JP2005307943A - 羽根車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価で、しかも耐久性が優れる羽根車を提供する。
【解決手段】 回転軸が嵌着される軸嵌合穴22aを有するボス部材2と、このボス部材2の外周に放射状に等配設される複数枚の羽根3とからなる羽根車1において、前記ボス部材2と羽根3のうち、少なくとも羽根3をマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼、またはオーステナイトとフェライトの混合組織からなる2相の高珪素ステンレス鋳鋼のうちの何れか一方の高珪素ステンレス鋳鋼で構成すると共に、これらボス部材2と羽根3を溶接により接合する。
【選択図】 図 1

Description

本発明は、羽根車の改善に関し、例えば水中ミキサやモータボートに用いられる耐久性に優れた羽根車に関する。
羽根車であるスクリュは、例えば、砂や汚泥等を含む沈砂槽内の汚水を浄化するために、この汚水を攪拌する水中ミキサや、水上スキーのために用いられるモータボート等に使用されている。このような羽根車(ステンレス製薄肉部品)としては、例えば鋳造により一体的に製造するようにしたものが知られている。以下、この従来例に係る羽根車(ステンレス製薄肉部品)の鋳造方法を説明する。図6乃至図10は、従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。
図6に示すように、シェル鋳型51を湯口型51aと上型51bおよび下型51cに3分割して成形する。ここで、各鋳型51a,51b,51cの成形は、次のようにして行われる。即ち、所定温度に加熱された金型にバインダーとしてフェノール樹脂等を混ぜた鋳物砂を掛けると、バインダーが溶融して樹脂粘結砂の薄いシェルが金型の表面に形成され、これを金型と共に炉中に入れて焼成する。図7に示すように各鋳型51a,51b,51cを組み付けて接着すると、シェル鋳型51の内部に羽根車の形状に合致する空洞Sが形成される。
そして、図8に示すように、シェル鋳型51の空洞Sにステンレス材(所定量のSiを含有し、溶解温度が1400℃〜1700℃)を溶解させた湯52を湯口から注入する。
図8に示す状態において、湯52が冷却によって凝固すると、図9に示すようにシェル鋳型51を除去するが、このシェル鋳型51は注湯によって熱分解するため、容易に除去することができる。そして、最後に余分な湯口部分53を切断して除去することにより図10に示すような一体構成になるステンレス製羽根車54が得られる。
上記のようなステンレス製薄肉部品の鋳造方法によれば、後述するような効果を得ることができる。即ち、ロストワックス法に比較して工程数が格段に少ないため生産性が向上する。また、溶解温度が低くガス発生量が少ないため、鋳物巣等の鋳造欠陥が発生せず、製品の切削性が高められてバイト等の工具の寿命が延長される。そして、砂が製品の表面に溶け込むことがなく、鋳肌が良好になるため表面加工が不要になる。さらに、湯流れが良いため薄肉化が図られ、軽量化によって慣性が小さく抑えられるため、回転応答性が改善される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−29421号公報
上記ステンレス製薄肉部品の鋳造方法は優れていると考えられる。しかしながら、金型の形状が複雑で金型のコストが高価であるのに加えて、例えば羽根車が水中ミキサ用である場合には砂や汚泥などを含む汚水中で回転させられるため、特に周速が速い羽根の先端側の部位が激しく磨耗し、羽根車の耐久性が問題になる。また、水上スキーのために用いられるモータボートの羽根車(スクリュ)でも、禁じられてはいるものの羽根車を回転させたまま砂浜に乗り上げるというような運転が行われている関係上、羽根車が激しく磨耗するという問題がある。さらに、この形状では羽根車の回転バランスを調整するための配慮がなされていない。
従って、本発明の目的は、安価で、しかも耐久性に優れると共に、回転バランスの調整が容易な羽根車を提供することである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る羽根車が採用した手段は、回転軸が嵌着される軸嵌合穴を有するボス部材と、このボス部材の外周に放射状に等配設される複数枚の羽根とからなる羽根車において、前記ボス部材と羽根のうち、少なくとも羽根はマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼、またはオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる2相の高珪素ステンレス鋳鋼のうちの何れか一方の高珪素ステンレス鋳鋼で構成されると共に、これらボス部材と羽根とが溶接により接合されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る羽根車が採用した手段は、請求項1に記載の羽根車において、前記羽根は、基端側から先端側に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなり、かつ幅方向にあっては回転方向の端縁に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなるように設定されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る羽根車が採用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の羽根車において、前記ボス部材は、前記羽根が溶接されるカウリング部と、このカウリング部の内側に形成され、前記回転軸が嵌着されるボス部と、前記回転軸と平行であって、かつこれらカウリング部とボス部とを接合する放射状のリブとからなり、これらボス部とリブのうちの何れか一方が回転バランス調整のために活用されるように構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る羽根車が採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の羽根車において、 前記3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼はC:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以下、残部不可避的不純物およびFeからなる組成であり、前記2相の高珪素ステンレス鋳鋼はC:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:17〜22wt%、Ni:7〜14wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、残部不可避的不純物およびFeからなる組成であることを特徴とするものである。
以上述べたように、本発明の請求項1乃至4に係る羽根車によれば、ボス部材と羽根とは別々の鋳型により鋳造するから、鋳型を製造する金型の構造は単純である。そして、羽根の構造はその枚数にかかわりなく同一形状であり、羽根は一つの金型で製造することができるから、安価に羽車を製造することができる。また、羽根の素材となる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼または2相の高珪素ステンレス鋳鋼はハイシリコン(3〜5wt%)で溶湯の流動性が優れ、そして形状が複雑、かつ薄肉部品の鋳造を可能にする機能を備えている。さらに、これら高珪素ステンレス鋳鋼はクロム当量が高いものの、3相または2相で、しかも低カーボン(0.05wt%以下)であるから溶接性が優れており、たとえ羽根に鋳造欠陥が生じたとしても、鋳造欠陥を容易に溶接補修し得る機能を備えている。従って、本発明の請求項1乃至4に係る羽根車は、薄肉で、鋳造欠陥がなく、品質が優れている。
本発明の請求項2に係る羽根車によれば、羽根車の羽根は、基端側から先端側に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなり、かつ幅方向にあっては回転方向の端縁に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなるように設定されている。従って、この請求項2に係る羽根車を、例えば汚水処理に用いられる水中ミキサの羽根車として使用すると、羽根の先端側や回転方向の端縁が磨耗するのに従来例に係る羽根車の羽根の場合よりも長時間を要するから、従来例に係る羽根車よりも使用寿命が長くなる。
本発明の請求項3に係る羽根車によれば、ボス部またはリブのうちの何れか一方、または両方を機械加工、例えば穿孔したり、切削したりすることにより容易に羽根車のバランス調整を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る羽根車を、羽根車が水中ミキサ用である場合を例として、添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る羽根車の正面図、図2は本発明の実施の形態に係る羽根車の一部省略、一部断面示側面図、図3は図2のA矢視図である。図4は3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の流動性試験結果説明図、図5はSUS304の流動性試験結果説明図である。
図1に示す符号1は、砂や汚泥等を含む沈砂槽内の汚水を浄化するために、この汚水を攪拌する水中ミキサに用いられる羽根車である。この羽根車1は、図示しない回転軸が嵌着されるボス部材2と、このボス部材2の外周に放射状に等配設される3枚の羽根3とから構成されている。前記ボス部材2と3枚の羽根3のうち、少なくとも羽根3はマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼用の1600〜1640℃の溶湯を、図示しない個別の鋳型に注湯して鋳造されたものである。前記羽根3は、図2に示すように、磨耗が激しい先端部分の耐久寿命を延長させるために、基端部から先端側に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなり、かつ幅方向にあっては回転方向の端縁に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなるように設定されている。そして、羽根3が溶体化処理される共に時効硬化処理された後に、溶接治具を用いてボス部材2に仮付けされると共に本溶接されることにより接合されている。
つまり、水中ミキサに用いられる羽根車1は、羽根3をマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋼の溶湯を鋳型に注湯して鋳造する鋳造工程と、前記羽根3を溶体化処理すると共に時効硬化処理する熱処理工程と、ボス部材2と羽根3との位置を決める溶接治具を用い、3枚の羽根3を、ボス部材2の外周に仮付けする羽根仮付工程および仮付けされた羽根3をボス部材2の外周に本溶接する羽根溶接工程とを経て製造されている。なお、溶接はTIG溶接により行われるものである。
前記ボス部材2は、図2,3に示すように、前記羽根3が溶接されるカウリング部21を備えている。このカウリング部21の内側には、径中心に前記回転軸が嵌合される軸嵌合穴22aが設けられてなるボス部22が配設されており、前記カウリング部21とボス部22とは放射状の8枚のリブ23で接合されている。これらリブ23は羽根車1の回転バランスを調整するために活用されるものである、即ち、本発明の形態に係る羽根車1によれば、図3において破線で示すように、リブ23の肉厚部に回転バランス調整用穴4を穿孔したり、またリブ23の側面に回転バランス調整用切削部6を設けたりすることにより、容易に羽根車1の回転バランスを調整することができる。この場合、リブ23の枚数は8枚であるが、特に8枚に限るものではなく、8枚未満であっても9枚以上であっても良い。また、ボス部22を回転バランス調整のために活用することができる。また、例えば、カウリング部21の肉厚が厚い場合には、このカウリング部21を回転バランス調整のために活用することができる。なお、ボス部材2の材質は、羽根3と同様、3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼であっても良いし、他のステンレス鋳鋼であっても良い。
前記羽根車1の羽根3の素材となる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の組成は、C:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以下、残部不可避的不純物およびFeである。この高珪素ステンレス鋳鋼は、ハイシリコン(3〜5wt%)で溶湯の流動性が優れているから、形状が複雑、かつ薄肉の鋳造品の鋳造を可能ならしめる機能を備えている。また、この高珪素ステンレス鋳鋼は、クロム当量は高いものの、3相(結晶粒は微細)であって、しかも低カーボン(0.05wt%以下)であるから溶接性に優れており、たとえ鋳造品に鋳造欠陥が生じたとしても、鋳造欠陥を容易に溶接補修し得る機能を備えている。
因みに、溶湯(温度;1640℃)の流動性試験結果を、図4、図5に示す。図4は3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の場合を示し、図5はSUS304(組織:オーステナイト)の場合を示している。これらの図によれば、SUS304の渦巻き部分10の長さが100mmであるのに対して、高珪素ステンレス鋳鋼の渦巻き部分10の長さは200mmであるから、この高珪素ステンレス鋳鋼の流動性は極めて優れているということができる。換言すれば、低温で鋳造し得ることを意味し、鋳造時におけるガスの発生量を少なくすることができるから、鋳造欠陥に発生率を少なくすることができる。なお、前記渦巻き部分10の直径は何れも4mmφである。
3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼からなる羽根3では、900〜1050℃、30min保持後に強制空冷するという熱処理、つまり溶体化処理を行った。このような条件下で溶体化処理した羽根3の機械的性質は、引張強度(N/mm2);1000以上、耐力(N/mm2);580以上、伸び(%);6以上、硬度(HRc);30±5、シャルピー衝撃値(J/cm2);30以上である。なお、引張強度についてはJISZ2201の8号試験片を用い、またシャルピー衝撃値についてはJISZ2202の5号試験片を用いて求めたものである。因みに、SUS304の機械的性質は、引張強度(N/mm2);440以上、耐力(N/mm2);185以上、伸び(%);30以上、硬度(HB);183以上である。
以上述べたように、本発明の形態に係る羽根車1によれば、ボス部材2と羽根3とは別々の金型で製造された鋳型により鋳造されるから、金型の構造は単純であり、しかも羽根3の構造はその枚数にかかわりなく同一形状であり、羽根3は一つの金型で製造することができるから安価である。また、羽根3の素材となる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋼はハイシリコン(3〜5wt%)であり溶湯の流動性が優れ、そして形状が複雑、かつ薄肉部品の鋳造を可能にする機能を備えている。そして、低カーボン(0.05wt%以下)で溶接性が優れており、たとえ羽根3に鋳造欠陥が生じたとしても、鋳造欠陥を容易に溶接補修し得る機能を備えている。従って、本発明の形態に係る羽根車1は、低温でも流動性が優れた溶湯で、かつ低温の溶湯で鋳造されたものであるから、鋳造欠陥がなく、品質が優れている。そして、従来例と同様に、鋳肌が良好であるため羽根3の表面加工は不要である。
また、本発明の形態に係る羽根車1によれば、羽根3は、基端側から先端側に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなり、かつ幅方向にあっては回転方向の端縁に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなるように設定されている。従って、この羽根車1を、例えば水中ミキサの羽根車として使用すると、羽根3の先端側や回転方向の端縁が磨耗するのに従来例に係る羽根車の羽根よりも長時間を要するから、上記従来例に係る羽根車を水中ミキサ用に使用する場合よりも使用寿命が長くなるという寿命延長効果が得られる。勿論、本発明の形態に係る羽根車1は、水中ミキサ用として用いた場合、従来の一般的なステンレス(例えば、SUS316)製の羽根車の6倍以上の寿命があることを確認している。
また、本発明に係る羽根車1によれば、カウリング部21またはボス部22のうちの何れか一方を機械加工、例えば穿孔したり、切削したりすることにより容易に羽根車1のバランス調整を行うことができる。
ところで、以上では、羽根3がマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼により鋳造されている場合を例として説明した。しかしながら、これに限らず、オーステナイトとフェライトとの混合組織からなる、後述する組成を有する2相の高珪素ステンレス鋳鋼を用いても同等の機能を備えた羽根車1を製造することができる。
この2相の高珪素ステンレス鋳鋼は、C:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:17〜22wt%、Ni:7〜14wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、残部不可避的不純物およびFeからなる組成のものである。
上記組成から良く理解されるように、この高珪素ステンレス鋳鋼は、ハイシリコン(3〜5wt%)で溶湯の流動性が優れているから、形状が複雑、かつ薄肉の鋳造品の鋳造を可能ならしめる機能を備えている。また、この高珪素ステンレス鋳鋼は、クロム当量は高いものの、2相(結晶粒は微細)であって、しかも低カーボン(0.05wt%以下)であるから溶接性に優れており、たとえ鋳造品に鋳造欠陥が生じたとしても、鋳造欠陥を容易に溶接補修し得る機能を備えている。
例えば、900〜1050℃、30min保持後に強制空冷するという溶体化処理を行った後の羽根3の機械的性質は、3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の機械的性質と極めて類似している。具体的には、引張強度(N/mm2);700以上、耐力(N/mm2);350以上、伸び(%);8以上、硬度(HRc);20±5、シャルピー衝撃値(J/cm2);60以上である。
なお、以上では、本発明の形態に係る羽根車1が、水中ミキサ用である場合を例として説明した。しかしながら、これに限らず、モータボート推進用の羽根車(スクリュ)に対しても適用することができる。例えば、水上スキーのために用いられるモータボートのように、スクリュを回転させたまま砂浜に乗り上げるというような操作が行われたとしても、スクリュの磨耗を抑制することができる。従って、本発明の形態に係る羽根車1は水中ミキサ用の用途に限定されるものではない。
ところで、3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼、2相の高珪素ステンレス鋳鋼は何れも海水、酸等に対する耐腐食性が優れている。これらの高珪素ステンレス鋳鋼が耐腐食性に優れていることを明確にするために、SUS304の耐腐食性と対比して示すと、下記のとおりである。なお、下記の三塩化鉄は結晶水を含有するもので、FeCl3−6H2Oの化学式で表されるものである。
(1)3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の腐食減量(g/m2・h)
海水(boiling,pH;7.9) ; 0.005
5%硫酸(boiling) ; 205
5%塩酸(boiling) ; 600
10%三塩化鉄(40℃,pH;1.5);1200
(2)2相の高珪素ステンレス鋳鋼の腐食減量(g/m2・h)
海水(boiling,pH;7.9) ; 0
5%硫酸(boiling) ; 3.5
5%塩酸(boiling) ; 65
10%三塩化鉄(40℃,pH;1.5); 600
(3)SUS304の腐食減量(g/m2・h)
海水(boiling,pH;7.9) ; 0.005
5%硫酸(boiling) ; 255
5%塩酸(boiling) ; 670
10%三塩化鉄(40℃,pH;1.5);1225
3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼、2相の高珪素ステンレス鋳鋼の海水、酸等に対する耐腐食性はこのように優れているので、これら高珪素ステンレス鋳鋼は水中ミキサ用、モータボート用だけでなく、他の船舶用、産業機械(攪拌機)、海水中部品として利用することができる。
本発明の実施の形態に係る羽根車の正面図である。 本発明の実施の形態に係る羽根車の一部省略、一部断面示側面図である。 図2のA矢視図である。 3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼の流動性試験結果説明図である。 SUS304の流動性試験結果説明図である。 従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。 従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。 従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。 従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。 従来例に係る羽根車の製造方法を工程順に示す断面図である。
符号の説明
1…羽根車
2…ボス部材,21…カウリング部,22…ボス部,22a…軸嵌合穴,23…リブ
3…羽根
4…回転バランス調整用穴
5…回転バランス調整用切削部

Claims (4)

  1. 回転軸が嵌着される軸嵌合穴を有するボス部材と、このボス部材の外周に放射状に等配設される複数枚の羽根とからなる羽根車において、前記ボス部材と羽根のうち、少なくとも羽根はマルテンサイトとオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼、またはオーステナイトとフェライトとの混合組織からなる2相の高珪素ステンレス鋳鋼のうちの何れか一方の高珪素ステンレス鋳鋼で構成されると共に、これらボス部材と羽根とが溶接により接合されてなることを特徴とする羽根車。
  2. 前記羽根は、基端側から先端側に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなり、かつ幅方向にあっては回転方向の端縁に向かうに連れて肉厚が次第に厚くなるように設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の羽根車。
  3. 前記ボス部材は、前記羽根が溶接されるカウリング部と、このカウリング部の内側に形成され、前記回転軸が嵌着されるボス部と、前記回転軸と平行であって、かつこれらカウリング部とボス部とを接合する放射状のリブとからなり、これらボス部とリブのうちの何れか一方が回転バランス調整のために活用されるように構成されてなることを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の羽根車。
  4. 前記3相の析出硬化型の高珪素ステンレス鋳鋼はC:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:8〜13wt%、Ni:5〜10wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、Nb:2wt%以下、残部不可避的不純物およびFeからなる組成であり、前記2相の高珪素ステンレス鋳鋼はC:0.05wt%以下、Si:3〜5wt%、Mn:2wt%以下、Cr:17〜22wt%、Ni:7〜14wt%、Mo:2wt%以下、Cu:4wt%以下、残部不可避的不純物およびFeからなる組成であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の羽根車。

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