度応答性ポリマーは、前記臨界温度以上の温度において親水性を示し、前記臨界温度より低い温度において疎水性を示すことを特徴とする付記2に記載の細胞固定用部材。
(付記5)前記細胞支持層は、少なくとも、第1の臨界温度を有する第1の温度応答性ポリマーから構成された第1の細胞支持層と、前記第1の臨界温度と異なる第2の臨界温度を有する第2の温度応答性ポリマーから構成された第2の細胞支持層と、を含むことを特徴とする付記2に記載の細胞固定用部材。
(付記6)細胞固定用部材の表面に細胞を固定する細胞固定方法であって、
前記細胞固定用部材は、基材と、高分子材料から構成され前記基材の表面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立した細胞支持層と、前記複数の細胞支持層の各々の表面に形成された複数の独立した細胞接着層と、を備え、
前記細胞接着層を介して前記細胞支持層にそれぞれ前記細胞が固定されることを特徴とする細胞固定方法。
(付記7)前記細胞支持層が、所定の臨界温度より高い温度において疎水性を示すとともに前記臨界温度以下の温度において親水性を示す温度応答性ポリマーから構成され、
前記固定された前記細胞を剥離させる際に、前記細胞固定用部材が配置された環境温度を前記臨界温度以下とすることを特徴とする付記6に記載の細胞固定方法。
(付記8)前記細胞支持層が、所定の臨界温度以上の温度において親水性を示すとともに前記臨界温度より低い温度において疎水性を示す温度応答性ポリマーから構成され、
前記固定された前記細胞を剥離させる際に、前記細胞固定用部材が配置された環境温度を前記臨界温度以上とすることを特徴とする付記6に記載の細胞固定方法。
(付記9)前記細胞支持層は、少なくとも、第1の臨界温度を有する第1の温度応答性ポリマーから構成された第1の細胞支持層と、前記第1の臨界温度よりも低い第2の臨界温度を有する第2の温度応答性ポリマーから構成された第2の細胞支持層と、を含み、
前記第1の細胞支持層を構成する前記第1の温度応答性ポリマーと前記第2の細胞支持層を構成する前記第2の温度応答性ポリマーとの温度応答性の違いを利用して、前記第1の細胞支持層に固定された前記細胞および前記第2の細胞支持層に固定された前記細胞のいずれかを選択的に剥離させることを特徴とする付記6に記載の細胞固定方法。
(付記10)配置された細胞固定用部材の基材の表面に、高分子材料から構成され同一形状を有する複数の独立した細胞支持層を等間隔で形成する細胞支持層形成部と、
前記複数の細胞支持層の各々の表面に細胞接着層を形成する細胞接着層形成部と、
を備えたことを特徴とする細胞固定用部材作製装置。
(付記11)前記細胞支持層形成部では、所定のパターンで開口が形成されたマスクを用いて前記マスクの前記開口パターンに対応して前記細胞支持層が形成され、
前記細胞接着層形成部では、前記細胞支持層形成部で形成された前記細胞支持層の表面に選択的に細胞接着物質を滴下して前記細胞接着層を形成することを特徴とする付記10に記載の細胞固定用部材作製装置。
以上のように、本発明にかかる細胞固定用部材および細胞固定方法は、細胞を所望の配列パターンで配置することが可能な細胞固定用部材および細胞固定方法として有用であり、特に、細胞が等間隔で整列配置されていることを要件とする自動インジェクション装置等への適用において有用である。
本発明の実施の形態1にかかる細胞固定用シャーレの構成を示す模式的な断面図である。 図1の細胞固定用シャーレの作製方法の概略を示すフローチャートである。 細胞固定用シャーレ作製装置の構成を示す機能ブロック図である。 図2の細胞固定用シャーレの作製方法における処理工程の詳細を示す模式的な断面図である。 図2の細胞固定用シャーレの作製方法における処理工程の詳細を示す模式的な断面図である。 図2の細胞固定用シャーレの作製方法における処理工程の詳細を示す模式的な断面図である。 図3の細胞固定用シャーレ作製装置のECM層形成部の構成を示す模式図である。 図1の細胞固定用シャーレの使用方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる細胞固定用シャーレの構成を示す模式的な断面図である。
符号の説明
100 細胞固定用シャーレ
101 細胞固定基材
102 ポリマースポット
102’ 温度応答性ポリマー
103 ECM層
104 細胞
300 細胞固定用シャーレ作製装置
301 ポリマースポット形成部
302 ECM層形成部
501 コーティング用マスク
502 マスク開口
701 CCDカメラ
702 インジェクタ
703 キャピラリ
704 制御装置

Claims (5)

  1. 基材と、
    高分子材料から構成され、前記基材の表面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立した細胞支持層と、
    前記複数の細胞支持層の各々の表面に形成された複数の独立した細胞接着層と、
    を含んだことを特徴とする細胞固定用部材。
  2. 前記細胞支持層を構成する前記高分子材料は、所定の臨界温度を境にして性質が変化する温度応答性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の細胞固定用部材。
  3. 前記細胞支持層は、少なくとも、第1の臨界温度を有する第1の温度応答性ポリマーから構成された第1の細胞支持層と、前記第1の臨界温度と異なる第2の臨界温度を有する第2の温度応答性ポリマーから構成された第2の細胞支持層と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の細胞固定用部材。
  4. 細胞固定用部材の表面に細胞を固定する細胞固定方法であって、
    前記細胞固定用部材は、基材と、高分子材料から構成され前記基材の表面に同一形状で等間隔に形成された複数の独立した細胞支持層と、前記複数の細胞支持層の各々の表面に形成された複数の独立した細胞接着層と、を備え、
    前記細胞接着層を介して前記細胞支持層にそれぞれ前記細胞が固定されることを特徴とする細胞固定方法。
  5. 配置された細胞固定用部材の基材の表面に、高分子材料から構成され同一形状を有する複数の独立した細胞支持層を等間隔で形成する細胞支持層形成部と、
    前記複数の細胞支持層の各々の表面に細胞接着層を形成する細胞接着層形成部と、
    を備えたことを特徴とする細胞固定用部材作製装置。

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