JP2005324833A - 縊れパウチ容器、及び該パウチ容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、縊れシール部にて把持した際に、使用者が痛みを感じ難いような工夫が施された縊れパウチ容器を提供することを課題とするものである。
【解決手段】
可撓性フィルム3を熱シールしてなるパウチ容器の側端シール部31の一部分に、内側に凹んだ縊れシール部32が形成されており、この縊れシール部32の外縁側に、フィルムの一部が延出されていると共に、このフィルム延出部分33が非シールとされている縊れパウチ容器を解決手段とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内側に凹んだ縊れシール部が側端シール部に形成されている縊れパウチ容器、及び該パウチ容器の製造方法に関する。
従来、洗剤やシャンプーなどの詰替用容器、飲料やゼリー状食品などを充填する容器として、可撓性フィルムの端部を熱シールすることにより袋状に形成されているパウチ容器が知られている。更に、かかるパウチ容器に注出口が取り付けられたスパウト付きパウチ容器も知られている。
また、パウチ容器の形状として、例えば、意匠登録第1196312号公報に記載されているように、側端シール部の一部分に内側へ凹んだ縊れシール部が形成されているパウチ容器も知られている(本明細書に於いて、縊れシール部を有するパウチ容器を「縊れパウチ容器」という)。かかる縊れパウチ容器は、縊れシール部の外縁に指を掛けることができるので持ちやすい。従って、例えば比較的大容量の縊れパウチ容器であっても、縊れシール部を把持することにより、容器を不用意に滑り落とすことなく洗剤などの詰め替え作業などを行うことができる。
ところで、縊れシール部の外縁に指を掛けて縊れパウチ容器を把持した際には、充填済み容器の重量が、この外縁を通じて指に加わることとなる。しかしながら、該縊れシール部の外縁は、2枚の積層フィルムが熱シールされてなるシール縁であって比較的硬く且つ細線状となっていることから、縊れシール部の外縁が指に食い込んで感触が悪く、場合によっては使用者が痛みを感じる。特に、大容量の縊れパウチ容器の場合には、この問題が顕著であり、その改善が求められている。
意匠登録第1196312号公報
そこで、本発明は、縊れシール部にて把持した際に、使用者が痛みを感じ難いような工夫が施された縊れパウチ容器及び該パウチ容器の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、その第1の手段として、可撓性フィルムを熱シールしてなるパウチ容器の側端シール部の一部分に、内側に凹んだ縊れシール部が形成されており、この縊れシール部の外縁側に、フィルムの一部が延出されていると共に、このフィルム延出部分が非シールとされている縊れパウチ容器を提供する。
上記縊れパウチ容器は、縊れシール部の外縁に、フィルムの一部が延出されているので、縊れシール部にて容器を把持した際、縊れシール部の外縁と指との間にフィルム延出部分が介在する。このフィルム延出部分は、非シール(熱シールされていない)であるため柔らかく、よって、縊れシール部の外縁と指との間のクッション的な作用をもたらす。従って、縊れシール部の外縁全体が直接指に当たらず、又、介在するフィルム延出部分によって指に加わる圧力が分散されるので、持ち手の感触が良好で、使用者は痛みを感じることもない。
また、本発明は、第2の手段として、側端シール部の一部分に、内側に凹んだ縊れシール部が形成されている縊れパウチ容器の製造方法であって、内面にシーラント層を備える可撓性のフィルム原反を重ね合わせ、フィルム原反を熱シールすることにより、側端シール部の一部分に内側へ凹んだ縊れシール部を形成し、この縊れシール部の外縁で囲われる部分に於けるフィルムの一部を残してフィルム原反を切断する縊れパウチ容器の製造方法を提供する。
かかる製造方法によれば、縊れシール部の外縁で囲われる部分に於けるフィルムの一部を残してフィルム原反を切断するので、縊れシール部の外縁側に、未シールのフィルム部が延出されている上記縊れパウチ容器を連続的に製造することができる。また、従来の縊れパウチ容器を製造する際には、熱シールにより縊れシール部を形成し、この縊れシール部の外縁に沿って切断するので、該外縁で囲われる部分は廃棄される。この点、本発明の製法は、この縊れシール部の外縁で囲われる部分に於けるフィルムの一部を残してフィルム原反を切断するので、従来品に於けるフィルム廃棄部分を、フィルム延出部分として有効に利用することができる。
本発明の縊れパウチ容器によれば、把持した持ち手の感触が良好で、従来品のように痛みを感じることもない。従って、例えば容器を大容量化しても、縊れシール部を把持して内容物をスムースに注出することができる。
また、本発明の製法によれば、従来廃棄されていたフィルム部分を、フィルム延出部分として利用することができる。従って、フィルムの使用量は従来品と変わらずに、持ち手の感触が良好な縊れパウチ容器を製造することができる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する
図1〜図3に於いて、1は、表裏面フィルム3,3の両方の側端シール部31,31の中途部に、内側に凹んだ縊れシール部32が形成されていると共に、該表裏面フィルム3の下端側に、底面フィルム4が熱シールされてなる自立型の縊れパウチ容器2と、この縊れパウチ容器2の上端部に取り付けられたスパウト5と、を備えるスパウト付き縊れパウチ容器を示す。
具体的には、縊れパウチ容器2を構成する表裏面フィルム3及び底面フィルム4は、熱シール可能な可撓性の積層フィルムからなる。この積層フィルムは、公知のパウチ容器で使用されているフィルムが使用され、例えば、内側から外側に向かって順に、熱シール性を有するシーラント層、袋の強度(耐屈曲性、耐ピンホール性など)を保持するための基材層、ガスバリア性や遮光性などを付与するためのバリア層、表面摩擦や耐熱性などを付与するための外面層がラミネート加工された4層構造(図示せず)のものなどが例示される。シーラント層は、熱シール可能な素材であれば特に限定されず、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどが例示される。基材層は、比較的強度に優れるものであれば特に限定されず、ナイロンなどのポリアミド系フィルムなどが例示される。バリア層は、ガスバリア性を有するものであれば特に限定されず、アルミニウムなどの金属蒸着膜などが例示される。外面層は、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムなどが例示される。また、外面層の内面又は外面には、商品名、絵柄などの表示が印刷された意匠印刷が施されており、この意匠印刷を内面に施す場合には、外面層は透明なものが用いられる。尚、積層フィルムは、例えば、基材層又は外面層がガスバリア性を有する素材の場合には、別個にバリア層を設けなくてもよく、同様に、例えば外面層やバリア層が比較的強度のある素材であれば、別個に基材層を設けなくてもよい。更に、ガスバリア性が要求されない内容物を充填する場合には、バリア層を設けず、例えば、シーラント層と基材層の2層で形成されたものでもよい。
表裏面フィルム3は、両側縁の中途部に内側へ凹んだ凹状縁3aを有する形状(平面略瓢箪状)に形成されており、シーラント層を内側にして重ね合わされている。重ねられた表裏面フィルム3の上端部は、スパウト5の熱融着部を挟み込んだ状態で熱シールされており、これによってスパウト5が取り付けられている。また、表裏面フィルム3の両側端部は、側縁から所定幅だけ熱シールされることにより側端シール部31が形成されているが、凹状縁3aに対応する側端シール部31は、その外縁線が凹状縁3aに交わらないように内側に迂回して熱シールされて縊れシール部32が形成されている。従って、縊れシール部32の外縁32aには、熱シールされていない表裏面フィルム3の一部33が略三日月状に延出されている。この縊れシール部32は、その外縁32aに少なくとも1本の指が嵌り込む程度の大きさに形成されている。また、縊れシール部32の外縁32aに延出された未シールのフィルム延出部分33は、直線状の側端シール31の縁よりも内側であって、縊れシール部32の外縁32aから1〜数ミリ程度出ていることが好ましい。
一方、表裏面フィルム3の下端部には、2つ折にされた底面フィルム4が介装されており、表裏面フィルム3の下端部と底面フィルム4の周囲が熱シールされている。尚、内容物を充填した際に、底面フィルム4が平坦状に展開しないように、表裏面フィルム3同士が、底面フィルム4の周縁部に形成された孔部を通じてスポット的に熱シールされている(図示せず)。
上記縊れパウチ容器2は、例えば、次の製造工程で機械的に製造することができる。以下、2列の縊れパウチ容器2を連続的に製造する方法を例にとって説明する。
図4に示すように、底面フィルムが連続的に繋がった底面フィルム原反100を、シーラント層を外側にして2つ折にしつつ、表面フィルム原反101と裏面フィルム原反101の両側端部の間に挟み込むようにしてそれぞれ導入する。次に、表裏面フィルムと底面フィルムを熱シールすべく、フィルム原反100,101を、表裏面フィルム原反101の上下から縦シール装置102にて加熱する。更に、表裏面フィルムの側端部を熱シールすべく、表裏面フィルム原反101の上下から横シール装置103にて幅方向に加熱する。この横シール装置103による熱シールによって、表裏面フィルム原反101に、略直線状の側端シール部31と内側に凹んだ縊れシール部32及び他の曲線部分などが形成される(尚、縊れシール部32で囲われる部分に於けるフィルム原反は、少なくとも熱シールされない)。これを繰り返すことにより、幅方向線対称的に側端シール部31が隣り合った熱シール済み原反104が形成される。
次に、この熱シール済み原反104の中心をカッター105にて切断し、各列毎に分断する(分断された一方の熱シール済み原反104を図5に示す)。そして、分断された熱シール済み原反104から個々のパウチ容器を形成するため、図5に示すように、切断線106が縊れシール部32の外縁32aよりも外側となるように、打抜き型切断装置107にて熱シール済み原反104を幅方向に切断する。かかる切断により、縊れシール部32の外縁32aで囲われる部分に未シールフィルムの一部が残り、その余は抜き滓フィルム片として廃棄され(抜き滓フィルム片を網掛けで示す)、上部開口型の縊れパウチ容器2が製造される。事後、上端部にスパウトを熱シールして取り付けることにより、上記スパウト付き縊れパウチ容器1が製造される。
上記スパウト付き縊れパウチ容器1は、図6に示すように、洗剤などのサニタリー商品、ゼリー状食品などの内容物を充填することにより、自立させることができる。そして、縊れシール部32を把持し、スパウト5のキャップを外して内容物を注出することができる。上記縊れパウチ容器2は、縊れシール部32の外縁32aに、未シールのフィルム延出部分33が設けられているので、容器2を把持した際、縊れシール部32の外縁32aと指との間に、比較的柔らかいフィルム延出部分33が介在することとなる。このフィルム延出部分33の介在によって、縊れシール部32の外縁32aが直接指に当たらず、又指に加わる圧力も分散される。従って、上記縊れパウチ容器2は、従来品に比して、持ち手の感触が良好となり、痛みを感じることもない。
ところで、従来の縊れパウチ容器は、フィルム原反を熱シールして縊れシール部を形成した後、該縊れシール部の外縁に沿ってフィルムを切断することにより製造するため、縊れシール部の外縁で囲われる部分に於けるフィルム片は廃棄される。この点、本発明の縊れパウチ容器2の特徴部分であるフィルム延出部分33は、従来品では廃棄されていたフィルム片を、縊れシール部と持ち手との間のクッションとして有効に活用したものであり、また、廃棄部分を活用しているため、本発明品は、従来品と同じフィルム使用量で製造できる。また、本発明の縊れパウチ容器2と従来品の相違は、縊れシール部32の外縁32aで囲われる部分に於けるフィルムの一部を残してフィルム原反を切断することにあるから、切断線106の位置を変更すれば、従来品の製造ラインをそのまま利用して本発明品を製造することができる。
尚、本発明は、上記各実施形態に限られず、その他、変更、代用、置換、付加などすることができる。以下、主として上記各実施形態と異なる部分について説明し、同様の構成については用語及び図番を援用し、その説明を省略することがある。
上記実施形態の変形例として、図7に示すように、縊れパウチ容器2の縊れシール部32の外縁側に延出されたフィルム延出部分33に、複数の切込部7を形成してもよい。このように切込部7を形成すれば、フィルム延出部分33が変形し易くなるので、フィルム延出部分33をより柔軟にして、より良好な感触をもたらすことができる。
尚、この切込部7は、図示したようにフィルム延出部分33の端部を線状に切り込んで形成された態様の他、フィルム延出部分33の端部を略V字状、略半円状、波形状などに切り欠いて形成することもできる。
また、上記実施形態に於いては、フィルム延出部分33は略三日月状であるが、必ずしもかかる形状に限定されるものではない。また、上記実施形態では、縊れシール部32の外縁32a全体から未シールのフィルムが延出されているが、例えば、図8に示すように、縊れシール部32の外縁32aの一部から未シールのフィルムが延出されている態様も可能である。但し、この態様の場合、容器2を把持した際、縊れシール部32の外縁32aが指に接触しないようにするために、縊れシール部32の外縁32aのうち中央部及び上方部にフィルム延出部分33を形成することが好ましい。
さらに、例えば図8に示すように、縊れシール部32が片方の側端部にのみ形成された縊れパウチ容器2に本発明を適用することも可能である。また、同図に示すように、スパウトを取り付けない態様でも構わない。
また、上記実施形態に於ける縊れパウチ容器2は、表裏面フィルム3,3と底面フィルム4の3面からなる自立型であったが、例えば、図9に示すように、表裏面フィルム3と両側面ガセットフィルム8の4面からなる自立型でもよい。また、特に図示しないが、表裏面フィルム3と1つの側面ガセットフィルム8の3面からなる片側面ガセット付き自立型などでもよい。また、本発明の縊れパウチ容器2は必ずしも自立型に限られず、例えば、表裏面フィルム3の周縁を熱シールした扁平状でもよい。
スパウト付き縊れパウチ容器を示す正面図。便宜上、熱シールされた部分を薄墨塗りで示す(各図も同様)。 同右側面図。 (a)は、図1のA−A線端面図、(b)は、同B−B線端面図。 縊れパウチ容器の製造工程を示す一部省略参考斜視図。 図4の熱シール済み原反を矢印c方向から見た一部省略参考平面図。 内容物を充填した状態のスパウト付き縊れパウチ容器を示す斜視図。 変形例に係る縊れパウチ容器を示す正面図。 変形例に係る縊れパウチ容器を示す正面図。 (a)は、変形例に係る縊れパウチ容器を示す正面図、(b)は、同パウチ容器に内容物を充填した状態を示す斜視図。
符号の説明
1…スパウト付き縊れパウチ容器、2…縊れパウチ容器、3…表面フィルム,裏面フィルム、3a…フィルムの凹状縁、31…側端シール部、32…縊れシール部、32a…縊れシール部の外縁、33…フィルム延出部分、4…底面フィルム、5…スパウト、7…切込部、100,101…フィルム原反、104…熱シール済み原反、106…切断線

Claims (2)

  1. 可撓性フィルムを熱シールしてなるパウチ容器の側端シール部の一部分に、内側に凹んだ縊れシール部が形成されている縊れパウチ容器であって、
    前記縊れシール部の外縁側に、前記フィルムの一部が延出されていると共に、このフィルム延出部分が非シールとされていることを特徴とするパウチ容器。
  2. 側端シール部の一部分に、内側に凹んだ縊れシール部が形成されている縊れパウチ容器の製造方法であって、
    内面にシーラント層を備える可撓性のフィルム原反を重ね合わせ、前記フィルム原反を熱シールすることにより、側端シール部の一部分に内側へ凹んだ縊れシール部を形成し、前記縊れシール部の外縁で囲われる部分に於けるフィルムの一部を残してフィルム原反を切断することを特徴とする縊れパウチ容器の製造方法。
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