JP2005325189A - 防黴クレヨン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、タイル部分に塗膜が付着しても、その塗膜を容易に拭き取ることができる(即ち、消去性を有する)が、目地においては、塗膜は容易に拭き取ることができず(即ち、非消去性である)、そしてさらに目地上に繊維束チップや刷毛の繊維や毛が残ることないために綺麗にマーキングできるとともに、目地が水などで濡れていてもマーキングでき、尚且つ、経時でインキの分離や濃淡が発生しない防黴クレヨンを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、溶剤、溶剤に可溶な樹脂、消去性付与剤、防黴剤及びゲル化剤より少なくともなることを特徴とするタイル上では拭き取れ、目地上では接着性を有する防黴クレヨンとする。
【選択図】なし


Description

本発明は、防黴クレヨンに関し、詳しくは、好ましくは、浴室、台所等の水回りのタイル目地にクレヨンにて塗布して、目地における黴の発生を防止するための防黴クレヨンに関する。
浴室や台所等のように、湿気の多い水回りには、黴が発生しやすいほか、汚れが付着し、黒く汚れることが多い。そこで、従来、そのようなタイルの目地に塗布して、黴の発生を防止するようにした防黴用マーキングペンインキ組成物が種々知られている。従来の防黴用マーキングペンインキ組成物は、多くは、通常の非消去性のアルコール溶剤ベースのインキ組成物に防黴剤を配合してなるものである。
従来、このようなインキ組成物を目地のみに塗布することは困難であって、目地にインキ組成物を塗布するに際して、タイル自体にも付着し、タイルを汚すことが避けられない。そこで、インキ組成物は、マーキングペンにてタイル部分を含む目地に塗布した後、タイル部分に付着した塗膜を拭い去って、目地部分にのみ、塗膜を残すようにして用いられることが多い。しかし、従来のインキ組成物によれば、タイルに付着した塗膜は、拭っても、タイルから消し難く、タイル上に残ってしまう。
他方、インキ組成物に消去性付与剤を配合して、所謂白板上で消去可能にした消去性インキ組成物が従来から種々知られているが、このような消去性インキ組成物に防黴剤を配合してなる防黴用インキ組成物は、タイルに付着した場合に、その消去性故に、タイルから容易に拭き取って消し去ることができる。しかし、その際に、目地部分に塗布したインキ組成物も同時に拭き取られてしまい、目地部分に目的とする防黴性の塗膜を残すことができない。その問題の解決方法として、特開平11−349882号公報(特許文献1参照)において、タイル部分に塗膜が付着しても、その塗膜を容易に拭き取ることができるが、目地においては、塗膜は容易に拭き取ることができない防黴用マーキングインキ組成物が開示されている。
特開平11−349882号公報
しかし、当該防黴用マーキングインキ組成物は、液状であるため繊維束チップや刷毛で塗布する必要があり、目地のようなザラザラとした面では、繊維束チップや刷毛は削られ、目地に削られた繊維や毛が付着する問題がある。また、顔料など着色剤が入った場合には、インキ中で沈降を起こしインキ組成物が凝集し固形化する所謂ハードケーキを形成してマーキングペンとしての基本機能である塗布性等を達成することが困難となる。
本発明は、従来の防黴用マーキングペンインキ組成物における上述したような問題を解決するためになされたものであって、タイル部分に塗膜が付着しても、その塗膜を容易に拭き取ることができる(即ち、消去性を有する)が、目地においては、塗膜は容易に拭き取ることができず(即ち、非消去性である)、そしてさらに目地上に繊維束チップや刷毛の繊維や毛が残ることないために綺麗にマーキングできるとともに、目地が水などで濡れていてもマーキングでき、尚且つ、経時でインキの分離や濃淡が発生しない防黴クレヨンを提供することを目的とする。
本発明は、溶剤、溶剤に可溶な樹脂、消去性付与剤、防黴剤及びゲル化剤より少なくともなる防黴クレヨンを用いることで前記課題を達成しうることを見出し、この知見に基いてこの発明を完成するに至った。
具体的には、前記ゲル化剤がジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油ゲル化剤及び脂肪酸類から少なくとも1種類以上を含む或いは前記溶剤がグリコール類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類、アルコール類から少なくとも1種類以上を含む、又は前記防黴剤が チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、パラクロロメタキシレノール、ビス〔1−ヒドロキシ−2(H)ピリジンチオナト〕亜鉛及びデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の防黴剤を含む、さらに前記消去性付与剤がポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルの界面活性剤及び脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステル及び流動パラフィンの少なくとも1種類以上を含む防黴クレヨンとすることがより好ましい。
本発明による防黴用クレヨン組成物は、溶剤に樹脂とある種の界面活性剤又は脂肪族カルボン酸エステルや流動パラフィンからなる消去性付与剤の限られた量と共に、特に選択された防黴剤とゲル化剤を配合してなり、このようなクレヨン組成物を多孔質の目地に塗布して塗膜を形成させれば、塗膜は、目地部分では、拭い去ることができず、防黴剤を含む非消去性の塗膜を形成するので、目地部分における防黴性を持続することができるが、タイル部分にはみ出した塗膜は、柔軟な紙や布にて容易に拭って、消し去ることができ、かくして、目地部分のみに防黴性の塗膜を残すことができる。
しかも、本発明による防黴用クレヨン組成物によれば、固形である為固形物の沈殿がなく貯蔵安定性がすぐれているうえに、チップや刷毛で塗布する必要がない為チップや刷毛の削りクズが塗膜に残らず綺麗に塗れ、得られる塗膜は、安全性が高く、耐水性にすぐれるので、水回りのタイル目地の防黴に好適に用いることができる。
本発明は、溶剤、溶剤に可溶な樹脂、消去性付与剤、防黴剤及びゲル化剤より少なくともなる防黴クレヨンであるが、その構成の詳細は以下に記載する通りである。
(溶剤)
溶剤は、特に制限されないが、キシレン、テトラリン等の芳香族炭化水素類、n−プロピルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン等の炭素数9及び10のシクロヘキサン系炭化水素類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、プロピオン酸のエステル類、1価アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類及びこれらのエステル類等公知の溶剤も使用できるがグリコール類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類、アルコール類から少なくとも1種類以上用いることが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、3−メチルー3―メトキシブタノール、3−メトキシー1−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、上記グリコール類のメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル等のグリコールエーテル類又はこれらのエステル等が挙げられる。
本発明では、特にそのなかでも、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びそれらのエステル化物、3−メチルー3−メトキシブタノールの少なくとも1種類を必須成分として用いることが好ましい。
クレヨン中における溶剤の含有量は、着色剤等の成分との関係において適宜設定することができるが、通常20〜80重量%程度、好ましくは30〜65重量%とすれば良い。溶剤が多すぎるとゲル化が困難となるおそれがある。また、溶剤が少なすぎると他の成分の溶解が困難となり、均一なゲルが形成できなくなることがある。
(ゲル化剤)
ゲル化剤としては、特に制限されず、従来技術におけるクレヨンに適用されるものを用いることができる。例えば、ジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油ゲル化剤、脂肪酸類等が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトール類としては、ジベンジリデンソルビトールのほか、ジベンジリデンソルビトールにおいてベンジリデン基中ベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(ジベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には〔ジー(p−メチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔ジー(m−エチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔ジー(p−クロルベンジリデン)〕−ソルビトール等が挙げられる。
トリベンジリデンソルビトール類としては、トリベンジリデンソルビトールのほか、トリベンジリデンソルビトールにおいてベンジリデン基中ベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(トリベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には〔トリー(p−メチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔トリー(m−エチルベンジリデン)〕−ソルビトール、〔トリー(p−クロルベンジリデン)〕−ソルビトール等が挙げられる。
アミノ酸系油ゲル化剤は、例えばN−アシルグルタミンジアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジーn−ブチルアミド等が挙げられる。
脂肪酸としては、ステアリン酸、ミリスチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、あるいはこれらの金属塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)が挙げられる。
クレヨン中におけるゲル化剤の含有量は、用いるゲル化剤の種類等に応じて適宜設定できるが、通常は2〜40重量%程度、好ましくは3〜25重量%とすれば良い。ゲル化剤が多すぎるとゲル硬度が上がりすぎて着色性等が低下し、また、ゲル化剤が少なすぎるとゲル化が困難となる。なお、ゲル化剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(樹脂)
本発明による防黴用クレヨン組成物は、多孔質のセメントや漆喰からなる目地に接着性を有して、目地上に有効量の防黴剤を含む耐水性の塗膜を形成し、更に、後述するように、着色剤として顔料を配合する場合、その顔料を安定に分散させると共に、前記有機溶剤に可溶性の樹脂を含む。このような樹脂としては、特に、限定されるものではないが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アセチルセルロース樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、安息香酸ショ糖エステル等が用いられる。
このような樹脂は、これを過多に配合するときは、クレヨンが硬くなりすぎ塗布できなく、また消去時こびりつきの原因となる。他方、配合量が余りに少ないときは、形成された塗膜が耐水性に劣り、更に、インキ組成物が顔料を含むとき、その顔料の分散安定性に劣り、また消去時の色残りの原因となる。上記理由により、本発明において樹脂は、インキ組成物に基づいて、通常、1〜30重量%、好ましくは、2.5〜20重量%の範囲で用いられる。
(消去性付与剤)
本発明の消去性付与剤は、前記有機溶剤に可溶であるが、上記樹脂に難溶性又は不溶性であると共に、それ自体、難揮発性又は不揮発性である液体が用いられる。このような消去性付与剤としては、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンエーテル硫酸エステル及び脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステル及び流動パラフィンの少なくとも1種以上からなる消去性付与剤与剤が用いられる。
ポリオキシエチレンエーテルの具体例として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができ、ポリオキシエチレンエステルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエステル等を挙げることができる。
また、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル又はポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル(いずれも、塩を含む。)等を挙げることができる。
上記の消去性付与剤いずれも、界面活性剤であって、種々の市販品として入手することができる。
また、脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステルは、脂肪族一塩基酸エステル、脂肪族二塩基酸ジエステル、脂肪族二価アルコールと脂肪族カルボン酸とからなるモノ若しくはジエステル、脂肪族三価アルコールと脂肪族カルボン酸とからなるモノ、ジ若しくはトリエステル等を含む。
脂肪族一塩基酸エステルは、特に、炭素数8〜20の飽和脂肪酸と炭素数3〜20の飽和脂肪族アルコールとのエステルが好ましい。上記炭素数8〜20の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ネオデカン酸(2,2−ジメチルオクタン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等を挙げることができ、他方、炭素数3〜20の飽和脂肪族アルコールとしては、例えば、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、イソオクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール(ドデシルアルコール)、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等を挙げることができる。
従って、本発明において用いる好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、ネオデカン酸イソオクチルドデシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸イソオクチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソオクチル等を挙げることができる。
脂肪族二塩基酸ジアルキルエステルは、好ましくは、炭素数4〜12の脂肪族二塩基酸と炭素数1〜12の脂肪族アルコールとのジアルキルエステルが好ましく、このような脂肪族二塩基酸ジアルキルエステルの具体例として、例えば、ドデカン二酸ジオクチル、アジピン酸ジプロピル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル等を挙げることができる。
脂肪族二価アルコールエステルは、好ましくは、エチレングリコールやプロピレングリコールと前述したような炭素数8〜20の飽和脂肪酸とのモノ又はジエステルが好ましく、そのような二価アルコールエステルの具体例として、例えば、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールのデカン酸ジエステル等を挙げることができる。
また、脂肪族三価アルコールエステルは、グリセリンやトリメチロールアルカンと前述したような炭素数8〜20の飽和脂肪酸とのモノ、ジエステル又はトリエステルが好ましく、なかでも、トリエステルが好ましい。このような三価アルコールエステルの具体例として、例えば、天然又は合成の脂肪酸トリグリセリドやトリメチロールアルカン脂肪酸トリエステル等を挙げることができる。
上記トリメチロールアルカンの好ましい具例としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン又はトリメチロールブタンを挙げることができるが、特に、トリメチロールプロパンが好ましく用いられる。このようなトリメチロールアルカンの脂肪酸トリエステルは、化学的に単一のものである必要はなく、種々のトリメチロールアルカンの種々の脂肪酸の混合エステルであってもよい。
トリメチロールアルカン脂肪酸トリエステルは、好ましくは、トリメチロールプロパン脂肪酸トリエステルであり、なかでも、好ましい具体例として、例えば、トリメチロールプロパンカプロン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパン−2−エチルヘキサン酸トリエステル等を挙げることができる。
本発明においては、これらのなかでも、特に、トリメチロールプロパンラウリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステル又はトリメチロールプロパン−2−エチルヘキサン酸トリエステルが好ましく用いられる。このようなトリメチロールプロパントリエステルは、市販品を入手することができる。
本発明によれば、防黴用クレヨン組成物の塗膜が目地部分では拭いても消し去ることが困難であり、即ち、非消去性を有しながら、タイル部分では、容易に拭い去ることができる、即ち、消去性を有するように、このような消去性付与剤 のうちの少なくとも1種が、クレヨン組成物において、5〜30重量%、好ましくは、10〜25重量%の範囲で配合される。
一般に、目地は、多孔質のセメントや漆喰からなるので、このような目地にクレヨン組成物を塗布すれば、クレヨン組成物中の消去性付与剤は、目地中に拡散し、吸収されるので、塗膜は、消去性を失ない、かくして、非消去性クレヨン組成物のように、その塗膜は、拭い去ることができないので、目地に有効量の防黴剤を含む非消去性の塗膜を形成することができる。
消去性付与剤の配合量が5重量%よりも少ないときは、得られるクレヨン組成物の塗膜が消去性に劣り、タイル部分においても、容易に拭い去ることができない。しかし、30重量%よりも多いときは、得られるクレヨン組成物の塗膜が目地部分においても、例えば、洗剤を含む水を用いて洗浄すれば、容易に拭い去ることができ、目地部分に耐久性ある防黴性塗膜を維持することができない。
本発明による防黴用クレヨン組成物は、チアベンダゾール(2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、パラクロロメタキシレノール、ビス〔1−ヒドロキシ−2(H)ピリジンチオナト〕亜鉛及びデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の防黴剤を含む。
特に、本発明においては、これらのなかでも、チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンから選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。これらの防黴剤を含むインキ組成物は、安全性と貯蔵安定性が高いうえに、水に溶出し難いので、目地に形成した塗膜の防黴性が高く、且つ、長期間にわたって持続される。
本発明において、インキ組成物における防黴剤のその配合量は、0.1〜1.5重量%の範囲が好ましく、特に、0.3〜1.2重量%の範囲がより好ましい。防黴剤の配合量が0.1重量%よりも少ないときは、目地に塗布して塗膜を形成しても、防黴性が十分ではない。他方、1.5重量%を越えても、それに見合って、防黴性が向上するものでもなく、また、安全衛生上の見地からも、過多に配合することは、好ましくない。
本発明による防黴用クレヨン組成物は、必要に応じて、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、染料又は顔料が用いられる。このような着色剤としては、クレヨン組成物において安定なものであれば、特に限定されるものではなく、従来、通常のクレヨン組成物において用いられているもののいずれでもよい。このような顔料として、例えば、酸化チタン、フタロシアニンブルー、カーボンブラックのような顔料のほか、樹脂加工顔料も用いることができる。所謂樹脂加工顔料は、有機溶剤中での分散性にすぐれるので、本発明において、顔料と樹脂とを兼ねるものとして、特に好ましく用いられる。このような樹脂加工顔料を用いる場合には、必ずしも後述する樹脂をクレヨン組成物に配合しなくともよい利点を有する。また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー30、C.I.ソルベントレッド18、C.I.ソルベントブルー5、C.I.フルオレセントブライトナー91等を挙げることができる。しかし、顔料、染料共に、上記例示したものに限定されるものではない。
このような着色剤は、その種類や塗膜の所要濃度等に応じて、適当な量が配合されるが、通常、クレヨン組成物に基づいて、通常、1〜10重量%、好ましくは、2〜5重量%の範囲で用いられる。
(その他添加剤)
本発明の防黴用クレヨンでは、その他の成分として必要に応じて充填剤、レベリング剤、粘度調整剤、構造粘性調整剤、乾燥性付与剤等の公知の添加剤を適宜配合することができる。また、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸2−エチルヘキシル、セバシン酸2−エチルヘキシル、トリクレジルホスフェート等の可塑剤も適宜配合することができる。
本発明による防黴用クレヨン組成物は、従来、知られている通常の方法によって製造することができる。例えば、着色剤を配合しないか、又は着色剤として染料を用いる場合には、溶剤に樹脂、防黴剤及び消去性付与剤を、必要に応じて染料と共に、加え、攪拌混合し、これらを溶剤中に溶解させた後、ゲル化剤を溶解させることによって得ることができる。
他方、着色剤として、顔料を用いる場合には、樹脂を溶剤に溶解させた溶液に顔料を加え、分散サンドミルやボールミル等を用いて混練して、ミルベースとした後、これに防黴剤、消去性付与剤や、必要に応じて、樹脂溶液とゲル化剤を加え、加熱混合攪拌すれば、クレヨン組成物を得ることができる。しかし、本発明によるクレヨン組成物は、その製造方法において、何ら限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、各成分の配合量は重量部数を示す。
尚、表1において使用する成分は、以下の通りである。
(1)エスレックBL−SH;積水化学工業株式会社製ポリビニルブチラール樹脂
(2)ハイテノール08E;第一工業製薬株式会社製ポリオキシエチレンアリキル エーテル硫酸エーテル
(3)トリエスターF−810;日光ケミカルズ株式会社製トリ(カプリル・カプリン 酸)グリセリル
(4)ゲルオールT;新日本理化株式会社製トリベンジリデンソルビトール
(5)ゲルオールD;新日本理化株式会社製ジベンジリデンソルビトール
(6)ホクスターHP;北興化学工業株式会社製2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダ ゾール
(7)スケーンM−8;ローム・アンド・ハース社製2−n−オクチル−4−イソチアゾ リン−3−オン
(8)サンアイゾール300;三愛石油株式会社製N−(フルオロジクロロメチルチオ) フタルイミド
《評価試験》
(試験サンプルの作製)
上記の製造方法で作製した実施例1乃至4及び比較例1乃至2の組成でのクレヨンを所定の容器に充填、冷却固化し棒状の固形体とし、タイル及び目地部分での拭き取り性及び接着性と塗布物の防黴効果を確認した。
(評価)
・拭き取り性
拭き取り性は、タイルに筆記し乾燥させた筆跡を布で擦りクレヨンが残っているかいないかを目視で判定する。非常に綺麗に拭き取れたものを『◎』、僅かに痕跡が残っているものを『○』、拭き取れなかったものを『×』とした。
・接着性
接着性は、フレキ板に筆記し乾燥させた筆跡を布で擦りクレヨンが残っているかいないかを目視で判定する。拭き取れなかったものを『◎』、拭き取れたものを『×』とした。
・防黴性
直径3cmの濾紙に50g/m塗布し1時間乾燥させた後、寒天培地上に置き、試験菌混合胞子液を噴霧し28℃7日間培養する。その後黴の発育状態を観察する。黴の成長が肉眼で認められなかったものを『◎』、明らかに認められたものを『×』とした。
表1の結果より実施例1〜4は、拭き取り性、接着性及び防黴性とも良いが、比較例1は拭き取り性が、比較例2は防黴性が悪い結果となった。

Claims (5)

  1. 溶剤、溶剤に可溶な樹脂、消去性付与剤、防黴剤とゲル化剤を少なくとも含有することを特徴とする防黴クレヨン。
  2. 前記ゲル化剤がジベンジリデンソルビトール類、トリベンジリデンソルビトール類、アミノ酸系油ゲル化剤及び脂肪酸類から少なくとも1種類以上を含有する請求項1記載の防黴クレヨン。
  3. 前記溶剤がグリコール類、グリコールのエーテル類、グリコールのエーテルエステル類、アルコール類から少なくとも1種類以上を含有する請求項1又は2のいずれかの項に記載の防黴クレヨン。
  4. 前記防黴剤が チアベンダゾール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、パラクロロメタキシレノール、ビス〔1−ヒドロキシ−2(H)ピリジンチオナト〕亜鉛及びデヒドロ酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の防黴剤を含むことを特徴とする1乃至3のいずれかの項に記載の防黴クレヨン。
  5. 前記消去性付与剤がポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンエーテルリン酸エステル及びポリオキシエチレンエーテル硫酸エステルの界面活性剤及び脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとの脂肪族カルボン酸エステル及び流動パラフィンの少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする1乃至4のいずれかの項に記載の防黴クレヨン。
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