JP2005313082A - 金属製触媒担体 - Google Patents

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【課題】 外筒内にハニカム構造体を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体の変形や破損を防止しつつ圧入作業の効率を高めることができる金属製触媒担体の提供。
【解決手段】 薄板の波板11と平板12を交互に多重に重ねて各波板11と平板12との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成され、波板11と平板12に複数のスリット孔11a、12aが形成されたハニカム構造体1において、ハニカム構造体1の最外周面を構成する平板12部分aに形成されるスリット孔12bの単位面積当たりの合計開口面積が、その他の平板12および波板11に形成されるスリット孔12a、11aの単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるように構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関等の排気系に装着する金属製触媒担体に関する。
従来の金属製触媒担体として、金属製薄板の波板(大波板)と平板(または小波板)を交互に重ねて多重に巻回して波板と平板との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成されたハニカム構造体とし、前記波板と平板のうち少なくともいずれか一方に所定間隔のもとに複数のスリット孔を形成することにより、セル通路内を通過する排気ガスに対し乱流を積極的に起こさせて排気ガスが波板と平板の表面にコーティングされた触媒に接触する機会をできるだけ増やし、これにより、排気ガス浄化性能を向上させるようにした構造のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、以上のように構成されたハニカム構造体は、金属製の外筒内に圧入装着されている。ハニカム構造体は、相対移動が防止された状態で外筒内に保持される必要があり、このため、ハニカム構造体と外筒とは一般にロウ付け接合により一体化されている。ところで、ハニカム構造体と外筒とをロウ付け接合するには、ロウ材を介して両者が圧接されていることが必要であるが、巻回して形成されるハニカム構造体の外径と外筒の内径とを精度よく一致させることは困難であるため、ハニカム構造体の外径を外筒の内径より大きく形成しておき、ハニカム構造体を縮径しながら外筒内に圧入するようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−143693号公報 (第2頁、図4−6) 特開平6−47284号公報 (第2頁、図1)
しかしながら、従来例では、上述のように、外筒に対しその内径より外径が大きく形成されたハニカム構造体を圧入する際に、相対摺動面に大きな摩擦抵抗が作用するため、圧入作業に時間がかかるだけでなく、ハニカム構造体に変形や破損を生じさせる虞があるという問題点があった。
本発明の解決しようとする課題は、外筒内にハニカム構造体を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体の変形や破損を防止しつつ圧入作業の効率を高めることができる金属製触媒担体を提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1記載の金属製触媒担体は、薄板の大波板と小波板または平板を交互に多重に重ねて該各大波板と小波板または平板との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成され、前記大波板と小波板または平板のうち少なくともいずれか一方に複数のスリット孔が形成されたハニカム構造体において、前記大波板と小波板または平板のうち、前記ハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に形成される前記スリット孔の単位面積当たりの合計開口面積が、その他の板に形成される前記スリット孔の単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるように構成されていることを特徴とする手段とした。
請求項2記載の金属製触媒担体は、請求項1に記載の金属製触媒担体において、前記ハニカム構造体の最外周面が大波板で構成されていることを特徴とする手段とした。
請求項3記載の金属製触媒担体は、請求項1または2に記載の金属製触媒担体において、前記ハニカム構造体の最外周面に巻き付け固定される板部分がその他の板部分とは別体に形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項4記載の金属製触媒担体は、薄板の大波板と小波板または平板を交互に多重に重ねて該各大波板と小波板または平板との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成されたハニカム構造体において、前記大波板と小波板または平板のうち前記ハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に複数のスリット孔が形成されていることを特徴とする手段とした。
請求項1記載の金属製触媒担体では、上述のように、前記大波板と小波板または平板のうち、ハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に形成されるスリット孔の単位面積当たりの合計開口面積が、その他の板に形成されるスリット孔の単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるように構成することにより、外筒の内周面と接するハニカム構造体の外周面の面積が少なくなって外筒の内周面との摺動抵抗が低減されるため、外筒内にハニカム構造体を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体の変形や破損を防止しつつ圧入作業の効率を高めることができるようになるという効果が得られる。
請求項2記載の金属製触媒担体では、上述のように、前記ハニカム構造体の最外周面が大波板で構成されることにより、外筒の内周面と接するハニカム構造体の外周面の面積がさらに少なくなって、外筒の内周面との摺動抵抗が大幅に低減されるため、外筒内にハニカム構造体を圧入する作業をさらにスムーズに行うことができるようになる。
請求項3記載の金属製触媒担体では、上述のように、前記ハニカム構造体の最外周面に巻き付け固定される板部分がその他の板部分とは別体に形成されることにより、一枚の板に異なるパターンまたは大きさのスリット孔を開ける必要がないため、加工コストを低減できるようになる。
請求項4記載の金属製触媒担体では、上述のように、前記大波板と小波板または平板のうちハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に複数のスリット孔が形成されることにより、外筒の内周面と接するハニカム構造体の外周面の面積が少なくなって外筒の内周面との摺動抵抗が低減されるため、外筒内にハニカム構造体を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体の変形や破損を防止しつつ圧入作業の効率を高めることができるようになるという効果が得られる。
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1の金属製触媒担体は、請求項1に記載の発明に対応する。
まず、この実施例1の金属製触媒担体を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施例1の金属製触媒担体を示す一部切欠斜視図、図2は金属製触媒担体を構成するハニカム構造体示す斜視図、図3は波板と平板を重ねて巻回する途中の状態を示す斜視図である。
この実施例1の金属製触媒担体Aは、ハニカム構造体1と、ロー箔材2と、外筒3とで構成されている。
前記ハニカム構造体1は、主に図2、3に示すように、数十ミクロンの金属製薄板の波板(大波板)11と平板(小波板または平板)12を交互に重ね、平板12を外側にして多重に巻回したハニカム状に形成され、このハニカム通路(セル通路)表面には、アルミナ等からなる触媒担持体層が形成され、この触媒担体層に触媒成分が担持されることにより、排ガス浄化触媒とされ、内燃機関の排気経路に配置されることにより、排気ガス中のHC、CO、NOx等(反応物質)を触媒反応で浄化させ、生成物質(HO、CO、N)として排出させる働きをする。
前記波板11には波状に成形する前に予め所定間隔のもとに所定長さにて複数のスリット孔11aが形成される一方、前記平板12にも所定間隔のもとに複数のスリット孔12aが形成されている。
即ち、金属製触媒担体Aにおいて、排気ガス浄化性能を向上させるためには、ハニカム通路(セル通路)内を通過する排気ガスに対し乱流を積極的に起こさせて、排気ガスが触媒に接触する機会をできるだけ増やすことが有効であり、このため、波板11および平板12にセル通路に対し直行する方向に長い多数のスリット孔11a、12aを開けて波板11と平板12で仕切られたセル通路相互間の流通を可能とし、ハニカム通路内における排気ガスの流れを幅方向により多く乱流化させることにより、排気ガス浄化性能を向上させるようになっている。
そして、この実施例1では、図3に示すように、前記ハニカム構造体1の最外周面を構成する平板12部分に形成される前記スリット孔12bの単位面積当たりの合計開口面積が、その他の平板12および波板11に形成されるスリット孔12a、11aの単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるようにその孔径が大きくかつ数多く形成されている。
前記ロー箔材2は、図1に示すように、前記ハニカム構造体1を前記外筒3に圧入装着する前に、ハニカム構造体1の下流側外周面に巻回しておくもので、この実施例1では、このロー箔材2が、ハニカム構造体1における排気ガス流出側(図において左側)端部寄りの中途部に部分的に巻回されている。
前記外筒3は、1〜2ミリの板厚のSUS430のフェライト系ステンレス板材等で円筒状に形成されており、この外筒3内に前記ハニカム構造体1が圧入装着される。
次に、この実施例1の金属製触媒担体の作用・効果を説明する。
この実施例1の金属製触媒担体Aは、上述のように、ハニカム構造体1の最外周面を構成する平板12部分に形成されるスリット孔12bの単位面積当たりの合計開口面積が、その他の平板12および波板11に形成されるスリット孔12a、11aの単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるようにその孔径が大きくかつ数多く形成されることにより、外筒3内にハニカム構造体1を圧入装着する際に、外筒3の内周面と接するハニカム構造体1の外周面の面積が少なくなって外筒3の内周面との摺動抵抗が低減された状態となるもので、その結果、外筒3内にハニカム構造体1を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体1の変形や破損を防止することができると共に、圧入作業の効率を高めることができるようになるという効果が得られる。
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
この実施例2の金属製触媒担体は、請求項2に記載の発明に対応する。
即ち、この実施例2は、図4に示すように、前記ハニカム構造体1の最外周面が波板11で構成されている点が前記実施例1とは相違したものである。
従って、この実施例2では、外筒3の内周面と接するハニカム構造体1の外周面の面積がさらに少なくなって、外筒3の内周面との摺動抵抗が大幅に低減されるため、外筒3内にハニカム構造体1を圧入する作業をさらにスムーズに行うことができるようになる。
この実施例3の金属製触媒担体は、請求項3に記載の発明に対応する。
即ち、この実施例3は、図5に示すように、前記ハニカム構造体1の最外周面に巻き付け固定される平板12部分aがその他の平板12とは別体に形成されている点が前記実施例1、2とは相違したものである。
従って、この実施例3では、一枚の板に異なるパターンまたは大きさのスリット孔を開ける必要がないため、加工コストを低減できるようになる。
この実施例4の金属製触媒担体は、請求項4に記載の発明に対応する。
即ち、この実施例4は、図6に示すように、前記ハニカム構造体1の最外周面に巻き付け固定される平板12部分aだけにスリット孔12bが形成されている点が前記実施例1〜3とは相違したものである。
従って、この実施例4では、前記実施例1と同様に、外筒3内にハニカム構造体1を圧入装着する際に、外筒3の内周面と接するハニカム構造体1の外周面の面積が少なくなって外筒3の内周面との摺動抵抗が低減された状態となるもので、その結果、外筒3内にハニカム構造体1を圧入する作業をスムーズに行うことができ、これにより、ハニカム構造体1の変形や破損を防止することができると共に、圧入作業の効率を高めることができるようになるという効果が得られる。
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、金属製触媒担体Aとして、波板11と平板12を交互に多重に巻回した構造のものを例にとったが、金属製触媒担体Aの具体的構成は任意であり、例えば、大波板と小波板とを交互に多重に重ねることにより、金属製触媒担体Aを形成したものであってもよい。
また実施例1〜3では波板11と平板12の両方にスリット孔11a、12aを形成したが、いずれか一方であってもよい。
実施例1の金属製触媒担体を示す一部切欠斜視図である。 実施例1の金属製触媒担体が適用されるハニカム構造体を示す斜視図である。 波板と平板を重ねて巻回する途中の状態を示す斜視図である。 実施例2の金属製触媒担体における波板と平板を重ねて巻回する途中の状態を示す斜視図である。 実施例3の金属製触媒担体における波板と平板を重ねて巻回する途中の状態を示す斜視図である。 実施例4の金属製触媒担体における波板と平板を重ねて巻回する途中の状態を示す斜視図である。
符号の説明
A 金属製触媒担体
1 ハニカム構造体
11 波板(大波板)
11a スリット孔
12 平板(小波板または平板)
12a スリット孔
12b スリット孔
2 ロー箔材
3 外筒

Claims (4)

  1. 薄板の大波板と小波板または平板を交互に多重に重ねて該各大波板と小波板または平板との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成され、前記大波板と小波板または平板のうち少なくともいずれか一方に複数のスリット孔が形成されたハニカム構造体において、
    前記大波板と小波板または平板のうち、前記ハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に形成される前記スリット孔の単位面積当たりの合計開口面積が、その他の板に形成される前記スリット孔の単位面積当たりの合計開口面積よりも広くなるように構成されていることを特徴とする金属製触媒担体。
  2. 請求項1に記載の金属製触媒担体において、前記ハニカム構造体の最外周面が大波板で構成されていることを特徴とする金属製触媒担体。
  3. 請求項1または2に記載の金属製触媒担体において、前記ハニカム構造体の最外周面に巻き付け固定される板部分がその他の板部分とは別体に形成されていることを特徴とする金属製触媒担体。
  4. 薄板の大波板と小波板または平板を交互に多重に重ねて該各大波板と小波板または平板との間に排気ガスが通過する多数のセル通路が形成されたハニカム構造体において、
    前記大波板と小波板または平板のうち前記ハニカム構造体の最外周面を構成する板部分に複数のスリット孔が形成されていることを特徴とする金属製触媒担体。
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