JP2005058882A - 同時重層用スライド型コータ及び同時重層塗布方法 - Google Patents

同時重層用スライド型コータ及び同時重層塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有した複数の塗布液を同時重層用スライド型コータを用いて同時重層塗布を行う際、ビードが安定し筋故障の発生が無く、長時間塗布が可能な同時重層用スライド型コータの提供。
【解決手段】 連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる、少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータにおいて、
該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有し、
該バーの内、該帯状支持体と向き合うフロントバーのリップの長さが0.5〜5.0mmであることを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータ(以下、単にスライド型コータともいう)及び同時重層塗布方法に関する。
従来より、連続走行する帯状支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法として、Edward Cohen,Edgar Gutoff著「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に述べられている如く、例えばディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライド塗布法、カーテン塗布法等が知られている。そして、これらの塗布方法において、支持体の幅方向に均一な乾燥膜厚にするため、塗布時の塗布膜厚精度、均一性等に注意が払われ塗布を行っている。
これらの塗布方法の中で、一般的に感光材料や磁気記録材料等の塗布には高速、薄膜、多層同時塗布が可能であることから、スライド型コータを使用したスライド塗布法が広く用いられている。スライド型コータを使用したスライド塗布法に付き図で概略を説明する。
図5はスライド型コータを使用したスライド塗布方式の概略図である。図5の(a)はバックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、スライド型コータを使用して塗布するスライド塗布方式の模式図である。図5の(b)は図5の(a)に示されるスライド型コータの拡大概略平面図である。図5の(c)は図5の(a)のXで示される部分の拡大概略断面図である。
図中、1はスライド型コータを示し、2はバックロールを示し、3は連続走行する帯状支持体を示す。矢印は帯状支持体3の搬送方向を示す。101はスライド型コータを構成しているバーを示し、本図の場合はバー101a〜101dの4本のバーでスライド型コータ1を構成している。バーの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
これらスライド型コータ1を構成しているバー101a〜101dの内、帯状支持体3と向き合うリップ部103を有するバー101aをフロントバーと言い、中間に位置するバー101、101cをセンターバーと言い、最上部のバー101dをバックバーと言う。
102はバーの間に作られた塗布液の流出口であるスリットを示し、本図の場合はバー101a〜101dの4本のバーの間に作られた各スリット102a〜102cを有している。102a1〜102c1は各スリットの出口のエッジ部を示す。
104は供給管403から送られてくる塗布液をスリット102より幅方向に均一に押し出すためにスリットに設けられたポケットを示す。104a〜104cは各スリット102a〜102cに設けられているポケットを示す。
105は各バーの先端面で構成されたコータのスライド面を示し、本図の場合は各バー101a〜101dによりスライド面105a〜105dが構成されている。107a、107bはスライド面105の両端に設けられたエッジガイドを示す。塗布液供給系4の調製釜401で調製された塗布液を送液ポンプ402により供給管403を通して、各スリットに作られたポケット104に供給され、各スリットから押し出された塗布液はエッジガイド107a、107bにより幅を規制されスライド面105を流下し、リップ部103で帯状支持体との間にビード106と称する塗布液溜まりをつくり、このビードを介してバックロール2により塗布反対面を保持され搬送される支持体3の保持部に塗布される。この様にビードを介して塗布を行うことからスライドビード塗布とも言われている。
107cはエッジガイド107aの塗布液と接する面(以下、接液面ともいう)を示し、107dはエッジガイド107bの接液面を示す。エッジガイド107a、107bにより塗布幅の均一性が規制されるため、スライド型コータ1を使用した塗布方法ではエッジガイド107a、107bは必須の部材となっている。5aは支持体に塗布された塗布層を示す。6はビード形成を安定化ためスライド型コータの下部に設けられた減圧室を示し、601は吸引管を示す。
本図に示す様なスライド型コータにおいては、塗布の安定のためにはビードの安定性が非常に大きく影響する。ビードの安定性はリップとウェブの間隙の設定、環境条件、塗布液物性すなわち粘度、表面張力特に多層同時塗布の場合は、層間の物性の関係等が大きく影響し、さらに塗布速度が早くなったり、膜厚が薄くなると、ビードの安定が難しくなる。ビードが不安定であると筋故障、尾引き故障、液切れ等の故障が発生する。
更にビードが不安定になる原因としてリップ部に付着する塗布液の乾燥に伴う固化固着物が挙げられる。特に揮発性溶媒を含有した溶剤系の塗布液をスライド型コータに使用した塗布の場合、リップ部に付着する塗布液が乾燥し、固化固着することで、ビードの形成が不安定になったり、固化固着物が支持体上に触れて筋故障の発生の1つの原因となったりする。
このような原因の筋故障が発生すると、その部分は製品として使うことができず、その部分を切除して合理的な材料採りをしたとしても製品収率が大きく低下しその選別作業の工数も増加する。
リップ部への塗布液の固化固着を防止し、ビードを安定化する方法として次に示す対策が取られてきた。
例えば、リップ部に撥水性樹脂を施すことで、リップ部への塗布液の固化固着を防止しビードの安定化を行う方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。リップ部の表面粗さを0.5μm以上に粗面化することでリップ部への塗布液の固化固着を防止しビードの安定化を行う方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。リップ部の表面に親水化処理を施し酸化被膜を形成することでリップ部への塗布液の固化固着を防止しビードの安定化を行う方法が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。ビード部を支持体の搬送方向の上流側から減圧しつつ、同時に搬送方向の下流側から加圧することでビードの安定化を行う方法が知られている(例えば、特許文献4を参照。)。
しかしながら、これらの対策は以下の如き欠点を有している。
特許文献1〜3に記載の技術の場合、揮発性溶媒を含有している表面張力が15〜35mN/mで、粘度が0.2〜2.0Pa・sの塗布液を同時重層塗布した場合、リップ部でビードの形成が不安定になり安定した塗布が出来なくなる。
特許文献4に記載の技術の場合、揮発性溶媒を含有している塗布液の場合、加圧風により揮発性溶媒が蒸発し、塗布液の表面に被膜が形成されやすくなり、塗布液の流れが安定しなくなり塗布故障が発生し易くなる。
このような状況から、少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有した複数の塗布液をスライド型コータを用いて同時重層塗布を行う際、ビードが安定し筋故障の発生が無く、長時間塗布が可能なスライド型コータの開発が望まれている。
特公平1−57629号公報 特開平6−15211号公報 特開平6−142589号公報 特開平10−118560号公報
本発明は上記状況に鑑み成されたものであり、その目的は、少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有した複数の塗布液をスライド型コータを用いて同時重層塗布を行う際、ビードが安定し筋故障の発生が無く、長時間塗布が可能なスライド型コータを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる、少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータにおいて、
該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有し、
該バーの内、該帯状支持体と向き合うフロントバーのリップの長さが0.5〜5.0mmであることを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
(請求項2)
連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータにおいて、該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有しており、該バーの内、該支持体と向き合うフロントバーのリップに続く下部に曲率半径が5〜30mmの曲面部分を少なくとも一部含む凹部を有することを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
(請求項3)
前記凹部は、リップの長さに対して2〜100倍の長さを有していることを特徴とする請求項2に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項4)
前記リップの長さが0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項5)
前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
(請求項6)
連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータを用いて少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する同時重層塗布方法において、
該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有し、
該バーの内、該帯状支持体と向き合うフロントバーのリップの最上部の前記帯状支持体との距離と、該リップの最下部の前記帯状支持体との距離との差を0〜1.0mmにして塗布することを特徴とする同時重層塗布方法。
(請求項7)
前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mであることを特徴とする請求項6に記載の同時重層塗布方法。
(請求項8)
前記同時重層用スライド型コータが請求項1〜5の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータであることを特徴とする請求項6に記載の同時重層塗布方法。
少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有した複数の塗布液を同時重層用スライド型コータを用いて同時重層塗布を行う際、ビードが安定し筋故障の発生が無く、長時間塗布が可能な同時重層用スライド型コータを提供することが出来、筋及びムラ故障が抑制され、性能・物性面の品質が向上し、合わせて塗布の安定生産が容易となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図4を参照して説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明のスライド型コータを使用したスライド塗布方式の概略図である。図1の(a)はバックロールで塗布反対面を保持された支持体の保持部へ、同時重層用スライド型コータを使用して塗布するスライド塗布方式の模式図である。図1の(b)は図1の(a)に示される同時重層用スライド型コータの拡大概略平面図である。図1の(c)は図1の(a)に示される同時重層用スライド型コータの拡大概略断面図である。尚、図1の(c)は同時重層用スライド型コータを構成しているバーの形状を示すため塗布液は省略してある。
図中、7はスライド型コータを示し、2はバックロールを示し、3は連続走行する帯状支持体を示す。矢印は帯状支持体3の搬送方向を示す。701はスライド型コータを構成しているバーを示し、本図の場合はバー701a〜701dの4本のバーでスライド型コータ7を構成している。
702はバーの間に作られた塗布液の流出口であるスリットを示し、本図の場合はバー701a〜701dの4本のバーの間に作られた3つの各スリット702a〜702cを有している。各スリット702a〜702cから吐出する塗布液の限定はなく、塗布する製品により随時選択することが可能である。例えば最下層の塗布液が0.1〜2.0Pa・sの高粘度の場合は、スライド面上の最下層の塗布液の流れを良くし、塗布安定のために最下層の塗布液の下に塗布補助液(本発明ではスリップ層塗布液ともいう)を供給する場合もある。又、バーの数は固定されているのではなく、塗布する層の数に応じて増減することが可能である。
本図のスライド型コータ7の場合は、スリット702aはスベリ層用の溶液を吐出し、スリット702b及びスリット702cは塗布液を吐出用に使用することが可能である。使用する塗布液は少なくとも1つの塗布液が揮発性溶剤を含有した塗布液である。
本発明に係る揮発性の溶媒を含む塗布液は、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mであることが好ましい。粘度が0.2Pa・s未満の場合は、多量の溶媒を使用し低粘度にするため、使用する溶媒の種類によっては乾燥負荷が掛かり生産性が劣化かる場合がある。粘度が2.0Pa・sを越えた場合は、溶媒の量が減少することにより、添加剤の種類によっては溶解し難くなり必要とする性能が得られなくなる場合がある。
表面張力が15mN/m未満の場合は、使用する溶媒(例えば、メチルエチルケトン(MEK))の使用が制限されるため、必要とする性能が得られなくなる場合がある。表面張力が35mN/mを越えた場合は、使用する溶媒(例えば、MEK)の使用が制限されるため、必要とする性能が得られなくなる場合がある。
本発明に係る揮発性の溶媒を含む塗布液は、粘度及び表面張力がこれらの範囲にあれば特くに限定はなく、例えば熱現像感光材料用塗布液、磁気材料用塗布液、ハロゲン化銀感光材料等の画像記録材料用塗布液が挙げられる。
702a1〜702c1は各スリットの出口のエッジ部を示し、703は帯状支持体3と向き合うリップ部を示す。704は供給管403から送られてくる塗布液をスリット702より幅方向に均一に押し出すためにスリットに設けられたポケットを示す。704a〜704cは各スリット702a〜7028cに設けられているポケットを示す。
705は各バーの先端面で構成されたコータのスライド面を示し、本図の場合は各バー701a〜701dによりスライド面705a〜705dが構成されている。
706a、706bはスライド面705の両端に設けられたエッジガイドを示す。塗布液供給系4の調製釜401で調製された塗布液を送液ポンプ402により供給管403を通して、各スリットに作られたポケット704に供給され、各スリットから押し出された塗布液はエッジガイド706a、706bにより幅を規制されスライド面705を流下し、リップ部703で帯状支持体との間にビード708と称する塗布液溜まりをつくり、このビード708を介してバックロール2により塗布反対面を保持され搬送される支持体3の保持部に塗布される。706cはエッジガイド706aの塗布液と接する面(以下、接液面ともいう)を示し、706dはエッジガイド706bの接液面を示す。エッジガイド706a、706bにより塗布幅の均一性が規制されるため、スライド型コータ1を使用した塗布方法ではエッジガイド706a、706bは必須の部材となっている。5bは支持体に塗布された塗布層を示す。6は塗布の安定化のためスライド型コータの下部に設けられた減圧室を示し、601は吸引管を示す。
707はリップ部703の下部に設けられた凹部を示す。リップ部703及び凹部707の形状については図2で詳細に説明する。
本図に示すスライド型コータは、塗布時に待機位置より塗布位置まで移動し、塗布終了後は待機位置まで移動するようになっている。待機位置では各スリットから吐出する塗布液の吐出量の調整、スライド面の清掃等が行われる。
図2は図1の(c)のYで示される部分の拡大概略図である。
図中、Mはリップ部703の長さを示す。長さMは0.5〜5.0mmである。0.5mm未満の場合は、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではリップ部における流れが悪くなりビードの形成が不安定となり、安定した塗布が行われなくり好ましくない。5mmを越えた場合は、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではビードの形成位置が不安定になり形成されたビードが不安定となり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。
凹部707は曲率半径が5〜30mmの曲面部分を少なくとも一部含んでおり、凹部707の全長はリップ部703の長さに対して2〜100倍であることが好ましい。凹部707の曲面部分の曲率半径が5mm未満の場合は、リップ部が長くなった状態と同じになり、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではビードの形成位置が不安定になり形成されたビードが不安定となり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。30mmを越えた場合は、凹部を設けたバーの真直度が低下し凹部を設けたバーで構成されるスリットの精度が悪くなり塗布液の流れが不安定になり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。
凹部707の全長がリップ部703の長さに対して2倍未満の場合は、リップ部が長くなった状態と同じになり、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではビードの形成位置が不安定になり形成されたビードが不安定となり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。100倍を越した場合は、凹部を設けたバーの真直度が低下し凹部を設けたバーで構成されるスリットの精度が悪くなり塗布液の流れが不安定になり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。
図3はリップ部及び凹部の形状の一例を示す概略断面図である。
(1)はリップ部703に繋がる面が曲面と下側が傾斜した平面とから構成された凹部707の場合を示している。(2)はリップ部703に繋がる面がスライド面705aと平行な平面と他が曲面とから構成された凹部707の場合を示している。(3)はリップ部703に繋がる面が傾斜した平面と他が曲面とから構成された凹部707の場合を示している。(4)はリップ部703に繋がる面が曲面と下側がスライド面705aと平行な平面とから構成された凹部707の場合を示している。(5)はリップ部703が外側に傾斜した斜面で、リップ部703に繋がる面が曲面で構成された凹部707の場合を示している。(6)はリップ部703が内側に傾斜した斜面で、リップ部703に繋がる面がスライド面705aと平行な平面と他が曲面とから構成された凹部707の場合を示している。尚、本図で示されるリップ部及び凹部の寸法は全て図2で示されるリップ部及び凹部の寸法と同じである。
フロントバーのリップの形状やリップ下側形状を図2、図3に示す寸法、形状にすることにより、次の効果が挙げられる。
1)リップ部におけるビードの形成が安定し、長時間の安定した塗布が可能となり、塗布故障が抑制され、性能・物性面の品質向上が可能となった。
2)フロントバーの真直度を維持し、リップの形状やリップ下側の凹部形状を最適置にすることが出来、塗布液の安定供給が可能となり、リップ部におけるビードの形成が安定した。
3)揮発性溶媒を含有した塗布液が高粘度・低表面張力(例えば粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/m)の場合でも対応が可能となり、塗布液の適応範囲が広がり、要求される各種製品への対応が可能となった。
図4は図1の(a)のXで示される部分の拡大概略図である。尚、本図では、リップと帯状支持体との位置関係を示すため塗布液は省略してある。
図中、Eはリップ部703の最上部と帯状支持体3との距離を示し、Fはリップ部703の最下部と帯状支持体3との距離を示す。本発明ではリップ部703の最下部と帯状支持体3との距離とリップ部703の最上部と帯状支持体3との距離の差が0〜1.0mmである。
差が負(−)の場合は、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではビードの形成位置が不安定になり形成されたビードが不安定となり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。1.0mmを越える場合は、粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mである揮発溶媒を含む塗布液ではビードの形成位置が不安定になり形成されたビードが不安定となり安定した塗布が行われなくなり好ましくない。
図1〜図3に示す本発明の同時重層用スライドコータを使用し、図4に示す如き位置で帯状支持体に塗布することで次の効果が得られる。
1)フロントバーのリップの形状やリップ下側形状を図2、図3に示す最適値の寸法、形状にすることで、揮発性溶媒を含有した塗布液が高粘度・低表面張力(例えば粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/m)の場合でも、スライド面上の塗布液の流れが安定し、安定したビードが形成され、長時間の安定した塗布が行うことが出来、塗布故障が抑制され、性能・物性面の品質向上が可能となった。また、塗布の安定生産が容易となった。
2)使用可能の塗布液の範囲が広がり、要求される各種性能を有する製品の対応が可能になった。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法に従って、有機銀成分を含有した感光層塗布液及び表面保護層塗布液を調製した。
〈感光層塗布液〉
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
水900L中にイナートゼラチン7.5kg及び臭化カリウム10gを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74kgを含む水溶液370Lと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルを含む水溶液370Lを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤に、ゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理を行った後、フェノキシエタノール100gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。さらに、得られたハロゲン化銀乳剤に、塩化金酸及び無機硫黄で化学増感を行いハロゲン化銀乳剤Aを得た。
上記単分散度及び投影直径面積の変動係数は、下式により算出した。
単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
投影直径面積の変動係数(%)=(投影直径面積の標準偏差)/(投影直径面積の平均値)×100
《ベヘン酸Na溶液の調製》
945Lの純水にベヘン酸32.4kg、アラキジン酸9.9kg、ステアリン酸5.6kgを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液98Lを添加した。次に濃硝酸0.93Lを加えた後、55℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。
(プレフォーム乳剤の調製)
上記のベヘン酸Na溶液に前記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1kg添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1モル/Lの硝酸銀溶液147Lを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。出来たベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後乾燥させ、次に、ポリビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544kgとトルエン107kgを徐々に添加して混合した後に、メディア分散機により27.6MPaで分散させプレフォーム乳剤を調製した。
〈感光層塗布液の調製〉
プレフォーム乳剤 240kg
増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7L
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3L
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7L
カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液) 1.2L
2−(4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液))
9.2L
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11L
トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17L
現像剤−1(20%メタノール溶液) 29.5L
Figure 2005058882
〈非感光性保護層塗布液〉
《非感光性保護層塗布液の調製》
メチルエチルケトン 52L
酢酸セルロース 2.3kg
メタノール 7L
フタラジン 250g
4−メチルフタル酸 180g
テトラクロロフタル酸 150g
テトラクロロフタル酸無水物 170g
マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ
70g
919−C64−SO3Na 10g
〈スリップ層塗布液〉
上記感光層塗布液をMEKで希釈し、粘度を0.03Pa・sに調整した。
感光層塗布液及び非感光性保護層塗布液の調製量は上記の調製量を1単位とし、塗布量に応じて調製を実施した。
〈同時重層用スライド型コータの準備〉
図1、図2に示す同時重層用スライド型コータを使用し、表1に示す様にリップ部の長さ、リップ部に続く凹部の形状を変化した同時重層用スライド型コータを準備し1−1〜1−16とした。尚、同時重層用スライド型コータの幅は mmとした。尚、凹部の形状は図2に示される形状を基本として曲率半径とリップ部に対する長さを変化した。
Figure 2005058882
〈塗布・乾燥〉
上記、調製した感光層塗布液の粘度μ(Pa・s)を0.5Pa・s、非感光性保護層塗布液の粘度μ(Pa・s)を0.1Pa・sに調整し、塗布速度を80m/分、塗布幅100mm、湿潤状態での感光層の膜厚100μm、非感光性保護層の膜厚30μmとなるように塗布を行うのに必要な塗布液の吐出量の調整を準備した同時重層用スライド型コータ1−1に付き待機場所にて行った。
吐出量の調整が終了した後、同時重層用スライド型コータ1−1を塗布位置に移動し、厚さ100μm、幅150mmの帯状支持体(PETを使用)10000mを使用し、バックロールに保持された帯状支持体に、塗布液温度25℃、塗布速度を80m/分、塗布幅100mm、湿潤状態での感光層の膜厚100μm、非感光性保護層の膜厚30μmとなるように塗布を行った後、80℃で乾燥を行い熱現像感光材料を作製し試料101とした。塗布の時、帯状支持体と向き合うリップ部の最上部の帯状支持体との距離と、該リップの最下部の帯状支持体との距離の差を0.5mmとなるようにした。
尚、同時重層用スライド型コータ1−1に変えて準備した同時重層用スライド型コータ1−2〜1−16を使用した他は全て同じ条件で塗布・乾燥を行い熱現像感光材料を作製し試料102〜116とした。
〈評価〉
得られた各試料101〜116に付き、塗布終了前の100mに付き幅方向を目視で塗布筋故障の有無を観察し、以下に示す評価ランクで評価した結果を表2に示す。
評価ランク
○:塗布筋故障の発生が認められない
△:1〜2本の塗布筋故障の発生が認められ、削除すれば製品化は可能
×:3本以上の塗布筋故障の発生が認められる製品化は困難
Figure 2005058882
本発明の効果が確認された。
実施例2
実施例1で示した試料1−10を作製する際、表3に示す様に帯状支持体と向き合うリップの最上部の帯状支持体との距離と、リップ部の最下部の帯状支持体との距離の差を変えた他は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製し201〜208とした。
得られた各試料201〜208に付き、実施例1と同じ方法で塗布筋故障を観察し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2005058882
本発明の効果が確認された。
実施例3
〈感光層塗布液の準備〉
実施例1で調製した感光層塗布液の粘度、表面張力を表4に示す様に変え塗布液3−a〜3−fとした。
Figure 2005058882
〈非感光性保護層塗布液の準備〉
実施例1で調製した非感光性保護層塗布液の粘度、表面張力を表5に示す様に変え塗布液3−A〜3−Fとした。
Figure 2005058882
〈スライド型コータの準備〉
実施例1で準備した同時重層用スライド型コータNo1−10を使用した。
〈塗布・乾燥〉
準備した感光層塗布液3−a〜3−f、非感光性保護層塗布液3−A〜3−F
を使用し、実施例1と同じ条件で塗布液の吐出量の調整を行った後、実施例1と同じ条件で塗布・乾燥を行い熱現像感光材料を作製し試料301〜312とした。
〈評価〉
得られた各試料301〜311に付き、実施例1と同じ方法で塗布筋故障の有無を観察し、実施例1と同じ評価ランクで評価した結果を表6に示す。
Figure 2005058882
本発明の有効性が確認された。
本発明のスライド型コータを使用したスライド塗布方式の概略図である。 図1の(c)のYで示される部分の拡大概略図である。 リップ部及び凹部の形状の一例を示す概略断面図である。 図1の(a)のXで示される部分の拡大概略図である。 同時重層用スライド型コータを使用したスライド塗布方式の概略図である。
符号の説明
1、7 同時重層用スライド型コータ
101、101a〜101d、701、701a〜701d バー
102、102a〜102c、702、702a〜702c スリット
103、703 リップ部
105、105a〜105d、705、705a〜705d スライド面
106、708 ビード
2 バックロール
3 帯状支持体
707 凹部

Claims (8)

  1. 連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる、少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータにおいて、
    該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有し、
    該バーの内、該帯状支持体と向き合うフロントバーのリップの長さが0.5〜5.0mmであることを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
  2. 連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する塗布方式に用いる少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータにおいて、該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有しており、該バーの内、該支持体と向き合うフロントバーのリップに続く下部に曲率半径が5〜30mmの曲面部分を少なくとも一部含む凹部を有することを特徴とする同時重層用スライド型コータ。
  3. 前記凹部は、リップの長さに対して2〜100倍の長さを有していることを特徴とする請求項2に記載の同時重層用スライド型コータ。
  4. 前記リップの長さが0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の同時重層用スライド型コータ。
  5. 前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータ。
  6. 連続走行する帯状支持体上に、少なくとも2つのスリットと、該スリット及びスライド面を構成する少なくとも3つのバーとを有する同時重層用スライド型コータを用いて少なくとも2つの塗布液を同時に塗布する同時重層塗布方法において、
    該塗布液の少なくとも一つの塗布液は揮発性溶媒を含有し、
    該バーの内、該帯状支持体と向き合うフロントバーのリップの最上部の前記帯状支持体との距離と、該リップの最下部の前記帯状支持体との距離との差を0〜1.0mmにして塗布することを特徴とする同時重層塗布方法。
  7. 前記揮発性溶媒を含有した塗布液は粘度が0.2〜2.0Pa・sで、表面張力が15〜35mN/mであることを特徴とする請求項6に記載の同時重層塗布方法。
  8. 前記同時重層用スライド型コータが請求項1〜5の何れか1項に記載の同時重層用スライド型コータであることを特徴とする請求項6に記載の同時重層塗布方法。
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