JP2005312132A - 電気接続箱 - Google Patents

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Abstract


【課題】 小型化を図る。
【解決手段】 基板を複数に分割して上下に重ねるようにしたので、1枚の基板11,31を小型化することができ、これにより、電気接続箱全体の小型化を図ることが可能である。また、下側の第2回路構成体30の第2電力用導電路32に、上側の支持基板11の上方へ延出するリレー用端子部34を設けることにより、基板に対し着脱可能なスイッチング部材であるリレー22を上側の支持基板11の上面側に集中して配置したので、リレー22の着脱作業を容易に行うことができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電気接続箱に関するものである。
電気接続箱として、特許文献1に開示されているように、制御回路基板と、制御回路基板の表面側に配されて制御回路基板により制御されるスイッチング部材と、制御回路基板の裏面に沿って配されて電源に接続される電力用導電路とを備えた構成になるものが知られている。
特開2003−164039公報
この種の電気接続箱の電力用導電路は、比較的大きな電流が流れるため、幅広の金属板材などのように配置スペースを広く占める形態とならざるを得ない。そのため、電力用導電路の分岐経路の数や極数が多くなると、電力用導電路の配置スペースも大きくなり、その分、制御回路基板も大型化し、電気接続箱全体が大型化することになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化を図ることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、基板にスイッチング部材と電力用導電路を設けた複数の回路構成体と、前記複数の回路構成体を互いに略平行に上下に重なるように保持する保持手段とを備え、前記基板に対して着脱を可能とされた前記スイッチング部材を、上側に位置する前記基板の上面側に配置し、下側に位置する前記回路構成体の電力用導電路に、前記上側に位置する基板の上方まで延出することで前記着脱可能なスイッチング部材に対して接続される端子部を設けた構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記上側の基板に、前記端子部を貫通させる位置決め孔を設けたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記保持手段に、複数の前記端子部を個別に貫通させる貫通孔を設けたところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
基板を複数に分割して上下に重ねるようにしたので、1枚の基板を小型化することができ、これにより、電気接続箱全体の小型化を図ることが可能である。また、下側の回路構成体の電力用導電路に、上側の基板の上方へ延出する端子部を設けることにより、着脱可能なスイッチング部材を上側の基板の上面側に集中して配置したので、スイッチング部材の着脱作業を容易に行うことができる。
<請求項2の発明>
端子部を位置決め孔に貫通させることで、端子部を上側の基板及び着脱可能なスイッチング部材に対して位置決めすることができる。
<請求項3の発明>
複数の端子部を個別に貫通孔に収容したので、端子部同士が隣接している場合でも、端子部同士の短絡を防止することができる。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図13を参照して説明する。本実施形態の電気接続箱は、第1回路構成体10(本発明の構成要件である上側に位置する回路構成体)と第2回路構成体30(本発明の構成要件である下側に位置する回路構成体)とを水平な姿勢で上下に重ねるようにしてケース40内に収容したものである。
第1回路構成体10は、略方形の支持基板11(本発明の構成要件である上側の位置する基板)と、この支持基板11に沿わせて配置した第1電力用導電路12と、後述するアッパカバー41に取り付けられるリレー22(本発明の構成要件である着脱可能なスイッチング部材)とを備えて構成される。図10に示すように、支持基板11は上下2層に分かれている。また、第1電力用導電路12は、肉厚の金属板材を所定形状に打ち抜いた複数のバスバーからなり、上下3層に分かれている。上側の支持基板11の上面(表面)には最上層の第1電力用導電路12が固着され、下側の支持基板11の上下(表裏)両面に、夫々、中間層の第1電力用導電路12と最下層の第1電力用導電路12が固着されている。これらの第1電力用導電路12には、支持基板11を貫通してその上面(表面)側へ略直角に突出する複数のリレー用端子部13と、支持基板11を貫通してその上面(表面)側へ略直角に突出する複数のヒューズ用端子部14と、支持基板11の下面から略直角に下向きに突出する複数の音叉形端子部15とが一体に形成されている。
音叉形端子部15は、全体として上下方向に長い帯板状(タブ状)をなし、支持基板11の周縁のうち左側縁に沿って前後方向に所定のピッチで並列配置されている。音叉形端子部15には、その左右方向を向いた下端縁から上方(タブ端子部36との嵌合方向と平行な方向)へ切欠した形態の切欠部16が形成されている。この切欠部16の左右方向の開口幅は、下端部を除いて上から下に向かって次第に幅が広くなっていき、切欠部16の下端の進入部17において狭くなっている。換言すると、音叉形端子部15における切欠部16左右両側の部分は、下方へ片持ち状に延出する一対の挟持片18となっている。そして、各挟持片18の下端部における切欠部16側の側縁は、反対側の挟持片18側へ円弧状に膨出(突出)した形態の誘導部19となっており、この一対の誘導部19が切欠部16の進入部17を構成している。
支持基板11の下面側、即ち最下層の第1電力用導電路12の下面には、支持基板11の全領域に亘る大きさの一枚板状をなす断熱板20が、密着して重ね合わされた状態で接着剤(図示せず)により固着されている。この断熱板20は、上側に位置する第1回路構成体10とその下側に位置する第2回路構成体30との間における熱の伝達を規制するためのものであり、後述する密閉空間61を区画する壁を構成するものでもある。断熱板20の材質としては、熱伝導率が低いもの、例えばポリエチレンなどの高分子材料を主成分とする合成樹脂が用いられている。尚、この断熱板20は電気的な絶縁性も有する。また、断熱板20には複数の貫通孔21が形成され、この貫通孔21には音叉形端子部15が水平方向への変位を規制された状態で貫通されている。つまり、音叉形端子部15は断熱板20から下方へ突出されている。
支持基板11には、その前縁及び左側縁に沿って並列するように複数のスリット状をなす位置決め孔11Hが上下に貫通する形態で形成されている。これらの位置決め孔11Hは、後述する第2回路構成体30のリレー用端子部34を前後左右方向へのガタ付きなく位置決めした状態で貫通させるための孔である。また、断熱板20にも、第2回路構成体30のリレー用端子部34を前後左右方向へのガタ付きなく位置決めした状態で貫通させるための位置決め孔20Hが、支持基板11の位置決め孔11Hと対応するように並列し且つ上下に貫通する形態で形成されている。
第2回路構成体30は、略方形の制御回路基板31と、この制御回路基板31の下面に沿わせて配置した第2電力用導電路32と、制御回路基板31の上面(表面)に実装される半導体スイッチング素子33(本発明の構成要件であるスイッチング部材)とを備えて構成される。第2電力用導電路32は、肉厚の金属板材を所定形状に打ち抜いた複数のバスバーからなり、図11に示すように、制御回路基板31の下面に電気的絶縁性を有し且つ熱伝導性の高い薄い接着剤又は接着シート37を介して面当たりするように且つ接近した状態で固着されている。この第2電力用導電路32には、制御回路基板31の周縁における前縁及び左縁に沿ってその上面(表面)側へ略直角に突出する複数のリレー用端子部34と、制御回路基板31の周縁における後縁に沿ってその上面(表面)側へ略直角に突出する複数のヒューズ用端子部35と、同じく制御回路基板31の周縁における左側縁に沿ってその上面(表面)側へ略直角に突出する複数のタブ端子部36とが一体に形成されている。
タブ端子部36は、上下方向に長い帯板状(タブ状)をなし、制御回路基板31の周縁のうち左側縁に沿って前後方向に所定のピッチで、即ち音叉形端子部15と対応するように並列配置されている。タブ端子部36の上端縁は、音叉形端子部15の下端縁に対して直角をなすように前後方向を向いている。また、タブ端子部36の板厚寸法は、音叉形端子部15の切欠部16における進入部17の開口幅(即ち、挟持片18の誘導部19間の間隔)と同じかそれよりも僅かに大きい寸法とされている。
リレー用端子部34も、タブ端子部36と同様、上下方向に長い帯板状(タブ状)をなし、制御回路基板31の周縁のうち前縁及び左側縁に沿って前後方向に所定のピッチで並列して配置されている。
ケース40は、アッパカバー41とフレーム48(本発明の構成要件である保持手段)と放熱板60とを備えて構成されている。
アッパカバー41は、合成樹脂製であり、第1回路構成体10と第2回路構成体30を全周に亘って包囲する略方形の包囲壁42と、第1回路構成体10を上から覆う上面板43とからなり、アッパカバー41の内部空間は下方へ開放されている。上面板43には、上向きの角筒状をなすリレー取付部44が複数形成されており、各リレー用取付部44には、夫々、ブロック状をなすリレー22が取外し可能に嵌合されている。また、リレー取付部44の内部には、その底面の嵌通孔44Hを貫通した第1電力用導電路12のリレー用端子部13と第2電力用導電路32のリレー用端子部34が臨んでおり、リレー取付部44に取り付けられたリレー22はリレー用端子部13,34と接続されている。
また、上面板43には、その後端縁に沿うように凹状をなす複数のヒューズ取付部45が形成されているとともに、ヒューズ取付部45の内部には、その底面を貫通した第1電力用導電路12のヒューズ用端子部14が臨んでおり、ヒューズ取付部45に取り付けられたヒューズ(図示せず)がヒューズ用端子部14と接続される。さらに、上面板43には、後述するワイヤーハーネス用のコネクタ46と対応する筒状嵌合部47が形成されている。
フレーム48は、合成樹脂製であり、第2回路構成体30を全周に亘って包囲する略方形をなすとともに、上下両面が開放された形態(上下方向に貫通した形態)となっている。フレーム48を構成する前後左右の枠部のうち、フレーム48の前縁枠部49と左縁枠部50には、第2回路構成体30のリレー用端子部34を個別に且つ前後左右へのガタ付きなく位置決めした状態で貫通させるための貫通孔51が形成されている。また、フレーム48の後縁枠部52には第2回路構成体30のヒューズ用端子部35を貫通させるための貫通孔53が形成されている。
フレーム48の前縁枠部49には、第1回路構成体10の支持基板11を後方から当接させることにより、フレーム48に対して第1回路構成体10の前方への相対変位を規制する位置決めリブ23が形成されている。また、フレーム48の後縁枠部52には、第1回路構成体10の支持基板11を前方から当接させるとともに左右両側から当接させることにより、フレーム48に対して第1回路構成体10の後方及び左右方向への相対変位を規制する位置決めリブ24が形成されている。
フレーム48の左縁枠部50には、タブ端子部36と音叉形端子部15を収容するための複数の位置決め部55が形成されている。これらの位置決め部55は、右縁枠部50を上下方向、即ち音叉形端子部15とタブ端子部36との嵌合方向と平行な方向に貫通した孔状の形態とされ、各位置決め部55の内部は収容空間56となっている。各位置決め部55の収容空間56は、他の位置決め部55の収容空間56とは非連通であり、したがって、前後に隣接する収容空間56同士は、右縁枠部50を構成する肉によって仕切られた状態となっている。
各収容空間56は、端子部15,36同士の嵌合方向に見て十字形をなしており、換言すると、前後方向のスリット状をなす第1空間57と左右方向のスリット状をなす第2空間58とが略直角に交差した形態である。この収容空間56のうち左右方向の第1空間57には上から音叉形端子部15が嵌入され、嵌入された音叉形端子部15は、その第1空間57の内壁面に当接することによりフレーム48に対して前後方向及び左右方向へ変位することが規制されるとともに、音叉形端子部15の切欠部16が前後方向の空間と対応する。一方、収容空間56における前後方向の第2空間58には下からタブ端子部36が嵌入され、嵌入されたタブ端子部36は、その第2空間58の内壁面に当接することによりフレーム48に対して前後方向及び左右方向へ変位することが規制される。そして、この収容空間56(位置決め部55)の内部では、音叉端子部の切欠部16に対してタブ端子部36の上端部が緊密に嵌合され、もって、第1電力用導電路12と第2電力用導電路32とが導通可能に接続されている。
また、収容空間56の上下両端の開口縁には、テーパ状のガイド面59が形成されており、収容空間56内に音叉形端子部15とタブ端子部36が嵌入する際に、それらの端子部15,36の位置が収容空間56に対して僅かに位置ずれしていても、端子部15,36がガイド面59に当接することにより、端子部15,36のフレーム48との位置ずれが矯正され、端子部15,36が確実に収容空間56内に誘い込まれるようになっている。
フレーム48の前縁枠部49の左右両端部には、上からワイヤーハーネス用のコネクタ46が取り付けられており、このコネクタ46の端子金具46aの下端部は第2回路構成体30の制御回路基板31に接続されている。このコネクタ46の端子金具46aの上端部は、ワイヤーハーネス側のコネクタ(図示せず)及びその端子金具(図示せず)との接続に備えてアッパカバー41の筒状嵌合部47内に臨んでいる。
放熱板60は、略方形の金属板材(例えば、アルミニウム)からなり、フレーム48の下面側の開口部を全領域に亘って塞いでいる。この放熱板60は、図11に示すように、第2回路構成体30の第2電力用導電路32の下面側に対して電気的絶縁性を有し且つ熱伝導性の高い薄い接着剤又は接着シート38を介して面当たりするように且つ接近した状態で固着されている。したがって、第2電力用導電路32への通電時に半導体スイッチング素子33で発生した熱は、接着剤又は接着シート37,38と第2電力用導電路32を介して放熱板60に効率良く伝達され、ケース40の外部(下方)へ放出されるようになっている。
ケース40を組み付けた状態では、フレーム48の下面が放熱板60の上面に対して防水用のシール層(図示せず)を介して固着されるとともに、フレーム48と放熱板60によって構成された密閉空間61内に第2回路構成体30(スイッチング素子33を含む)が収容される。そして、フレーム48(密閉空間61)の上面には第1回路構成体10の断熱板20の周縁部が載置され、これにより、密閉空間61内及び密閉空間61内の第2回路構成体30が、外部からの水や埃等の異物の侵入を規制された状態に保護される。
また、第1回路構成体10は、位置決めリブ23,24により前後左右への相対変位が規制された状態に位置決めされる。この載置構造及び位置決め構造により、第1回路構成体10の支持基板11が第2回路構成体30の制御回路基板31に対して所定の間隔を空けて且つ互いに平行をなすように上下に重なる配置とされ、スイッチング素子33と支持基板11(断熱板20)との干渉が回避されるとともに、音叉形端子部15とタブ端子部36とが正規の位置関係で接続されている。
さらに、下側のリレー用端子部34は、夫々、フレーム48の貫通孔51と断熱板20の位置決め孔20Hと支持基板11の位置決め孔11Hとリレー取付部44の嵌通孔44Hを貫通して、リレー取付部44内に臨んでおり、リレー取付部44にリレー22が取り付けられると、リレー用端子部34とリレー22が接続される。また、フレーム48の外周面にアッパカバー41の包囲壁42の内壁がほぼ密着するように嵌合される。また、アッパカバー41の上方には、リレー22、ヒューズ及びコネクタを保護するための保護カバー(図示せず)が被せられる。
上述のように本実施形態は、支持基板11にリレー22と第1電力用導電路12を設けてなる第1回路構成体10と、制御回路基板31に第2電力用導電路32とスイッチング素子33を設けてなる第2回路構成体30を、ケース40のフレーム48によって互いに平行に且つ上下に重なるように保持したものである。このように、基板を複数に分割して上下に重ねるようにしたので、1枚の基板(支持基板11と制御回路基板31)を小型化(面積を小さく)することができ、これにより、電気接続箱全体の小型化を図ることが可能となっている。また、支持基板11と制御回路基板31を互いに略平行に且つ互いに所定の間隔を空けて保持するようにしたので、電力用導電路12,32同士を安定して接続することができる。
また、基板に対して着脱を可能とされたスイッチング部材であるリレー22を、上側に位置する支持基板11の上面側に配置し、下側に位置する第2回路構成体30の第2電力用導電路32に、上側の支持基板11の上方まで延出することで着脱可能なリレー22に対して接続されるリレー用端子部34を設けた。これにより、着脱可能なスイッチング部材(リレー22)を上側の支持基板11の上面側に集中して配置することが可能となり、リレー22の着脱作業を容易に行うことができる。
また、上側の支持基板11に、リレー用端子部24をガタ付きなく貫通させる位置決め孔11Hを設けたので、リレー用端子部34を位置決め孔11Hに貫通させることで、リレー用端子部34を支持基板11及びリレー22に対して位置決めすることができる。
また、フレーム48に、複数のリレー用端子部34を個別に貫通させる貫通孔51を設け、複数のリレー用端子部34を個別に貫通孔51内に収容したので、リレー用端子部34同士が隣接していても、リレー用端子部34同士の短絡を防止することができる。
更に、本実施形態では、ケース40に密閉区間61を形成し、この密閉空間61内に、2つの回路構成体10,30のうちスイッチング部材が半導体スイッチング素子33(半導体素子)から構成されている第2回路構成体30を収容したので、制御回路基板31の表面に水や埃等の異物が付着することが阻止され、異物の付着に起因して制御回路基板31上の回路で短絡が発生することが防止される。
また、第2回路構成体30を密閉空間61に収容した場合、半導体スイッチング素子33で発生する熱が密閉空間61内に篭ってしまうことが懸念されるが、本実施形態では、密閉空間61を構成するケース40の外壁(下面壁)を熱伝導性の高い放熱板60としたので、密閉空間61内の熱を効率良く外部へ放出させることができる。
また、密閉空間61内においては、半導体スイッチング素子33が制御回路基板31の表面に配置されているとともに、第2電力用導電路32が制御回路基板31の裏面側に配置されており、第2電力用導電路32が放熱板60に対して面当たり状態で重ねられている。したがって、半導体スイッチング素子33で発生した熱は、第2電力用導電路32を介すことによって放熱板60に効率良く伝達されることになり、密閉空間61外(ケース40外)への放熱性能が高い。しかも、第2電力用導電路32と放熱板60が接着剤又は接着シート37,38を介して密着しているので、第2電力用導電路32から放熱板60への熱の伝達効率が、より高められている。
また、2つの回路構成体10,30を上下に重なるように配置した場合、下側に位置する第2回路構成体30の半導体スイッチング素子33で発生した熱が上側に位置する第1回路構成体10に伝わり、第1回路構成体10が過熱状態になることが懸念されるが、本実施形態では、第1回路構成体10と第2回路構成体30との間に、双方の回路構成体10,30の間での熱の伝達を規制可能な断熱板20を設けたので、上側の第1回路構成体10が過熱する虞はない。
また、断熱板20は、板状をなし、密閉空間61を区画する壁を構成しているので、密閉空間を構成する壁に対しその壁とは別体をなす断熱板を重ねた構造のものと比較すると、部品点数が削減されるとともに構造が簡素化される。
また、電力用導電路12,32同士を導通可能に接続させるための手段として、上側の第1電力用導電路12に音叉形端子部15を設けるとともに、下側の第2電力用導電路32にタブ端子部36を設け、フレーム48に、2つの端子部15,36を正規の接続位置に位置決めするための位置決め部55を設けている。このように、フレーム48が端子部15,36を位置決めする手段を兼ねているので、専用の位置決めの手段をフレーム48とは別に設ける場合に比べると、構造の簡素化が可能となっている。
また、電力用導電路12,32同士を接続させる手段である音叉形端子部15とタブ端子部36は、いずれも、複数ずつ隣接して並ぶように設けられているが、複数の音叉形端子部15はフレーム48に設けた複数の収容空間56内に個別に収容され、複数のタブ端子部36も複数の収容空間56内に個別に収容されるようになっているので、隣接する音叉形端子部15同士の短絡、及び隣接するタブ端子部36同士の短絡を防止することができる。
また、支持基板11に沿わせて第1電力用導電路12を配置した第1回路構成体10と、制御回路基板31に沿わせて第2回路構成体30を配置した第2回路構成体30を、互いに略平行に且つ上下に重なるようにケース40内に収容し、第1電力用導電路12の音叉形端子部15と第2電力用導電路32のタブ端子部36とを上下に嵌合させて接続するようにしたものであるが、ケース40のフレーム48には、双方の端子部15,36が上下方向(端子15,36同士の嵌合方向)と交差する方向(前後左右方向)へ変位することを規制する位置決め部55を設けている。かかる位置決め部55を設けたことにより、複数の音叉形端子部15と複数のタブ端子部36とを一斉に位置決めすることができ、ひいては、複数の音叉形端子部15と複数のタブ端子部36を同時に(一斉に)嵌合させることができるようになっている。また、位置決め部55は回路構成体10,30を収容するためのケース40に設けたので、専用の位置決め部55材が不要となっている。
また、音叉形端子部15とタブ端子部36をいずれも板状(タブ状)とし、音叉形端子部15に形成した切欠部16にタブ端子部36を嵌合させることによって両端子部を接続している。このように双方の端子部15,36は、板状としたことにより形状が簡素化されている。また、一方の端子部(音叉形端子部15)に切欠部16を設け、ここに他方の端子部(タブ端子部36)を嵌合させるようにしたので、端子部15,36同士の嵌合構造も簡素化されている。
また、音叉形端子部15とタブ端子部36は複数ずつ前後方向に近接して並列配置されているが、本実施形態では、位置決め部55を構成する収容空間56同士を仕切っている肉部が、隣接する端子部同士の間に介在する形態となるので、専用の短絡防止手段を設けなくても、端子部同士の短絡を回避することができるようになっている。しかも、音叉形端子部15とタブ端子部36との嵌合部分が、位置決め部55の収容空間56内に収容されるようにしたので、端子部間の短絡防止機能の信頼性が高い。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では密閉空間内に収容する回路構成体を1つだけとしたが、本発明によれば、密閉空間内に複数の回路構成体を収容してもよい。
(2)上記実施形態では回路構成体の数が2つである場合について説明したが、本発明は、3つ以上の回路構成体を重ねた電気接続箱にも適用できる。
(3)上記実施形態では断熱手段を上側の回路構成体の基板の下面に固着したが、本発明によれば、断熱手段を基板から離間させた形態としてもよい。
(4)上記実施形態では密閉空間内の電力用導電路を放熱板に対して面当たりするように重ねたが、本発明によれば、密閉空間内の電力用導電路を放熱板から離間させてもよい。
(5)上記実施形態では密閉空間の下面壁のみを放熱板としたが、本発明によれば、フレームに相当する部分も放熱板で構成してもよい。
(6)上記実施形態では上側の電力用導電路の音叉形端子部と下側の電力用導電路のタブ端子部を位置決めする位置決め部をフレームに設けたが、本発明によれば、位置決め部をフレームとは別に独立させて設けてもよい。
(7)上記実施形態では音叉形端子部とタブ端子部がフレームの内部で接続されるようにしたが、本発明によれば、これらの端子部がフレームの外部で接続されるようにしてもよい。
(8)上記実施形態では下側の回路構成体の端子部を電力用導電路と一体に形成ししたが、本発明によれば、端子部を電力用導電路とは別体の部品としてもよい。
(9)上記実施形態では上側の支持基板に位置決め孔を設けたが、本発明によれば、位置決め孔を設けない構成(下側の電力用導電路の端子部が上側の支持基板を貫通しない形態)としたもよい。
(10)上記実施形態ではフレームに貫通孔を設けたが、本発明によれば、端子部がフレームを貫通しない形態としてもよい。
(11)上記実施形態において基板上の狭ピッチ部分に防湿剤を塗布してもよく、また、基板上にポッティング剤を注入してもよい。
分解斜視図 第1回路構成体の斜視図 ケースのフレームの斜視図 第2回路構成体の斜視図 断面図 音叉形端子部をあらわす斜視図 位置決め部をあらわす斜視図 タブ端子部をあらわす斜視図 音叉形端子部とタブ端子部との嵌合状態をあらわす拡大断面図 第1回路構成体と断熱板の固着構造をあらわす部分拡大断面図 第2回路構成体と放熱板との固着構造をあらわす部分拡大断面図 アッパカバーの平面図 フレームの平面図
符号の説明
10…第1回路構成体
11…支持基板(上側の基板)
11H…位置決め孔
22…リレー(着脱可能なスイッチング部材)
30…第2回路構成体
31…制御回路基板(下側の基板)
33…半導体スイッチング素子
34…リレー用端子部
48…フレーム(保持手段)
51…貫通孔

Claims (3)

  1. 基板にスイッチング部材と電力用導電路を設けた複数の回路構成体と、
    前記複数の回路構成体を互いに略平行に上下に重なるように保持する保持手段とを備え、
    前記基板に対して着脱を可能とされた前記スイッチング部材を、上側に位置する前記基板の上面側に配置し、
    下側に位置する前記回路構成体の電力用導電路に、前記上側に位置する基板の上方まで延出することで前記着脱可能なスイッチング部材に対して接続される端子部を設けたことを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記上側の基板に、前記端子部を貫通させる位置決め孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
  3. 前記保持手段に、複数の前記端子部を個別に貫通させる貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気接続箱。
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