JP2005324645A - プロテクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 プロテクタに他のワイヤハーネスのクリップを取り付けるものにおいて、該プロテクタの電線挿通空間を減少させないようにする。
【解決手段】 自動車に配索されるワイヤハーネスを内部に貫通させていると共に、他のワイヤハーネスに取り付けたクリップを係止して他のワイヤハーネスの固定材として機能させているプロテクタであって、前記プロテクタは樋形状の本体と、該本体に前記ワイヤハーネスの電線群を挿通させた後に上面開口を閉鎖する蓋とを備え、該蓋に前記クリップの係止穴を穿設していると共に、該蓋の内面に前記係止穴を囲むように干渉防止リブを突設し、前記本体内部に挿通させる電線群が前記係止穴より差し込まれる前記クリップの係止部に干渉させない構成としている。
【選択図】 図4

Description

本発明は自動車に配索されるワイヤハーネスに外装するプロテクタに関するものである。
自動車に配索するワイヤハーネスには、経路規制や重要電線の保護機能強化のために、所要の配索領域では、樹脂成形品からなるボックス形状のプロテクタに貫通させている。
該プロテクタには車体係止クリップを一体的に成形し、あるいは別体の車体係止用クリップを組みつけて、車体パネル等の固定部材に係止固定している。
一方、前記プロテクタの配置位置を通過する別のワイヤハーネスを固定するため、車体パネルに固定されるプロテクタに対して係止用クリップを係止する場合がある。よって、この場合にはプロテクタに別のワイヤハーネスに取り付けられたクリップ係止部が予め設けられている
この種のプロテクタは、図5(A)(B)に示すように、樋形状のプロテクタ本体1にヒンジ結合された蓋2に係止穴2aを穿設しておく一方、プロテクタ本体1側の底壁1aより側壁1bに沿ってクリップ収容空間S1を形成する仕切壁1cが設けられている。
よって、前記プロテクタ3の配置位置を通過する別のワイヤハーネスW/H1に取り付けられた車体係止用クリップ5は、その係止部5aを係止穴2aより挿入係止することで、プロテクタ3により配索位置に保持することができる。
前記のように、プロテクタ本体1内に仕切壁1cを設けているのは、プロテクタ本体1内に貫通させるワイヤハーネスW/H2の電線群により係止穴2aより挿入されたクリップ5の係止部5aが干渉されて係止穴2aから外れないようにするためである。
しかしながら、プロテクタ本体1の内部に仕切壁1cを設けると、図6に示すように、この仕切壁1cを設けた部分において、プロテクタ本体1内に貫通させるワイヤハーネスW/H2の電線群の挿通空間S2の容積が減少する。よって、プロテクタ本体1の他の部分の電線挿通空間が大きくとも、該プロテクタの電線挿通容積は仕切壁1cが設けられた前記挿通空間S2で規定されてしまう問題がある。
また、プロテクタに別のワイヤハーネスを固定できるようにしたものとして、特開平7−75233号(特許公報1)で、図7に示すプロテクタ6が提供されている。
該プロテクタ6は蓋2’の上面に凸部2c’を突設し、該凸部2c’にクリップが嵌合される嵌合穴2d’が設けられている。
しかしながら、前記プロテクタ6では蓋2’から凸部2c’を突設し、該凸部2c’にクリップを係止しているため、クリップの係止部の高さ分だけプロテクタ6の占有スペースが増加する。近時の自動車では搭載部品が急増している等の理由によりワイヤハーネスの配索スペースも制限される場合が多くプロテクタの大型化となる前記凸部2’を設けることは好ましくない。かつ、凸部2c’にクリップを係止した場合、クリップの係止安定性が低下する問題もある。
特開平7−75233号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、プロテクタを大型化することなく、かつ、プロテクタ内の電線挿通容積を減少することなく、他のワイヤハーネスに取り付けられたクリップを確実に係止固定できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、自動車に配索されるワイヤハーネスを内部に挿通させていると共に、他のワイヤハーネスに取り付けたクリップを係止して他のワイヤハーネスの固定材として機能させているプロテクタであって、
前記プロテクタは樋形状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体に前記ワイヤハーネスの電線群を挿通させた後に上面開口を閉鎖する蓋とを備え、該蓋に前記クリップの係止穴を穿設していると共に、該蓋の内面に前記係止穴を囲むように干渉防止リブを突設し、前記プロテクタ本体内部に挿通させる電線群が前記係止穴より差し込まれる前記クリップの係止部に干渉させない構成としていることを特徴とするプロテクタを提供している。
前記したように、プロテクタの蓋に穿設するクリップの係止穴を囲むように干渉防止リブを設けると、該干渉防止リブの高さはクリップの係止部の高さに対応した高さにしておくだけで良いため、干渉防止リブの下方のプロテクタ本体の空間は電線挿通領域とすることができる。よって、前記図5に示すようにプロテクタ本体の底壁から仕切壁を形成する場合と比較して、電線挿通空間を大幅に増大できる。また、プロテクタ本体内を挿通させる電線群は干渉防止リブがあるため、該干渉防止リブの下方を挿通し、係止穴から差し込まれるクリップの係止部とは干渉せず、クリップの外れを防止できる。
前記蓋に穿設する係止穴は、該蓋の幅方向の一端近傍に設け、前記干渉防止リブは前記係止穴を囲む半円環枠とし、前記蓋をプロテクタ本体に閉鎖した状態で半円環枠の干渉防止リブがプロテクタ本体の側壁に当接して密閉空間を形成し、かつ、前記干渉防止リブの高さは前記クリップの係止部の高さ以上としている。
前記のように、干渉防止リブの高さは前記クリップの係止部の高さ以上、好ましくは略同等の高さとしている。即ち、干渉防止リブの突出量を小さくすればする程、電線挿通空間を増大できるため、該干渉防止リブの高さを係止穴からプロテクタ本体内に突出するクリップの係止部の高さと略同等の最小限の高さとすることが好ましい。
また、該干渉防止リブは半円環枠として、蓋の閉鎖状態でプロテクタ本体の側壁に当接して閉断面を形成する構成とし、プロテクタ本体の側壁に沿った隅部に設けていることも、プロテクタ本体内を挿通させる電線の邪魔にならない。
前記プロテクタの蓋は、プロテクタ本体の一方の側壁に薄肉ヒンジ部を介して開閉自在に一体成形した蓋でも良いし、プロテクタ本体と別体の蓋であってもよい。
また、前記プロテクタに係止する別のワイヤハーネスに取り付けられるクリップはワイヤハーネスにバンド部を巻き付けるバンドクリップでも良いし、ワイヤハーネスにテープ巻き固定する基板型クリップでもよい。いずれの場合もワイヤハーネスへの固定部から軸部が立設し、該軸部の先端から羽根状の係止部が突設されている。よって、この羽根状の係止部の高さに対応した高さの干渉防止リブを蓋の内面から突設すればよい。
なお、クリップの形状は前記形状に限定されず、他の形状であっても良く、蓋の係止穴から差し込まれる係止部の突出量より蓋内面に設ける干渉防止リブの高さを同等以上としておけばよい。
上述したように、他のワイヤハーネスに取り付けられたクリップの係止穴を穿設したプロテクタの蓋の内面に、前記係止穴を囲む干渉防止リブを設けることにより、プロテクタ本体内を電線挿通空間の減少量を最小限とすることができる。よって、プロテクタの大型化を抑制でき、かつ、他のワイヤハーネスも前記プロテクタにクリップを介して安定した状態で係止固定できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に示すプロテクタ10はプロテクタ本体11と蓋12とを一体成形した樹脂成型品からなり、プロテクタ本体11の一側壁11aの上端から薄肉ヒンジ部11bを介して蓋12を開閉自在に連結している。蓋12はプロテクタ本体11内に電線群を挿通した後に、プロテクタ本体11の上面開口に被せ、該蓋12の先端とプロテクタ本体11の他側壁11cとの間に形成したロック部(図示せず)でロック結合させる構成としている。
蓋12の先端側近傍にクリップ差し込み用の係止穴12aを穿設している。該蓋12の内面には、蓋12の先端から係止穴12aを囲むように半円環枠からなる干渉防止リブ12bを突設している。
該干渉防止リブ12bの高さH1は、図2に示す別のワイヤハーネスW/H1に取り付けたバンドタイプのクリップ20の係止部23の高さH2と同等以上としており、本実施形態では略同等としている。
前記別のワイヤハーネスW/H1に取り付けるクリップ20は、ワイヤハーネスW/H1に巻き付けるバンド21と、該バンド21の基端に連続すると共に該バンド21の先端側が挿入係止される挿入係止穴22aを設けたボックス形状の本体部22と、該本体部22の上面から突設された羽根状の係止部23とからなる。該係止部23は本体部22から突設される軸部23aの先端から折り返し状に一対の係止羽根23bを設けられた形状である。
前記プロテクタ10内には図3(A)に示すように、ワイヤハーネスW/H2の電線群Wが挿通される。その際、プロテクタ本体11に挿通される電線群は、蓋12でプロテクタ本体11の上面開口が閉鎖された状態でも、蓋12の内面から突出する干渉防止リブ12bの突出量は小さいため、プロテクタ本体11の内部に挿通できる電線本数を多くできる。厳密には、図4に示す蓋閉鎖状態で、干渉防止リブ12bにより囲まれるクリップ収容空間S1を除くプロテクタ本体内の斜線で示す電線挿通空間S2の容積を計算し、該容積に見合う電線量を挿通させることができる。
前記のように、プロテクタ本体11にワイヤハーネスW/H2の電線群が挿通された後に、図3(B)に示すように、蓋12を閉鎖して、プロテクタ本体11にロック結合している。
該蓋12を閉鎖してプロテクタ本体11にロック結合した状態で、蓋12の内面から突設した干渉防止リブ12bで、該干渉防止リブ12bに当たる位置に挿通されている電線群Wは押し下げられることとなり、クリップ収容空間S1が確保される。
前記プロテクタ10が外装されたワイヤハーネスW/H2は、自動車組み立てラインで所要位置に固定され、該プロテクタ10に対して別のワイヤハーネスW/H1に取り付けられているクリップ20が係止固定される。
なお、プロテクタ10にワイヤハーネスW/H1を予めクリップで係止固定しておき、この状態で自動車組み立てラインにおいてプロテクタ10を車体に固定してもよい。
前記別のワイヤハーネスW/H1に予め固定しているクリップ20は、その係止部23をプロテクタ10の蓋12の係止穴12aに上方より下向きに差し込み、係止羽根部23bを係止穴12aの周縁に係止する。これによりワイヤハーネスW/H1はプロテクタ10で位置決め固定される。係止穴12aより差し込まれてプロテクタ本体11内に突出するクリップ20の係止部23は、干渉防止リブ12bにより電線群が挿入しない収容空間S1内に収容される。
前記した構成とすることにより、クリップ20の係止部23にワイヤハーネスW/H2の電線群Wが干渉することを確実に防止できる。かつ、プロテクタ10内に挿通するワイヤハーネスW/技2の電線量もクリップ取付部の存在によりさほど減少しない。かつ、プロテクタの外面からクリップ係止部を突設していないため、プロテクタの大型化が抑制できると共にプロテクタの占有スペースを増大させない。
本発明のプロテクタの実施形態の斜視図である。 前記プロテクタに取り付ける別のワイヤハーネスと、該ワイヤハーネスに取り付けるクリップを示す図面である。 (A)(B)はプロテクタへの電線の挿通工程を示す図面である。 プロテクタの電線挿通空間を示す断面図である。 (A)(B)は従来例のプロテクタを示す図面である。 前記従来例の問題点を示す断面図である。 他の従来例を示す図面である。
符号の説明
10 プロテクタ
11 プロテクタ本体
12 蓋
12a 係止穴
12b 干渉防止リブ
20 クリップ
23 係止部
W/H1 他のワイヤハーネス
W/H2 プロテクタを挿通するワイヤハーネス
S1 クリップ収容空間
S2 電線挿通空間

Claims (2)

  1. 自動車に配索されるワイヤハーネスを内部に挿通させていると共に、他のワイヤハーネスに取り付けたクリップを係止して他のワイヤハーネスの固定材として機能させているプロテクタであって、
    前記プロテクタは樋形状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体に前記ワイヤハーネスの電線群を挿通させた後に上面開口を閉鎖する蓋とを備え、該蓋に前記クリップの係止穴を穿設していると共に、該蓋の内面に前記係止穴を囲むように干渉防止リブを突設し、前記プロテクタ本体内部に挿通させる電線群が前記係止穴より差し込まれる前記クリップの係止部に干渉させない構成としていることを特徴とするプロテクタ。
  2. 前記蓋に穿設する係止穴は、該蓋の幅方向の一端近傍に設け、前記干渉防止リブは係止穴を囲む半円環枠とし、前記蓋をプロテクタ本体に閉鎖した状態で干渉防止リブがプロテクタ本体の側壁に当接して閉断面を形成し、かつ、該干渉防止リブの高さは前記クリップの係止部の高さ以上としている請求項1に記載のプロテクタ。
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