JP2005310513A - ステンレス鋼製電気配線端子 - Google Patents

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定幸 中村
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Abstract

【目的】 めっき材と同程度の表面接触電気抵抗を有し、かつ銅合金と同等の打
抜き性を有するステンレス鋼製電気配線用端子を得る。
【構成】 Ag、PtまたはPdの微細な析出相がステンレス鋼基材中に分散し、表層の接触抵抗をめっき材と同程度の表面接触電気抵抗を呈するステンレス鋼板よりなる電気配線用端子。
【選択図】 なし

Description

本発明は銅合金の無垢材、銅めっき材に匹敵する低い表面接触電気抵抗を示し、加工性に優れた電気部品、電子部品用の配線端子に関する。
電気部品、電子部品等に組み込まれ、銅電線を接続するハーネス等の配線端子には、導電性の良好な銅系材料が従来から使用されている。銅系材料のなかでも、ばね性に優れ内部抵抗が小さくばね性に優れた冷間圧延材が多用されている。軟質で伸びが低い冷間圧延材は、打抜き加工により小型で精密な部品を製造する際、加工面に加わる打抜き荷重が小さく、バリも発生しにくいことからパンチ,ダイの破損や摩耗が少なく、打抜き加工に適した材料である。
しかし、銅系材料は、耐食性に劣る。銅系材料から作製された電気配線端子を露出状態で使用すると、表面酸化が進行して表面接触電気抵抗が増加し、電気部品や電子部品の特性が変わることがある。表面酸化による表面接触電気抵抗の増加は、Sn、Ni等のめっきにより抑制できる。しかし、めっき工程を必要とするため製品コストが高くなり、使用環境によっては必要な耐食性を付与できない場合もある。
そこで、電気部品や電子部品等に組み込まれる電気接点材料の中で、弱電流が流れる配線端子では接続部品の内部抵抗に起因する発熱を考慮する必要がないことから、耐食性、ばね性に優れたステンレス鋼を配線端子の基材に使用することが検討されている。
例えば、特願平11−266607で開示されているようにステンレス鋼にCuを添加し、さらにCuリッチ相として析出させることで表面接触抵抗が改善出来ることを発明者らは見出している。
特願平11−266607
ステンレス鋼表面に形成されている不動態皮膜は、耐食性にとっては有効であるが、比電気抵抗の高い水酸化物,酸化物等から形成されているため表面接触電気抵抗を大きくする原因である。不動態皮膜の悪影響はNi,Sn等のめっきによって回避できるが、前述のとおり製造コストを高める要因となる。
また、ステンレス鋼は、焼鈍材,冷間圧延材の何れにおいても銅系材料に比較して高強度で延性の大きな材料である。そのため、ステンレス鋼を打抜き加工すると、パンチ、ダイスに大きな負担が加わり、金型寿命が短くなる。具体的には、ステンレス鋼の打抜き加工に使用されるパンチの寿命は、打抜き性を改善した銅系材料に比較すると1/10以下といわれている。
不動態皮膜に起因する高表面接触電気抵抗や打抜き加工性が悪いこと等から、無垢のステンレス鋼から作製された電気配線端子は、いまのところ実用化されていない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、AgまたはPdの微細な析出相をステンレス鋼基材中に分散させることによって、表層の接触抵抗をめっき材と同程度の表面接触電気抵抗を呈し、銅合金と同等の打抜き性を持つステンレス鋼板よりなる電気配線用端子を提供することを目的とする。
更にCuを主体とする第2相(以下、Cuリッチ相という)の析出又はCu濃化層を生成させることによって、導電性をさらに向上させることができる。
Cuの濃化層は、ステンレス鋼板の最表層又は不動態皮膜に含まれるCuを、Si濃度及びMn濃度に対するCu濃度の重量比Cu/(Si+Mn)が0.5以上となるように濃化させることによって接触抵抗を下げることができる。
具体的には、端子を構成するステンレス鋼を以下の構成にすることにより達成される。
1)AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜0.5質量%含むステンレス鋼。
2)0.5質量%以上のCuを含み、AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜
0.5質量%含むステンレス鋼。
3)0.5質量%以上のCuを含み、AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜
0.5質量%含み、さらにSi及びMnの濃度に対するCu濃度が、
Cu/(Si+Mn)≧0.5
を満足する不動態皮膜又は最表層が形成されているステンレス鋼。
4)Cuを主体とする第2相が0.1体積%以上の割合でマトリックスに分散析出してい
る2)または3)のステンレス鋼。
本発明に係る端子の素材をなすステンレス鋼板としては、AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜0.5質量%含む限り鋼種に特段の制約を受けることなく、フェライト系,オーステナイト系、マルテンサイト系、二相系等、各種ステンレス鋼板が使用できる。
Ag、Pdは製鋼工程では溶鋼に均一溶解しているが、室温では鋼にほとんど固溶しないため、凝固過程で分散析出する。この析出相は通常のステンレス鋼の鋳造条件で十分微細に分散析出するが、最終焼鈍までの工程でたとえば800℃前後で1時間以上の時効処理を行うことにより、析出を促進することができる。
Ag,Pdの析出相が表層に存在すると、この析出物上にはステンレス鋼の不導体皮膜が形成されないため、この析出物を介して電流は容易に流れることができる。そのため、素材全体としての表面接触抵抗を低く抑えられる。
更にCuを主体とする第2相(以下、Cuリッチ相という)の析出又はCu濃化層を生成させることによって、導電性をさらに向上させることができる。この場合、ステンレス鋼板の最表層又は不動態皮膜に含まれるCuを、Si濃度及び Mn濃度に対するCu濃度の重量比Cu/(Si+Mn)が0.5以上となるように濃化させる。
Cuを表層に濃化させる場合には、露点−30℃以下の雰囲気で光輝焼鈍することにより、ステンレス鋼板の表層にCuが濃化させることが可能である。或いは、大気雰囲気で最終焼鈍した後、フッ酸−硝酸,硫酸−硝酸等の混酸で酸洗することにより表層にCuを濃化させることもできる。
Cuリッチ相の析出は、フェライト系ステンレス鋼板の製造ラインにおける最終焼鈍までの工程で時効処理を施すことにより行う。Cuリッチ相の析出量は、温度,時間等の熱処理条件の他に、Cuリッチ相が析出しやすい状態にフェライト系ステンレス鋼板を調整する圧延条件によっても制御できる。
基材表面にCuリッチ相2が分散析出したステンレス鋼板や不動態皮膜3又は最表層にCuが濃化したステンレス鋼板は、最終焼鈍として光輝焼鈍を施す場合、露点が−30℃以下の焼鈍雰囲気で光輝焼鈍することにより製造される。焼鈍雰囲気の露点が低くなると、酸化反応が抑制されて比電気抵抗の高い金属酸化物の増量が抑えられ、結果として金属Cu又はCu酸化物が不動態皮膜3又は最表層に濃化される。他方、露点が−30℃を超える焼鈍雰囲気では、Si,Mn等の酸化進行に応じて母材内部から表層へのSi,Mn等の拡散が促進され、比電気抵抗の高い金属酸化物を多量に含む不動態皮膜3又は最表層が形成される。
光輝焼鈍に替えて、大気焼鈍及び酸洗によっても不動態皮膜3又は最表層にCuを濃化させることができる。ステンレス鋼板を大気焼鈍するとCr,Fe,Mn,Si,Cu等の酸化物を含むスケールが鋼板表面に形成されるが、スケールは酸洗によって除去され、その後に不動態皮膜3が生成する。このとき、焼鈍後のステンレス鋼板を電解酸洗すると、スケール剥離後の鋼板表面に存在するCu又はCuリッチ相が電解反応で母材よりも優先的に溶出する。そのため、電解酸洗後の鋼板表面には、Cu濃度の低い不動態皮膜3が形成される。これに対し、フッ酸−硝酸,硫酸−硝酸等の混酸を用いた酸洗では、Cu又はCuリッチ相の優先的な溶出がなく、酸洗後に生成する不動態皮膜3にCu濃度の低下がない。混酸としては、酸の種類や濃度に特段の制約を受けるものではないが、一般的に濃度10体積%程度の硫酸,フッ酸と硝酸との混液が使用される。
表1に示す化学組成のステンレス鋼に大気焼鈍を施した後、5%硝酸を用いた電解酸洗及び6%硝酸+2%フッ酸の混酸を用いた酸洗を施した。一部は700℃で24時間の熱処理を行うことによりCuリッチ相の析出処理を行った。最終焼鈍は大気焼鈍で行い、仕上げは混酸仕上げとした。
鋼材のCuリッチ相量は透過電子顕微鏡による観察によって、マトリックスに分散析出しているCuリッチ相の析出量を求めた。
鋼材表層部へのCuの濃化の程度は、試験片をグロー発光分析にかけ、Cu,Si及びMnについて表面/母材の強度比,母材濃度(質量%)から表面濃度(質量%)を求め、Cu/(Si+Mn)として表面層のCu濃度比を算出した。
表面接触抵抗は対極および測定端子に純金を用いてサンプル表面に接触させ、接触端子に100gの重りによる荷重をかけた時の値を測定した。
Figure 2005310513
表2に処理条件とCuリッチ相量、表層部へのCu濃化度および表面接触抵抗の測定結果を示す。
Ag、Pdの何れも含有せず、Cuの含有量も0.4%と少ない鋼種F1は、Cuリッチ相析出処理を行ったにもかかわらずその析出量が少ないため、1000mΩ近い大きな表面接触抵抗を示した。
Figure 2005310513
Ag,Pdの一種以上を含有するF3,4,6,7鋼を用いた発明例3,4,8,9は、何れも200mΩ以下という小さい接触抵抗を示した。Agに加え、更にCuを含有するF5鋼は、発明例No.5に示すようにCuリッチ相の析出処理を行わなくても表面接触抵抗は199mΩと小さい事がわかる。
また、F5鋼を更に析出処理によりCuリッチ相が鋼中に0.6体積%生成したNo.8は、表面接触抵抗が49mΩと格段に向上している。これは、Cuリッチ相による表面接触抵抗の低減効果の寄与が大きいことを示唆している。
以上の結果より、本発明に係るステンレス鋼製の電気接点端子は本用途に優れた適性があることがわかる。
本発明に係るステンレス鋼性端子は、電気部品、電子部品等に組み込まれ、銅電線を接続するハーネス等の配線端子として利用できる。

Claims (4)

  1. AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜0.5質量%含むことを特徴とする、ステンレス鋼製電気配線用端子。
  2. 0.5質量%以上のCuを含み、AgまたはPdの一種または二種以上を0.01〜0.5質量%含むことを特徴とする、ステンレス鋼製電気配線端子。
  3. Si及びMnの濃度に対するCu濃度が、質量比で
    Cu/(Si+Mn)≧0.5
    を満足する不動態皮膜又は最表層が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のステンレス鋼製電気配線端子。
  4. Cuを主体とする第2相が0.1体積%以上の割合でマトリックスに分散析出していることを特徴とする、請求項2または3に記載のステンレス鋼製電気配線端子。
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