JP2005319384A - 水素分離材及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】 水素分離性能、即ち、水素選択透過性及び水素透過速度の高い水素分離材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の水素分離材の製造方法は、少なくともその一部に、孔径が水素を選択的に透過し得るサイズである水素分離層(典型的には表面層)を有する多孔体を用意する工程と、(好ましくは水素分離層を表面活性化処理、例えばプラズマ処理後)その水素分離層に、長周期型の周期表第5族、8族、9族及び10族元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素(好ましくはPd)を中心金属の少なくとも一つとする錯体(好ましくはアセタト錯体及び/又はアセチルアセトナト錯体)を担持(好ましくは浸漬により)させる工程と、を含むことを特徴とする。好ましくは、錯体担持工程中及びその後に、焼成処理を含まない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素分離材、及び水素分離材の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、水素透過速度が高い水素分離膜を備えた水素分離材(多孔質材)、及びその製造方法に関する。
多孔質セラミックス膜は、耐熱性、耐薬品性等の点において優れているため、高温におけるガス分離や各種有機溶剤混合物の分離などへの応用が図られている。膜を利用するガス分離装置は、相変化を伴わず、装置や操作の簡略化が期待でき、また連続運転が可能である等の利点を有し、省エネルギー型装置として期待されている。
このような多孔質セラミックス膜の構成要素として、高珪酸成分ガラス(例えば、バイコールガラス)が挙げられる。該ガラス製の膜は、耐熱性及び耐食性には優れている。しかし、孔径が約40オングストローム以上と大きいため、水素などの分離に用いる場合にはその分離係数が低いという欠点がある。そこで、このような高珪酸成分ガラスを支持体として、その表面に孔径のより小さな薄膜状の水素分離層を形成させることが検討されている。このような水素を選択的に透過し得る薄膜分離層の製膜法としては、ゾル・ゲル法、CVD法、水熱合成法、電極酸化法などが提案されている。これらの各方法の中でゾル・ゲル法(非特許文献1参照)又はシランや塩化物を用いたCVD法により製膜されたシリカ薄膜が高い分離性能が得られると報告されている。また、特許文献1及び3には、このような分離膜の耐久性を向上するためにシランカップリング剤によりその表面を処理する方法が開示されている。それでもなお、水素ガス分離装置として用いるにはより高い水素分離性能が求められている。
このため、特許文献2では、水素分離性能を高めるために、シリカゾル中に周期律表第8族金属を導入してシリカ膜を形成、又はシリカ膜を周期律表第8族金属含有溶液中に浸漬して膜に該金属を導入した水素分離材が開示されている。この周期律表第8族金属をシリカ膜に含有することによって、該金属が水素親和性に優れるために、シリカ膜に対する水素の親和性が増大し、該金属を介して細孔内壁面にて水素の拡散が活性化し、水素の選択透過性を向上することができるとされている。
特開2001−29760号公報 特開2001−120969号公報 特開2002−248326号公報 浅枝正司著「触媒」触媒学会発行(1994年)、第36巻、第4号、第238〜245頁
しかしながら、シリカ骨格内に金属粒子を導入しようとするとシリカゲル中に金属粒子を微細で均一に分散させることが困難であるため、金属粒子が凝集し、大きくなる傾向にある。このため、シリカ膜の細孔径に対する金属粒子径の比率が大きくなり、結果、細孔を一部閉塞して水素透過速度が低くなる虞がある。或いは、シリカ膜を金属溶液に浸漬することで、シリカ膜表面及び細孔内に金属粒子を導入しようとすると、金属粒子よりも大きい細孔径を有するシリカ膜、例えば、平均細孔径が1nm以上のシリカ膜を用いる必要があるため、シリカ膜自体の水素分離性能は低くなる。
そこで本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、水素分離性能、即ち、水素選択透過性及び水素透過速度の高い水素分離材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明により提供される水素分離材の製造方法は、多孔体を用意する工程と、錯体を担持する工程とを含む。ここで、多孔体用意工程では、少なくともその一部に、孔径が水素を選択的に透過し得るサイズである水素分離層(即ち、水素分離膜)を有する多孔体を用意する。また、錯体担持工程は、その多孔体の水素分離層(典型的には表面層)に、長周期型の周期表第5族、8族、9族及び10族のいずれかに属する元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を中心金属の少なくとも一つとする錯体を担持させることを特徴とする。
かかる構成の方法では、多孔体に、錯体を担持させる。錯体は、多孔体の表面に大きく凝集することなく微細で均一に高分散させることが可能であり、その担持体の粒径が比較的小さい。このため、孔径が水素を選択的に透過し得るサイズである水素分離層を有する多孔体を用いて、金属錯体粒子を多孔体の水素分離層の外面及びその細孔内に担持させても、水素分離層(典型的には表面層)の細孔径が保持され、水素透過性に影響をほぼ与えない。このため、水素の透過速度低下が防止される。また、錯体は、長周期型の周期表第5族、8族、9族及び10族元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を中心金属の少なくとも一つとする。このような金属は、水素に対する親和性が高い。従って、本発明の方法によると、水素分離層(典型的には表面層)の細孔内における水素濃度を高め、水素透過速度が向上した水素分離材を提供することができる。
好ましくは、前記錯体の中心金属は、前記のうち、Rh、Ru、Pd、Pt、Ir、V、Ni、Co、及びFeからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。特にこのうち、前記錯体が、Pdを中心金属として含むものであることが好ましい。これら金属(特にPd)は、特に水素に対する親和性に優れ、水素透過速度を向上する効果に優れている。また、Coのような卑金属は、水素透過速度向上効果に優れているとともに、経済的である点で好ましい。
ここで用いられる前記錯体は、アセタト錯体及び/又はアセチルアセトナト錯体であることが好ましい。これら錯体は、いずれも適度な反応性を発揮し、中心金属を前記多孔体の水素分離層(典型的には表面層)に容易に、微細かつ均一に担持させることができる。
かかる方法の好ましい態様において、前記多孔体の表面層は、前記錯体担持工程前に、少なくとも前記水素分離層に対して表面活性化処理を施す。本明細書において、「表面活性化処理」とは、少なくとも水素分離層における多孔体の表面を化学的又は物理的に変化させ、その表面における錯体との反応性を活性化させ得る処理をいう。従って、かかる構成により、錯体が担持されるサイトを活性化、又は増加させ、錯体担持処理時間及び錯体担持量を制御することができる。このような表面活性化処理としては、例えば、熱処理、レーザー処理、プラズマ処理、酸処理、及び界面活性剤処理のうちのいずれかを含むことが好ましい。特にこのうち、プラズマ処理が多孔体の水素分離層にヒドロキシサイトを形成し、中心金属との配位結合を容易とするために好適である。
また、前記錯体担持工程では、前記錯体を含有する溶液に前記多孔体を浸漬することが好ましい。単なる浸漬によって、容易に錯体を多孔体の水素分離層(典型的には表面層)に担持させることができる。また、錯体は、浸漬によっても、凝集が抑制されており、水素分離層の外面及び細孔内に高分散かつ均一に担持させることができる。
ここで開示される方法の好ましい形態は、前記多孔体の水素分離層がシリカで構成され、前記溶液の溶媒が有機溶剤である。シリカは、耐水性が低く、水への浸漬によって、その構造が変化して水素の分離性能が低下する虞がある。かかる構成では、シリカ製水素分離層(例えば多孔体全体がシリカであり得る)を多孔体として用いても、錯体を含有する溶液の溶媒が有機溶剤であるため、浸漬によるシリカ骨格の構造変化が防止される。このため、水素透過性に影響を与えることなく、錯体をシリカ構成部分に担持させることができる。
ここで開示される方法の他の好ましい形態は、前記多孔体の表面層がシラザンであって、前記溶液の溶媒が水である。シラザンは、シリカと異なり耐水性が高い。このため、取り扱いの容易な水を用いて、容易に金属を水素分離層に担持させることができる。
ここで開示される方法では、前記錯体の担持は、焼成によってもよく、焼成によらない(例えば、加熱)手段で行ってもよい。即ち、ここで開示される方法の一態様は、前記錯体担持工程中及びその後には、焼成処理を含まない方法である。この態様の方法では、錯体を多孔体水素分離層の細孔内壁及び外面と反応して結合させ、焼成処理を行わない。従って、製造コストが低減される。さらに、焼成処理による金属錯体粒子の凝集を防止し、高い水素透過速度を保持し得る。また、多孔体として、焼失され得る有機多孔体の使用が可能である。
また、本発明は他の側面として、前記いずれかの方法によって得られた水素分離材を提供する。かかる水素分離材は、高い水素透過速度を有し、従って、効率的に水素を分離することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、多孔体及び錯体の構成、その担持方法、並びに前処理方法の構成等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の水素分離材の製造方法は、水素を選択的に透過し得るサイズの孔径の水素分離層を有する多孔体(典型的には表面層として水素分離層を有する多孔体)に所定の金属を中心金属とする錯体を担持すればよく、種々の構成をその目的のために適用することができる。従って、前記錯体を担持する以外の構成にあっては、従来公知の水素分離材の製造方法にしたがって実施することができる。
本発明において用いられる多孔体は、従来公知のいずれの組成から構成されるものであってもよく、特に限定されない。例えば、各種セラミック多孔体が挙げられる。多孔体を構成するセラミックとしては、シリカ、シラザン、ジルコニア、αーアルミナ、ゼオライト、窒化珪素、或いはこれらの複合物又は混合物から形成された多孔体が挙げられる。また、有機質の多孔体、例えば、ポリアミド、ポリイミドを用いることもできる。特に、採用する多孔体としては、その全体が水素を選択的に透過し得るサイズである細孔径を有する多孔質構造からなっていてもよいが、多孔体全体の機械的強度及び耐久性向上のために、機械的強度及び耐久性(例えば、耐蝕性、耐熱性、耐酸性、耐湿性)の高い細孔径の比較的大きい支持層と、水素を選択的に透過し得るサイズの細孔径を有する水素分離層とを有する積層構造体であることが好ましい。水素分離層は、表面層であることが特に好ましい。また、支持層と水素分離層との細孔径のギャップを低減するために、一層又は二層以上の中間層を有していてもよい。尚、これら支持層、水素分離層(典型的には表面層)、及び所望により中間層の組成は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
支持層としては、水素分離材の使用目的、用途に応じて種々の気孔率又は平均細孔径をとり得るが、好ましくは気孔率が約20〜60%、より好ましくは約30〜40%程度であって、平均細孔径(水銀圧入法に基づく)が好ましくは約4〜1000nm、より好ましくは約4〜100nmである。また、支持層の厚さは、特に制限されないが、好ましくは10nm〜10000μm、より好ましくは10nm〜2000μm程度が機械的強度を保持するために望ましい。支持層は、セラミック体であることが好ましく、特に、αーアルミナ、シリカ、ジルコニアなどが機械的強度及び耐熱性などが良好であるために好適である。
また、水素を選択的に透過し得るサイズの孔径を有する水素分離層における気孔率は、特に限定はされないが、好ましくは気孔率が約10〜50%、より好ましくは約15〜30%程度である。特に、孔径分布が狭く、多くの細孔が水素を選択的に透過し得るサイズであることが必要であり、平均細孔径(水銀圧入法に基づく)は、水素分子の分子径(約0.289nm)が選択的に透過するサイズに適するように、好ましくは約0.3〜10nm、より好ましくは約0.3〜5nm、さらに好ましくは0.3〜1nm、特に好ましくは0.3〜0.5nm程度である。
採用する多孔体の水素分離層は、前記いずれのセラミック又は有機質のものから構成されていてもよいが、シリカ、シラザンなどの珪素化合物、ポリイミドなどの有機化合物が好適であり、特にこのうちシリカを用いることが適当なサイズの細孔径を得ることができるために好ましい。また、水素分離層(膜)の厚さは、特に制限されないが、好ましくは10〜1000nm、より好ましくは10〜200nm程度が効率のよい良好な水素透過性を得ることができるために望ましい。
中間層は、これら支持層と水素分離層(好ましくは表面層)との細孔径のギャップを縮小するために、これら層の細孔径の間の平均細孔径を有するものを用いることができる。従って、中間層の平均細孔径の範囲は、用いる支持層及び表面層の平均細孔径によって異なるが、例えば、1〜100nm程度の平均細孔径(水銀圧入法に基づく)を有することができる。中間層としては、特に限定されず、前記セラミック又は有機質のものを適宜選択して用いることができるが、好ましくは、機械的強度及び耐久性(耐熱性など)が良好なαーアルミナ、γーアルミナ、シリカ、及び/又はジルコニアが挙げられる。このうち特にγーアルミナが好適である。また、その厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.1〜1000μm、より好ましくは1〜500μm、特に好ましくは1〜100μm程度が機械的強度向上のために望ましい。
このような中間層及び水素分離層は、従来公知の種々の方法により、多孔体(支持層を構成する基材)上に形成することができ、その方法はいずれも限定されない。例えば、中間層(例えばアルミナ中間層)の形成方法としては、中間層を形成するゾル(例えば、ベーマイトゾル)を支持層にディップコーティングして支持層表面にゲル膜を形成し、これを乾燥、焼成するゾル・ゲル法、または、中間層を形成する粒子(例えば、アルミナ粒子)を分散させた溶液中に支持層をディップコーティングして支持層表面に担持させ、これを乾燥、焼成する方法が挙げられる。
また、多孔体の支持層(所望により中間層を形成した場合には該中間層)上に水素分離層を形成する方法としては、例えば、水素分離層(例えばシリカ層)を形成するゾル(例えば、低級アルコキシシラン)を支持層(所望により中間層を形成した場合には該中間層)にディップコーティングして支持層(又は中間層)表面にゲル膜を形成し、これを焼成するゾル・ゲル法が挙げられる。また、ポリシラザンから水素分離膜を構成するシリカ膜を形成する方法が挙げられる。即ち、ポリシラザンは、例えば、ジハロシラン(RSiHX)或いは該ジハロシランと他のジハロシラン(RSiX)との混合物をアンモニアと反応させることによって、シラザンオリゴマーを得ることができる。尚、ここで、R、R、及びRは、互いに異なる炭化水素基又は水素であり、Xは、互いに同じであっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群から選ばれる。次いで、塩基性触媒の存在下で、得られたシラザンオリゴマーを処理し、珪素原子に隣接する窒素原子の脱水素を行い、シラザンオリゴマーが相互に脱水素架橋して成るポリシラザンを形成する。このようにして得られたポリシラザン又は市販のポリシラザンを含有する溶液を支持層(所望により中間層を形成した場合には該中間層)に所望の厚さ(例えば、1〜3μm)で塗布し、乾燥及び空気(酸化性)雰囲気下において焼成することによって、シリカ膜を形成することができる。或いは、ポリシラザンから水素分離膜を構成するシラザン膜を形成する方法が挙げられる。即ち、前記のようにして得られたポリシラザン又は市販のポリシラザンを含有する溶液を支持層(所望により中間層を形成した場合には該中間層)に所望の厚さ(例えば、1〜3μm)で塗布し、乾燥及び不活性(非酸化性)雰囲気下において焼成することによって、シラザン膜を形成することができる。
これら支持層、水素分離層、及び所望により中間層から構成される多孔体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、中空糸膜、フィルム状又はシート状であることができる。このうち特に、水素分離効率の高い中空糸膜形状であることが好ましい。
また、多孔体の水素分離層は、所望により、錯体担持工程前に表面活性化処理を施されていてもよい。このような処理としては、特に限定されず、従来公知のいずれの表面活性処理でも行い得る。例えば、熱処理、レーザー処理、プラズマ処理、酸処理、界面活性剤処理などが挙げられる。このうち特に、プラズマ処理が好ましい。多孔体の水素分離層は、表面活性化処理を施すことにより、錯体の担持処理時間や担持量を調整することができる。
本発明の方法において用いることのできる錯体は、長周期型の周期表第5族、第8族、第9族、及び第10族の金属元素のうちの少なくとも一種の金属元素を中心金属の少なくとも一つとする。このような、中心金属としては、例えば、V、Nb、Ta、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、及びPtが挙げられる。このうち、V、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、及びPtが好ましく、Ru、Rh、Ni、Pd、及びPtがより好ましく、さらにPd及びPtが好ましく、特にPdが好ましい。
また、前記列挙した金属の他に、又は前記金属のうちで、触媒作用を有する金属を中心金属とする錯体を用いることによって、該錯体を水素生成反応などの反応性基として作用させることができる。或いは、何らかの耐久性向上作用を有する金属を中心金属とする錯体を用いると、水素分離材の耐久性を向上することができる。例えば、Ti、Zr、及び/又はTaを中心金属とする錯体を用いて、腐食性ガス及び水蒸気雰囲気中における安定性を向上することができる。
さらに、錯体の配位子としては、従来公知のいずれのものを用いることができ、特に限定されない。例えば、acac(アセチルアセトナト)、CHCO(酢酸イオン)、bpy(ビピリジン)、phen(フェナントロリン)、エチレン、エチレンジアミン、HO(アクア)、NH(アンミン)、Cl(クロロ)、CO(カルボニル)、NO(ニトロシル)、PR(3級ホスフィン)などが挙げられる。また、単座配位子であっても、多座配位子であっても、架橋配位子であってもよい。このうち、特に水素分離層に微細かつ均一に金属を担持させやすいため、配位子が酢酸イオンであるアセタト錯体、及び/又は配位子がアセチルアセトナトであるアセチルアセトナト錯体が好ましい。
具体的に好適に使用可能な錯体を以下列挙する。例えば、中心金属がCoである錯体としては、コバルト2,4−ペンタジオネート、コバルトアセテートが挙げられる。中心金属がNiである錯体としては、ニッケル2,4−ペンタジオネート、ニッケルヘキサフルオロペンタジオネート、1,3−bis(ジフェニルフォスフィノ)プロパンニッケルクロライドが挙げられる。中心金属がPdである錯体としては、パラジウムヘキサフルオロペンタジオネート、パラジウム2,4−ペンタジオネート、パラジウムアセテートが挙げられる。中心金属がPtである錯体としは、プラチナム2,4−ペンタジオネート、ジメチルプラチナムシクロオクタジエン、プラチナムカーボニルシクロビニルメチルシロキサンコンプレックスが挙げられる。中心金属がRhである錯体としては、ロジウム2,4−ペンタジオネート、トリス(ジブチルサルファイド)ロジウムクロライド、トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロライドが挙げられる。中心金属がRuである錯体としては、ルテニウム2,4一ペンタジオネート、バトフェナトロリンルテニウム、トリス(トリフェニルフォスフィン)ルテニウムジクロライドが挙げられる。中心金属がVである錯体としては、バナジウム2,4−ペンタジオネートが挙げられる。しかし、これらに限定されず、従来公知の種々の錯体を使用可能である。このうち特に、コバルト2,4−ペンタジオネート、コバルトアセテート、ニッケル2,4−ペンタジオネート、パラジウム2,4−ペンタジオネート、パラジウムアセテート、プラチナム2,4−ペンタジオネート、ロジウム2,4−ペンタジオネート、ルテニウム2,4一ペンタジオネート、バナジウム2,4−ペンタジオネート、1,3−bis(ジフェニルフォスフィノ)プロパンニッケルクロライド、トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロライドが好ましい。さらに、コバルト2,4−ペンタジオネート、コバルトアセテート、ニッケル2,4−ペンタジオネート、パラジウム2,4−ペンタジオネート、パラジウムアセテート、プラチナム2,4−ペンタジオネート、ロジウム2,4−ペンタジオネート、ルテニウム2,4一ペンタジオネート、バナジウム2,4−ペンタジオネートがより好ましい。
用いる錯体の質量平均分子量としては、特に限定されないが、好ましくは、100〜700程度のものを用いることができ、特に150〜600程度である。
適用可能な錯体としては、従来公知の製造方法によって合成したもの特に制限なく用いることができるが、例えば、アヅマックス株式会社、及びエヌ・イーケムキャット株式会社から容易に入手可能であり、ここから入手した錯体を好適に用いることができる。
多孔体の水素分離層に対する錯体の担持量は、特に限定されず、用いる金属、水素分離層の平均細孔径、及び/又は水素供給圧などによって適宜選択することができる。好ましくは、水素分離層の単位体積あたり中心金属が1〜60モル/cm、より好ましくは10〜30モル/cm程度である。
錯体を多孔体の水素分離層に担持させる手段としては、特に制限されず、従来公知のいずれの手段によってもよい。例えば、錯体を含む溶液の浸漬、スプレー塗布、又はロールコーティングが挙げられる。水素分離層が多孔体の表面層である場合、特にこのうち、表面層全体に均一に担持可能で、かつ作業性の良好な浸漬が好ましい。
担持工程における処理温度は、特に限定されず、適宜選択することができるが、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは室温〜150℃、特に好ましくは室温〜100℃程度である。このような温度範囲で処理することにより、水素分離層の外面及び細孔内壁面に錯体を均一で高分散に担持可能であるとともに、金属錯体粒子の凝集などの好ましくない挙動を抑制する。
錯体を含む溶液の溶媒としては、いずれの種類の溶媒であってもよく、例えば、水、又は有機溶剤が挙げられる。溶剤は、用いる錯体及び水素分離層の材質に応じて適宜選択することができる。特に、水素分離層がシリカで構成されている場合には、耐水性が低いために有機溶剤を適用することが好ましい。また、水素分離層がシラザン(即ち、SiN結合を主体とする化合物、例えば、ポリシラザン)で構成されている場合には、作業性の良好な水を適用することが好ましい。
本発明の方法では、錯体を使用するので担持処理工程中又はその後に多孔体を焼成しなくても、金属を担持し得る。従って、錯体の担持工程中又はその後に、多孔体を焼成しないことを特徴とする未焼成タイプの水素分離材を得ることができる。しかしながら、所望により、適当な温度、例えば300〜800℃、好ましくは400〜700℃、さらに好ましくは500〜600℃程度の温度で加熱又は焼成処理を行ってもよい。このような温度での加熱又は焼成処理によって、錯体の有機分を一部又は全部除去し、錯体の中心金属から成る金属粒子を水素分離層に安定的に担持することができる。この結果、水素選択透過性及び水素透過速度を向上することも可能である。
本発明によれば、以上のようにして高い水素分離性能を有する水素分離材(膜)を得ることができる。好ましい態様において、得られた水素分離材は、150℃において、水素透過速度は、1×10−7モル・m−2・s−1・Pa−1以上、特に5×10−7モル・m−2・s−1・Pa−1以上、さらには1×10−6モル・m−2・s−1・Pa−1以上と高い性能を得ることができる。また、150℃において、水素窒素透過係数比(PH2/PN2)は、50以上、特に100以上、さらには150以上と高い性能を得ることができる。さらには、このような高い性能を100時間以上、特に500時間以上、さらには1000時間以上保持することができる。
ここで開示された方法によると、水素親和性に優れる所定の金属を、水素を選択的に透過する所定の平均細孔径を有する水素分離層に高分散に担持した水素分離材を製造することができる。このため、高い水素選択透過性及び透過速度を実現することができる。また、得られた水素分離材は、多孔体として耐久性に優れるものを選択することにより、耐久性(例えば、耐熱性、耐湿性、耐蝕性)に優れ、高温の大気中や水蒸気雰囲気下においても劣化が防止され、高い安定性を保持することができる。従って、水素が必要とされるいずれの用途においても好適に適用することができる。例えば、燃料電池、電解コンデンサなどにおける水素の供給に用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
(1)水素分離材の製造
<1−1>多孔体(シリカ表面層)の製造
支持層として、気孔率が40%、平均細孔径(水銀圧入法に基づく)が60nmの中空糸膜のα‐アルミナを用意した。
その細孔表面及び細孔内に、中間層としてγ一アルミナ薄膜を形成させた。即ち、γ‐アルミナ薄膜の形成は、ゾル・ゲル法によりアルミニウムイソプロポキシドを加水分解後、酸で解こうすることにより調製したベーマイトゾルを用いた。これを前記にて用意したα‐アルミナ支持層にディップコーティング(引上げ速度0.5〜2.0mm/秒)することによりベーマイトゲル膜を形成させ、その後室温〜60℃で一夜乾燥させた後、約400〜800℃で約5〜10時間焼成する操作を、1回以上、好適には複数回(ここでは2 回)繰り返すことにより行った。この結果、気孔率44%、平均細孔径4nmの中間層を得ることができた。或いは、γ‐アルミナ薄膜(中間層)は、γ一アルミナ粒子(粒径20〜200nm)を水に分散させ、α‐アルミナ支持層にディップコーティング(引上げ速度0.5〜2.0mm/秒)し、これを室温〜60℃で一夜乾燥させた後、約400〜800℃で約5〜10時間焼成する操作を、1回以上、一般には複数回繰り返すことによっても、形成させることができる。
次いで、得られた中間層表面に、水素分離層(表面層)としてシリカ薄膜を作成した。即ち、シリカ源をγ‐アルミナ薄膜の表面及び細孔内においてシリカ化することにより行った。担持されたシリカは、膜の表面層を薄膜状で閉塞した。シリカ源としては、テトラエトキシシラン等の低級アルコキシシランを用い、ゾル・ゲル法によりこれをエタノール中で酸を用いて加水分解させてゾルを作成し、ディップコーティング(引上げ速度0.5〜2.0mm/秒)し、焼成することでシリカ薄膜を形成させた。ここで、加水分解してシリカを生成するものであれば、シリカ源としてテトラ低級アルコキシシラン以外のものを用いてもよい。この結果、気孔率およそ21%、平均細孔径0.3〜0.5nmのシリカ表面層(水素分離層)を得ることができた。
<1−2>表面活性化処理
前記<1>多孔体の製造において得られた多孔体に、プラズマ処理を10分間行った。
<1−3>錯体の担持
前記<1−1>のようにして得られた水素分離層を、80℃に加熱した以下の錯体溶液中に12時間浸漬し、前記水素分離層(シリカ層)にそれぞれ錯体を担持した。
(サンプルNo.1)パラジウム2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1 モル%)
(サンプルNo.2)トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロライド(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.3)1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパンニッケルクロライド(溶媒:トルエン中1モル%)
一方、前記<1−2>のようにして表面処理を行った多孔体を、以下の錯体溶液中に12時間浸漬し、前記水素分離層(シリカ層)にそれぞれ錯体を担持した。
(サンプルNo.4)パラジウム2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.5)コバルト2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.6)バナジウム2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.7)ルテニウム2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.8>パラジウムアセテート(溶媒:アセトン中1モル%)
これら得られた錯体は、80℃において3時間乾燥した。いずれも錯体担持後に加熱又は焼成処理を行わなくても水素分離層の外面及びその細孔内壁面に担持された。水素分離層の単位体積あたりに含有される中心金属は20モル/cm程度であった。また、錯体の溶媒が有機溶剤であるため、浸漬によるシリカ構造の変化が見られなかった。
<2−1>多孔体(シラザンにより形成したシリカ又はシラザン表面層)の製造
(1)シリカ源としてテトラエトキシシランの代わりにポリシラザンを用いて、シリカ膜を形成したこと以外は、前記<1−1>多孔体の製造と同様にして多孔体を製造した。即ち、市販のポリシラザンを水中に溶解したポリシラザン溶液をγーアルミナ薄膜に厚さ1〜3μmで塗布し、60℃において3時間乾燥し、ポリシラザンから成る薄層を得た。次いで、酸化雰囲気(空気)中450℃において3時間焼成し、気孔率24%、平均細孔径0.3〜0.5nmのシリカ表面層(水素分離層)を形成した。
(2)テトラエトキシシランの代わりにポリシラザンを用い、水素分離層(表面層)としてシリカ薄膜の代わりにシラザン薄膜を形成したこと以外は、前記<1−1>多孔体の製造と同様にして多孔体を製造した。即ち、市販のポリシラザンを水中に溶解したポリシラザン溶液をγーアルミナ薄膜に厚さ1〜3μmで塗布し、60℃において3時間乾燥し、ポリシラザンから成る薄層を得た。次いで、非酸化雰囲気(Nガス)中500℃において3時間焼成し、気孔率35%、平均細孔径約0.5nmのシラザン表面層(水素分離層)を形成した。
<2−2>表面活性化処理
前記<1−2>表面活性化処理と同様にして前記<2−1>にて得られた水素分離層をそれぞれプラズマ処理した。
<2−3>錯体の担持
前記<2−2>のようにして表面処理を行った(1)シリカ表面層又は(2)シラザン表面層を、以下の錯体溶液中に12時間浸漬し、水素分離層にそれぞれ錯体を担持した。
(サンプルNo.9)水素分離層:シリカ、錯体:パラジウム2,4−ペンタジオネート(溶媒:トルエン中1モル%)
(サンプルNo.10)水素分離層:シラザン、錯体:テトラアンミンジパラジウム(II)硝酸塩([Pd(NH](NO)(溶媒:水中1モル%)
これら錯体は、80℃において3時間乾燥した。錯体担持後に加熱又は焼成処理を行わなくても水素分離層の外面及びその細孔内壁面に担持された。水素分離層の単位体積あたりに含有される中心金属は20モル/cm程度であった。また、サンプルNo.9では、錯体の溶媒が有機溶剤であるため、シリカ構造に変化は見られなかった。さらに、サンプルNo.10では、錯体の溶媒が水であっても、浸漬によるシラザン構造の変化は見られなかった。
<3>比較例
前記<1−1>多孔体の製造において得られた多孔体をそのまま(錯体を担持しないで)用意し、サンプルNo.11とした。
(2)水素分離性能評価試験
前記のようにして得られた水素分離材について、それぞれ水素分離性能を評価した。
評価は、図1に示すような水素透過試験装置1によって行った。即ち、水素透過試験装置1は、主に、ガス供給部3と、分離部5と、測定部7とから構成される。ガス供給部3は、水素のガスボンベ9及び窒素のガスボンベ11が備えられ、バルブ13を有するチューブ14によって分離部5と接続されている。分離部5は、外周に電気炉15が設けられ、所定の温度に加熱可能に構成されている。また、その中心部には、前記により製造された中空糸状の水素分離材17が配置され、該水素分離材17の外周からガスを供給されるとともに、内周から水素を選択的に透過して排出可能に構成されている。水素分離材17の内周は、一端が密閉されて他端が測定部7に設けられるガスクロマトグラフ18とチューブ19により接続され、排出された水素及び窒素の透過速度を測定可能に構成されている。また、水素分離材17の内周側と外周側との圧力差を測定するために、それぞれガス供給側のチューブ14及び水素排出側のチューブ19には圧力計21,23が配置されている。また、測定終了後次の測定を開始前に分離部5内部のガスを排気するために、チューブ14,19間にはガスを吸引可能な真空ポンプ25が配置されている。
電気炉15により所定の温度に分離部5を保持しつつ、ガス供給部3から、容積比約1:1の水素:窒素を水素分離材17の外周側から導入し、該膜の外周側と内周側との圧力差が0.1MPaとなるように設定した。水素分離材17を透過したガスの流量は測定部7のガスクロマトグラフ18を用いることで測定し、それぞれのガスに対する透過速度を得た。それぞれのガスに対する透過速度から、150℃及び600℃における該水素分離材17の水素‐窒素の分離における透過係数比(PH2/PN2)及び水素透過速度を求めた。これらの結果を以下の表1に示す。
Figure 2005319384
これらの結果から、比較例のサンプルNo.11と比較して、実施例となるサンプルNO.1〜10は、いずれの水素を選択的に透過する細孔径を有する水素分離層に金属を担持しても、高い水素透過速度を同等に保持していることが判った。また、金属の担持によって、水素選択透過性が向上していることが判った。さらに、サンプルNo.11に比べてサンプルNo.1及び4は、600℃の高温においても高い水素透過係数比と水素透過速度とを保持していることが判った。そして、この優れた水素選択透過性は、実施例においては1000時間以上維持していた。一方、比較例となるサンプルNo.11では、600℃において100時間測定したところ、透過係数比及び水素透過速度ともに著しく減少し(即ち、透過係数比(PH2/PN2)は30及び水素透過速度は、0.36×10−6モル・m−2・s−1・Pa−1)、シリカ薄膜の緻密化が起こっており、高温における安定性に劣ることが判った。従って、実施例のサンプルは、高温安定性に優れていることが判った。
特に、シリカ薄膜にPdのアセチルアセトナト錯体又はアセタト錯体を担持したサンプルNo.1、4、及び8は、いずれも150以上の高い水素透過係数比と、1.0×10−6モル・m−2・s−1・Pa−1以上の高い水素透過速度を実現することができた。また、シラザン薄膜にPdのアセチルアセトナト錯体を担持したサンプルNo.10は、4.0×10−6モル・m−2・s−1・Pa−1以上の高い水素透過速度を実現することができた。
以上、本発明の好適な実施態様を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した態様を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
水素分離性能を評価する装置を説明する模式図である。
符号の説明
1…水素透過試験装置
3…ガス供給部
5…分離部
7…測定部
9…水素のガスボンベ
11…窒素のガスボンベ
15…電気炉
17…水素分離材
18…ガスクロマトグラフ
21、23…圧力計
25…真空ポンプ

Claims (10)

  1. 水素分離材の製造方法において、
    多孔体であって、少なくともその一部に、孔径が水素を選択的に透過し得るサイズである水素分離層を有する多孔体を用意する工程と、
    その多孔体の水素分離層に、長周期型の周期表第5族、8族、9族及び10族元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を中心金属の少なくとも一つとする錯体を担持させる工程と、
    を含む、水素分離材の製造方法。
  2. 前記錯体が中心金属としてPdを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記錯体担持工程において、前記錯体を含有する溶液に前記多孔体を浸漬する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記多孔体の水素分離層がシリカで構成され、前記溶液の溶媒が有機溶剤である、請求項3記載の方法。
  5. 前記多孔体の水素分離層がシラザンで構成され、前記溶液の溶媒が水である、請求項3記載の方法。
  6. 前記錯体は、アセタト錯体及び/又はアセチルアセトナト錯体である、請求項1〜5のうちのいずれかに記載の方法。
  7. 前記錯体担持工程中及びその後に、焼成処理を含まない、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の方法。
  8. 前記錯体担持工程前に、少なくとも前記水素分離層に対して表面活性化処理を施す、請求項1〜7のうちのいずれかに記載の方法。
  9. 前記表面活性化処理は、プラズマ処理を含む、請求項8記載の方法。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれかに記載の方法によって得られた水素分離材。
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JP2014036935A (ja) * 2012-08-17 2014-02-27 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 複合多孔質体及びその製造法

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