JP2002011402A - エクストルージョン型ダイヘッド、塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

エクストルージョン型ダイヘッド、塗布装置及び塗布方法

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JP2002011402A
JP2002011402A JP2000198443A JP2000198443A JP2002011402A JP 2002011402 A JP2002011402 A JP 2002011402A JP 2000198443 A JP2000198443 A JP 2000198443A JP 2000198443 A JP2000198443 A JP 2000198443A JP 2002011402 A JP2002011402 A JP 2002011402A
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die head
support
distance
width direction
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Kiyoshi Akagi
清 赤木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、幅方向の塗膜厚み分布の均
一性を向上させたバックアップロールで保持された支持
体に塗布するエクストルージョン型ダイヘッド、塗布装
置及びそれを用いた塗布方法を提供することにある。 【解決手段】 バックアップロールで保持され連続搬送
されている支持体に塗布液を塗布するエクストルージョ
ン型ダイヘッドにおいて、塗布液吐出用スリットを構成
する各ブロックのエッジ頂点部から反対側の底面部に至
る距離のバラツキの巾(ΔA)が支持体に対し幅手方向
(横方向)で10μm未満であり、ダイヘッドのリップ
形成部から反対側の底面部に至る距離が縦方向で最大値
をとり、かつ該距離のバラツキの巾(ΔB)が幅手方向
で10μm未満であることを特徴とするエクストルージ
ョン型ダイヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックアップロー
ルで保持され連続搬送されている支持体に塗布液を塗布
するためのエクストルージョン型ダイヘッドとそれを用
いた塗布装置及び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真感光材料、磁気記録媒体の両
方に使用出来る塗布装置に使用している方式としては押
し出し塗布方式が塗布時の塗布液の蒸発による変動が少
ない事及び機械的な精度が必要とされるが、膜厚分布、
塗布安定性に優れている事から使用されている。一般に
塗布装置は、被塗布体(以下支持体とも言う)に均一に
塗布するため、塗布液を供給する所謂ダイヘッドと連続
走行する支持体表面を均一に保持させるためのバックア
ップロールとから構成されている。
【0003】従来より、連続走行する帯状支持体に塗布
液を塗布する方法として、ディップコート法、ブレード
コート法、エアーナイフコート法、ワイヤーブロックコ
ート法、グラビアコート法、リブロックスコート法、リ
ブロックスロールコート法、エクストルージョンコート
法、スライドコート法、カーテンコート法、およびバッ
クアップロール等で保持していない支持体へのエクスト
ルージョンコート法が知られている。そして、これらの
塗布方法において、支持体の幅方向で均一な乾燥膜厚を
得るため、塗布装置の寸法精度等に特別な配慮が払われ
注意深く塗布が行われている。
【0004】上記塗布方法において、エクストルージョ
ンコート法は、膜厚均一性や塗膜面の平滑性の上で精度
の高い塗布方式として広く用いられている。エクストル
ージョンコート法とは、ダイヘッドのスリット先端よ
り、塗布液を押出し連続走行する支持体に対してビード
を形成させつつ塗布する方法で、エクストルージョンコ
ート法のダイヘッドは2枚以上のブロックを組合せ、塗
布液を供給する供給口と、供給された塗布液を幅手方向
に留めるためのマニホールドと言われる部分と、該マニ
ホールドより塗布液を幅手方向に均一に吐出するための
スリットを有しており、前記ブロックの組み合わせ枚数
により単層から多層塗布が可能となる塗布方式である。
エクストルージョンコート法用の塗布装置は、高精度ゆ
えに装置の寸法精度、組み立て精度にも細心の注意を払
って構成する必要がある。特に、塗布液を吐出するため
のダイのリップ先端部と被塗布物である支持体間の距離
については高精度の設定が要求され、その距離が所望の
サイズより大きすぎると塗布が不可能になったり、塗膜
面に縦スジが現れたりし、また小さすぎるとダイから供
給される塗布液の全量が塗布されずに流れ落ち規定膜厚
が得られないという問題点が生ずる。
【0005】上記のようなエクストルージョン型ダイヘ
ッドを用いて塗布するエクストルージョンコート法に関
しては、特開昭56−95363号、同50−1426
43号各公報に開示されている単層での塗布方法、およ
び特開昭45−12390号、同46−236号に開示
されている重層塗布方式に関するものなど、塗布方式お
よび塗布装置に関し多くの技術が開示されている。これ
らの塗布方法は、主にバックアップロールで保持された
支持体に対して、エクストルージョン型ダイヘッドを通
常1mm以下のクリアランスに保ちながら塗布する方法
である。また、幅方向の塗膜厚み分布を均一化させる塗
布装置、塗布方法に関しては従来からさまざまな技術が
知られている。たとえば、特開平8−266979に代
表されるようなダイヘッドの設計に関する技術がある。
これは、ダイヘッドのスリット間隙の幅方向における真
直度を規定している。従来から、押出塗布のような前計
量型の塗布方式においては、幅方向の塗膜厚み分布はダ
イヘッドからの吐出流量分布が支配的であることがわか
っている。このため、ダイヘッドの設計に関しては上記
のようなスリット間隙を幅方向で均一とする技術や、ス
リット間隙が塗布液液圧等の影響で歪を生じる場合に
は、これを防止、矯正する技術が知られている。
【0006】しかしながら、上述のようにダイヘッドの
設計を十分に検討し、ダイヘッドを製作した場合や、ス
リット間隙の歪を防止、矯正した場合においても、塗布
条件の変化などにより幅方向の塗膜厚みに分布を生じる
場合がある。つまりこれら技術は、必要条件であって、
必ずしも十分条件とは言えない。
【0007】たとえば、支持体種類、塗布液種類、塗布
液温度、塗布の際の雰囲気温度などのわずかな条件変化
でも、幅手方向の塗膜厚みの分布に変化を生じる恐れが
ある。ダイヘッドやバックアップロールの温度分布はス
リット間隙やエッジと支持体との距離の歪原因となり、
塗膜厚み分布を生じる要因となる。これを防止するため
の手段としては、ダイヘッドやバックアップロールへ温
度を均一に保持するために一定温度の温水などを流通さ
せる方法が知られている。しかし、一定温度にするため
にダイヘッドやバックアップロールに温水を流通させる
方法は、温水を流通させるための配管、送液設備、温水
温度を一定に保つための調温装置などが必要となり、設
置スペース、投資費用、手間の面から極めて不利であ
る。
【0008】また、ダイヘッドのエッジと支持体との距
離を幅手方向で一定に保つために、特開平10−328
600号等で開示されているように、バックアップロー
ルの撓みにあわせてダイヘッドエッジが沿うようにダイ
ヘッドをその背面から押す方法なども知られている。し
かしながら、この様な方法では、その撓み量の測定手段
として高精度な測定装置が別途必要となり、煩雑かつ費
用の面での不利である。また、検知した微小な撓み情報
をもとに、ダイヘッドを変位させる装置もまた高い精度
が要求されてくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、幅方
向の塗膜膜厚分布の均一性を向上させたエクストルージ
ョン型ダイヘッド、ダイヘッドとその設置架台からなる
塗布装置及びエクストルージョン型ダイヘッドを用いた
塗布方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0011】1.バックアップロールで保持され連続搬
送されている支持体に塗布液を塗布するエクストルージ
ョン型ダイヘッドにおいて、塗布液吐出用スリットを構
成する複数のブロックのエッジ頂点部から反対側の底面
部に至る距離のバラツキの巾(ΔA)が支持体に対し幅
手方向(横方向)で10μm未満であり、ダイヘッドの
リップ形成部から反対側の底面部に至る距離が縦方向で
最大値をとり、かつ該距離のバラツキの巾(ΔB)が幅
手方向で10μm未満であることを特徴とするエクスト
ルージョン型ダイヘッド。
【0012】2.バックアップロールで保持され連続搬
送されている支持体に塗布液を塗布するエクストルージ
ョン型ダイヘッドとその支持架台からなる塗布装置にお
いて、エクストルージョン型ダイヘッドを設置する架台
のダイヘッド設置面の高さバラツキの巾が10μm未満
であることを特徴とする塗布装置。
【0013】3.バックアップロールで保持され連続搬
送されている支持体にエクストルージョン型ダイヘッド
を用いた塗布液の塗布方法において、エクストルージョ
ン型ダイヘッドの幅手方向の塗膜膜厚を計測し、この計
測情報をフィードバックして、エクストルージョン型ダ
イヘッドのエッジ部と支持体との距離を制御することを
特徴とする塗布方法。
【0014】4.バックアップロールで保持され連続搬
送されている支持体にエクストルージョン型ダイヘッド
を用いた塗布液の塗布方法において、エクストルージョ
ン型ダイヘッド内部の幅手方向に少なくとも1つの貫通
穴を設け、この貫通穴に塗布液を流通させた後、マニホ
ールドへ送液し、塗布することを特徴とする塗布方法。
【0015】以下に、本発明の詳細について説明する。
請求項1に係る発明では、エクストルージョン型ダイヘ
ッド(以降、単にダイヘッドともいう)が、塗布液吐出
用スリットを構成する複数のブロックのエッジ頂点部か
ら反対側の底面部に至る距離のバラツキの巾(ΔA)が
支持体に対し幅手方向(横方向)で10μm未満であ
り、ダイヘッドのリップ形成部から反対側の底面部に至
る距離が縦方向で最大値をとり、かつ該距離のバラツキ
の巾(ΔB)が幅手方向で10μm未満であることが特
徴である。
【0016】本発明でいう複数のブロックのエッジ頂点
部から反対側の底面部に至る距離のバラツキの巾(Δ
A)が支持体に対し幅手方向で10μm未満とは、複数
のブロックからなるダイヘッドの支持体に対して幅手方
向、すなわちダイヘッドの横方向において、後述する図
6で示す底面部Tとエッジ頂点部Eとの距離を距離Aと
定義し、それを幅手方向に多点に渡り計測し、その距離
Aの最大値をAmax、最小値をAminとしたときの
距離差(Amax−Amin)をバラツキの巾ΔAと定
義し、その値が10μm未満であることを意味する。ま
た、本発明でいうダイヘッドの底面部とリップ形成部と
の距離が縦方向で最大値をとり、かつ該距離のバラツキ
の巾(ΔB)が幅手方向で10μm未満とは、図6に示
す底面部Tとリップ形成部Pとの距離を距離Bと定義し
たときに、その値がダイヘッドの支持体に対し直角方
向、すなわちダイヘッドの縦方向において最大値をとる
ことを意味する。更に、距離B(P−T)をダイヘッド
の幅手方向に渡り多点計測し、その距離Bの最大値をB
max、最小値をBminとしたときの距離差(Bma
x−Bmin)をバラツキの巾ΔBと定義し、その値が
10μm未満であることを意味する。
【0017】また、請求項2に係る発明では、エクスト
ルージョン型ダイヘッドを設置する架台のダイヘッド設
置面の高さのバラツキの巾ΔCが10μm未満であるこ
とが特徴である。これは、図8で示すダイヘッド設置部
5cの厚みCを多点に渡り計測し、その厚みCの最大値
をCmax、最小値をCminとしたときの厚み差(C
max−Cmin)をバラツキの巾ΔCと定義し、その
値が10μm未満であることを意味する。
【0018】本発明は、エッジ頂点部からダイヘッド底
面部に至る距離A、リップ形成部からダイヘッド底面部
に至る距離Bおよびダイヘッド設置面の高さCを幅方向
で特定のバラツキの範囲内に規定することで、エッジと
支持体との幅手方向での距離のバラツキを極限まで押さ
えることができる。これの結果、初期状態で変動がない
場合には、幅手方向で均一な塗膜厚み分布を実現するこ
とができる。
【0019】また、請求項3に係る塗布方法において
は、ダイヘッドを用いた塗布における幅手方向での塗膜
膜厚を計測し、この計測情報をダイヘッドにフィードバ
ックして、ダイヘッドのエッジ部と支持体との距離を適
宜制御することが特徴である。
【0020】本発明の塗布方法の採用により、さまざま
な塗布条件の変化等で塗膜厚み分布が不均一になった場
合にも、迅速にエッジ部と支持体との距離を幅方向で変
更することで膜厚の偏差の修正が可能となる。エッジ部
と支持体の距離差が幅方向で存在する場合、支持体両端
の距離バランスを最適に制御、修正することにより、幅
手方向における塗膜厚み分布の不均一を解消することが
できる。しかも、品質管理上必須である幅手方向におけ
る塗膜厚み分布情報を用いて、ダイヘッドのエッジ部と
支持体との距離を塗布端で設定するだけでよく、その他
の付属装置、測定手段などは一切不要であり、費用、手
間の面から非常に有利である。
【0021】請求項4に係る発明では、エクストルージ
ョン型ダイヘッド内部の幅手方向に少なくとも1つの貫
通穴を設け、この貫通穴に塗布液を流通させた後、マニ
ホールドへ送液し、塗布することが特徴である。ダイヘ
ッド内部に、後で詳細に説明する図9で示すような貫通
穴を設け、塗布液を事前に貫通穴に介して流通させてか
ら、マニホールドへ供給することにより、塗布液温度と
ダイヘッドとの温度が均一になり、さらにダイヘッドの
幅手方向での温度分布も解消される。この結果、温度分
布が原因で生じる幅手におけるスリット間隙の変化や、
エッジ部と支持体との距離の変化を抑えることができ
る。また、特別に温水などを使用しないため、手間、費
用ともに有利なエクストルージョン型ダイヘッドを用い
た塗布方法を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の態様について図
を用いて説明する。
【0023】図1は、本発明における塗布方式の全体概
要の一例を示す概略図である。1は支持体繰り出し部、
9は支持体巻取り部である。2および8は、スプライス
装置を表している。スプライス装置2、8は、塗布に際
し支持体の連続搬送を停止させることなく、支持体の交
換が可能な装置である。このスプライス装置2、8の使
用に伴い、支持体の交換時に搬送速度を変更させない機
構として、アキュムレータ3、7を装備している。アキ
ュムレータ3、7は、交互に配置されたロールが、図中
の破線で示した矢印方向に移動可能な機構を有してお
り、スプライスする前後のタイミングで搬送速度を変化
させないように移動するよう制御されている。なお、本
発明において、スプライスは支持体の片面にテープを貼
り支持体を接合させてもよいが、支持体のつなぎ目をつ
き合わせ、両面をテープで貼り合わせる方式が好まし
い。4は、バックアップロールを表す。バックアップロ
ール4は、それ自身が駆動しなくてもかまわないが、搬
送速度と同期して駆動することが好ましい。また、バッ
クアップロール4の直前、直後のガイドロール10、1
1もそれ自身が駆動しなくてもよいが、搬送速度と同期
して駆動することが好ましい。12は除電装置を、13
は支持体清掃装置を表している。除電装置12により、
塗布直前の支持体の帯電を取り除く。また、支持体清掃
装置13により、塗布直前の支持体に付着しているゴ
ミ、ホコリ等を取り除く。14は支持体の巻ごとのスプ
ライス処理により生じる接合部を検出する手段である。
この接合部検出手段14がつなぎ目を検知し、エクスト
ルージョン型ダイヘッド5の駆動手段に信号を送り、接
合部が塗布部を通過するときに、エクストルージョン型
ダイヘッド5を自動的に後退させる。つなぎ目部分が通
過した後は、手動でエクストルージョン型ダイヘッド5
を前進させてもよいが、自動前進させる方がより好まし
い。また、16は廃液ポンプを表している。廃液ポンプ
16は、塗布中は稼動させないが、塗布待機中や塗布準
備作業中に、例えば、塗布装置の下部に設けられている
液受けチャンブロック等に流入する不要の塗布液を排出
するために稼動させる。廃液ポンプ16は、塗布液が低
粘度の場合には必要ないが、高粘度の場合には、減圧チ
ャンブロックに流入した塗布液のオーブロックフローを
防止するために必須となる。5は、エクストルージョン
型ダイヘッドおよびこれを設置するための架台からなる
塗布装置を表す。6は、ウェット状態にある塗膜を乾燥
させるためのドライヤーである。15および15′は幅
方向の塗膜厚み分布を計測する膜厚測定装置である。本
発明において塗設物の塗膜厚みを測定する手段として
は、用いる塗設物の特性により一概には言えないが、例
えば、可視光あるいは赤外光を光源として透過濃度ある
いは反射濃度を測定する手段、支持体の上下部に設置し
たセンサーによる電気的信号を測定する手段等、適宜選
択して用いることができる。これらの塗膜厚み分布の計
測手段は、塗膜がウェット状態で測定可能な場合にはド
ライヤーの前(15)に位置し、ドライ状態でのみ測定
可能な場合にはドライヤーの後(15′)に位置する。
【0024】図2に、本発明のエクストルージョン型ダ
イヘッド5及びバックアップロールで構成されている塗
布部の上面図を示す。図2は、図1で示す矢印方向(上
部)から見た塗布部の上面図である。5aはサイドプレ
ート、5eはパッキング、5dはダイヘッドを表す。ダ
イヘッドは、マニホールドが貫通していないものもある
が、本発明におけるダイヘッドはマニホールドがダイヘ
ッド全幅に渡り貫通していることが好ましく、この際に
塗布液の漏れを防止する目的でパッキング5eおよびサ
イドプレート5aを装備することが好ましい。5bは、
ダイヘッド設置架台を表している。また、5cはダイヘ
ッド設置部を表している。ダイヘッド設置部5cは、ダ
イヘッド全幅にわたっていてもよいが、本発明において
は、部分的に2箇所又は3箇所に分割して設置すること
がより好ましい。また、17は、ダイヘッドエッジと支
持体との距離測定装置である。この距離測定装置17に
は、どのような方式のものを用いてもよいが、一般的に
は接触式の測距計を用いる。ダイヘッドを前進させて測
距計の測定端子を押し込ませることでダイヘッドのエッ
ジ部と支持体との距離を測定するものである。ダイヘッ
ド設置架台5bは、エアシリンダーにより前後動し、位
置決めストッパーで決められた位置まで前進した後、停
止する機構となっている。この位置決めストッパーは、
ダイヘッド設置架台5bの左右端で適宜設置が可能であ
る。したがって、ダイヘッドのエッジ部と支持体との距
離は、左右端それぞれ独立して設定することが可能とな
る。
【0025】本発明のエクストルージョン型ダイヘッド
5は、2つ以上のブロックを組み合わせからなってお
り、塗布液を幅手方向に溜めるためのマニホールドと、
幅手方向に均一に塗布液を吐出させるためのスリットを
有している。図3は、側面から見たダイヘッドの断面図
を表している。Aは塗布液供給口、Bはマニホールド、
Cはスリット部である。塗布液供給口Aは、幅方向で複
数箇所あっても良いが、本発明では幅手方向の中央部に
1つあることが好ましい。マニホールドBは、ダイヘッ
ドの幅手方向に貫通していても、していなくてもよい
が、本発明においては貫通していることが好ましい。
【0026】図4は、ダイヘッドを上面から見た断面図
を表している。図中のスリット部Cは幅手方向で均一な
間隙を有しており、塗布製品によりそのスリット幅を規
制することが一般的である。このため、スリット部Cに
その間隙と同じ厚みのシートDを挿入して、塗布幅を規
制する。このシートDの材質は、塗布液に含まれる溶剤
等に影響を受けなければ特に制限はないが、好ましくは
ポリエチレンテレフタレートを使用することである。ま
た、パッキング5e、サイドプレート5aにはマニホー
ルドBから連続して貫通部を設けることが好ましい。こ
れにより、マニホールド内に存在する気泡を追い出すこ
とができる。この貫通部は、塗布中には閉鎖されてい
る。塗布時は、塗布液供給口Aより塗布液を流入させ、
マニホールドBに溜めた後、スリット部Cより塗布液を
流出させ、次いでダイヘッドを前進させて塗布を行う。
また、塗布に際しては、事前にダイヘッドのエッジ部あ
るいはバックアップロール4を清掃しておくことが好ま
しい。これら清掃作業により塗布故障発生率を激減させ
ることができる。
【0027】図3および図4は、単層塗布で用いるダイ
ヘッドの一例を示しているが、2層以上の重層塗布で用
いる場合には、塗布液供給口A、マニホールドB、スリ
ット部Cなどが、構成される層数に応じてそれぞれ存在
する。図5に、2層以上の重層塗布で用いるダイヘッド
の一例を示す。重層塗布を行う場合の各塗布液の送液順
序としては、特に制限はないが、下層用塗布液に上層塗
布液が混入することを防ぐ観点からは、下層用塗布液を
先の供給し、その後上部に位置する塗布液を供給するこ
とが好ましい。
【0028】また、本発明のようなエクストルージョン
型ダイヘッドを用いた押出塗布方式では、流量規制とし
てはダイヘッド前で流量を制御する、いわゆる前計量方
式の塗布であり、ダイヘッドから流出した塗布液がその
まま塗膜を形成することになる。したがって、ラインス
ピード、塗布膜厚、塗布幅などにより、塗布液の送液流
量が決定される。塗布中は、設定された塗布流量で塗布
液をダイヘッドに供給しているが、なんらかの理由で塗
布を中断し、ダイヘッドを後退させ待機させる場合に
は、規定の流量より少ない流量で塗布液を送液させるこ
とが好ましい。送液も停止してしまうとダイヘッドのエ
ッジ部が乾燥したり、あるいはダイヘッド内で塗布液が
固化し、塗布を再開する際に塗布故障を誘発する原因と
なる。これにより、塗布故障発生率を激減させながら塗
布液のロスを削減することが可能である。
【0029】図6に、エクストルージョン型ダイヘッド
を構成するブロックの断面図を示す。本発明でいうブロ
ックの底面とは、図中で示す面T部をいう。また、エッ
ジ部とは面Eの部分である。エッジ頂点部Eは、底面部
Tと平行な場合や底面部Tと平行でなくある角度を有す
る形状のものもある。また、本発明でいうリップ形成部
とは、図中の点Pをさし、ビード部ともいう。図7は、
塗布中におけるダイヘッドのエッジ部近傍を示す概略図
であり、図7における点Pが、リップ形成部である。
【0030】本発明でいうエッジ頂点部から底面部に至
る距離とは、図6で示すようにブロックを平らな面に設
置したときのエッジ頂点部Eと底面部Tの間の距離を意
味する。各ブロックにおいて、前述のようにエッジ頂点
部Eから底面部に至る距離のバラツキの巾ΔA(Ama
x−Amin)が幅手方向で10μm未満となるように
加工製作することが本発明の特徴の一つである。また、
リップ形成部Pからダイヘッド底面部Tに至る距離が縦
方向において最大値をとるように各ブロックを設計する
ことにより、膜厚均一性の高い塗設物を得ることができ
る。
【0031】各ブロックを組み付けてダイヘッドを構成
した際のリップ形成部Pから底面部Tに至る距離とは、
ダイヘッドを平らな面に設置したときの底面部Tからの
リップ形成部Pの高さをいう。このリップ形成部Pから
底面部Tに至る距離のバラツキの巾ΔB(Bmax−B
min)が幅手方向で10μm未満となるように加工製
作することが本発明の特徴の一つである。
【0032】図8に、ダイヘッド架台およびダイヘッド
設置部を示す。ダイヘッド設置部5cにおいて、ダイヘ
ッド設置面の高さとは、図中の矢印の距離である。この
距離のバラツキの巾ΔC(Cmax−Cmin)を幅手
方向で10μm未満となるように加工作製することが本
発明の特徴の一つである。このようなダイヘッド架台を
用いることにより幅方向の膜厚分布を均一にできた。
【0033】各製品の塗布を行う際のダイヘッドのエッ
ジ部と支持体との距離は、その要求される塗布膜厚によ
り自ずと決定される。塗布の初期状態では、幅手方向に
おける均一なダイヘッドのエッジ部と支持体との距離が
設定される。この値を、αμmとする。本発明では、こ
のダイヘッドのエッジ部と支持体との距離をエッジ間隙
と呼ぶ。本発明においては、図1の膜厚測定装置15、
15′から塗設物の膜厚情報を得て、この情報を基にし
て、エッジ間隙を調整することが特徴である。具体的に
は、膜厚測定の結果、膜厚分布が幅手でβ%変化した場
合、+β%厚膜側のエッジ間隙がαμm以上である場合
は、こちら側のエッジ間隙をα×2×β/100だけ狭
める。逆に、+β%厚膜側のエッジ間隙がαより小さい
場合は、逆側のエッジ間隙をα×2×β/100だけ広
げる操作をダイヘッドに施す。このエッジ間隙の制御
は、塗布中常時膜厚を測定し、修正を行うことが好まし
い。
【0034】この塗布方法を用いることにより、従来の
膜厚制御手段に比較し、より簡便でかつ迅速に幅手方向
の膜厚分布を修正することができ、その結果、幅手方向
で極めて均一な塗膜を得ることができた。
【0035】図9には、本発明の貫通穴を設けたダイヘ
ッドの斜視図を示す。塗布液は、矢印の経路を経て、エ
クストルージョン型ダイヘッド5の両側に設けた貫通穴
入口19に送液され、ダイヘッド内部を一度通過してた
後、中央部を抜けて、同じくダイヘッド中央部にある供
給口を経てマニホールドに送液される。上記構造を有す
るダイヘッドを用いた塗布を行うことにより、直接塗布
液を供給口に供給する場合に比較し、ダイヘッドと塗布
液の温度差が補正され、その結果幅手方向での膜厚分布
を向上することができる。
【0036】本発明では、塗布構成層は少なくとも1層
であればよいが、必要に応じ、2層以上からなる塗布構
成層を同時に塗布する方法に適用しても良く、本発明に
おいては塗布構成層の数に規定されるものではない。ま
た、本発明のエクストルージョン型ダイヘッドを用いた
塗布方法においては、一部の塗布構成層が事前に塗布さ
れた支持体への塗布にも適用することができる。
【0037】本発明で用いられる支持体としては、種類
に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シート
等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコ
ート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフ
ィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ
エステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィル
ム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケト
ンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルロ
ーストリアセテート等)等が挙げられる。また、金属シ
ートではアルミニウム板が代表的である。また、用いる
支持体の厚さについても、特に制限はない。
【0038】本発明で用いることのできる塗布液として
は、特に制限はなく、例えば磁気記録媒体用磁性塗布
液、一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料用塗布液、
感熱材料用塗布液、熱現像感光材料用塗布液、あるいは
高分子材料を有機溶媒、水等に溶解した液、顔料分散
液、コロイド状分散液等を挙げることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定される
ものではない。
【0040】実施例1 《熱現像感光材料の作製》以下に示す方法に従って、熱
現像感光材料を作製した。
【0041】(下引済み支持体の作製)市販の2軸延伸
熱固定済みの支持体幅2200mm、厚さ100μmポ
リエチレンテレフタレート(以降、単にPETと略す)
フィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施
し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8
μmになるように塗設、乾燥させて下引層A−1とし、
また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.
8μmになるように塗設し、乾燥させて下引層B−1と
した。
【0042】 〈下引塗布液a−1〉 ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%) 、スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0043】 〈下引塗布液b−1〉 ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、グリシジル アクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0044】引き続き、下引層A−1及び下引層B−1
の上表面に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引
層A−1の上には、下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚
0.1μmになる様に塗設して下引層A−2として、ま
た下引層B−1の上には下引上層塗布液b−2を乾燥膜
厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引層B−
2として塗設し、下引済み支持体を作製した。
【0045】 〈下引上層塗布液a−2〉 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0046】 〈下引上層塗布液b−2〉 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0047】
【化1】
【0048】
【化2】
【0049】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。
【0050】《感光性乳剤の調製》 (ハロゲン化銀乳剤の調製)水900ml中にイナート
ゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して
温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74g
を含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化
カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び〔Ir(N
O)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩
化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-4モルを、pA
g7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法
で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaO
HでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μ
m、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、
〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。
この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩
処理後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を
得た。ついで、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸
及び無機硫黄で化学増感を施した。
【0051】上記単分散度及び投影直径面積の変動係数
は、下式により算出した。 単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×1
00 投影直径面積の変動係数=(投影直径面積の標準偏差)
/(投影直径面積の平均値)×100 (ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの純水にベヘン
酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸
5.6gを90℃で溶解した。次に、高速で攪拌しなが
ら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを
添加した。次いで、濃硝酸0.93mlを加えた後、5
5℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を調
製した。
【0052】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀のプレフォー
ム乳剤の調製)上記のベヘン酸Na溶液に、前記ハロゲ
ン化銀乳剤15.1gを添加し、水酸化ナトリウム溶液
でpH8.1に調整した後、1モル/Lの硝酸銀溶液1
47mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し、限
外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀
は、平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子で
あった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更
に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させて、プレフ
ォーム乳剤を調製した。
【0053】(感光性乳剤の調製)上記作製したプレフ
ォーム乳剤に、ポリビニルブチラール(平均分子量30
00)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544
gとトルエン107gを徐々に添加して混合した後、メ
ディア分散機により27.6MPaで分散させた。
【0054】《塗布液の調製及び塗布》支持体上に以下
の各層を順次形成し、熱現像感光材料を作製した。尚、
乾燥は各々60℃,15分間で行った。
【0055】(バック面側塗布)下記組成のバック面側
塗布液を、前記作製した支持体の下引層B−2上に、公
知のコータヘッドを用いて、乾燥膜厚が3.5μmとな
るように塗布を行った。
【0056】 〈バック面側塗布液〉 酢酸セルロース(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料−B 7mg/m2 染料−C 7mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ10μm単分散シリカ 30mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m2
【0057】
【化3】
【0058】(感光層面側塗布及び熱現像感光材料の作
製)以下組成の感光層塗布液及び表面保護層塗布液を後
述する塗布方法にて塗布を行い、熱現像感光材料を作製
した。
【0059】 〈感光層塗布液の調製〉 プレフォーム乳剤 240g 増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml カブリ防止剤−2(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml 現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5ml
【0060】
【化4】
【0061】 〈表面保護層塗布液の調製〉 アセトン 35ml/m2 メチルエチルケトン 17ml/m2 酢酸セルロース 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 4−メチルフタル酸 180mg/m2 テトラクロロフタル酸 150mg/m2 テトラクロロフタル酸無水物 170mg/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 70mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m2 〈感光面側の塗布〉バック層を塗布済みの幅2200m
mPET支持体の下引層A−2上に、上記調製した感光
層塗布液及び表面保護層塗布液を、下記に示す塗布方法
1〜5で同時重層塗布を行い、熱現像感光材料である試
料1〜5を作製した。
【0062】なお、感光層塗布液は、塗布銀量として
2.1g/m2となる条件で、また表面保護層塗布液
は、乾燥膜厚が2.5μmとなる条件で塗布を行った。
【0063】〈塗布方法〉図1に示す塗布方式により、
図5で示す構造を有する3本のブロックからなる塗布幅
2000mmのエクストルージョン型ダイヘッド1台
を、支持体幅手両端部より100mmの位置に設置し、
図6、図7におけるダイヘッドの底面部Tからエッジ頂
点部Eとの距離のバラツキの巾(ΔA)、リップ形成部
Pとダイヘッド底面部Tとの距離(P−T)及びダイヘ
ッド底面部Tとリップ形成部Pとの距離のバラツキの巾
(ΔB)を表1に示すような構造的特徴を有するダイヘ
ッドにより、2000mの塗布を行い、熱現像感光材料
1〜10を作製した。だたし、図1における膜厚測定装
置15、15′は用いなかった。また、上記バラツキの
巾ΔAは、ダイヘッドの2000mm全幅における任意
の100点でE点とT点の距離Aを測定し、その中にお
ける最大値(Amax)から最小値(Amin)を減じ
た値をΔAとした。また、バラツキの巾ΔBは、ダイヘ
ッドの2000mm全幅において、任意に選んだ100
点について、P点とT点の距離Bを測定し、その中での
最大値(Bmax)から最小値(Bmin)を減じた値
をΔBとした。また、塗布方法番号1、2におけるP点
とT点の距離は、ダイヘッドの支持体に対し直角方向で
最大距離ではなく、塗布方式3〜10は、すべてP点と
T点の距離が直角方向で最大値となるように設計し、組
み立てた。また、塗布温度は、40℃で行った。
【0064】《塗布済み試料の評価》以上の様にして作
製した熱現像感光材料1〜10について、以下に示す方
法で塗膜の塗布膜厚分布の評価を行った。
【0065】(塗布膜厚分布の測定)各試料の塗布10
00mの位置において、塗布全幅から任意に100点の
試料をサンプリングし、その小片をメタクリル樹脂で包
埋し、その断面をダイアモンドカッターで厚さ約50μ
mの薄片として切り出し、それを電子顕微鏡にて撮影
し、塗布層の膜厚を実測し、各測定値の標準偏差(%)
を、それぞれの試料の膜厚バラツキとして評価した。以
上の様にして得られた結果を、表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1より明らかなように、本発明に係る各
特性値を有するエクストルージョン型ダイヘッドを用い
て作製した試料3〜10は、比較の塗布方法に対し塗布
幅手におけるバラツキが極めて小さいことが判る。
【0068】実施例2 実施例1記載の塗布方法1において、図8で示すダイヘ
ッド設置部5cにおけるダイヘッド設置面の高さ(図
中、矢印で表示)のバラツキの巾(ΔC)を表2記載の
条件に変更した以外は同様にして、2000mの塗布を
行い、熱現像感光材料11〜14を作製した。なお、ダ
イヘッド設置部5cは、ダイヘッド全幅に対し、左右及
び中央部の3箇所に設けた。得られた各熱現像感光材料
について、実施例1と同様の方法で塗布膜厚分布の評価
を行い、その結果を表2に示す。なお、ΔCは、3箇所
のダイヘッド設置部5cから任意に100点の厚みを測
定し、測定値の最大値(Cmax)と最小値(Cmi
n)の厚み差をバラツキの巾ΔCとした。
【0069】
【表2】
【0070】表2より明らかなように、本発明の特性を
有するエクストルージョン型ダイヘッドを用いて作製し
た試料12〜14は、比較の塗布方法に対し塗布幅手に
おけるバラツキが極めて小さいことが判る。
【0071】実施例3 実施例1記載の塗布方法1において、図1で示す赤外線
透過濃度測定方式の膜厚測定装置15′を設置し、塗布
乾燥後の試料面の膜厚を10点測定し、その情報をエク
ストルージョン型ダイヘッド5にフィードバックし、図
2で示すダイヘッド設置架台5bの左右2箇所に装備し
たエアーシリンダーを前後駆動させ、支持体とダイヘッ
ドのエッジ部との距離を規定値に制御する機構を設けた
以外は同様にして、2000mの塗布を行い、熱現像感
光材料15を作製した。得られた塗布済試料について、
実施例1と同様の方法で塗布膜厚分布の評価を行い、そ
の結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】表3より明らかなように、本発明の膜厚測
定手段及びその制御機構を設けたエクストルージョン型
ダイヘッドを用いて作製した試料15は、比較の塗布方
法に対し塗布幅手におけるバラツキが極めて小さいこと
が判る。
【0074】実施例4 実施例1記載の塗布方法1において、使用するエクスト
ルージョン型ダイヘッドの構造を、図9で示すような内
部に貫通穴を設け、感光層塗布液をそこに通過させた
後、マニホールドに供給する構造に変更した以外は同様
にして、2000mの塗布を行い、熱現像感光材料16
を作製した。得られた塗布済試料について、実施例1と
同様の方法で塗布膜厚分布の評価を行い、その結果を表
4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】表4より明らかなように、本発明のエクス
トルージョン型ダイヘッド内部に貫通穴を設けた塗布方
式16で作製した試料は、比較の塗布方法に対し、塗布
幅手におけるバラツキが極めて小さいことが判る。
【0077】
【発明の効果】本発明により、幅方向の塗膜厚み分布の
均一性を向上させたバックアップロールで保持され連続
搬送されている支持体に塗布液を吐出するためのエクス
トルージョン型ダイヘッド、ダイヘッドとその設置架台
からなる塗布装置及びエクストルージョン型ダイヘッド
を用いた塗布方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方式の全体概要の一例を示す概略
図。
【図2】本発明のエクストルージョン型ダイヘッドとバ
ックアップロールで構成される塗布部の上面図。
【図3】本発明のエクストルージョン型ダイヘッドの側
面から見た構造の一例を示す断面図。
【図4】本発明のエクストルージョン型ダイヘッドを上
面から見た構造の一例を示す断面図。
【図5】本発明の2層以上の重層塗布に用いるエクスト
ルージョン型ダイヘッド構造の一例を示す断面図。
【図6】本発明のエクストルージョン型ダイヘッドを構
成するブロックの一例を示す断面図。
【図7】本発明の塗布時のエクストルージョン型ダイヘ
ッドのエッジ部近傍を示す概略図。
【図8】本発明のダイヘッド架台及びダイヘッド設置部
を示す概略図。
【図9】本発明の貫通穴を設けたエクストルージョン型
ダイヘッドを示す斜視図。
【符号の説明】
4 バックアップロール 5、5d エクストルージョン型ダイヘッド 5a サイドプレート 5b ダイヘッド設置架台 5c ダイヘッド設置部 5e パッキング A 塗布液供給口 B マニホールド C スリット部 D シート E エッジ部 S 支持体 P リップ形成部 T ダイヘッド底面部 10、11 ガイドロール 15、15′ 膜厚測定装置 17 距離測定装置 18 塗布液が形成するビード部 19 貫通穴入口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックアップロールで保持され連続搬送
    されている支持体に塗布液を塗布するエクストルージョ
    ン型ダイヘッドにおいて、塗布液吐出用スリットを構成
    する複数のブロックのエッジ頂点部から反対側の底面部
    に至る距離のバラツキの巾(ΔA)が支持体に対し幅手
    方向(横方向)で10μm未満であり、ダイヘッドのリ
    ップ形成部から反対側の底面部に至る距離が縦方向で最
    大値をとり、かつ該距離のバラツキの巾(ΔB)が幅手
    方向で10μm未満であることを特徴とするエクストル
    ージョン型ダイヘッド。
  2. 【請求項2】 バックアップロールで保持され連続搬送
    されている支持体に塗布液を塗布するエクストルージョ
    ン型ダイヘッドとその支持架台からなる塗布装置におい
    て、エクストルージョン型ダイヘッドを設置する架台の
    ダイヘッド設置面の高さバラツキの巾が10μm未満で
    あることを特徴とする塗布装置。
  3. 【請求項3】 バックアップロールで保持され連続搬送
    されている支持体にエクストルージョン型ダイヘッドを
    用いた塗布液の塗布方法において、エクストルージョン
    型ダイヘッドの幅手方向の塗膜膜厚を計測し、この計測
    情報をフィードバックして、エクストルージョン型ダイ
    ヘッドのエッジ部と支持体との距離を制御することを特
    徴とする塗布方法。
  4. 【請求項4】 バックアップロールで保持され連続搬送
    されている支持体にエクストルージョン型ダイヘッドを
    用いた塗布液の塗布方法において、エクストルージョン
    型ダイヘッド内部の幅手方向に少なくとも1つの貫通穴
    を設け、この貫通穴に塗布液を流通させた後、マニホー
    ルドへ送液し、塗布することを特徴とする塗布方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167770A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Konica Minolta Holdings Inc 塗膜形成装置、塗膜形成方法
JP2008161763A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Konica Minolta Opto Inc 塗布物の生産方法、光学用フィルム及び反射防止フィルム
KR101230387B1 (ko) * 2004-03-25 2013-02-06 후지필름 가부시키가이샤 도포 장치 및 도포 방법

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