JP2005217093A - 光半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】 内部に収容する光半導体素子の作動時に発生する熱が繰り返し印加されても円柱レンズにクラックを発生させることがなく、円柱レンズを介して光半導体素子と光ファイバとの間で信号光を良好に授受させることができる光半導体素子収納用パッケージを提供すること。
【解決手段】 光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子4が搭載される搭載部1aを有する基体1と、基体1の上面の外周部に搭載部1aを囲繞するように接合され、側部に貫通孔2aが形成された枠体2と、貫通孔2aに嵌着された、内周面の中央部に溝9aが全周にわたって形成されている円筒状の光ファイバ固定部材9と、光ファイバ固定部材9の内側に挿入されるとともに外周面の中央部が溝9aに設けられたロウ材13を介して接合固定された円柱レンズ10とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明はLD(レーザダイオード),PD(フォトダイオード)等の光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージに関し、特に光ファイバとの間に介在する円柱レンズの固定構造を改良した光半導体素子収納用パッケージに関するものである。
従来の光半導体素子収納用パッケージの断面図を図3に示す。また、図4は図3の要部を詳細に示す断面図である。図3および図4において、101は基体、101aは搭載部、102は枠体、102aは枠体の側部に形成された貫通孔、103は蓋体、104は光半導体素子、105は外部リード端子、106は封止材、107は台座、108は光半導体素子104の電極と外部リード端子105とを電気的に接続するボンディングワイヤ、109は固定部材、110は円柱レンズ、111は光ファイバである。
従来の光半導体素子収納用パッケージは、一般に鉄(Fe)−ニッケル(Fe)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属から成り、上面中央部に光半導体素子104がペルチェ素子等の台座107を介して搭載される搭載部101aを有し、この搭載部101a周辺に複数の外部リード端子105が絶縁部材から成る封止材106を介して上面から下面に貫通するようにして固定された基体101と、この基体101上に搭載部101aを囲繞するように取着され、側部に貫通孔102aを有する鉄−ニッケル−コバルト合金から成る枠体102と、この枠体102の貫通孔102a内に、その内側端部が枠体102内部に突出するようにして挿通固定され、その外側端部に光半導体素子104と外部との光信号の伝送を行なう光ファイバ111が挿入固定される鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属からなる筒状の固定部材109と、この固定部材109の内側端部に挿着され、枠体102の内部を気密に仕切る円柱レンズ110と、枠体102の上面に接合され、光半導体素子104を気密に封止する蓋体103とから構成されている。
そして、基体101の搭載部101aに光半導体素子104を接着固定するとともにこの光半導体素子104の各電極をボンディングワイヤ108を介して外部リード端子105に電気的に接続し、しかる後、枠体102の上面に蓋体103を接合させ、主に基体101と枠体102と蓋体103とからなる容器内部に光半導体素子104を気密に収容するとともに固定部材109の外側端部に光ファイバ111を挿入固定することによって製品としての光半導体装置となる。
かかる光半導体装置は、外部電気回路から外部リード端子105を介して供給される駆動信号によって光半導体素子104に光を励起させ、この励起された光を円柱レンズ110を通じて光ファイバ111に授受させるとともに光ファイバ111内を伝達させることによって高速光通信に使用される光半導体装置として機能する。
なお、円柱レンズ110は、その中心軸から外周部に向けて屈折率を変化させることによりレンズ機能を持たせて光ファイバ111へ集光させることから、光半導体素子104と光ファイバ111との光信号の結合効率を良好にする機能を有する。また、その外周面全面に例えばチタン(Ti)−白金(Pt)−金(Au)から成る金属蒸着膜を被着させ、これと対向する固定部材109の内周面に金(Au)−錫(Sn)合金や金(Au)−銅(Cu)合金等からなるロウ材を介してロウ付けすることによって固定部材109に装着される。
特開2002−196175号公報 特開平11−186424号公報 特開平11−111877号公報
しかしながら、上記従来の光半導体素子収納用パッケージにおいては、鉄−ニッケル−コバルト合金から成る固定部材109の熱膨張係数とガラスから成る円柱レンズ110の熱膨張係数とが大きく異なること、および円柱レンズ110の外周面の全面がロウ付けされること等から、円柱レンズ110の外周面を固定部材109の内周面に金−錫合金等のロウ材を介してロウ付けする際に、円柱レンズ110と固定部材109との間に両者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生する。
そして、円柱レンズ110の外周面と端面との間の角部にこの応力が集中し易いことから、この角部に応力が大きく集中するとともに応力がここに内在する状態となり、これに光半導体素子104が作動時に発生する熱が繰り返し印加されることによる熱応力が前記角部に内在した応力と相乗して円柱レンズ110の外周面と端面との角部を起点として円柱レンズ110にクラックを発生させることとなる。
その結果、光半導体素子104が励起した光を円柱レンズ110を介して光ファイバ111に伝達させると、円柱レンズ110において光の乱反射が起こり、光半導体素子104が励起した光を円柱レンズ110を介して光ファイバ111に良好に授受させることが不可能となったり、あるいは、円柱レンズ110に発生したクラックにより光半導体素子収納用パッケージの気密が破れ、内部に収容する光半導体素子104を長期間にわたり正常かつ安定的に作動させることができなくなったりしてしまうという問題点を有していた。
また、円柱レンズ110に内在する応力により、円柱レンズ110自体に歪が発生し、光半導体素子104が励起した光の結合効率が悪くなるために、また、円柱レンズ110が保有する光学特性としての光損失量が極めて大きくなるために、近年求められている光半導体素子104による高速大容量の情報伝達が正常かつ安定に行なえなくなってしまうという問題点を有していた。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、内部に収容する光半導体素子の作動時に発生する熱が繰り返し印加されても円柱レンズにクラックを発生させることがなく、円柱レンズを介して光半導体素子と光ファイバとの間で信号光を良好に授受させることができるとともに、高速大容量の情報伝達を正常かつ安定に行なわせることができる光半導体素子収納用パッケージを提供することにある。
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の前記上面の外周部に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された枠体と、前記貫通孔に嵌着された、内周面の中央部に溝が全周にわたって形成されている円筒状の光ファイバ固定部材と、この光ファイバ固定部材の内側に挿入されるとともに外周面の中央部が前記溝に設けられたロウ材を介して接合固定された円柱レンズとを具備していることを特徴とする。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上記構成において好ましくは、前記光ファイバ固定部材の内周面と前記円柱レンズの外周面との間の隙間が0.15mm乃至0.6mmであり、前記溝の深さが0.05mm乃至0.10mmであることを特徴とする。
本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、円柱レンズは、外周面の中央部が円筒状の光ファイバ固定部材の内周面の中央部に全周にわたって形成されている溝に設けられたロウ材を介して接合固定され、円柱レンズの外周面の両端部がロウ付けされていないことから、円柱レンズを固定部材にロウ付けする際に発生する熱応力が円柱レンズの外周面と端面との角部に集中することはなく、従ってこの角部にロウ付けする際の応力が大きく集中して内在することはなく、これに光半導体素子が作動時に発生する熱が繰り返し印加されたとしても、この熱による応力が内在する応力と相乗して円柱レンズにクラックを発生させることはない。その結果、光半導体素子が励起した光を円柱レンズを介して光ファイバに良好に授受させることができるとともに、高速大容量の光伝送を可能とすることができる。
また、円筒状の光ファイバ固定部材の内周面の中央部に全周にわたって溝が設けられており、この溝がロウ材溜まりとなって円柱レンズの接合固定に必要なロウ材を供給するとともに余分なロウ材はこの溝に溜まるので、円柱レンズを良好に接合固定することができる。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、光ファイバ固定部材の内周面と円柱レンズの外周面との間の隙間が、0.15乃至0.6mmであることから、光ファイバ固定部材の内周面と円柱レンズの外周面との間で気密封止を良好なものとするロウ材の良好なメニスカスが形成されるとともに、溝の深さが0.05乃至0.10mmであることから、適度なロウ材溜まりを形成し、円柱レンズと固定部材とを強固に接合することができて、光半導体素子収納用パッケージ内部を長期にわたり気密に保つことができる。その結果、内部に収容する光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
次に、本発明の光半導体素子収納用パッケージを詳細に説明する。
図1は本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、図2は図1の要部拡大断面図である。これらの図において、1は基体、1aは搭載部、2は枠体、2aは貫通孔、3は蓋体、4は光半導体素子、5は外部リード端子、6は封止材、7は台座、8はボンディングワイヤ、9は光ファイバ固定部材、9aは溝、10は円柱レンズ、11は光ファイバ、11aは接合用金具、12はフランジ、13はロウ材である。
基体1は、光半導体素子4を支持するための支持部材として機能し、その上面の中央部に光半導体素子4が搭載される搭載部1aを有し、載置部1aには光半導体素子4が間にペルチェ素子等から成る台座7を挟んで金−シリコンロウ材等の接着剤により接着固定される。なお、台座7は必須のものではなく、光半導体素子4が直接搭載部1aに接着固定されてもよい。
基体1は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料からなり、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金からなる場合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工を施すことによって製作される。
なお、基体1は、その外表面に耐腐食性に優れる金属、具体的には厚さ2〜6μmのニッケル層と厚さ0.5〜5μmの金層を順次メッキを施すことにより被着させておくと、基体1が酸化腐食するのを有効に防止することができるとともに光半導体素子4の下部に配されるペルチェ素子等から成る台座7を基体1の上面に強固に接着固定させることができる。
また、基体1は光半導体素子4が搭載される搭載部1aの周辺に基体1を貫通する複数の外部リード端子5がガラス等の絶縁性の封止材6を介して固定されている。
外部リード端子5は、光半導体素子4の電極を外部電気回路に電気的に接続する作用をなし、その一端に光半導体素子4の電極がボンディングワイヤ8を介して接続され、また他端側は半田を介して外部電気回路基板の配線導体に接続される。
外部リード端子5は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金の金属材料からなり、基体1への固定は、基体1に外部リード端子5より若干大きな孔をあけておき、この孔にリング状のガラスから成る封止材6と外部リード端子5とを挿通させ、しかる後に、ガラスから成る封止材6を加熱溶融させて接合させることによって行なわれる。
また外部リード端子5は、その表面にニッケルめっき層や金めっき層等の耐食性に優れ、かつボンディングワイヤ8との接続性および半田との濡れ性に優れるニッケルめっき層や金めっき層等の金属層を1〜20μmの厚みに被着させておくと、外部リード端子5の酸化腐食が有効に防止されるとともに外部リード端子5とボンディングワイヤ8との接続および外部リード端子5と外部電気回路の配線導体との接続を容易かつ強固なものとなすことができる。
さらに、基体1の上面の外周部には光半導体素子4が搭載される搭載部1aを囲繞するようにして枠体2が接合されており、この枠体2の内側に光半導体素子4を収納するための空所が形成される。
枠体2は、鉄−ニッケル−コバルト合金や銅−タングステン合金等の金属材料から成り、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金からなる場合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定の枠状に形成される。枠体2の基体1への接合は、基体1の上面と枠体2の下面とを銀ロウ等のロウ材を介してロウ付けすることによって行われる。
枠体2はまた、その側部に貫通孔2aが形成されており、貫通孔2aには例えば鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料から成る円筒状の光ファイバ固定部材9(以下、固定部材とも称す)が嵌着されている。固定部材9はその中心を貫く孔が設けられており、その孔の内周面の中央部に溝9aが全周にわたって形成されている。
溝9aは、その溝の幅方向の中央が固定部材9の内側に挿入される円柱レンズ10の両端面の中央と一致するとともに、円柱レンズ10の両端面が固定部材9の孔から突出しないような固定部材9の内周面の中央部に形成される。また、円柱レンズの外周面の両端部がロウ付けされてしまうことを避ける観点より、溝9aの幅は、円柱レンズの両端面からそれぞれ円柱レンズの長さの約40〜45%の部分を除く幅となるように形成される。
なお、固定部材9を、円柱レンズ10の熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有する材料で形成しておくと、固定部材9に円柱レンズ10を金−錫合金等のロウ材を介して固定する際に、円柱レンズ10に印加される熱応力を小さいものとなすことができる。従って、金属製固定部材9は、円柱レンズ10の熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有する材料で形成されることが好ましく、具体的には50%Ni−Fe合金、46%Ni−Fe合金等の熱膨張係数が10×10−6/℃程度の金属材料を使用することが好ましい。
また、固定部材9は、その表面にニッケルや金等の耐食性に優れる金属層をめっき法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、金属製の固定部材9が酸化腐食するのを有効に防止することができる。
固定部材9の内側に挿入されるとともに外周面の中央部が溝9aに設けられたロウ材13を介して接合固定された円柱レンズ10は、ガラスから成り、その屈折率を中心軸から外周側に向けて小さくなるように変化させることによりレンズ機能を持たせてある。これにより、円柱レンズ10は、光半導体素子4から励起された光を光ファイバ11へ集光させることから、光半導体素子4と光ファイバ11との光信号の結合効率を良好にする機能を持ち、固定部材9の内側空所を塞いで容器の封止の気密性を確保するとともに容器内部に収容された光半導体素子4の励起する光を透過集光させて光ファイバ11に授受させる作用をなす。
溝9aは、固定部材9の内周面の中央部に全周にわたって形成される。溝9aが形成されているので、円柱レンズ10と固定部材9とをロウ付けする際、ロウ材13が溶融して溝9aに流れ込み、ロウ材溜まりを形成する。このロウ材溜まりから円柱レンズ10の接合固定に必要なロウ材が供給され、余分なロウ材は溝9aに溜まるので、ロウ材が円柱レンズ10の外周面全面に流れず、円柱レンズ10の外周面の中央部を均一に覆う。その結果、円柱レンズ10と固定部材9とを円柱レンズ10の外周面の中央部で均一かつ強固に接合することができる。
溝9aの幅は、0.3〜1mm程度がよい。0.3mmより小さくなると、円柱レンズ10を金−錫合金等のロウ材13を介して、固定する際に金−錫合金等の円柱レンズの中心軸方向の封止幅が狭くなり、良好な気密性を確保できない傾向があり、1mmより大きくなると、円柱レンズ10の外周面の広い範囲にわたり応力がかかることにより、円柱レンズ10に歪が発生して光の結合効率が悪くなるために、円柱レンズ10の良好な光学特性を得ることが困難になる傾向がある。
また、溝9aの深さAは0.05〜0.10mmであることが好ましい。0.05mmより浅くなると、円柱レンズ10を金−錫合金等のロウ材13を介して接合固定する際にロウ材溜まりの体積が小さくなり、金−錫合金等の封止幅が狭くなり、良好な気密性を確保できない傾向がある。一方、0.10mmより深くなると、ロウ材13が溝9aの奥まで行き渡りにくくなり、溝9aでロウ材13の剥離が生じやすくなる傾向があり、良好な気密性を確保できない傾向がある。
また、固定部材9の内周面と円柱レンズ10の外周面との間の隙間Bは0.15mm〜0.6mmであることが好ましい。0.15mm未満であると、接合したロウ材13が表面張力によって円柱レンズ10の外周面の広い範囲に流れ、円柱レンズ10に熱応力を内在させることにより円柱レンズ10の光学特性が劣化する傾向があり、0.6mmを超えると、ロウ材13の表面張力によるメニスカスを形成しにくくなる傾向があり、強固な接合が行なえない。
よって、溝9aの深さAが0.05mm乃至0.10mmであり、固定部材9の内周面と円柱レンズの外周面との間の隙間Bが0.15mm乃至0.6mmであることが好ましい。
円柱レンズ10は、その外周面の両端近傍がロウ付けされていないことから、円柱レンズ10を固定部材9にロウ付けする際にロウ付けの応力が円柱レンズ10の外周面と端面との間の角部に集中することはない。従って、光半導体素子4が作動時に発生する熱による応力が繰り返し印加されても、この熱による応力が内在する応力と相乗して円柱レンズ10にクラックを発生させることはない。また、円柱レンズ10の広い範囲に応力による歪が発生しないために、レンズ機能が大きく損なわれることがなく光半導体素子4や光ファイバ11との良好な結合効率が得られるとともに、円柱レンズ10の光損失量が大きくなることもない。その結果、光半導体素子4が励起した光を円柱レンズ10を介して光ファイバ11に良好に授受させることができるとともに、高速大容量の光伝送を可能とすることができる。
なお、円柱レンズ10を固定部材9にロウ付けするには、円柱レンズ10の外周面の中央部にチタン(Ti),白金(Pt),金(Au)から成る金属薄膜層を従来周知の蒸着法,スパッタリング法等の蒸着薄膜形成技術を採用して順次被着させるとともに、この金属薄膜層と固定部材9の溝9aの内周面とを金−錫合金等のロウ材13を介してロウ付けする方法が採用される。
ロウ材13は、金−錫合金や金−銅合金等からなるロウ材13で、円柱レンズ10の外側直径よりも0.02〜0.05mm程度に内側の直径が大きく、固定部材9の孔の内側直径よりも0.01〜0.03mm程度に外側直径の大きなリング状の形状に成形されたものを用いることが望ましい。そして、予めプレス成型等においてリング状に成型された金−錫合金や金ゲル等のロウ材を固定部材9の溝9a部分に設置し、ロウ材13の孔に円柱レンズ10を設置する。その後に連続炉等を用いて、窒素や水素雰囲気において温度を加えることによりロウ材13が溶融し、固定部材9の溝9aに円柱レンズ10がロウ材13を介して接合固定される。
また、光ファイバ11の固定部材9への固定は、例えば光ファイバ11に接合用金具11aを予め取着しておくとともにこの接合用金具11aを固定部材9に予め取着されたフランジ12の外側端部にレーザ溶接すること等によって行われる。
さらに、固定部材9は、その外径が枠体2の貫通孔2aの内径より0.1〜1mm程度小さくなっており、枠体2の貫通孔2a内面との間に0.05〜0.5mm程度の間隙を有するようにして、貫通孔2aに挿入された後に枠体2にロウ付けされて固定される。
一方、枠体2の上面には、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材料からなる蓋体3が接合され、これによって基体1と枠体2と蓋体3とからなる容器の内部に光半導体素子4が気密に封止されることとなる。なお、蓋体3の枠体2上面への接合は、例えばシームウエルド法等の溶接法によって行われる。
かくして本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、基体1の搭載部1aに光半導体素子4をペルチェ素子等の台座7を介して載置固定するとともに光半導体素子4の各電極をボンディングワイヤ8を介して外部リード端子5に電気的に接続し、次に枠体2の上面に蓋体3を接合させ、基体1と枠体2と蓋体3とからなる容器内部に光半導体素子4を収容し、最後に枠体2に挿入固定された固定部材9に光ファイバ11を挿入固定することによって、最終製品としての光半導体装置となり、外部電気回路から供給される駆動信号によって光半導体素子4に光を励起させ、この励起した光を円柱レンズ10を通して光ファイバ11に集光させるとともに光ファイバ11内を伝達させることによって高速光通信等に使用される光半導体装置となる。
本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施例を以下に説明する。
図1に示すような光半導体素子収納用パッケージを製作するにあたり、縦15mm×横12.7mm×高さ1mmの鉄−ニッケル−コバルト合金から成る基体1を準備した。次に、外側寸法が縦15mm×横12.7mm×高さ7mmで厚さが1mmの枠状で一側面に直径5.0mmの大きさの貫通孔2aが設けられた鉄−ニッケル−コバルト合金から成る枠体2を基体1の上面にAgロウ材で接合した。この枠体2の貫通孔2aに、外形が直径4.0mmおよび孔の内周直径が2.56〜3.9mmで長さ2mmの円筒状の孔の内周面に幅0.2mm×深さ0.03〜0.12mmの溝9aを形成した鉄−ニッケル−コバルト合金から成る円筒状の固定部材9を金−錫合金によりロウ付けして嵌着させた。しかる後、基体1、枠体2、固定部材9に厚さ5μmのニッケル層および厚さ2μmの金層を順次めっきにより形成した。
また、ホウケイ酸ガラスを引き抜き成型することにより、直径2.50mm×長さ1.50mmの円柱状の円柱レンズ10を準備した。そして、円柱レンズ10の外周面の両端面の中央に幅0.3mmのTiが0.1μm、Ptが0.2μm、Auが0.5μmから成る金属薄膜層を順次蒸着した。一方、金−錫合金を外側直径2.90mm、内側直径2.65mm、厚さ0.02mmのリング状に成形し、これら金−錫合金および円柱レンズ10を固定部材9の内側に挿入して、金−錫合金を溶融させ、円柱レンズ10を固定部材9に接合固定した。
なお、本実施例における評価には外部電気回路基板との電気的接続を行なう必要はないため、外部リード端子5および半導体素子4は設けなかった。
そして、以上のようにして作製した光半導体素子収納用パッケージの評価用試料について、光ファイバ11を通した接合用金具11aをフランジ12の外部端部にレーザ溶接した。
その後、評価用試料を用いて0℃−5分の直後に100℃−5分を15回繰り返す熱衝撃試験を行なった後に、ファインリーク装置(HELIOT ULVAC社製HELIUM LEAK DETECTOR Model-305)によって気密性試験を行なった。気密性試験の判定は、MIL-STD-883 METHOD 1014.10 SEALの規格に従って1.0×10−9Pa・m/sec以下であれば○(合格)、それ以上であれば×(不合格)と判定した。
また、光学測定装置(アンリツ製の光源(型番MG9001A),光源ユニット(型番MG0917D,MG0918D),光センサー(型番MA9612A),パワーメーター(型番ML9001A))を用いて円柱レンズ10と光ファイバ11とに光を通過させて、その透過損失量を測定し、透過損失が長距離伝送に必要とされる−20dB以下を合格と判定した。
溝9aの深さAが0.03〜0.12mmおよび固定部材9の内周面と円柱レンズ10の外周面との間の隙間Bが0.03〜0.7mmの評価用試料について上記気密性試験結果および光透過損失を測定した結果を表1に示す。
Figure 2005217093
表1の上段の○または×は気密性試験の判定結果を、下段の数字は透過損失量を示す。表1からわかるように、固定部材9の内周面と円柱レンズ10の外周面との間の隙間Bが0.15〜0.6mmであり、溝9aの深さAが0.05〜0.10mmの場合には、気密性試験および光透過損失いずれにおいても合格となり、良好な結果が得られることが分かった。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、上記の実施の形態の例では外部リード端子5を基体1に固定したが、これを枠体2に固定してもよい。また、光半導体素子がLD等の発光素子である場合を例に挙げて説明したが、PD等の受光素子であってもよいことは言うまでもない。
本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。 図1に示す光半導体素子収納用パッケージの要部拡大断面図である。 従来の光半導体素子収納用パッケージの例を示す断面図である。 図3に示す光半導体素子収納用パッケージの要部拡大断面図である。
符号の説明
1・・・基体
1a・・・搭載部
2・・・枠体
2a・・・貫通孔
3・・・蓋体
4・・・光半導体素子
5・・・外部リード端子
6・・・封止材
7・・・台座
8・・・ボンディングワイヤ
9・・・光ファイバ固定部材(固定部材)
9a・・・溝
10・・・円柱レンズ
11・・・光ファイバ
11a・・・接合用金具
12・・・フランジ
13・・・ロウ材

Claims (2)

  1. 上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の前記上面の外周部に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成された枠体と、前記貫通孔に嵌着された、内周面の中央部に溝が全周にわたって形成されている円筒状の光ファイバ固定部材と、該光ファイバ固定部材の内側に挿入されるとともに外周面の中央部が前記溝に設けられたロウ材を介して接合固定された円柱レンズとを具備していることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  2. 前記光ファイバ固定部材の内周面と前記円柱レンズの外周面との間の隙間が0.15mm乃至0.6mmであり、前記溝の深さが0.05mm乃至0.10mmであることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージ。
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