JPH1180911A - ポンプインペラ用高純クロム鋼板 - Google Patents

ポンプインペラ用高純クロム鋼板

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JPH1180911A
JPH1180911A JP24733797A JP24733797A JPH1180911A JP H1180911 A JPH1180911 A JP H1180911A JP 24733797 A JP24733797 A JP 24733797A JP 24733797 A JP24733797 A JP 24733797A JP H1180911 A JPH1180911 A JP H1180911A
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JP
Japan
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less
steel sheet
pump impeller
steel
high purity
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Withdrawn
Application number
JP24733797A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Sumitomo
秀彦 住友
Tetsuya Shimada
鉄也 島田
Akihiko Takahashi
明彦 高橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐キャビテーションエロージョン性に優れた
安価な高純コロム鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.010%以下、S
i:0.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04
%以下、S:0.01%以下、Cr:9〜18%、Ti
+Nb:0.6%以下で、かつ(Ti+Nb)/(C+
N)が7.0以上、Al:0.002〜0.05%、C
a:0.0015%以下、N:0.01%以下、B:
0.0003〜0.005%を含み、必要に応じて、M
o:2%以下、Cu:0.6%以下、Ni:0.6%以
下を含み、残部が実質的にFeからなる成分組成の鋼板
の製造にあたり、最終焼鈍後に伸び率1.2〜4.0%
の調質圧延を行うことを特徴とする加工性と耐キャビテ
ーションエロージョン性に優れたポンプインペラ用高純
クロム鋼板の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素イオン濃度の
比較的低い水環境で使用されるウオターポンプのインペ
ラ材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水力発電機の水車ランナーや蒸気タービ
ン翼及び循環ポンプのインペラに使用される鋼材には高
速流体によるキャビテーションエロージョンを生じやす
い。このため、一般には耐食性と強度に優れた、PHス
テンレス鋼板やマルテンサイト系及びオーステナイト系
ステンレス鋼板が広く使用されている。これら鋼種のキ
ャビテーションエロージョンの改善として、例えば、特
公昭63−3946号公報にはC,Mn,Ni,Cr等
の含有量を特定した鋼が、特公平5−17301号公報
にはC,Mn,Ni,Cr,Mo,Co等の含有量と、
フェライト、マルテンサイト及びオーステナイト相の金
属組織の比率を特定した技術が開示されている。
【0003】しかし、これらの鋼種はニッケル他の高価
な元素を多量に含むため製造コストが高い欠点がある。
塩素イオン濃度の比較的低い水環境で使用される汎用型
ウオターポンプのインペラ製造にあたっては、耐食性が
SUS430レベルで加工性に優れ、かつ表面硬さが高
くてキャビテーションエロージョンを生じない安価な材
料の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ニッ
ケルを含むステンレス鋼に比べ極めて安価でかつ加工
性、耐食性に優れた高純クロム鋼板において、耐キャビ
テーションエロージョンを向上させるため、上記の特性
を保持した状態で、更に表面硬さの上昇を付与する方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的の
達成をすべく鋭意検討を行った結果、高純クロム鋼板の
加工性を損なわず表面硬さの上昇には、鋼板製造の工程
における最終焼鈍後の調質圧延の積極的活用が、コスト
上昇を招かず、かつ硬さ付与が効果的に行えることを見
出し、この発明に到達した。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は上記の知見を
基に構成したもので、その要旨とするところは、重量%
で、 C :0.010%以下、 Si:0.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P :0.04%以下、 S :0.01%以下、 Cr:9〜18%、 Ti+Nb:0.6%以下で、かつ(Ti+Nb)/(C+N)が7.0以上 、 Al:0.002〜0.05%、Ca:0.0015%以下、 N :0.01%以下、 B :0.0003〜0.005%を含み、 必要に応じて、 Mo:2%以下、 Cu:0.6%以下、 Ni:0.6%以下の1種または2種以上を含み、 残部が実質的にFeからなる成分組成の鋼板の製造にあ
たり、最終焼鈍後に伸び率1.2〜4.0%の調質圧延
を行うことを特徴とする加工性と耐キャビテーションエ
ロージョン性に優れたポンプインペラ用高純クロム鋼板
を提供することにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各種元素と調質圧
延伸び率の限定理由について詳細に説明する。Cは加工
性と耐食性を確保する目的で制限される。特に、ウオタ
ーポンプインペラの一体絞り加工に対しては高深絞り性
が必要で、Cは低い方が望ましい。しかし、脱炭には製
鋼工程での精錬時間の増大を招き、コストの上昇とな
る。高伸び、高r値を確保できるCレベルとして、その
上限を0.010%とする。
【0008】Siの量は制限される。Siは脱酸のため
に有効な元素であるが、過度に添加すると加工性を低下
させる。本発明品で使われる用途では制限され、その範
囲は0.5%以下とする。
【0009】Mnの量は制限される。Mnは脱酸剤及び
Sの害を消去するために有用な元素であるが、過度に添
加すると加工性を低下させる。その範囲は上限を1.0
%とする。
【0010】Pの量は制限される。Pは結晶粒界に偏析
し、熱間加工性、冷間加工性及び耐食性を劣化させる有
害な元素であるため、その上限を0.04%とした。好
ましくは0.030%以下とする。
【0011】Sの量は制限される。Sは結晶粒界に偏析
し、高温での粒界脆化を促進する有害な元素であるた
め、その上限を0.01%とした。好ましくは0.00
6%以下とする。
【0012】Crは必要量添加される。Crは本発明品
に耐食性を付与する基本元素である。その量が9%未満
では耐食性が不足し、耐エロージョン性を著しく低下さ
せる。耐食性向上には高い方が望ましいが、コストの上
昇を招くので、その上限は18%以下に制限する。
【0013】Ti及びNbは必要量添加される。Ti及
びNbはC及びNを固定し、耐食性を向上させると共
に、金属組織の安定化に重要な元素である。これらの効
果を発揮するには、(Ti+Nb)/(C+N)が7.
0以上必要である。しかし、過剰な添加は鋳片の表面性
状を損ない製造性を低下させるので、Ti+Nbの和で
上限を0.6%に制限する。
【0014】Alは必要量添加される。Alは脱酸剤と
して有効な元素であるが、その量は0.002%未満で
は効果がなく、また、0.05%を超えると介在物の粗
大化を生じ、加工性を劣化させる。従って、Alは0.
002〜0.05%に制限される。
【0015】Caの量は制限される。Caは鋳造時にお
けるノズル詰まりを抑制するのに効果的な元素である。
しかし、過剰に添加するとCa系介在物を多くし、耐食
性及び製造性を低下させるので、その範囲は0.001
5%以下に制限する。好ましくは0.0010%以下と
する。
【0016】NはCと同様加工性と耐食性を確保する目
的で制限される。加工性向上には低い方が望ましいが、
コストの上昇を招くので、その上限を0.01%以下に
制限する。
【0017】Bは高純鋼における二次加工脆性防止に重
要な元素である。複雑なポンプインペラの一体成形加工
に耐えるためには、Bは0.0003%以上必要であ
る。しかし、多すぎると深絞り性が劣化すると共に、鋼
片の割れが発生するため上限を0.005%とした。好
ましくは0.0005〜0.0015%が良い。
【0018】Moは耐食性向上のため必要に応じて添加
される。Moはステンレス鋼板の不動態皮膜を強化し、
孔食の進展を抑制する効果がある。しかし、2%を超え
る添加は効果に比してコスト上昇が大きくなるのでその
範囲は2%以下に制限する。
【0019】Cuは必要に応じて添加される。Cuは少
量添加で発銹起点の抑止効果があり、多くの腐食環境に
おける耐食性を向上させる。しかし、0.6%を超える
添加は効果に比してコスト上昇が大きくなるので、その
範囲を0.6%以下に制限する。
【0020】Niは必要に応じて添加される。Niは少
量添加で耐銹性を向上させる。しかし、0.6%を超え
る添加は効果に比してコスト上昇が大きくなるので、そ
の範囲は0.6%以下に制限する。
【0021】調質圧延の伸び率は、本発明鋼において耐
キャビテーションエロージョンの改善に大きく影響する
重要な因子である。耐キャビテーションエロージョンの
向上には使用環境における耐食性の向上に加え、高速流
体により生じる機械的な力からの表面損傷を阻止するこ
とが必要であり、このためには表面硬化が良い。
【0022】水道水を用いたウオターポンプインペラの
耐キャビテーションエロージョンを調べた結果、インペ
ラ加工素材の表面硬さがビッカース硬さで180以上の
場合著しく向上することが確認された。
【0023】C,Nを極低下した高純鋼は元来低強度で
あるが、本発明者らは大径ロールを用いた調質圧延機の
積極的活用により、伸びやr値の低下を招くことなく鋼
板の表面層の硬さ上昇が図れることを見出した。すなわ
ち、調質圧延でHv180以上の表面硬さを得るには、
伸び率は1.2%以上、好ましくは1.8%超付与すれ
ば良い。しかし、伸び率が4.0%を超えると、伸びの
低下が著しくなり、インペラの一体成形加工が困難にな
る。これらの結果から、調質圧延の伸び率は1.2〜
4.0%、好ましくは1.8%超〜4.0%以下に限定
される。
【0024】本発明鋼板の製造工程は、上記の成分構成
からなる鋼を電気炉、転炉等で溶製し二次精錬炉で成分
調整後連続鋳造法でCC鋳片とする。次いで、熱間圧延
一焼鈍酸洗(状況に応じて焼鈍省略)一冷間圧延一焼鈍
酸洗後、上記範囲の伸び率で調質圧延を行う製造工程を
経て製造される。
【0025】
【実施例】表1に示すような成分組成の本発明鋼と比較
鋼を溶製し鋳片とした後、熱間圧延により板厚4.2mm
の熱延板とした。この熱延板を、酸洗一冷間圧延一焼鈍
酸洗し、板厚1.5mmの冷延鋼板とした。次いで所定の
伸び率を付与した調質圧延を行った。表1中記号Fは比
較鋼であり、C,(Ti+Nb)/(C+N),N量が
本発明範囲から外れている。
【0026】
【表1】
【0027】上記方法により得られた鋼板を供試材とし
て、耐食性、伸び、r値及び表面硬さの評価を行った。
硬さ測定はビッカース硬さで荷重50gを用いた。結果
を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】表2の耐食性評価は孔食電位で判断した、
孔食電位がSUS430以上の場合を○印で示し、SU
S430未満を●印で示している。表2中No.8,9
は、本発明範囲の鋼成分であるが調質圧延伸び率が本発
明から外れたものであり、比較鋼とした。表2の結果よ
り、本発明法により製造された鋼板は安価なポンプイン
ペラ用鋼板として極めて優れた特性を示すことがわか
る。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来ニ
ッケルを含む高価な鋼板で製造していたウオターポンプ
インペラが、本発明品を使用することにより安価素材で
提供できることになり、これらを使用する家電、自動車
他の分野での経済的・社会的効能は極めて大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.010%以下、 Si:0.5%以下、 Mn:1.0%以下、 P :0.04%以下、 S :0.01%以下、 Cr:9〜18%、 Ti+Nb:0.6%以下で、かつ(Ti+Nb)/
    (C+N)が7.0以上、 Al:0.002〜0.05%、 Ca:0.0015%以下、 N :0.01%以下、 B :0.0003〜0.005%を含み、 残部が実質的にFeからなる成分組成の鋼板の製造にあ
    たり、最終焼鈍後に伸び率1.2〜4.0%の調質圧延
    を行うことを特徴とする加工性と耐キャビテーションエ
    ロージョン性に優れたポンプインペラ用高純クロム鋼
    板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼板にさらに、重量%
    で、 Mo:2%以下、 Cu:0.6%以下、 Ni:0.6%以下 の1種または2種以上を含むことを特徴とする加工性と
    耐キャビテーションエロージョン性に優れたポンプイン
    ペラ用高純クロム鋼板。
JP24733797A 1997-09-11 1997-09-11 ポンプインペラ用高純クロム鋼板 Withdrawn JPH1180911A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001027476A1 (de) * 1999-10-08 2001-04-19 Alfred Kärcher GmbH & Co. Hochdruckreinigungsgerät
JP2005307943A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Hirotoshi Baba 羽根車
CN105603334A (zh) * 2016-02-11 2016-05-25 曹兴奎 一种用于水利的低合金高强度钢板及其生产方法

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WO2001027476A1 (de) * 1999-10-08 2001-04-19 Alfred Kärcher GmbH & Co. Hochdruckreinigungsgerät
JP2005307943A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Hirotoshi Baba 羽根車
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A300 Withdrawal of application because of no request for examination

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Effective date: 20041207