JP2005333029A - 光半導体装置および光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 放熱性が向上された光半導体装置および光モジュールを提供する。
【解決手段】 光半導体装置1は、パッケージ3と、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3は、キャップ9およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ9は、例えばレンズ9aといった光学窓を有している。半導体レーザ7はステム上に設けられている。また、半導体レーザ7は、上記光学窓に光学的に結合されており、半導体レーザ7の光出射面からの光は、光学窓を介して出力される。封入ガス7が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】 光半導体装置1は、パッケージ3と、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3は、キャップ9およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ9は、例えばレンズ9aといった光学窓を有している。半導体レーザ7はステム上に設けられている。また、半導体レーザ7は、上記光学窓に光学的に結合されており、半導体レーザ7の光出射面からの光は、光学窓を介して出力される。封入ガス7が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光半導体装置および光モジュールに関する。
同軸型金属製パッケージを用いる光半導体装置では、レンズ付きキャップとステムとで気密に封止されている。
この光通信装置の技術分野と異なる分野であるが、文献1には蛍光ランプが記載されている。蛍光ランプの内管は、紫外線透過部材製で内部に水銀蒸気と希ガスとを含む放電用ガスが封入されている。一対の電極が内管の内部両端に配設されている。外管は内管を収納しており、外管の内壁に蛍光体が塗布されている。内管と外管とを、それぞれが独立した気密空間を形成するように気密封止すると共に、外管の内部に、内管の熱を外管に伝導させて放熱させる熱伝導性に優れた放熱用ガスであるヘリウムガスを封入した。
特開平09−17383号公報
光送信モジュールでは、半導体レーザは、気密に封止されており窒素ガスで充填されたパッケージに組み立てされている。上記のパッケージでは、窒素ガス雰囲気中でパッケージを気密に封止している。製造工程において、パッケージの気密度を試験している。この気密性試験では、気密に封止されたパッケージを加圧されたヘリウムガス中に置き、この後に、光送信モジュールのヘリウムリークチェックをしている。
半導体レーザは、例えば同軸型金属製パッケージに搭載されており、パッケージ内において動作中に発熱する。半導体レーザによって発生された熱は、パッケージを介して放出される。伝送する光信号の伝送速度が大きくなるにつれて、放熱効率のより優れたパッケージに半導体素子を搭載することが求められる。
そこで、本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、放熱性が向上された光半導体装置および光モジュールを提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、光半導体装置は、(a)光学窓を有するキャップとステムとを含んでおり気密に封止されたパッケージと、(b)前記光学窓に光学的に結合されており前記ステム上に設けられた半導体レーザと、(c)前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスとを備えることを特徴とする。
この光半導体装置によれば、半導体レーザは、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、半導体レーザからの熱は、ステムだけでなくヘリウム雰囲気を介してキャップに伝わる。
本発明の別の側面によれば、光半導体装置は、(a)光学窓を有するキャップとステムとを含んでおり気密に封止されたパッケージと、(b)前記光学窓に光学的に結合されており前記ステム上に設けられたフォトダイオードと、(c)前記ステム上に設けられており前記フォトダイオードからの電気信号を受ける増幅器と、(d)前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスとを備えることを特徴とする。
この光半導体装置によれば、増幅器は、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、ステムだけでなく、増幅器からの熱はヘリウム雰囲気を介してキャップに伝わる。
本発明の光半導体装置では、前記キャップは、前記光学窓を支持する天井を有しており、前記天井の内面と前記半導体レーザの出射端面との間隔は、50マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であることが好ましい。
発明者らの知見によれば、半導体レーザの出射端面を天井の内面に50マイクロメートル程度まで近づけて半導体レーザの調芯ができる。この光半導体装置によれば、上記間隔を上記範囲にしているので、半導体レーザからの熱がキャップに伝わりやすくなる。半導体レーザからの熱は、ステムおよびキャップの両方から大気中に放出される。
本発明の光半導体装置では、前記光学窓は集光レンズを含むことができる。半導体光通信モジュールが集光レンズを含む場合でも、パッケージの気密封止を実現できる。
本発明の光半導体装置では、前記キャップは側壁を有しており、前記キャップは、該側壁の外側面に設けられた複数の放熱フィンを有することを特徴としてもよい。
この光半導体装置によれば、キャップに伝わった熱は、放熱フィンを介して大気中に放出される。
本発明の光半導体装置では、前記パッケージは前記封入ガスを用いて与圧されていることを特徴としてもよい。
この光半導体装置によれば、パッケージによって提供されるキャビティは与圧されているので、パッケージの封止が不完全であれば、ヘリウムリークチェックによって検出できる。
本発明の更なる別の側面によれば、光モジュールは、(a)光ファイバを支持し、該光ファイバ方向と直交する方向に出た端子を有する容器と蓋とからなり気密に封止されたパッケージと、(b)前記光ファイバに光学的に結合されており前記容器内に設けられた半導体レーザと、(c)前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスとを備える。
この光モジュールによれば、半導体レーザは、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、半導体レーザからの熱はヘリウム雰囲気を介して容器だけでなく蓋にも伝わる。
本発明の光モジュールは、(a)上記の光半導体装置と、(b)前記光半導体装置に取り付けられており別の光ファイバを固定したフェルールと接続が可能な同軸型レセプタクルとを備える。これにより、レセプタクル型の光モジュールが提供される。また、本発明の光モジュールは、(a)上記の光半導体装置と、(b)前記半導体レーザに光学的に結合された光ファイバを含んでおり前記光半導体装置に取り付けられた同軸型ピグテイル構造とを備える。これにより、ピグテイル型の光モジュールが提供される。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、放熱性が向上された光半導体装置および光モジュールが提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体光通信モジュールおよびその製造方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。図2は、この光半導体装置を含む光モジュールを示す図面である。光半導体装置1は、パッケージ3と、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3は、キャップ9およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ9は、例えばレンズ9aといった光学窓を有している。半導体レーザ7はステム上に設けられている。また、半導体レーザ7は、上記光学窓に光学的に結合されており、半導体レーザ7の光出射面からの光は、光学窓を介して出力される。封入ガス7が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
図1は、第1の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。図2は、この光半導体装置を含む光モジュールを示す図面である。光半導体装置1は、パッケージ3と、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3は、キャップ9およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ9は、例えばレンズ9aといった光学窓を有している。半導体レーザ7はステム上に設けられている。また、半導体レーザ7は、上記光学窓に光学的に結合されており、半導体レーザ7の光出射面からの光は、光学窓を介して出力される。封入ガス7が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
この光半導体装置1によれば、半導体レーザ5は、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、半導体レーザ5からの熱は、ステム11だけでなくヘリウム雰囲気を介してキャップ9に伝わる。
この半導体光送信モジュールは、封入ガスとして窒素ガスを用いる半導体光送信モジュールに比べて、優れた放熱性を有する。窒素ガスの熱伝導率は250×10−4W/m・Kであり、ヘリウムガスの熱伝導率は150×10−3W/m・Kである。半導体レーザによって発生される熱は、ヒートシンク13を介してステム11のヘッダ11aに伝わり、ステム11の表面から大気中に放出される。この経路に加えて、半導体レーザからの熱は、ヘリウムガスを含む封入ガス7を介してキャップにも伝わる。
光半導体装置1では、キャップ9およびステム11は、例えば金属製である。好適な実施例では、キャップ9は、閉じた曲線に沿って設けられており連続する溶接部15においてステム11に溶接されている。また、キャップ9では、レンズまたは平板ガラス等からなる光学窓は、低融点ガラス9bを用いて気密にシールされている。ステム11には、半導体レーザをモニタするフォトダイオード5aが設けられている。ステム11は、複数のリード端子11aを有しており、半導体レーザ5およびフォトダイオード5aにボンディングワイヤを介して接続されている。半導体レーザ5、レンズ9a、光伝送部品21は、所定の軸Axに沿って配列されている。
図2を参照すると、光モジュール2は、光半導体装置1と、スリーブ17と、レセプタクル19と、光伝送部品21と、位置決め部材23とを有する。スリーブ17は、キャップ9の外周に沿って移動できる。スリーブ17は、光半導体装置1に取り付けられている。スリーブ17の一端面17aには、レセプタクル19が設けられている。光伝送部品21は、レセプタクル19内に位置しており、圧入される金属ブッシュといった位置決め部材23によってレセプタクル19に対して位置決めされている。光伝送部品21は、光ファイバ25およびキャリラリ27を含む。光ファイバ25はキャリラリ27に挿入されている。レセプタクル19内において、割スリーブといったスリーブ29がキャピラリ27にはめ込まれている。この光モジュール2は、フェルールと接続が可能な同軸型レセプタクル構造を有している。このフェルールの中心部には、別の光ファイバが固定されている。
図3は、第1の実施の形態に係る変形例の光半導体装置を示す図面である。光半導体装置1aでは、パッケージ3aは、キャップ9に替えて、キャップ10を有する。キャップ10は側壁10aを有しており、該側壁10aの外側面に設けられた一または複数の放熱フィン10bを有している。この半導体光通信モジュール1によれば、キャップ10に伝わった熱は、放熱フィン10bを介して大気中に放出される。各放熱フィン10bは、所定の軸Axの方向に伸びており、スリーブ17の移動および位置合わせが容易になる。
本実施の形態に係る光半導体装置では、半導体レーザ5は駆動信号を受けると信号光を発生すると共に発熱する。図3に示されるように、半導体レーザ5の前端面からの光LFはレンズ9aを介して出力される。また、半導体レーザ5の後端面からの光LBはフォトダイオード5aに入射する。半導体レーザ5からの熱H1はステム11に伝わり、半導体レーザ5からの熱H2およびH3はヘリウム封入ガスを介してキャップ10に伝わる。したがって、光半導体装置の放熱性が向上される。
図4は、第1の実施の形態に係る別の変形例の光半導体装置示す図面である。
光半導体装置1bは、パッケージ3bと、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3bは、キャップ8およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ8は、例えば球レンズといったレンズ9dを有している。キャップ8は、レンズ9dを支持する天井8aを有している。天井8aの内面8cと半導体レーザ5の出射端面5bとの間隔Dは、50マイクロメートル以上が好ましい。発明者らの知見によれば、半導体レーザ5の出射端面5bを天井8aの内面8cに50マイクロメートル程度まで近づけて半導体レーザ5およびレンズ9dの調芯ができる。半導体レーザ5の出射端面5bと天井8aの内面8cとの間隔Dが600マイクロメートル以下であれば、レーザ出射光を損なうこと無く、放熱性を向上できる。この光半導体装置1bによれば、間隔Dを上記範囲にしているので、半導体レーザからの熱がキャップに伝わりやすくなる。半導体レーザからの熱は、ステムおよびキャップの両方から大気中に放出される。
光半導体装置1bは、パッケージ3bと、半導体レーザ5と、封入ガス7とを備える。パッケージ3bは、キャップ8およびステム11を含んでおり、気密に封止されている。キャップ8は、例えば球レンズといったレンズ9dを有している。キャップ8は、レンズ9dを支持する天井8aを有している。天井8aの内面8cと半導体レーザ5の出射端面5bとの間隔Dは、50マイクロメートル以上が好ましい。発明者らの知見によれば、半導体レーザ5の出射端面5bを天井8aの内面8cに50マイクロメートル程度まで近づけて半導体レーザ5およびレンズ9dの調芯ができる。半導体レーザ5の出射端面5bと天井8aの内面8cとの間隔Dが600マイクロメートル以下であれば、レーザ出射光を損なうこと無く、放熱性を向上できる。この光半導体装置1bによれば、間隔Dを上記範囲にしているので、半導体レーザからの熱がキャップに伝わりやすくなる。半導体レーザからの熱は、ステムおよびキャップの両方から大気中に放出される。
キャップ8は、ステム11上に固定された一端を有する側壁8bを含んでおり、天井8aの厚さは、側壁8bの厚さより厚い。これにより、レンズ9dを支持する支持面8eを天井8aに設けることができる。また、キャップ8がステム11に搭載されたとき、天井8aの内面8cを半導体レーザ5の出射端面5bに近づけることができる。これにより、半導体レーザ5からの熱が、パッケージ3のキャビティを満たされたヘリウムガスを介してキャップ8に伝わりやすい。
半導体レーザ5からの光は、天井8aの開口8dを通してレンズ9dに入射する。一実施例では半導体レーザと球レンズ間距離0.18mm、球レンズ有効径0.4mm、間隔D0.05mmの場合、開口8dを0.12mm程度にすれば、半導体レーザ5からの光の大分部はレンズ9dに入射する。レンズ9dの有効径は開口8dのサイズより大きいので、レンズ9dに入射した光は集光されて、光ファイバに入射する。レンズ9dは、キャップ8の傾斜面8eによって支持されており、低融点ガラスといった封止部材9cを用いてキャップ8に固定されている。
図1から図4に示される光モジュールは、光半導体装置と、この光半導体装置に取り付けられフェルールと接続可能な同軸型レセプタクルとを含んでいる。これにより、同軸型の光モジュールが提供される。また、光モジュールは、該同軸型レセプタクルに替えてピグテイル構造物を含むことができる。ピグテイル構造物は、半導体レーザに光学的に結合された光ファイバを含んでおり光半導体装置に取り付けられている。これにより、ピグテイル構造の光モジュールが提供される。
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。光半導体装置41は、パッケージ43と、フォトダイオード45と、増幅器45aと、封入ガス47とを備える。パッケージ43は、キャップ49およびステム51を含んでおり、気密に封止されている。キャップ49は、例えばレンズ49aといった光学窓を有している。フォトダイオード45は、ステム51上に設けられている。また、フォトダイオード45は光学窓に光学的に結合されており、光学窓を通過した光は、フォトダイオード45に入射する。増幅器45aはステム51上に設けられている。また、増幅器45aは、フォトダイオードからの電気信号を受けており、フォトダイオードからの光電流を増幅すると共に電圧信号に変換する。封入ガス47が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
図5は、第2の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。光半導体装置41は、パッケージ43と、フォトダイオード45と、増幅器45aと、封入ガス47とを備える。パッケージ43は、キャップ49およびステム51を含んでおり、気密に封止されている。キャップ49は、例えばレンズ49aといった光学窓を有している。フォトダイオード45は、ステム51上に設けられている。また、フォトダイオード45は光学窓に光学的に結合されており、光学窓を通過した光は、フォトダイオード45に入射する。増幅器45aはステム51上に設けられている。また、増幅器45aは、フォトダイオードからの電気信号を受けており、フォトダイオードからの光電流を増幅すると共に電圧信号に変換する。封入ガス47が、パッケージ3のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。
この光半導体装置41によれば、増幅器45aは、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、増幅器45aからの熱は、ステム51だけでなくヘリウム雰囲気47を介してキャップ49に伝わる。
この光半導体装置41は、封入ガスとして窒素ガスを用いる場合に比べて優れた放熱性を有する。増幅器によって発生される熱は、ステム51に伝わり、ステム51の表面から大気中に放出される。この経路に加えて、増幅器45aからの熱は、ヘリウムガスを含む封入ガス47を介してキャップ49にも伝わる。
光半導体装置41では、例えば、キャップ49およびステム51は金属製である。好適な実施例では、キャップ49は、閉じた曲線に沿って設けられており連続する溶接部55においてステム51に溶接されている。また、キャップ49では、光学窓、例えばレンズ49aまたは平板ガラスは、低融点ガラス49bを用いて気密にシールされている。ステム51は、複数のリード端子51aを有しており、フォトダイオード45および増幅器45aにボンディングワイヤを介して接続されている。フォトダイオード45、レンズ49a、光伝送部品21は、所定の軸Axに沿って配列されている。
本実施の形態に係る光モジュール42は、第1の実施の形態に係る光モジュール2と同様に、半導体装置41と、スリーブ17と、レセプタクル19と、光伝送部品21と、位置決め部材23とを有することができる。この光モジュール2は、別の光ファイバを固定したフェルールと接続が可能な同軸型レセプタクル構造を有している。本実施の形態は、ピグテイル構造を有する光モジュールに適用できる。
また、本実施の形態に係る光半導体装置41の変形例では、パッケージ43は、キャップ49に替えて、図3に示されたキャップ10を用いることができる。このキャップ10によれば、増幅器49aからの熱は、キャップ10に伝わり放熱フィン10bを介して大気中に放出される。また、キャップ49に替えて、図4に示されたキャップ8を用いることができる。
本実施の形態に係る光半導体装置では、図5に示されるように、光ファイバ25からの光L1は、レンズ49aによって変換されて、パッケージ43内に伝搬する光L2になる。フォトダイオード45は、光L2を受けて該光に応じた光電流を発生する。増幅器45aは光電流を受けると、この光電流を増幅すると共に発熱する。増幅器45aからの熱はステム51に伝わり、また増幅器45aからの熱はヘリウム封入ガスを介してキャップ49に伝わる。したがって、半導体光受信モジュールの放熱性が向上される。
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。光半導体装置61は、パッケージ63と、半導体レーザ65と、封入ガス67とを備える。パッケージ63は、蓋69と容器71とを含んでおり、気密に封止されている。容器71は、光ファイバ60を支持しており、光ファイバ60が伸びる方向と交差する方向(例えば、直交する方向)に出た端子85を有する。半導体レーザ65は、光ファイバ60に光学的に結合されており、容器71内に設けられている。封入ガス67が、パッケージ63のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。パッケージ63は、例えばバタフライ型パッケージまたはDILパッケージといったペリフェラル型パッケージであることができる。
図6は、第3の実施の形態に係る光半導体装置を示す図面である。光半導体装置61は、パッケージ63と、半導体レーザ65と、封入ガス67とを備える。パッケージ63は、蓋69と容器71とを含んでおり、気密に封止されている。容器71は、光ファイバ60を支持しており、光ファイバ60が伸びる方向と交差する方向(例えば、直交する方向)に出た端子85を有する。半導体レーザ65は、光ファイバ60に光学的に結合されており、容器71内に設けられている。封入ガス67が、パッケージ63のキャビティを満たされており、ヘリウムガスを含んでいる。パッケージ63は、例えばバタフライ型パッケージまたはDILパッケージといったペリフェラル型パッケージであることができる。
この光半導体装置61によれば、半導体レーザ65は、ヘリウムガスを含む雰囲気に置かれているので、半導体レーザ65からの熱は、ステム71だけでなく、ヘリウム雰囲気を介して蓋69および容器71に伝わる。半導体レーザ65によって発生される熱は、容器71に伝わり、容器71の表面から大気中に放出される。この経路に加えて、半導体レーザからの熱は、ヘリウムガスを含む封入ガス67を介して蓋69および容器71にも伝わる。光半導体装置は、封入ガスとして窒素ガスを用いる光半導体装置に比べて、優れた放熱性を有する。
光半導体装置61では、例えば、蓋69は金属製であることが好ましく、容器71は金属製および/またはセラミック製であることができる。好適な実施例では、蓋69は、閉じた曲線に沿って設けられており連続する溶接部75において容器71の溶接面71aに溶接されている。一実施例では、半導体レーザ65はヒートシンク73上に搭載されており、ヒートシンク73は搭載部品77上に搭載されている。搭載部品77上には、半導体レーザ65をモニタするフォトダイオード79およびレンズ81が設けられている。光ファイバ60、レンズ81、半導体レーザ65およびモニタ用フォトダイオード79が所定の軸Axに沿って配置されている。レンズ81、半導体レーザ65およびモニタ用フォトダイオード79は、搭載部品77上において光学的に調芯されており、搭載部品77は、容器71の底面71b上において光ファイバ60と光学的に調芯されている。好適な実施例では、搭載部品77は、サーモエレクトリッククーラ83上に搭載されている。サーモエレクトリッククーラ83は、容器71の底面71b上に設けられている。
半導体レーザ65、モニタ用フォトダイオード79およびサーモエレクトリッククーラ83は、容器71の第1の側壁71cおよび第2の側壁71dに設けられたリード端子85に接続されている。光ファイバ60は、容器71の第3の側壁71e上において位置決めされている。容器71は第4の側壁71fを有しており、必要な場合には第4の側壁71fにもリード端子を設けることができる。
本実施の形態に係る光半導体装置では、半導体レーザ55は駆動信号を受けると信号光を発生すると共に発熱する。図6に示されるように、半導体レーザ65の前端面からの光LFはレンズ81を介して光ファイバ60に入射し、また半導体レーザ65の後端面からの光LBはフォトダイオード69に入射する。半導体レーザ65からの熱H1は搭載部品77を介して容器71の底部に伝わり、半導体レーザ5からの熱H2、H3、H4、H5およびH6はヘリウム封入ガスを介して蓋69および容器71の側壁71c〜71fに伝わる。したがって、光半導体装置の放熱性が向上される。
(第4の実施の形態)
図7(A)は、封入ガスとして窒素ガスを用いる光半導体装置を製造するための主要な工程を示す図面であり、図7(B)は、封入ガスとしてヘリウムガスを用いる半導体光通信モジュールを製造するための主要な工程を示す図面である。図8は、シームシーラ装置を示す図面である。
図7(A)は、封入ガスとして窒素ガスを用いる光半導体装置を製造するための主要な工程を示す図面であり、図7(B)は、封入ガスとしてヘリウムガスを用いる半導体光通信モジュールを製造するための主要な工程を示す図面である。図8は、シームシーラ装置を示す図面である。
引き続く説明では、第1の実施の形態に係る半導体光通信モジュールを製造する工程を説明するけれども、他の実施の形態に係る半導体光通信モジュールも同様の工程を用いて製造することができる。
図7(A)を参照すると、工程フロー91が示されている。まず、ステップS101において、ステム11上に半導体レーザ5およびフォトダイオード5aをダイボンドする。この後に、半導体レーザ5およびフォトダイオード5aをステム11のリード端子11aにボンディングワイヤを用いて接続する。これにより、組み立てられたステム11が準備される。また、キャップ9を準備する。
ステップS102において、キャップ9とステム11とを気密に封止する。この気密封止には、図8に示されたシームシーラ装置95が用いられる。シームシーラ装置95の第1の電極97にステム11を取り付け、また、シームシーラ装置95の第2の電極99上にキャップ9を取り付ける。キャップ9およびステム11を互いに位置合わせして、シームシーラ装置95を用いてキャップ9およびステム11を互いに接触させる。キャップ9の突起9eがステム11の溶接面11bに接触している。第1の電極97と第2の電極99との間に電圧を印加して、キャップ9およびステム11を介して電流を流す。この電流Iは、突起9eに流れる。ジュール熱により突起9eが溶融して、キャップ9およびステム11が抵抗溶接される。シームシーラ装置95は、ヘリウム雰囲気が満たされた作業室内に置かれている。好ましくは、作業室は与圧されており、作業室の圧力は、例えば大気圧(760mmHg、101325Pa)より大きいの圧力であることが好ましい。また、ヘリウム雰囲気に水素ガスを加えることができる。溶接によって、キャップ9およびステム11によって形成されるキャビティは気密に封止される。キャビティは、ヘリウムガスを含む封入ガスで満たされている。
ステップS103において、ヘリウムのリーク検査を行う。パッケージが気密に封止されている場合、ヘリウムリークは検出されない。パッケージの気密封止が不完全である場合、ヘリウムリークが検出される。
図7(B)を参照すると、工程フロー93が示されている。ステップT101は、ステップS101と同様に行うことができる。
ステップT102では、シームシーラ装置は、ヘリウム雰囲気ではなく窒素雰囲気に置かれている。キャップおよびステムの抵抗溶接は、窒素雰囲気中で行われる。溶接によって、キャップおよびステムによって形成されるキャビティは気密に封止される。キャビティは、窒素ガスを含む封入ガスで満たされている。
次いで、ステップT103では、パッケージの気密封止を検査するために、溶接されたキャップおよびステムを、大気圧より大きな圧力を示すヘリウム雰囲気に所定の時間だけ置く。パッケージの気密封止が不完全である場合、ヘリウムガスがパッケージ内に侵入する。パッケージが気密に封止されている場合、ヘリウムガスはリークはパッケージ内に侵入できない。
ステップT104では、ヘリウムのリーク検査を行う。パッケージが気密に封止されている場合、ヘリウムリークは検出されない。パッケージの気密封止が不完全である場合、ヘリウムリークが検出される。
以上説明したように、本実施の形態に係る光半導体装置を製造する方法によれば、放熱性が向上される光半導体装置が提供されると共に、半導体光通信モジュールの製造プロセスからヘリウム加圧工程を除くことができる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本実施の形態では、いくつかの形状の光半導体装置を説明したけれども、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。また、本実施の形態では、CANケース、バタフライ型ケースについて例示的に説明しているけれども、光半導体装置のために、気密に封止可能な他のパッケージを用いることもできる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1、1a、1b…光半導体装置、3、3a…パッケージ、5…半導体レーザ、5a…フォトダイオード、7…Heガス、8…キャップ、8a…天井、9…キャップ、9a…レンズ、9b…低融点ガラス、9e…突起、10…キャップ、10a…側壁、10b…放熱フィン、11…ステム、11a…ヘッダ、15…溶接部、17…スリーブ、19…レセプタクル、21…光伝送部品、23…位置決め部材、25…光ファイバ、27…キャリラリ、29…スリーブ、LF、LB…光、H1、H2、H3…熱、41…光半導体装置、43…パッケージ、45…フォトダイオード、45a…増幅器、47…封入ガス、49…キャップ、51…ステム、45a…増幅器、55…溶接部、49a…レンズ、49b…低融点ガラス、L1、L2…光、60…光ファイバ、61…光半導体装置、63…パッケージ、65…半導体レーザ、67…封入ガス、69…蓋、71…容器、71a…溶接面、71c、71d、71e、71f…側壁、73…ヒートシンク、75…溶接部、77…搭載部品、79…フォトダイオード、81…レンズ、83…サーモエレクトリッククーラ、95…シームシーラ装置、97…第1の電極、99…第2の電極
Claims (9)
- 光学窓を有するキャップとステムとを含んでおり気密に封止されたパッケージと、
前記光学窓に光学的に結合されており前記ステム上に設けられた半導体レーザと、
前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスと
を備えることを特徴とする光半導体装置。 - 光学窓を有するキャップとステムとを含んでおり気密に封止されたパッケージと、
前記光学窓に光学的に結合されており前記ステム上に設けられたフォトダイオードと、
前記ステム上に設けられており前記フォトダイオードからの電気信号を受ける増幅器と、
前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスと
を備えることを特徴とする光半導体装置。 - 前記キャップは、前記光学窓を支持する天井を有しており、
前記天井の内面と前記半導体レーザの出射端面との間隔は、50マイクロメートル以上600マイクロメートル以下である、ことを特徴とする請求項1に記載された光半導体装置。 - 前記光学窓は集光レンズを含む、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された光半導体装置。
- 前記キャップは側壁を有しており、
前記キャップは、該側壁の外側面に設けられた複数の放熱フィンを有する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された光半導体装置。 - 前記パッケージは前記封入ガスを用いて与圧されていることを特徴する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された光半導体装置。
- 光ファイバを支持し、該光ファイバ方向と直交する方向に出た端子を有する容器と蓋とからなり気密に封止されたパッケージと、
前記光ファイバに光学的に結合されており前記容器内に設けられた半導体レーザと、
前記パッケージ内に満たされておりヘリウムガスを含む封入ガスと
を備えることを特徴とする光モジュール。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された光半導体装置と、
前記光半導体装置に取り付けられており別の光ファイバを固定したフェルールと接続が可能な同軸型レセプタクルと
を備えることを特徴とする光モジュール。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された光半導体装置と、
前記光半導体素子に光学的に結合された光ファイバを含んでおり前記光半導体装置に取り付けられた同軸型ピグテイル構造と
を備えることを特徴とする光モジュール。
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