JPH0874790A - プロペラファン - Google Patents

プロペラファン

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JPH0874790A
JPH0874790A JP21695594A JP21695594A JPH0874790A JP H0874790 A JPH0874790 A JP H0874790A JP 21695594 A JP21695594 A JP 21695594A JP 21695594 A JP21695594 A JP 21695594A JP H0874790 A JPH0874790 A JP H0874790A
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propeller fan
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年明 辰巳
Masafumi Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 羽根全体に十分な剛性を確保して空力性能の
低下を抑制しながら羽根に作用する遠心力を低減して該
羽根の高回転化を図る。 【構成】 プロペラファンの羽根3に対し、付根部4及
び前縁部5のみを厚肉に形成して、羽根重量を増大させ
ることなしに羽根全体の剛性を高くする。前縁部5の厚
さ寸法を、その基端部から先端部に向うにしたがって次
第に小さくなるように形成して、ファン回転時に羽根3
に作用する遠心力を小さくし、該羽根3の破壊強度を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロペラファンに係
り、特に、羽根の空力性能及び破壊強度の向上対策に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば空気調和装置の室外機
では空気吹出口にプロペラファンが取付けられており、
該プロペラファンの回転によって、空気吸込口から室外
機内に外気を吸込んだ後、空気吹出口から吹出すように
なっている。
【0003】この種のプロペラファンは、図17に示す
ように、駆動用モータの駆動軸に直結されたハブ(a) の
外周部にその周方向に亘って複数枚の羽根(b) が一体的
に設けられてなっており、モータの駆動に伴う各羽根
(b) の回転(図17の矢印参照)によって送風するよう
になっている。
【0004】また、プロペラファンの空力性能を良好に
得るために、特開平1−96498号公報に開示されて
いるような各羽根の前縁部のみを厚肉に形成したもの
や、図18に示すように、図17におけるB-B 線断面が
羽根(b) の前縁部(c) から後縁部(d) に亘って次第に厚
さ寸法が小さくなるようにした所謂翼型の羽根が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな各羽根形状では、プロペラファンの空力性能を良好
に得ることができるものの、羽根外周縁付近に比較的肉
厚の大きな部分を備えているために、この部分の重量が
大きいことによって羽根全体に大きな遠心力が作用して
破壊してしまう虞れがある。このため、羽根の高回転化
を図ることができない。また、この遠心力は台風などの
強風によりプロペラファンが回転する際にも大きくな
り、これによって羽根が破壊してしまう虞れもある。
【0006】この遠心力を低減する構成として、図19
に示すように、図17におけるB-B線断面が羽根(b) 全
体を均一で且つ薄肉に形成することも考えられる。しか
しながら、このような構成では、羽根(b) 全体の剛性が
十分に得られず、高速回転時に羽根(b) が撓み、空力性
能が低下してしまう。
【0007】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、羽根全体に十分な剛性を確保して空力性能
の低下を抑制することと、羽根に作用する遠心力を低減
して破壊強度を向上させ、これにより羽根の高回転化を
図ることとの両立を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、特に、羽根の剛性を有効に向上できる
部分のみを厚肉にし、且つこの厚肉部分の形状をファン
の回転に伴う遠心力を増大させないように設定した。具
体的に、請求項1記載の発明は、図2に示すように、ハ
ブ(2) と、該ハブ(2) の外側面に付根部(4) により一体
的に接続された略扇形の複数枚の羽根(3),(3),…とを備
えたプロペラファンを前提としている。そして、上記羽
根(3) の付根部(4) と、該付根部(4) におけるファン回
転方向前側端部からファン外周側へ延びる前縁部(5) と
を、他の部分よりも厚さ寸法を大きくした厚肉部で形成
する。更に、上記前縁部(5) における厚肉部を、外周側
に向うにしたがってファン周方向に沿った断面積が次第
に小さくなるように形成した構成としている。
【0009】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
のプロペラファンにおいて、前縁部(5) における厚肉部
を、外周側に向うにしたがって次第に厚さ寸法が小さく
なるように形成した構成としている。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載のプロペラファンにおいて、前縁部(5) におけ
る厚肉部を、外周側に向うにしたがって次第にファン周
方向の幅寸法が小さくなるように形成した構成としてい
る。
【0011】請求項4記載の発明は、上記請求項1、2
または3記載のプロペラファンにおいて、図14に示す
ように、付根部(4) 及び前縁部(5) に亘る厚肉部と該厚
肉部以外の部分との境界部分を、ハブ(2) の軸心方向か
ら見て前縁部(5) の外周側端部から付根部(4) のファン
回転方向後側端部に亘って滑らに湾曲させた構成として
いる。
【0012】請求項5記載の発明は、上記請求項1、2
または3記載のプロペラファンにおいて、図15に示す
ように、厚肉部における付根部(4) のファン周方向の中
央部に、ファンの半径方向に沿った幅寸法が他の部分よ
りも小さい括れ部(4a)を形成した構成としている。
【0013】請求項6記載の発明は、上記請求項1、
2、3、4または5記載のプロペラファンにおいて、図
16に示すように、少なくとも前縁部(5) における厚肉
部の断面形状を、略円形に形成した構成としている。
【0014】
【作用】上記の構成により、本発明では以下に述べるよ
うな作用が得られる。請求項1記載の発明では、プロペ
ラファンが回転して送風を行っている際、羽根(3) の付
根部(4) 及び前縁部(5) が厚肉に形成されて羽根全体の
剛性が高くなっていることにより撓みを抑制することが
でき、これによってファンの空力性能が向上する。ま
た、この厚肉構造により、羽根全体の剛性を高く維持し
ながら付根部(4) 及び前縁部(5) 以外の部分を従来のも
のよりも薄肉にでき、更に、前縁部(5) は、外周側に向
うにしたがってファン周方向に沿った断面積が次第に小
さくなっていることにより、羽根の外周側を軽量化する
ことができて羽根(3) の回転に伴って発生する遠心力は
極めて小さくなる。これにより、従来のように、この遠
心力によって羽根(3) が破壊されてしまうことが抑制で
き、羽根(3) の高回転化が実現可能となる。また、特
に、上記遠心力によって破壊し易い付根部(4) を厚肉に
設定したことで、羽根(3) の高回転化が確実に行える。
【0015】請求項2及び3記載の発明では、前縁部
(5) における厚肉部の断面積を外周側に向うにしたがっ
て次第に小さくする構成が具体的に得られ、僅かな形状
の改良によって上記請求項1記載の発明に係る作用が得
られる。
【0016】請求項4記載の発明では、付根部(4) と前
縁部(5) とが連続した厚肉部とされることになり、この
部分で空気の流れが乱れることがなくファンの静音性が
向上する。
【0017】請求項5記載の発明では、羽根(3) の遠心
力に対する破壊強度は主に付根部(4) のファン周方向の
両端部が関与しており、特に、この破壊強度の向上には
大きく寄与しない付根部(4) のファン周方向の中央部に
括れ部(4a)を形成することによって羽根(3) の軽量化を
図りながら上述した請求項1記載の発明に係る作用を得
ることができる。
【0018】請求項6記載の発明では、前縁部(5) の設
計を比較的簡単に行うことができ、また、ファンを樹脂
の一体成形品とした場合には、プロペラファンを成形す
るための型の作製が容易に行える。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1は本例に係るプロペラファン(1) を回転軸方向
から見た正面図である。このプロペラファン(1) は、合
成樹脂による一体成形品で成っており、例えば空気調和
装置の室外機に備えられていて、該室外機の吸込口から
吹出口に向って送風するためのものである。このプロペ
ラファン(1) は、図示しない駆動用モータの駆動軸に直
結される円筒状のハブ(2) と、該ハブ(2) の外周面に所
定の間隔を存して複数枚(図1のものは3枚)の羽根
(3),(3),(3) とを備えて成っている。
【0020】以下、本例の特徴とする羽根(3) の形状に
ついて説明する。ここでは1枚の羽根(3) について説明
するが、各羽根(3),(3),(3) 夫々は同様の構成となって
いる。図2にも示すように、羽根(3) は、略扇形の薄板
部材で成り、ファン(1) の回転方向(図1及び図2の矢
印A参照)に向って図1及び図2における紙面手前側か
ら奥側に湾曲して形成されている。また、この羽根(3)
の輪郭は、ハブ(2) の外周面に接続される付根部(4)
と、該付根部(4) におけるファン回転方向前側の端部か
ら外周側に向って延びる前縁部(5) と、上記付根部(4)
におけるファン回転方向後側の端部から外周側に向って
延びる後縁部(6) と、上記前縁部(5) の外周端と後縁部
(6) の外周端とに亘る円弧状のチップ部(7) とによって
形成されている。また、上記前縁部(5) は、外周側に向
うにしたがってファン(1) の回転方向に向って湾曲した
形状でなり、上記後縁部(6) は、ファン(1) の回転中心
に対する略半径方向に直線状に延びている。
【0021】これにより、本プロペラファン(1) は、モ
ータの駆動に伴ってハブ(2) 及び各羽根(3),(3),(3) が
回転し(図1及び図2の矢印A)、該各羽根(3),(3),
(3) が背面側(図1及び図2における紙面奥側)から前
面側(図1及び図2における紙面手前側)に向って空気
を送り出して送風するようになっている。
【0022】次に、本例の特徴とする羽根(3) の各部分
の厚さ寸法について説明する。図2に斜線を付した領
域、つまり上記付根部(4) 及び前縁部(5) は、それ以外
の領域よりも厚肉に形成されている。また、上記付根部
(4) 及び前縁部(5) よりも薄肉に形成されている羽根の
中央部分(3a)、後縁部(6) 及びチップ部(7) の板厚寸法
(図3における寸法t)は、従来の一般的なプロペラフ
ァンの厚さ寸法よりも僅かに小さく設定されている。
【0023】以下、付根部(4) 及び前縁部(5) 夫々の厚
さ寸法及びその厚肉部分の領域幅について詳述する。
尚、以下に説明する厚さ寸法及び領域幅は一態様であっ
て、本発明はこれに限られるものではなく、適宜任意の
値に設定可能となっている。
【0024】付根部(4) は、図3にも示すように、ハブ
(2) の外周面から所定幅寸法(図2及び図3における寸
法s1)を存した外側に亘る略円弧状の領域が所定厚さ寸
法(図3における寸法t1)をもって形成されている。具
体的に、この厚肉部分の幅寸法(s1)は後縁部(6) の全長
(図2における寸法s )の約1/5であり、厚さ寸法(t
1)は羽根中央部分(3a)の厚さ寸法(t) の約4倍に設定さ
れている。つまり、この付根部(4) は、全体に亘って厚
さ寸法が比較的大きく設定されており、本羽根(3) にお
いて最も剛性の高い部分となっている。
【0025】前縁部(5) は、上記厚肉の付根部(4) に連
続して肉厚寸法が大きく設定されており、その内周側端
である基端部から外周側端である先端部に亘って、領域
幅寸法及び厚さ寸法共に次第に小さくなるような形状と
なっている。具体的には、図2における断面IV-IV 線に
沿った比較的付根部(4) に近い部分では、図4に示すよ
うに、領域幅寸法(s2)が付根部(4) の幅寸法(s1)の約8
0%に設定され、また厚さ寸法(t2)が羽根中央部分(3a)
の厚さ寸法(t) の約3倍に設定されている。また、図2
における断面V-V 線に沿った前縁部(5) の長手方向中央
部分では、図5に示すように、領域幅寸法(s3)が付根部
(4) の幅寸法(s1)の約60%に設定され、また厚さ寸法
(t3)が羽根中央部分(3a)の厚さ寸法(t) の約2.5倍に
設定されている。更に、図2における断面VI-VI 線に沿
った比較的先端部に近い部分では、図6に示すように、
領域幅寸法(s4)が付根部(4) の幅寸法(s1)の約40%に
設定され、また厚さ寸法(t4)が羽根中央部分(3a)の厚さ
寸法(t) の約1.5倍に設定されている。つまり、この
前縁部(5) は、上記付根部(4) よりは剛性が僅かに低
く、且つ羽根(3) の中央部分(3a)、後縁部(6) 及びチッ
プ部(7) よりは剛性が高くなっており、更に、その基端
部から先端部に亘って次第に重量が小さくなるような形
状に設定されている。
【0026】次に、上述の如く構成されたプロペラファ
ン(1) の送風動作時について説明する。上述したよう
に、モータの駆動に伴ってハブ(2) 及び各羽根(3),(3),
…が回転すると、各羽根(3),(3),…が背面側(図1及び
図2における紙面奥側)から前面側(図1及び図2にお
ける紙面手前側)に向って空気を送出して送風する。そ
して、この前縁部(5) は、略全体に亘って厚肉に形成さ
れているので、所謂翼型のファンと同様の動作を得るこ
とができる。つまり、羽根表面での空気流の剥離を抑制
して低騒音化と良好な空力性能とを得ながら送風動作を
行うことができる。また、この前縁部(5) の厚肉構造に
より、羽根全体の剛性を高くして送風動作に伴う撓みを
抑制することもでき、これによっても空力性能を良好に
得ることができる。
【0027】また、羽根(3) の付根部(4) 及び前縁部
(5) 以外の部分は薄肉化されており、また、上述の如
く、前縁部(5) は、基端部から先端部に向って次第に軽
量化されているので、羽根(3) のチップ部(7) 周辺の重
量は羽根(3) 全体の重量に比較して大幅に低く設定され
ており、これら構成により、羽根(3) の回転に伴って発
生する遠心力は極めて小さくなっている。このため、従
来のように、この遠心力によって羽根(3) が破壊されて
しまうことが抑制でき、羽根(3) の高速化を実現可能と
することができる。
【0028】また、特に、上記遠心力によって破壊し易
い付根部(4) を厚肉に設定したことで、羽根(3) の高速
化をより確実に得ることができる。
【0029】このように、本例の構成によれば、羽根
(3) 全体に十分な剛性を確保して空力性能の低下を抑制
しながら該羽根(3) に作用する遠心力を低減して破壊強
度を向上させ高回転化を図ることができる。
【0030】次に、上記の効果を確認するために行った
実験例について説明する。本実験では、本発明に係る2
タイプのプロペラファンと比較例としての3タイプのプ
ロペラファンとの夫々に対し、回転駆動時における羽根
先端部での変位、破壊回転数及び羽根重量を測定した。
【0031】先ず、この実験に使用した各プロペラファ
ンの形状について説明する。図7及び図8は羽根(3) の
各部の寸法を示しており、Rn(n=1〜7)は羽根(3) の径方
向に亘るn箇所の夫々におけるハブ中心(O) からの距離
であって、R1は、羽根(3) の付根部(4) におけるハブ中
心(O) からの距離、つまり、ハブ(2) の半径であり、R7
は、羽根(3) のチップ部(7) におけるハブ中心(O) から
の距離、つまりファン(1) の半径である。また、Ln(n=1
〜7)は羽根(3) の上記n箇所の夫々における弦長であっ
て、L1は羽根(3) の付根部(4) の弦長であり、L7は羽根
(3) のチップ部(7) の弦長である。更に、θはハブ中心
(O) と前縁部(5) の基端部とを結ぶ直線と、ハブ中心
(O) と前縁部(5) の先端部とを結ぶ直線との成す角度、
所謂前進角であり、H は羽根高さ寸法である。具体的に
本実験で使用した各羽根の各部寸法は、R1=102mm、R7=3
00mm、L7=404mm、θ=56.4 °H=190mm である。
【0032】次に、本実験に使用した各プロペラファン
夫々の具体的な形状について説明する。先ず、3タイプ
の比較例のうち比較例1は、図9に示すように(図9
(b) は図9(a) におけるIX-IX 線における端面図)、羽
根(3) の全体に亘って付根部(4) からチップ部(7) に向
うにしたがって厚さ寸法が次第に小さくなるように形成
されている。比較例2は、図10に示すように(図10
(b) は図10(a) におけるX-X 線における端面図)、羽
根(3) の付根部(4) のみが厚肉とされ、この付根部(4)
では、外周側に向って厚さ寸法が次第に小さくなるよう
に形成され、その他の部分は均一厚さとなっている。比
較例3は、図11に示すように(図11(b) は図11
(a) におけるXI-XI 線における端面図)、比較例2のフ
ァンに対して付根部(4) の肉厚部分の幅寸法が僅かに大
きく形成されたものであり、その他は比較例2と同様に
形成されている。そして、2タイプの本発明に係るファ
ンのうち本発明例1は、図12に示すように(図12
(b) は図12(a) におけるXII-XII 線における端面図、
図12(c) は図12(a) におけるXII'-XII' 線における
端面図)、付根部(4) 及び前縁部(5) のみが厚肉とさ
れ、且つ前縁部(5) は基端部から先端部に向って厚さ寸
法が次第に小さくなるように形成されている。本発明例
2は、図13に示すように(図13(b) は図13(a) に
おけるXIII-XIII 線における端面図)、本発明例1に対
して前縁部(5) の肉厚部分の幅寸法が僅かに大きく形成
されたものであり、その他はこの本発明例1と同様に形
成されている。
【0033】以下の表1に、これら各タイプの羽根(3)
の上記n箇所の夫々における具体的な寸法を示す。ま
た、この表1における本発明に係る2タイプのプロペラ
ファン(1) の羽根厚さは前縁部(5) 以外の部分における
厚さ寸法を示している。また、本発明に係る2タイプの
プロペラファン(1) の寸法形状に関し、Ln' は羽根(3)
の上記n箇所の夫々における厚肉部分の領域幅寸法であ
る。
【0034】
【表1】 そして、本実験では、上述のような形状の各プロペラフ
ァン(11)の羽根重量を先ず測定し、その後、各プロペラ
ファン(1) を次第に回転数を上昇させながら回転駆動さ
せ、羽根先端部での最大変位及び羽根(3) が破壊した時
点での回転数を夫々測定した。この結果を以下の表2に
示す。尚、この表2では、比較例1の実験値を1.0 と
し、その他の実験値をそれに対する比によって示してい
る。
【0035】
【表2】 この表2から判るように、羽根先端部での変位に関して
は、比較例2及び3は特に変位が大きくなっており、空
力性能が低下している。また、破壊回転数に関しては、
各比較例共に本発明に係る2タイプのファンに比べて低
い回転数において破壊が生じている。これは、羽根に大
きな遠心力が作用したためであると推測される。更に、
重量に関しては、特に比較例1の重量が大きい。
【0036】このように本実験の結果により、本発明に
係るプロペラファンでは、重量の増大を招くことなし
に、羽根先端部の変位が抑制できて空力性能が向上さ
れ、且つ破壊回転数が高くできて高回転化を図ることが
できることが確認された。
【0037】(変形例)次に、本発明の3種類の変形例
について説明する。先ず、第1の変形例は、図14に示
すように、羽根(3) の付根部(4) 及び前縁部(5) に亘る
厚肉部と該厚肉部以外の薄肉部分との境界線(C) が、付
根部(4) と後縁部(6) との境界部分から前縁部(5) の先
端部分に亘って略円弧状とされている。
【0038】このような形状によれば、上述した実施例
と同様の効果を得ることができるばかりでなく、付根部
(4) と前縁部(5) との境界部分が事実上なくなるので、
この部分における空気の流れが乱れることがなく、プロ
ペラファン(1) の静音性を向上することができる。ま
た、このプロペラファン(1) を成形するための型の作製
を容易に行うこともできる。
【0039】第2の変形例は、図15に示すように、付
根部(4) におけるファン周方向の中央部に、ファン(1)
の半径方向に沿った幅寸法が他の部分よりも小さくされ
た括れ部(4a)を形成している。羽根(3) の遠心力に対す
る破壊強度は主に付根部(4)のファン周方向の両端部が
関与しているので、特に、この破壊強度の向上には大き
く寄与しない付根部(4) のファン周方向の中央部に括れ
部(4a)を形成することによって上述した効果を得ながら
羽根(3) の軽量化を図るようにした構成である。
【0040】第3の変形例は、図16に示すように、付
根部(4) 及び前縁部(5) における厚肉部の断面形状を円
形に形成したものであり、且つこの前縁部(5) の断面の
径寸法を、その基端部から先端部に向うにしたがって次
第に小さく設定した構成となっている。このような構成
によれば、付根部(4) 及び前縁部(5) の設計を比較的簡
単に行うことができ、このプロペラファン(1) を成形す
るための型の作製も容易に行うことができる。
【0041】尚、上述した各実施例は、周方向に亘って
羽根(3),(3),…を3枚備えたプロペラファン(1) につい
て説明したが、本発明はこれに限らず、2枚或いは4枚
以上の羽根を備えたプロペラファンに対して適用しても
よい。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、羽根の付根部と前縁部とを、他の部分
よりも厚さ寸法を大きくした厚肉部で形成したことによ
り羽根全体の剛性を高くしてファン回転時における羽根
の撓みを抑制することができ、これによってファンの空
力性能の向上を図ることができる。また、この厚肉構造
により、羽根全体の剛性を高く維持しながら付根部及び
前縁部以外の部分を従来のものよりも薄肉にでき、更
に、前縁部は、外周側に向うにしたがってファン周方向
に沿った断面積が次第に小さくなっていることにより、
羽根の外周側を軽量化することができて羽根の回転に伴
って発生する遠心力は極めて小さくなり、これにより、
従来のように、この遠心力によって羽根が破壊されてし
まうことが抑制でき、羽根の高回転化を図ることができ
る。また、特に、上記遠心力によって破壊し易い付根部
を厚肉に設定したことで、羽根の高回転化を確実に行う
ことができ、実用性の高いプロペラファンを得ることが
できる。
【0043】請求項2及び3記載の発明によれば、前縁
部における厚肉部の断面積を外周側に向うにしたがって
次第に小さくする構成を具体的に得ることができ、従来
のものに対して僅かな形状の改良によって上記請求項1
記載の発明に係る効果を得ることができる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、付根部及び
前縁部に亘る厚肉部と該厚肉部以外の部分との境界部分
を滑らに湾曲させたために、付根部と前縁部とを連続し
た厚肉部とすることができ、この部分で空気の流れが乱
れることがないのでファンの静音性の向上を図ることが
できる。
【0045】請求項5記載の発明によれば、羽根の遠心
力に対する破壊強度は主に付根部のファン周方向の両端
部が関与しており、特に、この破壊強度の向上には大き
く寄与しない付根部のファン周方向の中央部に括れ部を
形成することによって羽根の軽量化を図りながら上述し
た請求項1記載の発明に係る効果を確保しながら羽根の
軽量化を図ることができる。
【0046】請求項6記載の発明によれば、前縁部にお
ける厚肉部の断面形状を円形に形成したために、前縁部
の設計を比較的簡単に行うことができ、また、ファンを
樹脂の一体成形品とした場合には、プロペラファンを成
形するための型の作製を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロペラファンの正面図である。
【図2】羽根の拡大正面図である。
【図3】図2におけるIII-III 線に沿った断面図であ
る。
【図4】図2におけるIV-IV 線に沿った断面図である。
【図5】図2におけるV-V 線に沿った断面図である。
【図6】図2におけるVI-VI 線に沿った断面図である。
【図7】羽根の各部の寸法を説明するための正面図であ
る。
【図8】羽根の各部の寸法を説明するための側面図であ
る。
【図9】実験に使用した比較例1の羽根形状を示す図で
ある。
【図10】実験に使用した比較例2の羽根形状を示す図
である。
【図11】実験に使用した比較例3の羽根形状を示す図
である。
【図12】実験に使用した本発明例1の羽根形状を示す
図である。
【図13】実験に使用した本発明例2の羽根形状を示す
図である。
【図14】第1の変形例における図2相当図である。
【図15】第2の変形例における図2相当図である。
【図16】第3の変形例における図2相当図である。
【図17】従来の羽根形状を示す図2相当図である。
【図18】翼型羽根における図17のB-B 線に沿った断
面図である。
【図19】薄肉羽根における図17のB-B 線に沿った断
面図である。
【符号の説明】
(1) プロペラファン (2) ハブ (3) 羽根 (4) 付根部 (4a) 括れ部 (5) 前縁部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブ(2) と、 該ハブ(2) の外側面に付根部(4) により一体的に接続さ
    れた略扇形の複数枚の羽根(3),(3),…とを備えたプロペ
    ラファンにおいて、 上記羽根(3) の付根部(4) と、該付根部(4) におけるフ
    ァン回転方向前側端部からファン外周側へ延びる前縁部
    (5) とは、他の部分よりも厚さ寸法が大きくされた厚肉
    部で形成されており、 上記前縁部(5) における厚肉部は、外周側に向うにした
    がってファン周方向に沿った断面積が次第に小さくなる
    ように形成されていることを特徴とするプロペラファ
    ン。
  2. 【請求項2】 前縁部(5) における厚肉部は、外周側に
    向うにしたがって次第に厚さ寸法が小さくなるように形
    成されていることを特徴とする請求項1記載のプロペラ
    ファン。
  3. 【請求項3】 前縁部(5) における厚肉部は、外周側に
    向うにしたがって次第にファン周方向の幅寸法が小さく
    なるように形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のプロペラファン。
  4. 【請求項4】 付根部(4) 及び前縁部(5) に亘る厚肉部
    と該厚肉部以外の部分との境界部分は、ハブ(2) の軸心
    方向から見て前縁部(5) の外周側端部から付根部(4) の
    ファン回転方向後側端部に亘って滑らに湾曲されている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のプロペラ
    ファン。
  5. 【請求項5】 厚肉部における付根部(4) のファン周方
    向の中央部は、ファンの半径方向に沿った幅寸法が他の
    部分よりも小さい括れ部(4a)が形成されていることを特
    徴とする請求項1、2または3記載のプロペラファン。
  6. 【請求項6】 少なくとも前縁部(5) における厚肉部の
    断面形状は、略円形に形成されていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4または5記載のプロペラファン。
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