JP2005330235A - 1,2−シス−2−フルオロシクロプロパン−1−カルボン酸エステル類の製法 - Google Patents

1,2−シス−2−フルオロシクロプロパン−1−カルボン酸エステル類の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的にも適用可能な1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルの製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1):
【化1】
Figure 2005330235

[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し;R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数7〜26のアラルキル基を示す。]
で表わされる化合物に、スルホキシド化合物中、特定のルイス酸の存在下に、式(2):
M1BHmR2 n (2−1)又はM2(BHmR2 n)2 (2−2)
[式中、M1はアルカリ金属原子を示し、M2はアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を示し;R2は水素原子、シアノ基、炭素数1〜8のアシルオキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し;mは1〜4の整数、nは0〜3の整数を示し、かつmとnとの和は4である。]
で表わされる還元剤を反応させることを特徴とする、下記一般式(3):
【化2】
Figure 2005330235

[式中、R1は式(1)において定義したとおりである。]
で表される化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬及び農薬として優れたキノロン化合物の製造に有用なフルオロシクロプロパン類の製造方法に関する。
ニューキノロン系の合成抗菌薬の中で、1,2-シス-2-フルオロシクロプロピル基を1位の置換基として有するキノロン誘導体は、強い抗菌活性と高い安全性を兼ね備えており、優れた合成抗菌剤として期待されている。1,2-シス-2-フルオロシクロプロピル基の構築に使用される原料化合物を得るためには、1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸が使用される。この化合物は、1-クロロ-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルをジメチルスルホキシド中、水素化ホウ素ナトリウムを反応させて脱クロル化することによって製造される(特許文献1参照)。しかし、1-クロロ-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの脱クロル化体への反応転化率は46%程度であり、工業的には満足のいくものではなかった。
また、特許文献1には、当該脱クロル化体の収量を向上させるために、ルイス酸として三フッ化ホウ素エーテル錯体を添加する方法の示唆がある。
特開平6-157418号公報
従って、本発明は、1-ハロゲノ-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルを効率良く脱ハロゲン化して、工業的にも適用可能な、1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み鋭意研究した結果、1-ハロゲノ-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルをスルホキシド化合物及び/又はスルホン化合物を溶媒とし、特定のルイス酸存在下に還元剤と反応させることにより、脱ハロゲン化反応の反応性を大幅に向上させることができ、1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルが高収率かつ高選択的に得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
Figure 2005330235
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し;R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数7〜26のアラルキル基を示す。]
で表わされる化合物に、スルホキシド化合物中、マグネシウム、アルミニウム、シラン、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、ハフニウム、鉛、ビスマス、ランタナム、セリウム及びイッテリビウムから選ばれる金属原子のハロゲン化物並びにこれらの金属原子のトリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)から選ばれるルイス酸の存在下に、式(2):
M1BHmR2 n (2−1)又はM2(BHmR2 n)2 (2−2)
[式中、M1はアルカリ金属原子を示し、M2はアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を示し;R2は水素原子、シアノ基、炭素数1〜8のアシルオキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し;mは1〜4の整数、nは0〜3の整数を示し、かつmとnとの和は4である。]
で表わされる還元剤を反応させることを特徴とする、下記一般式(3):
Figure 2005330235
[式中、R1は式(1)において定義したとおりである。]
で表される化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、高収率かつ高選択的に1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸エステルを得ることができる。また、本発明の製造方法では、ルイス酸として三フッ化ホウ素エーテル錯体を使用した場合と比較して、反応速度が向上し、短時間にて反応を終了させることが可能となり、かつ収率が向上し、工業的に適用可能となった。
従って、本発明の製造方法は、ニューキノロン系抗菌剤の合成原料である1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸の製造方法として工業的に有用である。
前記一般式(1)において、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示すが、塩素原子が好ましい。
Rで示される炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2-ブテニル基、2-メチルアリル基、1,1-ジメチルアリル基、3-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、4-ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。このアリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、前記のハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシ基等で置換されてもよい。置換基の位置及び数は特に制限されないが、置換基の数は1〜3が好ましい。
炭素数7〜26のアラルキル基とは、上記の炭素数6〜12のアリール基と上記の炭素数1〜6のアルキル基とから構成されるアラルキル基を示す。このようなアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が好ましい。アラルキル基を構成するアリール基は、前記の置換基によって置換されてもよい。
上記Rの中で、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基がより好ましく、副生成物(1-クロロ-2-フルオロ-1-ヒドロキシメチルプロパン)の生成の抑制の点から、tert-ブチル基が特に好ましい。
式(1)の化合物は、例えば、特開平5-301827号公報に記載の方法により、1-クロロ-シクロプロパン-1,2-ジカルボン酸-1-tert-ブチルエステルから簡便に合成できる。化合物(1)の2位のフッ素原子と1位のカルボン酸部分の配置は、シクロプロパン環の面の同じ側に存在するもの(本明細書において、以下、「シス体」という。)と異なる側に存在するもの(以下、「トランス体」という。)の2種がある。
本発明で使用されるルイス酸としては、マグネシウム、アルミニウム、シラン、スカンジウム、チタン(IV)、クロム(II、III又はIV)、マンガン、鉄(II又はIII)、コバルト、ニッケル、銅(I又はII)、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ(II又はIV)、アンチモン(III又はIV)、ハフニウム、鉛、ビスマス、ランタナム、セリウム及びイッテリビウムから選ばれる金属原子のハロゲン化物、並びにこれらの金属原子のトリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)が挙げられる。当該ハロゲン化物の中では、塩化物が好ましく、特に塩化鉄(II)、塩化コバルト、塩化銀又は塩化インジウムが好ましい。当該トリフラートの中では、スカンジウムトリフラート又はインジウムトリフラートが好ましい。これらのルイス酸は水和物でもよい。また、これらのルイス酸は溶媒と錯体を形成してもよい。
ルイス酸の使用量は、特に制限されないが、式(1)の化合物に対して、0.01〜100モル%が好ましく、特に5〜20モル%が好ましい。
本発明で使用される還元剤は、前記式(2−1)又は(2−2)で表わされる金属水素化ホウ素化合物である。式(2−1)におけるアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、式(2−2)におけるアルカリ土類金属原子としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等が挙げられる。また、亜鉛も好適に使用することができる。これらの金属原子のうちで、リチウム、ナトリウム、カルシウム又は亜鉛が好ましく、より好ましくはリチウム、ナトリウム又は亜鉛、特にナトリウムが好ましい。更に、前記式(2−1)又は(2−2)においてnが1以上の整数を示す場合、当該金属水素化ホウ素化合物は、シアノ基、炭素数1〜8のアシルオキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる置換基R2を有する。置換基R2としては、シアノ基又は炭素数1〜8のアシルオキシ基が好ましい。炭素数1〜8のアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、前記のものを挙げることができる。
このような金属水素化ホウ素化合物としては、具体的には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化アルコキシホウ素ナトリウムが挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが特に好ましい。水素化アルコキシホウ素ナトリウムのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基等の炭素数1〜6のものが好ましい。
尚、これらの金属水素化ホウ素化合物は、市販のものを使用することができる。また、これらの金属水素化ホウ素化合物の多くは、水素化ホウ素ナトリウムと金属化合物やシアノ化合物とから容易に調製することができるため、用時調製したものを使用してもよい。水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等がその例である。本発明において、このような用時調製した金属水素化ホウ素化合物を使用する場合には、先ず、金属水素化ホウ素化合物を調製し、その後この反応混合物に式(1)の化合物を加えることが望ましい。
還元剤の使用量は、式(1)の化合物1モルに対して、1.1〜3倍モルが好ましく、1.5〜2.5倍モルが特に好ましい。
本発明で使用される反応溶媒としては、スルホキシド化合物である。スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ブチルメチルスルホキシド等の炭素数2〜6のジアルキルスルホキシド類が挙げられる。これらの中で、炭素数2〜6のジアルキルスルホキシド類が好ましく、特にジメチルスルホキシドが好ましい。スルホキシド化合物は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。尚、この他、非プロトン性溶媒、例えば、ジアルキルアセトアミド、N-アルキルピロリドン等を共溶媒として存在させてもよい。溶媒の使用量は、式(1)の化合物に対して、1〜20(v/w)が好ましく、特に3〜10(v/w)が好ましい。
反応温度は、20〜80℃が好ましく、特に40〜60℃が好ましい。また、反応に際して発熱量が多い場合には冷却下に実施してもよい。
反応終了後、式(3)の化合物は、通常実施される方法に従って反応混合物より採取される。例えば、分液操作により無機物を水層へ分離して除き、有機層の溶媒を留去することにより得られる。得られた目的物は、必要に応じて蒸留、クロマトグラフィー等により更に精製することができる。
本発明の製造方法によれば、シス体(1)とトランス体(1)の混合物から、シス体(3)/トランス体(3)が91/9〜92/8の範囲で生成し、シス体(3)を高選択的に製造することができる。
本発明の方法を実施するに当たり、前記式(2)の還元剤及び特定のルイス酸を式(1)の化合物に加える順序としては特に制限がなく、いずれの試薬をいずれの順序で加えても脱ハロゲン化反応を進行させることができる。
ニューキノロン系合成抗菌剤の合成中間体となる1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸は、本発明の製造方法によって得られた式(3)の化合物を一般的な方法により加水分解して2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸に導いた後、再結晶、スラリー精製、光学分割等することにより精製して容易に製造できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
2-フルオロ−シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(3a)の製造
40℃にて、塩化インジウム(340.9mg、1.54mmol)をジメチルスルホキシド(75mL)に加えた後、水素化ホウ素ナトリウム(5.83g、154.14mmol)を攪拌羽根にて攪拌しながら溶解した。そのままの温度にて、その溶液に1-クロロ-2-フルオロ-シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(シス/トランス=62/38)(以下、「化合物(1a)」という。)(15g、77.07mmol)のジメチルスルホキシド溶液(15mL)を加えた。滴下終了後、50℃にて50時間攪拌羽根で攪拌した。反応終了後、40℃にて、反応液に5規定塩酸(20mL)を加えた。反応液にトルエンを加えて有機層を抽出し、得られたトルエン層を水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、標題化合物9.6g(収率78%)を含むトルエン溶液を得た。収率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定した(以下、同様)。HPLC分析条件;カラム: MERCK Chromorith Performance RP-18 100-4.6mm、移動相:pH4.2リン酸緩衝液/アセトニトリル=70/30、流速:1.0mL/min、検出波長:220nm。
また、ガスクロマトグラフィー(GS)にて分析の結果、シス/トランス=92/8であった。GS分析条件;検出器:FDI、columu Glscience NEUTRA BOND-5、30m×0.2mm、試料気化室温度:250℃、検出部温度:250℃、キャリアーガス:窒素(80kPa)、水素(60kPa)、空気(50kPa)。
実施例2〜6
2-フルオロ−シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(3a)の製造
ルイス酸を変える以外は、化合物(1a)500mgを用いて実施例1と同様にして標題化合物を製造した。結果を表1に示す。
Figure 2005330235
比較例1
2-フルオロ−シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(3a)の製造
塩化インジウムを添加せず、かつ化合物(1a)を加えた後、実施例1と同様に実施した結果、標題化合物を7.2g(収率58%)を含むトルエン溶液を得た。ガスクロマトグラフィーの分析の結果、シス/トランス=93/7であった。
比較例2
2-フルオロ−シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(3a)の製造
塩化インジウムの代わりに三フッ化ホウ素エーテル錯体を使用し、50℃にて72時間攪拌する以外は実施例1と同様にして、標題化合物を8.3g(収率67%)を含むトルエン溶液を得た。ガスクロマトグラフィーの分析の結果、シス/トランス=92/8であった。
参考例1
1,2-シス-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸の製造
実施例1の方法にて得られた2-フルオロ−シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル(3a)(9.6g、シス/トランス=92/8)のトルエン溶液(100mL)にp-トルエンスルホン酸・1水和物(1.14g、6.0mmol)を加え、1時間30分間加熱還流した。冷却後、反応液に3.5規定の水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加え、有機層を分離した。水層に濃塩酸を加え、pH1程度に調整した後、メチルtert-ブチルエーテルにて抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、2-フルオロ-シクロプロパン-1-カルボン酸(5.92g、シス/トランス=93/7)を油状物質として得た。ここに、n-ヘプタン(100mL)を加え、室温にて30分間、−15℃にて1時間30分間スラリー状態で攪拌した。析出した結晶を濾取し、乾燥後、標題化合物を白色結晶として5.63g得た。この結晶をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シス/トランス=99.2/0.8であった。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2005330235
    [式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し;R1は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数7〜26のアラルキル基を示す。]
    で表わされる化合物に、スルホキシド化合物中、マグネシウム、アルミニウム、シラン、スカンジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、ハフニウム、鉛、ビスマス、ランタナム、セリウム及びイッテリビウムから選ばれる金属原子のハロゲン化物並びにこれらの金属原子のトリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)から選ばれるルイス酸の存在下に、式(2):
    M1BHmR2 n (2−1)又はM2(BHmR2 n)2 (2−2)
    [式中、M1はアルカリ金属原子を示し、M2はアルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を示し;R2は水素原子、シアノ基、炭素数1〜8のアシルオキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し;mは1〜4の整数、nは0〜3の整数を示し、かつmとnとの和は4である。]
    で表わされる還元剤を反応させることを特徴とする、下記一般式(3):
    Figure 2005330235
    [式中、R1は式(1)において定義したとおりである。]
    で表される化合物の製造方法。
  2. 式(1)のXが塩素原子である請求項1記載の製造方法。
  3. 式(1)のRが炭素数1〜8のアルキル基である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 炭素数1〜8のアルキル基がtert-ブチル基である請求項3記載の製造方法。
  5. スルホキシド化合物が、ジメチルスルホキシドである請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. ルイス酸が、塩化インジウム、塩化コバルト、塩化鉄(II)、塩化銀、スカンジウムトリフラート又はインジウムトリフラートである請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. ルイス酸が、塩化インジウム、塩化コバルト、塩化鉄(II)又は塩化銀である請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 式(3)の化合物がシス配置を有する請求項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
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