JP2005307874A - 動力出力装置およびこれを備える自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを備える自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 遊星歯車機構にモータMG1とエンジンと駆動軸とが接続され、駆動軸にモータMG2が接続された自動車において、冷間時にモータMG1が過回転するのを抑制する。
【解決手段】 エンジンの吸気温tinと冷却水温twとが閾値未満のとき、即ち冷間時にエンジンが冷えているときにモータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときには(S130〜S140)、モータMG1のトルク指令Tm1*をフィードバック制御の関係式において通常温度時の比例項のゲイン「k1」よりも大きな比例項のゲイン「k3」を用いて計算する(S150)。これにより、モータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時に比して大きくすることができ、冷間時に空気密度が高くなりエンジンから出力されるトルクが大きくなることによってモータMG1が過回転するのを抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを備える自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に車軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、プラネタリギヤのサンギヤに接続された第1モータと、プラネタリギヤのリングギヤに接続された第2モータとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、、運転者の要求に応じて設定された要求パワーを効率よく運転できる運転ポイントでエンジンを運転すると共にプラネタリギヤと二つのモータによりトルク変換して車軸に出力することにより、装置のエネルギ効率を向上させている。
特開平9−308012号公報
こうした動力出力装置では、第1モータはエンジンの回転数が目標とする運転ポイントの回転数となるよう回転数制御により制御され、第2モータは車軸に要求パワーが出力されるようトルク制御により制御される。こうした装置をマイナス30℃やマイナス40℃などの冷間時で運転すると、エンジンに吸入される空気の密度が大きいために通常温度(例えば25℃)に比して燃料噴射量が多くなり、エンジンから大きなトルクが出力される場合がある。第1モータの制御は通常温度を基準として考えられているから、こうした冷間時にはエンジンの回転数を目標とする回転数に収束させることができない場合が生じる。特に、冷間時に運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んでエンジンの回転数を大きくしたときにはエンジンからのトルクが過大すぎることにより、第1モータが過回転してしまうおそれが生じる。
本発明の動力出力装置およびこれを備える自動車並びに動力出力装置の制御方法は、内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する電力動力入出力機器を備えるものにおいて、冷間時に電力動力入出力機器が過回転するのを抑制することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびこれを備える自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、
前記設定された要求機関動力における少なくとも機関駆動力を前記設定された補正値をもって補正した補正後動力が前記内燃機関から出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置では、内燃機関の吸入空気の温度と内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度とに基づいて補正値を設定し、内燃機関から出力すべき要求機関動力における少なくとも機関駆動力を設定した補正値をもって補正した補正後動力が内燃機関から出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)とを制御する。即ち、内燃機関の吸気温度とその冷却系の冷却媒体温度とに基づいて内燃機関と電力動力入出力手段を制御するのである。したがって、適当に補正値を設定することにより、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
こうした本発明の第1の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど前記機関駆動力を小さくする傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど前記機関駆動力を小さくする傾向に前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、冷間時に内燃機関から出力される過剰な駆動力を抑制することができる。吸気温度が低くなるほど機関駆動力が小さくなるよう補正値を設定するのは吸気温度が低くなるほど吸入空気の密度が高くなることに基づき、冷却媒体温度が低いほど機関駆動力が小さくなるよう補正値を設定するのは冷却媒体温度が低いほど実際に燃焼室に供給される空気の密度が高くなることに基づく。
また、本発明の第1の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記機関駆動力を小さくするよう前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、吸気温度が第1の所定温度未満のときで且つ冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときにだけ補正値を設定すればよく、吸気温度が第1の所定温度以上のときや冷却媒体温度が第2の所定温度以上のときには補正値を設定する必要がなくなる。この結果、補正値をもって補正する処理を冷間時だけに限定して制御することができる。
さらに、本発明の第1の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、必要以上に内燃機関からの機関駆動力を補正することがない。この場合、前記補正値設定手段は、前記計算した上昇率に前記機関駆動力を乗じた値が所定駆動力以上のときに前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。
本発明の第2の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいてフィードバック制御におけるゲインを設定するゲイン設定手段と、
該設定したゲインを用いて前記内燃機関が前記設定された要求機関動力における機関回転数で回転するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置では、内燃機関の吸入空気の温度と内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度とに基づいてフィードバック制御におけるゲインを設定し、設定したゲインを用いて内燃機関から出力すべき要求機関動力における機関回転数で内燃機関が回転するよう電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)を制御すると共に設定した要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう内燃機関を制御する。即ち、内燃機関の吸気温度とその冷却系の冷却媒体温度とに基づいて内燃機関の回転数をフィードバック制御する際のゲインを変更して電力動力入出力手段を制御するのである。したがって、適当にゲインを設定することにより、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
この本発明の第2の動力出力装置において、前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど大きくなる傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど大きくなる傾向に前記ゲインを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、冷間時に内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができ、これにより電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。吸気温度が低くなるほど大きくなるようゲインを設定するのは吸気温度が低くなるほど吸入空気の密度が高くなって内燃機関の回転数を目標とする回転数に変更するのに大きなトルクが必要になることに基づき、冷却媒体温度が低いほど大きくなるようゲインを設定するのは冷却媒体温度が低いほど実際に燃焼室に供給される空気の密度が高くなって内燃機関の回転数を目標とする回転数に変更するのに大きなトルクが必要になることに基づく。
また、本発明の第2の動力出力装置において、前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度以上のとき又は前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度以上のときに第1の所定値を前記ゲインとして設定し、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記第1の所定値より大きな第2の所定値を前記ゲインとして設定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段の回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記ゲイン設定手段は、前記回転数検出手段により検出された回転数が所定回転数未満のときには前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときでも前記第1の所定値を前記ゲインとして設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電力動力入出力手段が所定回転数以上のときにだけゲインを大きな第2の所定値として電力動力入出力手段の過回転を抑制することができる。
さらに、本発明の第2の動力出力装置において、前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記ゲインを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、より適正なゲインを設定して電力動力入出力手段を制御することができる。
本発明の第3の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
該設定された要求機関動力に基づいて前記電力動力入出力手段の目標駆動ポイントを設定する目標駆動ポイント設定手段と、
前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、
前記設定された目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを前記設定された補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第3の動力出力装置では、内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定すると共にこの設定した要求機関動力に基づいて電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)の目標駆動ポイントを設定し、さらに、内燃機関の吸入空気の温度と内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度とに基づいて補正値を設定する。そして、設定した目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを設定した補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう電力動力入出力手段を制御すると共に設定した要求機関動力が出力されるよう内燃機関を制御する。即ち、内燃機関の吸気温度とその冷却系の冷却媒体温度とに基づいて電力動力入出力手段の駆動トルクを補正して電力動力入出力手段と内燃機関とを制御するのである。したがって、適当に補正値を設定することにより、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
こうした本発明の第3の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど前記駆動トルクを大きくする傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど前記駆動トルクを大きくする傾向に前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、冷間時に内燃機関の回転数が過大になるのを抑制することができ、これにより電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。吸気温度が低くなるほど駆動トルクが大きくなるよう補正値を設定するのは吸気温度が低くなるほど吸入空気の密度が高くなって内燃機関の回転数を目標とする回転数に変更するのに大きなトルクが必要になることに基づき、冷却媒体温度が低いほど駆動トルクが大きくなるよう補正値を設定するのは冷却媒体温度が低いほど実際に燃焼室に供給される空気の密度が高くなって内燃機関の回転数を目標とする回転数に変更するのに大きなトルクが必要になることに基づく。
また、本発明の第3の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記駆動トルクを大きくするよう前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、吸気温度が第1の所定温度未満のときで且つ冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときにだけ補正値を設定すればよく、吸気温度が第1の所定温度以上のときや冷却媒体温度が第2の所定温度以上のときには補正値を設定する必要がなくなる。この結果、補正値をもって補正する処理を冷間時だけに限定して制御することができる。
さらに、本発明の第3の動力出力装置において、前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、より適正な駆動トルクにより電力動力入出力手段を制御することができる。この場合、前記補正値設定手段は、前記計算した上昇率に前記機関駆動力を乗じた値が所定駆動力以上のときに前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、不必要な補正を抑止することができる。
あるいは、本発明の第3の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段の回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記補正値設定手段は、前記回転数検出手段により検出された回転数が所定回転数以上のときに前記駆動トルクを大きくするよう前記補正値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電力動力入出力手段が所定回転数以上のときにだけ補正値をもって補正する処理を行なうものとすることができる。
本発明の第1ないし第3の動力出力装置において、前記駆動軸に要求される要求動力を設定する要求動力設定手段を備え、前記機関要求動力設定手段は前記設定された要求動力に基づいて前記機関要求動力を設定する手段であり、前記制御手段は前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、要求動力に基づく動力を駆動軸に出力することができる。この態様の本発明の第1ないし第3の動力出力装置において、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機を備え、前記制御手段は、前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、より確実に要求動力に基づく動力を駆動軸に出力することができると。
本発明の第1ないし第3の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸のうちいずれか2軸に入出力する動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する電動機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により駆動する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の第1ないし第3の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、前記設定された要求機関動力における少なくとも機関駆動力を前記設定された補正値をもって補正した補正後動力が前記内燃機関から出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、を備える本発明の第1の動力出力装置や、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいてフィードバック制御におけるゲインを設定するゲイン設定手段と、該設定したゲインを用いて前記内燃機関が前記設定された要求機関動力における機関回転数で回転するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、を備える本発明の第2の動力出力装置、あるいは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、該設定された要求機関動力に基づいて前記電力動力入出力手段の目標駆動ポイントを設定する目標駆動ポイント設定手段と、前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、前記設定された目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを前記設定された補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、を備える本発明の第3の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の第1ないし第3の動力出力装置を搭載するから、本発明の第1ないし第3の動力出力装置が奏する効果、例えば、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の第1の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
(b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
(c)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が低くなるほど補正量が多くなる傾向に補正値を設定し、
(d)前記設定した要求機関動力における少なくとも機関駆動力を前記設定した補正値をもって補正した補正後動力が前記内燃機関から出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第1の動力出力装置の制御方法では、内燃機関の吸入空気の温度および内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度が低くなるほど補正量が大きくなる傾向に補正値を設定し、内燃機関から出力すべき要求機関動力における少なくとも機関駆動力を設定した補正値をもって補正した補正後動力が内燃機関から出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)とを制御する。即ち、内燃機関の吸気温度および冷却媒体温度が低くなるほど大きな補正値を用いて内燃機関と電力動力入出力手段を制御するのである。したがって、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
本発明の第2の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
(b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
(c)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が低くなるほど大きくなる傾向にフィードバック制御におけるゲインを設定し、
(d)該設定したゲインを用いて前記内燃機関が前記設定された要求機関動力における機関回転数で回転するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第2の動力出力装置の制御方法では、内燃機関の吸入空気の温度および内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度が低くなるほど大きくなる傾向にフィードバック制御におけるゲインを設定し、設定したゲインを用いて内燃機関から出力すべき要求機関動力における機関回転数で内燃機関が回転するよう電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)を制御すると共に設定した要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう内燃機関を制御する。即ち、内燃機関の吸気温度や冷却系の冷却媒体温度が低くなるほど大きなゲインを用いて電力動力入出力手段により内燃機関の回転数をフィードバック制御するのである。したがって、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
本発明の第3の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
(b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
(c)該設定した要求機関動力に基づいて前記電力動力入出力手段の目標駆動ポイントを設定し、
(d)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が小さくなるほど大きな補正量となるよう補正値を設定し、
(d)前記設定した目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを前記設定した補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定した要求機関動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する
ことを要旨とする。
この本発明の第3の動力出力装置の制御方法では、内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定すると共にこの設定した要求機関動力に基づいて電力動力入出力手段(内燃機関の出力軸の回転数と駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って内燃機関からの動力の少なくとも一部を駆動軸に出力する手段)の目標駆動ポイントを設定し、さらに、内燃機関の吸入空気の温度や内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度が低くなるほど大きな補正量となるよう補正値を設定する。そして、設定した目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを設定した補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう電力動力入出力手段を制御すると共に設定した要求機関動力が出力されるよう内燃機関を制御する。即ち、内燃機関の吸気温度や冷却系の冷却媒体温度が低くなるほど電力動力入出力手段の駆動トルクが大きくなるよう補正して電力動力入出力手段と内燃機関とを制御するのである。したがって、冷間時に電力動力入出力手段が過回転するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するために必要な信号、例えばエンジン22の吸入空気の温度を検出する温度センサ23aからの吸気温tinやエンジン22内を循環する冷却水の温度を検出する温度センサ23bからの冷却水温twなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の冷却水温tw,吸気温tinなどを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、冷却水温twと吸気温tinは、温度センサ23a,23bにより検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、第1実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Gr(Nm2/Nr)で割ることによって求めたりすることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*とエンジン22を効率よく動作させる動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップ130)。図4にエンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す。目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、図示するように、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、吸気温tinが閾値tinref未満であるか否か、冷却水温twが閾値twref未満であるか否かを判定する(ステップS130,S135)。ここで、閾値tinrefや閾値twrefは、モータMG1を冷間時制御により制御する必要があるか否かを判定するための閾値である。いま、冷間時(例えば、−30℃や−40℃など)にエンジン22を始動する場合を考える。この場合、吸入空気の温度は低くその密度は通常温度時(例えば、25℃など)に比して大きくなるから、最適な空燃比が得られるよう燃料噴射量は増量補正される。さらに、エンジン22が冷えているときには、エンジン22の暖機のためにも燃料噴射量は増量補正される。また、このときにはエンジン22の燃焼室内に供給される空気の密度も大きくなる。したがって、エンジン22から出力されるトルクは通常温度時に比して大きいものとなり、モータMG1を通常温度時制御により制御したのでは、エンジン22から出力されるトルクに対して反力をとりきれずにモータMG1の回転数Nm1が上昇し、モータMG1が過回転するおそれがある。ステップS130,S135の判定は、こうしたおそれがあるか否かを判定するものである。吸気温tinが閾値tinref以上のときや冷却水温twが閾値twref以上のときには、こうしたおそれはなくモータMG1を通常温度時制御により制御すればよいと判断し、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいてモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS160)。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。同図におけるサンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*は、リングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(1)により計算することができる。したがって、計算した目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。また、モータMG1のトルク指令Tm1*は、第1実施例では、目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とを用いてフィードバック制御における関係式(2)により設定するものとした。ここで、式(2)中の右辺第2項の「k1」は比例項のゲインを示し、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインを示す。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の出力制限Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2maxを次式(3)により計算すると共に(ステップS170)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(4)により計算し(ステップS172)、計算したトルク制限Tm2maxと仮モータトルクTm2tmpとを比較して小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS180)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の出力制限の範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(4)は、前述した図5の共線図から導き出すことができる。
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tm2*=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(4)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS130,S135で吸気温tinが閾値tinref未満であり、冷却水温twが閾値twref未満のときには、モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上か否かを判定する(ステップS140)。ここで、閾値Nrefは、モータMG1を連続して駆動することのできる最大回転数Nmaxよりも低い回転数であり、通常温度時制御によってモータMG1の回転数Nm1が最大回転数Nmaxを超えないよう制御可能な上限回転数として設定される。モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときには、冷間時制御により制御する必要があると判断し、上述したのと同様にエンジン22の目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて上述した式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算し、計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)における比例項のゲイン「k1」よりも大きい比例項のゲイン「k3」を用いた次式(5)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算し(ステップS150)、上述したステップS170〜S180の処理を実行して本ルーチンを終了する。ここで、比例項のゲインとして通常温度時のゲイン「k1」よりも大きなゲイン「k3」を用いるのは、次の理由による。上述したように、冷間時であってエンジン22が冷えているときには、エンジン22から出力されるトルクは通常時に比して大きくなる。このときにモータMG1を通常温度時制御により制御したのでは、エンジン22から出力されるトルクに対して反力をとりきれずにモータMG1は過回転となる場合がある。したがって、比例項のゲインを大きくすることによりモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を大きくするのである。これにより、エンジン22から出力されるトルクに対して反力をとることができ、モータMG1の回転数Nm1の上昇の抑制、即ちモータMG1の過回転の防止をすることができる。なお、このようにモータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時に比して大きくすると、モータMG1の発熱量も大きくなるが、この冷間時制御は吸気温tinが低く且つ冷却水温twも低いとき、即ち冷間時にエンジン22が冷えているときにしか行なわないので、モータMG1やインバータ41の温度が上昇しすぎるおそれはない。さらに、この冷間時制御は、通常温度時制御に比して過大なトルクが発生する場合も生じるが、冷間時でエンジン22が暖機されるまでしか行なわれないので、時間的に短く且つ稀であり、モータMG1の破損のおそれはないといえる。
Tm1*=前回Tm1*+k3(Nm1*−Nm1)+k4∫(Nm1*−Nm1)dt …(5)
一方、ステップS140でモータMG1の回転数Nm1が閾値Nref未満のときには、モータMG1の回転数Nm1は上昇するものの過回転になるおそれはないと判断し、モータMG1を通常温度制御により制御を行なうものとして、上述したステップS160〜S180の処理を実行して本ルーチンを終了する。これにより、冷間時制御により制御する範囲をより限定することができるから、冷間時制御によるモータMG1の温度上昇の抑制を図ることができると共にモータMG1の破損のおそれをより小さいものとすることができる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、吸気温tinや冷却水温twが閾値未満のとき、即ち冷間時にエンジン22が冷えているときには、モータMG1のトルク指令Tm1*をフィードバック制御の関係式において通常温度時の比例項のゲイン「k1」よりも大きな比例項のゲイン「k3」を用いて計算するから、モータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時に比して大きくすることができる。したがって、エンジン22から出力されるトルクに対して反力をとることができ、モータMG1の過回転を防止することができる。しかも、冷間時にエンジン22が冷えているときであってもモータMG1の回転数Nm1が所定回転数Nref未満のときには、モータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時と同様の比例項のゲイン「k1」を用いて計算するから、モータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時に比して大きくする範囲をより限定することができ、モータMG1やインバータ41などの過度の温度上昇を防止することができると共にモータMG1の破損のおそれをより小さいものとすることができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20の図2の駆動制御ルーチンでは、吸気温tinが閾値tinref未満であり冷却水温twが閾値twref未満でありモータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときにフィードバック制御の関係式において通常温度時の比例項のゲイン「k1」よりも大きな比例項のゲイン「k3」を用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を計算するものとしたが、吸気温tinと冷却水温twとに基づいてマップを用いて比例項のゲイン「k5」を設定し、設定した比例項のゲイン「k5」を用いてトルク指令Tm1*を計算するものとしてもよい。この場合、図2の駆動制御ルーチンのステップS130〜S160の処理に代えて図6に示す駆動制御ルーチンのステップS192,S194の処理を実行すればよい。また、比例項のゲイン「k5」は、吸気温tinが低いほど大きくなる傾向に且つ冷却水温twが低いほど大きくなる傾向に設定するものとしてもよい。この関係の一例を図7に示す。なお、ゲインの値は、エンジン22やモータMG1の定格などに基づいて定めればよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、吸気温tinが閾値tinref未満であり冷却水温twが閾値twref未満のときには、モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときにだけモータMG1を冷間時制御により制御するものとしたが、モータMG1の回転数Nm1に拘わらずモータMG1を冷間時制御により制御するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、冷間時のモータMG1のトルク指令Tm1*は、フィードバック制御の関係式において通常温度時制御の比例項のゲイン「k1」よりも大きな比例項のゲイン「k3」を用いて計算するものとしたが、通常温度時制御の比例項のゲイン「k1」を用いて計算した値を補正することにより計算するものとしてもよい。この場合、図2の駆動制御ルーチンに代えて図8の駆動制御ルーチンを実行する。
図8の駆動制御ルーチンが実行されると、図2の駆動制御ルーチンのステップS100〜S120の処理と同様、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,冷却水温tw,吸気温tinを入力し(ステップS200)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定し(ステップS210)、設定した要求パワーPe*とエンジン22を効率よく動作させる動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS220)。そして、設定したエンジン22の目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて上述した式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算し、計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて上述した式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS230)。
続いて、モータMG1の回転数Nm1を上述した閾値Nrefと比較する(ステップS240)。モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref未満のときには、モータMG1は過回転となるおそれがなくモータMG1のトルク指令Tm1*を補正する必要はないと判断し、図2の駆動制御ルーチンのステップS170〜S180の処理と同様、モータMG2のトルク指令Tm2*を計算し(ステップS270〜S274)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*について対応する各ECUに送信して(ステップS280)、本ルーチンを終了する。
モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときには、モータMG1が過回転となるおそれがありモータMG1のトルク指令Tm1*を補正する必要があると判断し、エンジン22の冷却水温twと吸気温tinとに基づいてトルク上昇率αを設定し(ステップS250)、設定したトルク上昇率αをトルク指令Tm1*に乗じたものをトルク指令Tm1*として再設定し(ステップS260)、上述したステップS270〜S280の処理を実行して本ルーチンを終了する。ここで、トルク上昇率αは、エンジン22から出力されるトルクが目標トルクTe*に比して大きくなる比率である。上述したように、冷間時にエンジン22が冷えているときには、エンジン22に吸入される空気の密度が大きくなることによって燃料噴射量は増量され、エンジン22から出力されるトルクは通常時(例えば、暖機終了後など)に比して大きくなる。したがって、この比率をトルク上昇率αとして導出し、これに基づいてトルク指令Tm1*を補正するのである。これにより、より適正なトルクでモータMG1が駆動されるよう制御することができる。トルク上昇率αは、この変形例では、冷却水温twと吸気温tinとトルク上昇率αとの関係を予め実験的に定めてトルク上昇率設定用マップとしてROM74に記憶しておき、冷却水温twと吸気温tinとが与えられると記憶したマップから対応するトルク上昇率αを導出して設定するものとした。図9にトルク上昇率設定用マップの一例を示す。図示するように、トルク上昇率αは、吸気温tinが低いほど大きくなるように且つ冷却水温twが低いほど大きくなるように設定される。吸気温tinが低いほどトルク上昇率αが大きくなるよう設定されるのは、吸気温tinが低いほど吸入される空気の密度は大きくなり燃料噴射量を増量補正する必要があるためであり、冷却水温twが低いほどトルク上昇率αが大きくなるよう設定されるのは、冷却水温twが低いほどエンジン22が冷えており燃焼室内に供給される空気の密度が大きくなるためである。
以上説明した変形例によれば、モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときには、モータMG1のトルク指令Tm1*に吸気温tinが低いほど大きくなるように且つ冷却水温twが低いほど大きくなるように設定されたトルク上昇率αを乗じたもの(Tm1*×α)をトルク指令Tm1*として再設定するから、エンジン22から出力されるトルク(Te*×α)に対して反力をとることができ、モータMG1の過回転を抑制することができる。また、トルク上昇率αに基づいてトルク指令Tm1*を補正するから、より適正なトルクでモータMG1が駆動されるよう制御することができる。
変形例では、吸気温tinと冷却水温twとに基づいてトルク上昇率αを設定し、設定したトルク上昇率αをモータMG1のトルク指令Tm1*に乗じることによりトルク指令Tm1*を補正するものとしたが、設定したトルク上昇率αに基づいてフィードバック制御の関係式における比例項のゲインを設定し、このゲインを用いてフィードバック制御の関係式によりトルク指令Tm1*を再計算するものとしてもよい。
変形例では、吸気温tinが低いほど大きくなる傾向に且つ冷却水温twが低いほど大きくなる傾向に設定されたトルク上昇率αをモータMG1のトルク指令Tm1*に乗じることによってトルク指令Tm1*を補正するものとしたが、トルク上昇率αを用いて補正するものに限られず、吸気温tinが低いほど大きくなる傾向に且つ冷却水温twが低いほど大きくなる傾向にモータMG1のトルク指令Tm1*を補正するものであれば、他の方法により補正するものでもよい。
変形例では、モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときには、吸気温tinや冷却水温twに拘わらずトルク上昇率αを設定し、これにトルク指令Tm1*を乗じることによりトルク指令Tm1*を補正するものとしたが、吸気温tinが閾値tinref未満であり且つ冷却水温twが閾値未満のときにだけトルク上昇率αを設定し、これにトルク指令Tm1*を乗じることによりトルク指令Tm1*を補正するものとしてもよい。こうすれば、トルク指令Tm1*を補正する処理を冷間時でエンジン22が冷えているときだけに限定することができる。
変形例では、トルク上昇率αを設定し、目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)、即ちエンジン22から出力されるトルクに拘わらずモータMG1のトルク指令Tm1*を補正するものとしたが、エンジン22から出力されるトルク(Te*×α)が比較的大きいとき(例えば、モータMG1を通常温度時制御により制御したのではエンジン22から出力されるトルクに対して反力がとれないときなど)にだけトルク指令Tm1*を補正するものとしてもよい。こうすれば、不必要な補正を防止することができる。
変形例では、モータMG1の回転数Nm1が閾値Nref以上のときにだけ吸気温tinと冷却水温twとに基づいて設定したトルク上昇率αを用いてモータMG1のトルク指令Tm1*を補正するものとしたが、モータMG1の回転数Nm1に拘わらず吸気温tinと冷却水温twとに基づいて設定したトルク上昇率αを用いてトルク指令Tm1*を補正するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20やその実施例では、冷間時にエンジン22が冷えているときには、モータMG1のトルク指令Tm1*を通常温度時に比して大きくするものとしたが、トルク指令Tm1*を大きくするのではなく、エンジン22の目標トルクTe*を制限するものとしてもよい。以下、この場合について説明する。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図1に示した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成をしている。したがって、第2実施例のハイブリッド自動車20Bの構成については、その図示および詳細な説明は省略する。第2実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70は、図2の駆動制御ルーチンに代えて図10の駆動制御ルーチンを実行する。
図10の駆動制御ルーチンが実行されると、図2の駆動制御ルーチンのステップS100〜S120の処理と同様、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,冷却水温tw,吸気温tinを入力し(ステップS300)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定し(ステップS310)、設定した要求パワーPe*とエンジン22を効率よく動作させる動作ラインとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS320)。
続いて、図8の駆動制御ルーチンのステップS250の処理と同様にエンジン22の冷却水温twと吸気温tinとに基づいてトルク上昇率αを設定し(ステップS330)、エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)、即ちエンジン22から出力されるトルクを閾値Tmaxと比較する(ステップS340)。ここで、閾値Tmaxは、トルク上昇率αが値1のとき、即ち通常時(例えば、暖機終了後など)にそのときの回転数Neに応じてエンジン22から出力可能なトルクの最大値またはそれよりも若干大きい値であり、モータMG1を上述した通常温度時制御により制御してエンジン22から出力されるトルクに対して反力をとることができる値として設定される。上述したように冷間時にエンジン22が冷えているときには、エンジン22から出力されるトルク(Te*×α)は通常温度時に比して大きいものとなり、通常温度時制御により制御するモータMG1では反力をとりきれずにモータMG1は過回転となるおそれがある。ステップS340の判定は、こうしたおそれがあるか否かを判定するものである。
エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)が閾値Tmax未満のときには、モータMG1が過回転となるおそれはなく目標トルクTe*を補正する必要はないと判断し、図2の駆動制御ルーチンのステップS160〜S180の処理と同様、モータMG1,モータMG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を計算し(ステップS360〜S374)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*について対応する各ECUに送信して(ステップS380)、本ルーチンを終了する。
一方、エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)が閾値Tmax以上のときには、モータMG1が過回転となるおそれがあり目標トルクTe*を補正する必要があると判断し、閾値Tmaxをトルク上昇率αで除したものを目標トルクTe*として再設定し(ステップS350)、上述したステップS360〜S380の処理を実行して、本ルーチンを終了する。このように目標トルクTe*を補正することにより、エンジン22から出力されるトルクは閾値Tmaxとなるから、モータMG1によって反力をとることができ、モータMG1の回転数の上昇を抑制することができる。したがって、モータMG1の過回転を防止することができる。また、吸気温tinと冷却水温twとに基づいて設定したトルク上昇率αを用いて目標トルクTe*を補正するから、より適正な補正をすることができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、目標トルクTe*に吸気温tinが低いほど大きくなるように且つ冷却水温twが低いほど大きくなるように設定されたトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)、即ちエンジン22から出力されるトルクが閾値Tmax以上のときには、閾値Tmaxをトルク上昇率αで除したものを目標トルクTe*として設定するから、エンジン22から出力されるトルク(Te*×α)を閾値Tmax以下とすることができる。したがって、冷間時にエンジン22から出力されるトルクが大きいときでもモータMG1によって反力をとることができ、モータMG1の過回転を抑制することができる。また、トルク上昇率αを用いて目標トルクTe*を補正するから、より適正な補正をすることができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、吸気温tinや冷却水温twに拘わらずトルク上昇率αを設定し、エンジン22の目標トルクTe*を閾値Tmaxをトルク上昇率αで除したもの(Tmax/α)で制限するものとしたが、吸気温tinが閾値tinref未満であり且つ冷却水温twが閾値twref未満のときにだけトルク上昇率αを設定し、目標トルクTe*を値(Tmax/α)で制限するものとしてもよい。こうすれば、目標トルクTe*を補正する処理を冷間時にエンジン22が冷えているときだけに限定することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、吸気温tinが低いほど大きくなる傾向に且つ冷却水温twが低いほど大きくなる傾向に設定されたトルク上昇率αで閾値Tmaxを除したものを目標トルクTe*として再設定するものとしたが、トルク上昇率αを用いて補正するものに限られず、吸気温tinが低いほど小さくなる傾向に且つ冷却水温twが低いほど小さくなる傾向に目標トルクTe*を補正するものであれば、他の方法により補正するものでもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)が閾値Tmaxを超えたときに、閾値Tmaxをトルク上昇率αで除したものを目標トルクTe*として再設定するものとしたが、値(Te*×α)が閾値Tmax以上のときだけでなく、値(Te*×α)が閾値Tmax未満のときにも目標トルクTe*を再設定するものとしてもよい。この場合、値(Te*×α)が閾値Tmax未満のときには、目標トルクTe*をトルク上昇率αで除したものを目標トルクTe*として再設定するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたものが閾値Tmax以上のときには、モータMG1の回転数Nm1に拘わらず目標トルクTe*を補正するものとしたが、回転数Nm1が上述した閾値Nref以上のときに目標トルクTe*を補正するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20やその変形例では、吸気温tinや冷却水温tw,モータMG1の回転数Nm1を考慮してモータMG1のトルク指令Tm1*を計算するものとし、第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、吸気温tinや冷却水温twを考慮してエンジン22の目標トルクTe*を設定するものとしたが、これらを組み合わせて用いるものとしてもよい。例えば、エンジン22の目標トルクTe*にトルク上昇率αを乗じたもの(Te*×α)が閾値Tmax以上のときには、エンジン22の目標トルクTe*を補正すると共にモータMG1のトルク指令Tm1*をフィードバック制御の関係式における通常温度時の比例項のゲイン「k1」よりも大きな比例項のゲイン「k3」を用いて計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により減速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bが接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
上述した各実施例やその変形例では、エンジンとモータとを備え、駆動軸に動力を出力する動力出力装置を自動車に搭載するものとしたが、こうした動力出力装置を自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載するものとしてもよいし、建設機器などの移動しない設備の動力源として用いるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
第1実施例の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 第1実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 吸気温tinと冷却水温twと比例項のゲインk5との関係を示す説明図である。 変形例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 冷却水温twと吸気温tinとトルク上昇率αとの関係を示す説明図である。 第2実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23a,23b 温度センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (24)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
    前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
    前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
    前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、
    前記設定された要求機関動力における少なくとも機関駆動力を前記設定された補正値をもって補正した補正後動力が前記内燃機関から出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど前記機関駆動力を小さくする傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど前記機関駆動力を小さくする傾向に前記補正値を設定する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記機関駆動力を小さくするよう前記補正値を設定する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記補正値を設定する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記補正値設定手段は、前記計算した上昇率に前記機関駆動力を乗じた値が所定駆動力以上のときに前記補正値を設定する手段である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
    前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
    前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
    前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいてフィードバック制御におけるゲインを設定するゲイン設定手段と、
    該設定したゲインを用いて前記内燃機関が前記設定された要求機関動力における機関回転数で回転するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  7. 前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど大きくなる傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど大きくなる傾向に前記ゲインを設定する手段である請求項6記載の動力出力装置。
  8. 前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度以上のとき又は前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度以上のときに第1の所定値を前記ゲインとして設定し、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記第1の所定値より大きな第2の所定値を前記ゲインとして設定する手段である請求項6または7記載の動力出力装置。
  9. 請求項8記載の動力出力装置であって、
    前記電力動力入出力手段の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記ゲイン設定手段は、前記回転数検出手段により検出された回転数が所定回転数未満のときには前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときでも前記第1の所定値を前記ゲインとして設定する手段である
    動力出力装置。
  10. 前記ゲイン設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記ゲインを設定する手段である請求項6または7記載の動力出力装置。
  11. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温検出手段と、
    前記内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)を検出する冷却媒体温検出手段と、
    前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定する要求機関動力設定手段と、
    該設定された要求機関動力に基づいて前記電力動力入出力手段の目標駆動ポイントを設定する目標駆動ポイント設定手段と、
    前記検出された吸気温度と前記冷却媒体温度とに基づいて補正値を設定する補正値設定手段と、
    前記設定された目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを前記設定された補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  12. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が低いほど前記駆動トルクを大きくする傾向に且つ前記検出された冷却媒体温度が低いほど前記駆動トルクを大きくする傾向に前記補正値を設定する手段である請求項11記載の動力出力装置。
  13. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度が第1の所定温度未満のとき且つ前記検出された冷却媒体温度が第2の所定温度未満のときに前記駆動トルクを大きくするよう前記補正値を設定する手段である請求項11または12記載の動力出力装置。
  14. 前記補正値設定手段は、前記検出された吸気温度と前記検出された冷却媒体温度とに基づいて前記内燃機関から出力される駆動力の上昇率を計算すると共に該計算した上昇率に基づいて前記補正値を設定する手段である請求項11ないし13いずれか記載の動力出力装置。
  15. 前記補正値設定手段は、前記計算した上昇率に前記機関駆動力を乗じた値が所定駆動力以上のときに前記補正値を設定する手段である請求項14記載の動力出力装置。
  16. 請求項11ないし15いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記電力動力入出力手段の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記補正値設定手段は、前記回転数検出手段により検出された回転数が所定回転数以上のときに前記駆動トルクを大きくするよう前記補正値を設定する手段である
    動力出力装置。
  17. 請求項1ないし16いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸に要求される要求動力を設定する要求動力設定手段を備え、
    前記機関要求動力設定手段は、前記設定された要求動力に基づいて前記機関要求動力を設定する手段であり、
    前記制御手段は、前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する手段である
    動力出力装置。
  18. 請求項17記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機を備え、
    前記制御手段は、前記設定された要求動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段である
    動力出力装置。
  19. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸のうちいずれか2軸に入出力する動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する電動機とを備える手段である請求項1ないし18いずれか記載の動力出力装置。
  20. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により駆動する対回転子電動機である請求項1ないし18いずれか記載の動力出力装置。
  21. 請求項1ないし20いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されてなる自動車。
  22. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
    (b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
    (c)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が低くなるほど補正量が多くなる傾向に補正値を設定し、
    (d)前記設定した要求機関動力における少なくとも機関駆動力を前記設定した補正値をもって補正した補正後動力が前記内燃機関から出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
  23. 内燃機関と、内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
    (b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
    (c)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が低くなるほど大きくなる傾向にフィードバック制御におけるゲインを設定し、
    (d)該設定したゲインを用いて前記内燃機関が前記設定された要求機関動力における機関回転数で回転するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定された要求機関動力における機関駆動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する
    動力出力装置の制御方法。
  24. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該内燃機関の出力軸の回転数と該駆動軸の回転数とに基づく回転と電力および動力の入出力とを伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関の吸入空気の温度(吸気温度)と該内燃機関の冷却系における冷却媒体の温度(冷却媒体温度)とを検出し、
    (b)前記内燃機関から出力すべき要求機関動力を設定し、
    (c)該設定した要求機関動力に基づいて前記電力動力入出力手段の目標駆動ポイントを設定し、
    (d)前記検出した吸気温度および冷却媒体温度が小さくなるほど大きな補正量となるよう補正値を設定し、
    (d)前記設定した目標駆動ポイントにおける少なくとも駆動トルクを前記設定した補正値をもって補正した補正後駆動ポイントで駆動するよう前記電力動力入出力手段を制御すると共に前記設定した要求機関動力が出力されるよう前記内燃機関を制御する
    動力出力装置の制御方法。
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