JP2005325589A - 小便器装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 小便器本体と、使用者の人体や尿流を検知する物体検知手段と、前記小便器本体のボウル面を洗浄する洗浄水を供給する給水部とを備え、前記給水部は、前記ボウル面の一部を構成する壁に設けられた穴部に固定支持されるとともに、前記物体検知手段は、前記給水部が前記小便器本体に固定支持される壁の非外観面を固定支持面として、小便器本体に配置される。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、小便器本体の外観に物体検知手段の赤外線を透過可能なフィルタ部があり、さらに穴の中に物体検知手段を配置する構成をとっているため、この部分が大きくなる等で、意匠的に見栄えが悪くなっているのが現状である。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
これらの場合においては、小便器本体に穴を設けて物体検知手段を配置した場合に比べて、検知対象物までの距離が遠くなる傾向にあり、黒服等の赤外線が反射しにくい色や材質のものを使用者が着用している場合に、使用者の人体や尿流を検知できないことも多々ある。
また下方に配置した場合には、高さを含め配置する位置によっては、使用者の足の広げ方によっても、使用者の人体や尿流を検知できないこともある。
一方上方に配置した場合には、使用者の目に付きやすい位置に配置されてしまっているがために、赤外線を透過可能なフィルタ部にいたずらをされてしまうことも多い。また、基台部自身も物体検知手段を配置するスペース分高くせざるを得ないため、使用者の視線に対して高い位置になり、圧迫感がでてしまうこともある。
しかし一方で、陶器を透過可能な電磁波は高周波の電波であり、この高周波の電波は、誘電率の異なる空間を通り抜ける際、厚みとその境界で減衰と反射が起こるため、物体検知手段の検知性能を安定させるためには、透過後の電波の強度を安定させる必要がある。つまり、小便器本体と物体検知手段の相対位置を極力安定させておく必要がある。
これに対して特許文献5においては、物体検知手段は小便器装置が配置される壁面に配置される構成であり、設置する際の壁面の状況により、物体検知手段の小便器本体に対する配置位置が定まらず、物体検知手段の検知性能を安定させることが困難である。
成形型に面していない面は、成形時の液状の原材料の流れ具合や成形圧力や時間等によって表面状態が変化してしまうのに対して、成形型によって形成された面は、平滑性が高く、比較的表面形状が安定している。
このような壁面の中でも、特に給水部を固定支持する穴部が設けられる壁面の穴部近傍の領域は、その役割上、水が供給される部位であるため、背面等への漏水を防止する必要があり、そのシール性を確保するため、形状的にも平面もしくは曲率が小さい曲面であることが多く、またある程度の平面度が要求される部位である。
このため、給水部を固定支持する穴部が設けられる壁面を物体検知手段の固定支持面とすることで、小便器本体に対する物体検知手段の相対位置のバラツキをより確実に抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えて、使用者の人体や尿流の検知性能をより安定させることを可能としている。
ここで、「ボウル面」とは、使用者の尿を受けるために構成される壁面であり、小便器装置の天井面を含む凹部全体を構成する壁面を総括して指すものである。またこのボウル面は、釉薬等の外観処理を施している面でもある。
またここで、「非外観面」とは、小便器装置を設置した状態、すなわち小用利用可能な状態で、使用者等の目に触れることがない面のことである。
さらに、後加工時に治具等で穴部周囲を補正するようにすれば、他の部位よりも平面度が確保され、小便器本体に対する物体検知手段の相対位置のバラツキを、より一層抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えて、使用者の人体や尿流の検知性能をより安定させることを可能としている。
ここで、「固定基準」とは、物体検知手段を小便器本体に固定する位置を特定する位置寸法の基準を指すものである。
ここで、「ボウル内」とは、ボウル面で構成される凹部全体で囲まれた空間であり、その使用者の立ち位置程度の前方、およびボウル面の天井面程度の上方の空間も含めた空間を総括して指すものである。
また臭気排出孔も、請求項2記載の発明の給水部を固定支持する穴部と同様に、小便器本体外への臭気の排出効率を高くするために、ある程度のシール性を確保しておく必要があり、形状的にも平面もしくは曲率が小さい曲面であることが多く、またある程度の平面度が要求される部位でもある。
このため、後加工時に治具等で臭気排出孔周囲を補正するようにすれば、他の部位よりも平面度が十分に確保され、小便器本体に対する物体検知手段の相対位置のバラツキを、より一層抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えて、使用者の人体や尿流の検知性能をより安定させることを可能としている。
このため、成形型の磨耗等で外形寸法が大きくなってきても、後加工にて補正することができるため、他の部位よりも寸法管理が十分にされており、この排水部を物体検知手段の固定基準とすることで、専用の固定基準を設けることなく物体検知手段を配置できるとともに、小便器本体に対する物体検知手段の相対位置のバラツキをより確実に抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えて、使用者の人体や尿流の検知性能をより安定させることを可能としている。
この空間を有効に利用して物体検知手段を収納することで、物体検知手段の配置のための専用の空間を設ける等の無駄な空間を設ける必要がなくなる。
このため、専用の窓部を設けることなく、物体検知手段を小便器装置内部に隠蔽して配置することができ、物体検知手段を使用者に認識させることなく配置できるため、使用者等によるいたずらを未然に防ぐことを可能にしている。
図1は本発明の第1実施例の小便器装置の外観を示す斜視図であり、図2は小便器本体の形状を示す(a)正面図、(b)側面図、(c)背面図である。また図3はその小便器装置の物体検知手段の配置位置を示す側面図であり、さらに図4はその取り付け構造を示す組立断面図であり、図5は物体検知手段と固定部材との組立状態を示す外観斜視図である。
第1実施例の第1の態様として、給水部が小便器本体に固定支持される壁の非外観面を固定支持面とし、物体検知手段を小便器本体に配置した例について説明する。
前記小便器装置LUは、壁に沿って配置される内部に給水および排水機能部を隠蔽収納した基台部Lと、前記基台部Lの前面に固定される小便器本体Uとで構成されており、上部中央には前記基台部L内部から給水し、前記小便器本体Uのボウル面Uaに洗浄水を供給する給水部SPを配置している。
また、前記小便器本体の上端には天面部Utを備えており、前記天面部Utは、前記小便器本体Uのボウル面Uaを構成する壁によるヒケ等のひずみをなくして外観を確保するために設けられている。このため、前記小便器本体Uのボウル面Uaの天井面を構成する壁との間に空間があり、収納部Ubが設けられている。
物体検知手段Sは、前記小便器本体Uの上部に設けられた前記収納部Ub内に下方を向けて配置されている。この際、前記物体検知手段Sは、前記小便器本体Uのボウル面Uaを構成する壁の一部であり、給水部SPを固定支持する穴部Udを有するとともに、使用者と対向する壁の裏側の面Ucを固定支持面として、前記壁の裏側の面の前記給水部SPよりも上方で、中間層に弾性部材を備えた両面テープTにて、固定支持された固定部材Kを介して、前記小便器本体U内に固定支持されている。
この時前記物体検知手段Sは、高周波の電波を利用したものであり、主に前記小便器本体U内の尿の動きを検知しやすくするため、前記小便器本体Uのボウル面Ua内の空間に送信波を確実に向けるため、下方を向けて配置されており、前記小便器装置LUは、この尿の動きを検知することで、使用開始および終了を判断して、使用終了後に自動的に前記給水部SPから洗浄水を適切な水量だけ供給して、前記小便器本体Uのボウル面Uaを洗浄するよう構成されている。
また前記物体検知装置Sは下方に向けられてはいるが、送信波には広がりがあるため、前方に立つ使用者の動きも検知可能である。
ここで、尿の動きは使用者の動きに比べて速い動きが主体となるため、周波数的に見て差が有り、また同時に信号の大きさも異なるため、対象とする周波数の帯域と信号増幅のレベルを分けることで、同じ物体検知装置Sで2つの対象物を検知可能となっている。
成形型に面していない面は、成形時の液状の原材料の流れ具合や、圧力や時間等の成形条件によって表面状態が変化してしまうのに対して、前記小便器本体Uの前記使用者と対向する壁の裏側の面Ucは、成形型によって形成された面であるため面の平滑性が高く、比較的表面形状が安定している。
ここで、使用者と対向する壁の裏側の面Ucにおいて、水平方向に100mm、鉛直方向に50mmの範囲内で高低差3mm以下となる面に、前記両面テープTが貼り付けられることが望ましい。ここで高低差とは、前記範囲内で構成される面の垂直方向における最高位と最低位の差を意味する。
このため、前記使用者と対向する壁の裏側の面Ucを物体検知手段Sの固定支持面とすることで、小便器本体Uに対する物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えて、使用者の人体や尿流の検知性能を安定させることを可能としている。
図6は本発明の本発明の第1実施例の小便器装置に組み込まれる物体検知手段を示す外観斜視図であり、図7はその分解斜視図である。また図8はさらにその内部の高周波回路部の構造を示す分解斜視図である。
前記高周波回路部Aは、高周波の電波を送受信する平面アンテナを配置したアンテナ面1aと、その裏側に回路パターン、電界効果トランジスタ(FET)や誘電体共振器等の発振器部材、そして送信波と受信波をダイオード等の非線形部材等が適切に配置された高周波基板1を主体とし、前記回路パターン等が配置された面1b上には、アルミニウムで構成されたシールドケース2が配置され、固定ねじ3によって前記高周波基板1に固定された構造である。また前記シ−ルドケース2には、前記高周波基板1を固定する固定ねじ穴2a以外に、送信する高周波の電波の周波数を適正な値に調整する調整ねじ部2bを設けている。前記調整ねじ部2bでは、調整用ねじ5を締め込むことで周波数を上げて、緩めて浅くすることで周波数を下げることができるようになっている。周波数の調整後には、この調整ねじ部2b上にラベル6を添付することで、適正な周波数に調整した後に不用意に周波数を変更することを防止している。前記シールドケース2と前記高周波基板1とを固定する固定ねじ3についても、容易に外すことができないような特殊ねじを採用している。
またもう一方で、前記高周波基板1のアンテナ面1a側には、前記アンテナ面1aと、これに面する前記フロントケース8の蓋部8aの内表面の間にできる前記高周波基板1とシールドケース2を固定している固定ねじ3の頭をよけるだけの隙間を埋めるために、前記アンテナ面1aと前記蓋部8aの内表面との両面に密着的するように、前記隙間より厚いポリプロピレンの独立発泡構造の弾性部材4が配置されている。
また前記高周波回路部A全体は、前記フロントケース8と前記リアケース7とを、フランジ部7cを接着面として、接着により水密構造となるよう全体をABS樹脂で覆われるように構成されている。
仮に結露や被水でアンテナ面1aの前方に水膜が生じた場合には、この水膜により電波が減衰されてしまい、本来持つ検知性能を得られなくなってしまう可能性が非常に高いという問題がある。
これに対して、まず前記物体検知手段S全体を水密構造にすることで、他の部位で生じた結露水や漏水等による被水があっても、前記物体検知手段S内部に浸入してしまうことを防止できている。次に前記弾性部材4を内部に配置することで、前記フロントケース8と前記リアケース7で密封される空間内の空気を極力減らすことができ、万が一内部の空気が結露しても、前記アンテナ面1aの前方には回りこむことがないようにすることができ、前記物体検知手段S自身での検知性能の低下を防止でき、安定した検知性能を確保することができるように構成している。
前記弾性部材9も独立気泡構造を備えており、まず気泡を含むことで断熱材としての役割を持つことができており、また弾性を備えることで陶器面の凹凸に対しても密着的に配置でき、さらに独立気泡構造であることにより吸水率が1mg/cm2以下と低く、端面部分に結露水等が触れても浸透することがない。
このため、前記物体検知手段S自身の結露の防止と、他の部位で生じた結露水が前記アンテナ面1a上に回り込んでしまうのを防止できるため、水膜により電波が減衰されてしまうことなく、本来持つ検知性能を維持することができる。
なお、ここで言う吸水率は、JIS K 6767「ポリエチレンフォーム試験方法」における吸水率試験方法のA法に記載された方法によって求めた値のことである。
このため、基材となる樹脂そのものが吸水しにくい材料であり、さらに吸水率が0.5mg/cm2以下のものであればより望ましい。
なお弾性部材の圧縮しろは、陶器面の凹凸を吸収できるだけの寸法が必要なため、厚み3〜20mm程度に対して、0.5〜3mm程度、また圧縮しろが大きすぎると反発力も大きくなりすぎるため、厚みに対して20%以下としておく方が好ましい。
比誘電率は空気に対する誘電率の比であり、誘電率の異なる空間内を通過する際には、その境界面で少なからず反射が生じるが、その反射量は、厳密には平方根ではあるが、比誘電率の差が大きい程大きくなる傾向がある。このため、電波を透過させる材料としては反射量を25%以下、可能であれば20%以下としておく方が良いため、比誘電率が1を超えて3以下、望ましくは2以下のものを選定している。また透過する距離、つまり厚みが厚い程透過することによる損失が増える傾向があり、この場合においても、比誘電率が大きい程損失が増える傾向にあるため、比誘電率は可能な限り低いものを選定することが望ましい。
また、前記フロントケース8と前記リアケース7に使用しているABS樹脂も、PPと同様に比誘電率が低く、電波の減衰が少ない材料であるが、前記フロントケース8の厚みは、特にアンテナ面1a前方を1〜2mm程度とすることで、送信波の透過時の減衰を極力抑えるようにすることが望ましい。
このようにすることで、強力に接着されている前記両面テープTを剥がすことなく前記固定部材Kはそのままに、前記物体検知手段Sを取付け取外しすることが可能である。
前記固定部材Kは、前記両面テープがT貼り付けられ、前記小便器本体Uの使用者と対向する壁の裏側の面Ucに固定支持される固定フランジ部Ka、前記物体検知手段Sを保持しておく保持部Kb、保持を補助するフック部Kc等で構成されており、形状的に複雑であるため、ABS樹脂にて形成されている。
前記物体検知手段Sは、前記固定部材Kに組み付けられる際には、前記固定フランジ部Ka側より挿入され、前記保持部Kbに対して圧入気味に奥に配置したストッパー部Kdまで押し込むようになっており、押し込んだ状態では前記フック部Kcにより、軽く係止されるようになっている。つまり、前記物体検知手段Sは前記保持部Kbでの圧入と前記フック部Kcによる軽い係止によって前記固定部材Kに対して固定保持されている。
このため、横から差し入れた手で作業ができる手先だけの軽い力で引っ張り出せば容易に取外すことが可能である。
このように前記固定部材Kを介して前記物体検知装置Sを固定支持することで、図1に示すように、前記基台部Lの上部の天板L1を退けた後に、前面の前記小便器本体U取付部L2横の点検蓋部L3を外して、横から手を入れて前記物体検知装置Sを後方に動かすことことができ、メンテ作業を容易にすることが可能となっている。
前記穴部Udは、成形型で前記小便器本体を形成後、焼成前に治具等を用いて後から穴を空ける加工工程により形成されており、この際に合わせて前記治具等を使用して前記穴部の近傍Ueの平面度を確保するようにしている。
このような平面は、前記穴部の開口端から穴の外側に向けて0.5cm以上5cm以下の範囲で穴の外周に形成されている。
このため、前記穴部Udの位置と前記穴部の近傍Ueは成形後の加工工程で管理可能な部位であり、寸法的にも形状的にも最も安定した部位の1つであり、また同時に前記給水部SPとともにこの部位を固定支持に利用することで、垂直方向の配置位置を含めて前記小便器本体Uに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、前記小便器本体Uに対して確実に固定支持を継続的に維持することも可能となり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
また同様に、前記物体検知手段Sが各々の固定部材に対して、メンテ作業時に前記給水部SPを取外したりする手間を省くため、着脱可能に構成されるのが望ましいことは言うまでもない。
第2の物体検知手段S’は、内部に前記高周波回路部Aを配置しており、前記アンテナ面1a側にフロントケース11と、前記シールドケース2側にリアケース10とを配置し前記リアケース10のフランジ部10cにて前記フロントケース11と接着して水密構構造としている。さらに前記フロントケース11の前記アンテナ面1aに面する蓋部11aの表面には弾性部材12が直接配置されている。ここでも前記リアケース10と前記フロントケース11は、ABS樹脂にて構成している。
前記物体検知手段S’は、前記固定部材K’の前記給水部SPとともに前記小便器本体Uに固定支持される固定支持部K’a側から、内部に設けたガイドレールK’bに沿って挿入するようになっており、奥に挿入されていくと、上部に配置された押し付け部K’cによって固定部材K’より下方に弾性部材12が出るようにしている。
固定部材K’の奥にはばね構造のストッパー部K’dを配置しており、保持状態の物体検知手段S’は、前記押し付け部K’cと前記ストッパー部K’d、そして前記ガイドレールK’bの奥とストッパーの下方に位置する部分にある保持部K’eにて、保持されるようになっている。
上記のように前記固定部材K’は形状的に複雑であるため、成形性がよく精度の出しやすいABS樹脂にて形成されている。
このような構造にすることで、前記物体検知手段S’を前記固定部材K’取付けた状態でも自由に取り扱うことができ、また前記弾性部材12を、前記小便器本体Uの上部に設けられた収納部Ub内に配置する際に、その内壁面に密着的に配置することが可能となっている。
前記給水部SPは、前記小便器本体Uのボウル面Ua全体に洗浄するが流れるように洗浄水を供給し、適切に広げるスプレッダSP1を中心に構成されており、前記スプレッダSP1は、前記小便器本体Uの前記穴部Udを通してその背部の前記穴部の近傍UeにてパッキンSP2と締付け座SP3を介して、締付け部材SP4にて固定されている。
前記パッキンSP2が面する面は前記穴部の近傍Ueであり、この部位は、先述してきたように後加工にて形成されているため、前記小便器本体Uの中で最も寸法および形状の安定している部位である。さらに前記締付け座SP3を介して前記固定部材K’の前記固定支持部K’aをともに締付けているので、前記穴部の近傍Ueの周囲に若干の凹凸があっても吸収することができ、垂直方向の配置位置を含めて前記小便器本体Uに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、前記小便器本体Uに対して確実に固定支持を継続的に維持することも可能となり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
また前記弾性部材12は、先述してきた弾性部材と、材料そして設定される圧縮しろは同等なものであることは言うまでもない。
まずは、第1実施例の第3の態様として、前記小便器本体Uの臭気排出孔Ugを固定基準とした例について説明する。
図14は小便器本体の臭気排出孔を固定基準とした物体検知手段の取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした組立断面図であり、図15は小便器本体の臭気吸引孔と臭気排出孔との連通状態を示す部分断面図である。
また図14は、図2の断面ccで前記小便器本体Uを断面にし、上から見た上面図でもあり、図15は、図2の断面ddで前記小便器本体Uを断面にし、側面から見た部分側面図でもある。
この前記臭気吸引孔Ufと前記臭気排出孔Ugとは、図15で示すように、前記収納部Ubと、外観を構成する側壁とボウル面Uaを構成する壁と背部の壁に囲われた連通路Ukとを介して連通状態となっている。この例においては、臭気を吸引する機構は前記小便器本体U外に設けられており、前記基台部L内の配管を通って最終的には小便器装置LU外部に排出されるよう構成されている。
前記固定部材K4は、前記小便器本体Uの前記臭気排出孔Ugの周囲の厚みの変化を吸収するための弾性部材D4を、前記臭気排出孔Ugの近傍Uiと前記固定部材K4のフック部K4bとの間に挟み込んだ状態で、前記臭気排出孔Ugに固定支持されている。また同時に、円形の開口である前記臭気排出孔Ugに対して回転しないよう、前記小便器本体Uの背部の壁の一部とフランジ部K4cにて、中間層に弾性部材を備えた両面テープT4で保持されている。
また、前記固定部材K4の前記臭気排出孔Ugに面する部分には、開口部K4fが設けられ、前記臭気排出孔Ugと前記小便器本体U外の前記基台部L側の前記臭気排出孔Ugとの接合部と密着的に配置されるようになっている。
また臭気排出孔Ugは、成形型で前記小便器本体を形成後、焼成前に治具等を用いて後から穴を空ける加工工程により形成されており、この際に合わせて前記治具等を使用して前記臭気排出孔Ugの近傍Uiの平面度を確保するようにしている。
このような平面は、前記臭気排出孔Ugの開口端から穴の外側に向けて0.5cm以上5cm以下の範囲で穴の外周に形成されている。
このため、前記臭気排出孔Ugおよび前記臭気排出孔Ugの近傍Uiは、成形後の加工工程で管理可能な部位であり、寸法的にも形状的にも最も安定した部位の1つであり、この部位を固定基準とすることで、前記小便器本体Uに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、前記小便器本体Uを基台部Lに設置後、基台部L側の前記臭気排出孔Ugとの接合部と密着的に接合することで、確実に固定支持を継続的に維持することも可能となり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
図16は小便器本体の臭気吸引孔を固定基準とした物体検知手段の取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした組立断面図であり、図17はその物体検知手段および固定部材近傍の取り付け構造を示す部分拡大図であり、(a)は図16の拡大図、(b)は断面eeを示す組立断面図である。
また図16は、図2の断面bbで前記小便器本体Uを断面にした図で、前記収納部Ubを上から見た図でもある。
前記固定部材K5は、前記小便器本体Uの前記臭気吸引孔Ufを通して、キャップCPと勘合させ、前記配置面Ub1の凹凸を吸収するための弾性部材D5を、前記配置面Ub1と前記固定部材K5との間に挟み込んだ状態で、前記臭気吸引孔Ufに固定支持されている。
前記固定部材K5と前記キャップCPは、前記固定部材K5の勘合部K5bと前記キャップCPの勘合部CPbとを係合して固定している。また同時に、前記固定部材の勘合部K5bは、角型の開口とした前記臭気吸引孔Ufのコーナー部の形状に合うように設けられており、前記固定部材K5の回り止めとしても機能している。
もちろん、前記固定部材K5の前記臭気吸引孔Ufに面する部分には、開口部K5cが設けられ、また同様に、キャップCPにも開口部CPaが設けられ、前記臭気の通過を可能にしている。
また前記臭気吸引孔Ufは、成形型で前記小便器本体を形成後、焼成前に治具等を用いて後から穴を空ける加工工程により形成されており、管理可能な部位であり、寸法的に最も安定した部位の1つであり、この部位を固定基準とすることで、前記小便器本体Uに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、さらに、前記小便器本体Uの収納部Ub内で、前記固定部材K5と前記キャップCPにて確実に固定支持を継続的に維持することも可能であり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
図18は小便器本体の排水部を固定基準とした物体検知手段の取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした排水部近傍の組立断面図である。
前記固定部材K6は、前記小便器本体Uの前記排水部Uhを通して、前記排水部Uhの前記基台部L側との接合部Uh1の外形寸法変化を吸収するための弾性部材D6を、前記排水部Uhの前記接合部Uh1と前記固定部材K6の貫通部K6bとの間に挟み込んだ状態で、前記排水部Uhに固定支持されている。また同時に、円形の外形形状である前記排水部Uhに対して回転しないよう、前記排水部Uhの近傍壁面Uh2とフランジ部K6cにて、中間層に弾性部材を備えた両面テープT6で保持されている。
またさらに前記固定部材K6は、前記小便器本体Uが前記基台部Lに設置された状態において、前記排水部Uhの前記接合部とともに、前記基台部L側の接合部と密着的に配置されるようになっている。
前記排水部Uhが設けられている前記排水部Uhの近傍壁面Uh2は、外形寸法および位置寸法を安定させる必要上、成形型により形成されており、先に述べたように成形型に面していない面に比べて平滑性が高く、比較的表面形状が安定している。
さらに前記排水部Uhは、成形型で前記小便器本体Uを形成後、焼成前に治具等を用いて後から前記接合部Uh1を加工工程により補正形成されており、外形寸法および平滑性を確保するようにしている。
このため、前記排水部Uhおよび前記排水部Uhの前記接合部Uh1は、成形時および成形後の加工工程で管理可能な部位であり、寸法的にも形状的にも最も安定した部位の1つであり、この部位を固定基準とすることで、前記小便器本体Uに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、さらに、前記小便器本体Uを基台部Lに設置後、基台部L側の前記排水部Uhとの接合部と密着的に接合することで、確実に固定支持を継続的に維持することも可能となり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
図19は小便器装置に別の検知技術を利用した物体検知手段を取り付けた場合を示す給水部近傍の外観正面図であり、図20はその取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした給水部近傍の組立断面図である。
前記物体検知手段S2は、前記スプレッダSP’1の給水流路SP’aとは分離された上方空間に配置され、前記スプレッダSP’1とともに前記小便器本体Uの前記穴部Udを通して固定支持されている。
また前記給水部SP’は、前記ボウル面Uaを洗浄するためにできる限り高い位置に配置されており、またデザイン的にも、使用者が小用時には目に付かない位置としている。
本発明の第2実施例の小便器装置USは、小便器本体Hあるいは蓋F内に各機能部材を収納し、一体としたことを特徴とする。
まずは、第2実施例の第1の態様として、高周波の電波を利用する物体検知手段を、給水部が小便器本体に固定支持される穴部を固定基準として、小便器本体に配置した例を示す。
図21は本発明の第2実施例の小便器装置の外観を示す斜視図であり、図22は小便器装置の形状を示す(a)正面図、(b)側面図であり、図23は小便器本体の収納部内の各機能部材の収納状態を示す蓋を除けた状態での上面図であり、さらに図23は物体検知手段の取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした小便器本体の収納部内の組立断面図である。
前記収納部Hbの内部には、使用者の尿を受けるボウル面Haを洗浄する水を外部から供給するバルブ部J、物体検知手段Sによって得られた信号に基づいて、前記バルブ部の駆動を制御する制御部Cが収納されており、さらに、給水部SRが前記ボウル面の一部である天井面から前記給水部SRを固定支持する穴部Hdを通して固定されている。
前記バルブ部Jは、洗浄水が供給される流路であるため、結露等が生じやすく、前記バルブ部Jの全体の下方には、防水部材Bが配置されている。
また一方で前記防水部材Bは、前記物体検知手段Sを固定する部材も兼ねており、前記物体検知手段Sは、前記防水部材Bの保持部Baにて、前記収納部Hbの配置面Hb1の前方中央に密着的に配置されている。
また前記物体検知手段Sは、図23で示す制御部Cのある左方向に動かすことで、前記防水部材Bの前記保持部Baから着脱可能な構成となっている。
また、前記給水部SRを固定支持する前記穴部Hdは、成形型で前記小便器本体Hを形成後、焼成前に治具等を用いて後から穴を空ける加工工程により形成されており、成形時および成形後の加工工程で管理可能な部位であり、寸法的にも形状的にも最も安定した部位の1つである。
このため、前記穴部を前記防水部材Bの固定基準とすることで、間接的に前記物体検知手段Sを配置することができ、前記小便器本体Hに対する前記物体検知手段Sの相対位置のバラツキを抑えることができ、小便器装置毎の使用者の人体や尿流の検知性能のバラツキを抑えるだけでなく、さらに、前記小便器本体Hと前記給水部SRとともに固定することで、確実に固定支持を継続的に維持することも可能となり、使用者の人体や尿流の検知性能を継続的に安定させることを可能としている。
図25は第2実施例の小便器装置に別の検知技術を利用した物体検知手段を取り付けた場合を示す給水部近傍の外観正面図であり、図26はその物体検知手段の取り付け構造を示す小便器本体等を断面とした給水部近傍の組立断面図である。
前記物体検知手段S3は、前記スプレッダSR’1の給水流路SP’aとは分離された前方の前記物体件手段S3の配置空間SR’bに配置され、前記スプレッダSP’1とともに前記小便器本体Uの前記穴部Hdを通して固定支持されている。
また前記給水部SR’は、前記ボウル面Haの天井面に配置されており、またデザイン的にも、使用者が小用時には目に付かない位置としている。
また、フロントケースはABS樹脂を採用しているが、比誘電率が低いものであればポリプロピレン等の他の樹脂でも問題ない。同様にリアケースについても絶縁性が確保されていればどのような材料であっても問題はない。
同様に固定部材についても、成形性がよく精度が出しやすいものであれば、特に限定するものではなく、ガラス繊維を入れて強度アップをはかることも考えられる。
水密構造についても接着について記述したが、特に限定するものではなく、Oリング等のシール構造を用いることももちろん可能である。
また、前記実施例において平面アンテナのパターンとして2×2の送受信一体のものを図示してきたが、人体や尿流などの検知したい対象物や、物体検知手段の配置位置に応じて、必要な指向性を得るために適宜枚数や間隔を設計しておく必要がある。
また、上記で説明してきた小便器装置はともに壁に向けて排水するものであるが、特に限定するものではなく、床に向けて排水するものであっても良い。この場合、小便器本体の底面部分も成形型で形成される部位に変わりはなく、また同様に、床等に設けられる接続部と密着的に接合される部位であり、成形後の加工工程にて補正されるため、排水部を固定基準としても同様な効果を得ることは可能である。
また一方で、検知技術として、高周波の電波を利用したものの他に、光電式と熱電堆のものを各々例として示したが、第1実施例の第6の態様と、第2実施例の第2の態様とを互いに逆の例としてもよく、また、本例では給水部の穴部を固定基準とした例で説明したが、固定基準として、臭気吸引孔等のボウル面に面した開口部を利用することももちろん可能である。
L1…天板、L2…小便器本体取付部、L3…点検蓋部
U…小便器本体、Ua…ボウル面、Ub…収納部、Ub1…配置面
Uc…使用者と対向する壁の裏側の面、Ud…穴部、Ue…穴部の近傍
Uf…臭気吸引孔、Ug…臭気排出孔
Uh…排水部、Uh1…接合部、Uh2…近傍壁面
Ui…臭気排出孔の近傍、Um…背部の壁の基台部Lに面する面、Ut…天井部
SP…給水部、SP1…スプレッダ、SP2…パッキン
SP3…締付け座、SP4…締付け部材
1…高周波基板、1a…アンテナ面、1b…パターン等が配置された面
2…シールドケース、2a…固定ねじ穴、2b…調整ねじ部
3…固定ねじ、4…弾性部材、5…調整用ねじ、6…ラベル
7…リアケース、7c…フランジ部
8…フロントケース、8a…蓋部
9…弾性部材、9’…弾性部材
10…リアケース、10b…レバー部、10c…フランジ部
11…フロントケース、11a…蓋部
12…弾性部材
S…物体検知手段、K…固定部材、T…両面テープ
Ka…固定フランジ部、Kb…保持部、Kc…フック部、Kd…ストッパー部
K2…固定部材、K2a…固定フランジ部
K3…固定部材、K3a…固定フランジ部
S’…物体検知手段
K’…固定部材、K’a…固定支持部、K’b…ガイドレール
K’c…押し付け部、K’d…ストッパー部、K’e…保持部
K4…固定部材、K4a…保持部、K4b…フック部
K4c…フランジ部、K4f…開口部、D4…弾性部材、T4…両面テープ
K5…固定部材、K5a…保持部、K5b…勘合部、K5c…開口部、
CP…キャップ、CPa…開口部、CPb…勘合部、D5…弾性部材
K6…固定部材、K6a…保持部、K6b…貫通部、K6c…フランジ部、
D6…弾性部材、T6…両面テープ
SP’…給水部、SP’1…スプレッダ、SP’2…フィルタ
SP’a…給水流路、S2…物体検知手段
US…小便器装置、F…蓋
H…小便器本体、Ha…ボウル面、Hb…収納部、Hb1…配置面
Hd…穴部、C…制御部、J…バルブ部
J1…アダプタ部、J2…止水部、J3…電磁弁部、J4…調圧部、
J5…給水管部、J6…クランプ、J7…クランプ
B…防水部材、Ba…保持部、Bb…固定部
SR…給水部、SR1…スプレッダ、SR2…パッキン
SR3…ワッシャ、SR4…ナット
SR’…給水部、SR’1…スプレッダ、SR’2…フィルタ
SP’a…給水流路、SP’b…配置空間、S3…物体検知手段
Claims (9)
- 小便器本体と、使用者の人体や尿流を検知する物体検知手段と、前記小便器本体のボウル面を洗浄する洗浄水を供給する給水部とを備え、前記給水部は、前記ボウル面の一部を構成する壁に設けられた穴部に固定支持されるとともに、前記物体検知手段は、前記給水部が前記小便器本体に固定支持される壁の非外観面を固定支持面として、小便器本体に配置されていることを特徴とする小便器装置。
- 前記物体検知手段は、前記給水部を固定支持する前記穴部を固定基準として、小便器本体に配置されていることを特徴とする請求項1記載の小便器装置。
- 小便器本体と、使用者の人体や尿流を検知する物体検知手段と、前記小便器本体のボウル面を構成する壁面に、前記小便器本体のボウル内で発生する臭気を吸引する臭気吸引孔を備えるとともに、前記小便器本体の内部を介して、前記小便器本体の裏側に前記臭気を排出する臭気排出孔とを備え、前記物体検知手段は、前記臭気吸引孔を固定基準として、小便器本体に配置されていることを特徴とする小便器装置。
- 小便器本体と、使用者の人体や尿流を検知する物体検知手段と、前記小便器本体のボウル面を構成する壁面に、前記小便器本体のボウル内で発生する臭気を吸引する臭気吸引孔を備えるとともに、前記小便器本体の内部を介して、前記小便器本体の裏側に前記臭気を排出する臭気排出孔とを備え、前記物体検知手段は、前記臭気排出孔を固定基準として、小便器本体に配置されていることを特徴とする小便器装置。
- 小便器本体と、使用者の人体や尿流を検知する物体検知手段と、前記小便器本体のボウル面を洗浄する洗浄水を供給する給水部と、前記小便器本体のボウル面で受けた尿および洗浄水を前記小便器本体のボウル面裏側の外部に排水する排水部とを備え、前記物体検知手段は、前記排水部を固定基準として、小便器本体に配置されていることを特徴とする小便器装置。
- 前記小便器本体の上部に、前記物体検知手段を収納可能な収納部を備え、前記物体検知手段の少なくとも一部が、前記収納部内に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の小便器装置。
- 前記小便器装置は、さらに固定部材を備えてなり、該固定部材を介して、前記物体検知手段が前記小便器本体に固定支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の小便器装置。
- 前記物体検知手段は、前記固定部材に対して着脱可能に固定支持されることを特徴とする請求項7記載の小便器装置。
- 前記物体検知手段は、高周波の電波を送信波として送信し、物体によって跳ね返された反射波を受信波として受信し、前記送信波と前記受信波により得られるドップラ信号または干渉により生じる定在波を検波して得られた検波信号に基づいて使用者を検知することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の小便器装置。
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