JP2005329307A - 同時重層用スライド型コータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高粘度塗布液をスライド型コータで塗布するとき、両端の塗布性が安定し、塗布故障が発生しない均一な塗布面を確保しながら、生産性の低下がないスライド型コータの提供。
【解決手段】 連続走行する帯状支持体上に、揮発性溶媒を含有する2種類の塗布液を同時に塗布する同時重層用スライド型コータにおいて、最下部に配設された塗布補助用塗布液を吐出するスリットを含む少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3本のバーと、該バーを組み付ける一対の側板と、該スライド面の両端に前記スリット毎に配設された複数の塗布幅規制プレートとを有し、最上層用の塗布液を吐出するスリットに位置する前記塗布幅規制プレートの温度が、他の塗布幅規制プレートの温度に対して2〜10℃高いことを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2種類の揮発性溶剤を含有した複数の塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータ(以下、単にスライド型コータともいう)に関する。
従来より連続走行する帯状支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法として次の二通りの塗布方法が知られている。一つは、あらかじめ必要な塗布液膜形成量よりも余剰な塗布液を支持体上に吐出させ、その後なんらかの掻き取り手段で余剰分を取り除く後計量型塗布方式である、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法が挙げられる。
他の一つは、必要な塗布液膜を形成する量だけ塗布液を吐出させて支持体上に塗布液を塗布する前計量型塗布方式である、エクストルージョン型コータを用いたエクストルージョン塗布法、スライド型コータを用いたスライド塗布法、カーテン塗布法が挙げられる。
一般的に感光材料や磁気記録材料等の塗布装置は、塗布精度の高さ、高品位性、高速、薄膜、多層同時塗布適性等が要求されており、この観点からスライド型コータあるいはエクストルージョン型コータが広く用いられている。特に、沸点が90℃以下の高揮発性溶剤を用い、粘度が10mPa・sec以上の高粘度である塗布液を使用する熱現像感光材料の場合は、一般的にはスライド型コータが用いられている。
スライド型コータを使用した塗布方法については、米国特許2,681,294号、同2,761,119号、同2,761,791号及び英国特許837,95号等に開示されている。スライド型コータの場合、塗布液供給系から送られてきた塗布液を、コータを構成しているバーとバーの間の各スリットから幅方向に均一に押出す液溜まり部(ポケット部)を有しており、液溜まり部に一旦溜められた後、スリットから幅方向に均一に押し出された塗布液が、コータの上面であるスライド面を流下し、スライド型コータの先端部のリップ部で帯状支持体との間にビードと称する塗布液溜まりをつくり、このビードを介してバックアップロールにより塗布反対面を保持され搬送される帯状支持体の保持部に塗布される。この様にビードを介して塗布を行うことからスライドビード塗布とも言われている。
スライド型コータを使用して塗布を行う場合、特開平05−4065号公報に記載されている様に、塗布液がスライド面を流下する際、幅方向に流れ帯状支持体の幅以上となって帯状支持体の裏側に回り込むのを防ぐため、スライド面の両端に塗布幅規制プレートが設けられることが知られている。
又、最近では生産性向上のため塗布速度の高速化と、これに伴い高速乾燥が行われるようになっている。このとき、乾燥時の乾燥風による吹かれムラを抑えるために最上層用の塗布液は各層用の塗布液の中でも一番高粘度の塗布液を使用することが一般的になってきている。
スライド型コータにおいては、ビードを介して塗布を行うため、塗布の安定のためにはビードの安定性が非常に大きく影響することが知られている。ビードの安定性はリップ部とウェブの間隙の設定、環境条件、塗布液物性すなわち粘度、表面張力、特に多層同時塗布の場合は、層間の物性の関係等が大きく影響し、さらに塗布速度が早くなったり、膜厚が薄くなると、ビードの安定が難しくなる。ビードが不安定であると筋故障、尾引き故障、液切れ等の故障が発生する。
例えば、スライド型コータを使用して複数の高粘度塗布液(例えば、熱現像感光材料用塗布液)を同時重層塗布する場合、次に示す様な問題点があり、ビードが安定しなくなり、安定した塗布が出来ないことが知られている。
1)塗布液がスライド面上を流下する際、スライド面での塗布液の液流動性が悪く、塗布性を著しく劣化させることが知られている。
2)塗布液がスライド面上を流下する際、スライド面での塗布液の液流動性が悪く、析出が生じ、この析出物がスライド面等に付着した場合も同様に塗布液が均一に流れなくなり塗布故障が発生する。
3)塗布液中に分散物を含むスラリ状の塗布液をスライド型コータを用いて塗布する場合には、スライド面を塗布液が流下する際、スライド面上で塗布液中の分散物が沈降し凝集したりするため、塗布筋、塗布ムラ、沈殿物の付着が発生し、塗布故障となる。
4)ニュートンの粘性の法則に従った液体ではなく、複雑な流動特性を持つ塗布液、例えばチキソトロピ特性を有する塗布液をスライド型コータを用いて塗布する場合には、スライド面を塗布液が流下する際、スライド面上で塗布液が凝集したりするため、塗布筋、塗布ムラ等が発生し、塗布故障となる場合がある。
5)チキソトロピ特性を有する塗布液ではスライド面を塗布液が流下する際、塗布液に加わるずり速度の違いから、スライド面上での幅方向、長手方向で塗布液の粘度ばらつきを発生し、その結果として、塗布膜厚分布が極端に悪化する場合がある。
このような原因の塗布ムラ、筋故障等が発生すると、その部分は製品として使うことができず、その部分を切除して合理的な材料採りをしたとしても製品収率が大きく低下しその選別作業の工数も増加する。
これら高粘度塗布液(例えば、チキソトロピ特性を有する塗布液、塗布液中に分散物を含むスラリ状の塗布液等)をスライド型コータを使用し塗布するときの対策として、例えば、最下層に低粘度塗布液(本発明に係わる塗布補助用塗布液に相当する)を流すことで上層の高粘度塗布液のスライド面上での流動性を改良し安定した塗布を行う技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)。
特許文献1、特許文献2に記載の方法では、上層の高粘度塗布液は最下層の低粘度塗布液の上に乗った状態でスライド面上を流下するためスライド面上での流動性は改良されるため、スライド型コータを使用して高粘度塗布液を塗布する場合の必須の技術であるが、次の様な問題点を有している
1)スライド面上を流下する高粘度塗布液は、処方上高粘度となる場合があり、塗布幅規制プレートと接触する部分の塗布液の流下速度がスライド面上の中央部分の高粘度塗布液の流下速度より遅くなりスライド面上で均一な流下速度が得られなくなるため、両端のビード部が安定しなくなり、帯状支持体に塗布された塗布面の両端の膜厚が不安定となる。
2)塗布が不安定な両端部分を切除しなければならないため、切除に伴う時間、ロスが多くなり生産効率が上がらない原因の一つになる。
3)塗布面の両端部分が厚膜となる場合、この部分が乾燥不良となり、他の部分に転写し転写故障を発生させたり、品質性能の劣化を生じさせたりする。
このような状況の下、高粘度塗布液をスライド型コータで塗布するとき、両端の塗布性が安定し、塗布故障が発生しない均一な塗布面を確保しながら、生産性の低下がないスライド型コータの開発が望まれている。
米国特許第5,861,195号明細書 特開2002−192045号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、その目的は、高粘度塗布液をスライド型コータで塗布するとき、両端の塗布性が安定し、塗布故障が発生しない均一な塗布面を確保しながら、生産性の低下がないスライド型コータを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
連続走行する帯状支持体上に、少なくとも揮発性溶媒を含有する2種類の塗布液を同時に塗布する同時重層用スライド型コータにおいて、
最下部に配設された塗布補助用塗布液を吐出するスリットを含む少なくとも2つのスリットと、
該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3本のバーと、
該バーを組み付ける一対の側板と、
該スライド面の両端に前記スリット毎に配設された複数の塗布幅規制プレートとを有し、
最上層用の塗布液を吐出するスリットに位置する前記塗布幅規制プレートの温度が、他の層用の塗布液を吐出するスリットに位置する前記塗布幅規制プレートの温度に対して2〜10℃高いことを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
(請求項2)
前記塗布幅規制プレートは温度制御手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項3)
前記塗布補助用塗布液は、最下部のスリットから吐出され、隣接する塗布液と同一溶媒を使用し、0.5〜50mPa・sの粘度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項4)
前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項5)
前記揮発性溶媒を含有した塗布液が熱現像感光材料用塗布液であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
高粘度塗布液をスライド型コータで塗布するとき、両端の塗布性が安定し、塗布故障が発生しない均一な塗布面を確保しながら、生産性の低下がないスライド型コータを提供することが出来、塗布端の塗布性が向上・安定し、品質が向上し更に、塗布の安定生産が容易となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図3を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はスライド型コータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。図1の(a)はバックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、スライド型コータを使用しビードを形成して塗布するスライド塗布方式の模式図である。図1の(b)は図1で示されるスライド型コータの拡大概略斜視図である。
図中、1はスライド型コータを示し、2はバックロールを示し、3は上流から下流に向かって(図中の矢印方向)連続搬送される帯状支持体を示す。
101はスライド型コータ1を構成しているバーを示す。バーの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。本図は4本のバー101a〜101dでスライド型コータ1を構成している場合を示している。バックロールとはスライド型ダイコータ1と帯状支持体3を挟んで帯状支持体3の塗布反対面側に設置された搬送ロールを指し、その円筒度がスライド型ダイコータ1と同様に塗布幅手間隙精度に影響大のため、200mm以上と大径の金属で構成されている。
102はバー101により作られた塗布液の流出口であるスリットを示す。スリットの数はスライド型ダイコータを構成している各バーの数により変わるが、通常は2〜20である。本図に示されるスライド型コータ1は4本のバー101a〜101dで構成され、4本のバー101a〜101dの間に作られた3つのスリット102a〜102cを有する同時重層用のスライド型ダイコータを示す。103はスリット102から吐出された塗布液が流下するスライド面を示し、各バー101a〜101dの各スライド面103a〜103cを有している。
104はスライド型ダイコータ1を構成している各バー101a〜101dにより構成されたスライド面103上を流下する塗布液の幅方向の広がりを規制するためにスライド面103の両端に設けられた塗布幅規制プレートを示す。
塗布幅規制プレート104は、最も上側のスリット102cの端部を覆い、スリット102cを形成するバー101dのスライド面103dからバー101cのスライド面103cの一部に渡り設けられた塗布幅規制プレート104aと、スリット102bの端部を覆い、スリット102bを形成するバー101dのスライド面103cの一部からバー101bのスライド面103bの一部に渡り設けられた塗布幅規制プレート104bと、スリット102aの端部を覆い、スリット102aを形成するバー101bのスライド面103bの一部からバー101aのスライド面103aに渡り設けられた塗布幅規制プレート104cとを有している。スライド面103の両端に設けられた塗布幅規制プレート104はメモリーとCPUとを有する制御部8により温度制御が可能となっている。104a1は塗布幅規制プレート104aに設けられた温度計測手段を示し、104b1は塗布幅規制プレート104bに設けられた温度計測手段を示し、104c1は塗布幅規制プレート104cに設けられた温度計測手段を示す。9aは塗布幅規制プレート104a用の温度制御用の電源を示す。本図では塗布幅規制プレート104aを温度制御の一例として示してあるが、スライド面の両端に配設されている全ての塗布幅規制プレートは全て同じような仕組みで温度制御が可能となっている。塗布幅規制プレート104の温度制御に関しては図3で説明する。106は各バー101a〜101dを組み付けスライド型コータ1を作製するときに用いる側板を示し、両側に設けられている。
塗布液供給系4の調製釜401a〜401cで調製された塗布液を各送液ポンプ402a〜402cにより各供給管403a〜403cを通して、各バー101a〜101dの間に作られた各ポケット部107a〜107c(図2を参照)に供給され、各スリット102a〜102cから吐出された塗布液は、スリット102aから吐出された塗布液の上に、スリット102bから吐出された塗布液が乗り、この上にスリット102cから吐出された塗布液が乗った状態で塗布幅規制プレート104により塗布幅が規制された各スライド面103a〜103cを流下し、リップ部105を介してビード5を形成し、バックロール2により塗布反対面を保持され搬送される支持体3の保持部に塗布される。
6は塗布の安定化のためスライド型ダイコータ1の下部に設けられた減圧室を示し、601は吸引管を示す。7は支持体に塗布された塗布層を示すW1は支持体3にスライド型ダイコータ1により塗布液を塗布する塗布点を示し、通常バックロールの中心を通る水平軸より上方0〜20度の位置が好ましい。
本図に示されるスライド型コータ1を使用した塗布の一例として、最下部に配設されたスリット102aからは塗布補助用塗布液を吐出し、中間に配設されたスリット102bからは揮発性溶媒含有する画像形成用の塗布液を吐出し、最上部に配設されたスリット102cからは揮発性溶媒含有する表面保護層用塗布液を吐出する場合が挙げられる。
この場合、塗布補助用塗布液の粘度は、0.5〜50mPa・sを有していることが望ましい。画像形成用の塗布液の粘度は0.2〜0.8Pa・sの高粘度好ましく、更に表面保護層用塗布液の粘度は乾燥時の乾燥風による吹かれムラを防止することから1〜2Pa・sの高粘度好ましい。又、塗布性の面から画像形成用の塗布液の粘度と、表面保護層用塗布液の粘度との差は0〜0.5Pa・sが好ましく、特にスライド面103の両端に設けられた塗布幅規制プレート106近傍では画像形成用の塗布液の粘度と、表面保護層用塗布液の粘度との差は0〜0.3Pa・sが好ましい。粘度差が表面保護層用塗布液の粘度が、画像形成用の塗布液の粘度よりも低い場合でも塗布性の面からは特に問題はない。粘度差が0.5Pa・sを越えた場合(表面保護層用塗布液の粘度が、画像形成用の塗布液の粘度よりも0.5Pa・s高い)は、界面における流速差が発生し、界面乱れや縮流現象が発生し塗布膜面が安定しなくなる場合がある。
本発明は、この最上層用の塗布液と画像形成用の塗布液塗布液の塗布幅規制プレート近傍での粘度差を0〜0.5Pa・sに保つ様、塗布幅規制プレートの温度制御を行うことで安定した塗布を可能としたスライド型コータに関するものである。
図2は図1の(b)のA−A′に沿った概略断面図を示す。
図中、107a〜107cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各スリット102a〜102cより幅方向に均一に押し出すために各スリット102a〜102cに設けられたポケット部を示す。108a〜108cは各供給管403a〜403cから送られてくる塗布液を各ポケット部107a〜107cに供給するための塗布液供給流路部を示す。109aは塗布幅規制プレート104aと、塗布幅規制プレート104bとの繋ぎ部分を示し、109bは塗布幅規制プレート104bと、塗布幅規制プレート104cとの繋ぎ部分を示す。繋ぎ部分109a(109b)には互いに温度が伝わらないようにシール材でシールされている。シール材としては、例えば、信越シリコーン(信越化学工業株式会社)が挙げられる。繋ぎ部分109a(109b)の幅は0.5〜2.0mmが好ましい。幅が0.5mm未満の場合は、隣接する塗布幅規制プレートの温度が伝わり温度制御が困難となる場合がある。幅が2.0mmを越えた場合は、繋ぎ部分の精度が劣化し、両端部の流れが乱れることにより、塗布性が劣化する場合がある。その他の符号は図1と同義である。
図3は図1の(b)のSで示される部分の拡大概略平面図である。図3の(a)は図1の(b)のSで示される部分の塗布幅規制プレートの温度制御の方法を示す拡大概略平面図である。図3の(b)は、塗布幅規制プレートの温度制御の方法を示す概略のブロック図である。
図中、9bは塗布幅規制プレート104bの温度制御用の電源を示し、9cは塗布幅規制プレート104cの温度制御用の電源を示す。図3の(b)に示した概略のブロック図に従って塗布幅規制プレートの温度制御の方法に付き説明する。
塗布幅規制プレート104aの場合、塗布幅規制プレート104aに設けられた温度計測手段104a1からの情報が制御部8のCPUに入力される。入力された情報は、予めメモリーに入力されている設定温度と比較演算処理される。設定温度より高い場合は、CPUを介して電源9aを切るか、又は電力量を下げる様にする。設定温度より低い場合は、CPUを介して電力量を上げる様にする。塗布幅規制プレート104aの温度の制御範囲は、他の塗布幅規制プレート104b(104c)の温度に対して2〜10℃高く制御されている。塗布幅規制プレート104aの温度が他の塗布幅規制プレート104b(104c)の温度に対して2℃未満の場合は、スリット102cから吐出した塗布液は塗布幅規制プレート104aに接する塗布液のスライド面を流下する速度が遅くなり、スライド面上で均一な流れが得られなくなる。これにより、スリット102cから吐出した塗布液の下側を流下し、スリット102cから吐出した塗布液よりも粘度が低いスリット102bから吐出した塗布液も影響を受け、スライド面の両側の塗布幅規制プレート近傍の流れが悪くなり均一の流れが得られなくなる。この結果、ビードが安定しなくなり均一な塗布が行うことが出来なくなるため好ましくない。
塗布幅規制プレート104aの温度が他の塗布幅規制プレート104b(104c)の温度に対して10℃を越えた場合は、塗布幅規制プレート104aにより塗布液が暖められ塗布幅規制プレートに接している部分の塗布液の粘度が下がり、塗布幅中央部と粘度差が生じ安定した塗布膜が得られなくなるため好ましくない。
塗布幅規制プレート104bの場合、塗布幅規制プレート104bに設けられた温度計測手段104b1からの情報が制御部8のCPUに入力される。入力された情報は、予めメモリーに入力されている設定温度と比較演算処理される。設定温度より高い場合は、CPUを介して電源9bを切るか、又は電力量を下げる様にする。設定温度より低い場合は、CPUを介して電力量を上げる様にする。
塗布幅規制プレート104cの場合、塗布幅規制プレート104cに設けられた温度計測手段104c1からの情報が制御部8のCPUに入力される。入力された情報は、予めメモリーに入力されている設定温度と比較演算処理される。設定温度より高い場合は、CPUを介して電源9cを切るか、又は電力量を下げる様にする。設定温度より低い場合は、CPUを介して電力量を上げる様にする。
この様にしてスライド面の両側に配設された本発明に係る塗布幅規制プレートの温度を制御することにより次の効果が得られる。
1)乾燥時の吹かれムラ対策のため、最上層用の塗布液(例えば、表面保護層用塗布液)の粘度が高粘度の場合でも、塗布幅規制プレートの近傍を流れる最上層用の塗布液の粘度が上がることなく、下側を流れる塗布液(例えば、画像形成層用塗布液)の塗布幅規制プレートの近傍を流れる粘度との差を一定に保つことが可能になり、スライド面上での塗布液の均一の流れを得ることが可能となり、この結果ビードが安定することで両端を含め安定した塗布が可能となった。
2)両端の塗布性が安定することで、両端部を切除する幅を狭くすることが可能となり生産効率を上げることが可能となった。
3)両端の塗布性が安定することで、塗布面の両端部分が厚膜となることがなくなり、乾燥不良、転写故障の発生がなくなり、品質性能が安定した塗布が可能となった。
本発明に係る塗布補助用塗布液のウエット付き量(塗布直後の膜厚)は1〜15μmが好ましい。ウエット付き量(塗布直後の膜厚)が1μm未満の場合は、塗布幅規制プレートのスライド面側の端面まで均一に供給されなくなる場合がある。ウエット付き量(塗布直後の膜厚)が15μmを越えた場合は、低粘度塗布液の流下速度と高粘度塗布液の流下速度のバランスが崩れ、塗布ムラの発生頻度が上がる場合がある。
本発明に係る低粘度塗布液に使用する溶媒としては、塗布液に使用している溶媒と同じ溶媒を使用することが好ましい。
本発明に掛かる塗布液は有機溶剤系の塗布液であれば特には限定は無いが、沸点が90℃以下の高揮発性を用い、粘度が100mPa・sec以上の高粘度である塗布液を使用する熱現像感光材料の場合に特に効果を発揮する。
これらの熱現像感光材料用の塗布液としては、例えば特開2000−198757、同2000−15173、同2001−201817、同2001−215652、同2001−109101等に記載されている塗布液が挙げられる。
以下に、本発明の効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法に従って、有機銀成分を含有した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を調製した。
〈感光層用塗布液〉
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
水900L中にイナートゼラチン7.5kg及び臭化カリウム10gを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74kgを含む水溶液370Lと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルを含む水溶液370Lを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシエタノール100gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。さらに、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
上記単分散度及び投影直径面積の変動係数は、下式により算出した。
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
投影直径面積の変動係数(%)=(投影直径面積の標準偏差)/(投影直径面積の平均値)×100
《ベヘン酸Na溶液の調製》
945Lの純水にベヘン酸32.4kg、アラキジン酸9.9kg、ステアリン酸5.6kgを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98Lを添加した。次に濃硝酸0.93Lを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(プレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1kg添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147Lを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。出来たベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、次に、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544kgとトルエン107kgを徐々に添加して混合した後に、メディア分散機により27.6MPaで分散させプレフォーム乳剤を調製した。
〈感光層用塗布液の調製〉
プレフォーム乳剤 240kg
増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7L
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3L
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7L
カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液) 1.2L
2−(4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液))
9.2L
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11L
トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17L
現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5L
Figure 2005329307
〈表面保護層用塗布液〉
《表面保護層用塗布液の調製》
メチルエチルケトン 52L
酢酸セルロース 2.3kg
メタノール 7L
フタラジン 250g
4−メチルフタル酸 180g
テトラクロロフタル酸 150g
テトラクロロフタル酸無水物 170g
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
70g
919−C64−SO3Na 10g
感光層塗布液及び表面保護層塗布液の調製量は上記の調製量を1単位とし、塗布量に応じて調製を実施した。
〈塗布補助用塗布液〉
《塗布補助用塗布液の調製》
ポリビニルブチラール(平均分子量3000)をバインダーとして使用し、メチルエチルケトンの量を必要に応じて変更して溶解して調製した。
〈スライド型コータの準備〉
図1に示されるスライド型コータを準備した。
〈塗布・乾燥・搬送〉
上記、調製した感光層用塗布液、表面保護層用塗布液及び最下層用塗布液を、厚さ175μm、幅1000mmの帯状支持体(PETを使用)500mを使用し、準備したスライド型コータを使用し、最上層用の塗布液である表面保護層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度を、感光層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度に対して表1に示すに変化し、図1に示す塗布装置により、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布速度を30m/分、塗布幅960mm、最下層に塗布補助用塗布液を付き量5g/m2(ウエット付き量)、中間層に感光層用塗布液を付き量75g/m2(ウエット付き量)、上層に保護層用塗布液を25g/m2(ウエット付き量)となるように塗布を行い、乾燥終了後に巻き取り熱現像感光材料を作製し試料101〜107とした。
感光層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度は23℃、感光層用塗布液の粘度は0.5Pa・s、表面保護層用塗布液の粘度は2.0Pa・s及び最下層用塗布液の粘度は0.02Pa・sであった。粘度は、B型粘度計で測定した値を示す。
(評価)
作製した試料101〜107の両端部の塗布面の状態を目視で観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
両端部の塗布面の状態の評価ランク
○:両端部の塗布面の乱れが認められない
△:両端部から内側1.5mmの範囲まで塗布面の乱れが認められる
×:両端部から内側1.5mmを越える範囲まで塗布面の乱れが認められる
Figure 2005329307
本発明の有効性が確認された。
実施例2
実施例1の試料103を作製するとき、表面保護層用塗布液の粘度及び表面保護層用塗布液の粘度に合わせて、表面保護層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度を、感光層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度に対して表2に示す様に変えた他は全て同じ条件で塗布を行い、乾燥終了後に巻き取り熱現像感光材料を作製し試料201〜206とした。
(評価)
作製した試料201〜206の両端部の塗布面の状態を目視で観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。表中の表面保護層用塗布液用の塗布幅規制プレートの温度は、感光層用塗布液のスリットの両端に設けた塗布幅規制プレートの温度に対する温度差を示す。
Figure 2005329307
本発明の有効性が確認された。
スライド型コータを使用しビードを形成し塗布するスライド塗布方式の概略図である。 図1の(b)のA−A′に沿った概略断面図を示す。 図1の(b)のSで示される部分の拡大概略平面図である。
符号の説明
1 スライド型コータ
101a〜101d バー
102a〜102c スリット
103、103a〜103c スライド面
104、104a〜104c 塗布幅規制プレート
104a1〜104c1 温度計測手段
109a、109b 繋ぎ部分
8 制御部
9a〜9c 電源

Claims (5)

  1. 連続走行する帯状支持体上に、少なくとも揮発性溶媒を含有する2種類の塗布液を同時に塗布する同時重層用スライド型コータにおいて、
    最下部に配設された塗布補助用塗布液を吐出するスリットを含む少なくとも2つのスリットと、
    該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3本のバーと、
    該バーを組み付ける一対の側板と、
    該スライド面の両端に前記スリット毎に配設された複数の塗布幅規制プレートとを有し、
    最上層用の塗布液を吐出するスリットに位置する前記塗布幅規制プレートの温度が、他の層用の塗布液を吐出するスリットに位置する前記塗布幅規制プレートの温度に対して2〜10℃高いことを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
  2. 前記塗布幅規制プレートは温度制御手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の同時重層用スライド型コータ。
  3. 前記塗布補助用塗布液は、最下部のスリットから吐出され、隣接する塗布液と同一溶媒を使用し、0.5〜50mPa・sの粘度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の同時重層用スライド型コータ。
  4. 前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
  5. 前記揮発性溶媒を含有した塗布液が熱現像感光材料用塗布液であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
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