JP4113046B2 - 固形状描画材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、固着性、描画性、速乾性に優れた固形状描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりパステルやクレヨンといった固形状描画材が知られており、特にベンジリデンソルビトール類などのゲル化剤を用いて固着性、描画性等を改善した特公昭54−23618号、特公昭54−23619号、特公昭55−41716号などの固形状描画材が提案されている。
また、ベンジリデンソルビトール類を使用した固形状描画材は、乾燥性に難があり、筆記直後に触れたりすると手指、筆記面を汚すおそれがあり、そのまましばらくの間放置して乾燥させねばならない等の不都合があったので、当該欠点の解消を目的として、特開平8−120209号、特開平8−209679号などが提案されている。これらの固形状描画材は、固着性、描画性、速乾性に優れ、かつ、主溶剤の蒸発抑制を図ることができ、滑らかな筆感で筆記可能であった。上記提案の固形状描画材は、紙、プラスチック、金属、ガラス、木材、コンクリートなどの筆記対象物に筆記可能であり、ほとんど筆記対象物を選ばない優れた性質があるが、筆記対象物が水で濡れている場合だけは滑らかな筆記が不可能であって、筆記線が滑ったり濃淡ができたりしていた。特に、金属やガラスといった平滑な非吸収面が水で濡れている場合は、満足な筆記線が得られなかった。
【0003】
【特許文献1】
特公昭54−23618号公報
【特許文献2】
特公昭54−23619号公報
【特許文献3】
特公昭55−41716号公報
【特許文献4】
特開平8−120209号公報
【特許文献5】
特開平8−209679号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであって、筆記対象物が水で濡れている場合であっても滑らかな筆感での筆記が可能であって、かつ、固着性、描画性、速乾性に優れつつ主溶剤の蒸発抑制を図ることができる固形状描画材を提供することを目的としている。
【0005】
前記課題を解決する為に、着色剤と、ジベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置を炭素数1〜3のアルキル基で置換した化合物、トリベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置を炭素数1〜3のアルキル基で置換した化合物の少なくとも1種からなるゲル化剤と、乳酸エステルの少なくとも1種からなる有機溶剤と、ビニル系樹脂、ケトン系樹脂、マレイン酸系樹脂の少なくとも1種からなる樹脂とを含むことを特徴とする固形状描画材を提供する。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する着色剤は、公知の染料、顔料のいずれも使用することができる。染料は油溶性染料であればよく、モノアゾ系、ジスアゾ系、金属錯塩型モノアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリアリルメタン系等の油溶性染料を用いることができる。顔料は縮合アゾ、イソインドリノン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノン、ジオキサジン、フタロシアニン、チオインジコ等の有機顔料、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料、マイカやガラスを酸化チタンや酸化鉄で被覆した光輝性顔料、アルミ粉や真鍮粉等の金属顔料などを使用でき、他には蛍光顔料、蛍光増白剤、蓄光剤、夜光剤、示温染料、ラメなどいずれも使用できる。また、樹脂に顔料を練り込んだチップ状又は液状の加工顔料も用いることができる。
当該着色剤はインキ全量に対して、0.1〜50重量%を用いることができ、10〜40重量%が特に好ましい。
【0007】
本発明におけるゲル化剤としては、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、及び、それらの誘導体が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトールの誘導体としては、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(ジベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には[ジ−(p−メチルベンジリデン)]−ソルビトール、[ジ−(m−エチルベンジリデン)]−ソルビトール、[ジ−(p−クロルベンジリデン)]−ソルビトール等が挙げられる。
トリベンジリデンソルビトールの誘導体としては、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置に炭素数1〜3のアルキル基で置換された化合物(トリベンジリデンソルビトール誘導体)が例示でき、具体的には[トリ−(p−メチルベンジリデン)]−ソルビトール、[トリ−(m−エチルベンジリデン)]−ソルビトール、[トリ−(p−クロルベンジリデン)]−ソルビトール等が挙げられる
当該ゲル化剤はインキ全量に対して、0.1〜50重量%を用いることができ、1〜30重量%が特に好ましい。
【0008】
有機溶剤は、乳酸エステルの少なくとも1種が必須であって、具体的には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチルの中から単独又は混合して使用できる。
また、他の有機溶剤を補助的に使用することも可能であって、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコールや、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素や、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン等のケトンや、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル等のエステルや、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−メトキシプロパノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテルなどから選ばれる1種又は2種以上を混合して補助溶剤とすることができる。
有機溶剤はインキ全量に対して、10〜90重量%を用いることができ、30〜70重量%が特に好ましく、有機溶剤全量中乳酸エステルは30%以上を占めることが好ましい。
【0009】
樹脂はビニル系樹脂、ケトン系樹脂、マレイン酸系樹脂の少なくとも1種を用いることが必須である。
具体的には、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂、ケトン樹脂、ケトンアルデヒド縮合物樹脂、水添ケトンアルデヒド縮合物樹脂等のケトン系樹脂、マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸エステル樹脂等のマレイン酸系樹脂等を挙げることができ、これらの中から少なくとも1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。
本発明で用いる樹脂は、インキ組成物全量に対して5〜40重量%を用いることができる。
【0010】
本発明の固形状描画材では、その他の成分として必要に応じて充填剤、レベリング剤、粘度調整剤、構造粘性付与剤、乾燥性付与剤等の公知の添加剤を適宜配合することができる。また、例えばジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸2−エチルヘキシル、セバシン酸2−エチルヘキシル、トリクレジルホスフェート等の可塑剤も適宜配合することができる。また、固形状描画材の強度向上・増量、書き味の向上のためシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの体質成分を含有させることもできる。
【0011】
通常の固形状描画材は折れ易いので、本発明の固形状描画材の曲げ強度は2N(ニュートン)以上となるように製造し、特に5N(ニュートン)以上となるように製造するのが好ましい。
【0012】
本発明の固形状描画材を製造するには、まず有機溶剤を加熱攪拌しながら樹脂を加えて完全に溶解させ、そこに着色剤を加え、三本ロールやビーズミルなどを用いて均一に混合した後、ゲル化剤を加えて攪拌しながら加熱してゲル化剤を完全に溶解させる。次に、残りの材料を加えて均一になるまで攪拌し、得られた混合物を繰り出し容器等の容器に流し込んで、冷却固化する。この工程によって本発明の固形状描画材が得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下に実施例及び評価を示す。実施例はすべて重量部である。
【0014】
【効果】
本発明の固形状描画材は、紙、プラスチック、金属、ガラス、木材、コンクリートなどのさまざまな筆記対象物に筆記可能であり、しかもこれら材質の濡れた面に対しても滑らかな筆感での筆記が可能である。また、速乾性にも優れ、筆記後の筆記線は直ぐに固着して手指を汚したりしない。さらに、キャップオフ性能にも優れており、幅広い用途に好適に用いることができるものである。
Claims (1)
- 着色剤と、ジベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置を炭素数1〜3のアルキル基で置換した化合物、トリベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基のベンゼン核の任意の位置を炭素数1〜3のアルキル基で置換した化合物の少なくとも1種からなるゲル化剤と、乳酸エステルの少なくとも1種からなる有機溶剤と、ビニル系樹脂、ケトン系樹脂、マレイン酸系樹脂の少なくとも1種からなる樹脂とを含むことを特徴とする固形状描画材。
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