JP2005325161A - 異方導電性接着フィルム及びその製造方法並びにそれらを用いた回路接続構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 接着剤組成物を溶剤に溶解ないし分散させた接着剤組成物溶液を支持体上に設け、溶剤を揮散させて得られるフィルムの製造方法において、70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)を全使用溶剤量に対し、60重量%以上含む組成物を用いて製造する異方導電性接着フィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
溶剤に関しては、リペアー性と、組成物の溶解性の観点からSP(溶解度パラメータ)を規定するものがある(特許文献1、2参照)。
本発明は接着剤(ACF)の接着力を保ち、ポットライフ後においてもポットライフ前と変わらない接着力を有する異方導電性接着フィルム及びその製造方法並びにそれらを用いた回路接続構造体を提供するものである。
本発明は、ポットライフ後に接着剤がポットライフ前と比べ、接着力が大きく低下することを効果的に抑制し、より寿命の長い異方導電性接着フィルムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、接着剤の硬さが均一な(精度)異方導電性接着フィルムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、短時間接着性と接続体の信頼性の高い異方導電性接着フィルムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、接続体の接着強度の高い異方導電性接着フィルムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、一定方向の電気導通性の高い異方導電性接着フィルムの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前述の異方導電性接着フィルムの製造方法で得られた異方導電性接着フィルムを用いた回路接続構造体を提供するものである。
また、本発明は、ポットライフ後に接着剤がポットライフ前と比べ、接着力が大きく低下することを効果的に抑制し、より寿命の長く、接着剤の硬さが均一な異方導電性接着フィルムを提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、短時間接着性と接続体の信頼性の高い異方導電性接着フィルムを提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、接続体の接着強度の高い異方導電性接着フィルムを提供するものである。
また、本発明は、前述の効果に加えて、一定方向の電気導通性の高い異方導電性接着フィルムを提供するものである。
また、本発明は、前述の異方導電性接着フィルムを用いた回路接続構造体を提供するものである。
また、本発明は、[2]さらに、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)を全使用溶剤量に対し、40重量%以下含む組成物を用いて製造することを特徴とする上記[1]に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法である。
また、本発明は、[3]ポリマー(a)、ラジカル重合性化合物(b)、ラジカル発生剤(c)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法である。
また、本発明は、[4]ポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法である。
また、本発明は、[5]さらに導電性粒子(d)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[1]ないし上記[4]のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムの製造方法である。
また、本発明は、[6]上記[1]ないし上記[5]のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムの製造方法で得られた異方導電性接着フィルムを相対向する回路電極を有する基板間に介在させ、相対向する回路電極を有する基板を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した回路接続構造体である。
また、本発明は、[7]接着剤組成物を溶剤に溶解ないし分散させた接着剤組成物を支持体上に設け、溶剤を揮散させて得られるフィルムであって、70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)と、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)の、得られたフィルム中の残存量の比が、(A)/(B)=10以上であることを特徴とする異方導電性接着フィルムである。
また、本発明は、[8]70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)を全使用溶剤量に対し60重量%以上含み、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)を全使用溶剤量に対し40重量%以下含む混合溶剤に、接着剤組成物を溶解ないし分散させた接着剤組成物溶液を支持体上に設け、前記混合溶剤を揮散させて得られることを特徴とする上記[7]記載の異方導電性接着フィルムである。
また、本発明は、[9]ポリマー(a)、ラジカル重合性化合物(b)、ラジカル発生剤(c)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[7]または上記[8]に記載の異方導電性接着フィルムである。
また、本発明は、[10]ポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[7]または上記[8]に記載の異方導電性接着フィルムである。
また、本発明は、[11]さらに導電性粒子(d)を含む組成物を用いることを特徴とする上記[7]ないし上記[10]のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムである。
また、本発明は、[12]上記[7]ないし上記[11]のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムを相対向する回路電極を有する基板間に介在させ、相対向する回路電極を有する基板を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した回路接続構造体である。
本発明で使用するポリマー(a)としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらは、異方導電性接着フィルムのフィルム形成材として主に作用し、フィルム形成材は、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取扱いができるものである。
ポリマー(a)の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物の存在下において非反応性溶剤中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50重量部以下で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテルなどがある。2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
アクリレート(メタクリレート)の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンチニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ウレタンアクリレート類、これらのアクリレートに対応するメタクリレート等が挙げられる。これらは単独又は併用して用いることができ、必要によってはハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンチニル基及び/又はトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
充填剤を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填剤の最大径が導電性粒子(d)の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積部(接着剤樹脂成分100体積部に対して)の範囲が好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。
カップリング剤を用いる場合の添加量は、接着剤のその他の配合の合計100重量部に対して0.5〜30重量部混合することが好ましい。カップリング剤の配合量が0.5重量部より少ない場合、実質的な添加効果が得られない傾向があり、30重量部を超える場合、支持体上に接着剤を形成した際の接着剤層の形成能力が低下し、膜厚精度が低下する傾向がある。
導電性粒子(d)としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、白金属の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属類としたものでもよい。プラスチックに導通層を被覆等により形成した場合や熱溶融金属粒子の揚合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し、回路部材の回路端子の厚みばらつきを吸収し信頼性が向上するので好ましい。貴金属類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100オングストローム以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層をもうける場合では、貴金属類層の欠損や導電性粒子(d)の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し保存性低下を引き起こすため、300オングストローム以上が好ましい。そして、厚くなるとそれらの効果が飽和してくるので最大1μmにするのが望ましいが制限するものではない。導電性粒子(d)は、接着剤樹脂成分100体積部に対して0.1〜30体積部の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子(d)による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積部とするのがより好ましい。
ポリマー(a)は、上記したポリマー(a)と同様のものが使用できる。
本発明で使用するエポキシ樹脂(e)としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、FやAD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na+、Cl-等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
支持体としては、異方導電性接着フィルムの作製に一般的に用いられている、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム等を用い、これらは逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等の方法で得ることができる。
このような溶剤残存量比を有する接着フィルムを得るためには、接着剤組成物を溶剤に溶解ないし分散させた接着剤組成物溶液を支持体上に設け、溶剤を揮散させてフィルムを製造するにあたり、前記有機溶剤(A)を全使用溶剤量に対し60重量%以上含み、前記有機溶剤(B)を全使用溶剤量に対し40重量%以下含む混合溶剤を使用することが好ましい。
残存溶剤の量は、例えば得られたフィルムサンプルをNMPで希釈溶解後、GC/MSによって分析することができる。
これらの回路電極を有する基板(回路部材)には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられており、回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた回路電極の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した回路電極間に本発明の異方導電性接着フィルムを介在させ、加熱加圧することで対向配置した接続端子同士を電気的に接続して回路接続構造体とする。回路部材の少なくとも1組を加熱加圧することにより、対向配置した回路電極同士は、直接接触により又は接着剤組成物中の導電性粒子(d)を介して電気的に接続することができる。
(実験例1)
[ポリマー(a)の合成]
フェノキシ樹脂(Ph−1)の合成
4,4-(9-フルオレニリデン)-ジフェノール45g、3,3',5,5'-テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル50gをN-メチルピロリジオン1000mlに溶解し、これに炭酸カリウム21gを加え、110℃で攪拌した。3時間攪拌後、多量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物をろ取してフェノキシ樹脂(Ph−1)75gを得た。分子量を東ソー株式会社製GPC8020、カラムは東ソー株式会社製TSKgelG3000HXLとTSKgelG4000HXL、流速1.0ml/minで測定した結果、ポリスチレン換算でMn=12,500、Mw=30,300、Mw/Mn=2.42であった。
[ポリマー(a)の合成]
フェノキシ樹脂(Ph−2)の合成
窒素導入管、温度計、冷却管およびメカニカルスターラーを取り付けた2リットルの四つ口フラスコに、テトラブロモビスフェノールA(FG−2000、帝人化成株式会社製商品名)333.83g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−8125、分子蒸留品、エポキシ当量172g/当量,東都化成株式会社製商品名)205.56gおよびN,N−ジメチルアセトアミド1257gを入れ、窒素雰囲気下、均一になるまで撹拌混合した。次に、水酸化リチウム0.94gを添加し、温度を徐々に上げながら120℃で9時間反応させた。反応の追跡は、一定時間ごとに反応溶液の粘度を測定し、粘度が増加しなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を放冷し、これに活性アルミナ(200メッシュ)約420gを加えて一晩放置した。活性アルミナを濾過して、フェノキシ樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。次いで、窒素導入管、温度計、冷却管およびメカニカルスターラーを取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、得られたフェノキシ樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶液807.62g、末端カルボキシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(Hycar CTBNX1009−SP,宇部興産株式会社製商品名)50.88gを入れ、撹拌混合しながら十分に窒素置換した。次に、窒素雰囲気下で撹拌混合し、温度を徐々に上げながら溶剤が還流する状態で8.5時間加熱した。冷却後、多量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物をろ取してフェノキシ樹脂(Ph−2)を470g得た。
接着剤組成物(#1)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph−1)(Ph−1/トルエン/酢酸エチル=40/40/20重量部)溶液100重量部と、フェノキシ樹脂(Ph−2)(Ph−2/トルエン/酢酸エチル=50/35/15重量部)溶液20重量部と、ラジカル重合性化合物(b)として、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート(M−313、東亞合成株式会社製商品名)10重量部と、ウレタンアクリレート(NKオリゴUA512、新中村化学工業株式会社製商品名)40重量部、ラジカル発生剤(c)として1,1−ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3、5、5-トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂株式会社製商品名)5重量部、導電性粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、さらにシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#1)を作製した。
接着剤組成物(#2)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph-1)(Ph-1/トルエン/酢酸エチル=40/40/20重量部)溶液100重量部と、エポキシ樹脂(e)と潜在性硬化剤(f)の混合物としてマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(HX3941HP;旭化成工業株式会社製商品名、エポキシ当量185)60重量部、導電性粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、その他にシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#4)を作製した。
接着剤組成物(#3)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph-1)(Ph-1/トルエン/酢酸エチル=40/30/30重量部)溶液100重量部と、フェノキシ樹脂(Ph-2)(Ph-2/トルエン/酢酸エチル=50/25/25重量部)溶液20重量部と、ラジカル重合性化合物(b)として、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート(M-313、東亞合成株式会社製商品名)10重量部と、ウレタンアクリレート(NKオリゴUA512、新中村化学工業株式会社製商品名)40重量部、ラジカル発生剤(c)として1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3、5、5-トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂株式会社製商品名)5重量部、導電性粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、さらにシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#3)を作製した。
接着剤組成物(#4)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph-1)(Ph-1/トルエン/酢酸エチル=40/30/30重量部)溶液100重量部と、エポキシ樹脂(e)と潜在性硬化剤(f)の混合物としてマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(HX3941HP;旭化成工業株式会社製商品名、エポキシ当量185)60重量部、導電性粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、その他にシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#4)を作製した。
支持体付き異方導電性接着フィルムの作製
実験例3〜6の接着剤組成物(#1〜#4)を各支持体上に塗布して70℃、5分間乾燥させて、膜厚30μmの接着剤層を支持体上に形成した、支持体付き異方導電性接着フィルム(SS1〜SS4)を作製した。ポットライフをみるため、得られた異方導電性フィルムを40℃で5日間放置し、そのフィルムを用いて回路接続構造体を以下のように作製した。
バンプ面積50μm×50μm、ピッチ100μm、高さ20μmの金バンプを配置したICチップと厚み1.1mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗、≦20Ω/□)とを、上記の異方導電性接着フィルム製造直後(初期)と、ポットライフ後の接着剤組成物を用い、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、180℃、60MPa(バンプ面積換算)で3秒間加熱加圧して接続し回路接続構造体を得た。このとき、フィルム状接着剤組成物はあらかじめITO基板上に、支持体つき接着剤の接着面を70℃、0.5MPa(面積換算)で3秒間加熱加圧して貼り付け、その後、支持体を剥離してICチップと接続した。顕微鏡を用いて、石英ガラス側から観察することにより、チップ下にはく離が発生しない場合は○、チップ下にはく離が発生した場合は×として評価し、その結果を表1に示した。
得られた異方導電性フィルムを、NMPで約30倍に希釈溶解後、GC/MSに1.0μl注入して、残存溶剤の分析を行った。なお、これらは作製直後と3ヶ月間放置後の2回測定を行った。実験例で使用したトルエンを溶剤(A)、酢酸エチルを溶剤(B)として、(A)/(B)の結果を表1に示した。
1.1mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗、≦20Ω/□)に異方導電性接着フィルム製造直後(初期)と、ポットライフ後の接着剤組成物を用い、70℃、0.5MPa(面積換算)で3秒間加熱加圧して貼り付け、その後、支持体を剥離して、接着剤面にポリイミドフィルム(厚み38μm)を乗せ、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、180℃、60MPa(面積換算)で3秒間加熱加圧して接続構造体を得た。ポリイミドフィルムを90°方向に50mm/分で剥離し、引き剥がし強さを測定し、接着力の保持率=(ポットライフ後の引き剥がし強さ/初期の引き剥がし強さ)の百分率で求めた。
また、接着力の保持率は実施例1、2が優れ、比較例1、2は劣る。
Claims (12)
- 接着剤組成物を溶剤に溶解ないし分散させた接着剤組成物溶液を支持体上に設け、溶剤を揮散させて得られるフィルムの製造方法において、70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)を全使用溶剤量に対し、60重量%以上含む組成物を用いて製造することを特徴とする異方導電性接着フィルムの製造方法。
- さらに、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)を全使用溶剤量に対し、40重量%以下含む組成物を用いて製造することを特徴とする請求項1に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法。
- ポリマー(a)、ラジカル重合性化合物(b)、ラジカル発生剤(c)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法。
- ポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の異方導電性接着フィルムの製造方法。
- さらに導電性粒子(d)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムの製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムの製造方法で得られた異方導電性接着フィルムを相対向する回路電極を有する基板間に介在させ、相対向する回路電極を有する基板を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した回路接続構造体。
- 接着剤組成物を溶剤に溶解ないし分散させた接着剤組成物を支持体上に設け、溶剤を揮散させて得られるフィルムであって、70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)と、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)の、得られたフィルム中の残存量の比が、(A)/(B)=10以上であることを特徴とする異方導電性接着フィルム。
- 70℃における蒸気圧が250mmHg以下で、40℃における蒸気圧が100mmHg以下である有機溶剤(A)を全使用溶剤量に対し60重量%以上含み、70℃における蒸気圧が500mmHg以上で、40℃における蒸気圧が165mmHg以上である有機溶剤(B)を全使用溶剤量に対し40重量%以下含む混合溶剤に、接着剤組成物を溶解ないし分散させた接着剤組成物溶液を支持体上に設け、前記混合溶剤を揮散させて得られることを特徴とする請求項7記載の異方導電性接着フィルム。
- ポリマー(a)、ラジカル重合性化合物(b)、ラジカル発生剤(c)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の異方導電性接着フィルム。
- ポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の異方導電性接着フィルム。
- さらに導電性粒子(d)を含む組成物を用いることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の異方導電性接着フィルム。
- 請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の異方導電性接着フィルムを相対向する回路電極を有する基板間に介在させ、相対向する回路電極を有する基板を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した回路接続構造体。
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