JP2005330244A - 末梢静脈投与用輸液 - Google Patents

末梢静脈投与用輸液 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存安定性がよく、かつ投与時に誤操作があっても支障のない、複室容器入り末梢静脈投与用輸液を供給すること。
【解決手段】 (1)静脈への投与側の第一室にはカルシウムイオンを含みかつ糖、リン酸イオンおよびカリウムイオンを含まないアミノ酸溶液が収容されており、(2)投与側から離れた第二室にはリン酸イオンおよびカリウムイオンを含みかつアミノ酸およびカルシウムイオンを含まない糖溶液が収容されており、(3)両溶液を混合した後の輸液の生理食塩水に対する浸透圧比が3以下であり、(4)混合後の輸液のpHが6.3〜7.4である、連通可能に構成された多室容器にアミノ酸、糖および電解質が収容された末梢静脈投与用輸液とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アミノ酸、糖及び電解質を含有する栄養補給用の末梢静脈投与用輸液に関する。
経口、経腸管栄養補給が不能又は不充分な患者のための栄養補給用輸液の進歩・改善には目覚しいものがあり、医療現場に多大の貢献をもたらしている。栄養補給用輸液は、中心静脈を経由して大量の栄養を大容量の静脈血に供給する中心静脈投与用輸液と、末梢静脈を経由して比較的少量の栄養を供給する末梢静脈投与用輸液に大別される。
中心静脈投与用輸液は、特に長期間の栄養不良状態や高度の侵襲時に惹起される生体の筋蛋白崩壊、内臓蛋白の喪失・不足、あるいは免疫系の破綻、創傷治癒の遅延や臓器不全の予防および治療を目的として、2週間以上の栄養管理を必要とする場合に用いられる。一般に糖質・電解質・アミノ酸液からなる高カロリー輸液であり、中心静脈の大容量の静脈血に注入される。
末梢静脈投与用輸液は、栄養状態の比較的良好な非侵襲あるいは軽度侵襲期にある患者の栄養状態を維持・改善することを目的として、前腕静脈等から末梢留置針等を用いて比較的短期間投与される。
輸液の場合、全ての成分を1つの容器に収納することが、使用の簡便さ、投与時の手違い防止の観点等から最も好ましい。しかし、アミノ酸と糖成分のグルコースを混合しておくとメイラード反応により変質するので、これを防止するため、混合液のpHを5程度に酸性化したものが開発されている。大容量の静脈血に注入する中心静脈投与用輸液の場合には、このように低いpHであっても大きな問題は起きない。しかし、末梢静脈投与用輸液の場合には、pHが低いとしばしば静脈炎、血管痛を起こす。このため、製剤の保存安定性を維持し、且つ混合後の輸液のpHを血液の生理的pH近傍に保つため、2室容器の一方の室に糖溶液を電解質と共に収容し、他方の室にアミノ酸と一部の電解質を分離収容した末梢静脈投与用輸液に対する需要は依然として高い。
糖溶液とアミノ酸溶液を隔壁で仕切った別々の室に収容した末梢静脈投与用輸液は、使用時に隔壁を開通させ、よく混合した後に投与されるよう指示されている。しかしながら、医療現場においては、使用時に隔壁を開通させずに下側の室の成分を先に投与し、その後上側の室の成分を投与するという操作ミスが発生する可能性がある。その場合、一方の室の輸液成分にカリウムイオン(K+)が高濃度で含まれていると、心筋の興奮伝導の抑制、低血圧、心室細動、心停止が起きる可能性がある。この問題を解決するため、カリウム源であるリン酸二カリウムを上室および下室の両方に分けて配合した改良型末梢静脈投与用輸液アミノフリード(R)が、平成16年4月19日付けで承認されている。これは、下室(静脈への投与側)に14mEq/Lのカリウムイオンを配合した糖溶液を含み、上室に35mEq/Lのカリウムイオンを分散して配合し、仮にどちらか一方のみが投与された場合でも、高濃度のカリウムイオンによる障害を避けるものである。カリウムイオン源としてリン酸水素二カリウムが用いられており、下室にはそのリン酸水素二カリウムとともにグルコン酸カルシウムが配合されているので、リン酸カルシウムの沈殿防止策が必要と考えられる。
本発明の課題は、複室容器の一室に糖溶液を収容し、他の一室にアミノ酸を収容した複室容器入り末梢静脈投与用輸液において、使用時に隔壁を開通させなかった場合でもカリウムイオンが高濃度で投与される危険がなく、保存安定性がよく、かつ投与時に静脈炎や血管痛を起こさない、複室容器入り末梢静脈投与用輸液を供給することである。
本発明は、連通可能に構成された多室容器にアミノ酸、糖および電解質が収容された末梢静脈投与用輸液であって、(1)静脈への投与側の第一室(上室)にはカルシウムイオンを含みかつ糖、リン酸イオンおよびカリウムイオンを含まないアミノ酸溶液が収容されていること、(2)投与側から離れた第二室(下室)にはリン酸イオンおよびカリウムイオンを含みかつアミノ酸およびカルシウムイオンを含まない糖溶液が収容されていること、(3)両溶液を混合した後の輸液の生理食塩水に対する浸透圧比が3以下であること、(4)混合後の輸液のpHが6.3〜7.4であることを特徴とする末梢静脈投与用輸液である。
この末梢静脈投与用輸液において、第二室のカリウムイオンの濃度が血管痛を起こさない40mEq/L以下、特には30mEq/L以下であることが望ましい。このような調製によりカリウムイオンが20mEq/時間の投与速度をこえない安全性の高い輸液を提供できる。この末梢静脈投与用輸液は、リン元素を10mmol/L以上含むことが好ましい。この末梢静脈投与用輸液は、第一室に収容されたアミノ酸溶液の容積と第二室の糖溶液の容積比が1:1.5〜1:3であることが好ましい。この末梢静脈投与用輸液は、第二室には他の成分を投与直前に混入するための混注口が備わっていることが好ましい。この末梢静脈投与用輸液は、第二室に収容されている糖溶液が亜硫酸イオンを含まないことが好ましい。
この末梢静脈投与用輸液は、さらにビタミン類を含むことが好ましい。このビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類及びニコチン酸類から選ばれたものであることが好ましい。ビタミン類のうちでも、ビタミンB1を含むことが特に望ましい。
このビタミン類は、第二室の糖溶液に含有されていてもよく、または第一室および/または第二室と連通可能に隔離されている第一室および第二室以外の室に収容されていてもよい。
本発明の末梢静脈投与用輸液の特徴を以下に列記する。
(1)糖溶液とアミノ酸溶液が連通可能な別々の室に収容されているので、pHを殊更低くしなくても両者を安定に保つことができ、その結果混合後の輸液のpHが血液のpHに近いので静脈炎の心配がない。
(2)静脈への投与側の第一室にはカリウムイオンが含まれておらず、カリウムイオンが大容積の第二室に収容された糖溶液側に含まれカリウムイオンの濃度が低く保たれている結果、仮に投与時に第一室と第二室の隔壁を連通させずに最初に第一室のアミノ酸溶液を注入した後、第二室の糖溶液を注入した場合にも高濃度のカリウムイオンによる高カリウム血症等の障害が起きない。
(3)カルシウムイオンとリン酸イオンが別々の室に含まれているので、リン酸カルシウムの沈殿を防ぐためpHを低くする等の必要がないので、混合後の輸液のpHが血液のpHに近いので静脈炎の心配がない。
(4)両溶液を混合した後の輸液の生理食塩水に対する浸透圧比が3以下であるように、糖濃度がコントロールされているので、高濃度の糖溶液を末梢静脈に投与した場合に起きる血管痛がない。
(5)ビタミン類や他の薬剤成分と混合した製剤とすることが容易である。
本発明により、成分の保存安定性が良く、糖溶液とアミノ酸溶液を投与前に混合しないという不測の事態でも高濃度のカリウムイオンが注入されることがなく、低pHによる静脈炎や、糖あるいはカリウムイオンの高い濃度による血管痛の恐れがない優れた末梢静脈投与用輸液を提供することができる。
本発明の静脈投与用輸液において、使用できる糖としては通常輸液に用いられる糖であれば特に制限はないが、例えば還元糖として、ブドウ糖、フルクトース、マルトースが、非還元糖としてはトレハロース、キシリトール、ソルビトール、グリセリンが挙げられる。前記の各種糖のうち、栄養効果の点からはブドウ糖を配合することが好ましい。
本発明の静脈投与用輸液において、使用できるアミノ酸としては通常輸液に用いられるアミノ酸であれば特に制限はないが、具体的には、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、グリシンを挙げることができる。これらのアミノ酸は1種類でも、複数組み合わせても使用することができるが、タンパク質合成への利用という観点から複数組み合わせるのが好ましく、中でも、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−ヒスチジンの9種の必須アミノ酸を使用することが好ましく、更に好ましくは、9種の必須アミノ酸と非必須アミノ酸を合わせて使用することが好ましい。これらアミノ酸の組成は、患者の疾患の種類、状態により適宜調整すれば良いが、とりわけ特開昭60−123413号公報記載の術後患者に適したアミノ酸組成を好適に使用することができる。各アミノ酸は必ずしも遊離アミノ酸として用いられる必要はなく、無機酸塩、有機酸塩、生体内で加水分解可能なエステル体などの形態で用いてもよい。また、同種あるいは異種のアミノ酸をペプチド結合させたジペプチド類の形態で用いてもよい。
本発明に用いる電解質としては、一般に用いられる電解質であれば特に制限は無いが、具体的にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素及びリンの無機および有機塩を挙げることができる。各無機及び有機塩については、既に上市されている輸液および経腸栄養剤に配合された有効成分と同じものを用いることができる。なお、電解質は、生体の機能や体液の電解質バランスを維持するために必要である。また、電解質として微量元素も添加することができる。ここに於ける微量元素とは、微量ではあるが生体にとって必要不可欠とされる金属元素である。微量元素の補給は欠乏症の防止だけでなく蛋白合成の促進、創傷治癒の促進およびミトコンドリア内の酵素の活性を高めるために必要である。具体的には、亜鉛、鉄、マンガン、銅、クロム、モリブデン、セレン、フッ素およびヨウ素の無機及び有機塩を挙げることができる。この場合、高カロリー輸液用として上市されている微量元素製剤を配合しても良い。各微量元素は、一日必要量を考慮して配合すればよい。
本発明の末梢静脈投与用輸液には、糖、アミノ酸、電解質の外に、患者の状態に応じて必要とされる任意の成分を添加することができる。特に、ビタミン類を添加することができる。ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類、ニコチン酸類等を挙げることができる。これらのビタミン類を用いることによって、栄養状態の維持・改善を早期に実現させることが可能である。なお、ビタミン
1は生体内における糖代謝の効率を増加させることができる。ビタミンB1はチアミンとして知られているが、従来から輸液に用いられているプロスルチアミン、アクトチアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン及びそれらの塩等のチアミン誘導体も本発明ではビタミン類として使うことができる。
本発明の輸液は、糖とアミノ酸を混合した場合のメイラード反応を避けるため、糖溶液とアミノ酸溶液を、連通可能な隔壁で仕切った多室容器に収容する。さらに、投与前に両溶液を混合しないという不測の事態にも対応できるように、静脈への投与側の第一室にカリウムイオンを含有しないアミノ酸溶液を収容し、投与側から離れた第二室にカリウムイオンを配合した糖溶液を収容する。カルシウムイオンとリン酸イオンが反応してリン酸カルシウムとして析出するのを防ぐため、カルシウムイオンを第一室のアミノ酸溶液に加え、リン酸イオンを第二室の糖溶液に加える。
糖の濃度は、アミノ酸溶液と糖溶液を混合した後の輸液の、生理食塩水(280mOsm/L)に対する浸透圧比が3以下、好ましくは1〜2.5となるように調節する。したがって、糖濃度は混合後の濃度と糖溶液の容積を勘案して決められる。糖としてグルコース単独を用いる場合、アミノ酸溶液と糖溶液を混合した輸液中のグルコース濃度は一般に10w/v%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5〜7.5w/v%、さらに好ましくは3〜5w/v%である。
糖溶液に加えるカリウムイオン源としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸カリウム等が挙げられるが、リン酸イオンの供給源を兼ね且つ少量でカリウムを供給する目的からみて、特にリン酸水素二カリウムを用いるのが望ましい。糖溶液は、滅菌時及び保存安定性の面から見れば低いpHに調整することが好ましいが、アミノ酸溶液と混合した場合の輸液のpHを静脈炎が起きないpH6.3〜7.4に保つ必要性からアミノ酸溶液の容積を考慮して決められる。一般に、糖溶液のpHを4.2程度とするのが望ましい。糖溶液中のカリウムイオン濃度は、糖溶液をアミノ酸溶液と混合せずに投与しても、高濃度カリウムによる心臓機能に対する障害が生じない、かつ血管痛が起きないとされる40mEq/L以下、特には30mEq/L以下とするのが好ましい。この糖溶液は、亜硫酸イオンを含まないことが好ましい。亜硫酸イオンを含まない場合には、他の成分例えばビタミン類をそのまま加えることが可能となる。
アミノ酸溶液のアミノ酸濃度は、アミノ酸溶液と糖溶液を混合した後の輸液中の濃度として1〜20w/v%であることがが好ましく、より好ましくは3〜10w/v%である。アミノ酸溶液に加えるカルシウム源としては、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、アスパラギン酸カルシウム等が挙げられるが、グルコン酸カルシウムが最も好ましい。アミノ酸溶液のpHは特に限定されないが、ほぼ中性例えばpH6.5〜7付近が好ましい。アミノ酸の安定化に必要な亜硫酸イオンを亜硫酸水素ナトリウム等として少量加えることができる。
糖溶液およびアミノ酸溶液のpHを調整するには、輸液分野において通常用いられているpH調整剤を用いることができるが、pH調整剤としては、塩酸等の無機酸、酢酸、クエン酸等の有機酸を使用できるが静脈炎、血管痛を抑える効果が期待できる有機酸を使用することが好ましい。
他の成分として好ましいビタミン類は、第二室の糖溶液が亜硫酸イオンを含まない場合には、糖溶液に入れることが好ましい。さらに、ビタミン類を第一室および第二室以外の室に収容し、該室を第一室および/または第二室と連通可能に隔離しておくこともできる。ビタミンは、安定性を考慮して隔離した室に溶液または粉末で入れておくことが可能である。さらに、隔離された第一室および第二室以外の室には、微量元素やその他の医薬品
を必要に応じて、溶液もしくは粉末として入れておくことができる。
本発明の輸液を調整するには、上記の糖、アミノ酸、電解質を上記の目的に添って混合し注射用蒸留水等に溶解するか、あるいは予め作成した糖溶液、アミノ酸溶液、電解質溶液等を混合する等の方法を採用することができる。
本発明において、糖溶液とアミノ酸溶液を混合した後の輸液は、下記の組成であることが好ましい。
ブドウ糖 2.5 〜 7.5 w/v%,さらに好ましくは3 〜 5.0 w/v%
アミノ酸総量 1.0 〜 5.0 w/v%
各アミノ酸
L-イソロイシン 0.1 〜 5.0 g/L,さらに好ましくは0.8 〜 5.0 g/L
L-ロイシン 0.2 〜 9.0 g/L,さらに好ましくは1.0 〜 9.0 g/L
L-バリン 0.2 〜10.0 g/L,さらに好ましくは1.0 〜10.0 g/L
L-リジン 0.15〜 6.0 g/L,さらに好ましくは0.8 〜 6.0 g/L
L-メチオニン 0.1 〜 7.0 g/L,さらに好ましくは0.4 〜 5.0 g/L
L-フェニルアラニン 0.1 〜 7.7 g/L,さらに好ましくは0.5 〜 5.0 g/L
L-スレオニン 0.1 〜 5.0 g/L,さらに好ましくは0.5 〜 5.0 g/L
L-トリプトファン 0.02〜 3.0 g/L,さらに好ましくは0.05〜 1.0 g/L
L-アラニン 0.1 〜 6.8 g/L,さらに好ましくは0.5 〜 5.0 g/L
L-アルギニン 0.1 〜11.3 g/L,さらに好ましくは1.0 〜10.0 g/L
L-アスパラギン酸 0.02〜 5.0 g/L,さらに好ましくは0.08〜 2.0 g/L
L-システイン 0.01〜 0.7 g/L,さらに好ましくは0.02〜 0.4 g/L
L-グルタミン酸 0.01〜 3.6 g/L,さらに好ましくは0.04〜 2.0 g/L
L-ヒスチジン 0.1 〜 4.1 g/L,さらに好ましくは0.3 〜 3.0 g/L
L-プロリン 0.1 〜 5.9 g/L,さらに好ましくは0.4 〜 5.0 g/L
L-セリン 0.05〜 2.0 g/L,さらに好ましくは0.1 〜 1.0 g/L
L-チロシン 0.0 〜 1.0 g/L,さらに好ましくは0.0 〜 0.5 g/L
グリシン 0.1 〜 5.4 g/L,さらに好ましくは0.5 〜 4.0 g/L
電解質
Na+ 20〜150 mEq/L,さらに好ましくは30〜40 mEq/L
K+ 2〜 40 mEq/L,さらに好ましくは15〜25 mEq/L
Ca2+ 1〜 15 mEq/L,さらに好ましくは 3〜 6 mEq/L
Mg2+ 0〜 15 mEq/L,さらに好ましくは 3〜 6 mEq/L
Cl- 20〜150 mEq/L,さらに好ましくは30〜60 mEq/L
P 0〜 20 mmol/L,さらに好ましくは 5〜15 mmol/L
Zn2+ 0〜 20 mmol/L,さらに好ましくは 2〜10 mmol/L
本輸液の投与方法例としては、サーフロー針あるいは注射針、翼状針などの留置針をいずれかの末梢血管より挿入し留置することにより投与することができる。このような投与方法においては、連続投与が可能であり、軽〜中等度手術侵襲後の経口摂取ができない状態において、手術侵襲の回復に適切な栄養管理が可能なものとなる。
本発明における輸液容器の本体を構成する材料としては、可撓性、透明性に優れ、且つ低温保存後に落下しても破袋し難い軟質の樹脂材料が好ましい。特に、通常医療用容器に用いられているポリオレフィン類からなるものを好適に挙げることができる。ポリオレフィン類は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の重合応体を挙げることができる。容器本体は、前記樹脂をブロー成形、インフレーションあるいはデフレーション成形したものいずれでも使用できる。また、2枚の樹脂シートの周縁部を溶着して形成したものでも良い。
容器本体を複数の空間に区画するには、例えば使用時に外部からの押圧で剥離可能なシール部で区画し複数の空間を容器内に形成する方法(特開平2−4671号公報)や、破断により連通する薄肉部を有する連通部材を用いて作成することができる(特開2000−167022公報、特開2001−87350公報)。
また、ビタミン類等の他の薬液を容器内で分離・封入する場合は、複数の空間を持つ小袋を容器本体のいずれかの空間内部もしくは容器周縁部に設け、この小袋内に収容することができる。この際、小袋は充填する成分を吸着し難い材質を選択することが好ましく、ポリ弗化エチレン(テフロン(R)等)、環状オレフィンコポリマーを好適に挙げることができる。
一部の電解質を含む糖溶液および一部の電解質を含むアミノ酸溶液を以下のように調製した。
(1)糖溶液の調製
以下の配合量に従い、グルコース、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム及び硫酸亜鉛を注射用水に溶解後、pH調整剤氷酢酸でpH5.4に調節し、糖・電解質液を調製した。
グルコース 10.714 w/v%
塩化ナトリウム 0.114 w/v%
硫酸マグネシウム(7水塩) 0.089 w/v%
乳酸ナトリウム 0.327 w/v%
リン酸水素二カリウム 0.249 w/v%
硫酸亜鉛(7水塩) 0.0002 w/v%
(2)アミノ酸溶液の調製
以下の配合量に従い、アミノ酸及びリン酸水素二カリウムを注射用水に溶解後、氷酢酸でpH7.7に調節し、アミノ酸液を調製した。
L-イソロイシン 0.800 w/v%
L-ロイシン 1.400 w/v%
L-バリン 0.800 w/v%
塩酸L-リジン 1.310 w/v%
L-メチオニン 0.390 w/v%
L-フェニルアラニン 0.700 w/v%
L-スレオニン 0.570 w/v%
L-トリプトファン 0.200 w/v%
L-アラニン 0.800 w/v%
L-アルギニン 1.050 w/v%
L-アスパラギン酸 0.100 w/v%
L-システイン 0.100 w/v%
L-グルタミン酸 0.100 w/v%
L-ヒスチジン 0.500 w/v%
L-プロリン 0.500 w/v%
L-セリン 0.300 w/v%
L-チロシン 0.500 w/v%
グリシン 0.590 w/v%
グルコン酸カルシウム(1水塩) 0.373 w/v%
(3)プラスチック製容器への充填、滅菌、包装
調製した糖溶液とアミノ酸溶液のそれぞれを無菌ろ過し、糖溶液の800mLを、隔壁で
仕切られたプラスチック製の二室容器の第二室に充填した。第二室を密封後、プラスチック容器の第一室にアミノ酸液200mLを充填し、密封した。両溶液を充填・密封したプラスチック容器を脱酸素剤とともに外包装材で包装した。
(4)使用時における混合
(3)にて調製した糖・電解質液とアミノ酸液の両液の隔壁を連通させ両液を混合したときのpHは6.7であった。

Claims (11)

  1. 連通可能に構成された多室容器にアミノ酸、糖および電解質が収容された末梢静脈投与用輸液であって、(1)静脈への投与側の第一室にはカルシウムイオンを含みかつ糖、リン酸イオンおよびカリウムイオンを含まないアミノ酸溶液が収容されていること、(2)投与側から離れた第二室にはリン酸イオンおよびカリウムイオンを含みかつアミノ酸およびカルシウムイオンを含まない糖溶液が収容されていること、(3)両溶液を混合した後の輸液の生理食塩水に対する浸透圧比が3以下であること、(4)混合後の輸液のpHが6.3〜7.4であることを特徴とする末梢静脈投与用輸液。
  2. 第二室のカリウムイオンの濃度が40mEq/L以下であることを特徴とする請求項1記載の末梢静脈投与用輸液。
  3. リン元素を10mmol/L以上含むことを特徴とする請求項1記載の末梢静脈投与用輸液。
  4. 第一室に収容されたアミノ酸溶液の容積と第二室の糖溶液の容積比が1:1.5〜1:3であることを特徴とする請求項1記載の末梢静脈投与用輸液。
  5. 第二室には他の薬剤を混入するための混注口が備わっていることを特徴とする請求項1記載の末梢静脈投与用輸液。
  6. 第二室に収容されている糖溶液が亜硫酸イオンを含まないことを特徴とする請求項1記載の末梢静脈投与用輸液。
  7. さらにビタミン類を含む請求項1〜5のいずれかに記載の末梢静脈投与用輸液。
  8. ビタミン類が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンH、葉酸、パントテン酸類及びニコチン酸類である請求項7記載の末梢静脈投与用輸液。
  9. ビタミン類が、ビタミンB1である請求項7記載の静脈投与用輸液。
  10. ビタミン類が第二室の糖溶液に含有されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の末梢静脈投与用輸液。
  11. ビタミン類が第一室および第二室以外の室に収容されており、該室が第一室および/または第二室と連通可能に隔離されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の末梢静脈投与用輸液。
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