JP2005309102A - 湿式現像用電子写真感光体 - Google Patents

湿式現像用電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度でかつ炭化水素系溶媒に対して高い耐溶剤性を有する電子写真感光体を提供することである。
【解決手段】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けた単層型の電子写真感光体であって、前記バインダ樹脂が下記一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物であり、かつ前記電子輸送剤は、無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体。
【化21】
Figure 2005309102

(式中、RA、RB、RCはそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式(液体)現像に用いられる炭化水素系溶媒に対して耐溶剤性を有する湿式現像用電子写真感光体に関する。
湿式現像方式は、一般にキャリヤーとして炭化水素系溶媒を用い、この炭化水素系溶媒に帯電したトナー粒子を分散させた現像液に、露光プロセスで静電潜像が形成された感光体を浸漬または接触させ、感光体の静電潜像と現像電極との間に形成される電界下で、トナーを電気泳動により静電潜像に付着させて現像する方式である。また、湿式現像方式に用いられるトナーは、粒径が0.1〜1μmと乾式現像方式のトナー(粒径3〜10μm)に比べて小さく、トナー粒子の総表面積が大きい。このため、トナー像の乱れが起きにくく、エッジ効果も減少するため、高解像度で、階調再現性のよい画像が得られるという利点がある。
しかしながら、湿式現像方式では、前述のように感光体は炭化水素系溶媒の現像液に浸漬または接触されるため、有機感光体表面にクラック等の外観変化が発生したり、感光体の感光層に含有されている電荷輸送剤(正孔輸送剤や電子輸送剤)などの低分子物質が炭化水素系溶媒に溶出し、このため帯電が低下したり、感度が悪化するといった現象が発生し、良好な画像が得られにくくなるという問題がある。
このような問題を解決し、炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性に優れた感光体を提供することを目的に、特許文献1には、導電性支持体上に電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けた単層型感光体において、前記バインダ樹脂が、ジスチリルアミン化合物(電荷輸送剤)とポリカーボネート樹脂との共重合体であることを特徴とする液体現像用単層正帯電型有機感光体が記載されている。
この感光層を備えた感光体は、含有されるバインダ樹脂が炭化水素系溶媒に対して難溶であるため、浸漬させても感光体表面の外観変化がなく耐溶剤性に優れ、かつバインダ樹脂が電化輸送機能を有するために、高い感度が得られるとされている。しかしながら、上記感光層に含有される電子輸送剤は、炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性が低いため、感光体の耐溶剤性が十分でないおそれがある。
特開2003−57856号公報
本発明の課題は、高感度でかつ炭化水素系溶媒に対して高い耐溶剤性を有する電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、感光層に含まれるバインダ樹脂がスチリルアミン構造を有する高分子化合物である場合には、それ自体が電荷輸送機能を有し、かつこの感光層に含まれる電子輸送剤は、無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であり、炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性に優れ、炭化水素系溶媒に溶出しないため、高感度でかつ高い耐溶剤性を実現できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明における湿式現像用電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けたものであって、前記バインダ樹脂が下記一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物であり、かつ前記電子輸送剤は、無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であることを特徴とする。
Figure 2005309102
(式中、RA、RB、RCはそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
本発明の湿式現像用電子写真感光体は、バインダ樹脂が前記一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物であり、かつ電子輸送剤は無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であるので、感光体を液体現像剤中に浸漬して画像形成を行う湿式現像方式であっても、高い感度を示しかつ耐溶剤性に優れ、長期にわたり高画質の画像を得ることができるという効果がある。
本発明の単層型電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けたものである。
<電荷発生剤>
電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独または2種以上をブレンドして使用することができる。
特に、本発明では、無金属フタロシアニン(下記構造式CGM−1)、チタニルフタロシアニン(下記構造式CGM−2)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(下記構造式CGM−3)およびクロロガリウムフタロシアニン(下記構造式CGM−4)から選ばれる少なくとも1種を電荷発生剤として用いるのが好ましい。
Figure 2005309102
<電子輸送剤>
電子輸送剤としては、例えばジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体(2,4,8−トリニトロチオキサントン等)、フルオレノン誘導体(3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体等)、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体などの、電子受容性を有する化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明では、例えば、後述するETM−1〜5などで表されるナフトキノン誘導体を電子輸送剤として使用するのが単層型感光体の電気特性を満足するうえで好ましい。
また、前記電子輸送剤は、無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であるのが感光体の炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性の面で好ましい。
ここで、無機性度を有機性度で割った値(以下、I/O値)とは、各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、例えばKUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN、第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725頁(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111頁(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82頁(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
これらの文献によると、I/O値は、炭素1個の有機性度を20とし、これに対する各種極性基の無機性度(I)および有機性度(O)の値を下記表1のように定め、ついで、化合物中の無機性度(I)の総和と有機性度(O)の総和との比から算出できる。
Figure 2005309102
なお、上記の表1において、R4は主にアルキル基を示し、Φは主にアルキル基もしくはアリール基を示す。
I/O値の概念は、有機化合物の性質を、イオン結合性を示す「無機性基」と、共有結合性を示す「有機性基」とに分別し、すべての有機化合物を有機軸および無機軸と名付けられた直行座標上に1点ずつ位置づけて表したものである。
上記無機性度は、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃になるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性度である。例えば、上記表1に示されているとおり、−COOH基の無機性度は150であり、2重結合の無機性度は2である。
一方、上記有機性度は、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準に定めたものである。すなわち、直鎖飽和炭化水素の炭素数5〜10付近では、炭素原子が1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃である。ついで、これを基準に炭素原子1個の有機性度を20と定め、この値に対する各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性度である。例えば、上記表1に示されているとおり、ニトロ基(−NO2)の有機性度は70である。
ついで、下記一般式ETM−2で表されるナフトキノン誘導体のI/O値を算出する例を示す。
Figure 2005309102
[有機性度(O)]
上記一般式ETM−2は、有機性度20の炭素原子を23個、有機性度70のニトロ基を1個それぞれ有しており、これらの総和は20×23+70×1=530である。
[無極性度(I)]
一般式ETM−2は、無極性度60のナフタレン環を1個、無極性度15のベンゼン環を2個、無極性度65のケトン基を3個、無極性度70のニトロ基を1個それぞれ有しており、これらの総和は60×1+15×2+65×3+70×1=355である。
[I/O値]
上記有機性度と無機性度より、一般式ETM−2のI/O値は355/530=0.6698となる。
なお、上記I/O値は電子輸送剤の極性を示す指標となるものであり、I/O値が0.5未満であると、感光体の炭化水素系溶媒に対する耐溶剤性が低下する傾向にあり、好ましくない。
<バインダ樹脂>
本発明の電子写真感光体に使用可能なバインダ樹脂は、前記一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物である。スチリルアミン化合物は電荷輸送物質として知られている。また、スチリルアミン構造を有する高分子化合物としては、種々な高分子化合物が使用できるが、特にポリカーボネート樹脂であるのがよく、とりわけ前記スチリルアミン構造を有する共重合ポリカーボネート樹脂であるのが好ましい。
このような共重合ポリカーボネートとしては、例えば前記一般式(1)〜(5)などで表される共重合ポリカーボネート樹脂が挙げられる。これらの共重合ポリカーボネート樹脂は、モル比においてm/(m+n)が0.8未満であるのがよく、m/(m+n)が0.8を超えると電荷(正孔)輸送機能が低下するため、電荷輸送物質の添加量が多くなり、これに伴い該電荷輸送物質の溶出量が多くなるため好ましくない。
前記一般式(1)〜(5)の共重合ポリカーボネート樹脂で代表されるスチリルアミン構造(I)を有する前記高分子化合物は、粘度平均分子量が1,000〜400,000、好ましくは5,000〜100,000であるのがよい。
このような本発明にかかる高分子化合物は、例えば特開平5−230202号公報、特開平9−127713号公報に記載されているような合成法を用いて合成することができる。高分子化合物が共重合体の場合、この共重合体はランダム共重合体およびブロック共重合体のいずれでもよい。
また、本発明における感光層のバインダ樹脂として、前記高分子化合物を他のバインダ樹脂と併用して用いることもできる。この場合、本発明にかかる前記高分子化合物はバインダ樹脂総量の30重量%以上、好ましくは50重量%以上の割合で含有させるのがよい。
<感光層>
本発明における感光層は単層型である。この単層型感光層は、上記した電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を同一層に含有した単一の感光層で構成されるものである。この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の被膜欠陥を抑制でき、相間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。
前記感光層の膜厚は5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。電荷発生剤はバインダ樹脂総量に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%の割合で含有させるのがよい。また、電子輸送剤はバインダ樹脂総量に対して1〜100重量%、好ましくは5〜80重量%の割合で含有させるのがよい。
さらに、本発明では正孔輸送剤を前記感光層に含有させてもよい。このような正孔輸送剤としては、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物などの含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物などが挙げられる。正孔輸送剤はバインダ樹脂総量に対して0〜35重量%、好ましくは0〜25重量%の割合で含有させるのがよい。
感光層には、前記した成分のほかに、画像形成に悪影響を与えない範囲で、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。また、感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
導電性基体は、使用する画像形成装置の構造に合わせてドラム状、シート状などの形態で使用される。この導電性基体は充分な機械的強度を有しているのが好ましい。単層型の感光層を形成するには、電荷発生剤および電荷輸送剤をそれぞれバインダ樹脂(前記した一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物)および適当な溶媒と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
前記分散液を調製するための溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用するほか、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、電荷発生剤および電荷輸送剤の分散性、感光体表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明の湿式現像用電子写真感光体を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例および比較例で使用したバインダ樹脂、電子輸送剤および電荷発生剤は以下の通りである。
<バインダ樹脂>
(1)実施例で使用したバインダ樹脂
Figure 2005309102
粘度平均分子量=60,000
Figure 2005309102
粘度平均分子量=45,000
Figure 2005309102
粘度平均分子量=49,500
Figure 2005309102
粘度平均分子量=50,500
Figure 2005309102
粘度平均分子量=50,500
(2)比較例で使用したバインダ樹脂
Figure 2005309102
Resin−1の粘度平均分子量=48,500
<電子輸送剤(ETM)>
(1)実施例で使用した電子輸送剤
Figure 2005309102
(2)比較例で使用した電子輸送剤
Figure 2005309102
<正孔輸送剤(HTM)>
Figure 2005309102
<電荷発生剤(CGM)>
Figure 2005309102
[実施例1〜6]
[比較例1〜5]
(単層型感光体の作製)
バインダ樹脂、電荷発生剤および電子輸送剤を表2に示す組み合わせで用いた。すなわち、表2に示す電荷発生剤(CGM−1または2)を下記に示す所定量で用い、これに表2に示す電子輸送剤(ETM−1〜5、比較ETM−6〜10)を50重量部、バインダ樹脂として共重合ポリカーボネート樹脂 (CTPolymer−1)を150重量部、レベリング剤としてジメチルシリコンオイル(信越化学工業社製の商品名「KF−96−50CS」)を0.1重量部および溶媒としてテトラヒドロフランを750重量部の割合で加え、超音波分散機にて50時間混合分散して単層型感光層用塗布液を調製した。ついで、この塗布液を、アルミニウム素管(外径30mm、長さ254mm)上に塗布した後、130℃で30分間熱風乾燥することにより膜厚22μmの単層型電子写真用感光体を作製した。
(電荷発生剤の添加量)
CGM−1(X型無金属フタロシアニン):4重量部
CGM−2(Y型チタニルフタロシアニン):2重量部
なお、チタニルフタロシアニン(CGM−2)を使用する場合には、該チタニルフタロシアニン2重量部に分散補助剤としてピグメントオレンジ(Pigment Orange)16(CGM−5)を2重量部の割合で添加した。
次に、炭化水素系溶媒(エクソン化学社製の商品名「ノーパ12」)を500mLのメスシリンダーに入れ、ついで、この炭化水素系溶媒中に上記で得られた感光体ドラムを700時間浸漬した後、感光体ドラムの感度変化および感光体ドラム表面の外観変化について評価した。また、浸漬後の炭化水素系溶媒の吸光度を測定して、炭化水素系溶媒中の電子輸送剤の溶出量を評価した。評価方法を以下に示し、結果を表2に示す。
(感度変化)
GENTEC社製のドラム感度試験機を用いて感光体ドラム表面を850Vに帯電させた後、ハロゲンランプの光からハンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.0μJ/cm2)を露光(照射時間:50msec)した。そして、露光開始から330msec経過した時点での表面電位(残留電位)を測定し、これを感度(明電位)とした。明電位は、初期の電位(850V)と露光後の残留電位との差が大きいほど、感光体が高感度であることを示している。この明電位は初期(浸漬前)と浸漬後にそれぞれ測定し、これらの差(浸漬後の明電位−初期の明電位)を感度変化とした。
(外観変化)
浸漬後の感光体ドラムの外観変化を目視にて評価した。
<外観変化の評価基準>
○:外観変化は見られない。
△:外観変化(色調が薄い)が見られる。
×:外観変化(クラック)が見られる。
(溶出量)
電子輸送剤を所定濃度にて炭化水素系溶媒に溶解させ、UV測定により、前記電子輸送剤のピーク波長での濃度−吸光度検量線を作成した。ついで、感光体を浸漬した炭化水素系溶媒のUV測定を行い、前記検量線を用いて電子輸送剤のピーク波長での吸光度から溶出量を算出した。溶出量は、値が小さいほど感光体の耐溶剤性が高いことを示している。
上記の結果を表2に、また溶出量の結果を図1に示す。
Figure 2005309102
表2および図1から明らかなように、実施例1〜6では本発明のバインダ樹脂および電子輸送剤を用いることにより、浸漬試験前後で感度変化が極めて小さく、感光体ドラムの外観変化が無く、電子輸送剤の溶出も極めて少ないことがわかる。これに対して比較例1〜5では、浸漬試験前後で著しい感度変化、外観変化(色調が薄い)および溶出が生じており、耐溶剤性に劣ることがわかる。
[実施例7〜11]
バインダ樹脂、電荷発生剤および電子輸送剤を表3に示す組み合わせで用いた以外は、実施例1〜6と同様にして、単層型電子写真用感光体を作製した。ついで、得られたこの感光体について、実施例1〜6と同様にして、感度変化、感光体ドラム表面の外観変化および溶出量について評価した。その結果を表3に示す。
[比較例6]
正孔輸送剤(HTM−1)を60重量部加え、バインダ樹脂としてResin−1を90重量部加え、電荷発生剤および電子輸送剤を表3に示す組み合わせで用いた以外は、実施例1〜6と同様にして、単層型電子写真用感光体を作製した。ついで、得られたこの感光体について、実施例1〜6と同様にして、感度変化、感光体ドラム表面の外観変化および溶出量について評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2005309102
表3から明らかなように、実施例7〜8では本発明のバインダ樹脂および電子輸送剤を用いることにより、浸漬試験前後で感度変化が極めて小さく、感光体ドラムの外観変化が無く、電子輸送剤の溶出も極めて少ないことがわかる。これに対して比較例6では、浸漬試験前後で著しい感度変化、外観変化(クラック)および溶出が生じており、耐溶剤性に劣ることがわかる。
実施例1〜6および比較例1〜5の溶出量を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を設けた単層型の電子写真感光体であって、
    前記バインダ樹脂が、下記一般式(I)で表されるスチリルアミン構造を有する高分子化合物であり、かつ前記電子輸送剤は、無機性度を有機性度で割った値(I/O値)が0.5以上であることを特徴とする湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    (式中、RA、RB、RCはそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
  2. 前記バインダ樹脂が、下記一般式(1)で表される高分子化合物である請求項1記載の湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    {式中、RA、RB、RCは請求項1で定義したとおりである。R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、アリール基を示す。qは0または1、Xは基:−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH2) 2−、−SO−、−SO2−、−CR1112−、−SiR1112−、−SiR1112−O−(式中、R11およびR12はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基またはトリフルオロメチル基を示し、さらにR11およびR12は互いに結合して環を形成して、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有することのある炭素数5〜12のシクロアルキリデン基となっても良い。)を示す。Yは式:
    Figure 2005309102
    を示す。mおよびnはモル比で0<m/(m+n)<0.8の関係式を満たす。}
  3. 前記バインダ樹脂が下記一般式(2)で表される高分子化合物である請求項1記載の湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    {式中、RA、RB、RCは請求項1で定義したとおりである。R1、R2、R3、R4、Xおよびqは請求項2で定義したとおりである。k=0または1。mおよびnはモル比で0<m/(m+n)<0.8の関係式を満たす。}
  4. 前記バインダ樹脂が下記一般式(3)で表される高分子化合物である請求項1記載の湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    {式中、RA、RB、RCは請求項1で定義したとおりである。R1、R2、R3、R4、Xおよびqは請求項2で定義したとおりである。R5およびR6はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子または炭素数8以下のアルキル基を示す。mおよびnはモル比で0<m/(m+n)<0.8の関係式を満たす。}
  5. 前記バインダ樹脂が下記一般式(4)で表される高分子化合物である請求項1記載の湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    {式中、RA、RB、RCは請求項1で定義したとおりである。R1、R2、R3、R4、Xおよびqは請求項2で定義したとおりである。R7、R8およびR9はそれぞれ同一または異なる基であって、水素原子または炭素数8以下のアルキル基を示す。mおよびnはモル比で0<m/(m+n)<0.8の関係式を満たす。}
  6. 前記バインダ樹脂が下記一般式(5)で表される高分子化合物である請求項1記載の湿式現像用電子写真感光体。
    Figure 2005309102
    {式中、RA、RB、RCは請求項1で定義したとおりである。R1、R2、R3、R4、Xおよびqは請求項2で定義したとおりである。R10は水素原子または炭素数8以下のアルキル基または炭素数16以下のアリール基を示す。k=0または1。mおよびnはモル比で0<m/(m+n)<0.8の関係式を満たす。}
  7. 前記電荷発生剤が、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンから選ばれる少なくとも1種を有している請求項1〜6のいずれかに記載の湿式現像用電子写真感光体。
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