JP2002182333A - 熱現像感光材料の製造方法 - Google Patents

熱現像感光材料の製造方法

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JP2002182333A
JP2002182333A JP2000378607A JP2000378607A JP2002182333A JP 2002182333 A JP2002182333 A JP 2002182333A JP 2000378607 A JP2000378607 A JP 2000378607A JP 2000378607 A JP2000378607 A JP 2000378607A JP 2002182333 A JP2002182333 A JP 2002182333A
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slide
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Akifumi Kato
彰史 嘉藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スジ状の光学濃度ムラの無い高品質な熱現像
感光材料を製造する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートフイルム1
2上に、塗布液14をスライドビード塗布方法により塗
布する。塗布液14をリップ先端21aから流下させ、
ウェブ12上にビード44として塗布する。このビード
44の上側湾曲面44aの上メニスカス曲率を7.2m
-1以下になるように、リップ先端21aとフイルム1
2との距離を0.10〜0.40mm、ビード44の背
圧を−100〜−700Paに調節する。上層の変形を
小さく抑えて、上層に含まれる色調剤の塗布量の分布を
均一にする。面状が良好な熱現像感光材料が得られ、ス
ジ状の光学濃度ムラの発生が無くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像感光材料の
製造方法に関し、特にスライドビード塗布方法により熱
現像感光材料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱現像感光材料の製造方法としては、ベ
ースフイルム上に多層の乳剤を一度に塗布するスライド
ビード塗布法が用いられる。スライドビード塗布法は、
例えばRussell等により米国特許第2,761,
791号に提案された多層スライドビード装置によって
行なわれる。複数の塗布液は、スライドホッパのスライ
ド面に流下して、スライド面先端において連続走行して
いる長尺状の支持体(以下, ウエブとも称する)と出会
う間隙にビードを形成する。このビードを介して塗布液
がウエブ面上に塗布される。
【0003】スライドビード塗布法は、塗布液を押し出
す速度とウエブの移動速度とを調節することで、感光層
の膜厚を変えることができる。そのため、感光層を薄く
塗布できるため、画像の解像力などを高めることができ
る。また、同時に多層の塗布を行うことができるので、
塗布ムラが生じにくく製造の効率性も良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スライ
ドビード塗布法は、前記間隙とビード背圧との関係によ
っては、塗布ビードにおいて上層の変形が大きくなる。
したがって、支持体上に感光層と、光学濃度を発現する
保護層とを順次設けた熱現像感光材料においては、上層
に含まれる色調剤の塗布量分布にウェブの長手方向での
ムラ、いわゆるスジムラが発生してしまう。このスジム
ラは、製品時にスジ状の光学濃度むらとなり、画像の品
質を低下させてしまうという問題がある。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、上層にスジムラを発生させることのないようにし
た熱現像感光材料の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため、
本発明では、支持体上に、少なくとも1種類の有機酸銀
及び少なくとも1種類の疎水性ポリマーラテックスをバ
インダーとして含む1層以上の感光層と、前記感光層の
前記支持体とは反対側の面に少なくとも1つの水溶性ポ
リマーをバインダーとする非画像記録性の1層以上の保
護層とを設けて成る熱現像感光材料の製造方法におい
て、前記支持体を連続搬送し、この支持体に前記感光層
及び保護層からなる重層液膜をスライドビード塗布方法
により重層同時塗布し、前記重層液膜の塗布ビードの上
メニスカス曲率を7.2mm-1以下にしている。
【0007】なお、前記塗布ビードの上メニスカス曲率
を7.2mm-1以下とするために、スライドビード塗布
装置先端と前記支持体との間隙と、前記塗布ビードの背
圧とを調節することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱現像感光材料の
製造方法の好ましい実施の形態について説明する。図1
は、複数の塗布液をウエブ面に多層膜状に塗布する多層
スライドビード塗布装置の概略断面図であり、図2は、
その要部を拡大した断面図である。
【0009】図1に示すように、スライドビード塗布装
置10は、スライドホッパ20と、ウエブ12を搬送す
るバックアップローラ40と、塗布ビード44に背圧を
かける減圧室50とを備えている。
【0010】前記スライドホッパ20は、複数のダイブ
ロック30、31、32が一体として構成されている。
また、スライドホッパ20は、その上面にスライド面2
1が形成されている。このスライド面21は、バックア
ップローラ40に向かうに従い低くなるように傾斜面に
されている。
【0011】複数のダイブロック30、31、32は、
同様の構成であるので、以下は、ダイブロック30につ
いて説明する。ダイブロック30は、供給管22とマニ
ホールド23とスリット24とから構成され、マニホー
ルド23からスリット24を介してスライド面21に接
続されている。さらに、供給管22の一端は、図示しな
い塗布液タンクに接続されている。マニホールド23
は、塗布液14をウエブ12の塗布幅方向に拡流するた
めに設けられている。
【0012】バックアップローラ40は、ウエブ12を
巻き掛けながら搬送する。バックアップローラ40上の
ウエブ12とスライド面21の下端(以下、リップ先端
21aと称する)との間には、塗布液14により塗布ビ
ード44を生成するための間隙42が形成される。
【0013】減圧室50は、バックアップローラ40の
下方でスライドホッパ20との間に配置され、塗布ビー
ド44に背圧をかけるために設けられている。塗布ビー
ド44の背面を減圧することで、塗布液14により塗布
ビード44を安定に生成することが可能になる。減圧室
50は、真空装置(図示せず)と排気管52によって接
続され、所望の圧力に制御可能である。また、減圧室5
0は、余剰の塗布液25を排出する排液管54が接続さ
れている。
【0014】なお、余剰の塗布液14は、減圧室50に
吸引され、排液管54から装置外に排出される。この場
合、間隙42が過剰に長いと、大多数の塗布液14は、
減圧室50に吸引され良好にウエブ上に塗布されないの
で、好ましくない。
【0015】次に、塗布液14がウエブ12上に塗布さ
れる方法を、図1および図2を用いて説明する。感光層
14a、中間層14bおよび保護層14cそれぞれの塗
布液14が、所定の量、図示しない塗布液タンクに供給
されている。以下の説明は、感光層14aの塗布液14
に対して行うが、他の塗布液についても同様である。感
光層14aを構成する塗布液14は、塗布液タンクから
供給管22を介して、対応するマニホールド23に供給
される。マニホールド23内において、各塗布液14は
ウエブ12の塗布幅方向に拡流される。そして、塗布液
14はスリット24を介してスライド面21に押し出さ
れる。
【0016】スライド面21上に押し出された感光層1
4a、中間層14bおよび保護層14cの各塗布液14
は、互いに混ざり合うことなく多層状にスライド面21
を流下する。リップ先端21aに達した塗布液14は、
間隙42において塗布ビード44を形成し、ウエブ12
面に塗布される。
【0017】塗布ビード44は、間隔がCmmの間隙4
2において湾曲して生成される。そして、多層膜の最上
層である保護層14cにより形成される上側湾曲面44
aの曲率(以下、上メニスカス曲率と称する)によっ
て、塗布ビードの形状を規定する。この上メニスカス曲
率κは上側湾曲面44aの曲率半径Rの逆数(1/R)
で表される。なお、上側湾曲面44aを円弧で近似した
ときの長さdsと、その円弧の角度dφとに基づき、κ
=ds/dφの関係式によって上メニスカス曲率κを求
めてもよい。本発明においては、上メニスカス曲率κが
7.2mm-1以下であるのが好ましい。
【0018】上記のように、塗布ビード44の上メニス
カス曲率κを7.2mm-1以下とするためには、前記間
隙42と塗布ビード44の背圧を調節する。間隙42の
間隔Cを0.10〜0.40mmとし、前記塗布ビード
44の背圧を−100〜−700Paの範囲で調節する
ことが好ましく、より好ましくは、間隙42の間隔Cが
0.18〜0.30mm、塗布ビード44の背圧が−2
00〜−600Paである。間隙42の間隔Cが、0.
10mmより小さいか若しくは0.40mmより大きい
場合には、塗布ビード44の背圧を調節しても、塗布ビ
ード44の上メニスカス曲率を7.2mm-1以下とする
ことが困難である。また、塗布ビード44の背圧が、上
記好ましい範囲を超える場合には、間隙42の間隔Cを
調節しても、塗布ビード44の上メニスカス曲率を7.
2mm-1以下とすることが困難である。
【0019】熱現像感光材料の層構成について説明す
る。熱現像感光材料は、支持体であるベースフイルム上
に感光層および保護層が積層され構成されている。ベー
スフイルムは、例えば、3酢酸セルロースなどが使用さ
れるが、これに限定されるわけではない。感光層は、写
真乳剤から形成されている。写真乳剤は、乳化、物理熟
成、脱塩、化学熟成、分光増感および仕上げなどの工程
を経て、塗布液として供される。保護層は、感光層に不
純物が付着しないように設けられている。感光層、保護
層は単層でも良いし、複数層であってもよく、感光層と
保護層の間に両層の接触を防止するための中間層を設け
てもよい。支持体上に形成する場合は、これら多数の層
を同時に層を重ねて、支持体上に塗布する。
【0020】次に感光層について説明する。本発明に用
いることができる有機酸銀は、銀イオンを還元できる源
を含む任意の有機物質であってよい。有機カルボン酸の
銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜2
8の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。銀供給
物質は、好ましくは画像形成層の約5〜70重量%を構
成することができる。これらの例は、脂肪族カルボン酸
の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含むがこれらに
限定されることはない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ま
しい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステア
リン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸
銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、
フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟
脳酸銀、これらの混合物を含む。本発明に用いることが
できる有機酸銀の形状としては特に制限はない。
【0021】本発明に用いることのできる有機酸銀は、
脱塩をすることが好ましく、脱塩を行う方法としては特
に制限はなく公知の方法を用いることができるが、遠心
濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成
水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いることができ
る。
【0022】本発明に用いることのできる有機酸銀は粒
子サイズの小さい、凝集のない微粒子を得る目的で、分
散剤を使用した固体微粒子分散物とする方法が用いられ
る。有機酸銀を固体微粒子分散化する方法は、分散助剤
の存在下で公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振
動ボールミール、遊星ボールミル、サンドミル、コロイ
ドミル、ジェットミル、ローラミル、高圧ホモジナイザ
ー)を用い、機械的に分散することができるが、高圧ホ
モジナイザーが好ましい。
【0023】有機酸銀を分散剤を使用して固体微粒子化
する際には、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共
重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル
共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重
合体、などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチル
デンプン、カルボキシルメチルセルロースなどの半合成
アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニ
オン性ポリマー、特開昭52−92716号、WO88
/04794号などに記載のアニオン性界面活性剤、特
開平9−179243号に記載の化合物、あるいは公知
のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、
その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知
のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する高分
子化合物を適宜選択して用いることができる。
【0024】本発明で用いる有機酸銀は所望の量で使用
することできるが、熱現像感光材料1m2 当りの塗布量
で示す場合に、その銀量として0.1〜5g/m2 が好
ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2 である。
【0025】本発明では有機酸銀とともに感光性ハロゲ
ン化銀を用いることが好ましい。本発明における感光性
ハロゲン化銀の形成方法は当業界でよく知られており例
えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第
17029号、および米国特許第3,700,458号
に記載されている方法が用いることができる。本発明で
用いることができる具体的な方法としては、調製された
有機酸銀中にハロゲン含有化合物を添加することにより
有機酸銀の銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方
法、ゼラチンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化
合物およびハロゲン供給化合物を添加することにより感
光性ハロゲン化銀粒子を調製し有機酸銀と混合する方法
を用いることができる。本発明において好ましくは後者
の方法を用いることができる。感光性ハロゲン化銀の粒
子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のため
に小さいことが好ましく、具体的には0.20μm以
下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以
下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下
がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子
が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合に
はハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン
化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積
と同面積の円像に換算したときの直径をいう。本発明に
おけるハロゲン化銀の粒子形状として、特に立方体状、
平板状が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場
合の平均アスペクト比は好ましくは100:1〜2:
1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。感光性ハ
ロゲン化銀のハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、
ヨウ化銀のいずれであっても良いが、本発明においては
臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を好ましく用いることがで
きる。特に好ましくはヨウ臭化銀であり、ヨウ化銀含有
率は、0.1モル%以上40モル%以下が好ましく、
0.1モル%以上20モル%以下がより好ましい。
【0026】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、ロジウム、レニウム、テルニウム、オスミウム、イ
リジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の
錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対して1nモルから10mモルの範囲が好まし
く、10nモルから100μモルの範囲がより好まし
い。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225
449号等に記載された構造の金属錯体を用いることが
できる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属
錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、
フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサ
シアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体は
均一に含有させてもよく、コア部に高濃度に含有させて
もよく、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく
特に制限はない。
【0027】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感
法としては当業界でよく知られているように硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができ
る。本発明の感光性ハロゲン化銀の使用量としては有機
酸銀1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01モル以
上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3
モル以下がより好ましく、0.03モル以上0.25モ
ル以下が特に好ましい。
【0028】有機酸銀の還元剤は、銀イオンを金属銀に
還元する任意の物質、好ましくは有機物質であってよ
い。フェニドン、ハイドロキノンおよびカテコールなど
の従来の写真現像剤は有用であるが、ヒンダードフェノ
ール還元剤が好ましい。還元剤は、画像形成層を有する
面の銀1モルに対して5〜50%(モル)含まれること
が好ましく、10〜40%(モル)で含まれることがさ
らに好ましい。還元剤の添加層は画像形成層を有する面
のいかなる層でも良い。画像形成層以外の層に添加する
場合は銀1モルに対して10〜50%(モル)と多めに
使用することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ有
効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレーカー
サーであってもよい。
【0029】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の還元剤が特開昭46−6074号、同47
−1238号、同47−33621号、同49−464
27号、同49−115540号、同50−14334
号、同50−36110号、同50−147711号、
同51−32632号、同51−1023721号、同
51−32324号、同51−51933号、同52−
84727号、同55−108654号、同56−14
6133号、同57−82828号、同57−8282
9号、特開平6−3793号、米国特許第3,679,
426号、同3,751,252号、同3,751,2
55号、同3,761,270号、同3,782,94
9号、同3,839,048号、同3,928,686
号、同5,464,738号、独国特許第2,321,
328号、欧州特許第692,732号などに開示され
ている。
【0030】本発明で用いる還元剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラミルなど)で行なわれる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0031】画質を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させる上でも有利になる
ことがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モル
当り0.1〜50%(モル)の量含まれることが好まし
く、0.5〜20%(モル)含まれることがさらに好ま
しい。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つよう
に誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0032】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号、同47
−10282号、同49−5019号、同49−502
0号、同49−91215号、同50−2524号、同
50−32927号、同50−67132号、同50−
67641号、同50−114217号、同51−32
23号、同51−27923号、同52−14788
号、同52−99813号、同53−1020号、同5
3−76020号、同54−156524号、同54−
156525号、同61−183642号、特開平4−
56848号、特公昭49−10727号、同54−2
0333号、米国特許第3,080,254号、同3,
446,648号、同3,782,941号、同4,1
23,282号、同4,510,236号、英国特許第
1,380,795号、ベルギー特許第841,910
号などに開示されている。
【0033】本発明で用いる色調剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で、感光層、保護層、
または中間層の任意の層に添加してもよい。固体微粒子
分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、
ローラミルなど)で行なわれる。また、固体微粒子分散
する際に分散助剤を用いてもよい。
【0034】本発明で用いる感光層は、以下に述べる疎
水性ポリマーラテックス(以下、ポリマーラテックスと
称する)を感光層中の全バインダーの50重量%以上含
有する。本発明で用いるポリマーラテックスについて
は、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高
分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの
応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、
高分子刊行会発行(1993)」、「合成ラテックスの
化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」
などに記載されている。
【0035】本発明で用いるポリマーラテックスとして
通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコ
ア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシ
ェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。
【0036】本発明で用いるポリマーラテックスの最低
造膜温度(MFT)は、−30℃〜90℃、より好まし
くは、0℃〜70℃程度である。最低造膜温度をコント
ロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤
は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度
を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前
述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行
会発行(1970))」に記載されている。
【0037】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、または
これらの共重合体がある。
【0038】ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分
かれしたポリマーでも、また架橋されたポリマーであっ
ても良い。またポリマーとしては単一のモノマーが重合
したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種以上のモノ
マーが重合したコポリマーでも良い。
【0039】コポリマーの場合はランダムコポリマーで
もブロックコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は数
平均分子量で5,000〜1,000,000が好まし
く、より好ましくは10,000〜100,000程度
が好ましい。分子量が小さすぎるものは感光層の力学強
度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性が悪く好ま
しくない。
【0040】本発明で用いるポリマーラテックスのポリ
マーは25℃、湿度60%RHでの平衡含水率が2重量
%以下、より好ましくは1重量%以下の物であることが
好ましい。平衡含水率の下限には特に制限はないが、
0.01重量%が好ましく、より好ましくは0.03重
量%である。平衡含水率の定義と測定法については、例
えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子
学会編、地人書館)」などを参考にすることができる。
【0041】ポリマーラテックスの具体例としては、以
下のような物がある。メチルメタクリレート/エチルア
クリレート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチ
レン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーのラテック
ス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタク
リル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート
/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩
化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル
/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。
【0042】これらポリマーは単独で用いてもよいし、
必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。本発
明の画像形成層は全バインダーの50重量%以上として
上記ポリマーラテックスが用いられるが、70重量%以
上として上記ポリマーラテックスが用いられることが好
ましい。
【0043】本発明で用いる感光層には必要に応じて全
バインダーの50重量%以下の範囲でゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマーを添
加しても良い。これらの水溶性ポリマーの添加量は画像
形成層の全バインダーの30重量%以下が好ましい。
【0044】感光層の全バインダー量は0.2〜30g
/m2 、より好ましくは1〜15g/m2 の範囲が好ま
しい。また、感光層の粘度特性としては、いわゆるチキ
ソトロピック性が好ましく、たとえば剪断速度0.1/
sにおいて粘度が300mPa・ s以上30、000m
Pa・ s以下、剪断速度1000/sにおいて1mPa
・ s以上100mPa・ s以下が好ましい。これらの塗
布液粘度の測定には、いかなる装置を使用してもよい
が、本発明ではレオメトリックファーイースト株式会社
製RFSフルードスペクトロメーターを用いて、25℃
で測定した。
【0045】感光層には必要に応じて増感色素、還元
剤、色調剤、カブリ防止剤、などを添加してもよい。更
に本発明で用いる画像形成層には色調調整のための染
料、架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性
剤、などを添加してもよい。
【0046】増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着
した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感
できるもので有ればいかなるものでも良い。増感色素と
しては、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレッ
クスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、
ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニ
ン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を
用いることができる。有用な増感色素は、例えばリサー
チディスクロージャー1978年12月の第17643
号の第IV−A項、同1979年8月の第1831号の第
X項に記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0047】本発明に用いることのできる中間層用のポ
リマー材料としては、水性ラテックスをバインダーに用
いた有機酸銀層の塗布液と混合することによって、凝集
あるいは著しい粘度増加をおこさずに、被膜を形成でき
れば種類を問わないが、非イオン性の水溶性ポリマーを
用いることが好ましい。
【0048】非イオン性の水溶性ポリマーとしては、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミド、デキストラン、ポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコー
ルのブロック共重合体、などが使用できるが、ポリビニ
ルアルコール類が好ましく、特にポリビニルアルコール
が好ましい。ポリビニルアルコールとしては鹸化度80
〜99.9%、重合度300〜2,400のものが好ま
しい。
【0049】中間層の上記ポリマーの塗布量としては、
熱現像感光材料1m2 当りの量で示すと、乾膜として、
0.1〜3.0g/m2 が好ましく、0.2〜2.0g
/m 2 が特に好ましい。このような塗布量とすること
で、面状改良効果が向上する。これに対し塗布量が少な
すぎると面状改良する上での中間層の機能を果たし得
ず、塗布量が多すぎても接着性ないし密着性がかえって
悪化したり、乾燥負荷が増えて生産性が低下したり、塗
布液粘度が高くなりすぎることにより塗布面状が悪化し
たりすることになる。
【0050】塗布溶媒は水が好ましく、場合によっては
若干の水混和性の有機溶媒(後述)が入っても構わな
い。ただし、水は30重量%以上、好ましくは50重量
%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。塗布
液のポリマー濃度は2〜20重量%、塗布液状態のウェ
ット(Wet)塗布量としては2〜30ml/m2 、塗
布液粘度は5〜200mPa・ sが好ましい。この場合
の粘度は東京計器(株)製B型粘度計により40℃にて
測定したものである。
【0051】中間層の中には、種々の添加剤を入れるこ
とも可能である。添加することができるものとしては、
色調剤やカブリ剤などの現像に関与する化合物、例えば
フタラジンやフタル酸アンモニウムなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0052】感光層の付着防止などの目的で外側に保護
層を設けることができる。保護層のバインダーとして
は、好ましくは水系にて塗布可能なバインダーがよく、
ゼラチン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、デキスト
ランなどが使用できる。
【0053】本発明の好ましい態様である水系同時重層
塗布を行う場合には、感光層がゲル化しないために、乾
燥時の風ムラを防止する観点からゼラチンが好ましく、
ゲル化スピードが早く、脱灰したゼラチンが特に好まし
い。
【0054】保護層は必要に応じて2層にすることがで
き、好ましい態様においては、有機酸銀層に近い側に紫
外線吸収剤および/または疎水性ポリマーラテックスを
添加した塗布液から形成された層、最外層にマット剤を
添加した保護層を設けることができ、いずれかの層に膜
面pH調節剤や、必要に応じて硬膜剤を添加することも
できる。
【0055】保護層におけるバインダーの塗布量は1層
当り0.1〜3.0g/m2 、さらには0.2〜2.0
g/m2 が好ましい。粘度特性としては、40℃で5〜
100mPa・ sが好ましく、とくに10〜50mPa
・ sが好ましい。
【0056】最外保護層にはいかなる付着防止剤を使用
してもよい。付着防止剤の例としては、ワックス、シリ
カ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロックコポリマ
ー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレ
ン−イソプレン−スチレン)、酢酸セルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート
やこれらの混合物などがある。
【0057】本発明での「溶媒が水である」とは塗布液
の溶媒(分散媒)の30重量%以上、好ましくは50重
量%以上、より好ましくは70重量%以上が水であるこ
とをいう。塗布液の溶媒の水以外の成分としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホ
ルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用
いることができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。始めに処方について説明する。
【0059】[ハロゲン化銀粒子の調製]水700ml
にフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mg
を溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、
硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウ
ム水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールドダ
ブルジェット法で10分間かけて添加した。ついで硝酸
銀55.4gを含む水溶液476mlと六塩化イリジウ
ム酸二カリウムを8μモル/リットルと臭化カリウムを
1モル/リットルで含む水溶液をpAg7.7に保ちな
がらコントロールドダブルジェット法で30分間かけて
添加した。その後pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理を
し、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.
9、pAg8.0に調整した。得られた粒子は平均粒子
サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数8%、
(100)面比率86%の立方体粒子であった。
【0060】調製したハロゲン化銀粒子に対し温度を6
0℃に昇温して、銀1モル当りチオ硫酸ナトリウム85
μモルと2、3、4、5、6−ペンタフルオロフェニル
ジフェニルフォスフィンセレニドを11μモル、2μモ
ルのテルル化合物、塩化金酸3.3μモル、チオシアン
酸230μモルを添加し、120分間熟成した。その後
温度を40℃に変更して増感色素Aをハロゲン化銀に対
して3.5×10-4モル、2−メルカプト−5−メチル
ベンゾイミダゾールを4.6×10-3モル撹拌しながら
添加して10分撹拌し、その後25℃に急冷してハロゲ
ン化銀粒子の調製を終了した。
【0061】上記において用いたテルル化合物及び増感
色素Aの構造式は下記の通りである。
【0062】
【化1】
【0063】[有機酸銀分散物の調製]ステアリン酸8
g、ベヘン酸39g、蒸留水850mlを90℃で激し
く撹拌しながら1N−NaOH水溶液187mlを添加
し120分反応させ、1N−硝酸65mlを添加した
後、50℃に降温した。次いで、より激しく撹拌しなが
ら硝酸銀21gの水溶液125mlを100秒かけて添
加し、そのまま20分間放置した。その後、吸引濾過で
固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/c
mになるまで水洗した。こうして得た固形分にヒドロキ
シプロピルメチルセルロース10重量%水溶液100g
を添加し、さらに総重量270gとなるように水を加え
たのち、自動乳鉢にて素分散し有機酸銀素分散物を得
た。この有機酸銀素分散物をマントンゴーリンホモジナ
イザーを用い圧力560kg/cm3 で5回分散し有機
酸銀分散物を得た。こうして得た有機酸銀分散物に含ま
れる有機酸銀粒子は平均短径0.04μm、平均長径
0.9μm、変動係数30%の針状粒子であった。
【0064】[還元剤分散物の調製]1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン100gとヒドロキシプロピル
メチルセルロース50gに水850gを添加し良く混合
してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニア
ビーズ840g用意してスラリーと一緒にベッセルに入
れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメ
ックス(株)製)にて5時間分散し還元剤分散物を得
た。
【0065】[有機ポリハロゲン化物分散物の調製]ト
リブロモメチルフェニルスルホン50gとヒドロキシプ
ロピルセルロース10gに水940gを添加し良く混合
してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニア
ビーズ840gを用意してスラリーと一緒にベッセルに
入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイ
メックス(株)製)にて5時間分散し有機ポリハロゲン
化物分散物を得た。
【0066】[感光層塗布液の調製]上記で得た有機酸
銀分散物100g、水8g、還元剤分散物23g、有機
ポリハロゲン化物分散物14g、ラックスター(大日本
インキ(株)製;SBRラテックス)109g、フタラ
ジン5重量%水溶液17g、ハロゲン化銀粒子15gを
よく混合し感光層塗布液を調製した。レオメトリックス
ファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメ
ーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が
0.1、1、10、100、1,000[1/sec]
においてそれぞれ500、70、50、20、15mP
a・ sであった。
【0067】[中間層塗布液の調製]ポリビニルアルコ
ール205(クラレ(株)製)の20重量%水溶液20
0g、水57g、セビアンA(ダイセル化学工業(株)
製)172g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナ
ミド社製)の5重量%水溶液を1g、フタル酸アンモニ
ウムの20重量%水溶液5gを加えて中間層塗布液とし
た。塗布液の粘度はB型粘度計40℃で36mPa・ s
であった。
【0068】[保護層塗布液の調製] (保護層第1層塗布液)アルカリ処理ゼラチン100g
を水880gに溶解し、エアロゾールOTを5ml、フ
タル酸(15重量%メタノール溶液)47ml、セビア
ンAを181g添加して表面保護層第1層塗布液とし
た。塗布液の粘度はB型粘度計40℃で14mPa・ s
であった。 (保護層第2層塗布液)アルカリ処理ゼラチン100g
を水844gに溶解し、N−パーフルオロオクチルスル
フォニル−N−プロピルアラニンカリウム塩(5重量
%)4ml、ポリエチレングリコールモノ(N−パーフ
ルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノ
エチル)エーテル(2重量%水溶液)45ml、エアロ
ゾールOT5重量%水溶液を28ml、ポリメチルメタ
クリレート微粒子115g、フタル酸(15重量%メタ
ノール溶液)39ml、セビアンAを181g添加して
表面保護層第2層塗布液とした。塗布液の粘度はB型粘
度計40℃で16mPa・ sであった。
【0069】[熱現像感光材料の製造]図1に示すスラ
イドビード塗布方式によって、下引層にポリエステルを
有するポリエチレンテレフタレート(厚さ175μm)
フイルムを支持体として、感光層、中間層、保護層第1
層、保護層第2層の順番で同時重層塗布し、熱現像感光
材料の試料を作製した。
【0070】[塗布条件]塗布速度100m/min、
塗布幅150mmで行った。感光層の塗布量、中間層の
塗布量、保護層第1層ならびに保護層第2層のWet塗
布量は、それぞれ67ml/m2 、10ml/m2 、1
8ml/m2 、8ml/m2 と設定した。また、各層の
保温温度は、感光層、中間層を32℃、保護層第1層、
保護層第2層を40℃、スライドホッパを35℃とし
た。
【0071】[熱現像感光材料の評価] (面状の評価)塗布して作製されたサンプルを現像温度
120℃、現像時間20秒で現像してスジ本数を評価し
た結果を表1に示す。併せて、その条件におけるビード
の上メニスカス曲率を示す。
【0072】
【表1】
【0073】上記表1からも明らかなように、上メニス
カス曲率が7.2mm-1を超えると塗布条件ではスジ故
障が発生するが、上メニスカス曲率が7.2mm-1以下
となる塗布条件ではスジ故障が発生しない良好な面状が
得られた。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、面状が良好な熱現像感
光材料が得られ、スジ状の光学濃度ムラの無い高品位な
画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像感光材料の製造方法で用いるス
ライドビード塗布装置の概略を示す断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10 スライドビード塗布装置 12 ウエブ 14 塗布液 14a 感光層 20 スライドホッパ 21 スライド面 21a リップ先端 23 マニホールド 40 バックアップローラ 42 間隙 44a 上側湾曲面 50 減圧室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも1種類の有機酸
    銀及び少なくとも1種類の疎水性ポリマーラテックスを
    バインダーとして含む1層以上の感光層と、 前記感光層の前記支持体とは反対側の面に少なくとも1
    つの水溶性ポリマーをバインダーとする非画像記録性の
    1層以上の保護層とを設けて成る熱現像感光材料の製造
    方法において、 前記支持体を連続搬送し、この支持体に前記感光層及び
    保護層からなる重層液膜をスライドビード塗布方法によ
    り重層同時塗布し、 前記重層液膜の塗布ビードの上メニスカス曲率を7.2
    mm-1以下にしたことを特徴とする熱現像感光材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記塗布ビードの上メニスカス曲率を
    7.2mm-1以下とするために、スライドビード塗布装
    置先端と前記支持体との間隙と、前記塗布ビードの背圧
    とを調節することを特徴とする請求項1記載の熱現像感
    光材料の製造方法。
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