JP2005325058A - セラミックス製の歯科用修復物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気泳動成形法によってセラミックス製の歯科用修復物を製造するに際し、ブリッジ用のコーピングのようなセラミックス層の厚さの異なる部位を有する修復物でも容易に製造できる方法を提供する。
【解決手段】 電気泳動によるセラミックス粒子の堆積の際の電極として、目的とする修復物の外形に相当する部位に導電層を有する陰型模型を一方の電極とする。該陰型模型は、修復物の形状を有するワックス模型を作製し、このワックス模型を燐酸塩系埋没材などの鋳型材に埋没・硬化させた後、ワックスを焼失させ、ついで、内部に導電性ペーストを塗布、乾燥させて製造する手法により好適に製造できる。電気泳動によりセラミックス粒子を堆積させた後、乾燥させ、ついで陰型模型と共に焼成すれば、特に形状の変化が少なく適合性の高い焼結体が得られる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、新規なセラミックス製の歯科用修復物の製造方法に関する。更に詳しくは、簡便な方法で高強度かつ適合性の良いセラミックス製の修復物を作製できる製造方法に関する。
齲蝕等により部分的に欠損した歯の修復に使用される材料としては、コンポジットレジンと呼ばれる無機物と有機物からなる複合材料、金属或いはセラミックスが用いられている。特にセラミックス製の歯冠修復物は、コンポジットレジンよりも強度が高く、また色調もより天然歯に近い物性の優れた材料である。
セラミックスを用いた単冠修復においては、すでにオールセラミックス製の歯冠修復物により実用的な強度が得られており種々実用化されている。
このようなオールセラミックス製の歯冠修復物を製造する方法としては、結晶化ガラス前駆体を600〜1200℃程度に加熱して軟化させつつ鋳型に流し込み、加熱により歯冠修復物の形状を有する結晶化ガラスとする方法、支台模型上にセラミックス粉末のペースト(スラリー)を修復物の形状に築盛し、焼成する方法などがある。
さらに近年では、電気泳動成形法を用いてオールセラミックス製の歯冠修復物を製造する方法がいくつか提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
電気泳動成形法はセラミックス粒子を極性溶剤中に分散、帯電させ、溶剤に電流を流すことにより、帯電したセラミックス粒子を電気泳動により電極上に堆積させる手法である。この方法によれば、プレッシャーフリーでも比較的緻密な厚膜が作製可能であり、通常の加圧成形に匹敵する成形密度が得られること、バインダーを使用しなくても,大面積の厚膜成形が可能であること、堆積プロセスの途中で液体中の原料粉末種を制御することによって、積層、傾斜化などの微構造制御をすることができるなどの特徴を有している。
したがって、支台模型上に導電層を形成し、これを一方の電極とし、上記電気泳動成形法を利用してセラミックスを堆積させ、焼成することにより、高強度のセラミックス製の修復物を得ることが可能である。
国際公開第99/50480号パンフレット 国際公開第02/30362号パンフレット
しかしながら上記支台模型を形成し、その上に堆積させる方法には以下のような欠点があった。即ち、電気泳動成形法においては、電極上へのセラミックス粒子の堆積は均一な厚みで起こる。従って、単冠修復を行う場合など、均一な厚さの修復物成形体を得たい場合には極めて優れた方法となるが、反面、欠損歯を伴う修復物(ブリッジ等)を製造するに際して用いられるコーピング(フレームとも呼ばれる)の如き、リテーナー部分とポンティック部分のようにその大きさ(厚み)の異なる部位を有する修復物を、電気泳動成形法によって一度に形成することは困難である。さらに歯科用修復物においては、その症例により、ポンティック部分の大きさや形状は千差万別であり、修復物と一致する形状を電気泳動成形法によって一度に形成することはさらに困難である。
本発明は、前記のような利点を有する電気泳動成形法によってセラミックス製の歯科用修復物を製造するに際し、ブリッジ用のコーピングのようなセラミックス層の厚さの異なる部位を有する修復物でも容易に製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、ロストワックス法により歯科修復物の鋳型を作製し、電気泳動成形法により、その内部にセラミックス粒子を堆積することでポンティク等の複雑な形状を制御できることを見出した。そしてさらに検討を進めた結果、本発明を完成した。
即ち本発明は、歯牙欠損部を修復するために用いるセラミックス製の修復物を、電気泳動によってセラミックス及び/又はその前駆体粒子を電極上に堆積させ、その後、堆積した粒子を焼結させて製造する方法において、該粒子を堆積させる電極として、前記修復物の外形に相当する部位に導電層を有する修復物陰型模型を用いることを特徴とする、セラミックス製の歯科用修復物の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、ブリッジ用のコーピングのようなセラミックス層の厚さの異なる部位を有する修復物を、電気泳動成形法により一度に形成することが可能であり、高強度で適合性に優れた歯科用修復物を簡単な操作で用意に製造することが可能となる。
以下、本発明の製造方法について、図面を参照して説明する。図1は本発明の製造方法によって製造することのできるセラミックス製修復物の代表例である3本ブリッジ用のコーピングを示す模式図である。この図1に示しているように、欠損歯を伴う修復物は、支台となる歯(支台歯または橋脚歯)にかぶせる部分(リテーナー;支台装置)と、ポンティック(架工歯)と呼ばれる欠損歯を代替する部分から構成される。このコーピングの表面に陶材を築盛して色調や形態を調整して最終的なブリッジとし、図2に示すように、支台装置部分を口腔内の支台歯に被覆して用いる。
本発明の方法によって上記のようなコーピングを製造する典型的な方法は以下のようである。即ち、まず定法に従って支台模型(図3)を作製し、さらにワックス等を用い、図4に示すような修復物の形状を有する模型(以下、ワックス模型)を作製する。
ついで、作製したワックス模型を用いて修復物の陰型模型(以下、単に陰型模型)を作製する。この陰型模型の作製方法としては、ワックス模型を歯科用鋳型材中に埋没し、該鋳型材を硬化させた後、ワックスを焼成除去する方法が好適である(図5)。該鋳型材としては上記支台模型と同じ材質のものを用いることが好ましく、一般に歯科用耐火埋没材として知られている種々の材料(例えば、石膏系埋没材、燐酸塩系埋没材)を用いることができる。このような耐火性の材料を用いて陰型模型を形成することにより、後述するセラミックス粒子の堆積後に、この陰型模型ごと焼成を行うことができ、より適合性に優れた修復物を作製することができる。
また、上記埋没に際しては、図5に示しているように、一部ワックス模型が表面に出るよう埋没するか、あるいは全体を埋没し、埋没材が硬化した後に、ワックスが表面に露出するように削り出して開口部を設ける。この開口部は用いたワックスを除去する際の出口、及びワックス除去後の型の内部へのセラミックス粒子の堆積の際の入り口となる。図5においては歯冠部側に開口部を設けているが、必要に応じて他の部位に開口部を設けても良い。また図6に示したように、ワックス模型として開口部相当部分を設けた形状のものを形成することも好適である。
続いて、ワックスを除去することにより、図7に断面図を示すような陰型模型を得、さらにその陰型模型の前記修復物の外形に相当する部位に導電層を設ける。ワックスの除去方法は特に限定されるものではないが、加熱により焼失させる方法が好適である。
導電層を設ける方法も特に限定されるものではなく、例えば、導電性ペーストを筆等で塗布、乾燥させる方法が挙げられる。より具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛、グラッシーカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ等のカーボン類;ポリアニリンクロロアニルをドープしたポリジメチルアミノスチレン、テトラシアノエチレンをドープしたポリビニルメシチレン、テトラシアノエチレンをドープしたポリビニルナフタレン、ハロゲンをドープした、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリビニルカルバゾール、テトラシアノエチレン、ポリビニルピジリン、テトラシアノエチレン、ドープしたポリジフェニルアミン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンをドープしたポリビニルイミダゾール、ハロゲンをドープしたポリアセチレン、HClOをドープしたポリチオフェン等の電子導電性高分子類等や金、白金、パラジウム、銅、銀、ニッケルなどの金属類等の導電性粒子を、水、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶剤に分散させて適度な塗布性を付与したペーストを用い、該ペーストを修復物の外形に相当する部位、即ち、陰型模型の内部に塗布、その後、自然乾燥、加熱乾燥などを行って用いた溶剤を揮発除去させる方法が好適である。
また、必要に応じて蒸着やスパッタリング等の方法によって導電層を形成しても良いが、この場合には、所定の部位以外に導電層が形成されてしまわないように保護するか、あるいは、蒸着後に不要な導電層部分を除去する必要がある。
なお後述するように、電気泳動形成法によりセラミックス粒子を堆積させるためには、陰型模型に外部電源からの導通を確保する必要がある。不必要な部位へのセラミックス粒子の堆積を防止するために、絶縁材料により被覆された金属線を上記修復物の外形に相当する部位の導電層に電気的に結合させる手法が好ましいが、必要に応じて、修復物の外形に相当する部位から適当な位置まで導電層をさらに形成する手法でも良い。この場合には、該外部導通用の導電層上にセラミックス粒子が堆積しないように、絶縁性の材料で被覆することも好適である。
さらに上記方法では修復物模型はワックスを用いて、陰型模型は耐火埋没材を用いて作製しているが、必要に応じて他の材質のものを用いてもよく、その場合には、該材質に応じた除去方法(例えば溶融や溶解など)を採用すればよい。しかしながら、加工のし易さ、室温下での形状安定性、除去の容易さなどの点から修復物模型はワックスで作製することが好適である。
さらにまた、陰型模型の作製にあたっては、修復物模型と鋳型材(あるいは印象材)を用いる方法に限らず、例えば、歯科用耐火埋没材のバルク体から削りだす方法によっても良い。
導電層の形成に際しても、上記のようにワックス模型等の修復物模型を除去後、得られた陰型模型上に形成するのではなく、例えば、修復物模型を形成後、該修復物模型上に導電層を形成し、これを鋳型材に埋めて硬化させ、ついで、導電層が鋳型材(陰型模型)上に転写するように、修復物模型を除去する方法などでも良い。具体的には、修復物模型をワックスで形成し、導電層を金属で形成し、該金属の融点未満かつワックスの燃焼温度以上で加熱する手法などが例示される。
このようにして得られる、修復物の外形に相当する部位に導電層を有する陰型模型を一方の電極として電気泳動成形法によりセラミックス粒子の堆積を行うことにより、厚さや大きさの異なる部位を有する複雑な形状の修復物前駆体を得ることができる。
上記電気泳動成形法は公知の手法に従えばよく、具体的には、上記陰型模型からなる電極と対極とを、帯電したセラミックス及び/又はその前駆体粒子が分散したイオン導電性を有する溶剤中に浸漬し、これら陰型模型と対極とを電気的に接続し通電すればよい(図8)。
このセラミックス粒子は、耐火模型の導電層上に堆積し、修復物を形成させる成分であり、目的とする修復物の材質により適宜その材質も選択すればよい。このようなセラミックス粒子は一般には、金属酸化物が好適に用いられるが、ガラスおよびガラスセラミックス、これらの前駆体を用いても構わない。
金属酸化物としてはジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、アルミナ、スピネル等、およびこれらの2種以上からなる混合物および複合酸化物を含む。また金属酸化物以外のセラミックス粒子としては、窒化珪素等が挙げられる。
これらセラミックス粒子の形状は特に制限されるものではなく、球状、不定形等公知の如何なる形状でも良く、またその粒子径も特に制限されないが、溶剤中に分散させやすく、また得られるコーピングが機械的強度に優れたものとするために、平均粒子径が10nm〜1μm程度のものであることが好ましい。さらに必要に応じて繊維状のセラミックスを少量用いることも高い機械的強度が得られる点で好適である。
また、セラミックス粒子の焼結や堆積層の厚みの確保を容易にするために、金属粉末、炭酸塩、水酸化物、アルコキサイド等を直接/もしくは複合して用いることが可能である。例えばアルミナの場合アルミ粉末との混合物を用いることにより堆積厚が確保しやすくなる。
このようなセラミックス粒子を溶剤中で帯電させる方法は特に制限されるものではなく、通常は溶剤に分散させるだけである程度帯電する。該帯電をより効率的に行うためには、塩酸、硫酸、および酢酸等の酸、あるいは水酸化ナトリウム、およびアンモニア等のアルカリを加えることによって溶剤のpHを調整することが好ましい。用いるセラミックス粒子の種類等にもよるが、一般的には、酸によりpHを3〜5程度にすることにより、効率よく正(+)に帯電させることが可能である。逆に塩基性にすることにより負(−)に帯電させることも可能である。
このようなセラミックス粒子が分散させられている溶剤は特に限定されるものではないが、セラミックス粒子の分散性、前記導電層の脱離のしにくさ、焼成時の除去されやすさ等を考慮すると揮発性の極性溶媒であることが好ましい。具体的には、水、エタノール、エチルセルソルブ、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エトキシエタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類;オクチル酸、プロピオン酸等のカルボン酸類等が挙げられる。これら溶剤に対するセラミックス粒子の分散量は特に減手されるものではないが、一般的には、セラミックス濃度が1〜30体積%となる程度である。
また、本発明で用いる溶剤としては、前記したようなpH調整のための酸又は塩基が配合されていてもよく、さらには、セラミックスの焼結時のクラックの発生防止や操作性を向上させるために解膠剤、結合剤等が添加されていても構わない。
解膠剤の例としては一般に苛性ソーダ、珪酸ソーダ、水ガラス、炭酸ソーダ、ソーダ灰、燐酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、蓚酸ソーダ、蓚酸アンモン、水酸化リチウム、炭酸リチウム、アルミン酸リチウム、クエン酸リチウム、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、モノアミルアミン、モノエチルアミン、モノ-iso-ブチルアミン、モノ-n-ブチルアミン、モノ-n-プロピルアミン、モノ-sec-ブチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、エチルアミン、水酸化四メチルアンモニウム、ポリビニールアミン、ポリエタノールアミン、リン酸エステルを用いることができる。
また結合剤の例としては澱粉、可溶性澱粉、α化澱粉、デキストリン、アルギン酸、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガッチゴム、カゼイン、カゼインソーダ、ブドウ糖、ゼラチン、膠(不純ゼラチン)、小麦粉、大豆蛋白、ペプトン、精蜜、Na-カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、酢酸セルロース、リグニンスルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸カルシウム、Na-カルボキシルメチル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、澱粉燐酸エステルソーダ、グリセリン、パルプ廃液、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレン酸化物、ポリビニルピロリドン、ビニールピロリドン-酢ビ共重合物、タンニン酸、尿素、シェラック、ロジン乳濁液、動植物油(大豆油、魚油、牛脂など)、流動パラフィン、ワックスエマルジョン(カルナウバろう、カルボろう、地ロウなど)、セレシン、重油、機械油、スピンドル油、エチルセルロース、アセチルセルロース、エステルガム、ポリビニルアセテート、クロマン樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂、エチレンシリケート等は、セラミックス粒子表面に吸着し粒子を効果的に分散させることができる。このような解膠剤、結合剤はセラミックス100重量部に対して0.2〜20重量部添加できる。なお、これら解膠剤、結合剤は、溶剤のpH調整剤としても作用するものもある。
このような溶剤は、イオン導電性を有することが必須である。イオン導電性のない場合には、セラミックス粒子の電気泳動が起こらず、よって、前記導電層上にセラミックス粒子の堆積が起きない。このようなイオン導電性を付与する方法は、通常は、前記したようにpHを酸性又はアルカリ性に調整するだけで充分である。また必要に応じて、1種もしくは多種電解質および解膠剤を添加しても良い。
このようなセラミックス粒子が分散した溶剤に対し、前記導電層を有する陰型模型が浸漬されるが、該模型を一方の電極として溶剤中に電流を流すために、該溶剤中には、陰型模型における導電層と電気的に導通した対極も浸漬される。この対極は導電性のあるものであれば特に制限されず、各種金属や合金、あるいは炭素電極等を用いればよい。
セラミックス粒子が正に帯電していれば陰型模型を負極に、逆に負に帯電していれば正極にしてセラミックス粒子を耐火模型に堆積させる。
この電気泳動の印加電圧、電流および印加時間は、所望の膜厚に従い調整可能であるが概ね1V〜300V、1〜300mA/cm、30秒〜6時間程度で陰型模型中に堆積できる。
このようにしてセラミックス粒子が導電層上に堆積した陰型模型(図9)は、その後、溶剤中から引き上げ、乾燥させることにより、修復物前駆体を内部に有するものとなる。
修復物を得るためには、上記修復物前駆体を焼成してセラミックス粒子を焼結させる必要がある。この焼成に際しては、上記修復物前駆体を陰型模型から取り出してから行っても良いが、取り出しの際の変形や、あるいは焼成・焼結時の変形を避けるために、型に入れたまま焼成することがより好ましい。
当該焼成温度および時間は用いられるセラミックスの材質によって異なり、公知の条件を適宜採用すればよいが、概ねアルミナおよびジルコニアでは1250℃〜1600℃の温度範囲で2時間〜8時間焼成することにより緻密化する。
また、セラミックスを1000℃〜1200℃の温度範囲で焼成し、緻密化せずに用いても良い。この場合には、該焼結体にさらにガラスを含浸させ、セラミック複合体を作製することができる。例えば、含浸させるガラスとしてはLa2O3、SiO2、Al2O3、B2O5等を主成分とするガラスが用いられる。含浸させる温度域としては800〜1000℃でよく、使用するガラス組成の融点により最適な温度を選択すれば良い。またガラス含浸に際しても、陰型模型から取り出す前でも、取り出した後でも良いが、より適合性の良い修復物を得るためには、型から取り出す前に行うことが好ましい。即ち、電気泳動形成法を用いて前駆体を形成しても、焼結時の収縮を完全に0にすることはできず、若干の形状の誤差が生じることは不可避であるが、上記手法により陰型模型に入れたままガラスを含浸させることによって、得られた焼結体内部及び焼結により生じた焼結体と陰型模型との間隙にもガラスが浸透し、この形状誤差を補正することができる。
堆積した粒子を焼結させるための焼成及びガラス含浸の際には主に電気炉が用いられるが、該電気炉としては最高1600℃程度の温度が得られるものであれば良い。
このようにして焼成した後、焼結体を陰型模型から取り出す。取り出す手法としては、用いた陰型模型を破壊することが最も簡便である。
このようにして図1に示したようなセラミックス製の修復物が得られた後は、必要に応じて公知の手法に従って形態修正、陶材築盛等を行い、図2に示したように用いればよい。
3本ブリッジ用のコーピングの模式図。 3本ブリッジの装着例を示す模式図。 支台模型の模式図。 支台模型と、その上にワックスアップ法によって作製したワックス模型を示す模式図。 ワックス模型を鋳型材に埋没した状態を示す模式図その1。 ワックス模型を鋳型材に埋没した状態を示す模式図その2。 ワックス除去後の陰型模型と、該陰型模型に導電層を形成した状態を示す模式図。 陰型模型を用いた電気泳動形成法を行う装置の概念図。 陰型模型とその内部に堆積したセラミックス。

Claims (2)

  1. 歯牙欠損部を修復するために用いるセラミックス製の修復物を、電気泳動によりセラミックス及び/又はその前駆体粒子を電極上に堆積させ、その後、堆積した粒子を焼結させて製造する方法において、該粒子を堆積させる電極として、前記修復物の外形に相当する部位に導電層を有する修復物陰型模型を用いることを特徴とする、セラミックス製の歯科用修復物の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法において、焼結体が完全には緻密化しない条件で粒子の焼結を行い、ついで、得られた焼結体内部及び焼結により生じた修復物陰型模型と焼結体との間隙にガラスを浸透させ、その後に修復物陰型模型から取り外すことを特徴とするセラミックス製の歯科用修復物の製造方法。
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