JP2005309336A - 光走査方法・光走査装置および画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

光走査方法・光走査装置および画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 走査線の傾きや曲がりの補正に起因する、主走査方向における光スポットの間隔の不均一を有効に軽減する。
【解決手段】 光源からの光ビームを光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行い、被走査面上における、走査線の傾きと走査線の曲がりとのうちの少なくとも一方を補正するために、偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させるとともに、上記光路の微小変化に伴う被走査面上における光スポットの主走査方向の位置偏差を画像信号の印加タイミングの調整により補正して光走査を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は光走査方法・光走査装置および画像形成方法および画像形成装置に関する。
光源からの光ビームを光偏向器により偏向し、偏向された光ビームを走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して光走査を行う光走査装置は光プリンタやデジタル複写装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。
「走査線」は、被走査面上において光スポットが描く軌跡であり、主走査方向の定まった直線として設計され、設計どおりのものであることが理想であるが、実際には、直線であるべき走査線が湾曲したりする「走査線曲がり」や、走査線の向きが正しい方向に対して傾いてしまう「走査線の傾き」が発生しやすい。
これらは、主として、光偏向器や走査結像光学系の製造誤差や設置誤差あるいは経時的な変形、さらには光走査装置自体の変形により発生する。一般には、走査線の傾き、走査線の曲がりは微弱なものであって、画像形成される画像がモノクロ画像である場合には、さほど問題とはならない。
しかし、例えば4つの光導電性感光体を別個の被走査面としてこれらにイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色画像成分に対応する静電潜像を書き込み、これら静電潜像を対応する色のトナーで可視化し、得られる各色トナー画像を同一の転写紙に重ね合わせて転写・定着してカラー画像を得るような場合であると、各被走査面に書き込みを行う光スポットの走査線の「曲がりや傾き」が被走査面ごとに異なっていると、重ね合わせられる各色トナー画像において、異なる色のトナー画像の重なり合いが不整合となり、「色ずれ」と呼ばれる画質劣化を引き起こす。「色ずれ」が生じたカラー画像は、本来形成されるべきカラー画像の色相や色調を正しく表現できない。
「色ずれ」の問題は、カラー画像形成の場合のみならず、複数種の色のトナーを用いて、複数色の画像を表現する「2色画像形成や多色画像形成」の場合にも問題となる。
勿論、モノクロ画像を画像形成する場合でも、走査線の曲がりや傾きは無いに越したことはない。
「走査線の曲がり」や「走査線の傾き」に関しては、これらを完全にとは行かぬまでも有効に軽減できる補正方法として、偏向された光ビームの光路を折り曲げるための光路屈曲ミラーを「主走査方向の一端を支点として傾け」たり、走査結像光学系に含まれる短冊形のレンズを傾けて「走査線の傾き」を補正する方法や、走査結像光学系に含まれる短冊形のレンズの姿勢を回転調整し、あるいは主走査方向に強制的に撓ませて「走査線の曲がり」を補正する方法等が知られている(特許文献1〜4等)。
ところで、被走査面上における光スポットは、画像信号に応じて点滅し、個々の画素を書き込むものであるから、書き込まれる各画素の配列に粗密がないためには、光スポットの間隔にも粗密がないことが理想である。
光スポットの間隔が不均一となって書き込まれる画素の配列状態に粗密を生じる原因として、従来から良く知られたものに「走査結像光学系の等速特性(fθ特性やリニアリティ)」がある。これらは、走査結像光学系の設計上の特性に応じて一義的に定まる。
光スポットの間隔が不均一となる別の原因として、上述の如き方法で「走査線の曲がりや傾きを補正」した場合に、この補正の副作用として、光スポットの間隔の不均一が発生し、この不均一が、画像形成されるカラー画像や2色画像、多色画像における「主走査方向の色ずれ」という画像劣化を引き起こすことがわかった。勿論、モノクロ画像の形成においても「画素の配列に粗密がない」ことが好ましい。
特開平 10−133130号公報 特開平 11−153765号公報 特開2001−194613 特開2002−182145
この発明は上述したところに鑑み、走査線の傾きや曲がりを補正することに起因して生じる「主走査方向における光スポットの間隔の不均一(光スポットの間隔の粗密)」を有効に軽減できる光走査方法および光走査装置の実現、上記光走査方法を使用する画像形成方法、上記光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題とする。
この発明の光走査方法は「光源からの光ビームを光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査方法」であって、以下の特徴を有する(請求項1)。
即ち、被走査面上における「走査線の傾きと走査線の曲がりとのうちの少なくとも一方を補正」するために、偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させるとともに、光路の微小変化に伴う被走査面上における「光スポットの主走査方向の位置偏差」を画像信号の印加タイミングの調整により補正して光走査を行う。
上記のように、この発明の光走査装置では「走査線の傾きと走査線の曲がりとのうちの少なくとも一方」が補正されるので、走査線の傾きもしくは走査線の曲がりが補正される場合と、走査線の曲がりと走査線の傾きとが共に補正される場合とが含まれる。即ち「走査線の傾きは補正すべきであるが、走査線の実質的な曲がりがない」ような場合には走査線の曲がりのみを補正すればよいし、逆に「走査線の傾きには問題ないが、走査線の曲がりは補正を必要とする」ような場合には、走査線の曲がりのみを補正すればよい。
「走査線の曲がりおよび/または走査線の傾き」の補正は、光偏向器により偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させることにより行われる。ここに「光ビームの光路を機械的に微小変化させる」とは、光走査装置を構成する光学的要素、機械的要素相互の相対的な位置関係を微調整して光ビームの光路を変化させることをいい、結果として光路の変化は「微小な変化」である。
このような「光路の微小変化」に起因して、光スポットの主走査方向の位置間隔に不均一(粗密)が発生する。このとき、主走査方向における光スポットの像高位置の「本来の位置からのずれ量」を「位置偏差」と呼ぶ。この位置偏差を「画像信号の印加タイミングの調整」により補正するのである。上記光スポットの像高位置の「本来の位置」は、光走査装置が設計どおりに作製され組み立てられた場合における像高位置である。
例えば、走査結像光学系がfθレンズであるならば、光スポットの理想的な像高位置は、偏向角:θに対し、光軸から距離:fθの位置となるが、良く知られたように、実際にはfθレンズ固有のfθ特性により、光スポットの現実の像高位置は理想上の像高位置からずれたものになる。このような「光学系の特性に起因する光スポットの理想像高からのずれ」を「光学系固有の位置偏差」と呼ぶ。
この発明における「走査線の曲がりおよび/または走査線の傾き」の補正に起因する光スポットの主走査方向の位置偏差は、光学系固有の位置偏差とは独立して補正することができるが、「画像信号の印加タイミングの調整」により、上記位置偏差と光学系固有の位置偏差とを合わせて補正することも可能である。
請求項1記載の光走査方法において、走査線の傾きを補正するために「光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの、1以上の光学素子の姿勢を調整」して光ビームの光路を微小変化させることができる(請求項2)。
この場合に、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させることもできるし(請求項3)、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち「1以上の光路屈曲ミラー」の姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させることもできる(請求項4)。勿論、1以上のレンズの姿勢調整と光路屈曲ミラーの姿勢調整とを組み合わせて光ビームの光路を微小変化させ、所望の補正効果を得ることもできる。
なお「光学素子の姿勢を調整」するとは光学素子に強制的な変形を生じさせること無く、その配置の位置や向きを変化させることを言う。
上記請求項4記載の光走査方法において、1以上の光路屈曲ミラーの姿勢を調整する場合、「光スポットの主走査方向の位置偏差の像高に対する特性が極値を1つ持つ」ように調整を行うことが好ましい(請求項5)。
請求項1〜5の任意の1に記載の光走査方法において「走査線の曲がりを補正」するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの1以上を変形して光ビームの光路を微小変化させることができる(請求項6)。この場合、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズを主走査方向に変形して光ビームの光路を微小変化させることもできるし(請求項7)、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させることもできる(請求項8)。
勿論、走査線の曲がりを補正するのに、上記レンズの変形と光路屈曲ミラーの変形とを組み合わせて所望の補正効果を得るようにすることができる。また、光学素子の変形による走査線の曲がりの補正とともに、同一もしくは別個の光学素子の姿勢調整による走査線の傾きの補正とを同時に行うことができる。
請求項8記載の光走査方法において、1つの光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させ、主走査方向に撓められた光路屈曲ミラーの鏡面形状における極値の数:n(≧1)に対し、光スポットの主走査方向の位置偏差が像高に対して(n+1)個の極値を持つように、光路屈曲ミラーを撓めることが好ましい(請求項9)。
この場合には、光路屈曲ミラーの極値で反射された光線の、被走査面における到達点の前後の像高で、位置偏差の像高に対する補正量が極値を取るようにするのが良い。
請求項1〜9の任意の1に記載の光走査方法において、光スポットの主走査方向の位置偏差の、像高に対する補正量は「被走査面上における、走査線の傾きの補正量、もしくは、走査線の曲がりの補正量、または走査線の傾きおよび走査線の曲がりの補正量」に対応させて決定することができる(請求項10)。
光スポットの主走査方向の位置偏差(光学系固有の位置偏差を含まない)は、上記補正量に対して良好な相関を有するので、補正量に応じて「位置偏差の像高に対する位置偏差の補正量」を適正に設定することが可能である。勿論、上記位置偏差を測定して補正量を決定することも可能である。
請求項1〜10の任意の1に記載の光走査方法において「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整」は、画像信号のクロックの位相シフトにより行うこともできるし(請求項11)、画像信号のクロックの周波数を変化させることにより行うこともできる(請求項12)。
請求項1〜12の任意の1に記載の光走査方法において「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整」は、有効光走査幅が所定の幅となるように行うことが好ましい(請求項13)。また、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を「主走査方向における光スポットの間隔が等間隔的となる」ように行うこともできる(請求項14)。この請求項14の場合には、光学系固有の位置偏差も同時に補正されることになる。
光スポットの主走査方向の位置偏差の補正は、画素位置ごとに逐一行っても良いが、その場合には補正データが多量となって大容量のメモリが必要となる。このようにする代わりに、有効光走査領域を複数領域に分割し、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を「領域ごとに設定」し、個々の領域内では同一の調整を行うようにすることができる(請求項15)。このようにすると、より少ない補正データで補正を実行できる。勿論、画素ごとに位置偏差を補正する場合のような高い精度の補正はできないが、実用上の見地からして十分な補正が可能であり、領域を分割する分割数を増やすことにより、補正の制度を高めることができる。有効光走査領域の複数領域への分割は「等分割」でも良いし、「位置偏差の変化の大きいところで細かく分割し、変化の緩やかのところでは分割数を少なくする」ような分割の仕方で行っても良い。
例えば、光スポットの位置の「ずらし量」をdとしたとき、ある位置で、光スポットの位置をずらし量:dだけずらすと、このスポットよりも光走査終了側にある光スポットの位置は全て「d」の距離だけずれることになる。
従って、有効光走査領域:Lをn個の領域:L1、L2、・・Li、・・Lnに分割し、これら各領域:Li(i=1〜n)における補正量をdiとするならば、例えば、各領域:Liにおける最初の光スポットをずらし量:diだけずらすように補正量を決めることにより、各領域:Liに属する全ての光スポットの位置偏差を同一の補正量で補正することができる。
この発明の画像形成方法は「1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させて1以上の被走査面を光走査する光走査装置を用い、1以上の被走査面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像として可視化し、得られたトナー像をシート状記録媒体に転写・定着して画像形成を行う画像形成方法」であって、1以上の被走査面に対して、請求項1〜15の任意の1に記載の光走査方法による光走査を行うことを特徴とする(請求項16)。
この請求項16記載の画像形成方法において「光源および被走査面を2以上とし、各被走査面に形成される静電潜像を互いに異なる色のトナー画像として可視化し、各色トナー画像を同一のシート状記録媒体上へ互いに重ね合わせて転写・定着してカラー画像を形成する」ようにし、各被走査面に対する光走査の走査線の形状が互いに実質的に同一と成るように、且つ、「光スポットの主走査方向における位置偏差」を実質的に同一に補正することができる(請求項17)。
請求項17記載の画像形成方法においては、2色画像や多色画像、さらにはフルカラー画像を形成することが可能であるが、その場合において「走査線の傾きおよび/または曲がりの補正」を、個々の被走査面について適正に行って、各被走査面における走査線の形状が実質的に同一になる(各被走査面の走査線の形状を仮想的に重ね合わせたとき、これら走査線が実質的に互いに重なり合う)ようにすることができるが、このようにする代わりに、1つの被走査面における走査線を基準として「この基準の走査線に対しては、走査線の曲がり及び/または傾きを補正せず」に、他の被走査面における走査線に対して補正を行って、他の被走査面における走査線が基準の走査線と同じ走査線形状となるようにしてもよい。さらには、上記1つの被走査面における走査線に対し「曲がりと傾き」のうちの一方のみを補正して基準の走査線とし、この基準走査線に対して他の被走査面の走査線の形状を合わせるように補正を行うようにしてもよい。他の被走査面については、主走査方向の位置偏差の補正も、基準走査線における位置偏差に合わせるように行えばよい。
この発明の光走査装置は「1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させ、上記1以上の被走査面を光走査する光走査装置」であって、走査線補正手段と、位置偏差補正手段とを有する(請求項18)。
「走査線補正手段」は、1以上の被走査面における、走査線の傾きもしくは走査線の曲がり、または走査線の傾きと走査線の曲がりとを補正する手段であり、走査線の傾きもしくは走査線の曲がり、または走査線の傾きと走査線の曲がりとを補正するために、偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させる。
「位置偏差補正手段」は、光スポットの主走査方向の位置偏差を画像信号の印加タイミングの調整により補正する。
上において「偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させる。」の意味するところは、請求項1に関連して上に述べたところと同じである。
請求項18記載の光走査装置において、走査線補正手段は「走査線の傾きを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの、1以上の光学素子の姿勢を調整する」ように構成されることができる(請求項19)。
この場合、走査線補正手段が走査線の傾きを補正するために「光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させる」ように構成してもよいし(請求項20)、「光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させる」ように構成することもできる(請求項21)。勿論、走査線補正手段は、上記レンズの姿勢と、光路屈曲ミラーの姿勢とを共に調整して走査線の傾きを補正することもできる。
請求項21記載の光走査装置において、走査線補正手段は「1以上の光路屈曲ミラーの姿勢の調整を、光スポットの主走査方向の位置偏差の像高に対する特性が極値を1つ持つように行う」ことが好ましい(請求項22)。
請求項18〜22の任意の1に記載の光走査装置において、走査線補正手段は、走査線の曲がりを補正するために「光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの1以上を変形して光ビームの光路を微小変化させる」ように構成することができる(請求項23)。この場合、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズを主走査方向に変形して光ビームの光路を微小変化させるように構成することもできるし(請求項24)、偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させるように構成することもできる(請求項25)。勿論、上記レンズと光路屈曲ミラーの両者を変形させてもよい。
また、レンズを傾けて走査線の曲がりを補正し、光路屈曲ミラーを撓ませて走査線の傾きを補正するようにしてもよく、レンズや光路屈曲ミラーの姿勢調整と変形との組み合わせにより、走査線の曲がりと傾きとを補正することもできる。
請求項25記載の光走査装置においては、走査線補正手段を「1つの光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させ、主走査方向に撓められた光路屈曲ミラーの鏡面形状における極値の数:n(以上)に対し、光スポットの主走査方向の位置偏差が像高に対して(n+1)個の極値を持つように、光路屈曲ミラーを撓める」ように構成することができる(請求項26)。この場合には、光路屈曲ミラーの極値で反射された光線の、被走査面における到達点の前後の像高で、位置偏差の像高に対する補正量が極値を取るようにするのが良い。
請求項18〜26の任意の1に記載の光走査装置において、位置偏差補正手段における光スポットの主走査方向の位置偏差の像高に対する補正量は「走査線補正手段による走査線の傾きの補正量、もしくは、走査線の曲がりの補正量、または走査線の傾きおよび走査線の曲がりの補正量」に対応させて決定することが好ましい(請求項27)。
請求項18〜27の任意の1に記載の光走査装置において、位置偏差補正手段は「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの位相シフトにより行う」こともできるし(請求項28)、「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの周波数を変化させる」ことにより行うこともできる(請求項29)。
請求項18〜29の任意の1に記載の光走査装置において、位置偏差補正手段が「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、有効光走査幅が所定の幅となるように行う」ことが好ましい(請求項30)。
請求項18〜30の任意の1に記載の光走査装置において、位置偏差補正手段が「光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を、主走査方向における光スポットの間隔が等間隔的となるように行う」ことが好ましい(請求項31)。このようにすると、請求項14記載の光走査方法の場合と同様「光学系固有の位置偏差」も同時に補正される。
請求項18〜31の任意の1に記載の光走査装置において、位置偏差補正手段による位置偏差補正を「有効光走査領域を複数領域に分割し、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を領域ごとに設定し、個々の領域内では同一の調整を行う」ように設定することができる(請求項32)。
請求項15記載の光走査方法と同様、このようにすると、より少ない補正データで補正を実行できる。有効光走査領域の複数領域への分割は「等分割」でも良いし、「位置偏差の変化の大きいところで細かく分割し、変化の緩やかのところでは分割数を少なくする」ような分割の仕方で行っても良い。
有効光走査領域における画像信号のクロックの周波数を変化させて位置偏差の補正を行う方式では、全画素に対して補正を行う場合、考慮しなければならない周波数成分が多くなって補正が難しくなり、補正精度が低下する。また、考慮しなければならない周波数成分が多くなるほど回路が複雑化し、補正手順も複雑になってコストアップを生じやすい。
請求項15や32の場合のように、有効光走査領域を複数の領域に分割し、領域ごとに定めた補正を行う方法であると、考慮する周波数成分を少なくしても高精度な補正が可能となる。また、分割する位置を工夫することにより、図16に示す「折れ線近似」のような簡単な方法で補正したとしても高精度な補正ができる。領域ごとの補正は、画像信号のクロックの周波数を変化させて行ってもよいし、クロックの位相を変化(位相シフト)させて行っても良い。
この発明の画像形成装置は「1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させて1以上の被走査面を光走査する光走査装置を用い、1以上の被走査面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像として可視化し、得られたトナー像をシート状記録媒体に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置」であって、光走査装置として、請求項18〜32の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする(請求項33)。
この発明の画像形成装置はまた「光源および被走査面が2以上であって、各被走査面に形成される静電潜像が互いに異なる色のトナー画像として可視化され、各色トナー画像が同一のシート状記録媒体上へ互いに重ね合わせて転写・定着されてカラー画像を形成する画像形成装置」として実施できる。
この場合、各被走査面における走査線の形状が互いに実質的に同一と成るように走査線補正を行い、且つ、各被走査面における光スポットの主走査方向の位置偏差の補正が実質的に同じになるように位置偏差補正を行う(請求項34)。
請求項34記載の画像形成装置は、2色画像や多色画像、さらにはフルカラー画像を形成するように構成することが可能であるが、その場合「走査線の傾きおよび/または曲がりの補正」を個々の被走査面について適正に行って、各被走査面における走査線の形状が実質的に同一になる(各被走査面の走査線の形状を仮想的に重ね合わせたとき、これら走査線が実質的に互いに重なり合う)ようにすることもできるが、このようにする代わりに、1つの被走査面における走査線を基準としてこの基準の走査線に対しては「走査線の曲がり及び/または傾き」を補正せず、他の被走査面における走査線に対しては補正を行って、他の被走査面における走査線が基準の走査線と同じ走査線形状となるようにしてもよい。さらには、1つの被走査面における走査線に対し「曲がりと傾き」のうちの一方のみを補正して基準の走査線とし、この基準走査線に対して他の被走査面の走査線の形状を合わせるように補正を行うようにしてもよい。他の被走査面については、主走査方向の位置偏差の補正も、基準走査線における位置偏差に合わせるように行えばよい。
上記「シート状記録媒体」は、各種の転写紙やOHP用のプラスチックシート等である。被走査面の実体をなす光導電性の感光体からシート状記録媒体へのトナー画像の転写は感光体からシート状記録媒体へ直接転写する直接転写方式によってもよいし、感光体上のトナー画像を、中間転写ベルトを介してシート状記録媒体へ転写する中間転写方式によって行っても良い。この発明の画像形成装置はカラーや2色、多色の光プリンタやデジタル複写装置、光プロッタ、ファクシミリ装置等として実施することができる。
上記の如く、この発明によれば新規な光走査方法および光走査装置を実現できる。この発明の光走査方法・光走査装置では、従来、全く考慮されていなかった「走査線の傾き及び/又は曲がりを補正することに起因して発生する光スポットの主走査方向の位置偏差」を有効に軽減できる。
従って、この発明の画像形成方法・画像形成装置では、上記光スポットの主走査方向の位置偏差に起因する画像劣化、特に2色画像や多色画像、フルカラー画像における主・副走査方向の色ずれを有効に軽減して良好な画像を形成することができる。
図1は、画像形成装置の実施の1形態である「タンデム式カラー画像形性装置」の一部を説明図として示している。図に於いて、符号101、102,103、104は被走査面の実体をなす「光導電性の感光体」を示す。これら感光体101〜104はドラム状で互いに平行に設けられ、これら感光体に光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分画像の静電潜像が形成される。
図1は、感光体102に光走査がなされる状態を示している。感光体102の光走査により、マゼンタ成分画像の静電潜像が書き込まれる。図1において符号251で示す光源ユニットからは2本のレーザ光が光ビーム202として放射される。これら2本の光ビームはこの例においては平行光束であるが、主走査方向に互いに角度を持ち、間隔を狭めながらシリンドリカルレンズ210に入射し、シリンドリカルレンズ210により副走査方向へ収束されつつ光偏向器213に向かう。
光偏向器213は回転多面鏡で、感光体101〜104の光走査に対応して「6面の偏向反射面からなるポリゴンミラー」4段に分かれている。光源201からの2本の光ビームは4段のポリゴンミラーのうち上から2段目のポリゴンミラーに入射する。このとき、各光ビームは、シリンドリカルレンズ210の作用により、反射部を構成する偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。各光ビームの形成する線像は、副走査方向に分離し、2本の光ビームは光偏向器213の回転軸方向から見ると偏向反射面近傍で「主走査方向に交差」する。
光偏向器213が等速回転すると、2本の光ビームは反射されて等角速度的に偏向し、第1レンズ218を透過し、光路屈曲ミラー224により光路を折り曲げられ、長尺の第2レンズ220を透過し、第2の光路屈曲ミラー227により光路を折り曲げられ感光体102に入射する。なお、図の繁雑を避けるため、光偏向器213以後においては光ビームを単一ビームとして示している。
感光体102に入射した2本の光ビームは、走査結像光学系を構成する第1レンズ218、第2レンズ220の作用により「副走査方向に所定距離分離した2つの光スポット」として集光し、感光体102を「2走査線同時」に光走査する。即ち、この画像形成装置はマルチ光ビーム走査方式である。
このような光学系の構成において、光偏向器213や走査結像光学系218、220、光路屈曲ミラー224、227の製造誤差や設置誤差あるいは経時的な変形、さらには光走査装置自体の変形により、走査線の傾きや走査線の曲がりが発生する。
走査線の傾きは、例えば、以下のようにすれば補正することができる。
最初に説明する例は、図1における光路屈曲ミラー227の「姿勢を調整」する方法である。図2は、この調整方法を模式的に示している。図2(a)において、符号102は被走査面を示す。被走査面102は実態的には図1の感光体102であるが、図2(a)においては説明の簡単のために平面的に図示している。
図2の方法では、走査線SLの傾きを補正するのに、光路屈曲ミラー227の姿勢を回動調整する。即ち、光路屈曲ミラー227の長手方向である主走査方向の両端部を図の如くA、Bとするとき、例えば、図2(a)のように端部A側を支点として端部B側を回動させると、図2(b)に示すように、回動により「偏向光ビームの入射する位置」が端部A側から端部B側へ向かって連続的に変化し、反射光ビームが端部A側から端部B側へ向かって、副走査方向へ連続的にかつ線形的に変化するので、上記回動調整により光路屈曲ミラー227の姿勢を調整することにより、図2(a)に示す如く、被走査面102上における走査線SLの「主走査方向に対する傾き角:ξ」を変化させることができるので、このことにより「走査線の傾き」を補正できる。
図3に示す例は、図1における長尺の第2レンズ220の姿勢を調整する方法である。
図3(a)においても符号102は被走査面(実体的には図1の感光体102)であり、簡単のために平面的に図示している。
図3の方法では、走査線SLの傾きを補正するのに、第2レンズ220の姿勢を回動調整する。即ち、長尺の第2レンズ220の長手方向である主走査方向の両端部を図の如くA1、B1とするとき、例えば、図3(a)のように端部A1側を支点として端部B1側を副走査方向において回動させると、図3(b)に示すように、偏向光ビームに対する第2レンズ220の光軸が副走査方向において、端部A1側から端部B1側へ向かって連続的に変化し、光ビームの進行方向が端部A1側から端部B1側へ向かって、副走査方向へ連続的に変化するので、上記回動調整により第2レンズ220の姿勢を調整することにより、図3(a)に示す如く、被走査面102上における走査線SLの「主走査方向に対する傾き:ξ」を変化させることができるので、このことにより「走査線の傾き」を補正することができる。
上には、光路屈曲ミラー227や第2レンズ220の姿勢調整による「走査線の傾きの補正」を説明したが、以下には「走査線の曲がりの補正」を説明する。
図4において、符号102は被走査面(実体的には感光体102)、符号227は光路屈曲ミラーを示す。図4(a)に示すように、光路屈曲ミラー227の長手方向(主走査方向)の両端部をA2、C2、中央部をB2とし、長手方向両端部A2、C2と中央部B2とに、鏡面に直交する方向に「互いに逆向きの力」を作用させて光路屈曲ミラー227を撓ませる。すると、図4(b)に示す如く、光路屈曲ミラー227により反射される光ビームは、光路屈曲ミラー227の撓みに応じて副走査方向へ変化する。これにより、被走査面102における走査線SLは図4(a)に示す如く湾曲するが、光路屈曲ミラー227の撓み量を調整することにより、走査線SLの湾曲の程度を変化させることができるので、このことを利用して「走査線の曲がり」を補正することができる。
図5において、符号102は被走査面(実体的には感光体102)、符号220は長尺の第2レンズを示す。図5(a)に示すように、第2レンズ220の長手方向(主走査方向)の両端部をA3、C3、中央部をB3とし、長手方向の両端部A3、C3と中央部B2とに、副走査方向に平行で互いに向きの逆な力を作用させて第2レンズ220を「主走査方向に撓ませる」と、図5(b)に示す如く、第2レンズ220に入射する光ビームと第2レンズ220の光軸の位置関係が、第2レンズ220の撓み量に応じて変化するので、第2レンズ220を透過した光ビームの進行方向が第2レンズ220の撓みに応じて副走査方向へ変化する。
これにより、被走査面102における走査線SLは図5(a)に示す如く湾曲するが、第2レンズ220の撓み量を調整することにより、走査線SLの湾曲の程度を変化させることができるので、このことを利用して「走査線の曲がり」を補正することができる。
上には、光路屈曲ミラー227や第2レンズ220の「姿勢調整」による走査線の傾きの補正と、光路屈曲ミラー227や第2レンズ220の変形(湾曲)による走査線の曲がりの補正を説明したが、上記姿勢調整と変形とを組み合わせて「走査線の傾きと曲がり」を同時に補正することも可能である。
例えば、光路屈曲ミラー227の湾曲量調整により走査線の曲がりを補正し、第2レンズ220の姿勢調整で走査線の傾きを補正することもできる。あるいは光路屈曲ミラー227(または第2レンズ220)の湾曲量により走査線の曲がりを補正し、回動調整による姿勢調整で走査線の傾きを補正することもできる。
図1に戻ると、走査線の傾き・曲がりを補正するために姿勢調整し、あるいは変形させる光学素子は、第1レンズ218、第2レンズ220、光路屈曲ミラー224、227の何れでも良く、これらの適宜の組み合わせで姿勢調整・変形を行うこともできる。
上に説明した光学素子の姿勢調整・変形による走査線の傾き・曲がりの補正には、被走査面上における光スポットの主走査方向の位置偏差が副作用として伴う。
例えば、図6は、光路屈曲ミラー227を姿勢調整(端部A側を支点とする回動調整)することにより走査線の傾きを補正した状態を示している。光路屈曲ミラー227は姿勢調整前には破線で示す状態にあるが、実線で示す状態へ姿勢を調整することにより、走査線の傾きを調整している。なお、図6において「走査結像光学系」とあるのは、光偏向器以降において光路屈曲ミラー227に至る光路上の光学系(第1レンズ218、第2レンズ220等)をまとめて模式的に示すものである。
光路屈曲ミラー227を図の如くに姿勢調整したことに伴い、偏向された光ビームの光路屈曲ミラー227への入射角が姿勢調整前と異なったものになり、光ビームの被走査面への到達位置(光スポットの像高 光路を太い線で示す)が、姿勢調整前の位置(光路を細い線で示す)からずれる。即ち、上記入射角は、端部A側では姿勢調整前に比して小さくなり、端部B側では大きくなる。また、光路屈曲ミラー227への入射位置は端部B側において「より大きく」ずれる。
このため「隣接画素に対応した光スポットの主走査方向の間隔」は、端部A側から端部B側へ向かって次第に拡がるように変化する。光路屈曲ミラー227の姿勢調整のための回転の向きを図6と逆の向き(時計回り)にした場合は、「隣接画素に対応した光スポットの主走査方向の間隔」は、端部A側から端部B側へ向かって次第に狭まるように変化する。
走査結像光学系に含まれるレンズ、例えば、第2レンズ220を図3のように姿勢調整して走査線の傾きを補正する場合、姿勢調整に伴い光ビームが透過する部分の「主走査方向に直交する断面上のレンズ形状が入射位置と共に変化するので、第2レンズ220の主走査方向の結像特性が入射位置と共に変化し、「隣接画素に対応した光スポットの主走査方向の間隔」は像高に応じて複雑に変化する。
「走査線の曲がり」を補正するために、例えば、光路屈曲ミラー227を図7に示すように撓ませる場合、光路光路屈曲ミラー227への光ビームの入射角が変化するが、主走査方向の両端部側で入射角・入射位置が大きく変化するのに対し、主走査方向の中央付近では入射角・入射位置ともにあまり変化しない。「隣接画素に対応した光スポットの主走査方向の間隔」は、主走査方向の両端部に近いほど広くなる。撓みの向きが逆であればこの逆になる。
また、走査結像光学系に含まれるレンズ、例えば、第2レンズ220を、図5のように撓めて走査線の曲がりを補正する場合、レンズの湾曲により、光ビームが透過する部分の「主走査方向に直交する断面上のレンズ形状が入射位置と共に変化するので、第2レンズ220の主走査方向の結像特性が入射位置と共に変化し、「隣接画素に対応した光スポットの主走査方向の間隔」は像高に応じて複雑に変化する。
ところで一般に、図6に即して説明したような「光路屈曲ミラーの姿勢調整により走査線の曲がりを補正」する補正の場合、光スポットの位置ずれ量、即ち「位置偏差」は、図8(a)に示す如く「像高(横軸)」に対して極値を1つ有するような特性になる。なお、位置ずれの方向は、光走査開始端側にずれる方向を「+の位置ずれ」としている。
従って、位置偏差補正手段により位置偏差を補正するに当たっては「補正量が、像高に対する特性において極値を1つ持つ」ように補正量の設定を行うのがよい。
位置偏差の補正量を「画素ごと」に設定すれば、各画素に応じて光スポットを適正な位置(走査線の傾きに起因する位置偏差を完全に補正した状態)に補正することができる。しかしながら、実用上からは必ずしもこのような完全な補正は必要ではなく、有効光走査領域を複数の領域に分割して、例えば、図8(b)に示すように、各領域では補正量を領域に応じた一定値とし、全体として、図8(a)の位置偏差を階段状に近似するような補正を行うようにしても良いし、あるいは、図8(c)に示すように、位置偏差の補正量を折れ線的に変化させて位置偏差を近似するような補正を行っても良い。
位置偏差補正手段による補正の方法としては、例えば前述の如く「画像信号のクロックの周波数」を変化させる方法が考えられるが、図8(b)の補正をこの方法で行うのであれば、クロックの周波数を図8(b)における各段ごとに所定の値とするようにすればよいし、図8(c)の補正を行う場合には、各折れ線の部分で、周波数の変化の割合(微分値)を一定にするようにすればよい。
あるいはまた、図8(b)に示す補正を後述する「画像信号のクロックの位相シフト」により行うのであれば、図8(b)における各段ごとにシフト量を一定とし、補正量が1段異なるごとにシフト量を変更するようにすればよい。この場合、各段ごとにシフト量を定め、各段の最初に位置する光スポットの位置を補正量に応じてずらす(この場合、同じ段に属する他の全ての光スポットの位置が上記補正量で補正されることになり、図8(b)の如く、同じ段の光スポットは同じ補正量になる。)ようにしてもよいし、図8(c)のような「折れ線近似の補正」を行うようにしても良い。
図8(c)の如き「折れ線近似の補正」を行う場合には、光スポットの「ずらし量(即ち「位相シフト量」)」を各折れ線部で共通に設定し、各折れ線部ごとに「位相シフトを行う画素の数を異ならせる」ようにすれば良い。このような補正では、各折れ線部は「細かい階段状」になるが、階段が細かいので全体として直線(折れ線部)と見なしても差し支えない。
この場合、細かい階段状の部分を「直線状」と見なせるのは、各階段のステップが揃っている場合、即ち、位相シフトを行う画素が等間隔に並んでいる場合であるが、位相シフトを行う画素は必ずしも等間隔に並んでいる必要は無く、位相シフトを行う画素を「粗密を持たせて配置」すれば2次関数や3次関数等の曲線を表現することもでき、より高精度な補正が可能となる。
前述の如く、光スポットにより書き込まれる画素は連続しているから、1つの光スポットの位置偏差を補正すると、これに伴い後続する画素に対応する位置偏差も連動して上記補正量だけ補正されることになるのである。
光走査結像素子中のレンズの姿勢調整で走査線の傾きを補正する場合には、光スポットの位置偏差は像高に応じて複雑に変化するが、この場合には、レンズの姿勢調整量と光スポットの位置偏差の関係を予め実測やシミュレーションで確定しておき、それに基づいて補正を行うのがよい。このように補正データを設定することで、位置偏差の効果的な補正が可能となる。
即ち、走査線の傾きの補正に伴う光スポットの位置偏差は「走査線の傾きの補正量」とよい相関が取れ、走査線の傾きの補正量がわかれば、どのような位置偏差が発生するかを知ることができる。従って、走査線の傾きの補正量に応じて位置偏差の補正量を決定するのが良い。このようにすることにより「トナーマークセンサにより主走査方向の走査線の状態を検出する方法」に比して「より高精度な補正」が可能になり、検出用のトナー像を形成する必要がないのでトナー消費量を低減することができる。
図7に即して説明した「光路屈曲ミラーの変形により走査線の曲がりを補正」する場合には、位置偏差の像高に対する補正量は一般に「ミラーの変形における極値の数:nに対して、n+1個の極値を持つ」ように変化する。
図9は、n=1の場合(この場合、光路屈曲ミラーは、図7に示すように極値を1つ持つように撓められる。)の位置偏差の像高に対する変化の様子(特性)の1例を示している。このとき、ミラー面の極値(像高:0に対応し、主走査方向の接線が主走査方向に平行になる。)をとる部分で反射された光が形成する光ビームが形成する光スポットの位置偏差(図中に「面形状の極値で反射された光線の到達点」と表示)の前後の像高において位置偏差が極値(図の例では、光走査開始側で極大値、光走査終了側で極小値)を取るので、位置偏差の補正量もこれに合わせて極値(図の例では、光走査開始側で極大値、光走査終了側で極小値)を取るように補正量を設定するのがよい。
このようにすると、位置偏差の補正量は、光路屈曲ミラーの変形における極値の数:nに対して、n+1個の極値を持つように設定されることになる。
位置偏差の補正は「位置偏差の補正量を画素ごとに設定して、各画素に応じて光スポットを適正な位置に補正するようにしても良いが、有効光走査領域を複数の領域に分割して、図9(b)に示すように9(a)の位置偏差を階段状に近似するような補正を行うようにしても良いし、あるいは、図9(c)に示すように、位置偏差の補正量を折れ線的に変化させて位置偏差を近似するような補正を行っても良い。これらの補正は、先に図8に即して説明したように画像信号のクロックの周波数を変化させ、あるいは位相シフトにより行うことができる。
光走査結像素子中のレンズの変形で「走査線の曲がり」を補正する場合には、前述の如く光スポットの位置偏差は像高に応じて複雑に変化するので、この場合には、レンズの変形量と光スポットの位置偏差の関係を予め実測やシミュレーションで確定しておき、それに基づいて補正を行うのがよい。このように補正データを設定することで、位置偏差の効果的な補正が可能となる。
即ち、走査線の曲がりの補正に起因して発生する光スポットの位置偏差は「走査線の曲がりの補正量」とよい相関が取れ、走査線の傾きの補正量がわかれば、どのような位置偏差が発生するかを知ることができる。従って、走査線の曲がりの補正量に応じて位置偏差の補正量を決定するのが良い。このようにすることにより「トナーマークセンサにより主走査方向の走査線の状態を検出する方法」に比してより高精度な補正が可能になり、トナー消費量を低減することができる。
以下に、画像信号のクロックの位相シフトの方法を位置偏差補正手段の1例と共に説明する。
図10〜図12を参照すると、図10において、画素クロック生成回路10は高周波クロック生成回路11、カウンタ12、比較回路13及び画素クロック制御回路14を有する。高周波クロック生成回路11は画素クロックPCLKの基準となる高周波クロックVCLKを生成する。画素クロックPCLKは「画像信号のクロック」である。
カウンタ12は高周波クロックVCKLの立ち上がりで動作して該クロックVCKLをカウントする。比較回路13はカウンタ12のカウント値と「予め設定された値」及び外部から与えられる「画素クロックの遷移タイミングとして位相シフト量を指示する位相データ」と比較し、その比較結果にもとづき制御信号:a、制御信号:bを出力する。
画素クロック制御回路14は制御信号:a、bにもとづき、画素クロックPCLKの遷移タイミングを制御する。
上記「位相データ」は、走査線の傾き及び/または曲がりの補正に起因する位置偏差を補正するために「画素クロックの位相のシフト量を指示するデータ」で、一般に数ビットのデジタル値で与えられる。位相データには、上記位置偏差の補正のためのデータと共に、走査結像光学系の特性により生ずる位置偏差(「光学系固有の位置偏差」)や、光偏向器の回転ムラに起因する位置偏差、光源として用いられているレーザのレーザ光の色収差によって生ずる位置偏差等の補正を行うデータをも含めることができる。
図11は、図10に示した画素クロック生成回路10の動作を説明するためのタイミング図である。説明中の例では、画素クロックPCLKを「高周波クロックVCLKの8分周」とし、標準ではデュティ比:50%とする。図18(a)は、高周波クロックVCLKの8分周に相当するデュティ比:50%の「標準の画素クロックPCLK」を生成する様子を示し、図18(b)は、高周波クロックVCLKの8分周クロックに対して「1/8クロックだけ位相を進めた画素クロックPCLK(この画素クロックにより光スポット位置は、光走査終了側へ1/8画素分ずれる)」を生成する様子を示し、図18(c)は高周波クロックVCLKの8分周クロックに対して「1/8クロックだけ位相を遅らせた画素クロックPCLK(この画素クロックにより光スポット位置は、光走査開始側へ1/8画素分ずれる)」を生成する様子を示している。
図18(a)において、位相データとして「7」の値が与えられている。比較回路13には、あらかじめ「3」が設定されている。カウンタ12は高周波クロックVCLKの立ち上がりで動作し、カウントを行う。比較回路13は、カウンタ12の値が「3」になったところで制御信号:aを出力する。
画素クロック制御回路14は、制御信号:aが「H」になっていることから図中の「タイミング丸1」で画素クロックPCLKを「H」から「L」に遷移させる。ついで、比較回路13は、与えられた位相データ「7」とカウンタ値を比較し、一致したら制御信号:bを出力する。図18(a)では、カウンタ12の値が「7」になったところで、比較回路13が制御信号:bを出力する。
画素クロック制御回路14は、制御信号:bが「H」になっていることから図中の「タイミング丸2」で画素クロックPCLKを「L」から「H」に遷移させる。このとき、比較回路13は上記遷移と同時にカウンタ12をリセットさせ、再び「0」からカウントを開始させる。このようにして「高周波クロックVCLKの8分周に相当するデュティ比:50%の画素クロックPCLK」を生成できる。なお、比較回路13の設定値(上記の例で「3」)を変えればデュティ比を変化させることができる。
図18(b)においては、位相データとして「8」が与えられている。カウンタ12は高周波クロックVCLKのカウントを行う。比較回路13は、カウンタ12の値が「3」になったところで制御信号:aを出力する。画素クロック制御回路14は制御信号:aが「H」になっていることから、図中の「タイミング丸1」で画素クロックPCLKを「H」から「L」に遷移させる。
次いで、比較回路13はカウンタ12の値が与えられた位相データ(ここでは「8」)と一致したら制御信号:bを出力する。このとき、画素クロック制御回路14は制御信号:bが「H」になっていることから図中の「タイミング丸2」で、画素クロックPCLKを「L」から「H」に遷移させる。このとき、比較回路13は上記遷移と同時にカウンタ12をリセットさせ、再び「0」からカウントを開始させる。このようにして「高周波クロックVCLKの8分周クロックに対して1/8クロックだけ位相を進ませた画素クロックPCLK」を生成することができる。
図18(c)においては、ここでは位相データとして「6」が与えられている。カウンタ12は画素クロックVCLKのカウントを行う。比較回路13は、カウンタ12の値が「3」になったところで制御信号:aを出力する。画素クロック制御回路14は、制御信号:aが「H」になっていることから図中の「タイミング丸1」で画素クロックPCLKを「H」から「L」に遷移させる。
次いで、比較回路13はカウンタ12の値が与えられた位相データ(ここでは「6」)と一致したら制御信号:bを出力する。このとき、画素クロック制御回路14は制御信号:bが「H」になっていることから、図中の「タイミング丸2」で画素クロックPCLKを「L」から「H」に遷移させる。この遷移と同時にカウンタ12がリセットされて、再び「0」からカウントを開始する。このようにして「高周波クロックVCLKの8分周クロックに対して1/8クロックだけ位相を遅らせた画素クロックPCLK」を生成できる。
なお、位相データを、例えば「画素クロックPCLKの立ち上がりに同期させて与え」ることにより、画素クロックPCLKの位相を1クロックごとに変化させることが可能となる。図12は、この場合を示したタイミング図である。
上記の如くして、「画像信号のクロック」である画素クロックの位相を進めるようにあるいは遅れるようにシフトさせることにより、光スポットの位置を主走査方向へ変位させることができるので、上記位相のシフトの向きと大きさを位置偏差補正データとして与えることにより、位置偏差の補正が可能となる。
上に説明した方法では簡単な構成で、画素クロックPCLKの位相を高周波クロックVCLKのクロック幅単位に±方向に制御することが可能となる。画素クロックPCLKの位相は1クロックごとに変化させることが可能であるため、高精細な補正が可能であるが、1クロックごと(即ち1画素ごと)ごとに位相を変化させるには「1クロックごとに位相データ(位置偏差補正データ)」をメモリに記憶させる必要があるため、相当量のメモリを必要とし、コストアップを招来しやすい。
コストアップを回避するには、有効光走査領域を複数の領域に分割し「領域単位での補正を行う」ようにすれば良い。あるいは、分割された各領域においてシフト量を同一とし、領域ごとに「一定画素数おきに位相をシフト」させ、且つ、領域ごとに「位相をシフトさせる画素数を変化させる」ような構成することも可能である。このようにすることでメモリの容量を大幅に低減させることができる。また、上記領域内では必ずしも「一定画素数おきに位相をシフトさせる」必要はなく、補正する光スポットの位置偏差の状態に合わせて「位相をシフトさせる画素の間隔に疎密を持たせる」ようにしてもよい。このようにすることで、高精度な光走査が可能となる。
上記「位相データ」には、前述のように位相のシフト量を指示するデータだけでなく、上記の「画素幾つおきに位相のシフトを行うか」の情報も含ませることができる。
被走査面上での有効光走査領域を複数の領域に分割して、領域毎に補正を行う場合、領域への分割は略等間隔になるようにするのがよい。幅の広い領域を作ってしまうと、幅の広い領域での補正が難しくなり、幅の広い領域での補正精度が低下する。また、調整工程が複雑化してコストアップの原因となる。従って、複数領域への分割を略等間隔とすることにより「全領域においてバランスよく高精度に補正する」ことが可能となり、さらに調整工程の簡略化によるコストダウンを図れる。
この発明の実施に当たっては「光走査における走査線の傾き及び/または曲がり」を知ることが必要であり、このように知られた「走査線の傾き及び/曲がり」を、走査線補正手段により補正し、この補正に起因して発生する光スポットの主走査方向の位置偏差を位置偏差補正手段により補正するのである。
「走査線の傾き及び/または曲がり」を知るには、実際に画像形成を行い主走査方向のライン画像をトナー画像として可視化し、可視化されたトナー画像の傾き及び/または曲がりを測定しても良いし、主走査方向の複数箇所にトナーマークを形成し、トナーマークセンサにより検出することにより走査線の傾きおよび/または曲がりを検出しても良い。
また、図13に示すように、主走査方向の複数箇所に「少なくとも2つのホトデテクタが非平行に並んだ非平行PD」を配置して「走査線の傾きおよび/または曲がり」を検出することもできる。「非平行PD」は、並んだホトデテクタを通る副走査方向高さの違いにより「2つのホトデテクタの出力時間の差」が異なるため、非平行PDを主走査方向の複数箇所に設けることにより、走査線の傾き及び/または曲がりを検出できる。
図14にフルカラー画像形成用の画像形成装置の実施の1形態を示す。
図1に即して説明したのは、この図14に示す画像形成装置のうち「感光体102に光走査を行う部分」である。
図14の如く、ドラム状に形成された4つの感光体101、102、103、104を転写ベルト105の周面の移動方向に沿って配列し、順次異なる色のトナー像を形成し、これらトナー画像を同一のシート状記録媒体に転写・定着してフルカラー画像を得る。
図1に即して説明したように、この画像形成装置においては、各感光体101〜104は、2本の光ビームによりマルチ光ビーム光走査される。
各光源ユニット250〜253からの光ビーム201、202、203、204(これらは2本の光ビームである。)は、光源ユニット毎に射出位置が副走査方向に異なる部位に設定され、光源ユニット250の射出位置が最も高く、図示されないハウジング底面から離れた位置となるように定められ、続いて光源ユニット251、252、253の順にハウジング底面に近づくように定められている。また、主走査方向には射出方向が光偏向器213による偏向の起点から放射状となるように配置され、各光源ユニットの発光点から上記偏向の起点に至る光路長は各々同一に設定されている。
シリンドリカルレンズ209、210、211、212は、片面が平面で他方の面がシリンドリカル面であって、副走査方向に共通の正のパワーを有し、光偏向器213の偏向の起点までの光路長が等しくなるように配備され、各光ビームは偏向反射面に位置において主走査方向に長い線像として結像する。
非平行平板261、262、263は、一方の面を主走査方向もしくは副走査方向にわずかに傾けたガラス基板であり、基準色を除くステーション(実施例では、光源ユニット250以外)に対して配設され、これらを光軸周りに回転調整することにより各光走査位置を安定的に保持する。
光ビーム合流手段である反射ミラー215、216、217は、反射角が「折り返し反射位置が偏向の起点から近いほど鋭角となる」ように配置されるとともに、各反射ミラーの位置を光偏向器213から順に遠ざけることで、折り返し反射点から各光源の発光点に至る距離を異ならしめ、「各光源ユニットが前後に重なり合ってプリント基板同士が干渉する」のを避けるようにレイアウトがなされている。この実施の形態では、光源ユニット250からの光ビームを光偏向器213へ直接に向かわせているが、他の光ビームと同様「反射ミラーを配備して折り返す」ようにしてもよい。
なお、図示の簡単のため、図1においては、ガラス基板261、反射ミラー215が図示を省略されている。
光偏向器213は厚肉に形成され、6面の偏向反射面を持つ4段のポリゴンミラーとされ、ポリゴンミラー間の「偏向に用いない部分」は、「ポリゴンミラーの内接円より若干小径となるように溝を設けて風損をより低減した形状」とされ、1段のポリゴンミラーの厚さは約2mmとしている。
光偏向器213の4段の各ポリゴンミラーは、これらの偏向反射面が副走査方向に段階的に高さが異なり、各光源ユニットからの光ビームは、対応するポリゴンミラーの偏向反射面へ入射するが、この入射情況を光偏向器213の回転軸方向から見ると互いに重なり合っている。各光源ユニットからの光ビーム(各光源ユニットから放射される2本の光ビームのうち、互いに対応する光ビーム)は各々副走査方向に平行となるよう均等間隔、具体的には5mmの間隔で各光源ユニットから射出し、光偏向器のポリゴンミラーの偏向反射面でもこの間隔を保って反射面に対し垂直に入射する。
走査結像光学系の結像系をなす第1レンズ218はfθレンズであって光偏向器213と同様に厚肉に形成されて各光ビームに共通であり、副走査方向にはパワーを持たず、主走査方向においては光偏向器213の回転に伴い各光ビームが対応する感光体を等速光走査するようにパワーを持たせた非円弧面形状である。この第1レンズ218と組み合わせられる第2レンズ219〜222は、光偏向器213のポリゴンミラーの面倒れ補正機能を有するトロイダルレンズであり、第1レンズと協働して各光ビームを感光体上に光スポットとして集光させる。従って、4つの感光体101〜104に4つの静電潜像が同時に書き込まれる。このために、各感光体は図示されない帯電手段により均一に帯電される。
光源ユニット250からの光ビーム201は、光偏向器213の最上層のポリゴンミラーで偏向され、fθレンズ218を通過した後、光路屈曲ミラー223で反射されトロイダルレンズ219を介して感光体ドラム101に導かれ、イエロー成分画像に対応する静電潜像を形成する。
光源ユニット251からの光ビーム202は、光偏向器213の2段目のポリゴンミラーで偏向され、fθレンズ218を通過した後、光路屈曲ミラー224で反射されトロイダルレンズ220、光路屈曲ミラー227を介して感光体ドラム102に導かれ、マゼンタ成分画像に対応する静電潜像を形成する。この点は、先に図1に即して説明した通りである。
光源ユニット252からの光ビーム203は、光偏向器213の3段目のポリゴンミラーで偏向され、fθレンズ218を通過した後、光路屈曲ミラー225で反射されトロイダルレンズ221、光路屈曲ミラー228を介して感光体ドラム103に導かれ、シアン成分画像に対応する静電潜像を形成する。
光源ユニット253からの光ビーム204は、光偏向器213の最下段のポリゴンミラーで偏向され、fθレンズ218を通過した後、光路屈曲ミラー226で反射されトロイダルレンズ222、光路屈曲ミラー229を介して感光体ドラム104に導かれ、ブラック成分画像に対応する静電潜像を形成する。
形成される各静電潜像は「ネガ潜像」である。また、各感光体への光ビームの入射角度は同一である。
感光体101〜104に形成された静電潜像は、図示されない現像装置により対応するトナーにより反転現像されて可視化される。このようにして得られた各色トナー画像は、転写ベルト105に順次転写されて互いに重なり合い「フルカラー画像」を形成する。
このとき、転写ベルト105には、転写位置を合わせるための「位置合わせパターン」が形成され、半導体レーザ232と集光レンズ233とホトデテクタ231とから構成される検出器(主走査方向に7セットが配列されている。)により位置合わせパターンが検出されて転写位置合わせが行われる。
転写ベルト105上に形成されたフルカラー画像は図示されないシート状記録媒体上へ転写・定着されて装置外へ排出される。
このような画像形成装置において、前述した光走査方法を実施することにより「主走査方向にも副走査方向にも色ずれが有効に軽減もしくは防止」された良好なフルカラー画像を得ることができる。
なお、各色トナー画像の重ね合わせが良好に行われるようにするには「各潜像を書き込むときの有効光走査領域がそれぞれ同じ幅となる」ように光走査を行う必要がある。このような有効光走査領域の幅の補正は、画像信号のクロックの基本周波数を変化させて「所定画素数(1ラインを構成する画素数)に対する書き込み長さ」を調整する方法で行っても良いし、光スポットの主走査方向の「位置偏差補正の一部」として位置偏差補正手段により行っても良く、あるいは位置偏差補正とクロックの基本周波数を変化させる方法とを併用して行ってもよい。
上にはフルカラー画像を形成する画像形成装置の例を説明したが、この発明の画像形成装置はモノクロ画像を形成する画像形成装置として実施することもできる。
図15は、このような画像形成装置の実施の1形態を示している。
この画像形成装置は「レーザプリンタ」である。レーザプリンタ100は、被走査面の実体をなす潜像担持体111として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有し、その周囲に、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配設されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。更に、レーザ光の光ビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイ、符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、光走査装置117の光ビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。
この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。転写紙Pを収納したカセット118は、画像形成装置100本体に脱着可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120により給紙され、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対119に捕らえられる。
レジストローラ対119は、像担持体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置116へ送られ、定着装置116においてトナー画像を定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。
トナー画像が転写された後の像担持体111の表面は、クリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
光走査装置117としてこの発明の光走査装置を用い、上に説明した光走査方法を実施することにより、走査線の曲がりや傾きを有効に補正し、なおかつ主走査方向の位置偏差も良好に補正された高品位のモノクロ画像を得ることができる。
以下、具体的な数値実施例を挙げる。
実施例用に「シングルビーム走査方式の光走査装置」を試作した。光偏向器から被走査面に至る光路上には、図1に示した光走査装置と同様に2枚の光路屈曲ミラーを配し、走査線の傾き・曲がりを補正するのに「被走査面に近い光路屈曲ミラー」を傾けあるいは撓めて湾曲させるようにする。
各実施例において位置偏差の補正は「画像信号のクロックを位相シフトさせる方法」で行われる。位置偏差を補正するために有効走査領域を「略等しい長さの領域」に分割し、各領域において所定数の画素を「画像信号のクロックの位相シフトで変位させる方法」で変位させるようにした。さらに「有効走査領域の長さが所定の長さとなる」ように上記画素クロックの基準クロックを設定した。
書き込み密度は600dpiとし、1画素あたりのクロックの位相シフト量は1/16PCLKとした。この位相シフトにより光スポットの位置は2.65μm変位する。位相シフト量は±1/16PCLKの2種のみとし、光走査開始側へのシフトを+とする。
また、各領域内において位相シフトを行う画素数に付した±のうち、+は位相を遅らせる向き(画素間隔が狭まる向き)であるとする。
試作した光走査装置における走査結像光学系による設計上の位置偏差を、図17に曲線17A(ミラー回動前)で示す。この位置偏差(縦軸で示す「光スポットの理想像高からの位置ずれ」)は走査結像光学系固有の位置偏差である。有効走査領域は±150mm、即ち300mmで、光走査開始側の像高が+である。
初期状態に於いて走査線の傾きが発生しており、これを補正するのに被走査面に近い光路屈曲ミラーの姿勢調整を行った。即ち、図18(a)に示すように、光路屈曲ミラーMRを光走査開始側の端部A側の回動軸AXの周りに、2.627分だけ反時計回りに回転させた。
偏向光ビームの光路屈曲ミラーMRへの副走査方向の入射角は、図18(b)に示すように34.5度である。このミラー回動により、走査線の終端部を260μm副走査方向へ変位させて走査線の傾きを補正した。
表1に、具体的な数値を示す。
Figure 2005309336
「ミラー回動前位置ずれ」とあるのは、光路屈曲ミラーMRを姿勢調整する前における光スポットの主走査方向における位置偏差(走査結像光学系固有の位置偏差)であり、図17に示す曲線17Aである。
「ミラー回動後位置ずれ」とあるのは、光路屈曲ミラーMRの姿勢調整を行って走査線の傾きを補正した後の位置偏差である。この位置偏差の情況を、図17に曲線17Bで示す。この位置偏差には走査結像光学系に固有の位置偏差が含まれている。
「補正量」とあるのは、走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差を補正する補正量であり、図17に曲線17Cで示す。
「補正後位置ずれ」とあるのは、補正により「走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差」を補正した後の光スポットの位置偏差を表す。図17に曲線17Dでこれを示す。曲線17Dは、走査結像光学系に固有の位置偏差である曲線17Aと実質的に合致しており、これから、上記補正により「走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差」が極めて良好に補正されたことが分かる。
表2は、上記補正の詳細を示す。
Figure 2005309336
「分割位置」は、有効光走査領域(+150mmないし−150mm)を複数領域に分割する像高位置(mm)であり、「区間No.」は分割された各領域を+像高側から順序付けたものであり、「区間幅」は分割された各領域の長さ(mm)である。
「位相シフト画素数」は、分割された各領域内において画素クロックの位相シフトを行う画素の数であり、前述したように+は位相を遅らせる向き(画素間隔が狭まる向き)である。例えば、区間No.1では、区間幅:24mmに含まれる画素のうち、8個の画素に対して−の向き、即ち「画素間隔が広がる向きの位相シフト」が行われるが、1つの位相シフトにより2.65μmのシフトが生じるので、区間幅:24mmに対して21.2μmだけ、画素の配列幅が広がっている。
試作の光走査装置に「走査線の曲がり」を発生させ、この走査線の曲がりを光路屈曲ミラーを湾曲させて補正した。
図19における曲線19A(ミラーたわませ前)は、走査結像光学系に固有の位置偏差(走査線の曲がりを補正する前)である。
図20に示すように光路屈曲ミラーMRの両端部A1、C1に対し中央部B1を押圧して撓みを与えた。この光路屈曲ミラーMRへの光ビームの入射角は副走査方向において、図20(b)に示すように17.65度である。光路屈曲ミラーMRの鏡面は湾曲により曲率半径:12mの凹面となっている。有効走査領域:+110mm〜−110mmの220mm幅に対し、湾曲量は−260μmである。
表3に具体的な数値を表1に倣って示す。
Figure 2005309336
「ミラーたわませ前位置ずれ」は、図19に示す曲線19Aである。
「ミラーたわませ後位置ずれ」は、光路屈曲ミラーMRを撓ませて走査線の曲がりを補正した後の位置偏差である。この位置偏差の情況を図19に曲線19Bで示す。この位置偏差には走査結像光学系に固有の位置偏差が含まれている。
「補正量」とあるのは、走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差を補正する補正量であり、図19に曲線19Cで示す。
「補正後位置ずれ」とあるのは、補正により「走査線の曲がりを補正したことに起因して生じた位置偏差」を補正した後の光スポットの位置偏差を表す。図19に曲線19Dでこれを示す。曲線19Dは、走査結像光学系に固有の位置偏差である曲線19Aと実質的に合致しており、これから、上記補正により「走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差」が極めて良好に補正されたことが分かる。
表4は、上記補正の詳細を表2に倣って示す。
Figure 2005309336
例えば、区間No.1では、区間幅:18mmに含まれる画素のうち、38個の画素に対して−の向き、即ち、画素間隔が広がる向きに位相シフトが行われる。
実施例3では、フルカラー画像形成を想定して、ある基準の色、例えばブラック成分画像を書き込む走査線を「基準走査線」とし、この基準走査線における光スポットの位置偏差を「基準位置偏差」として、光走査装置における光スポットの位置偏差を補正した。しかる後に、走査線の傾きを光路屈曲ミラーの回転により補正し、この補正に起因して発生した光スポットの主走査方向の位置偏差を再度補正した。
光路屈曲ミラーは、図18に示すものと同様、入射角:34.5度のものであり。これを回転軸AXの周りに反時計回りに3分回転させ、+150mm〜−150mmの300mm幅の有効走査領域に対し、光走査終端側で297μm変位させて「走査線の傾き」を補正した。
表5に具体的な数値を表1に倣って示す。
Figure 2005309336
「ミラー回動前相対的な位置ずれ」とあるのは、試作の光走査装置の光スポットで書き込まれる画素位置と「基準走査線における主走査方向の画素位置」との偏差(ずれ)であり、図21に曲線21Aで示す。この偏差を画素クロックの位相シフトにより補正したのちの偏差が表5における「ミラー回動前相対的な位置ずれ補正後」である。
「ミラー回動後相対的な位置ずれ」は、光路屈曲ミラーの回転(姿勢調整)により走査線の傾きを補正(基準走査線の傾きに実質的に合致させる)した後、この補正に起因して発生した「基準走査線における主走査方向の画素位置」との偏差(ずれ)であり、この位置偏差を補正した後の偏差が「ミラー回動後相対的な位置ずれ補正後」である。
「全補正量」とあるのは、「ミラー回動前相対的な位置ずれ」と「走査線の傾きを補正したことに起因する位置偏差」とを合わせて補正するための補正量である。
表6は、上記補正の詳細を表2に倣って示している。
Figure 2005309336
表6において「初期位置ずれ補正用位相シフト画素数」とあるのは、表5における「ミラー回動前相対的な位置ずれ(図21の曲線21A)」を補正するために「分割された各領域(区間)内で位相シフトを行う画素の数」である。この「ミラー回動前相対的な位置ずれ(図21の曲線21A)」を補正した状態が、図21の曲線21Bである。
また、表6において「ミラー回動補正用位相シフト画素数」は、走査線の傾きを補正した後に発生した位置偏差(図21に曲線21Cで示す。)を補正するために位相シフトを行う画素数である。「最終的な位相シフト画素数」は、上記2種の補正の結果に対応する位相シフトを行う画素数である。このような最終的な補正を行った結果を図21に曲線21Dで示す。
曲線21Dは曲線21Bと実質的に合致しており、これから、上記補正により「走査線の傾きを補正したことに起因して生じた位置偏差」が極めて良好に補正され、走査線の傾き、光スポットの主走査方向の位置偏差とも基準走査線のものと良く合致した状態となったことが分かる。
光走査を説明するための図である。 走査線の傾きの補正を説明するための図である。 走査線の傾きの補正を説明するための図である。 走査線の曲がりの補正を説明するための図である。 走査線の曲がりの補正を説明するための図である。 走査線の傾きの補正に起因する光スポットの位置偏差を説明するための図である。 走査線の曲がりの補正に起因する光スポットの位置偏差を説明するための図である。 光スポットの主走査方向の位置偏差の例とその補正を説明するための図である。 光スポットの主走査方向の位置偏差の例とその補正を説明するための図である。 光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための位置偏差補正手段の1例を説明するための図である。 図10の位置偏差補正手段による画像信号のクロックの位相シフトを説明するための図である。 図10の位置偏差補正手段により補正された画像信号のクロックの1例を示す図である。 走査線の傾き・曲がりの検出方法の1例を説明するための図である。 フルカラー画像を形成する画像形成装置の1例の要部を示す図である。 モノクロ画像を形成する画像形成装置の1例の要部を示す図である。 位置偏差の折れ線近似による補正を説明するための図である。 実施例1における補正情況を示す図である。 実施例1における光路屈曲ミラーの姿勢調整(回転)を説明するための図である。 実施例2における補正情況を説明するための図である。 実施例2における光路屈曲ミラーの変形(撓みによる湾曲)を説明するための図である。 実施例3における補正情況を説明するための図である。
符号の説明
251 光源ユニット
210 シリンドリカルレンズ
218 第1レンズ
224 光路屈曲ミラー
220 第2レンズ
102 感光体

Claims (34)

  1. 光源からの光ビームを光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを走査結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査を行う光走査方法において、
    被走査面上における、走査線の傾きと走査線の曲がりとのうちの少なくとも一方を補正するために、偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させるとともに、上記光路の微小変化に伴う、被走査面上における光スポットの主走査方向の位置偏差を画像信号の印加タイミングの調整により補正して光走査を行うことを特徴とする光走査方法。
  2. 請求項1記載の光走査方法において、
    走査線の傾きを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光学素子の姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  3. 請求項2記載の光走査方法において、
    光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  4. 請求項2または3記載の光走査方法において、
    光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  5. 請求項4記載の光走査方法において、
    1以上の光路屈曲ミラーの姿勢の調整を、光スポットの主走査方向の位置偏差の、像高に対する特性が極値を1つ持つように行うことを特徴とする光走査方法。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の光走査方法において、
    走査線の曲がりを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの1以上を変形して光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  7. 請求項6記載の光走査方法において、
    光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズを主走査方向に変形して光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  8. 請求項6または7記載の光走査方法において、
    光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させることを特徴とする光走査方法。
  9. 請求項8記載の光走査方法において、
    1つの光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させ、上記主走査方向に撓められた光路屈曲ミラーの鏡面形状における極値の数:n(≧1)に対し、光スポットの主走査方向の位置偏差が像高に対して(n+1)個の極値を持つように、上記光路屈曲ミラーを撓めることを特徴とする光走査方法。
  10. 請求項1〜9の任意の1に記載の光走査方法において、
    光スポットの主走査方向の位置偏差の、像高に対する補正量を、
    被走査面上における、走査線の傾きの補正量、もしくは、走査線の曲がりの補正量、または走査線の傾きおよび走査線の曲がりの補正量に対応させて決定することを特徴とする光走査方法。
  11. 請求項1〜10の任意の1に記載の光走査方法において、
    光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの位相シフトにより行うことを特徴とする光走査方法。
  12. 請求項1〜10の任意の1に記載の光走査方法において、
    光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの周波数を変化させることにより行うことを特徴とする光走査方法。
  13. 請求項1〜12の任意の1に記載の光走査方法において、
    光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、有効光走査幅が所定の幅となるように行うことを特徴とする光走査方法。
  14. 請求項1〜13の任意の1に記載の光走査方法において、
    光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、主走査方向における光スポットの間隔が等間隔的となるように行うことを特徴とする光走査方法。
  15. 請求項1〜14の任意の1に記載の光走査方法において、
    有効光走査領域を複数領域に分割し、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を各領域ごとに設定し、個々の領域内では同一の調整を行うことを特徴とする光走査方法。
  16. 1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させ、上記1以上の被走査面を光走査する光走査装置を用い、1以上の被走査面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像として可視化し、得られたトナー像をシート状記録媒体に転写・定着して画像形成を行う画像形成方法において、
    1以上の被走査面に対して、請求項1〜15の任意の1に記載の光走査方法による光走査を行うことを特徴とする画像形成方法。
  17. 請求項16記載の画像形成方法において、
    光源および被走査面が2以上であって、各被走査面に形成される静電潜像が互いに異なる色のトナー画像として可視化され、各色トナー画像が同一のシート状記録媒体上へ互いに重ね合わせて転写・定着されてカラー画像が形成され、
    各被走査面に対する光走査の走査線の形状が互いに実質的に同一と成るように、且つ、光スポットの主走査方向における位置偏差を実質的に同一に補正することを特徴とする画像形成方法。
  18. 1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させ、上記1以上の被走査面を光走査する光走査装置において、
    1以上の被走査面における、走査線の傾きもしくは走査線の曲がり、または走査線の傾きと走査線の曲がりとを補正する走査線補正手段と、
    この走査線補正手段による補正に起因する、光スポットの主走査方向における位置偏差を補正する位置偏差補正手段とを有し、
    上記走査線補正手段は、走査線の傾きもしくは走査線の曲がり、または走査線の傾きと走査線の曲がりとを補正するため、偏向された光ビームの光路を機械的に微小変化させ、
    上記位置偏差補正手段は、光スポットの主走査方向の位置偏差を、画像信号の印加タイミングの調整により補正することを特徴とする光走査装置。
  19. 請求項18記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、走査線の傾きを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの、1以上の光学素子の姿勢を調整するように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  20. 請求項19記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、走査線の傾きを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  21. 請求項19または20記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、走査線の傾きを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーの姿勢を調整して光ビームの光路を微小変化させるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  22. 請求項21記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、1以上の光路屈曲ミラーの姿勢の調整を、光スポットの主走査方向の位置偏差の像高に対する特性が、極値を1つ持つように行うことを特徴とする光走査装置。
  23. 請求項18〜22の任意の1に記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、走査線の曲がりを補正するために、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうちの1以上を変形して、光ビームの光路を微小変化させるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  24. 請求項23記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上のレンズを主走査方向に変形して、光ビームの光路を微小変化させるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  25. 請求項23または24記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、光偏向器から被走査面に至る光路中に設けられた光学素子のうち、1以上の光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  26. 請求項25記載の光走査装置において、
    走査線補正手段が、1つの光路屈曲ミラーを主走査方向に撓ませて光ビームの光路を微小変化させ、上記主走査方向に撓められた光路屈曲ミラーの鏡面形状における極値の数:n(≧1)に対し、光スポットの主走査方向の位置偏差が、像高に対して(n+1)個の極値を持つように、上記光路屈曲ミラーを撓めるように構成されていることを特徴とする光走査装置。
  27. 請求項18〜26の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段における光スポットの主走査方向の位置偏差の、像高に対する補正量が、走査線補正手段による走査線の傾きの補正量、もしくは、走査線の曲がりの補正量、または走査線の傾きおよび走査線の曲がりの補正量に対応させて決定されていることを特徴とする光走査装置。
  28. 請求項18〜27の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段が、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの位相シフトにより行うことを特徴とする光走査装置。
  29. 請求項18〜27の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段が、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、画像信号のクロックの周波数を変化させることにより行うことを特徴とする光走査装置。
  30. 請求項18〜29の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段が、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、有効光走査幅が所定の幅となるように行うことを特徴とする光走査装置。
  31. 請求項18〜30の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段が、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための、画像信号の印加タイミングの調整を、主走査方向における光スポットの間隔が等間隔的となるように行うことを特徴とする光走査装置。
  32. 請求項18〜31の任意の1に記載の光走査装置において、
    位置偏差補正手段による位置偏差補正が、有効光走査領域を複数領域に分割し、光スポットの主走査方向の位置偏差を補正するための画像信号の印加タイミングの調整を領域ごとに設定し、個々の領域内では同一の調整を行うように設定されていることを特徴とする光走査装置。
  33. 1以上の光源からの光ビームを1以上の光偏向器により偏向させ、偏向された光ビームを1以上の走査結像光学系により1以上の被走査面へ光スポットとして集光させ、上記1以上の被走査面を光走査する光走査装置を用い、1以上の被走査面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像として可視化し、得られたトナー像をシート状記録媒体に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、
    光走査装置として、請求項18〜32の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  34. 請求項33記載の画像形成装置において、
    光源および被走査面が2以上であって、各被走査面に形成される静電潜像が互いに異なる色のトナー画像として可視化され、各色トナー画像が同一のシート状記録媒体上へ互いに重ね合わせて転写・定着されてカラー画像が形成され、
    各被走査面における走査線の形状が互いに実質的に同一と成るように走査線補正を行い、且つ、各被走査面における光スポットの主走査方向の位置偏差の補正が実質的に同じになるように位置偏差補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
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