JP2005315201A - 建物の風車外装構造及び風車外装パネル - Google Patents

建物の風車外装構造及び風車外装パネル Download PDF

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Abstract

【課題】小型風車であるサボニウス型風車を対象とし、その普及拡大を実現すること。
【解決手段】発電用のサボニウス形羽根車2が風力で回転できるように多数並列状態に配列されて建物1の外装を形成する建物の風車外装構造である。該構造において、建物1の外装は、風車外装パネル7を複数並列状態に設置して形成するとよい。この風車外装パネル7において、フレーム8の縦枠8d,8dは、サボニウス形羽根車2よりも後方に位置して備えられているとよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の風車外装構造及び風車外装パネルに関する。
プロペラ形の大規模風力発電設備に対して、小型風車を用いた従来の風力発電設備は、規模も小さく、従ってまた発電量も小さく、世の中に広く普及させていくには、困難性の大きいものであった。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、小型風車であるサボニウス型風車を対象とし、その普及拡大を実現することを課題とする。
上記の課題は、発電用のサボニウス形羽根車が風力で回転できるように多数並列状態に配列されて建物の外装を形成していることを特徴とする建物の風車外装構造によって解決される。
この構造では、建物の外装を多数のサボニウス形羽根車で形成するようにしたものであるから、サボニウス形羽根車を建物の外装というかたちで一度に多数組み込むことができ、小型風車の普及拡大を実現することができる。
上記の風車外壁構造をパネル式で構築する場合には、並列状態に配列された発電用の複数のサボニウス形羽根車と、各サボニウス形羽根車を風力で回転できるように保持するフレームとが備えられ、
該フレームは、各サボニウス形羽根車の上下の端部を回転可能に保持する横枠と、横枠をつなぐ縦枠とを備え、縦枠が、各サボニウス形羽根車よりも後方に位置して備えられている風力発電用の風車外装パネルを用い、これを複数並列状態に設置して建物の外装を形成するようにするとよい。
この場合は、パネルを建物に取り付けていくだけで多数のサボニウス形羽根車を建物に設置していくことができ、サボニウス形羽根車を現場において一つ一つ風力で回転するように取り付けていくような場合に比べて、施工を能率良く行っていくことができる。
のみならず、パネルのフレームを構成する縦枠が、各サボニウス形羽根車よりも後方に位置して備えられているので、サボニウス形羽根車をパネル式で取り付ける外装構造のものでありながら、建物の外観において、縦枠が、サボニウス形羽根車の背後に隠れて目立たちにくく、サボニウス形羽根車の群を並列方向においてすっきりとした外観にすることができる。
また、上記の風車外装構造において、並列方向におけるサボニウス形羽根車間の間隔寸法、及び、各サボニウス形羽根車の回転外周直径寸法が、いずれか一つのサボニウス形羽根車を省略することで、省略されたサボニウス形羽根車を挟む両サボニウス形羽根車間に消防上進入可能な幅寸法の開口部が形成される寸法に設定され、該サボニウス形羽根車の省略による消防用開口部が備えられているとよい。
この場合は、一つの消防用開口部を、サボニウス形羽根車を一つ省略するだけで確保できて、消防用開口部を、設計においても施工においても非常に容易に確保することができ、しかも、消防用開口部の確保によってサボニウス形羽根車の配列が乱されることもない。
また、上記の外装構造において、建物の内部と屋外とが、サボニウス形羽根車の群による外装部を介して連通されている場合は、各サボニウス形羽根車に対する風の通りを良くすることができて発電を活発にすることができ、しかも、サボニウス形羽根車の群で建物の内部を目隠しすることができる。
本発明は、以上のとおりのものであるから、小型風車の普及拡大を実現することができる。
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の風車外装構造は、図3に示すように、自走式立体駐車場建物1の外装に用いた場合のもので、図1及び図2に示すように、発電用のサボニウス形羽根車2が、建物1の立ち上がり側面部に、風力で回転できるように多数並列状態に配列されると共に、それが上下方向に複数段配設されて、建物1の外装を形成している。
なお、各サボニウス形羽根車2は、図7(ハ)に示すように、上下の円板3,4間に、対の半円筒翼5,5を回転中心位置から側方に偏心させるようにして一体的に備えられたもので、本実施形態では、風力による半円筒翼5,5の変形を防ぐため、両半円筒翼5,5がそれらの高さ方向中間部において補強材6,6で補強されている。
そして、上記のような外装を形成するため、本実施形態では、図5〜図7に示すような風車外装パネル7が用いられている。この風車外装パネル7は、複数のサボニウス形羽根車2…を風力で回転できるようにフレーム8に保持させたもので、図1に示すように、建物1の1フロアー分相当の高さ寸法Fを備えている。
この風車外装パネル7において、サボニウス形羽根車2は、並列方向に所定の間隔おきに4つ備えられると共に、それが同じ位相で上下2段備えられた8連タイプのものからなっていている。
また、フレーム8は、上段側の4つのサボニウス形羽根車2…の各上端部を回転可能に保持する棚板状の上横枠8aと、上段側の4つのサボニウス形羽根車2…の各下端部及び下段側の4つのサボニウス形羽根車2…の各上端部を回転可能に保持する同じく棚板状の中横枠8bと、下段側の4つのサボニウス形羽根車2…の各下端部を回転可能に保持する同じく棚板状の下横枠8cと、これら上中下の横枠8a,8b,8cをつなぐ左右の縦枠8d,8dとを備えており、各サボニウス形羽根車2…は、棚板状の横枠8a,8b,8cの前縁部近傍に回転中心部を位置させるようにして備えられ、縦枠8d,8dは、横枠8a,8b,8cの背後において、各サボニウス形羽根車2…よりも後方に位置して備えられている。
そして、本実施形態では、上記の風車外装パネル7において、図4(イ)に示すように、並列方向におけるサボニウス形羽根車2…間の間隔寸法a、及び、各サボニウス形羽根車2…の回転外周直径寸法bは、図4(ロ)に示すように、いずれか一つのサボニウス形羽根車を省略することで、省略されたサボニウス形羽根車を挟む両サボニウス形羽根車間に消防上進入可能な幅寸法cを備えた開口部9が形成されるような寸法に設定されている。具体的には、幅寸法cが750mmの消防用開口部9を形成する場合には、サボニウス形羽根車2の回転外周直径寸法bを350mmとすると、隣り合うサボニウス形羽根車2…間の間隔寸法aは550mmに設定される。
上記の風車外装パネル7は、図1に示すように、サボニウス形羽根車2…の並列方向に複数配列されると共に、上下方向に複数段配設され、図2に示すように、キャットウォークスペース10を介在させるようにして建物躯体11に取り付けられて建物1の外装を形成し、建物1の内部の駐車スペース12と屋外13とが、各風車外装パネル7…のサボニウス形羽根車2…の群による外装部を介して連通するようにされている。
また、上記の各風車外装パネル7…は、並列方向において隣り合うパネル7…間におけるサボニウス形羽根車2間の間隔寸法が、図1に示すように、パネル7内におけるサボニウス形羽根車2間の間隔寸法と同じになるように建物躯体11に取り付けられており、いずれかの風車外装パネル7から一つサボニウス形羽根車が省略されて、そこに消防用開口部9が形成されている。
上記の風車外装構造では、図3に示すように、建物1の外装が多数のサボニウス形羽根車2…で形成されているので、サボニウス形羽根車を建物1の外装というかたちで一度に多数組み込むことができ、小型風車の普及拡大を実現することができる。
また、上記の実施形態では、建物1の外装を形成するサボニウス形羽根車2を、複数のサボニウス形羽根車2…を備えた風車外装パネル7を用い、パネル式で建物1に取り付けていく構成としているので、パネル7…を建物1に取り付けていくだけで多数のサボニウス形羽根車2…を建物1に設置していくことができ、施工を能率良く行っていくことができる。
のみならず、風車外装パネル7のフレーム8を構成する縦枠8d,8dが、各サボニウス形羽根車2よりも後方に位置して備えられているので、サボニウス形羽根車2…をパネル式で取り付ける外装構造のものでありながら、建物1の外観において、縦枠8d,8dが、図5(イ)に示すように、サボニウス形羽根車2…の背後に隠れて目立たちにくくなり、並列方向に配列された複数の風車外装パネル7…で形成されるサボニウス形羽根車2…の群を連続的ですっきりとした外観にすることができる。
また、上記の風車外装構造では、並列方向におけるサボニウス形羽根車間の間隔寸法a、及び、各サボニウス形羽根車の回転外周直径寸法bが、消防用開口部9の幅寸法との関係で統一的に設定されているので、一つの消防用開口部9を、一つのサボニウス形羽根車2の設置を省略するだけで確保することができ、消防用開口部9の確保を、設計においても施工において非常に容易に行うことができ、しかも、消防用開口部9の確保によってサボニウス形羽根車2…の配列が乱されることもない。
また、上記の風車外装構造では、建物1の内部の駐車スペース12と屋外13とが、サボニウス形羽根車2…の群による外装部を介して連通されているので、各サボニウス形羽根車2…に対する風の通りを良くすることができて発電を活発にすることができ、しかも、サボニウス形羽根車2…の群で建物1の内部の駐車スペース12を目隠しすることができる。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、風車外装パネル7として、サボニウス形羽根車2を並列方向に4つ、上下2段備えた8連タイプのものを用いた場合を示しているが、並列方向におけるサボニウス形羽根車の数に制限はないし、段数にも制限はないし、また、パネルの高さ寸法についても制限はない。例えば、図8及び図9に示すサボニウス形羽根車2は、上記の実施形態における風車外装パネル7の半分の高さ寸法を備え、並列方向に4つの1段構成の4連タイプのものからなっており、この風車外装パネルを用いて建物1の外装を形成するようにしてもよいし、上記の実施形態の8連タイプの風車外装パネルとの組み合わせに建物1の外装を形成するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、建物1の外装をサボニウス形羽根車2…の群で形成するための手段として風車外装パネル7を用いた場合を示したが、パネルによらずにサボニウス形羽根車による外装を形成するようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、建物1の内部12と屋外13とが、サボニウス形羽根車2…の群による外装部を介して連通している場合を示しているが、建物に備えられた外壁の屋外側にサボニウス形羽根車2…の群による外装を形成するようにしてもよい。また、本発明の風車外装構造を適用する建物は、自走式立体駐車場建物に限らず、ビルなどをはじめとする各種建物であってもよいことはいうまでもない。
実施形態の風車外装構造を示す正面図である。 図1のI−I線矢視図である。 実施形態の外装構造が適用された建物の正面図である。 図(イ)はサボニウス形羽根車の並列状態を示す正面図、図(ロ)は消防用開口部の部分の正面図である。 風車外装パネルを示すもので、図(イ)は正面側斜視図、図(ロ)は背面側斜視図である。 図(イ)は同風車外装パネルの正面図、図(ロ)は同側面図である。 図(イ)は同平面図、図(ロ)は図7(イ)のII−II線断面矢視図である。 風車外装パネルの他の実施形態を示すもので、図(イ)は正面側斜視図、図(ロ)は背面側斜視図である。 図(イ)は同風車外装パネルの正面図、図(ロ)は同側面図である。
符号の説明
1…自走式立体駐車場建物(建物)
2…サボニウス形羽根車
7…風車外装パネル
8…フレーム
8a,8b,8c…横枠
8d,8d…縦枠
9…消防用開口部
12…駐車スペース(建物内部)
13…屋外

Claims (5)

  1. 発電用のサボニウス形羽根車が風力で回転できるように多数並列状態に配列されて建物の外装を形成していることを特徴とする建物の風車外装構造。
  2. 並列状態に配列された発電用の複数のサボニウス形羽根車と、各サボニウス形羽根車を風力で回転できるように保持するフレームとが備えられ、
    該フレームは、各サボニウス形羽根車の上下の端部を回転可能に保持する横枠と、横枠をつなぐ縦枠とを備え、縦枠が、各サボニウス形羽根車よりも後方に位置して備えられていることを特徴とする風車外装パネル。
  3. 請求項2に記載の風車外装パネルが複数並列状態に設置されて建物の外装を形成していることを特徴とする建物の風車外装構造。
  4. 並列方向におけるサボニウス形羽根車間の間隔寸法、及び、各サボニウス形羽根車の回転外周直径寸法が、いずれか一つのサボニウス形羽根車を省略することで、省略されたサボニウス形羽根車を挟む両サボニウス形羽根車間に消防上進入可能な幅寸法の開口部が形成される寸法に設定され、該サボニウス形羽根車の省略による消防用開口部が備えられている請求項1又は3に記載の建物の風車外装構造。
  5. 前記建物の内部と屋外とが、前記サボニウス形羽根車の群による外装部を介して連通されている請求項1、3及び4のいずれか一に記載の建物の風車外装構造。
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