JP2020100726A - 固形筆記体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性を有し、平滑性の高い非浸透面に筆記した場合であっても、筆記カスが形成することなく、緻密で視認性に優れる筆跡を形成可能な固形筆記体を提供すること。【解決手段】有機溶剤と、酸化チタンと、賦形剤とを含み、前記酸化チタンがアルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材で表面処理されてなり、かつ、前記賦形剤がジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、またはこれらの誘導体から選ばれる1種以上である、固形筆記体とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、固形筆記体に関するものである。さらに詳しくは、平滑性の高い非浸透面に視認性が良好な筆跡を形成可能な固形筆記体に関する。
ガラスやプラスチック、ホウロウ等の非浸透面は表面の平滑性が高く、前記非浸透面に固形筆記体で筆記した際には筆記体先端が滑って筆記体先端が十分に摩耗し難いため、被筆記面に積層し、良好な視認性を有する筆跡を形成することが難しく、特に被筆記面が透明性を有するガラスやプラスチックである場合には、光が被筆記面を透過するため、筆跡の視認性を良好とすることが猶更困難となることから、平滑面であっても視認性に優れる筆跡を形成可能な固形筆記体が望まれている。(例えば、特許文献1参照)
特許文献1には、着色剤と、ゲル化剤、有機溶剤、及び樹脂とを含む固形筆記体が記載されている。この固形筆記体はゲル化剤同士が結合することによって形成する網の目状のゲル化剤分子を骨格として、その中に着色剤、有機溶剤、及び樹脂を含んだ構造を有する。
前記構造は摩擦を受けると容易に崩れることから、前記固形筆記体は、平滑性が高い非浸透面に筆記した場合でも、筆記先端が容易に摩耗して筆跡を非浸透面上に形成することが可能とされている。
しかしながら、前記固形筆記体を以てしても、被筆記面が透明性を有するガラスやプラスチックである場合には視認性に優れる筆跡を形成することが難しく、また、前記構造は容易に崩れるものであるが故に、筆記の際に筆記体の先端が損壊し易く、筆記カスが形成して被筆記面の美観や筆跡の視認性を損ねることや、筆記カスの形成に伴って筆記体先端に窪みが生じることがあり、再筆記に支障を来たすことがあった。
特許3894645号公報
本発明は、強度と筆記性に優れ、ガラスやプラスチック等の、透明性を有し、平滑性の高い非浸透面に筆記した場合であっても、筆記体先端の滑りや損壊が抑制され、筆記カスが形成することなく、視認性に優れる筆跡を形成可能な固形筆記体を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するために、
「1.有機溶剤と、酸化チタンと、賦形剤とを含み、前記酸化チタンが、アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材で表面処理されてなり、かつ、前記賦形剤が、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、またはこれらの誘導体から選ばれる1種以上であることを特徴とする固形筆記体。
2.前記賦形剤が、ジベンジリデンソルビトールである、第1項に記載の固形筆記体。
3.前記有機溶剤が、アルコール、グリコールエーテル、またはグリコールエーテル誘導体から選ばれる1種以上である、第1項に記載の固形筆記体。
4.前記、アルコール、グリコールエーテル、またはグリコールエーテル誘導体が、25℃で10〜1000Paの蒸気圧を示し、常圧で130℃〜200℃の沸点を有する、第3項に記載の固形筆記体。
5.前記アルコールが、水酸基に隣接するα位炭素に分岐鎖を持たない構造を有する、第4項に記載の固形筆記体。
6.樹脂をさらに含む、第1項〜第5項のいずれか1項に記載の固形筆記体。
7.前記樹脂がブチラール樹脂である、第6項に記載の固形筆記体。」を要件とする。
本発明によれば、強度と筆記性に優れ、ガラスやプラスチック等の、透明性を有し、平滑性の高い非浸透面に筆記した場合であっても、筆記体先端の滑りや損壊が抑制され、筆記カスを形成することなく、視認性に優れる筆跡を形成可能な固形筆記体が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明による固形筆記体(以下、場合により「筆記体」と表すことがある。)は、有機溶剤と、酸化チタンと、賦形剤とを少なくとも含んでなる。以下、本発明による固形筆記体を構成する各成分について説明する。
(有機溶剤)
本発明の固形筆記体には有機溶剤が含まれる。有機溶剤は液体として筆記体に含まれ、筆記時において、筆記体の、被筆記面、特にはガラス、ホウロウ、およびプラスチック等の非浸透性を有する平滑面への濡れ性を高め、筆記体の被筆記面への筆記性を良好とするための濡れ剤、および筆記体先端の潤滑剤として作用する。
本発明に用いられる有機溶剤は、濡れ剤や筆記体先端の潤滑剤として作用する物質であれば特に限りはなく、アルコール、アルコールエーテル、グリコール、グリコールエーテル、炭化水素、ケトン、エステル等の種々の物質を用いることが可能である。
前記の中でも、筆記体に好ましい有機溶剤は、アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体であり、より好ましくは、25℃の蒸気圧が10〜1000Paであり、常圧で130〜200℃の沸点を有する、アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体である。
アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体は、賦形剤との親和性が高いながらも、常温における賦形剤の溶解性が低いため、筆記体の強度を高め、経時安定性をより良好とすることができる。
さらに、25℃の蒸気圧が10〜1000Paであり、常圧で130〜200℃の沸点を有する、アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体は、賦形剤で形成された筆記体の構造骨格内に留まりやすく、筆記時に前記骨格が崩れて筆跡が形成された際には、筆跡から速やかに揮散しやすい。このため、筆記体を長期に渡って保管した場合であっても、前記アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体は筆記体から揮散しにくく、筆記体の収縮に伴う筆記体の変形が抑制され、また、筆記時においては前記アルコール、グリコールエーテル、およびグリコールエーテル誘導体は筆跡から速やかに揮散するため、筆跡の乾燥性が良好となる。
さらに、固形筆記体の強度をより高めることも考慮すれば、有機溶剤は、前記範囲内の、蒸気圧および沸点を有するアルコールであって、水酸基が隣接するα位の炭素に分岐鎖を持たない構造を有するものが特に好ましい。
前記アルコールを用いた筆記体は、理由は定かではないが、優れた強度を有し、筆記カスの発生を抑えて、緻密な筆跡を形成することが容易である。
本発明の固形筆記体に用いられる有機溶剤の具体例としては、アルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等を挙げることができる。
前記アルコールは、側鎖として置換基を有していても良い。置換基を有するアルコールの具体例としては、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを挙げることができる。
また、グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等を挙げることができる。
グリコールエーテル誘導体としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピルアセテート等を挙げることができる。
本発明の固形筆記体に用いられる有機溶剤は、前記に限られるものではない。
有機溶剤の含有量は、固形筆記体全量を基準として20〜70質量%とすることが好ましく、25〜60質量%とすることがより好ましい。含有量を前記数値範囲内とすると、筆記時の筆記体先端の損壊を抑制し、筆記カスの形成を抑えること、および、ガラス、ホウロウ、およびプラスチック等の非浸透性を有する平滑面への筆記性を良好として、視認性に優れる筆跡を形成することが容易となる。
有機溶剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(酸化チタン)
酸化チタンは、アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材により表面処理されたものが用いられる。
前記酸化チタンは、前記有機溶剤および後述する賦形剤との親和性に優れ、固形筆記体で良好な分散性を奏しつつ、賦形剤が形成する網目状の筆記体の構造骨格に安定して包含される。このため、固形筆記体は、酸化チタンの発色性が良好であり、酸化チタンによる粗大な凝集物を含むことなく緻密な構造を有する。
このような筆記体は、筆記の際に筆記体先端が損壊して筆記カスが形成することを抑制しつつ、被筆記面がガラスやプラスチック等の透明性を有する非浸透面であっても、隠蔽力に優れ、視認性の高い筆跡を形成することが可能である。
前記被覆材としては、アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含むことが重要であり、アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーン以外の物質を含んでいても良い。
シリコーンとしては、シロキサン結合を主鎖とし、側鎖に有機基が結合した物質であれば特に限りはなく、側鎖が、メチル基、エチル基、フェニル基等の炭化水素基やアルコキシ基であるものが好ましく用いられる。前記側鎖の一部は水素であっても良い。
前記酸化チタンの具体例としては、商品名CR−63(平均粒子径0.21μm、石原産業株式会社製)が挙げられる。
前記アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンによる被覆量、すなわち酸化チタンの質量100質量部に対する被覆材の質量の割合は、0.01〜20%質量部であることが好ましく、0.1〜10%質量部であることがより好ましい。
被覆量を前記範囲とすると、酸化チタンと、有機溶剤および賦形剤との親和性がより良好となるため、固形筆記体中での酸化チタンの分散性が一層向上し、筆跡の隠蔽性および筆記体の強度をより高めることができる。
酸化チタンの平均粒子径は、0.05〜5μmであることが好ましく、0.1μm〜1μmであることがより好ましい。より好ましくは0.2〜0.5μmである。酸化チタンの平均粒子径が前記数値範囲内であれば、隠蔽力に優れる筆跡を形成すること、および筆記体の構造を緻密として、筆記体の強度を高めることが容易となる。なお、顔料粒子の平均粒子径は、一例としては、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。本明細書では、顔料粒子の「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
酸化チタンの含有量は、固形筆記体全量を基準として10〜50質量%とすることが好ましく、20〜40質量%とすることがより好ましい。含有量を前記数値範囲内とすると、固形筆記体の成形性を良好とするとともに、筆跡の隠蔽性を良好としやすいため、強度に優れ、筆記時の筆記体先端の損壊を抑制して筆記カスの形成を抑えつつ、視認性の高い筆跡を形成可能な筆記体とすることが容易となる。
(賦形剤)
賦形剤としてはジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、またはこれらの誘導体が用いられる。本発明の固形筆記体において前記賦形剤は構造骨格を形成する物質であり、筆記体は、賦形剤が結合することによって形成する緻密な網目状の分子鎖を骨格とし、前記、有機溶剤、酸化チタンをその網目の中に含んだ構造を有している。
前記構造を有する筆記体は、筆記体が筆記の際に損壊しにくい筆記体強度を有する場合においても、被筆記面との摩擦によって筆記体先端の摩擦面が容易に摩耗するため、筆記カスの形成を抑制しつつ、緻密で鮮明な筆跡を形成することが可能である。この効果は、前記賦形剤が形成する骨格に包含される物質が、賦形剤と高い親和性を有する場合に顕著であり、本発明の固形筆記体においては、賦形剤は前記有機溶剤および酸化チタンと高い親和性を有するため、筆記体は、被筆記面が平滑性の高い非浸透面であっても、筆記先端の滑りや筆記カスの発生を抑制して、緻密で視認性の高い筆跡を形成できる。
また、筆記体は、前記構造により、軽く、滑らかな筆記感を奏することが可能となる。
この良好な筆記感は、有機溶剤が、筆記先端が摩耗する際に潤滑剤として作用することでさらに向上するため、本発明の固形筆記体は軽く滑らかな、非常に優れた筆記感を奏する。
前記賦形剤は、2個のベンズアルデヒドとソルビトールとの縮合体もしくはその誘導体、または3個のベンズアルデヒドとソルビトールとの縮合体もしくはその誘導体であり、前記した構造骨格を形成するものであれば構造に限りはない。前記誘導体としては、ジベンジリデンソルビトールまたはトリベンジリデンソルビトール、のベンジリデン基のベンゼン環の任意の位置の水素が、炭素数1〜5のアルキル基又はアルケニル基でモノ−、ジ−又はトリ−置換されたものを挙げることができる。
賦形剤の具体例として、2個のベンズアルデヒドとソルビトールとの縮合体であるジベンジリデンソルビトールとしては、商品名;ゲルオールD(新日本理化株式会社製)を挙げることができ、3個のベンズアルデヒドとソルビトールとの縮合体であるトリベンジリデンソルビトールとしては、商品名:ゲルオールT(新日本理化株式会社製)を挙げることができ、また、ジベンジリデンソルビトールまたはトリベンジリデンソルビトールの誘導体としては、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基に含まれるベンゼン環の水素がアルキル基で置換されたものとして、商品名:ゲルオールE−200(新日本理化株式会社製)を挙げることができる。
筆記体に用いられる賦形剤は前記に限られるものではなく、2種以上を併用することが可能である。
賦形剤の中でも筆記体に好ましく用いられるものは、ジベンジリデンソルビトールまたはジベンジリデンソルビトール誘導体であり、ジベンジリデンソルビトールが特に好ましい。
本発明にこのような賦形剤を用いることで、損壊しにくい強度を有しつつも、平滑性の高い非浸透面に筆記した際に軽く滑らかな筆記感を奏し、筆記カスの発生を抑えて、緻密で視認性に優れる筆跡を形成可能な筆記体とすることができる。
賦形剤の含有量は、固形筆記体の組成物全量に対して1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。含有量を前記数値範囲内とすることで、筆記の際に損壊しにくい強度としながらも良好な筆記感を奏し、さらに緻密で鮮明な筆跡を形成可能な筆記体とすることが容易となる。
前記の通り、固形筆記体は、有機溶剤、特定の被覆材で表面処理を施した酸化チタン、および賦形剤を含むことにより、平滑性の高い非浸透面に筆記した際に、筆記カスの形成を抑制しつつ、視認性の良い筆跡を形成することが可能である。さらに、筆記体は前記酸化チタンの分散性が良好であるため、被筆記面が透明性を有する、ガラス、プラスチックフィルム等であっても、筆跡の隠蔽力が高く、筆跡視認性が良好である。
(樹脂)
固形筆記体には、定着剤として樹脂を用いることもできる。
樹脂を用いることにより、筆記体は、ガラスやプラスチック、ホウロウ等の平滑性の高い非浸透面への定着性が向上し、より視認性に優れる筆跡を形成することができる。
樹脂としては、筆記体の定着性を高めることができるものであれば特に限りはなく、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アルキッド樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、ジシクロペンタジエン−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、シアネート変性ポリアルキレングリコール、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、尿素アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添アセトフェノン・ホルムアルデヒド縮合樹脂、ブチラール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ロジンフェノール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、シクロヘキサノン系樹脂等を用いることができる。
前記樹脂は、前記有機溶剤に溶解するものでも良く、溶媒に分散させ、樹脂分散体としたものでも良い。
前記樹脂の中でも、固形筆記体に好ましく用いられるものとしては、ブチラール樹脂、ジシクロペンタジエン−酢酸ビニル共重合樹脂、テルペンフェノール樹脂、および水添アセトフェノン・ホルムアルデヒド縮合樹脂が挙げられ、ブチラール樹脂が特に好ましい。
ブチラール樹脂は、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでアセタール化したものであり、前記賦形剤や酸化チタンとの親和性に優れ、固形筆記体の強度を損なうことなく定着性を高めることができるため、平滑性の高い非浸透面に筆記した場合であっても、筆記カスの発生を抑えて、鮮明で視認性に優れる筆跡を形成可能な固形筆記体とすることを容易とする。
ブチラール樹脂の中でも、筆記体に好ましい樹脂は、数平均分子量が5000〜40000のものであり、より好ましくは、数平均分子量が10000〜30000のものである。ブチラール樹脂の数平均分子量が前記数値範囲内であると、筆記の際に、筆跡定着性を良好としながらも、優れた筆記感を奏する筆記体とすることが容易となる。
樹脂の含有量は、固形筆記体の組成物全量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、2〜15質量%であることが特に好ましい。含有量を前記数値範囲内とすることで、筆記の際に筆記カスの発生を抑えつつ、定着性に優れ、鮮明な筆跡を形成可能な筆記体とすることが容易となる。
(着色剤)
固形筆記体は、着色剤を含むことができる。着色剤としては、従来知られている染料、顔料から任意に選択することができ、いずれも好ましく用いることができる。具体的には、染料として、酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応染料、バット染料、硫化染料、含金染料、カチオン染料、分散染料が挙げられ、顔料としては、無機顔料、有機顔料、光輝性顔料が挙げられる。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、鉄黒、黄色酸化鉄、弁柄、複合酸化物系顔料等の金属酸化物、および群青などが挙げられ、また有機顔料としてはアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、スレン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などが挙げられ、光沢のある光輝性顔料としては、アルミニウム顔料やガラスフレーク顔料などが挙げられる。
なお、前記顔料は、顔料表面が酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、もしくは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、二酸化ケイ素などの無機酸化物、または脂肪酸、もしくはシリコーン等の有機物などで被覆処理されたものであってもよい。
着色剤の含有量は、所望の色調に応じて任意に調整可能である。
(その他)
本発明の固形筆記体は、必要に応じて以下の物質を添加することも可能である。具体的には、水、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、セリサイト、およびチタン酸カリウムなどの体質材、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素樹脂などからなる樹脂粒子、pH調整剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、およびサポニンなどの防錆剤、尿素、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの樹脂からなる顔料分散剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、およびピロリン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明の固形筆記体は上記物質を含むことによって、筆記体の強度、定着性、非浸透面への筆記性、筆記感等を調整することが可能である。
本発明の固形筆記体の作製方法の一例を以下に示す。
加熱下、有機溶剤と酸化チタンと賦形剤とを撹拌する。前記物質以外のものを添加する場合は、添加物質も共に撹拌する。
賦形剤が溶解した後、均一に混合させる。
その後、混合物を所定の型に流しこみ、室温で放冷後、固化したものを取り出すことにより、固形筆記体を得ることができる。
前記固形筆記体は木軸、紙巻、プラスチックフィルム巻等の外装を施して実用に供しても良く、繰出し容器、ホルダー等に把持具に装着して使用することも可能である。また、前記固形筆記体は、前記外装および把持具を使用せず、単独で使用しても良い。
(実施例1)
下記原材料を90℃下で1時間攪拌混合し、均一に混合した原材料を内径10mmの有底筒状体の型に流し込み、室温に放冷することで固形筆記体(外径10mmの円柱)を得た。
・酸化チタン 30質量%
(アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材で表面処理した酸化チタン、商品名:CR−63、石原産業株式会社製)
・有機溶剤 60質量%
(3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、25℃における蒸気圧:125Pa常圧における沸点:174℃)
・賦形剤 10質量%
(ジベンジリデンソルビトール、商品名:ゲルオールD、新日本理化株式会社製)
(実施例2〜10、比較例1〜3)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1〜2に示したとおりに変更して、実施例2〜10、比較例1〜3の固形筆記体を得た。なお、表中における成分の添加量の単位は質量%である。
なお、実施例8、9で得られた固形筆記体は、紙巻の外装とし、実施例10で得られた固形筆記体は、繰り出し容器に装着した。
上記実施例、比較例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・酸化チタン(1)(アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材で表面処理した酸化チタン、商品名:CR−63、石原産業株式会社製)
・酸化チタン(2)(シリカ水和物、アルミナ水和物を含む被覆材で表面処理した酸化チタン(被覆材にシリコーンを含まない)、商品名:CR−90、石原産業株式会社製)
・酸化チタン(3)(アルミナ水和物を含む被覆材で表面処理した酸化チタン(被覆材にシリカ水和物、シリコーンを含まない)、商品名:CR−60、石原産業株式会社製)
・有機溶剤(1)3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(25℃における蒸気圧:125Pa、常圧における沸点:174℃)
・有機溶剤(2)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(25℃における蒸気圧:54.6Pa、常圧における沸点:190℃)
・有機溶剤(3)プロピレングリコールn−ブチルエーテル(25℃における蒸気圧:187Pa、常圧における沸点:170℃)
・賦形剤 (1)ジベンジリデンソルビトール(商品名:ゲルオールD、新日本理化株式会社製)
・賦形剤 (2)トリベンジリデンソルビトール(商品名:ゲルオールT、新日本理化株式会社製)
・賦形剤 (3)ジベンジリデンソルビトール誘導体(商品名:ゲルオールE−200、新日本理化株式会社製)
・樹脂 (1)ブチラール樹脂(商品名:エスレックB BX−L、数平均分子量約20000、積水化学工業株式会社製)
・樹脂 (2)ブチラール樹脂(商品名:エスレックB BL−1、数平均分子量約19000、積水化学工業株式会社製)
Figure 2020100726
Figure 2020100726
調製した固形筆記体について、下記の通り、評価を行った。得られた結果は前記表1〜2に記載したとおりであった。
(筆跡視認性の評価)
前記固形筆記体により透明なPETフィルムに直線筆記を行った後、前記フィルムを蛍光灯に翳し、筆跡の視認性を目視により観察した。
◎:筆跡は、カスレが無く、明瞭であり、視認しやすい。
○:筆跡の一部に若干のカスレやムラがあるが、筆跡を十分に視認できる。
△:筆跡にカスレやムラがあり、視認しにくい部分があるが、実用上問題なし。
×:筆跡のカスレやムラが明瞭であり、筆跡の視認が困難である。実用上懸念がある。
(筆記体強度の確認)
前記固形筆記体を用いて前記被筆記媒体と同種のPETフィルムに50gの荷重で直線筆記を行い、筆記カス(筆記体の粒や塊)の発生を目視で確認した。
◎:筆記カスは確認されない。
○:筆記カスがわずかに発生する。
△:筆記カスが発生するが、実用上問題ない
×:大きな筆記カスが形成され、筆記体、筆跡、または筆跡周辺に付着している。筆記体先端には、筆記カスの形成に伴う窪みが確認できる。実用上懸念がある。
(筆跡定着性)
前記筆記体強度の確認で形成した、視認性が良好な筆跡表面を、100gの荷重でティッシュペーパーにて擦過し、筆跡の外観を目視で確認した。
◎:筆跡に変化はない。
○:部分的な剥離が確認されるが、剥離部分はごくわずかであり、外観に大きな変化はない。
△:剥離が確認されるが筆跡は視認可能であり、実用上問題はない。
×:剥離が顕著であり、筆跡の視認が困難である。

Claims (7)

  1. 有機溶剤と、酸化チタンと、賦形剤とを含み、前記酸化チタンが、アルミナ水和物、シリカ水和物、およびシリコーンを含む被覆材で表面処理されてなり、かつ、前記賦形剤がジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、またはこれらの誘導体から選ばれる1種以上であることを特徴とする固形筆記体。
  2. 前記賦形剤が、ジベンジリデンソルビトールである、請求項1に記載の固形筆記体。
  3. 前記有機溶剤が、アルコール、グリコールエーテル、またはグリコールエーテル誘導体から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の固形筆記体。
  4. 前記、アルコール、グリコールエーテル、またはグリコールエーテル誘導体が、25℃で10〜1000Paの蒸気圧を示し、常圧で130℃〜200℃の沸点を有する、請求項3に記載の固形筆記体。
  5. 前記アルコールが、水酸基に隣接するα位炭素に分岐鎖を持たない構造を有する、請求項4に記載の固形筆記体。
  6. 樹脂をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形筆記体。
  7. 前記樹脂がブチラール樹脂である、請求項6に記載の固形筆記体。
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