JP2005313034A - 給水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸化剤除去部の洗浄動作を行いつつも処理水を生成することができる給水システムを提供する。
【解決手段】 ボイラ2へ給水を供給するための給水システム3であって、給水を流す給水ライン4を備え、給水ライン4に濾過処理部12を接続し、濾過処理部12の上流側の給水ライン4に、複数の活性炭濾過処理部7,8を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原水を改質して生成された処理水を給水として熱機器、水処理機器等の機器へ供給する給水システムに関する。
例えば、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等の熱機器には、原水から不純物等や溶存気体を除去し改質した処理水が使用されている。
従来、前記原水を改質して生成された処理水を熱機器へ供給する給水システムとしては、一般に逆浸透膜を用いた逆浸透膜部により原水中に含まれている不純物等を濾過し、次に水中の溶存気体を脱気処理部によって除去するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−220480号公報
ところで、給水中には、給水ラインにおいて繁殖あるいは増殖する可能性がある微生物等の細菌を殺菌するための次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤が添加される。しかしながら、給水中にこのような次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤、すなわち残留塩素が含まれていると、前記逆浸透膜は、かかる残留塩素により酸化されて濾過能力が早期に劣化してしまうおそれがある。
そこで、給水中の残留塩素による逆浸透膜の濾過能力の早期劣化を防止するため、逆浸透膜部よりも上流側の給水ライン上に、酸化剤除去部として、例えば活性炭を用いて酸化剤を吸着除去する活性炭濾過装置を接続することが考えられる。
このような活性炭濾過装置を給水ラインに接続した場合、給水ラインを流れる給水中に含まれるごみなどの非溶解物が前記活性炭濾過装置の活性炭に付着することから、定期的に、給水を一時的に止め前記活性炭を洗浄する必要がある。
一方、前記給水ラインには、熱機器内でのスケール付着を防止する必要から、硬度成分除去部として、例えばイオン交換樹脂を用いて硬度成分を除去する軟水化装置を接続することが考えられる。
かかる軟水化装置は、給水中に含まれる硬度成分であるCa2+或いはMg2+等の金属陽イオンをイオン交換樹脂によってNaと置換させ、硬度成分を除くものであり、前記イオン交換樹脂が陽イオンと置換して飽和状態になり、硬度成分の除去能力を失った場合には、一時的に給水を止め、塩水を反応させてその能力を再生する必要がある。
上述のような活性炭濾過装置の洗浄動作中、および軟水化装置の再生動作中には、一時的に給水を止める必要があり、処理水が生成されなくなる。したがって、24時間昼夜問わずに連続運転を行う場合、熱機器へ供給するための給水が足りなくなるおそれがある。このような問題に対処するためには、熱機器へ供給するための給水を貯留する給水タンクの容量を大きくすることも考えられるが、コストや設置スペースの問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、酸化剤除去部の洗浄動作を行いつつも処理水を生成することができる給水システムを提供することである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、硬度成分除去部の再生動作を行いつつも処理水を生成することができる給水システムを提供することである。
この発明は前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明では、前記給水ライン上に複数接続した酸化剤除去部のうち、通水状態にある酸化剤除去部により、給水中に溶存している酸化剤を除去することができるとともに、通水停止状態にある酸化剤除去部の洗浄を行うことができる。
そして、通水状態にある酸化剤除去部によって酸化剤が除去された給水は、前記濾過処理部へ供給され、濾過処理部では、供給された給水中に含まれる不純物が除去される。
請求項2に記載の発明は、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴とする。
このような請求項2に記載の発明では、前記給水ライン上に複数接続した硬度成分除去部のうち、通水状態にある硬度成分除去部により、給水中に含まれる硬度成分を除去して軟水化させることができるとともに、通水停止状態にある硬度成分除去部の再生を行うことができる。
そして、通水状態にある硬度成分除去部によって硬度成分が除去された給水は、前記濾過処理部へ供給され、濾過処理部では、供給された給水中に含まれる不純物が除去される。
請求項3に記載の発明は、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続するとともに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴とする。
このような請求項3に記載の発明では、前記給水ライン上に複数接続した酸化剤除去部のうち、通水状態にある酸化剤除去部により、給水中に溶存している酸化剤を除去することができるとともに、通水停止状態にある酸化剤除去部の洗浄を行うことができる。さらに、前記給水ライン上に複数接続した硬度成分除去部のうち、通水状態にある硬度成分除去部により、給水中に含まれる硬度成分を除去して軟水化させることができるとともに、通水停止状態にある硬度成分除去部の再生を行うことができる。
そして、通水状態にある酸化剤除去部によって酸化剤が除去されるとともに通水状態にある硬度成分除去部によって硬度成分が除去された給水は、前記濾過処理部へ供給され、濾過処理部では、供給された給水中に含まれる不純物が除去される。
請求項4に記載の発明は、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、通水状態と通水停止状態とを切替可能な酸化剤除去部を接続し、該酸化剤除去部と前記濾過処理部の間の給水ラインに、カートリッジ式の活性炭フィルタを備えるカートリッジ式酸化剤除去部を接続し、前記酸化剤除去部の通水停止時に該酸化剤除去部をバイパスして前記カートリッジ式酸化剤除去部の上流側へと前記給水を流すバイパス手段を設けたことを特徴とする。
このような請求項4に記載の発明では、通水状態にある前記酸化剤除去部によって給水中に溶存している酸化剤を除去することができる。そして、前記酸化剤除去部の洗浄を行う場合には、該酸化剤除去部への通水を停止するとともに、前記バイパス手段によって給水をバイパスさせる。バイパス手段によってバイパスされた給水は、前記カートリッジ式酸化剤除去部によって酸化剤を除去することができる。そして、前記酸化剤除去部の洗浄が終了した場合には、該酸化剤除去部に再び通水して酸化剤の除去を行う。前記カートリッジ式酸化剤除去部の活性炭フィルタは、酸化剤除去部が通水状態にあるときに、交換する。
そして、酸化剤除去部或いはカートリッジ式酸化剤除去部によって酸化剤が除去された給水は、前記濾過処理部へ供給され、濾過処理部では、供給された給水中に含まれる不純物が除去される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の前記濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続したことを特徴とする。
このような請求項5に記載の発明では、前記給水ライン上に複数接続した硬度成分除去部のうち、通水状態にある硬度成分除去部により、給水中に含まれる硬度成分を除去して軟水化させることができるとともに、通水停止状態にある硬度成分除去部の再生を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1,2,3,4または5に記載の前記濾過処理部の下流側の前記給水ラインに、脱気処理部を備えたことを特徴とする。
このような請求項6に記載の発明では、濾過処理部を透過した透過水中に含まれる溶存気体が除去される。これにより、不純物等が除去され、かつ脱気された処理水が生成される。
請求項1に記載の発明によれば、酸化剤除去部の洗浄動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
請求項2に記載の発明によれば、硬度成分除去部の再生動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
請求項3に記載の発明によれば、酸化剤除去部および硬度成分除去部の洗浄、再生動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
請求項4に記載の発明によれば、酸化剤除去部の洗浄動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。また、前記活性炭フィルタは、カートリッジ式で交換が容易であり、さらに設置スペースをとらず取付も容易に行えて設置コストを低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の効果に加えて、硬度成分の除去が可能であるという効果があり、なおかつ、硬度成分除去部の再生動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
請求項6に記載の発明によれば、機器へ供給される給水中の溶存気体が除去されていることから、機器の腐食抑制効果を向上させることができる。
以下、本発明に係る給水システムを実施するための最良の形態を説明する。
(実施の形態1)
本例の給水システムは、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴としている。
前記機器としては、熱機器や水処理機器が挙げられる。熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられ、水処理機器としては、半導体製造における電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等を行う各種洗浄装置等が挙げられ、本例の給水システムは、これらの機器に適用することができる。
前記濾過処理部は、濾過膜により、給水中に含まれる不純物の除去を行う。濾過膜としては、ナノ濾過膜やRO膜などを挙げることができる。
前記酸化剤除去部は、給水に溶存している次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を吸着除去するためのものである。酸化剤除去部としては、活性炭によって酸化剤を吸着除去するものが挙げられる。かかる酸化剤除去部は、給水ラインに通水状態と通水停止状態とを切替可能に複数接続されており、通水状態にある酸化剤除去部により、給水中に溶存している酸化剤を除去することができ、通水停止状態にある酸化剤除去部の洗浄を行うことができるものとなる。そして、通水状態にある酸化剤除去部によって酸化剤が除去された給水は、前記濾過処理部に供給されて不純物が除去される。そして、このようにして生成された処理水が、前記機器へ供給される。
本例の給水システムにおいては、濾過処理部の下流側の給水ラインに、脱気処理部を備えることが好適である。
この脱気処理部において、濾過処理部を透過した透過水中に含まれる溶存気体が除去される。これにより、不純物等が除去され、かつ脱気された処理水が生成され、この処理水が給水として機器へ供給される。
以上のような本例の給水システムによれば、酸化剤除去部の洗浄動作を行いつつも、処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
(実施の形態2)
本例の給水システムは、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴としている。
前記機器としては、実施の形態1と同様、熱機器や水処理機器が挙げられる。熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられ、水処理機器としては、半導体製造における電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等を行う各種洗浄装置等が挙げられ、本例の給水システムは、これらの機器に適用することができる。また、前記濾過処理部も、実施の形態1と同様、ナノ濾過膜やRO膜などの濾過膜により、給水中に含まれる不純物の除去を行う。
前記硬度成分除去部は、給水中に含まれるCa2+或いはMg2+等の硬度成分をイオン交換樹脂によって除去するものが挙げられる。かかる硬度成分除去部は、給水ラインに通水状態と通水停止状態とを切替可能に複数接続されており、通水状態にある硬度成分除去部により、給水中に溶存している硬度成分を除去することができ、通水停止状態にある硬度成分除去部の再生を行うことができるものとなる。そして、通水状態にある硬度成分除去部によって硬度成分が除去された給水は、前記濾過処理部に供給されて不純物が除去される。そして、このようにして生成された処理水が、前記機器へ供給される。
本例の給水システムにおいては、実施の形態1と同様、濾過処理部の下流側の給水ラインに、脱気処理部を備えることが好適である。この脱気処理部において、濾過処理部を透過した透過水中に含まれる溶存気体が除去される。これにより、不純物等が除去され、かつ脱気された処理水が生成され、この処理水が給水として機器へ供給される。
以上のような本例の給水システムによれば、硬度成分除去部の再生動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
(実施の形態3)
本例の給水システムは、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続するとともに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成したことを特徴としている。
前記機器としては、実施の形態1と同様、熱機器や水処理機器が挙げられる。熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられ、水処理機器としては、半導体製造における電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等を行う各種洗浄装置等が挙げられ、本例の給水システムは、これらの機器に適用することができる。また、前記濾過処理部も、実施の形態1と同様、ナノ濾過膜やRO膜などの濾過膜により、給水中に含まれる不純物の除去を行う。
前記酸化剤除去部は、給水に溶存している次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を吸着除去するためのものである。酸化剤除去部としては、活性炭によって酸化剤を吸着除去するものが挙げられる。前記硬度成分除去部としては、給水中に含まれるCa2+或いはMg2+等の硬度成分をイオン交換樹脂によって除去するものが挙げられる。
そして、本例では、複数の酸化剤除去部と複数の硬度成分除去部が通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続されており、これにより、通水状態にある酸化剤除去部および硬度成分除去部によって酸化剤と硬度成分を除去することができ、通水停止状態にある酸化剤除去部および硬度成分除去部の洗浄、再生を行うことができるものとなる。そして、通水状態にある酸化剤除去部および硬度成分除去部によって酸化剤と硬度成分とが除去された給水は、前記濾過処理部へ供給されて不純物が除去される。そして、このようにして生成された処理水が、前記機器へ供給される。
本例の給水システムにおいては、実施の形態1と同様、濾過処理部の下流側の給水ラインに、脱気処理部を備えることが好適である。この脱気処理部において、濾過処理部を透過した透過水中に含まれる溶存気体が除去される。これにより、不純物等が除去され、かつ脱気された処理水が生成され、この処理水が給水として機器へ供給される。
以上のような本例の給水システムによれば、酸化剤除去部および硬度成分除去部の洗浄、再生動作を行いつつも処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
(実施の形態4)
本例の給水システムは、機器へ給水を供給するための給水システムであって、前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、通水状態と通水停止状態とを切替可能な酸化剤除去部を接続し、該酸化剤除去部と前記濾過処理部の間の給水ラインに、カートリッジ式の活性炭フィルタを備えるカートリッジ式酸化剤除去部を接続し、前記酸化剤除去部の通水停止時に該酸化剤除去部をバイパスして前記カートリッジ式酸化剤除去部の上流側へと前記給水を流すバイパス手段を設けたことを特徴としている。
前記機器としては、実施の形態1と同様、熱機器や水処理機器が挙げられる。熱機器としては、蒸気ボイラ、温水ボイラ、クーリングタワー、給湯器等が挙げられ、水処理機器としては、半導体製造における電子部品の洗浄、医療器具の洗浄等を行う各種洗浄装置等が挙げられ、本例の給水システムは、これらの機器に適用することができる。また、前記濾過処理部も、実施の形態1と同様、ナノ濾過膜やRO膜などの濾過膜により、給水中に含まれる不純物の除去を行う。
前記酸化剤除去部は、給水に溶存している次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を吸着除去するためのものである。酸化剤除去部としては、活性炭によって酸化剤を吸着除去するものが挙げられる。また、前記カートリッジ式酸化剤除去部は、活性炭フィルタにより、給水に溶存している酸化剤を吸着除去する。
本例では、通水状態にある前記酸化剤除去部によって給水中に溶存している酸化剤を除去することができる。酸化剤除去部によって酸化剤が除去された給水は、前記濾過処理部へと供給され、濾過処理部では給水中に含まれる不純物が除去される。
前記酸化剤除去部の洗浄を行う場合には、該酸化剤除去部への通水を停止するとともに、前記バイパス手段によって給水をバイパスさせる。バイパス手段によってバイパスされた給水は、前記カートリッジ式酸化剤除去部によって酸化剤が除去される。そして、カートリッジ式酸化剤除去部によって酸化剤が除去された給水が前記濾過処理部へ供給され、不純物が除去される。
前記酸化剤除去部の洗浄が終了した場合には、該酸化剤除去部に再び通水して酸化剤の除去を行う。前記カートリッジ式酸化剤除去部の活性炭フィルタは、酸化剤除去部が通水状態にあるときに交換する。
本例の給水システムにおいては、前記濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続することが好適である。硬度成分除去部としては硬度成分をイオン交換樹脂によって除去するものが挙げられ、このような硬度成分除去部のうち、通水状態にある硬度成分除去部により、給水中に含まれる硬度成分を除去して軟水化させることができるとともに、通水停止状態にある硬度成分除去部の再生を行うことができる。
また、前記本例の給水システムにおいては、実施の形態1と同様、濾過処理部の下流側の給水ラインに、脱気処理部を備えることが好適である。この脱気処理部において、濾過処理部を透過した透過水中に含まれる溶存気体が除去される。これにより、不純物等が除去され、かつ脱気された処理水が生成され、この処理水が給水として機器へ供給される。
以上のような本例の給水システムによれば、前記酸化剤除去部の洗浄動作時には、前記カートリッジ式酸化剤除去部により給水中の酸化剤を除去することができ、これにより、常に処理水の生成が可能であり、24時間昼夜問わずに連続運転を行う機器へ給水を供給することができる。
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下に説明する実施例では、機器をボイラとし、濾過処理部を、ナノ濾過膜を用いた濾過処理部とした。
先ず、本発明の給水システムの第一実施例について説明する。
図1は本発明の給水システムを含むボイラシステムの第一実施例を示す構成図である。
図において、符号1で示されるボイラシステムは、給水を加熱して蒸気を生成するボイラ2と、ボイラ2へ給水を供給する給水システム3とを備えている。給水システム3は、給水ライン4を備え、この給水ライン4上において給水の水質を改質して生成された処理水を前記給水として前記ボイラ2へ供給するようになっている。
前記ボイラ2は、水管ボイラと称される多管式の貫流ボイラであって、このボイラ2は、特に図示しないが、所定の間隔で上下に配置される環状の下部ヘッダおよび環状の上部ヘッダと、これらの間に配置される複数の伝熱管と、複数の伝熱管により区画形成される燃焼室と、燃焼室の上方に配置され、各伝熱管内の給水を加熱して蒸気を発生させるバーナ等の加熱装置とを備えて構成されている周知構造のボイラである。
前記下部ヘッダには、前記給水ライン4が接続されている。また、下部ヘッダには、缶水の濃縮水を排出する(ブローする)ための排出管5が設けられている。上部ヘッダには、生成された蒸気を負荷装置(図示省略)へ供給するための蒸気供給路6が設けられている。複数の伝熱管等は、非不動態化金属を用いて形成されている
ここで、非不動態化金属について説明すると、この非不動態化金属は、中性水溶液中において自然には不動態化しない金属をいい、通常は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、クロム、ニッケル、およびジルコニウム等を除く金属である。具体的には、炭素鋼、鋳鉄、銅、および銅合金等である。前記炭素鋼は、中性水溶液中においても、高濃度のクロム酸イオンの存在下では不動態化する場合があるが、この不動態化はクロム酸イオンの影響によるものであって中性水溶液中での自然な不動態化とは言い難い。従って、炭素鋼は、ここでの非不動態化金属の範疇に属する。また、銅および銅合金は、電気化学列(emf series)が貴な位置にあるため、通常は水分の影響による腐食が生じ難い金属と考えられているが、中性水溶液中において自然に不動態化するものではないので、ここでの非不動態化金属の範疇に属する。
前記給水システム3には、水道水、工業用水、地下水等の水源から供給される原水が貯留されている原水側の原水タンク(図示省略)から、給水が供給されるようになっている。そして、給水システム3は、給水ライン4に、活性炭濾過処理部7,8と、軟水化処理部9,10と、プレフィルタ11と、濾過処理部12と、脱気処理部13と、給水タンク14とが、上流側から下流側に向かってこの順に接続されて構成されている。
前記活性炭濾過処理部7,8は、給水に溶存する次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を活性炭によって吸着除去するための装置として構成されている。前記酸化剤、すなわち残留塩素は、活性炭濾過処理部7の下流側に配置される軟水化処理部9,10のイオン交換樹脂(図示省略)を酸化させてイオン交換能力を早期に劣化させるおそれがあり、また、さらに下流に配置された濾過処理部12の後述する濾過部材(図示省略)を酸化させて濾過能力を早期に劣化させるおそれがある。そこで、このような酸化による早期の能力劣化を防止するために、上記残留塩素を活性炭で吸着して除去することにより、上記イオン交換能力の早期劣化を防止するとともに上記濾過能力の早期劣化を防止し、給水の処理効率の向上、安定化等を図るようにしている。
このように構成される活性炭濾過処理部7,8は、給水ライン4に、通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続されている。これについて詳しく説明すると、活性炭濾過処理部7,8は、給水ライン4から分岐された分岐給水ライン4a,4b上のそれぞれに接続されている(すなわち並列接続されている)。分岐給水ライン4a,4bには、活性炭濾過処理部7,8の下流側に、電磁弁15,16がそれぞれ設けられている。これら電磁弁15,16により、通水を行う活性炭濾過処理部と通水を停止する活性炭濾過処理部とを切り替えることができるようになっている。
前記活性炭濾過処理部7,8の活性炭には、給水ライン4を流れる給水中に含まれるごみなどの非溶解物が付着することから、定期的に活性炭の洗浄動作を行う必要がある。この活性炭の洗浄動作は、活性炭に付着したごみなどの非溶解物を、逆洗工程、水洗工程を含む公知の方法により除去するものであり、かかる洗浄動作を行うには、活性炭濾過処理部への通水を停止する必要がある。そこで、前記電磁弁15,16を操作することにより、少なくとも一方の活性炭濾過処理部へ通水して常に処理水の生成を可能としつつも、何れかの活性炭濾過処理部の活性炭の洗浄を行うことができるようになっている。
具体的には、活性炭濾過処理部7の活性炭の洗浄を行う場合には、電磁弁15を閉じるとともに電磁弁16を開くことにより、活性炭濾過処理部7への通水を停止して該活性炭濾過処理部7の活性炭の洗浄動作を行う一方で、活性炭濾過処理部8への通水を行うようになっている。逆に、活性炭濾過処理部8の活性炭の洗浄を行う場合には、電磁弁15を開くとともに電磁弁16を閉じることにより、活性炭濾過処理部7への通水を行う一方で、活性炭濾過処理部8への通水を停止して該活性炭濾過処理部8の活性炭の洗浄動作を行うようになっている。
活性炭の洗浄動作のタイミングは、活性炭濾過処理部7,8において所定の給水の通水量を処理する稼動時間によって決定される。
活性炭濾過処理部7,8の下流側に接続された前記軟水化処理部9,10は、上記残留塩素が除去された給水に含まれる硬度成分であるCa2+或いはMg2+等の金属陽イオンをイオン交換樹脂(図示省略)により除去する装置として構成されている。すなわち、軟水化処理部9,10は、給水中に含まれる各種の硬度成分をナトリウムイオンに置換して、給水を軟水に変換するための装置として構成されている。前記硬度成分は、ボイラ2の伝熱管内等へのスケール付着の原因となるものであり、このような硬度成分を軟水化処理部9,10で除去することにより、ボイラ2の伝熱管内等へのスケール付着を防止するようになっている。
このように構成される軟水化処理部9,10は、給水ライン4に、通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続されている。これについて詳しく説明すると、軟水化処理部9,10は、給水ライン4が分岐された分岐給水ライン4c,4d上のそれぞれに接続されている(すなわち並列接続されている)。分岐給水ライン4c,4dには、軟水化処理部9,10の下流側に、電磁弁17,18がそれぞれ設けられている。これら電磁弁17,18により、通水を行う軟水化処理部と通水を停止する軟水化処理部とを切り替えることができるようになっている。
前記軟水化処理部9,10のイオン交換樹脂は、前記硬度成分を陽イオンと置換して飽和状態になり、硬度成分の除去能力を失った場合には、その能力を再生するため、一時的に給水を止め、逆洗工程、塩水再生工程、水洗工程、補水工程等を含む公知の再生動作を行う必要がある。そこで、前記電磁弁17,18を操作して、通水を行う軟水化処理部と通水を停止してイオン交換樹脂の再生を行う軟水化処理部とを切り替えることにより、少なくとも一方の軟水化処理部に通水して常に処理水の生成を可能としつつも、何れかの軟水化処理部のイオン交換樹脂の再生を行うことができるようになっている。
具体的には、軟水化処理部9のイオン交換樹脂の再生を行う場合には、電磁弁17を閉じるとともに電磁弁18を開くことにより、軟水化処理部9への通水を停止して該軟水化処理部9のイオン交換樹脂の再生動作を行う一方で、軟水化処理部10への通水を行うようになっている。逆に、軟水化処理部10のイオン交換樹脂の再生を行う場合には、電磁弁17を開くとともに電磁弁18を閉じることにより、軟水化処理部9への通水を行う一方で、軟水化処理部10への通水を停止して該軟水化処理部10のイオン交換樹脂の再生動作を行うようになっている。
イオン交換樹脂の再生動作のタイミングは、軟水化処理部9,10において所定の給水の通水量を処理する稼動時間によって決定される。
軟水化処理部9,10の下流側に接続された前記プレフィルタ11は、給水中のゴミ等により、濾過処理部12の濾過部材(図示省略)が目詰まり等を起こさないようにするために、軟水化処理部9または10で軟水化された給水中のゴミ等を濾過処理部12の前で除去するためのものである。
前記濾過処理部12は、前記ボイラの非不動態化金属の腐食を引き起こす腐食促進成分を捕捉し、前記腐食の抑制に寄与する腐食抑制成分を透過する濾過部材(図示省略)を備え、かかる濾過部材により給水を濾過処理するものとして構成されている。
前記濾過部材は、具体的には、ナノ濾過膜(NF膜、NF:Nanofiltration)である。このナノ濾過膜は、ポリアミド系、ポリエーテル系等の合成高分子膜であり、2nm程度より小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度のもの)の透過を阻止できる液体分離膜である。また、ナノ濾過膜は、その濾過機能の点において、分子量が1,000〜300,000程度のものをろ別可能な膜(UF膜)と、分子量が数十程度のものをろ別可能な膜(RO膜)との中間に位置する機能を有する液体分離膜である。ちなみに、ナノ濾過膜は、各社から市販されており、容易に入手することができる。
このようなナノ濾過膜は、腐食促進成分を捕捉する。ここで、腐食促進成分について説明すると、この腐食促進成分とは、ボイラ2の上記各伝熱管(図示省略)の腐食が発生し易い部位、特に、内側に水分(ここでは缶水)が付着し、且つ外側から加熱される各伝熱管(図示省略)の内面に作用してその腐食を促進するものを言い、通常、硫酸イオン(SO 2−)、塩化物イオン(Cl)、およびその他の成分を含んでいる。ちなみに、腐食促進成分として重要なものは、硫酸イオン、塩化物イオンの両者である。ところで、日本工業規格JIS B 8223:1999は、貫流ボイラを含む特殊循環ボイラの腐食を抑制する観点から、当該ボイラの缶水の水質に関する各種の管理項目および推奨基準を規定している。そして、その規定の中で、塩化物イオン濃度の規制値を設けているが、缶水の硫酸イオン濃度については言及していない(言い換えれば、硫酸イオンが腐食に関与するものとは認識していない)。しかしながら、本願出願人の会社の研究者等は、缶水の水質と腐食との関係を長年にわたって研究した成果として、缶水に含まれる硫酸イオンが腐食促進成分として上記各伝熱管(図示省略)等に作用していることを確認している。
また、前記ナノ濾過膜は、腐食を抑制する成分である腐食抑制成分を透過する。腐食抑制成分とは、ボイラ2の上記各伝熱管(図示省略)の腐食が発生し易い部位、特に、各伝熱管(図示省略)の内面に作用し、そこに生じる腐食を抑制可能なものを言い、通常、シリカ(すなわち、二酸化ケイ素(SiO))を含んでいる。このシリカは、給水として用いる水道水、工業用水、地下水等において、通常含有されている成分であり、通常、各伝熱管(図示省略)におけるスケール発生成分と認識されており、通常は可能な限りその濃度を抑制することが好ましいと考えられている。しかし、本願出願人の会社の研究者等は、缶水の水質と腐食との関係を長年にわたって研究した成果として、缶水に含まれるシリカが腐食抑制成分として上記各伝熱管(図示省略)等に作用していることを確認している。
濾過処理部12の下流側に接続された前記脱気処理部13は、濾過処理部12で濾過処理された給水中に含まれる溶存酸素を機械的に除去するものである。この脱気処理部13は、脱気膜(図示省略)を備え、かかる脱気膜の一方に給水を流通させ、他方を真空ポンプなどの真空排気手段により真空吸引することで、給水中の溶存酸素を脱気する周知構成のものである。
脱気処理部13の下流側に備えられている前記給水タンク14には、活性炭濾過処理部7または8によって酸化剤が除去され、軟水化処理部9または10で軟水化され、濾過処理部12において腐食促進成分が捕捉され腐食抑制成分が透過し、さらに、脱気処理部13で脱気されて生成された処理水が給水ライン4から流れ込む。
続いて、上記構成に基づきながらボイラ2の運転時の流れについて説明する。ボイラ2を運転する場合には、原水タンク(図示省略)から供給される給水の水質を改質して処理水を生成し、その処理水をボイラ2用の給水として給水タンク14に貯留する必要がある。ここまでの過程について説明すると、給水ライン4を流れる給水は、前記原水タンクから所定の吐出圧を有する給水ポンプ(図示省略)により所定の圧力で流出する。その流出する給水の圧力は、下流側に配置された活性炭濾過処理部7,8、軟水化処理部9,10、プレフィルタ11、濾過処理部12、脱気処理部13の各部における圧損等を考慮して設定される。そして、前記原水タンクから流出した給水は、先ず、通水状態にある活性炭濾過処理部7または8を通過し、酸化剤としての残留塩素が除去された状態の給水となる。次に、その給水は、通水状態にある軟水化処理部9または10を通過して軟水となる。続いて、その軟水である給水は、濾過処理部12において、ナノ濾過膜を通過する際に、硫酸イオン、塩化物イオン等の腐食促進成分がナノ濾過膜により捕捉される。すなわち、腐食促進成分が軟水から除去される。一方、軟水に含まれるシリカ、すなわち腐食抑制成分は、軟水と共にナノ濾過膜を透過する。このようにして濾過処理された濾過処理後の軟水は、脱気処理部13において溶存酸素が脱気処理される。脱気処理後の腐食抑制成分を含む軟水となる処理水は、ボイラ2へ供給される給水として給水タンク14に貯留される。
給水タンク14に貯留された給水は、給水タンク14およびボイラ2の間に配置される給水ポンプ(図示省略)を介してボイラ2へ供給され、下部ヘッダ内において缶水として貯留される。貯留された缶水は、加熱装置により加熱されながら各伝熱管内を上昇し、徐々に蒸気になる。そして、各伝熱管内において生成された蒸気は、上部ヘッダにおいて集められ、蒸気供給路6から負荷装置へと供給される。
ところで、ボイラ2の運転中において、各伝熱管は、その下端部分、すなわち下部ヘッダとの連結部分が缶水と継続的に接触することになる。そのため、各伝熱管は、上記下端部分において、通常、缶水の影響を受け腐食し易くなる。特に、各伝熱管は、下端部分において、内周面の減肉的な腐食に加えて局部的な腐食が生じ易く、それが原因で微少な穴開きを起こして破損する場合がある。
上記局部的な腐食とは、各伝熱管の缶水との接触面側から厚さ方向の反対側へ向かう孔状の腐食、すなわち各伝熱管の厚さ(肉厚)方向に発生する孔状の腐食を言う。以下、このような局部的腐食の発生現象を「孔食」と言い、この孔食により生じた孔状の腐食を「食孔」と言う。ちなみに、孔食は、通常、缶水中の溶存酸素の影響により発生するものと理解されている。
しかしながら、本例によれば、ボイラ2の運転中において、各伝熱管に対し、腐食抑制成分を含む軟水が缶水として供給されることになるので、缶水に含まれる腐食抑制成分が各伝熱管の下端部分に作用し、当該部分の腐食を抑制するようになる。より具体的には、腐食抑制成分は、各伝熱管の缶水との接触部分における減肉的な腐食を抑制するとともに、食孔の発生および成長も抑制し、腐食(特に食孔)による伝熱管の破損を抑制する。この際、缶水は、濾過処理部12により腐食促進成分が除去されるため、腐食抑制成分による上記のような腐食抑制作用は、腐食促進成分により阻害され難く、効果的に発揮されるようになる。
さて、缶水に含まれる腐食抑制成分により、各伝熱管の腐食が抑制されるのは、缶水に含まれる溶存酸素等(各伝熱管の腐食促進成分)の影響により、各伝熱管から溶出する成分に腐食抑制成分(特にシリカ)が作用し、各伝熱管の内面に耐食性の皮膜(防食皮膜)が形成されるためと考えられる。特に、溶存酸素は、各伝熱管に局部的なアノードを発現させ、これにより孔食を進行させる場合があるが、缶水に含まれる腐食抑制成分(シリカ)は、アニオンまたは負電荷のミセルとして存在するため、上記のようなアノードに吸着し易く、当該部分で選択的に防食皮膜を形成し易い。そのため、缶水に含まれる腐食抑制成分(シリカ)は、各伝熱管における孔食の進行を特に効果的に抑制することができるものと考えられる。
前記のように本例の給水システム3を稼働して処理水を給水タンク14へ供給するとき、給水中の酸化剤の除去は、前記活性炭濾過処理部7または8の何れか一方にのみ通水することにより行い、他方の活性炭濾過処理部は、通水を停止して活性炭の洗浄動作を行い洗浄動作終了後は待機中の状態にする。これについて具体的に説明すると、例えば、活性炭濾過処理部7に通水し、活性炭濾過処理部8への通水を停止する場合には、電磁弁15を開き、電磁弁16を閉じる。そして、電磁弁15を開いて活性炭濾過処理部7への通水を開始してから予め設定された所定の稼動時間が経過した後、電磁弁15,16を開閉制御する各制御部からの指令により電磁弁15を閉じ、電磁弁16を開ける。これにより、活性炭濾過処理部8への通水が行われ、かかる活性炭濾過処理部8によって給水中の酸化剤の除去が行われる。一方、活性炭濾過処理部7への通水は停止される。そして、このように通水が停止された活性炭濾過処理部7の活性炭の洗浄動作を行う。活性炭濾過処理部7は、洗浄動作終了後、活性炭濾過処理部8への通水を開始してから予め設定された所定の稼動時間が経過するまで通水が停止された状態の待機状態となる。
活性炭濾過処理部8への通水を開始してから予め設定された所定の稼動時間が経過すると、制御部からの指令により電磁弁15を開いて活性炭濾過処理部7への通水を開始するとともに、電磁弁16を閉じて活性炭濾過処理部8への通水を停止して、該活性炭濾過処理部8の洗浄動作を行う。
給水システム3の稼働時において、給水中の硬度成分の除去は、前記軟水化処理部9,10のうち何れか一方にのみ通水することにより行い、他方の軟水化処理部は、通水を停止してイオン交換樹脂の再生動作を行い再生動作終了後は待機中の状態にする。これについて具体的に説明すると、例えば、軟水化処理部9に通水し、軟水化処理部10への通水を停止する場合には、電磁弁17を開き、電磁弁18を閉じる。そして、電磁弁17を開いて軟水化処理部9への通水を開始してから予め設定された所定の稼動時間が経過した後、電磁弁15,16を開閉制御する各制御部からの指令により電磁弁17を閉じ、電磁弁18を開ける。これにより、軟水化処理部10への通水が行われ、かかる軟水化処理部10によって給水中の硬度成分の除去が行われる。一方、軟水化処理部9への通水は停止される。そして、このように通水が停止された軟水化処理部9のイオン交換樹脂の再生動作を行う。軟水化処理部9は、再生動作終了後、軟水化処理部10への通水を開始してから予め設定された所定の稼動時間が経過するまで通水が停止された状態の待機状態となる。
軟水化処理部10への通水を開始してから前記予め設定された所定の稼動時間が経過すると、制御部からの指令により電磁弁17を開いて軟水化処理部9への通水を開始するとともに、電磁弁18を閉じて軟水化処理部10への通水を停止して、該軟水化処理部10の再生動作を行う。
以上説明した本例の給水システム3によれば、給水ライン4上に、前記ナノ濾過膜を用いて濾過処理を行う濾過処理部12と脱気処理部13とを接続することによって、ボイラ2の伝熱管等に生じる腐食を薬剤を用いずに効果的に抑制することができる。
また、活性炭濾過処理部7または8によって給水中の酸化剤が除去されるので、軟水化処理部9または10のイオン交換樹脂の早期劣化と濾過処理部12のナノ濾過膜の早期劣化を防止することができる。さらに、軟水化処理部9または10によって給水中の硬度成分が除去されるので、ボイラ2の伝熱管内等へのスケールの付着を効果的に抑制することができる。
さらに、活性炭濾過処理部7,8のうち、何れか一方の活性炭濾過処理部の活性炭の洗浄動作を行いつつ、他方の活性炭濾過処理部に通水して給水中の酸化剤の除去を行うことができ、また、軟水化処理部9,10のうち、何れか一方の軟水化処理部のイオン交換樹脂の再生動作を行いつつ、他方の軟水化処理部に通水して給水中の硬度成分の除去を行うことができ、常に活性炭濾過処理部および軟水化処理部に通水して酸化剤および硬度成分の除去を行うことができるので、洗浄、再生を行いつつ、処理水を生成することが可能である。これにより、常時給水タンク14に処理水を貯留してボイラ2へ給水を供給することが可能であり、ボイラ2は24時間昼夜を問わず連続運転が可能である。
次に、本発明の給水システムを含むボイラシステムの第二実施例について説明する。
図2は本発明の給水システムを含むボイラシステムの第二実施例を示す構成図である。第一実施例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図において、本例の給水システム20にあっては、軟水化処理部9,10の上流側の給水ライン4には、活性炭濾過処理部21が接続されている。この活性炭濾過処理部21の構成については、前記第一実施例の活性炭濾過処理部7または活性炭濾過処理部8の構成と同様となっている。
また、本例においては、前記活性炭濾過処理部21をバイパスするバイパスライン22が設けられている。このバイパスライン22には、電磁弁23が設けられている。また、活性炭濾過処理部21の下流側であって、バイパスライン22が接続されている部分よりも上流側の給水ライン4には、電磁弁24が設けられている。この電磁弁24により、活性炭濾過処理部21の通水状態と通水停止状態とが切替可能となっている。そして、活性炭濾過処理部21への通水停止時には、前記電磁弁23を開いてバイパスライン22に給水を流し、活性炭濾過処理部21をバイパスすることができるようになっている。
前記活性炭濾過処理部21の下流側であって、プレフィルタ11と濾過処理部12の間の給水ライン4には、カートリッジ式活性炭濾過処理部25が接続されている。このカートリッジ式活性炭濾過処理部25は、カートリッジ式の活性炭フィルタ(図示省略)を備えた装置として構成されており、かかるカートリッジ式の活性炭フィルタにより給水中の酸化剤を吸着除去するようになっている。
このような本例の給水システム20では、電磁弁23を閉じ、電磁弁24を開いて活性炭濾過処理部21を通水状態とすることにより、この活性炭濾過処理部21によって給水中の酸化剤が除去される。このようにして酸化剤が除去された給水は、通水状態にある軟水化処理部9または軟水化処理部10、プレフィルタ11、第二活性炭濾過処理部25、濾過処理部12、脱気処理部13を経て処理水となり、給水タンクに貯留される。
第一実施例と同様、所定の通水量を処理する稼働時間が経過して洗浄のタイミングとなり活性炭濾過処理部21の洗浄を行う場合には、電磁弁24を閉じて通水を停止し、電磁弁23を開いてバイパスライン22へ給水を流す。そして、活性炭濾過処理部21をバイパスした給水は、通水状態にある軟水化処理部9または軟水化処理部10、プレフィルタ11を経てカートリッジ式活性炭濾過処理部25へと到達し、このカートリッジ式活性炭濾過処理部25の活性炭フィルタで酸化剤が除去される。
活性炭濾過処理部21の洗浄が終了した場合には、電磁弁23を閉じるとともに、電磁弁24を開き、活性炭濾過処理部21を通水状態とする。カートリッジ式活性炭濾過処理部25の活性炭フィルタの交換は、活性炭濾過処理部21が通水状態にあるときに、所定の通水量を処理する稼動時間が経過した場合に行う。
このような本例の給水システム20によれば、前記第一実施例と同様の効果を有するとともに、活性炭濾過処理部21の洗浄動作中に給水中の酸化剤の除去を行うカートリッジ式活性炭濾過処理部25の活性炭フィルタはカートリッジ式で交換が容易であり、また設置スペースをとらず取付けも容易に行えて設置コストを低減することができる。
次に、本発明の給水システムを含むボイラシステムの第三実施例について説明する。
図3は本発明の給水システムを含むボイラシステムの第三実施例を示す構成図である。図において、上記第一実施例,第二実施例と同様の構成については、同一の符号を付してある。
本例の給水システム30においては、前記カートリッジ式活性炭濾過処理部25は、前記活性炭濾過処理部21と軟水化処理部9,10の間の給水ライン4に接続されている。その他の構成については前記第一実施例,第二実施例と同様であり、その説明を省略する。
このような本例の給水システム30においては、電磁弁24を開いて通水状態にある活性炭濾過処理部21によって給水中の酸化剤が除去され、さらにカートリッジ式活性炭濾過処理部25、通水状態にある軟水化処理部9または軟水化処理部10、プレフィルタ11、濾過処理部12、脱気処理部13を経て生成された処理水が給水タンク14に貯留される。そして、活性炭濾過処理部21の洗浄を行う場合には、電磁弁24を閉じて通水を停止するとともに電磁弁23を開いて活性炭濾過処理部21をバイパスさせ、カートリッジ式活性炭濾過処理部25によって給水中の酸化剤が除去される。
以上説明した本例の給水システム30においては、上記第一実施例、第二実施例と同様の効果を奏するとともに、カートリッジ式活性炭濾過処理部25が軟水化処理部9,10の上流側に接続されているので、活性炭濾過処理部21の洗浄動作中においても軟水化処理部9,10の上流において給水の酸化剤が除去されるので、軟水化処理部9,10のイオン交換樹脂の再生動作サイクルを伸ばすことができる。
前記第二実施例、第三実施例において、カートリッジ式活性炭濾過処理部25の位置は、活性炭濾過処理部21と濾過処理部12の間であればよく、特に前記第二実施例、第三実施例の位置に限られるものではない。
次に、本発明の給水システムを含むボイラシステムの第四実施例について説明する。
図4は本発明の給水システムを含むボイラシステムの第四実施例を示す構成図である。図において、上記第一実施例と同様の構成については、同一の符号を付してある。
本例の給水システム40では、活性炭濾過処理部41、活性炭濾過処理部42、軟水化処理部43、軟水化処理部44が、この順で給水ライン4に直列に接続されている。活性炭濾過処理部41、活性炭濾過処理部42の構成は、第一実施例の活性炭濾過処理部7または活性炭濾過処理部8の構成と同様であり、また軟水化処理部43、軟水化処理部44の構成は、第一実施例の軟水化処理部9または軟水化処理部10と同様である。
また、本例においては、活性炭濾過処理部41をバイパスするバイパスライン45、活性炭濾過処理部42をバイパスするバイパスライン46、軟水化処理部43をバイパスするバイパスライン47、軟水化処理部44をバイパスするパイパスライン48が設けられている。各バイパスライン45,46,47,48には、それぞれ、電磁弁49,50,51,52が設けられている。
前記活性炭濾過処理部41の下流側であってバイパスライン45が接続されている部分よりも上流側の給水ライン4には、電磁弁53が設けられており、前記活性炭濾過処理部42の下流側であってバイパスライン46が接続されている部分よりも上流側の給水ライン4には、電磁弁54が設けられている。また、前記軟水化処理部43の下流側であってバイパスライン47が接続されている部分よりも上流側の給水ライン4には、電磁弁55が設けられており、前記軟水化処理部44の下流側であってバイパスライン48が接続されている部分よりも上流側の給水ライン4には、電磁弁56が設けられている。
前記電磁弁49、電磁弁50、電磁弁53、電磁弁54により、活性炭濾過処理部41および活性炭濾過処理部42は、通水状態と通水停止状態とが切替可能となっている。具体的には、活性炭濾過処理部41を通水状態とし、活性炭濾過処理部42を通水停止状態とする場合には、電磁弁53を開けるとともに電磁弁49を閉じ、さらに電磁弁54を閉じるとともに電磁弁50を開ける。反対に、活性炭濾過処理部41を通水停止状態とし、活性炭濾過処理部42を通水状態とする場合には、電磁弁53を閉じるとともに電磁弁49を開け、さらに電磁弁54を開けるとともに電磁弁50を閉じる。そして、このようにして通水状態と通水停止状態とを切り替え、通水停止状態にある活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42の洗浄動作を行うようになっている。通水状態と通水停止状態とを切り替え、洗浄動作を行うタイミングは、上記他の実施例と同様、活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42において所定の通水量を処理する稼動時間によって決定される。
また、前記電磁弁51、電磁弁52、電磁弁55、電磁弁56により、軟水化処理部43および軟水化処理部44は、通水状態と通水停止状態とが切替可能となっている。具体的には、軟水化処理部43を通水状態とし、軟水化処理部44を通水停止状態とする場合には、電磁弁55を開けるとともに電磁弁51を閉じ、さらに電磁弁56を閉じるとともに電磁弁52を開ける。反対に、軟水化処理部43を通水停止状態とし、軟水化処理部44を通水状態とする場合には、電磁弁55を閉じるとともに電磁弁51を開け、さらに電磁弁56を開けるとともに電磁弁52を閉じる。そして、このようにして通水状態と通水停止状態とを切り替え、通水停止状態にある軟水化処理部43または軟水化処理部44の再生動作を行うようになっている。通水状態と通水停止状態とを切り替え、再生動作を行うタイミングは、上記他の実施例と同様、軟水化処理部43または軟水化処理部44において所定の通水量を処理する稼動時間によって決定される。
このような本例の給水システム40では、活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42のうち、何れか一方を通水状態とし他方を通水停止状態とする。これにより、通水状態にある活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42により給水中の酸化剤が除去され、通水停止状態にある活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42の洗浄動作を行うことができる。
また、給水システム40では、軟水化処理部43または軟水化処理部44のうち、何れか一方を通水状態とし他方を通水停止状態とする。これにより、通水状態にある軟水化処理部43または軟水化処理部44により給水中の硬度成分が除去され、通水停止状態にある軟水化処理部43または軟水化処理部44の再生動作を行うことができる。
したがって、本例の給水システム40では、活性炭濾過処理部41または活性炭濾過処理部42のうち、通水状態にある何れか一方により給水中の酸化剤が除去され、さらに、酸化剤が除去された給水が、軟水化処理部43または軟水化処理部44のうち、通水状態にある何れか一方により硬度成分が除去されて軟水化される。そして、このようにして酸化剤および硬度成分が除去された給水が、プレフィルタ11、濾過処理部12、脱気処理部13を経て処理水となり、給水タンク14に貯留される。
以上説明した本例によっても、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
上記各実施例においては、濾過処理部12の下流側に脱気処理部13を備えているが、この脱気処理部13は必ずしも備えていなくてもよい。
本発明に係る給水システムの第一実施例を示す構成図。 本発明に係る給水システムの第二実施例を示す構成図。 本発明に係る給水システムの第三実施例を示す構成図。 本発明に係る給水システムの第四実施例を示す構成図。
符号の説明
3 給水システム
4 給水ライン
7,8 活性炭濾過処理部
9,10 軟水化処理部
12 濾過処理部
13 脱気処理部
20 給水システム
21 活性炭濾過処理部
25 カートリッジ式活性炭濾過処理部
30 給水システム
40 給水システム
41,42 活性炭濾過処理部
43,44 軟水化処理部

Claims (6)

  1. 機器へ給水を供給するための給水システムであって、
    前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成した
    ことを特徴とする給水システム。
  2. 機器へ給水を供給するための給水システムであって、
    前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成した
    ことを特徴とする給水システム。
  3. 機器へ給水を供給するための給水システムであって、
    前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の酸化剤除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続するとともに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続して構成した
    ことを特徴とする給水システム。
  4. 機器へ給水を供給するための給水システムであって、
    前記給水を流す給水ラインを備え、該給水ラインに濾過処理部を接続し、該濾過処理部の上流側の給水ラインに、通水状態と通水停止状態とを切替可能な酸化剤除去部を接続し、該酸化剤除去部と前記濾過処理部の間の給水ラインに、カートリッジ式の活性炭フィルタを備えるカートリッジ式酸化剤除去部を接続し、前記酸化剤除去部の通水停止時に該酸化剤除去部をバイパスして前記カートリッジ式酸化剤除去部の上流側へと前記給水を流すバイパス手段を設けた
    ことを特徴とする給水システム。
  5. 前記濾過処理部の上流側の給水ラインに、複数の硬度成分除去部を通水状態と通水停止状態とを切替可能に接続した
    ことを特徴とする請求項4に記載の給水システム。
  6. 前記濾過処理部の下流側の前記給水ラインに、脱気処理部を備えた
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の給水システム。
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