JP2005315403A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 保護ブーツの組付作業を行うときに、ブーツの位置ずれによる不適当な組付を防止し、作業効率を高めるようにする。
【解決手段】 取付部材1のピン摺動穴4には、キャリパ2に取付けた摺動ピン5を挿嵌し、摺動ピン5とブーツ取付穴8との間には、取付筒部7Bと環状鍔部7Cとを有する保護ブーツ7を取付ける。また、ブーツ取付穴8を、筒部嵌合部9、鍔部嵌合部10及び段付ガイド部11によって構成し、段付ガイド部11の等径溝部11Bの穴径D4を、筒部嵌合部9の穴径D1よりも大きく、かつ環状鍔部7Cの外径Aとほぼ等しく形成する。これにより、保護ブーツ7の組付作業時には、保護ブーツ7と筒部嵌合部9との軸線O1−O1,O2−O2が位置ずれしている場合でも、段付ガイド部11によって両者を位置合わせすることができ、ブーツの不適当な組付を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両等に制動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
一般に、ディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられる取付部材と、該取付部材に摺動ピンを介して摺動可能に支持されたキャリパと、該キャリパによってディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドとにより大略構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−153160号公報
この種の従来技術によるディスクブレーキは、例えば取付部材にピン摺動穴が設けられ、このピン摺動穴内には、キャリパに取付けられた摺動ピンが摺動可能に挿嵌されている。そして、ブレーキの作動時には、キャリパが摺動ピンと一緒に軸方向に摺動することにより、摩擦パッドをディスクに押圧するものである。
また、取付部材には、ピン摺動穴の開口側を拡径することによりブーツ取付穴が設けられ、このブーツ取付穴は、奥所側が拡径部位となった段付穴として形成されている。そして、ブーツ取付穴と摺動ピンとの間には、例えばゴム等の弾性材料により筒状に形成された保護ブーツが設けられ、この保護ブーツは、ピン摺動穴と摺動ピンとの摺動面を保護する構成となっている。
この場合、保護ブーツは、摺動ピンの外周側に軸方向に伸縮可能に挿通される伸縮部と、該伸縮部の軸方向一側に形成された取付筒部と、該取付筒部の軸方向一側から径方向外向きに突出して形成され、ブーツ取付穴の穴径よりも大きな外径を有する環状鍔部とにより構成されている。そして、環状鍔部は、ブーツ取付穴の拡径部位に抜止め状態で嵌合されている。
このように構成されるディスクブレーキの組立時には、例えば自動組付機等を用いて保護ブーツの組付作業を行う。この場合、自動組付機は、まず保護ブーツとブーツ取付穴とを同軸に配置した後に、例えば所定の荷重、ストローク等をもって保護ブーツをブーツ取付穴の開口側に押付ける。
これにより、保護ブーツの環状鍔部は、縮径方向に弾性変形しつつ、ブーツ取付穴内に押込まれ、その奥所側の拡径部位に進入したときに元の形状に戻る。この結果、環状鍔部は、ブーツ取付穴内に抜止め状態で嵌合されるので、保護ブーツをブーツ取付穴に組付けることができる。
この場合、従来技術では、例えば潤滑剤(組付け液)等をブーツ取付穴の開口側に塗布することにより、保護ブーツがブーツ取付穴に滑り込み易くなるようにする場合もある。
ところで、上述した従来技術では、保護ブーツの組付作業を行うときに、保護ブーツとブーツ取付穴との中心軸線が稀に位置ずれすることがある。この状態で、保護ブーツを取付穴に押付けると、保護ブーツは、弾性変形してブーツ取付穴内に入り込む前に、自動組付機と取付部材との間で押潰されて想定外の形状に歪んでしまい、保護ブーツの組付けに失敗する場合がある。
このため、ディスクブレーキの製造ライン等では、保護ブーツの組付に不適当が生じ易くなり、その度に自動組付機を停止して組付作業を中断したり、組付が不適当となった保護ブーツを余分な工程で組付け直す必要が生じ、作業効率が低下するという問題がある。
また、ブーツの不適当な組付を避けるために、例えば保護ブーツとブーツ取付穴とを高い精度で位置合わせしたり、ブーツ取付穴の周囲に塗布する潤滑剤の量や塗布状態等を正確に管理する必要が生じ、これらの作業にも手間がかかって生産性が低下する。
さらに、保護ブーツの位置ずれが生じ易いと、例えば自動組付機の荷重、ストローク等を設定するときに、位置ずれを補償できる適切な設定をみつける必要が生じ、これらの設定に手間取ることもある。
一方、保護ブーツの組付作業では、組付けの初期段階で比較的大きな押圧力を保護ブーツに付加し、その環状鍔部を弾性変形させてブーツ取付穴内に押込む必要がある。しかし、保護ブーツを大きな力で押圧すると、これをブーツ取付穴と同軸に配置した状態でも、ある程度の割合でブーツの歪みが生じてしまい、保護ブーツが位置ずれしていた場合と同様の問題が発生する。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、例えば自動組付機等を用いて保護ブーツを安定的に組付けることができ、不適当な組付を防止できると共に、ブーツ組付時の作業効率を高め、生産性を向上できるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、自動組付機等の押圧力を保護ブーツが歪み難い状態でブーツに加えることができ、その環状鍔部をブーツ取付穴内に安定的に押込むことができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるピン摺動穴と、該ピン摺動穴の開口側を拡径することにより形成されたブーツ取付穴と、前記ピン摺動穴と摺動ピンとの摺動面を保護するため軸方向一側が該ブーツ取付穴に嵌合され軸方向他側が前記摺動ピンの外周側に取付けられる筒状の保護ブーツとを備えたディスクブレーキに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、保護ブーツを、摺動ピンの外周側に軸方向に伸縮可能に挿通される伸縮部と、該伸縮部の軸方向一側に形成された取付筒部と、該取付筒部の軸方向一側から径方向外向きに突出して形成された環状鍔部とにより構成し、ブーツ取付穴は、保護ブーツの環状鍔部よりも小径に形成され取付筒部が嵌合される筒部嵌合部と、該筒部嵌合部の奥所側に拡径して形成され環状鍔部が嵌合される鍔部嵌合部と、筒部嵌合部の開口側に位置して軸方向の途中部位が環状鍔部の外径とほぼ等しい穴径をもって段付き状に形成され環状鍔部を筒部嵌合部に向けて案内する段付ガイド部とにより構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、ブーツ取付穴の段付ガイド部は、一方の部材の表面に環状鍔部よりも大径に開口し開口し奥所側に向けて略円錐状に縮径した開口側溝部と、該開口側溝部の奥所側に連通し保護ブーツの環状鍔部の外径とほぼ等しい穴径をもって筒部嵌合部と同軸に延びる等径溝部と、該等径溝部の奥所側から略円錐状に縮径して筒部嵌合部に連通する奥所側溝部とにより構成している。
一方、請求項3の発明によると、保護ブーツは、摺動ピンの外周側に軸方向に伸縮可能に挿通される伸縮部と、該伸縮部の軸方向一側に形成され軸方向に長さをもって延びた取付筒部と、該取付筒部の軸方向の中間位置に径方向外向きに突出して形成された環状鍔部とにより構成し、ブーツ取付穴は、保護ブーツの環状鍔部よりも小径に形成され取付筒部が嵌合される筒部嵌合部と、該筒部嵌合部の長さ方向の中間位置に拡径して形成され環状鍔部が嵌合される鍔部嵌合部と、筒部嵌合部の開口側に形成され取付筒部を筒部嵌合部に向けて案内するガイド部とにより構成している。
また、請求項4の発明によると、保護ブーツの取付筒部は、ブーツ取付穴の筒部嵌合部の穴径とほぼ等しい外径に形成する構成としている。
請求項1の発明によれば、ブーツ取付穴の開口側には、筒部嵌合部よりも穴径が大きく、かつ保護ブーツの環状鍔部とほぼ同径の部位を有する段付ガイド部を配設することができる。これにより、保護ブーツの組付作業では、その環状鍔部をブーツ取付穴の開口側に押付けると、環状鍔部が縮径方向に弾性変形することなく段付ガイド部に入り込むので、保護ブーツが弾性変形の反力等によって歪むのを防止しつつ、環状鍔部を段付ガイド部にスムーズに挿入することができる。
この結果、環状鍔部を段付ガイド部にほぼ隙間なく嵌合させることができるので、仮りに保護ブーツがブーツ取付穴の筒部嵌合部に対して径方向に位置ずれしていた場合でも、段付ガイド部によってこれらの軸線を正確に一致させることができ、保護ブーツと筒部嵌合部とを容易に位置合わせすることができる。
そして、この状態で保護ブーツが押圧されたときには、例えば段付ガイド部により環状鍔部を縮径方向に弾性変形させつつ、これを小径な筒部嵌合部に向けて円滑に案内でき、環状鍔部を筒部嵌合部内に安定的に押込むことができる。これにより、環状鍔部をブーツ取付穴の鍔部嵌合部内に嵌合させることができ、保護ブーツをブーツ取付穴に確実に組付けることができる。
従って、ディスクブレーキの製造ライン等では、保護ブーツの位置ずれ等が原因で不適当な組付が生じるのを防止でき、組付作業を効率よく行うことができる。また、例えば自動組付機等による保護ブーツの位置合わせ精度等を過度に高めたり、ブーツ取付穴の周囲に塗布する潤滑剤の量等を厳密に管理する必要がなくなり、これらに関連した作業工程を簡略化できるので、ブーツ取付穴の形状を変更するだけの低コストな方法で生産性を高めることができる。
さらに、保護ブーツの位置ずれを防止できるので、例えば自動組付機の荷重、ストローク等を設定するときには、位置ずれが生じた場合を考慮する必要がなくなり、これらの設定を容易に行うことができる。また、例えばブーツの不適当な組付を判定するための荷重の判定値等も容易に設定でき、自動組付機の取扱いを円滑に行うことができる。
また、請求項2の発明によれば、段付ガイド部の開口側の外径を略円錐状の開口側溝部によって大きくすることができる。これにより、保護ブーツが位置ずれした状態であっても、その環状鍔部を開口側溝部内に確実に挿入でき、環状鍔部を略円錐状の開口側溝部により等径溝部に向けて円滑に案内することができる。
また、等径溝部は一定の軸方向寸法を有しているので、保護ブーツの環状鍔部を等径溝部に安定的に嵌合させることができ、ブーツの位置合わせを確実に行うことができる。そして、この環状鍔部を、略円錐状の奥所側溝部により全周にわたって均等に縮径させつつ、筒部嵌合部に向けて円滑に案内することができる。
一方、請求項3の発明によれば、保護ブーツの環状鍔部を、取付筒部の軸方向の中間位置(軸方向の両端側から離れた途中位置)に配設することができる。これにより、保護ブーツをブーツ取付穴に組付けるときには、環状鍔部を大きな押圧力で弾性変形させて筒部嵌合部内に押込む前に、まず取付筒部の一部を比較的小さな押圧力によって筒部嵌合部内に挿嵌することができる。
そして、環状鍔部を筒部嵌合部内に押込むときには、保護ブーツのうち押圧力を受ける部位の軸方向長さを、予め筒部嵌合部内に挿嵌した部位の分だけ短くすることができる。この結果、保護ブーツの受圧部位を軸方向の押圧力に対して歪み難い短尺な形状とすることができ、組付時の押圧力によってブーツに想定外の歪みが生じるのを防止することができる。
このように、組付作業の初期段階では、歪み易い状態の保護ブーツに大きな押圧力を加える必要がなくなり、ブーツの環状鍔部を筒部嵌合部に押込むときにだけ、歪み難い状態となった保護ブーツに大きな押圧力を加えればよいので、組付作業の全般にわたってブーツの歪みを防止しつつ、環状鍔部を鍔部嵌合部に安定的に嵌合させることができる。
また、ブーツ取付穴の開口側にはガイド部を設けているので、組付作業の初期段階では、保護ブーツが径方向に位置ずれした状態でも、取付筒部をガイド部によって筒部嵌合部内に向けて円滑に案内でき、保護ブーツと筒部嵌合部とを同軸に位置合わせすることができる。
従って、ブレーキの製造ライン等では、例えば自動組付機の荷重(押圧力)の設定状態、保護ブーツの位置ずれ等が原因となって不適当な組付が生じるのを防止でき、組付作業を効率よく行うことができる。これにより、請求項1の発明の場合とほぼ同様に、保護ブーツの位置合わせ精度や潤滑剤の塗布量等を厳密に管理する必要がなくなり、また自動組付機の荷重、ストローク等を容易に設定できるので、作業工程を簡略化して生産性を高めることができる。
さらに、請求項4の発明によれば、取付筒部の外径を筒部嵌合部の穴径とほぼ等しく形成することができる。これにより、保護ブーツの組付作業では、比較的小さな押圧力であっても、取付筒部をほとんど弾性変形させることなく、これを筒部嵌合部内にスムーズに挿嵌でき、これによって保護ブーツとブーツ取付穴との軸線を正確に位置合わせすることができる。
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキについて、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図8は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、自動車等の車両に搭載されるディスクブレーキを例に挙げて述べる。
1はディスクブレーキのベース部分を構成する取付部材で、該取付部材1は、車輪と共に回転するディスクDのインナ側で車両の非回転部分(図示せず)に一体的に取付けられている。
ここで、取付部材1は、ディスクDの周方向に離間してその外周側を跨ぐように軸方向に延びた一対の腕部1A,1Aを有し、該各腕部1Aには、図2に示す如く、後述のピン摺動穴4とブーツ取付穴8とが設けられている。これらのピン摺動穴4とブーツ取付穴8とは、全体として腕部1Aの端面1Bに開口する段付き状の有底穴を構成し、軸線O1−O1を中心として同軸に形成されている。
2は後述の摺動ピン5を介して取付部材1に摺動可能に支持されたキャリパで、該キャリパ2は、図1に示す如く、ディスクDのインナ側に配置されたインナ脚部2Aと、該インナ脚部2AからディスクDの外周側を跨ぐようにアウタ側に延びたブリッジ部2Bと、該ブリッジ部2Bの先端側から径方向内向きに延びてディスクDのアウタ側に配置されたアウタ脚部2Cと、インナ脚部2Aから両側に突出した2個のピン取付部2Dとによって構成されている。
3はディスクDの両面側に位置して取付部材1の各腕部1A間に設けられた一対の摩擦パッドで、該各摩擦パッド3は、各腕部1Aの間でディスクDの軸方向に摺動可能となっている。そして、摩擦パッド3は、ブレーキの作動時にキャリパ2によってディスクDの両面側に押圧され、これによってディスクDに制動力を付与するものである。
4は取付部材1の各腕部1Aにそれぞれ設けられた一対のピン摺動穴(一方のみ図示)で、該各ピン摺動穴4は、軸線O1−O1を中心とする有底の円形穴として形成され、後述の摺動ピン5を軸方向に案内するものである。
5はキャリパ2のピン取付部2Dにそれぞれ設けられた摺動ピンで、該各摺動ピン5は、基端側がピンボルト6によってピン取付部2Dに固定されている。そして、摺動ピン5の先端側は、取付部材1のピン摺動穴4内に挿嵌され、該ピン摺動穴4内で軸方向に摺動可能となっている。また、摺動ピン5の外周側には、後述の保護ブーツ7が取付けられる環状のブーツ取付溝5Aが設けられている。
7は取付部材1の各腕部1Aと摺動ピン5との間にそれぞれ設けられた保護ブーツで、該各保護ブーツ7は、図2、図3に示す如く、例えばゴム等の弾性材料により軸線O2−O2を中心とする蛇腹状の筒体として形成され、ピン摺動穴4と摺動ピン5との摺動面を保護するものである。
ここで、保護ブーツ7は、摺動ピン5の外周側に軸方向に伸縮可能に挿通された蛇腹状の伸縮部7Aと、該伸縮部7Aの軸方向一側に一体に形成された取付筒部7Bと、該取付筒部7Bの軸方向一側から径方向外向きに突出し、所定の外径Aをもって形成された環状鍔部7Cと、取付筒部7Bの軸方向他側から径方向外向きに突出して形成された環状のスカート部7Dとにより構成されている。
そして、保護ブーツ7は、取付筒部7Bと環状鍔部7Cとが後述のブーツ取付穴8内に取付けられ、伸縮部7Aの軸方向他側が摺動ピン5のブーツ取付溝5Aに取付けられている。また、取付筒部7Bは、ブーツ取付穴8の筒部嵌合部9内に嵌合された状態で摺動ピン5の外周側に弾性的に摺接し、これによってピン摺動穴4内での摺動ピン5のがたつき等を防止している。
また、ブレーキの作動時には、ディスクDからキャリパ2に制動トルクが加わると、この制動トルクにより摺動ピン5がピン摺動穴4内で軸線O1−O1に対して僅かに傾くことがある。この場合、取付筒部7Bは、摺動ピン5に追従して弾性変形することにより、その傾きをある程度許容し、取付部材1と摺動ピン5とのかじり等を抑える構成となっている。
一方、環状鍔部7Cは、図7、図8に示す如く、縮径方向に弾性変形した状態でブーツ取付穴8の筒部嵌合部9内に押込まれることにより、この筒部嵌合部9を経由して鍔部嵌合部10内に抜止め状態で嵌合されている。この状態で、スカート部7Dは、後述する段付ガイド部11の径方向外側で取付部材1の端面1Bに全周にわたって弾性的に当接し、ピン摺動穴4とブーツ取付穴8とを閉塞すると共に、これらの穴をダスト、水分等の異物から保護している。
8は取付部材1の各腕部1Aにそれぞれ設けられたブーツ取付穴で、該各ブーツ取付穴8は、図2、図3に示す如く、ピン摺動穴4の開口側を拡径することにより、腕部1Aの端面1Bに開口する円形の段付き穴として形成され、その奥所側はピン摺動穴4に連通している。そして、ブーツ取付穴8は、後述の筒部嵌合部9、鍔部嵌合部10及び段付ガイド部11によって構成され、これらの部位は軸線O1−O1を中心として互いに同軸に形成されている。
9はブーツ取付穴8の軸方向中間部位を構成する筒部嵌合部で、該筒部嵌合部9は、一定の穴径D1をもって軸方向に延びる円筒状に形成され、その内部には、保護ブーツ7の取付筒部7Bが嵌合されている。また、筒部嵌合部9の穴径D1は、図3及び後述の数1に示す如く、保護ブーツ7の環状鍔部7Cの外径Aよりも小さく形成されている。
10は筒部嵌合部9の奥所側(軸方向一側)に拡径して形成された鍔部嵌合部で、該鍔部嵌合部10は、筒部嵌合部9とピン摺動穴4との間に配置され、筒部嵌合部9の穴径D1よりも大きな穴径D2を有している(D2>D1)。そして、鍔部嵌合部10内には、保護ブーツ7の環状鍔部7Cが抜止め状態で嵌合されている。
11は筒部嵌合部9の開口側(軸方向他側)に設けられた段付ガイド部で、該段付ガイド部11は、軸方向(軸線O1−O1方向)の途中部位が環状鍔部7Cの外径Aとほぼ等しい穴径をもって形成され、筒部嵌合部9から取付部材1の端面1Bに向けて段付き状に拡径している。そして、段付ガイド部11は、保護ブーツ7の組付作業を行うときに、環状鍔部7Cを筒部嵌合部9に向けて案内し、保護ブーツ7を筒部嵌合部9と同軸に位置合わせするものである。
ここで、段付ガイド部11は、取付部材1の端面1Bに開口し奥所側に向けて略円錐状に縮径した開口側溝部11Aと、該開口側溝部11Aの奥所側に連通し筒部嵌合部9と同軸に延びる円筒状の等径溝部11Bと、該等径溝部11Bの奥所側から略円錐状に縮径して筒部嵌合部9に連通する奥所側溝部11Cとにより構成している。
この場合、開口側溝部11Aは、その開口端の穴径D3が保護ブーツ7の環状鍔部7Cの外径Aよりも大きく形成されている(D3>A)。これにより、保護ブーツ7の組付時には、図4、図5に示す如く、その軸線O2−O2がブーツ取付穴8の軸線O1−O1から僅かに位置ずれしている場合でも、環状鍔部7Cを開口側溝部11A内に確実に挿入することができる。そして、開口側溝部11Aは、テーパ状に縮径する傾斜面となっているため、この傾斜面により環状鍔部7Cを等径溝部11Bに向けて円滑に案内することができる。
また、等径溝部11Bは、軸方向の全長Lにわたって一定の穴径D4を有し、この穴径D4は、下記数1の式に示す如く、環状鍔部7Cの外径Aとほぼ等しく設定されると共に、筒部嵌合部9の穴径D1よりも大きく形成されている。
Figure 2005315403
これにより、環状鍔部7Cは、図6に示す如く、ほぼ同径の等径溝部11Bに対して、縮径方向に弾性変形することなく入り込むことができる。このため、環状鍔部7Cが弾性変形するときの反力等によって保護ブーツ7が歪むのを防止でき、保護ブーツ7を歪みのない状態に保持しつつ、環状鍔部7Cを等径溝部11B内にスムーズに挿入することができる。そして、環状鍔部7Cは、等径溝部11B内にほぼ隙間なく嵌合された状態となるので、保護ブーツ7の軸線O2−O2を筒部嵌合部9等の軸線O1−O1に対して正確に位置合わせすることができる。
さらに、奥所側溝部11Cは、等径溝部11Bから筒部嵌合部9に向けてテーパ状に縮径する傾斜面となっている。このため、奥所側溝部11Cは、環状鍔部7Cを全周にわたって均等に縮径させつつ、これを筒部嵌合部9に向けて円滑に案内することができる。
一方、保護ブーツ7の取付筒部7Bの外周側には、図2に示す如く、段付ガイド部11によって環状の隙間が形成されている。このため、例えばディスクDから伝わる制動トルク等により摺動ピン5がピン摺動穴4内で軸線O1−O1に対して傾いたとしても、取付筒部7Bは、摺動ピン5に追従して周囲の隙間内で容易に弾性変形することができる。
これにより、段付ガイド部11内の隙間によって取付筒部7Bが弾性変形するときの逃げ代を確保できるので、摺動ピン5が傾いたときに、摺動ピン5と取付筒部7Bとの間で摺動抵抗が大きくなるのを防止でき、これらの摺動性を良好に保持することができる。
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次に、図3ないし図8を参照しつつ、例えば自動組付機(図示せず)等を用いてブレーキの製造ラインで行われる保護ブーツ7の組付作業について説明する。
この組付作業において、自動組付機は、図3に示す如く、まず保護ブーツ7と取付部材1のブーツ取付穴8とを組付用の位置にセットし、これらを同軸に配置した後に、所定の荷重、ストローク等をもって保護ブーツ7をブーツ取付穴8の開口側に押付ける。
この場合、保護ブーツ7とブーツ取付穴8とを組付用の位置にセットするときには、図4に示す如く、これらが稀に位置ずれすることがある。この状態では、保護ブーツ7の軸線O2−O2がブーツ取付穴8の軸線O1−O1から外れているため、自動組付機によって両者を押付けると、環状鍔部7Cが弾性変形してブーツ取付穴8内に入り込む前に、図5中に仮想線で示す如く、保護ブーツ7が押潰されて想定外の形状に歪むことがある。
しかし、本実施の形態では、ブーツ取付穴8の開口側に段付ガイド部11が設けられている。このため、保護ブーツ7の環状鍔部7Cは、図5中に実線で示す如く、位置ずれした状態でブーツ取付穴8に押付けられた場合でも、段付ガイド部11の開口側溝部11Aに沿って等径溝部11B内に導かれ、図6に示す如く、弾性変形しない状態で等径溝部11B内に入り込む。
これにより、保護ブーツ7は、取付部材1側から弾性変形による反力等を受けることなく、自由状態の形状を保持しつつ、等径溝部11Bによって筒部嵌合部9と同軸に位置合わせされた状態となる。
この状態で、保護ブーツ7が押圧されると、環状鍔部7Cは、段付ガイド部11の奥所側溝部11Cに沿って弾性変形することにより均等に縮径し、図7に示す如く、筒部嵌合部9内に押込まれる。従って、保護ブーツ7をさらに押圧することにより、環状鍔部7Cを筒部嵌合部9から鍔部嵌合部10に進入させることができ、この位置で環状鍔部7Cが元の形状に復帰することにより、図8に示す如く、保護ブーツ7をブーツ取付穴8に抜止め状態で組付けることができる。
次に、ディスクブレーキの作動について説明すると、まず車両の走行中にブレーキが操作されたときには、キャリパ2のインナ脚部2A内に挿嵌されたピストン(図示せず)にブレーキ液圧が付加され、これによってピストンはインナ側の摩擦パッド3をディスクDに押圧する。このとき、キャリパ2は、押圧時の反力によってアウタ側に摺動変位し、アウタ脚部2Cがアウタ側の摩擦パッド3をディスクDに押圧するため、ディスクの両面に制動力を付与することができる。
かくして、本実施の形態によれば、ブーツ取付穴8を、筒部嵌合部9、鍔部嵌合部10及び段付ガイド部11により構成したので、ブーツ取付穴8の開口側には、筒部嵌合部9の穴径D1よりも大きな穴径D4を有し、かつ保護ブーツ7の環状鍔部7Cとほぼ同径の段付ガイド部11を配設することができる。
これにより、保護ブーツ7の組付作業では、環状鍔部7Cをブーツ取付穴8の開口側に押付けると、環状鍔部7Cが弾性変形することなく段付ガイド部11に入り込むので、保護ブーツ7が弾性変形の反力等によって歪むのを防止しつつ、環状鍔部7Cを段付ガイド部11にスムーズに挿入することができる。
この結果、環状鍔部7Cを段付ガイド部11の等径溝部11B内にほぼ隙間なく嵌合させることができるので、仮りに保護ブーツ7が筒部嵌合部9に対して径方向に位置ずれしていた場合でも、段付ガイド部11によってこれらの軸線O1−O1,O2−O2を正確に一致させることができ、保護ブーツ7と筒部嵌合部9とを容易に位置合わせすることができる。
そして、この状態で保護ブーツ7が押圧されたときには、例えば段付ガイド部11により環状鍔部7Cを縮径方向に弾性変形させつつ、これを小径な筒部嵌合部9に向けて円滑に案内でき、環状鍔部7Cを筒部嵌合部9内に安定的に押込むことができる。これにより、環状鍔部7Cを鍔部嵌合部10内に嵌合させることができ、保護ブーツ7をブーツ取付穴8に確実に組付けることができる。
従って、ブレーキの製造ライン等では、保護ブーツ7の位置ずれ等が原因で不適当な組付が生じるのを防止でき、組付作業を効率よく行うことができる。また、例えば自動組付機等による保護ブーツ7の位置合わせ精度等を過度に高めたり、ブーツ取付穴8の周囲に塗布する潤滑剤の量等を厳密に管理する必要がなくなり、これらに関連した作業工程を簡略化できるので、ブーツ取付穴8の形状を変更するだけの低コストな方法で生産性を高めることができる。
さらに、保護ブーツ7の位置ずれを防止できるので、例えば自動組付機の荷重、ストローク等を設定するときには、位置ずれが生じた場合を考慮する必要がなくなり、これらの設定を容易に行うことができる。また、例えばブーツの不適当な組付を判定するための荷重の判定値等も容易に設定でき、自動組付機の取扱いを円滑に行うことができる。
この場合、段付ガイド部11を、開口側溝部11A、等径溝部11B及び奥所側溝部11Cによって形成したので、段付ガイド部11の開口側の穴径D3を略円錐状の開口側溝部11Aによって大きくすることができる。これにより、保護ブーツ7が位置ずれした状態であっても、環状鍔部7Cを開口側溝部11A内に確実に挿入でき、環状鍔部7Cを略円錐状の開口側溝部11Aにより等径溝部11Bに向けて円滑に案内することができる。
また、等径溝部11Bは、一定の軸方向寸法(全長)Lを有しているので、環状鍔部7Cを等径溝部内に安定的に嵌合させることができ、保護ブーツ7の位置合わせを確実に行うことができる。そして、この環状鍔部7Cを、略円錐状の奥所側溝部11Cにより全周にわたって均等に縮径させつつ、筒部嵌合部9に向けて円滑に案内することができる。
次に、図9ないし図15は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、保護ブーツの取付筒部の軸方向の中間位置に環状鍔部を配設する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
21は取付部材1′の腕部1A′と摺動ピン5との間に設けられた保護ブーツで、該保護ブーツ21は、図9、図10に示す如く、後述のブーツ取付穴26に組付けられるものである。
ここで、取付部材1′は、第1の実施の形態とほぼ同様に、一対の腕部1A′,1A′(一方のみ図示)を有し、該各腕部1A′の端面1B′側には、軸線O1−O1を中心としてピン摺動穴4′とブーツ取付穴26とが設けられている。
また、保護ブーツ21は、例えばゴム等の弾性材料からなり、軸線O2−O2を中心とする蛇腹状の筒体として一体に形成されている。そして、保護ブーツ21は、後述の伸縮部22、取付筒部23、環状鍔部24、スカート部25等によって構成されている。
22は保護ブーツ21の本体部分を構成する蛇腹状の伸縮部で、該伸縮部22は、摺動ピン5の外周側に挿通され、その変位に追従して軸方向に伸縮するものである。
23は伸縮部22の軸方向一側に形成された取付筒部で、該取付筒部23は、例えば一定の長さMをもって軸方向に延びる円筒状に形成され、後述するブーツ取付穴26の筒部嵌合部27に嵌合されている。そして、取付筒部23は、全長にわたってほぼ一定の外径aを有し、この外径aは、下記数2の式に示す如く、筒部嵌合部27の穴径d1とほぼ等しく設定されている。
Figure 2005315403
このため、保護ブーツ21を押圧してブーツ取付穴26に組付けるときには、後述の図13に示す如く、比較的小さな押圧力であっても、取付筒部23を縮径方向にほとんど弾性変形させることなく、これを筒部嵌合部27内にスムーズに挿嵌でき、取付筒部23の挿嵌動作によって保護ブーツ21の軸線O2−O2とブーツ取付穴26の軸線O1−O1とを位置合わせすることができる。
また、取付筒部23は、環状鍔部24を挟んで軸方向の両側に延びて形成されている。そして、取付筒部23の軸方向の一端側、即ち取付筒部23をブーツ取付穴26に挿入するときの挿入方向の前端側となる部位には、筒部嵌合部27の奥所側に向けて略円錐状(テーパ状)に縮径した面取部23Aが形成されている。この面取部23Aは、後述の図12に示す如く、ブーツ取付穴26の円錐状ガイド部29と協働して、取付筒部23を筒部嵌合部27の中心位置に向けて径方向に案内するものである。
また、取付筒部23は、ブーツ取付穴26への挿入方向を基準として、環状鍔部24よりも挿入方向の前側に位置する部位が、面取部23Aを含めて前筒部23Bとなり、環状鍔部24よりも挿入方向の後側に位置する部位が後筒部23Cとなっている。
さらに、取付筒部23は、第1実施の形態とほぼ同様に、筒部嵌合部27と摺動ピン5との間に弾性的に介在し、これによってピン摺動穴4′内での摺動ピン5のがたつき等を防止すると共に、外力等による摺動ピン5の傾きをある程度許容し、取付部材1′と摺動ピン5とのかじり等を抑える構成となっている。
24は取付筒部23の軸方向の中間位置に形成された環状鍔部で、該環状鍔部24は取付筒部23の前筒部23B及び後筒部23Cよりも大径に形成され、前筒部23Bと後筒部23Cとの間で取付筒部23から径方向外向きに突出すると共に、面取部23Aから軸方向に離間している。ここで、環状鍔部24が形成された軸方向の中間位置とは、取付筒部23の長さMを2等分する寸法的な中間位置に限るものではなく、この寸法的な中間位置も含めて取付筒部23の軸方向両端側から離れた任意の途中位置を指すものである。
そして、環状鍔部24は、第1実施の形態とほぼ同様に、縮径方向に弾性変形した状態でブーツ取付穴26の筒部嵌合部27内に押込まれることにより、筒部嵌合部27を経由して鍔部嵌合部28内に抜止め状態で嵌合されている。
この場合、環状鍔部24は、取付筒部23の軸方向の中間位置に形成されているので、保護ブーツ21の組付作業では、まず取付筒部23の前筒部23Bを筒部嵌合部27内に挿嵌でき、その後に環状鍔部24を筒部嵌合部27内に押込むときには、後述の図13、図14に示す如く、保護ブーツ21のうち押圧力を受ける部分の軸方向長さを前筒部23Bの分だけ短くすることができる。
25は取付筒部23の軸方向他側に径方向外向きに突出して形成された環状のスカート部で、該スカート部25は、第1の実施の形態とほぼ同様に、ブーツ取付穴26を閉塞する位置で取付部材1′の端面1B′に弾性的に当接し、これによってダスト、水分等の異物からブーツ取付穴26を保護している。
一方、26は取付部材1′の腕部1A′に設けられたブーツ取付穴で、該ブーツ取付穴26は、図9、図10に示す如く、第1の実施の形態とほぼ同様に、ピン摺動穴4′の開口側を拡径することにより、腕部1A′の端面1B′に開口する円形の段付き穴として形成されている。そして、ブーツ取付穴26は、軸線O1−O1を中心として同軸に形成された後述の筒部嵌合部27、鍔部嵌合部28及び円錐状ガイド部29によって構成されている。
27は例えば一定の穴径d1を有する円筒状の穴として形成された筒部嵌合部で、該筒部嵌合部27は、鍔部嵌合部28を挟んで軸方向の両側に延び、その穴径d1は、環状鍔部24の外径よりも小さく形成されている。また、筒部嵌合部27は、その開口側が円錐状ガイド部29と連通し、その奥所側がピン摺動穴4′と連通している。そして、筒部嵌合部27内には、保護ブーツ21の取付筒部23が嵌合されている。
28は筒部嵌合部27の長さ方向の中間位置に拡径して形成された鍔部嵌合部で、該鍔部嵌合部28は、筒部嵌合部27よりも大径な環状の凹溝として形成され、その内部には環状鍔部24が抜止め状態で嵌合されている。
29は取付部材1′の端面1B′に開口して形成されたガイド部としての円錐状ガイド部で、該円錐状ガイド部29は、筒部嵌合部27から取付部材1′の端面1B′に向けて略円錐状に拡径し、その開口端の穴径d2は、筒部嵌合部27の穴径d1よりも大きくなっている(d2>d1)。そして、円錐状ガイド部29は、保護ブーツ21の取付筒部23を筒部嵌合部27の中心位置に向けて径方向に案内するものである。
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次に図10ないし図15を参照しつつ、自動組付機(図示せず)等を用いた保護ブーツ21の組付作業について説明する。
この組付作業では、図10に示す如く、第1の実施の形態とほぼ同様に、まず保護ブーツ21とブーツ取付穴26とを同軸にセットした後に、所定の荷重(押圧力)、ストローク等をもって保護ブーツ21を押圧する。
この場合、例えば保護ブーツ21が径方向にある程度位置ずれした状態でも、図11、図12に示す如く、まず保護ブーツ21の面取部23Aがブーツ取付穴26の円錐状ガイド部29内に挿入され、これらの円錐状をなす傾斜面が互いに当接する。これにより、保護ブーツ21の取付筒部23は、面取部23Aと円錐状ガイド部29とによってブーツ取付穴26の中心位置に向けて案内されるので、保護ブーツ21をさらに押圧すると、図13に示す如く、取付筒部23の前筒部23Bが筒部嵌合部27内に挿嵌される。
このとき、取付筒部23は、比較的小さな押圧力であっても、その外径aとほぼ等しい穴径d1をもつ筒部嵌合部27内にほとんど弾性変形しない状態で入り込む。これにより、保護ブーツ21は、取付部材1′側から弾性変形の反力等を受けることなく、自由状態の形状を保持しつつ、取付筒部23によって筒部嵌合部27と同軸に位置合わせされた状態となる。
次に、図14に示す如く、保護ブーツ21に比較的大きな押圧力を加えることにより、環状鍔部24を弾性変形させて筒部嵌合部27内に押込む。この場合、保護ブーツ21は、取付筒部23のうち前筒部23Bを除いた部位、即ち伸縮部22から環状鍔部24までの短尺な部位によって押圧力を安定的に受承できるので、ブーツの歪みが生じるのを防止することができる。
従って、保護ブーツ21をさらに押圧することにより、図15に示す如く、環状鍔部24を鍔部嵌合部28へとスムーズに嵌合させることができ、保護ブーツ21をブーツ取付穴26に抜止め状態で組付けることができる。
かくして、本実施の形態によれば、保護ブーツ21の環状鍔部24を取付筒部23の軸方向中間位置に配設する構成としたので、保護ブーツ21の組付作業では、環状鍔部24を大きな押圧力で弾性変形させて筒部嵌合部27内に押込む前に、まず取付筒部23の前筒部23Bを比較的小さな押圧力によって筒部嵌合部27内に挿嵌することができる。
そして、環状鍔部24を筒部嵌合部27内に押込むときには、保護ブーツ21のうち押圧力を受ける部位の軸方向長さを、予め挿嵌した前筒部23Bの分だけ短くすることができる。この結果、保護ブーツ21の受圧部位を軸方向の押圧力に対して歪み難い短尺な形状とすることができ、自動組付機等の押圧力によってブーツに想定外の歪みが生じるのを防止することができる。
このように、組付作業の初期段階では、歪み易い状態の保護ブーツ21に大きな押圧力を加える必要がなくなり、ブーツの環状鍔部24を筒部嵌合部27に押込むときにだけ、歪み難い状態となった保護ブーツ21に大きな押圧力を加えればよいので、組付作業の全般にわたってブーツの歪みを防止しつつ、環状鍔部24を鍔部嵌合部28に安定的に嵌合させることができる。
この場合、保護ブーツ21の挿入端側には面取部23Aを設け、ブーツ取付穴26の開口側には円錐状ガイド部29を設けているので、組付作業の初期段階では、保護ブーツ21が径方向に位置ずれした状態でも、これらの面取部23Aと円錐状ガイド部29とによって取付筒部23を筒部嵌合部27内に円滑に案内することができる。
また、取付筒部23の外径aと筒部嵌合部27の穴径d1とをほぼ等しい寸法に形成しているので、保護ブーツ21をさらに押圧したときには、比較的小さな押圧力であっても、取付筒部23の前筒部23Bをほとんど弾性変形させることなく、これを筒部嵌合部27内にスムーズに挿嵌することができる。これにより、保護ブーツ21の軸線O2−O2とブーツ取付穴26の軸線O1−O1とを正確に位置合わせすることができ、その後の挿嵌動作を安定的に行うことができる。
従って、ブレーキの製造ライン等では、例えば自動組付機の荷重(押圧力)の設定状態、保護ブーツ21の位置ずれ等が原因となって不適当な組付が生じるのを防止でき、組付作業を効率よく行うことができる。これにより、第1の実施の形態の場合とほぼ同様に、保護ブーツ21の位置合わせ精度や潤滑剤の塗布量等を厳密に管理する必要がなくなり、また自動組付機の荷重、ストローク等を容易に設定できるので、作業工程を簡略化して生産性を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、取付部材1,1′にピン摺動穴4,4′とブーツ取付穴8,26とを設け、キャリパ2に摺動ピン5を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば取付部材に摺動ピンを設け、キャリパにガイド穴とブーツ取付穴とを設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、自動車等の車両に搭載されるディスクブレーキを例に挙げて述べた。しかし、本発明はこれに限らず、二輪車用のディスクブレーキにも適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態によるディスクブレーキを一部破断して示す正面図である。 図1中の保護ブーツ、ブーツ取付穴等を拡大して示す拡大断面図である。 保護ブーツをブーツ取付穴に組付ける前の状態で示す拡大断面図である。 保護ブーツがブーツ取付穴に対して位置ずれした状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツをブーツ取付穴の段付ガイド部に押付けた状態を示す拡大断面図である。 段付ガイド部によって保護ブーツを筒部嵌合部と同軸に位置合わせした状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツの環状鍔部をブーツ取付穴の筒部嵌合部に押込んだ状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツの環状鍔部をブーツ取付穴の鍔部嵌合部に嵌合した状態を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるディスクブレーキを図2と同様位置からみた拡大断面図である。 保護ブーツをブーツ取付穴に組付ける前の状態で示す拡大断面図である。 保護ブーツがブーツ取付穴に対して位置ずれした状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツを面取部と円錐状ガイド部とによってブーツ取付穴の中心位置に向けて案内する状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツとブーツ取付穴とが取付筒部によって同軸に位置合わせされた状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツの環状鍔部をブーツ取付穴の筒部嵌合部に押込んだ状態を示す拡大断面図である。 保護ブーツの環状鍔部をブーツ取付穴の鍔部嵌合部に嵌合した状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
1,1′ 取付部材
1A,1A′ 腕部
1B,1B′ 端面(表面)
2 キャリパ
3 摩擦パッド
4,4′ ピン摺動穴
5 摺動ピン
7,21 保護ブーツ
7A,22 伸縮部
7B,23 取付筒部
7C,24 環状鍔部
8,26 ブーツ取付穴
9,27 筒部嵌合部
10,28 鍔部嵌合部
11 段付ガイド部
11A 開口側溝部
11B 等径溝部
11C 奥所側溝部
23A 面取部
23B 前筒部
23C 後筒部
29 円錐状ガイド部(ガイド部)
D1,D2,D3,D4,d1,d2 穴径
A,a 外径
M 長さ
D ディスク

Claims (4)

  1. 車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるピン摺動穴と、該ピン摺動穴の開口側を拡径することにより形成されたブーツ取付穴と、前記ピン摺動穴と摺動ピンとの摺動面を保護するため軸方向一側が該ブーツ取付穴に嵌合され軸方向他側が前記摺動ピンの外周側に取付けられる筒状の保護ブーツとを備えたディスクブレーキにおいて、
    前記保護ブーツは、前記摺動ピンの外周側に軸方向に伸縮可能に挿通される伸縮部と、該伸縮部の軸方向一側に形成された取付筒部と、該取付筒部の軸方向一側から径方向外向きに突出して形成された環状鍔部とにより構成し、
    前記ブーツ取付穴は、前記保護ブーツの環状鍔部よりも小径に形成され前記取付筒部が嵌合される筒部嵌合部と、該筒部嵌合部の奥所側に拡径して形成され前記環状鍔部が嵌合される鍔部嵌合部と、前記筒部嵌合部の開口側に位置して軸方向の途中部位が前記環状鍔部の外径とほぼ等しい穴径をもって段付き状に形成され前記環状鍔部を前記筒部嵌合部に向けて案内する段付ガイド部とにより構成したことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記ブーツ取付穴の段付ガイド部は、前記一方の部材の表面に前記環状鍔部よりも大径に開口し奥所側に向けて略円錐状に縮径した開口側溝部と、該開口側溝部の奥所側に連通し前記保護ブーツの環状鍔部の外径とほぼ等しい穴径をもって前記筒部嵌合部と同軸に延びる等径溝部と、該等径溝部の奥所側から略円錐状に縮径して前記筒部嵌合部に連通する奥所側溝部とにより構成してなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるピン摺動穴と、該ピン摺動穴の開口側を拡径することにより形成されたブーツ取付穴と、前記ピン摺動穴と摺動ピンとの摺動面を保護するため軸方向一側が該ブーツ取付穴に嵌合され軸方向他側が前記摺動ピンの外周側に取付けられる筒状の保護ブーツとを備えたディスクブレーキにおいて、
    前記保護ブーツは、前記摺動ピンの外周側に軸方向に伸縮可能に挿通される伸縮部と、該伸縮部の軸方向一側に形成され軸方向に長さをもって延びた取付筒部と、該取付筒部の軸方向の中間位置に径方向外向きに突出して形成された環状鍔部とにより構成し、
    前記ブーツ取付穴は、前記保護ブーツの環状鍔部よりも小径に形成され前記取付筒部が嵌合される筒部嵌合部と、該筒部嵌合部の長さ方向の中間位置に拡径して形成され前記環状鍔部が嵌合される鍔部嵌合部と、前記筒部嵌合部の開口側に形成され前記取付筒部を前記筒部嵌合部に向けて案内するガイド部とにより構成したことを特徴とするディスクブレーキ。
  4. 前記保護ブーツの取付筒部は、前記ブーツ取付穴の筒部嵌合部の穴径とほぼ等しい外径に形成してなる請求項3に記載のディスクブレーキ。
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