JP2005328655A - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コイル1を備えた固定子2と、少なくとも一部に鉄部材3aを有し、前記固定子2に対し軸線方向に沿って往復動可能に設けられた可動子4と、前記固定子2の前記鉄部材3aに対向する面の一部に、前記鉄部材3aに対向させかつ磁極を軸線方向に直交させた状態で設けられたリング状の永久磁石5とを備えた。前記永久磁石5は、前記鉄部材3aに対向する面の他部、すなわち永久磁石未設置部9と面一に設けた。
【選択図】 図1
Description
「リニア振動アクチュエータの分類と研究開発の現状」、電気学会リニアドライブ研究会、平成9年1月20日、第41頁〜第46頁 「3次元磁気回路を採用したレシプロモータの開発と応用」、月刊フードケミカル、2003年7月号、第65頁〜第69頁
この対策として、従来より種々の試みがなされているが、リニアアクチュエータを製造するうえで常に課題となるのは、永久磁石が非常に高価な点である。リニアアクチュエータを如何に安価に製造できるかは、永久磁石の数や大きさを如何に減少させることができるかにかかっているといっても過言ではない。
請求項1記載のリニアアクチュエータは、コイルを備えた固定子と、少なくとも一部に鉄部材を有し、前記固定子に対し往復動可能に設けられた可動子と、前記固定子の前記鉄部材に対向する面の一部に、前記鉄部材に対向させかつ磁極を軸線方向に直交させた状態で設けられたリング状の永久磁石とを備えたことを特徴としている。
前記永久磁石は、前記鉄部材に対向する面の他部と、面一に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、固定子と可動子との隙間が往復動方向に一定に保たれるので、磁束漏洩を抑えることができる。
前記永久磁石は、前記鉄部材に対向する面の他部に対して、前記鉄部材側に突出させて
設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、固定子と可動子との隙間が広い領域を部分的に形成することができる。
前記固定子には、前記鉄部材に前記永久磁石とは逆側で対向する磁極部材が一体成形され、前記可動子は、前記鉄部材を入れ子とする合成樹脂のインサート成形により、形成されるものであることを特徴とする。
本発明によれば、固定子と磁極部材を別々に製造してそれらを接合させる必要がない。また、可動子を容易かつ軽量に形成することができる。
図1は、本発明におけるリニアアクチュエータの第1の実施の形態を示す。
このリニアアクチュエータ6は、全体として円筒形状をなしている固定子2と、この固定子2の内側に軸線方向に沿って往復動可能に設けられた可動子4と、固定子2の内周側に埋設されたリング状の永久磁石5と、固定子2の内部に巻回状態に配設されたコイル1とを備えている。
この固定子2の軸線方向および径方向における中央の所定範囲には、略リング状の収納空間部8が形成されていて、この収納空間部8には、リング状に巻回されたコイル1が配設されている。
この固定子2は、例えば磁性材料である焼結材で焼結により成形されている。また、この固定子2には、可動子4の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。
永久磁石5は、固定子2の永久磁石側に形成されたエアギャップ15によって、軸線方向における中央を境に第1領域21と第2領域22とに磁気的に分割されており、その結果、第1領域21および第2領域22がそれぞれ別々の永久磁石5として作用する。
また、可動子4には、永久磁石側すなわち径方向外側に突出する一対の環状の凸部Tが軸線方向両端部すなわち可動子の往復動方向両端部に設けられており、その結果、これら凸部Tの間に半径方向内方に凹む凹部が形成されている。それぞれの凸部Tの軸線方向の長さは、永久磁石5の半分の長さである。
なお、可動子4は、全体が磁化されていない磁性材料である鉄部材3aからなっており、例えば焼結材からなっている。
例えば、図2に示すように、コイル1に一方向(図2における右側端面から見て、反時計回り方向)に流れるように電流が流れると、このコイル1を正方向に周回するように起磁力が生じる。すると、図2に二点鎖線で示すように、永久磁石の第1の領域21、鉄部材3a、固定子1とをこの順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
以上によって軸線方向における一側(図2において左側)となる永久磁石5の第1領域21、鉄部材3a、固定子2とに磁束が導かれることで、可動子4が軸線方向における一方向(図2において右方向)に移動する。
以上によって、軸線方向における一側(図3における右側)となる永久磁石5の第2領域22、鉄部材3a、固定子2とに磁束が導かれることで、可動子4が軸線方向における一方向(図3における左方向)に移動する。
さらに、永久磁石5に隣接してエアギャップ15が形成されているため、永久磁石5の第1領域21または第2領域22のいずれかを介して固定子2と可動子4との磁束を導くことが確実にできる。なお、エアギャップ15に換えて非磁性材料(磁気的ギャップ)を配置してもよい。
このように構成すれば、全体として同じ大きさにした場合に、同じ推力を得るためのコイルが小さくなるので鉄損が少なくなり、力を発生させる面積を大きくすることができて、効率を向上させることができる。
また、上記リニアアクチュエータ6に位置、速度等を検出するセンサを設ければ、閉ループ制御を行うことで速度や位置の制御が可能なリニアサーボアクチュエータとして利用することができる。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態のリニアアクチュエータ61において、永久磁石5は、永久磁石未設置部9に対して、鉄部材側に突出させて、往復動方向の中央部分に設けられている。
これにより、固定子2と永久磁石未設置部9と可動子4との隙間が広まり、可動子4に対する付勢力が弱まる。その結果、変位に対する推力勾配の小さい(磁気ばねの弱い)モータとすることが出来、サーボモータとしての利用に適したモータとすることが出来る。さらに、固定子2の表面に設けられているので、永久磁石5の設置を容易に行うことが可能となり、製造コストの削減を図ることができる。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態のリニアアクチュエータ62においては、図5に示すように、上記永久磁石5を軸線方向において二つの永久磁石5a、5bに分割し、これら永久磁石5a、5bを互いの磁極の並びを揃え、固定子2の往復動方向に離間して固定子2の内周面に設けている。
具体的には、N極を可動子側に向けて、固定子2の鉄部材3aに対向する面において往復動方向の両端に離間して設けられている。さらに永久磁石5a、5bは永久磁石未設置部9に対して、鉄部材側に突出させて設けられている。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第4実施形態のリニアアクチュエータ63においては、図6に示すように、上記永久磁石5を軸線方向において二つの永久磁石5a、5bに分割し、これら永久磁石5a、5bを互いの磁極の並びを揃え、固定子2の往復動方向に離間して設け、さらに永久磁石5a、5bを永久磁石未設置部9と面一に設けている。
以上、いわゆるインナーコアレスリニアアクチュエータについて述べた。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第5実施形態のリニアアクチュエータ7は、いわゆるインナーコア付リニアアクチュエータであり、固定子2に設けられた環状のギャップ部13にカップ状の可動子4が往復動可能に設けられたものである(以下の実施形態においても同様)。具体的には、固定子2と、鉄片(鉄部材)3を有し固定子2に対し軸線方向に沿って往復動可能に設けられた可動子4と、鉄片3bに対向しかつ軸線方向に直交するように磁極を向けて固定子2に設けられた永久磁石5と、固定子2に固定されたコイル1とを備え、鉄片3bに対して永久磁石5とは逆側で対向するインナー磁極(磁極部材)11が固定子2に一体成形されてなる。
永久磁石5は、軸線方向に直交するように磁極を向け、永久磁石未設置部9と面一になるように設けられている。具体的には、N極を可動子側に向けて、固定子2の中心位置に設けられている。
永久磁石5は、これに接合される固定子2の永久磁石側に隣接して形成されたエアギャップ15によって、軸線方向における中央を境に第1領域21と第2領域22とに磁気的に分割されており、その結果、第1領域21および第2領域22がそれぞれ別々の永久磁石5として作用する。
また、固定子2には、前記固定子2の鉄片3bに対向する面に設けられた永久磁石5に対し、エアギャップ15が形成されている。
これにより、一対の鉄片3bは、環状のギャップ部13内に同軸に配置されることになるが、軸線方向における各鉄片3bの中央部位を、それぞれ永久磁石5の両端部にほぼ合わせるように配置されている。
そして可動子4の外周側には、永久磁石5とコイル1とを保持するアウター磁極14が設けられている。
そして、固定子2には、鉄片3bに永久磁石5とは逆側で対向するインナー磁極11が一体成形されていることになる。
例えば、図8に示すように、コイル1に一方向(図8において右側端面から見て、反時計回り方向)に流れるように電流が流れると、このコイル1を正方向に周回するように起磁力が生じる。すると、図8に二点鎖線で示すように、永久磁石5の第1の領域21、鉄片3b、インナー磁極11、鉄片3b、アウター磁極14とをこの順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
以上によって軸線方向における一側(図8において左側)となる永久磁石5の第1領域21、鉄片3b、インナー磁極11、鉄片3b、アウター磁極14とに磁束が導かれることで、可動子4が軸線方向における一方向(図8において右方向)に移動する。
また、鉄片3bに永久磁石5とは逆側で対向するインナー磁極11が、固定子2に一体成形されているため、これらを別々に製造した後に接合させる必要がないので、製造が容易となる。加えて、可動子4に永久磁石5がないことから、可動子4の製造時に鉄片には吸引力が働かないため、可動子4の一体成形が容易となる。したがって、コストダウンを図ることができる。
加えて、可動子4が、鉄片3bを入れ子とする合成樹脂のインサート成形により成形されるものであるため、鉄片3bを含む可動子4を容易に形成することができる。しかも、可動子4が軽くなるので応答性をよくすることができる。
なお、可動子4の基部および円筒部は非磁性材料であれば合成樹脂ではなくアルミダイキャストや非磁性ステンレス等で形成してもよく、この場合、剛性を向上できるメリットがある。しかしながら、合成樹脂で形成する方が軽量化と鉄損低減の観点から好ましい。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第6の実施形態のリニアアクチュエータ71において、永久磁石5は、固定子2の永久磁石未設置部9に対して、鉄片側に突出させて、往復動方向の中央部分に設けられている。
これにより、永久磁石未設置部9と可動子4との隙間が広まり、可動子4に対する付勢力を部分的に弱めることができる。さらに、固定子2の表面に設けられているので、永久磁石5の設置を容易に行うことが可能となり、製造コストの削減を図ることができる。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第7の実施形態のリニアアクチュエータ72において、永久磁石5は、図11に示すように、上記永久磁石5を軸線方向において二つの永久磁石5a、5bに分割し、これら永久磁石5a、5bを互いの磁極の並びを揃え、固定子2の前記往復動方向に離間して固定子2の内周面に設けている。
具体的には、N極を可動子側に向けて、固定子2の永久磁石未設置部9において往復動方向の両端に離間して設けられている。さらに永久磁石5a、5bは永久磁石未設置部9に対して、鉄片側に突出させて設けられている。
以下、上記実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第8の実施形態のリニアアクチュエータ73において、永久磁石5は、図12に示すように、永久磁石5を軸線方向において二つの永久磁石5a、5bに分割し、互いの磁極の並びを揃え、固定子2の往復動方向に離間して設けてある。具体的には、N極を可動子側に向けて設置し、さらに永久磁石5a、5bは固定子2の永久磁石未設置部9と、面一に設けられている。
また、上記実施例における構成は一例であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
2 固定子
3a 鉄部材
3b 鉄片
4 可動子
5 永久磁石
5a 永久磁石
5b 永久磁石
6 インナーコアレスリニアアクチュエータ
7 インナーコア付リニアアクチュエータ
Claims (4)
- コイルを備えた固定子と、
少なくとも一部に鉄部材を有し、前記固定子に対し軸線方向に沿って往復動可能に設けられた可動子と、
前記固定子の前記鉄部材に対向する面の一部に、前記鉄部材に対向させかつ磁極を軸線方向に直交させた状態で設けられたリング状の永久磁石と、
を備えたことを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 前記永久磁石は、前記鉄部材に対向する面の他部と、面一に設けられていることを特徴とする請求項1記載のリニアアクチュエータ。
- 前記永久磁石は、前記鉄部材に対向する面の他部に対して、前記鉄部材側に突出させて設けられていることを特徴とする請求項1記載のリニアアクチュエータ。
- 前記固定子には、前記鉄部材に前記永久磁石とは逆側で対向する磁極部材が一体成形され、
前記可動子は、前記鉄部材を入れ子とする合成樹脂のインサート成形により、形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
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