JP2004050007A - 塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高粘度から低粘度の塗布液に対し筋故障やムラ故障を起こすことのない、また、サイド厚膜を起こして乾燥不良及び巻き取り不能を起こすことのない塗布方法、更には、塗布液の流量や粘度やコーティングスピードやビードギャップ間の関係を明らかにしそれに基づいた作業体系が容易かつ正確に行われるようにした塗布方法を提供する。
【解決手段】連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液を塗布される場合、塗布以外の時に最上層用のスリットから塗布液主溶媒の沸点以上の沸点の溶媒を含有した溶液を流すようにしたことを特徴とする塗布方法。
【選択図】 図1
【解決手段】連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液を塗布される場合、塗布以外の時に最上層用のスリットから塗布液主溶媒の沸点以上の沸点の溶媒を含有した溶液を流すようにしたことを特徴とする塗布方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布生産の品質向上と生産効率を上げる塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より連続走行する帯状支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法としては、Edward Cohen,Edgar Gutoff著「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に述べられている如く、各種の方法が提案されており、例えば、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライドビード塗布法、カーテン塗布法等が知られている。そして、これらの塗布方法において、支持体の幅方向に均一な乾燥膜厚にするため、塗布時の塗布膜厚精度、均一性等に注意が払われ塗布を行っている。
【0003】
近年、流量規制型のコーターダイスを有するスライドビード塗布装置は、高速、薄膜、多層同時塗布が可能であり、その特徴により写真感光材料や磁気記録材料等の塗布装置として広く用いられており、その好ましい一例としては、Russell等により米国特許第2,761,791号に提案された多層スライドビード塗布装置を用いる方法があげられる。このタイプのコーターは、このスライド面先端エッジ(単にリップともいう)と走行する可撓性支持体(ウェブともいう)の間にビードと称する塗布液溜まりをつくり、このビードを介して塗布が行われる。
【0004】
しかしながら、スライドビード塗布方法は、上記の様な利点を有している反面、揮発性溶剤を含有する塗布液を特に最下層に用いた場合には、支持体との濡れ特性との関係で極めて塗布ムラが発生しやすくなる。更に、一定の距離を有するコーターのスライド面を塗布液が流下する際に、特に揮発性の溶剤を含む塗布液を用いた場合には、溶剤の揮発による塗布ムラが発生しやすく、更に、揮発性溶剤を含む高粘度塗布液を長時間に亘り塗布を行うと、特にコーターの両端部で液の滞留あるいは流下速度の低下に伴い乾燥皮膜が生じ、その結果、重大な塗布故障を招き、塗膜品質を低下させる大きな要因となっている。
【0005】
また、米国特許第3,289,632号や特開昭59−203666号では、コーターのスライド面両端に設置している幅規制プレートの形状、特に高さを塗布液の膜厚に合わせることが提案されているが、本発明が目的とする高粘度で揮発性溶媒を含む塗布液の長時間塗布においては、その効果は充分であるとは言えない。
【0006】
これらに対する対策として、正式塗布開始に先立ち、コーターに対する塗布液供給の調整時にスライド面に低沸点溶剤の溶液を流すことで、スライド面やダイススリット内の乾燥を防止し、ムラ(縞状欠点)の発生を抑制しようとしていた。しかし十分でなかった。
【0007】
また、高粘度溶液(300mPa・s以上)を塗布する場合、最下層粘度を20〜50mPa・s以下の低粘度で塗布することが有効な手段であった。
【0008】
また、高粘度塗布液を最初に供給した場合、最下層用のスリットへ高粘度塗布液が入り込み、筋故障の発生につながる問題もあり、これを避けることが必要であった。
【0009】
また、高粘度塗布の場合、コーティングスピード(CS)をいろいろな値に変化させた場合、それに対応する最適ビードギャップを経験から思考錯誤で探索する必要があった。しかしそれには、時間が掛かりオペレータの非常に熟練された技能が求められていた。
【0010】
また、幅規制プレートについては、塗布液によって最適な材質や角度及び設置位置が存在していた。しかしそのような切り換えは時間が掛かるし、作業も面倒であり、非効率であった。そして両端にできる厚膜の現象は必ずしも十分に解決はされなかった。
【0011】
更に、高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構と排液機構が同じ場合、塗布ムラ発生があった。このように従来、低粘度の塗布液塗布の高速安定性の為に、スライドビード塗布に必要なビード部を減圧化させる方法が存在していたが、高粘度塗布液の塗布の場合は十分に機能できなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術の欠点を解決し、高粘度から低粘度の塗布液に対し筋故障やムラ故障を起こすことのない、また、サイド厚膜を起こして乾燥不良及び巻き取り不能を起こすことのない塗布方法、更には、塗布液の流量や粘度やコーティングスピードやビードギャップ間の関係式を明らかにしそれに基づいた作業体系が容易かつ正確に行われるようにした塗布方法を提供することを課題目的にする。
【0013】
具体的な解決すべき課題は次のようになる。
(1) 塗布液供給時にスライド面へ流す溶液が、低沸点溶媒であり、流量が少ない場合、乾燥防止とならず筋及びムラ故障が発生する場合がある。
(2) 最下層を機能層として使用する場合、粘度が50mPa・s以上の場合でも安定した塗布が行えることが必要となってきた。
(3) 最下層であるスリットへ高粘度塗布液が入り込み、筋故障の発生につながることがある。
(4) 高粘度塗布の場合、CSとビードギャップとの関係を明確にし、塗布条件が容易に見つかるようにする。
(5) 幅規制プレートの形状や位置により、サイド厚膜が発生し、乾燥ゾーン内での乾燥が出来ず、工程汚染となり、品質低下を及ぼす。また、乾燥ゾーン内での乾燥が出来ても、巻き取り部での巻き取りが不可能となる場合がある。
(6) 高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構により、ムラ故障が発生する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的は次の技術手段(1)〜(13)の何れかによって達成される。
【0015】
(1) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液を塗布される場合、塗布以外の時に最上層用のスリットから塗布液主溶媒の沸点以上の沸点の溶媒を含有した溶液を流すようにしたことを特徴とする塗布方法。
【0016】
(2) 前記溶媒は、1つの溶媒であっても、複数の混合溶媒であっても可能であることを特徴とする(1)項に記載の塗布方法。
【0017】
(3) 前記溶媒の流量(ml/min)は、塗布幅(m)×50≦溶媒流量≦塗布幅(m)×5000とすることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の塗布方法。
【0018】
(4) 前記塗布方法における、塗布液が流れる場所の表面風速が、3m/sec以下であることを特徴とする(1)〜(3)項の何れか1項に記載の塗布方法。
【0019】
(5) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、最下層の粘度が0.5〜100mPa・sのとき、最下層の最低WET膜厚が、次式で求められる厚さよりも厚いことを特徴とする塗布方法。
【0020】
Y:最下層WET膜厚(μm)
X:最下層粘度(mPa・s)としたとき、
Y=0.0005X2+0.0858X+1.75
(6) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、コーターへの塗布液供給は、最下層塗布液から順次送液することを特徴とする塗布方法。
【0021】
(7) 前記最下層塗布液の送液流量は、その上の層の塗布液流量よりも多くすることを特徴とする(6)項に記載の塗布方法。
【0022】
(8) 前記最下層塗布液の送液流量は、その他の層の塗布液流量よりも遅く塗布液流量とすることを特徴とする(6)項に記載の塗布方法。
【0023】
(9) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で表されるBの最小値Bminと最大値Bmaxとの間にBを設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
【0024】
Bmin=58・logeA
Bmax=185・logeA−100
(10) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で算出されるBを最適値として設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
【0025】
B=60・logeA+60
(11) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、前記スライドコーターのスライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの先端リップにおける傾斜面が前記スライド面となす角度であるフロント部の角度及び幅規制プレートの内側傾斜面が前記スライド面となす角度であるサイド部の角度は、支持体の走行面と前記スライドコーターのスライド面がなす角度がαであるとき、(α−40)°≦フロント部の角度≦(α−5)°であり、且つ、フロント部の角度≦サイド部の角度≦90°であることを特徴とする塗布方法。
【0026】
(12) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、スライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの設置位置は、該幅規制プレートのフロント側の端部エッジをスライドコーターのフロントバーリップに一致させた位置であることを特徴とする塗布方法。
【0027】
(13) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、ビード全体に対し、支持体走行方向上流側に向かって減圧を加える減圧室を複数設けたことを特徴とする塗布方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0029】
先ず、本発明が対象とするスライドビード塗布の具体例について説明する。以下の例は、主に一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料、熱現像感光材料等に代表される写真感光材料用の乳剤をPETなどの透明支持体上に塗布するものについて説明するが、本発明はこの例に限るものではなく、例えば、磁気記録テープ等の磁気記録材料、感圧紙・感熱紙・インクジェットペーパーなどの情報記録紙、あるいは高分子材料を有機溶媒、水等に溶解した液、顔料分散液、コロイド状分散液等の製造に広く適用可能である。
【0030】
また、本発明で用いられる支持体としては、種類に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シート等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリエステルフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケトンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルローストリアセテート等)等が挙げられる。また、金属シートではアルミニウム板が代表的である。また、用いる支持体の厚さについても、特に制限はない。
【0031】
本発明でいう揮発性溶媒の例としては、以下に示されるものがあげられる。
本発明において揮発性溶媒としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等があげられる。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エーテルアルコール類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭化水素類としてn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチレン、クロロフォルム、ジクロルベンゼン等が挙げられる。アミン類としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピリジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。又、これらの溶媒は、単独、又は、数種類組み合わせる事が出来る。
【0032】
図1は、本発明に係るスライドビード塗布装置の一例を示す概略図である。
連続的に搬送される支持体1は、コーターダイス3に対面した位置にある支持体1の搬送速度に合わせて同方向に回転しているバックロール2に保持されて、接液部6で塗布がなされる。コーターダイス3は、複数のブロック(図1では、4層同時塗布の形態を示している)より構成されており、そのコーターダイス3のスライド面3Sの両端には、図2(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図にも示すように、塗布幅を規制するための幅規制プレート4が1対設けられている。また、コーターダイス3は、一定のスライド面傾斜角度βを設けて、コーター保持台7に固定されている。バックロール2とスライドビード塗布装置のコーターダイス3間の下部には、減圧チャンバー5が設けられている。減圧チャンバー5は、接液部6で形成されるビードの安定化のため、ビードの上下に圧力差、具体的には支持体搬送方向で上流側に当たる下方部を減圧するため、排気口10より排気して、減圧チャンバー5内を負圧とする。本発明においては、接液部6を、バックロール2の中心位置から、下方部に設定し、且つ、チャンバー5は仕切板5Sで2つの部屋5A、5Bに仕切られ、5Aには、乳剤等の塗布液が減圧によって落とされてくるものを収容し下方の排液口11から回収するようにしてある。また、5Bにはサクション用の排気口10が設けられ、もっぱらビードの安定化が図られている。そして5Aと5Bとはその仕切板5Sに空気の流通口が空けられていて両室とも減圧が掛けられるようにしてある。
【0033】
なお、コーター保持台7は水平方向に移動可能にしてあり、塗布が始まる前の準備調整時や塗布が終了して次の塗布に入るまでの間にスライドビード塗布装置のコーターダイス3を移動し塗布位置である接液部6から離して置くようにすることが可能にしてある。そしてそのように離された位置で調整作業や操作が容易に且つ正確に行われるようにしてある。
【0034】
また、カーテン塗布方法は図3に示すようにスライドビード塗布方法における塗布幅規制用の幅規制プレート4を下方に延長してエッジガイド4Aを形成しその間に塗布膜のカーテン膜を形成させ、下方に配置させたバックロール2Aに支持されて搬送される支持体1に上記カーテン膜の先端部を衝突させながら、支持体1上に塗布膜を形成させるようにしたものである。
【0035】
このような揮発性溶剤の高粘度塗布液を塗布するコーターへ送液する際、予めコーターダイス3への送液配管内及びコーターダイス3内のポケット3a,3b,3c,3d及びスリット3A,3B,3C,3Dを溶剤で湿らせ、その後、塗布液を送液する方法があったが、溶剤沸点が低い場合やその流量が少ない場合、どうしても塗布故障である筋が発生していた。
【0036】
そこで、前記溶剤を塗布液溶剤の沸点よりも高くすることや流量をある範囲にすることで、筋故障の抑制が可能となった。
【0037】
また、高粘度溶液をスライドビード塗布又はカーテン塗布で塗布する場合、最下層粘度を低くする(約20mPa・s以下)必要があったが、その最下層粘度が比較的高い場合でも、最下層WET膜厚が厚い場合には塗布が可能であり、最下層の最低WET膜厚を容易に計算することが可能となったり、スライドビード塗布の場合、塗布速度とビードギャップの関係を容易に計算することが可能になり、塗布生産条件を簡単かつ正確に選択することが出来るようになった。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0039】
本実施例では3層のスライドビード塗布を行うものであり、第1層は最下層でスライドビードの形成とその安定化を目的とした層の塗布液であり、ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)10.5gをメチルエチルケトン(以降、MEKと略すことがある)100gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて攪拌しながら、調製した。これにかぶり防止剤や接着性向上剤を添加して使用することもある。また次に述べる第2層の塗布液を希釈して分流して用いることもできる。
【0040】
第2層は感光層塗布液であり、その調製について述べる。
〔感光性ハロゲン化銀乳剤の調製〕
水900ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370ml、(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを上記硝酸銀と等モル及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10−4モルを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.05μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ、脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤を得た。
【0041】
〔粉末有機銀塩の調製〕
4720mlの純水に、ベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次いで、高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。該有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、銀として0.038モル相当の上記感光性ハロゲン化銀乳剤と純水450mlを添加し、5分間攪拌した。次に1モル/Lの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌した後、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を行った後、質量の減少がなくなるまで加熱した窒素気流下で乾燥を行い、粉末有機銀塩を得た。
【0042】
〔感光性乳剤分散液の調製〕
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン(以降、MEKと略す)1457gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて攪拌しながら、500gの粉末有機銀塩を徐々に添加して十分に混合した。その後1mm径のZrビーズ(東レ製)を80%充填したメディア型分散機(gettzmann社製)にて周速13m、ミル内滞留時間0.5分間にて分散を行ない感光性乳剤分散液を調製した。
【0043】
〔感光層塗布液の調製〕
前記作製した感光性乳剤分散液500gを用いて、これに窒素気流下でMEK100gを攪拌しながら加え24℃に保温した。30分後に、ビス(ジメチルアセトアミド)ジブロモブロメイトの10%メタノール溶液を2.50ml添加して1時間攪拌し、さらに、臭化カルシウムの10%メタノール溶液を4ml添加した後、15分攪拌した。次いで、色素安定剤−1と酢酸カリウムの質量比で1:5の混合溶液(色素安定剤−1の20質量%メタノール溶液)1.8mlを加え15分攪拌した。次に赤外増感色素であるDye−1及び色素安定剤−2の混合溶液(混合質量比率1:250、増感色素として0.1質量%のMEK溶液)を7ml添加して1時間攪拌した後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。これを13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール48gを添加して充分溶解させてから、以下の添加物を添加して、感光層用塗布液を調製した。なお、上記の操作はすべて窒素気流下で行った。
【0044】
【0045】
【化1】
【0046】
そして粘度の調整にはバインダの量や溶媒の量を振って行った。
第3層は表面保護層であり、その塗布液の調製は次のように行った。
【0047】
(表面保護層塗布液の調製)
MEKを865g攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB171−15)を96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社製、パラロイドA−21)を4.5g、ビニルスルホン化合物HD−1(*1)を1.5g、ベンゾトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝子社製、サーフロンKH40)を1.0g添加し溶解した。次に下記マット剤分散液30gを添加して攪拌しながら、フタラジン15gを添加して、表面保護層塗布液を調製した。
【0048】
(*1)HD−1:1,3−{ビス(ビニルスルホニル)}−2−ヒドロキシプロパン
〈マット剤分散液の調製〉
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB171−15)7.5gをMEK42.5gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speciality Minerals社製、Super−Pflex200)5gを添加し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて8000rpmで30min分散しマット剤分散液を調製した。
【0049】
支持体は次のように作成した。
(支持体の作製)
濃度0.160(コニカ社製デンシトメーターPDA−65での測定値)に青色着色した、厚み175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施した後、公知の方法により下引き処理を施した。
【0050】
以上の試料を用いて図1及び図2に示すようなコーターダイス3を装着したスライドビード塗布装置により塗布を行った。
【0051】
実施例1〜4においては長さ1000mの塗布を行なった。
実施例5〜13においては長さ10mの塗布を行なった。
【0052】
実施例1
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液が塗布される場合、塗布以外の時の例えば塗布を開始する前の調整時にコーター保持台7を移動後退させた上で、図1及び図3に示すようにコーターダイス3の最上層用のスリット3Dから、塗布液主溶媒(MEK)の沸点が79.6℃以上であって、表1に示すような、沸点が85℃及び90℃の溶媒を含有した溶液を流すようにした塗布方法を試みた。このようにして調整が円滑に行われ、各スリットから供給される塗布液のスリットへの逆流現象やそれによるスリットの目詰まりを解消し、筋故障の発生の無い良好な塗布が持続できる塗布方法であることが確認できた。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例2
前記溶媒は、同じく表1に示すように、1つの溶媒であっても良く、1つ以上の例えば2つであっても混合溶媒であれば可能であることが実証された。
【0055】
実施例3
同じく表1に示すように、前記溶媒の流量(ml/min)は、塗布幅(m)×50≦溶媒流量≦塗布幅(m)×5000の条件を採ることによって筋故障のない良好な塗布が可能であることが分かった。
【0056】
実施例4
同じく表1に示すように前記塗布方法における、塗布液が流れる場所の表面風速が、3m/secを超え例えば5m/secに達すると問題が起こり筋故障が僅か発生するようになるが、3m/sec以下であると筋故障は皆無になり好ましいことが分かる。
【0057】
実施例5
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、最下層の粘度が0.5〜100mPa・sのとき、最下層の最低WET膜厚が、次式で求められる厚さよりも厚くすることによって、表2に示すように故障のない良好な塗布が得られることが確認できた。
【0058】
Y:最下層WET膜厚(μm)
X:最下層粘度(mPa・s)としたとき、
Y=0.0005X2+0.0858X+1.75
【0059】
【表2】
【0060】
実施例6
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、コーターへの塗布液供給は、最下層塗布液から順次送液する塗布方法とすることによって高粘度塗布液が最下層用のスリットを詰まらせることなく良好な塗布を行うことができ安定した塗布方法であることを確認した。
【0061】
実施例7
また、最下層塗布液の送液流量は、その上層の塗布液流量よりも多くすることが望ましいといえる。
【0062】
実施例8
前述の最下層塗布液の送液流量は、その他の層の塗布液流量よりも遅く規定の塗布液流量とすることによって安定した塗布が得られることを確認した。
【0063】
実施例9
図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で表されるBの最小値Bminと最大値Bmaxとの間にBを設定して塗布を行う塗布方法を試みた。
【0064】
Bmin=58・logeA
Bmax=185・logeA−100
表3に示すようにこの条件に入っている場合の塗布は安定して行われ、この条件に入らない場合の塗布は不安定で続行不能であった。
【0065】
【表3】
【0066】
実施例10
同じく図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で算出されるBを最適値として設定して塗布を行った。
【0067】
B=60・logeA+60
図4の塗布の安定度についてのグラフが示すように実施例9に示した塗布方法の中で更に安定した領域の塗布が実現できた。
【0068】
実施例11
同じく図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、図2(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図に示すように、前記スライドビード塗布装置のコーターダイス3のスライド面3Sで塗布幅を規制する幅規制プレート4の先端エッジ(リップ)4Lにおける先端傾斜面4Kが前記スライド面3Sとなす角度であるフロント部の角度及び幅規制プレート4の内側傾斜面4Mが前記スライド面3Sとなす角度であるサイド部の角度は、支持体1の走行面と前記コーターダイス3のスライド面3Sがなす角度がαであるとき、(α−40)°≦フロント部の角度≦(α−5)°であり、且つ、フロント部の角度≦サイド部の角度≦90°であるようにして塗布を行った。
【0069】
これによって支持体面に塗布された塗布液の幅方向両サイドの膜厚が図5の模式図に示すような厚膜になる現象を和らげることが可能になる。このような厚膜が生ずると乾燥の負荷が大きくなるばかりでなく、一部生乾きのままになると塗布品質が大きく低下してしまい、乾きが完全になった場合でもサイド厚膜を生じたまま巻き取りが行われると巻状態が不均一になり塗布層の圧され方にムラが起こり感光材料であればかぶりを生じてしまい著しく品質を下げてしまい製品としての価値も無くしてしまう。しかし、本発明の実施例のような対処の仕方によってそのような事故が解消される。
【0070】
実施例12
連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、図2に示すように、スライド面3Sで塗布幅を規制する幅規制プレート4の設置位置を、該幅規制プレート4のフロント側の先端エッジ4Lがスライドビード塗布装置のコーターダイス3のフロントバーリップ3Lに一致するような位置にした塗布方法を試みた。これによって厚膜の度合は実施例11に較べて更に小さくなり、塗布品質や巻き取り品質は更に向上した。
【0071】
実施例13
連続走行する支持体1上に、スライドビード塗布装置のコーターダイス3によって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、ビード全体に対し、支持体走行方向上流側に向かって減圧を加えるチャンバー5を設け該チャンバー5は前述のように仕切板5Sによって複数(ここでは2つ)の部屋5A,5Bにわけられており、どちらも減圧室にしてあるが、一方は排液回収用に、もう一方はサクションの排気用にしてある。
【0072】
このような塗布方法によって、高粘度の塗布液を塗布する場合に、塗布ムラに対していっそう安定した塗布方法が確認できた。
【0073】
なお、実施例1〜8については前述のようなスライドビード塗布方法ばかりでなく図3に示すようなカーテン塗布装置を用いたカーテン塗布方法についてもスライドビード塗布と同じような実施を試みたが全く同様の結果が得られた。
【0074】
【発明の効果】
本発明により次のような結果が得られた。
(1) 塗布液供給時にスライド面へ流す溶液を塗布液主溶媒の沸点以上にすることと流量範囲を規定することで、筋やムラのような塗布品質低下となる故障を抑制することが可能となり、生産効率もアップした。
(2) 最下層塗布液粘度が、100mPa・sでも最下層膜厚を厚くすることで塗布可能となり、性能・品質が向上した。
(3)最下層塗布液からコーターへ供給することで、ダイススリット内への逆流が抑制され、筋故障が無くなった。
(4) 高粘度塗布のCSが決まれば、式によって計算されたビードギャップで塗布することで、良好な塗布が可能となった。
(5) 幅規制プレートのフロント角度を規定することとその先端エッジの位置をフロントバーリップに合致させることで、塗布端であるサイド厚膜が低減され、工程内汚染や巻き取り不能が発生せず、生産出来るようになった。
(6) 高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構と排液機構を分離することで塗布ムラ抑制と品質向上が可能となる。
【0075】
即ち、コーター上での塗布液の乾燥防止により、筋及びムラ故障が抑制され、最下層粘度が比較的高い場合でも膜厚アップで塗布可能となり、性能・物性面の品質が向上することとなった。また、塗布の安定生産が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法に係るスライドビード塗布装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の塗布方法に係るスライドビード塗布装置におけるコーターダイスの一部の平面図、正面図及び側面図である。
【図3】本発明に係るカーテン塗布方法の一例を示す概略図である。
【図4】コーティングスピードを一定にしてビードギャップを変化させて良好な塗布が得られる範囲における安定度を示すグラフである。
【図5】サイド厚膜を示す模式図である。
【符号の説明】
1 支持体
2,2A バックロール
3 コーターダイス
3A,3B,3C,3D スリット
3a,3b,3c,3d ポケット
3L フロントバーリップ
3S スライド面
4 幅規制プレート
4A エッジガイド
4K 先端傾斜面
4L 先端エッジ
4M 内側傾斜面
5 減圧チャンバー
5A,5B 部屋
6 接液部
7 コーター保持台
α 支持体の走行面とコーターダイスのスライド面がなす角度
β コーターダイスのスライド面傾斜角度
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布生産の品質向上と生産効率を上げる塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より連続走行する帯状支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法としては、Edward Cohen,Edgar Gutoff著「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に述べられている如く、各種の方法が提案されており、例えば、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライドビード塗布法、カーテン塗布法等が知られている。そして、これらの塗布方法において、支持体の幅方向に均一な乾燥膜厚にするため、塗布時の塗布膜厚精度、均一性等に注意が払われ塗布を行っている。
【0003】
近年、流量規制型のコーターダイスを有するスライドビード塗布装置は、高速、薄膜、多層同時塗布が可能であり、その特徴により写真感光材料や磁気記録材料等の塗布装置として広く用いられており、その好ましい一例としては、Russell等により米国特許第2,761,791号に提案された多層スライドビード塗布装置を用いる方法があげられる。このタイプのコーターは、このスライド面先端エッジ(単にリップともいう)と走行する可撓性支持体(ウェブともいう)の間にビードと称する塗布液溜まりをつくり、このビードを介して塗布が行われる。
【0004】
しかしながら、スライドビード塗布方法は、上記の様な利点を有している反面、揮発性溶剤を含有する塗布液を特に最下層に用いた場合には、支持体との濡れ特性との関係で極めて塗布ムラが発生しやすくなる。更に、一定の距離を有するコーターのスライド面を塗布液が流下する際に、特に揮発性の溶剤を含む塗布液を用いた場合には、溶剤の揮発による塗布ムラが発生しやすく、更に、揮発性溶剤を含む高粘度塗布液を長時間に亘り塗布を行うと、特にコーターの両端部で液の滞留あるいは流下速度の低下に伴い乾燥皮膜が生じ、その結果、重大な塗布故障を招き、塗膜品質を低下させる大きな要因となっている。
【0005】
また、米国特許第3,289,632号や特開昭59−203666号では、コーターのスライド面両端に設置している幅規制プレートの形状、特に高さを塗布液の膜厚に合わせることが提案されているが、本発明が目的とする高粘度で揮発性溶媒を含む塗布液の長時間塗布においては、その効果は充分であるとは言えない。
【0006】
これらに対する対策として、正式塗布開始に先立ち、コーターに対する塗布液供給の調整時にスライド面に低沸点溶剤の溶液を流すことで、スライド面やダイススリット内の乾燥を防止し、ムラ(縞状欠点)の発生を抑制しようとしていた。しかし十分でなかった。
【0007】
また、高粘度溶液(300mPa・s以上)を塗布する場合、最下層粘度を20〜50mPa・s以下の低粘度で塗布することが有効な手段であった。
【0008】
また、高粘度塗布液を最初に供給した場合、最下層用のスリットへ高粘度塗布液が入り込み、筋故障の発生につながる問題もあり、これを避けることが必要であった。
【0009】
また、高粘度塗布の場合、コーティングスピード(CS)をいろいろな値に変化させた場合、それに対応する最適ビードギャップを経験から思考錯誤で探索する必要があった。しかしそれには、時間が掛かりオペレータの非常に熟練された技能が求められていた。
【0010】
また、幅規制プレートについては、塗布液によって最適な材質や角度及び設置位置が存在していた。しかしそのような切り換えは時間が掛かるし、作業も面倒であり、非効率であった。そして両端にできる厚膜の現象は必ずしも十分に解決はされなかった。
【0011】
更に、高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構と排液機構が同じ場合、塗布ムラ発生があった。このように従来、低粘度の塗布液塗布の高速安定性の為に、スライドビード塗布に必要なビード部を減圧化させる方法が存在していたが、高粘度塗布液の塗布の場合は十分に機能できなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術の欠点を解決し、高粘度から低粘度の塗布液に対し筋故障やムラ故障を起こすことのない、また、サイド厚膜を起こして乾燥不良及び巻き取り不能を起こすことのない塗布方法、更には、塗布液の流量や粘度やコーティングスピードやビードギャップ間の関係式を明らかにしそれに基づいた作業体系が容易かつ正確に行われるようにした塗布方法を提供することを課題目的にする。
【0013】
具体的な解決すべき課題は次のようになる。
(1) 塗布液供給時にスライド面へ流す溶液が、低沸点溶媒であり、流量が少ない場合、乾燥防止とならず筋及びムラ故障が発生する場合がある。
(2) 最下層を機能層として使用する場合、粘度が50mPa・s以上の場合でも安定した塗布が行えることが必要となってきた。
(3) 最下層であるスリットへ高粘度塗布液が入り込み、筋故障の発生につながることがある。
(4) 高粘度塗布の場合、CSとビードギャップとの関係を明確にし、塗布条件が容易に見つかるようにする。
(5) 幅規制プレートの形状や位置により、サイド厚膜が発生し、乾燥ゾーン内での乾燥が出来ず、工程汚染となり、品質低下を及ぼす。また、乾燥ゾーン内での乾燥が出来ても、巻き取り部での巻き取りが不可能となる場合がある。
(6) 高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構により、ムラ故障が発生する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的は次の技術手段(1)〜(13)の何れかによって達成される。
【0015】
(1) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液を塗布される場合、塗布以外の時に最上層用のスリットから塗布液主溶媒の沸点以上の沸点の溶媒を含有した溶液を流すようにしたことを特徴とする塗布方法。
【0016】
(2) 前記溶媒は、1つの溶媒であっても、複数の混合溶媒であっても可能であることを特徴とする(1)項に記載の塗布方法。
【0017】
(3) 前記溶媒の流量(ml/min)は、塗布幅(m)×50≦溶媒流量≦塗布幅(m)×5000とすることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の塗布方法。
【0018】
(4) 前記塗布方法における、塗布液が流れる場所の表面風速が、3m/sec以下であることを特徴とする(1)〜(3)項の何れか1項に記載の塗布方法。
【0019】
(5) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、最下層の粘度が0.5〜100mPa・sのとき、最下層の最低WET膜厚が、次式で求められる厚さよりも厚いことを特徴とする塗布方法。
【0020】
Y:最下層WET膜厚(μm)
X:最下層粘度(mPa・s)としたとき、
Y=0.0005X2+0.0858X+1.75
(6) 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、コーターへの塗布液供給は、最下層塗布液から順次送液することを特徴とする塗布方法。
【0021】
(7) 前記最下層塗布液の送液流量は、その上の層の塗布液流量よりも多くすることを特徴とする(6)項に記載の塗布方法。
【0022】
(8) 前記最下層塗布液の送液流量は、その他の層の塗布液流量よりも遅く塗布液流量とすることを特徴とする(6)項に記載の塗布方法。
【0023】
(9) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で表されるBの最小値Bminと最大値Bmaxとの間にBを設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
【0024】
Bmin=58・logeA
Bmax=185・logeA−100
(10) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で算出されるBを最適値として設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
【0025】
B=60・logeA+60
(11) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、前記スライドコーターのスライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの先端リップにおける傾斜面が前記スライド面となす角度であるフロント部の角度及び幅規制プレートの内側傾斜面が前記スライド面となす角度であるサイド部の角度は、支持体の走行面と前記スライドコーターのスライド面がなす角度がαであるとき、(α−40)°≦フロント部の角度≦(α−5)°であり、且つ、フロント部の角度≦サイド部の角度≦90°であることを特徴とする塗布方法。
【0026】
(12) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、スライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの設置位置は、該幅規制プレートのフロント側の端部エッジをスライドコーターのフロントバーリップに一致させた位置であることを特徴とする塗布方法。
【0027】
(13) 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、ビード全体に対し、支持体走行方向上流側に向かって減圧を加える減圧室を複数設けたことを特徴とする塗布方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0029】
先ず、本発明が対象とするスライドビード塗布の具体例について説明する。以下の例は、主に一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料、熱現像感光材料等に代表される写真感光材料用の乳剤をPETなどの透明支持体上に塗布するものについて説明するが、本発明はこの例に限るものではなく、例えば、磁気記録テープ等の磁気記録材料、感圧紙・感熱紙・インクジェットペーパーなどの情報記録紙、あるいは高分子材料を有機溶媒、水等に溶解した液、顔料分散液、コロイド状分散液等の製造に広く適用可能である。
【0030】
また、本発明で用いられる支持体としては、種類に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シート等を用いることができる。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリエステルフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフィルム(例えばポリエーテルケトンフィルム等)、セルロースアセテート(例えばセルローストリアセテート等)等が挙げられる。また、金属シートではアルミニウム板が代表的である。また、用いる支持体の厚さについても、特に制限はない。
【0031】
本発明でいう揮発性溶媒の例としては、以下に示されるものがあげられる。
本発明において揮発性溶媒としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等があげられる。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エーテルアルコール類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭化水素類としてn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチレン、クロロフォルム、ジクロルベンゼン等が挙げられる。アミン類としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピリジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。又、これらの溶媒は、単独、又は、数種類組み合わせる事が出来る。
【0032】
図1は、本発明に係るスライドビード塗布装置の一例を示す概略図である。
連続的に搬送される支持体1は、コーターダイス3に対面した位置にある支持体1の搬送速度に合わせて同方向に回転しているバックロール2に保持されて、接液部6で塗布がなされる。コーターダイス3は、複数のブロック(図1では、4層同時塗布の形態を示している)より構成されており、そのコーターダイス3のスライド面3Sの両端には、図2(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図にも示すように、塗布幅を規制するための幅規制プレート4が1対設けられている。また、コーターダイス3は、一定のスライド面傾斜角度βを設けて、コーター保持台7に固定されている。バックロール2とスライドビード塗布装置のコーターダイス3間の下部には、減圧チャンバー5が設けられている。減圧チャンバー5は、接液部6で形成されるビードの安定化のため、ビードの上下に圧力差、具体的には支持体搬送方向で上流側に当たる下方部を減圧するため、排気口10より排気して、減圧チャンバー5内を負圧とする。本発明においては、接液部6を、バックロール2の中心位置から、下方部に設定し、且つ、チャンバー5は仕切板5Sで2つの部屋5A、5Bに仕切られ、5Aには、乳剤等の塗布液が減圧によって落とされてくるものを収容し下方の排液口11から回収するようにしてある。また、5Bにはサクション用の排気口10が設けられ、もっぱらビードの安定化が図られている。そして5Aと5Bとはその仕切板5Sに空気の流通口が空けられていて両室とも減圧が掛けられるようにしてある。
【0033】
なお、コーター保持台7は水平方向に移動可能にしてあり、塗布が始まる前の準備調整時や塗布が終了して次の塗布に入るまでの間にスライドビード塗布装置のコーターダイス3を移動し塗布位置である接液部6から離して置くようにすることが可能にしてある。そしてそのように離された位置で調整作業や操作が容易に且つ正確に行われるようにしてある。
【0034】
また、カーテン塗布方法は図3に示すようにスライドビード塗布方法における塗布幅規制用の幅規制プレート4を下方に延長してエッジガイド4Aを形成しその間に塗布膜のカーテン膜を形成させ、下方に配置させたバックロール2Aに支持されて搬送される支持体1に上記カーテン膜の先端部を衝突させながら、支持体1上に塗布膜を形成させるようにしたものである。
【0035】
このような揮発性溶剤の高粘度塗布液を塗布するコーターへ送液する際、予めコーターダイス3への送液配管内及びコーターダイス3内のポケット3a,3b,3c,3d及びスリット3A,3B,3C,3Dを溶剤で湿らせ、その後、塗布液を送液する方法があったが、溶剤沸点が低い場合やその流量が少ない場合、どうしても塗布故障である筋が発生していた。
【0036】
そこで、前記溶剤を塗布液溶剤の沸点よりも高くすることや流量をある範囲にすることで、筋故障の抑制が可能となった。
【0037】
また、高粘度溶液をスライドビード塗布又はカーテン塗布で塗布する場合、最下層粘度を低くする(約20mPa・s以下)必要があったが、その最下層粘度が比較的高い場合でも、最下層WET膜厚が厚い場合には塗布が可能であり、最下層の最低WET膜厚を容易に計算することが可能となったり、スライドビード塗布の場合、塗布速度とビードギャップの関係を容易に計算することが可能になり、塗布生産条件を簡単かつ正確に選択することが出来るようになった。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【0039】
本実施例では3層のスライドビード塗布を行うものであり、第1層は最下層でスライドビードの形成とその安定化を目的とした層の塗布液であり、ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)10.5gをメチルエチルケトン(以降、MEKと略すことがある)100gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて攪拌しながら、調製した。これにかぶり防止剤や接着性向上剤を添加して使用することもある。また次に述べる第2層の塗布液を希釈して分流して用いることもできる。
【0040】
第2層は感光層塗布液であり、その調製について述べる。
〔感光性ハロゲン化銀乳剤の調製〕
水900ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370ml、(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを上記硝酸銀と等モル及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10−4モルを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.05μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ、脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤を得た。
【0041】
〔粉末有機銀塩の調製〕
4720mlの純水に、ベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次いで、高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。該有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、銀として0.038モル相当の上記感光性ハロゲン化銀乳剤と純水450mlを添加し、5分間攪拌した。次に1モル/Lの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌した後、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を行った後、質量の減少がなくなるまで加熱した窒素気流下で乾燥を行い、粉末有機銀塩を得た。
【0042】
〔感光性乳剤分散液の調製〕
ポリビニルブチラール粉末(Monsanto社 Butvar B−79)14.57gをメチルエチルケトン(以降、MEKと略す)1457gに溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて攪拌しながら、500gの粉末有機銀塩を徐々に添加して十分に混合した。その後1mm径のZrビーズ(東レ製)を80%充填したメディア型分散機(gettzmann社製)にて周速13m、ミル内滞留時間0.5分間にて分散を行ない感光性乳剤分散液を調製した。
【0043】
〔感光層塗布液の調製〕
前記作製した感光性乳剤分散液500gを用いて、これに窒素気流下でMEK100gを攪拌しながら加え24℃に保温した。30分後に、ビス(ジメチルアセトアミド)ジブロモブロメイトの10%メタノール溶液を2.50ml添加して1時間攪拌し、さらに、臭化カルシウムの10%メタノール溶液を4ml添加した後、15分攪拌した。次いで、色素安定剤−1と酢酸カリウムの質量比で1:5の混合溶液(色素安定剤−1の20質量%メタノール溶液)1.8mlを加え15分攪拌した。次に赤外増感色素であるDye−1及び色素安定剤−2の混合溶液(混合質量比率1:250、増感色素として0.1質量%のMEK溶液)を7ml添加して1時間攪拌した後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。これを13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール48gを添加して充分溶解させてから、以下の添加物を添加して、感光層用塗布液を調製した。なお、上記の操作はすべて窒素気流下で行った。
【0044】
【0045】
【化1】
【0046】
そして粘度の調整にはバインダの量や溶媒の量を振って行った。
第3層は表面保護層であり、その塗布液の調製は次のように行った。
【0047】
(表面保護層塗布液の調製)
MEKを865g攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB171−15)を96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社製、パラロイドA−21)を4.5g、ビニルスルホン化合物HD−1(*1)を1.5g、ベンゾトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝子社製、サーフロンKH40)を1.0g添加し溶解した。次に下記マット剤分散液30gを添加して攪拌しながら、フタラジン15gを添加して、表面保護層塗布液を調製した。
【0048】
(*1)HD−1:1,3−{ビス(ビニルスルホニル)}−2−ヒドロキシプロパン
〈マット剤分散液の調製〉
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、CAB171−15)7.5gをMEK42.5gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speciality Minerals社製、Super−Pflex200)5gを添加し、ディゾルバー型ホモジナイザーにて8000rpmで30min分散しマット剤分散液を調製した。
【0049】
支持体は次のように作成した。
(支持体の作製)
濃度0.160(コニカ社製デンシトメーターPDA−65での測定値)に青色着色した、厚み175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施した後、公知の方法により下引き処理を施した。
【0050】
以上の試料を用いて図1及び図2に示すようなコーターダイス3を装着したスライドビード塗布装置により塗布を行った。
【0051】
実施例1〜4においては長さ1000mの塗布を行なった。
実施例5〜13においては長さ10mの塗布を行なった。
【0052】
実施例1
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液が塗布される場合、塗布以外の時の例えば塗布を開始する前の調整時にコーター保持台7を移動後退させた上で、図1及び図3に示すようにコーターダイス3の最上層用のスリット3Dから、塗布液主溶媒(MEK)の沸点が79.6℃以上であって、表1に示すような、沸点が85℃及び90℃の溶媒を含有した溶液を流すようにした塗布方法を試みた。このようにして調整が円滑に行われ、各スリットから供給される塗布液のスリットへの逆流現象やそれによるスリットの目詰まりを解消し、筋故障の発生の無い良好な塗布が持続できる塗布方法であることが確認できた。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例2
前記溶媒は、同じく表1に示すように、1つの溶媒であっても良く、1つ以上の例えば2つであっても混合溶媒であれば可能であることが実証された。
【0055】
実施例3
同じく表1に示すように、前記溶媒の流量(ml/min)は、塗布幅(m)×50≦溶媒流量≦塗布幅(m)×5000の条件を採ることによって筋故障のない良好な塗布が可能であることが分かった。
【0056】
実施例4
同じく表1に示すように前記塗布方法における、塗布液が流れる場所の表面風速が、3m/secを超え例えば5m/secに達すると問題が起こり筋故障が僅か発生するようになるが、3m/sec以下であると筋故障は皆無になり好ましいことが分かる。
【0057】
実施例5
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、最下層の粘度が0.5〜100mPa・sのとき、最下層の最低WET膜厚が、次式で求められる厚さよりも厚くすることによって、表2に示すように故障のない良好な塗布が得られることが確認できた。
【0058】
Y:最下層WET膜厚(μm)
X:最下層粘度(mPa・s)としたとき、
Y=0.0005X2+0.0858X+1.75
【0059】
【表2】
【0060】
実施例6
連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、コーターへの塗布液供給は、最下層塗布液から順次送液する塗布方法とすることによって高粘度塗布液が最下層用のスリットを詰まらせることなく良好な塗布を行うことができ安定した塗布方法であることを確認した。
【0061】
実施例7
また、最下層塗布液の送液流量は、その上層の塗布液流量よりも多くすることが望ましいといえる。
【0062】
実施例8
前述の最下層塗布液の送液流量は、その他の層の塗布液流量よりも遅く規定の塗布液流量とすることによって安定した塗布が得られることを確認した。
【0063】
実施例9
図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で表されるBの最小値Bminと最大値Bmaxとの間にBを設定して塗布を行う塗布方法を試みた。
【0064】
Bmin=58・logeA
Bmax=185・logeA−100
表3に示すようにこの条件に入っている場合の塗布は安定して行われ、この条件に入らない場合の塗布は不安定で続行不能であった。
【0065】
【表3】
【0066】
実施例10
同じく図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で算出されるBを最適値として設定して塗布を行った。
【0067】
B=60・logeA+60
図4の塗布の安定度についてのグラフが示すように実施例9に示した塗布方法の中で更に安定した領域の塗布が実現できた。
【0068】
実施例11
同じく図1に示すようなスライドコーターによってバックロール2の回転で連続走行する支持体1上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、図2(a)の平面図、(b)の正面図、(c)の側面図に示すように、前記スライドビード塗布装置のコーターダイス3のスライド面3Sで塗布幅を規制する幅規制プレート4の先端エッジ(リップ)4Lにおける先端傾斜面4Kが前記スライド面3Sとなす角度であるフロント部の角度及び幅規制プレート4の内側傾斜面4Mが前記スライド面3Sとなす角度であるサイド部の角度は、支持体1の走行面と前記コーターダイス3のスライド面3Sがなす角度がαであるとき、(α−40)°≦フロント部の角度≦(α−5)°であり、且つ、フロント部の角度≦サイド部の角度≦90°であるようにして塗布を行った。
【0069】
これによって支持体面に塗布された塗布液の幅方向両サイドの膜厚が図5の模式図に示すような厚膜になる現象を和らげることが可能になる。このような厚膜が生ずると乾燥の負荷が大きくなるばかりでなく、一部生乾きのままになると塗布品質が大きく低下してしまい、乾きが完全になった場合でもサイド厚膜を生じたまま巻き取りが行われると巻状態が不均一になり塗布層の圧され方にムラが起こり感光材料であればかぶりを生じてしまい著しく品質を下げてしまい製品としての価値も無くしてしまう。しかし、本発明の実施例のような対処の仕方によってそのような事故が解消される。
【0070】
実施例12
連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、図2に示すように、スライド面3Sで塗布幅を規制する幅規制プレート4の設置位置を、該幅規制プレート4のフロント側の先端エッジ4Lがスライドビード塗布装置のコーターダイス3のフロントバーリップ3Lに一致するような位置にした塗布方法を試みた。これによって厚膜の度合は実施例11に較べて更に小さくなり、塗布品質や巻き取り品質は更に向上した。
【0071】
実施例13
連続走行する支持体1上に、スライドビード塗布装置のコーターダイス3によって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、ビード全体に対し、支持体走行方向上流側に向かって減圧を加えるチャンバー5を設け該チャンバー5は前述のように仕切板5Sによって複数(ここでは2つ)の部屋5A,5Bにわけられており、どちらも減圧室にしてあるが、一方は排液回収用に、もう一方はサクションの排気用にしてある。
【0072】
このような塗布方法によって、高粘度の塗布液を塗布する場合に、塗布ムラに対していっそう安定した塗布方法が確認できた。
【0073】
なお、実施例1〜8については前述のようなスライドビード塗布方法ばかりでなく図3に示すようなカーテン塗布装置を用いたカーテン塗布方法についてもスライドビード塗布と同じような実施を試みたが全く同様の結果が得られた。
【0074】
【発明の効果】
本発明により次のような結果が得られた。
(1) 塗布液供給時にスライド面へ流す溶液を塗布液主溶媒の沸点以上にすることと流量範囲を規定することで、筋やムラのような塗布品質低下となる故障を抑制することが可能となり、生産効率もアップした。
(2) 最下層塗布液粘度が、100mPa・sでも最下層膜厚を厚くすることで塗布可能となり、性能・品質が向上した。
(3)最下層塗布液からコーターへ供給することで、ダイススリット内への逆流が抑制され、筋故障が無くなった。
(4) 高粘度塗布のCSが決まれば、式によって計算されたビードギャップで塗布することで、良好な塗布が可能となった。
(5) 幅規制プレートのフロント角度を規定することとその先端エッジの位置をフロントバーリップに合致させることで、塗布端であるサイド厚膜が低減され、工程内汚染や巻き取り不能が発生せず、生産出来るようになった。
(6) 高粘度塗布の場合、塗布液の減圧機構と排液機構を分離することで塗布ムラ抑制と品質向上が可能となる。
【0075】
即ち、コーター上での塗布液の乾燥防止により、筋及びムラ故障が抑制され、最下層粘度が比較的高い場合でも膜厚アップで塗布可能となり、性能・物性面の品質が向上することとなった。また、塗布の安定生産が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法に係るスライドビード塗布装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の塗布方法に係るスライドビード塗布装置におけるコーターダイスの一部の平面図、正面図及び側面図である。
【図3】本発明に係るカーテン塗布方法の一例を示す概略図である。
【図4】コーティングスピードを一定にしてビードギャップを変化させて良好な塗布が得られる範囲における安定度を示すグラフである。
【図5】サイド厚膜を示す模式図である。
【符号の説明】
1 支持体
2,2A バックロール
3 コーターダイス
3A,3B,3C,3D スリット
3a,3b,3c,3d ポケット
3L フロントバーリップ
3S スライド面
4 幅規制プレート
4A エッジガイド
4K 先端傾斜面
4L 先端エッジ
4M 内側傾斜面
5 減圧チャンバー
5A,5B 部屋
6 接液部
7 コーター保持台
α 支持体の走行面とコーターダイスのスライド面がなす角度
β コーターダイスのスライド面傾斜角度
Claims (13)
- 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布する塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有した塗布液を塗布される場合、塗布以外の時に最上層用のスリットから塗布液主溶媒の沸点以上の沸点の溶媒を含有した溶液を流すようにしたことを特徴とする塗布方法。
- 前記溶媒は、1つの溶媒であっても、複数の混合溶媒であっても可能であることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
- 前記溶媒の流量(ml/min)は、塗布幅(m)×50≦溶媒流量≦塗布幅(m)×5000とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
- 前記塗布方法における、塗布液が流れる場所の表面風速が、3m/sec以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布方法。
- 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、最下層の粘度が0.5〜100mPa・sのとき、最下層の最低WET膜厚が、次式で求められる厚さよりも厚いことを特徴とする塗布方法。
Y:最下層WET膜厚(μm)
X:最下層粘度(mPa・s)としたとき、
Y=0.0005X2+0.0858X+1.75 - 連続走行する支持体上に、複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式又はカーテン塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、コーターへの塗布液供給は、最下層塗布液から順次送液することを特徴とする塗布方法。
- 前記最下層塗布液の送液流量は、その上の層の塗布液流量よりも多くすることを特徴とする請求項6に記載の塗布方法。
- 前記最下層塗布液の送液流量は、その他の層の塗布液流量よりも遅く塗布液流量とすることを特徴とする請求項6に記載の塗布方法。
- 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で表されるBの最小値Bminと最大値Bmaxとの間にBを設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
Bmin=58・logeA
Bmax=185・logeA−100 - 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、Aをコーティングスピード(m/min)とし、Bをビードギャップ(μm)としたとき、5〜50の範囲の任意のAに対して、次式で算出されるBを最適値として設定して塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
B=60・logeA+60 - 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、前記スライドコーターのスライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの先端リップにおける傾斜面が前記スライド面となす角度であるフロント部の角度及び幅規制プレートの内側傾斜面が前記スライド面となす角度であるサイド部の角度は、支持体の走行面と前記スライドコーターのスライド面がなす角度がαであるとき、(α−40)°≦フロント部の角度≦(α−5)°であり、且つ、フロント部の角度≦サイド部の角度≦90°であることを特徴とする塗布方法。
- 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、スライド面で塗布幅を規制する幅規制プレートの設置位置は、該幅規制プレートのフロント側の端部エッジをスライドコーターのフロントバーリップに一致させた位置であることを特徴とする塗布方法。
- 連続走行する支持体上に、スライドコーターによって複数の層を同時に塗布するスライドビード塗布方式を用いた塗布方法において、少なくとも1層が揮発性溶剤を含有し粘度が300mPa・s以上である場合、ビード全体に対し、支持体走行方向上流側に向かって減圧を加える減圧室を複数設けたことを特徴とする塗布方法。
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