JP2005314367A - 保湿剤組成物 - Google Patents

保湿剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005314367A
JP2005314367A JP2005067397A JP2005067397A JP2005314367A JP 2005314367 A JP2005314367 A JP 2005314367A JP 2005067397 A JP2005067397 A JP 2005067397A JP 2005067397 A JP2005067397 A JP 2005067397A JP 2005314367 A JP2005314367 A JP 2005314367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urea
mass
stratum corneum
royal jelly
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005067397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Yasushi Kondo
靖 近藤
Shinya Saito
伸也 斎藤
Yoshinori Nishioku
義憲 西奥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2005067397A priority Critical patent/JP2005314367A/ja
Publication of JP2005314367A publication Critical patent/JP2005314367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】角質層の水分保持機能を高め、長時間にわたって水分保持機能が持続し、肌荒れ、乾燥肌、乾癬などの角質層の水分低下に起因する症状の予防及び改善に有効な保湿剤組成物を提供する。
【解決手段】尿素、並びに、イカリ草、シコン及びローヤルゼリーの少なくとも1種を含有することを特徴とする保湿剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、尿素、及びペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)酵素活性化促進作用を有する生薬等との組み合わせによって、角質層の水分保持機能を高め、肌荒れ、乾燥肌、乾癬等の予防・改善に有効な保湿剤組成物に関し、医薬品、医薬部外品、化粧品の分野に応用される。
角質層の水分量は肌の状態と密接に関連し、健康な素肌を保つためには、角質層に適度な水分が保持されていることが必要である。角質層の水分保持には、天然保湿因子(NMF: Natural Moisturizing Factor)の寄与が大きいことが知られており(非特許文献1参照)、NMFの主成分であるアミノ酸は、角質層の水分保持に深く関わっているという報告がある(非特許文献2参照)。
また、角質層のアミノ酸量は加齢、外部環境、化学刺激等によって減少し、角質層の水分保持機能を低下させることが報告されている(非特許文献3参照)。
従来、この水分保持機能を改善するために外用の油剤や保湿剤が提供されてきた。しかしながら、これらの外用剤は角質層に滞留している間は効果を発揮するが、本質的な角質層の水分保持機能の改善には効果がなく、洗浄によっても容易に流出してしまうという問題があった。
近年、角質層のアミノ酸は顆粒層細胞のフィラグリン蛋白の分解物であり、この分解にはPAD酵素が重要な役割を果たしていることが判ってきた。すなわち、フィラグリンのアルギニン残基がPAD酵素によってシトルリン残基になる(脱イミノ化)等の修飾を受けて等電点が酸性側に変化し、フィラグリンがケラチン繊維の間からはずれることにより、分解されてNMFの主成分であるアミノ酸が生成されるのである(非特許文献4参照)。乾癬表皮において、PAD酵素により脱イミノ化されたフィラグリンが殆ど検出されず、アミノ酸量が極めて少ないことから、この反応が角質層の水分保持において極めて重要な意義を持つことが考えられる。
また、尿素はNMFの構成成分の一つであり、保湿剤成分として外用剤に汎用されている。尿素の角質内における保湿機構としては、「水素結合」が挙げられる。この水素結合により、角質内において水分を保持し、皮膚の乾燥を防ぐと考えられる。また、尿素は皮膚表面の余分な角質を除去する作用も有している。角質は互いに水素結合で付着しており、尿素はこれらの水素結合の間に入り込んで構造を破壊する作用を有する。また、尿素は元来生体成分であるため、毒性などの心配が少ないため保湿剤として汎用されている。
平尾哲二,「NMFの最新研究」 Fragrance J. 17 (2000) 河野義行,「保湿・肌荒れ防止用化粧品の有用性と製品開発」J. Soc. Cosmet. Chem. Japan 36 (4) (2002) 正木仁ら,「角層水分と老化」Fragrance J. 8 (1993) 飯塚一ら,「終末角化におけるペプチジルアルギニンデイミナーゼ」日皮会誌111 (5)(2001)
本発明の目的は、角質層の水分保持機能を高め、長時間にわたって水分保持機能が持続し、肌荒れ、乾燥肌、乾癬などの角質層の水分低下に起因する症状の予防及び改善に有効な保湿剤組成物を提供することである。
発明者らは、PAD酵素活性化亢進作用を有する素材を探索し、その結果得られたいくつかの生薬等と尿素を配合した外用剤が優れた水分保持機能を有し、肌荒れ、乾燥肌、乾癬等の予防及び治療に極めて有効であるとの知見を得た。
かかる知見に基づき完成した本発明は、尿素、並びに、イカリ草、シコン及びローヤルゼリーの少なくとも1種を含有することを特徴とする保湿剤組成物である。
本発明の他の態様は、尿素1質量部に対して、イカリ草を0.01〜1質量部含有する保湿剤組成物である。
本発明の他の態様は、尿素1質量部に対して、シコンを0.01〜1質量部含有する保湿剤組成物である。
本発明の他の態様は、尿素1質量部に対して、ローヤルゼリーを0.01〜5質量部含有する保湿剤組成物である。
本発明の他の態様は、皮膚適用外用剤である前記各保湿剤組成物である。
本発明により、安全で、角質層の水分保持機能を高め、長時間にわたって水分保持機能が持続し、肌荒れ、乾燥肌、乾癬などの角質層の水分低下に起因する症状の予防及び改善に有効な保湿剤組成物を提供することが可能となった。
「尿素」の含有量は、保湿剤組成物中5〜30質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。
「イカリ草」とは、メギ科(Berberidaceae)のシロバナイカリ草,ホザキイカリソウなどの葉または全草である。イカリ草の含有量は、原生薬に換算して、尿素1質量部に対して0.01〜1質量部であり、好ましくは0.05〜0.5質量部である。
「シコン」とは、ムラサキ科(Boragina-ceae)のムラサキの根である。シコンの含有量は、原生薬に換算して、尿素1質量部に対して0.01〜1質量部であり、好ましくは0.05〜0.5質量部である。
イカリ草及びシコンは、通常、原生薬ではなく、エキスとして用いられる。エキスは、生薬抽出物、濃縮エキス、乾燥エキスなどいずれの形態も含む。エキスは抽出溶媒として水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど)、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、それらの混液などを用いて通常の方法で製造することができる。
「ローヤルゼリー」とは、栄養価の高い生薬あるいは健康食品として古くから利用されてきた天然物であり、その抗腫瘍作用、創傷治癒促進、血清コレステロールおよび脂質低下作用、血流増加および血圧降下作用、性中枢老化防止作用、抗菌作用、体重増加および成長促進作用、放射線および化学療法剤の副作用軽減作用、慢性疾患に対する作用などの種々の生理作用が、多くの文献により報告されている。ローヤルゼリーは働き蜂の咽喉腺から分泌され、女王蜂だけの餌であり、その組成は、水分が約65%、蛋白質は9〜17%、脂質が3〜8%、糖質が約12%と報告されている。この中に含まれるローヤルゼリー特有の成分は、デセン酸、パロチン様物質、ビオプテリンなどが知られているが、個々の成分だけの生理活性作用ではなく、含有されている多くの栄養素が相乗的に作用して、生体機能に対して有効に働くと報告されている(New Food Industry,VOL3,No3,54,(1994))。ローヤルゼリーの含有量は、尿素1質量部に対して0.01〜5質量部であり、好ましくは0.05〜3質量部である。
イカリ草、シコン及びローヤルゼリーは、いずれか1種を配合してもよく、また、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の保湿剤組成物は、例えば、尿素及びイカリ草エキスを精製水、低級アルコール、多価アルコール、界面活性剤等に溶解あるいは分散させて外用剤(例えば、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤)として提供できる。
その際、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有効成分として、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、ビタミン剤等を配合することができる。また、pH調節剤、清涼化剤、増粘剤、安定化剤、乳化剤、防腐剤、溶解補助剤等の公知の添加剤を配合してもよい。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
尿素 20g
ローヤルゼリー 0.5g
軽質流動パラフィン 30g
ミリスチン酸イソプロピル 5g
1,3−ブチレングリコール 10g
セトステアリルアルコール 5g
モノステアリン酸ソルビタン 5g
ポリソルベート60 5g
BHT 0.05g
精製水 適量
以上の成分にて真空乳化機を用いて乳化し、全量100gのクリーム剤を調製した。
実施例2
尿素 10g
イカリ草エキス 0.1g
カルボキシビニルポリマー 1g
水酸化ナトリウム 0.3g
ポリソルベート80 2g
エタノール 10g
精製水 適量
以上の成分にて真空乳化機を用いて攪拌し、全量100gのゲル剤を調製した。
実施例3
尿素 20g
シコンエキス 0.2g
シリコン油 0.1g
パルミチン酸デキストリン 15g
白色ワセリン 20g
スクワラン 25g
中鎖脂肪酸トリグリセリド 適量
以上の成分にて真空乳化機を用いて攪拌し、全量100gの軟膏剤を調製した。
比較例1
実施例1から尿素を除いた処方で、実施例1に準拠し、全量100gのクリーム剤を調製した。
比較例2
実施例1からローヤルゼリーを除いた処方で、実施例1に準拠し、全量100gのクリーム剤を調製した。
比較例3
実施例1から尿素及びローヤルゼリーを除いた処方で、実施例1に準拠し、全量100gのクリーム剤を調製した。
試験例1 ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)の活性測定
PADは、「アルギニン残基+水 → シトルリン残基+アンモニア」という反応を触媒することが知られている。
そこで、PAD活性は下表1に示した反応液を用いて55℃で30分反応させた後、0.1mLの60%過塩素酸を添加して反応を停止させ、0.2mLの75mM 2,3−ブタンジオンモノオキシム(BMO)にてシトルリン残基を発色させて、吸光度(λ490nm)を測定した。
それぞれの0.1mg/mL供試料液(50%エタノール水溶液)についてPAD活性を比較評価した。なお、対照は50%エタノール水溶液とした。
Figure 2005314367
下表2は本発明におけるイカリ草、シコン、ローヤルゼリーを添加した場合のPAD活性を測定した結果である。吸光度の有意な上昇が認められたものに対して、PADの活性化剤及び保湿剤として有効な素材であることが認められた。
Figure 2005314367
試験例2 保湿効果の評価
実施例1及び比較例1〜3で調製したクリーム剤を専門パネル(3名)の上腕部に適量を1日2回、5日間連続塗布し、最終塗布から6時間経過後の保湿効果(しっとり感)について評価した。結果を下表3に示す。
なお、評価スコアは次のとおりである。
評価スコア
4:しっとり感が充分にある
3:しっとり感がある
2:しっとり感がほとんどない
1:しっとり感がない
Figure 2005314367
本発明を利用して、肌荒れ、乾燥肌、乾癬などの予防及び改善に有効なクリーム剤、ゲル剤、軟膏剤等の皮膚適用外用剤の開発が期待される。

Claims (5)

  1. 尿素、並びに、イカリ草、シコン及びローヤルゼリーの少なくとも1種を含有することを特徴とする保湿剤組成物。
  2. 尿素1質量部に対して、イカリ草を0.01〜1質量部含有する保湿剤組成物。
  3. 尿素1質量部に対して、シコンを0.01〜1質量部含有する保湿剤組成物。
  4. 尿素1質量部に対して、ローヤルゼリーを0.01〜5質量部含有する保湿剤組成物。
  5. 皮膚適用外用剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の保湿剤組成物。
JP2005067397A 2004-03-31 2005-03-10 保湿剤組成物 Pending JP2005314367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005067397A JP2005314367A (ja) 2004-03-31 2005-03-10 保湿剤組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004104005 2004-03-31
JP2005067397A JP2005314367A (ja) 2004-03-31 2005-03-10 保湿剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005314367A true JP2005314367A (ja) 2005-11-10

Family

ID=35442153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005067397A Pending JP2005314367A (ja) 2004-03-31 2005-03-10 保湿剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005314367A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016337A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Maruzen Pharmaceut Co Ltd フィラグリン産生促進剤及び皮膚化粧料
JP2009517461A (ja) * 2005-11-30 2009-04-30 株式會社アモーレパシフィック イカリイン加水分解物を含有する化粧料用組成物
WO2010126102A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 株式会社資生堂 カルボキシアミド誘導体及び/またはその塩を活性成分とするscca-1産生抑制剤
KR20140038401A (ko) * 2011-04-11 2014-03-28 삐에르화브르데르모-코스메띠끄 표피에서의 펩티딜 아르기닌 탈이미나제 1 및/또는 3 활성인자 화합물들 및 그들의 용도들

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016337A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Maruzen Pharmaceut Co Ltd フィラグリン産生促進剤及び皮膚化粧料
JP2009517461A (ja) * 2005-11-30 2009-04-30 株式會社アモーレパシフィック イカリイン加水分解物を含有する化粧料用組成物
WO2010126102A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 株式会社資生堂 カルボキシアミド誘導体及び/またはその塩を活性成分とするscca-1産生抑制剤
KR20140038401A (ko) * 2011-04-11 2014-03-28 삐에르화브르데르모-코스메띠끄 표피에서의 펩티딜 아르기닌 탈이미나제 1 및/또는 3 활성인자 화합물들 및 그들의 용도들
JP2014510773A (ja) * 2011-04-11 2014-05-01 ピエール、ファブレ、デルモ‐コスメティーク 表皮におけるペプチジルアルギニンデイミナーゼ1および/または3アクチベーター化合物およびその使用
KR101986979B1 (ko) * 2011-04-11 2019-06-07 삐에르화브르데르모-코스메띠끄 표피에서의 펩티딜 아르기닌 탈이미나제 1 및/또는 3 활성인자 화합물들 및 그들의 용도들

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5425489B2 (ja) ホスホリパーゼa2の酵素活性を阻害するのに有効である可能性がある物質の活性の試験方法
JP4564471B2 (ja) 外用に適する組成物
US7220427B2 (en) Mixture for transdermal delivery of low and high molecular weight compounds
EP0414605A1 (fr) Compositions pharmaceutiques de type pâtes à l'eau
JPH09143063A (ja) 外用に適する組成物
CN114159347B (zh) 一种具有美白修复效果的组合物及其制备方法和应用
JPH03157334A (ja) スーパーオキサイド消去剤
JPH07277939A (ja) 皮膚外用剤
JP2001206835A (ja) コラーゲン合成促進剤及びコラーゲン代謝賦活剤
JP2005314367A (ja) 保湿剤組成物
US6340456B1 (en) Use of a flavonoid extract of ginkgo biloba substantially devoid of terpenes, in the dentibuccal field, and composition containing such extract
JP2003128531A (ja) 皮膚外用剤
US11878008B2 (en) Composition for preventing or treating atopic dermatitis
JP3263409B2 (ja) 皮膚外用剤
JP3881411B2 (ja) 外用に適する組成物
JP3273812B2 (ja) 化粧料
JP2009084212A (ja) インボルクリン産生促進剤
JPS62179587A (ja) タマネギを主原料とする抗酸化剤
JP3235919B2 (ja) 化粧料
JPH10175868A (ja) 津液改善組成物
JP3101090B2 (ja) 皮膚外用剤
JP2000212058A (ja) 皮膚化粧料、活性酸素消去剤、エラスタ―ゼ阻害剤およびコラゲナ―ゼ阻害剤
JP2884213B2 (ja) 細胞膜老化改善剤
JPS5913709A (ja) モイスチヤライザ−
JPH107581A (ja) アルギナーゼ活性促進剤