JP2005306971A - 水性塗料組成物 - Google Patents
水性塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005306971A JP2005306971A JP2004124756A JP2004124756A JP2005306971A JP 2005306971 A JP2005306971 A JP 2005306971A JP 2004124756 A JP2004124756 A JP 2004124756A JP 2004124756 A JP2004124756 A JP 2004124756A JP 2005306971 A JP2005306971 A JP 2005306971A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- emulsion
- film
- coating composition
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】 揮発性有機化合物の含有量が少なく、しかも、被塗装物の表面に塗膜性能に優れた塗膜を形成することができ、床面や壁面などの様々な被塗装物の塗装に供することができる水性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が5℃以下の合成樹脂エマルションと、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有することを特徴とする水性塗料組成物とする。
【解決手段】 ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が5℃以下の合成樹脂エマルションと、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有することを特徴とする水性塗料組成物とする。
Description
本発明は水性塗料組成物に関する。本発明の目的は、揮発性有機化合物の含有量が少なく、しかも、被塗装物の表面に塗膜性能に優れた塗膜を形成することができ、床面や壁面などの様々な被塗装物の塗装に供することができる水性塗料組成物を提供することにある。
水性塗料組成物はポリマー同士の融着によって塗膜が形成されるために、塗装環境温度よりも樹脂のガラス転位温度が高くなると造膜性が低下する。このため、一般の水性塗料組成物には、造膜性を補うとともに、塗膜性能を向上させるために、造膜助剤である揮発性有機化合物であるVOCを加えている。これにより、最低造膜温度を低下させて、低温での造膜を可能にしている。このような水性塗料組成物には、揮発性有機化合物が1重量%以上、通常の場合で4〜6重量%程度含まれている。
トルエンやホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物は、揮発して室内空気を汚染することにより、不快臭のもとになるばかりでなく、シックハウス症候群、化学物質過敏症などの健康被害の原因物質と考えられている。また揮発性有機化合物は低温でも容易に揮発するために、大気汚染の原因物質の一種と考えられている。
そこで、近年、塗料自体に含まれる揮発性有機化合物や、得られる塗膜から放出される揮発性有機化合物をできるだけ少なくした水性塗料組成物が商品化されている。
そこで、近年、塗料自体に含まれる揮発性有機化合物や、得られる塗膜から放出される揮発性有機化合物をできるだけ少なくした水性塗料組成物が商品化されている。
揮発性有機化合物の含有量を低下した水性塗料組成物としては、造膜助剤を配合せずに造膜させるために、ガラス転位温度が低いエマルション樹脂を用いて、最低造膜温度を低下させたものが知られている。
例えば、特許文献1及び2には、ガラス転位温度が−60〜−10℃、数平均分子量が5000〜200000、酸価が15〜50であるアクリルエマルション樹脂を含有する、揮発性有機化合物の含有量が1重量%未満の水性塗料組成物が開示されている。
また特許文献3には、ガラス転位温度が−20〜10℃のエマルション樹脂を含有する、揮発性有機化合物の含有量が1重量%以下である水性塗料組成物が開示されている。
例えば、特許文献1及び2には、ガラス転位温度が−60〜−10℃、数平均分子量が5000〜200000、酸価が15〜50であるアクリルエマルション樹脂を含有する、揮発性有機化合物の含有量が1重量%未満の水性塗料組成物が開示されている。
また特許文献3には、ガラス転位温度が−20〜10℃のエマルション樹脂を含有する、揮発性有機化合物の含有量が1重量%以下である水性塗料組成物が開示されている。
また、特許文献4には、粒子内架橋型コアシェルエマルションを使用することによって、揮発性有機化合物の含有量を低下した水性塗料組成物が記載されている。粒子内架橋型コアシェルエマルションは、二層構造で形成されており、シェル層(粒子外部)はガラス転位温度が低くなるように設計されており、一方、コア層(粒子内部)は架橋反応が導入された構造を有している。
しかしながら、特許文献1〜3に開示されるようなガラス転位温度が低いエマルション樹脂のみを使用して、最低造膜温度を低下させた水性塗料組成物の場合、水性塗料組成物の造膜性は向上するが、形成された塗膜に粘着感が生じるといった問題があった。このために、塗膜が汚れ易く、ブロッキングが生じ易かった。また塗膜が粘着性を有するために、床面などに塗装することはできず、壁面の塗装などに用途が限定されていた。
一方、特許文献4に記載されるような粒子内架橋型コアシェルエマルションを使用した水性塗料組成物では、シェル層のガラス転位温度が低くなるように設計されているために、樹脂間の融着造膜を促進して低温造膜性を向上させることができ、塗膜にひび割れが生じることを防ぐことができた。またコア層には架橋反応が導入されているので、強靭な塗膜を形成することができ、この塗膜は耐水性や耐洗浄性に優れたものであった。
しかしながら、コア層がガラス転位温度の低いシェル層によって被覆されるために、形成された塗膜には粘着感が生じた。このために、塗膜が汚れ易く、床面などに塗装することはできず、壁面の塗装などに用途が限定されていた。
またコア層のガラス転位温度が低くなるように設計され、シェル層には架橋反応が導入されたコアシェルエマルションも開発されている。理論点には、このようなコアシェルエマルションであれば、塗膜に粘着感が生じることはない。しかし、このようなコアシェルエマルションでは、コア層が架橋反応タイプのショル層によって被覆されているが、シェル層が架橋反応タイプのものであっても、シェル層部分にガラス転位温度の低いコア層が露出してしまう。そのため、シェル層がコア層を完全に被覆することができず、コア層の一部がシェル層部分に現れてしまい、シェル層の一部分にガラス転位温度の低い部分が存在することとなり、このコアシェルエマルションによって形成された塗膜にも粘着感が生じた。
しかしながら、コア層がガラス転位温度の低いシェル層によって被覆されるために、形成された塗膜には粘着感が生じた。このために、塗膜が汚れ易く、床面などに塗装することはできず、壁面の塗装などに用途が限定されていた。
またコア層のガラス転位温度が低くなるように設計され、シェル層には架橋反応が導入されたコアシェルエマルションも開発されている。理論点には、このようなコアシェルエマルションであれば、塗膜に粘着感が生じることはない。しかし、このようなコアシェルエマルションでは、コア層が架橋反応タイプのショル層によって被覆されているが、シェル層が架橋反応タイプのものであっても、シェル層部分にガラス転位温度の低いコア層が露出してしまう。そのため、シェル層がコア層を完全に被覆することができず、コア層の一部がシェル層部分に現れてしまい、シェル層の一部分にガラス転位温度の低い部分が存在することとなり、このコアシェルエマルションによって形成された塗膜にも粘着感が生じた。
本発明は上記した課題を解決するためになされた発明であって、揮発性有機化合物の含有量が極めて少なく、しかも、被塗装物の表面に塗膜性能に優れた塗膜を形成することができ、床面や壁面などの様々な被塗装物の塗装に供することができる水性塗料組成物を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が5℃以下の合成樹脂エマルションと、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有することを特徴とする水性塗料組成物に関する。
請求項2に係る発明は、前記ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂の樹脂固形分の酸価が20〜80mgKOHであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物に関する。
請求項3に係る発明は、最低造膜温度が10℃以上の合成樹脂エマルションが含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物に関する。
請求項4に係る発明は、揮発性有機化合物の含有量が1重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水性塗料組成物に関する。
請求項2に係る発明は、前記ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂の樹脂固形分の酸価が20〜80mgKOHであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物に関する。
請求項3に係る発明は、最低造膜温度が10℃以上の合成樹脂エマルションが含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物に関する。
請求項4に係る発明は、揮発性有機化合物の含有量が1重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水性塗料組成物に関する。
請求項1及び2に係る発明は、被塗装物の表面に粘着性の無い塗膜、即ち、耐汚れ性に優れる塗膜を形成することができる。さらに、低温造膜性、密着性、耐洗剤性に優れた塗膜を形成することができ、床面や壁面の塗装など、様々な用途に供することができる水性塗料組成物を提供することができる。
請求項3に係る発明は、硬度が高く、耐水性に優れた塗膜を形成することができる水性塗料組成物を提供することができる。
請求項4に係る発明は、揮発性有機化合物の含有量が極めて少ないので、不快臭や大気汚染、或いはシックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康を損なう原因の一種と考えられている揮発性有機化合物の発生量が極めて少なく、安全性に優れた水性塗料組成物を提供することができる。
請求項3に係る発明は、硬度が高く、耐水性に優れた塗膜を形成することができる水性塗料組成物を提供することができる。
請求項4に係る発明は、揮発性有機化合物の含有量が極めて少ないので、不快臭や大気汚染、或いはシックハウス症候群や化学物質過敏症などの健康を損なう原因の一種と考えられている揮発性有機化合物の発生量が極めて少なく、安全性に優れた水性塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明に係る水性塗料組成物に関して詳細に説明する。
本発明に係る水性塗料組成物は、ガラス転位温度(以下、Tgという場合がある。)が18℃以下で、最低造膜温度(以下、MFTという場合がある。)が5℃以下の合成樹脂エマルションと、Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有する。
本発明に係る水性塗料組成物は、前記特定の合成樹脂エマルションと、前記特定の水溶性アクリル樹脂とを含有するから、合成樹脂エマルションが、水に分散した水溶性アクリル樹脂間に混入することにより、合成樹脂エマルションが成膜助剤として機能するため、従来の成膜助剤である揮発性有機化合物を含有しなくても、ひび割れを起すことなく良好な膜を形成することができる。
本発明に係る水性塗料組成物は、ガラス転位温度(以下、Tgという場合がある。)が18℃以下で、最低造膜温度(以下、MFTという場合がある。)が5℃以下の合成樹脂エマルションと、Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有する。
本発明に係る水性塗料組成物は、前記特定の合成樹脂エマルションと、前記特定の水溶性アクリル樹脂とを含有するから、合成樹脂エマルションが、水に分散した水溶性アクリル樹脂間に混入することにより、合成樹脂エマルションが成膜助剤として機能するため、従来の成膜助剤である揮発性有機化合物を含有しなくても、ひび割れを起すことなく良好な膜を形成することができる。
本発明に係る水性塗料組成物には、第一の必須成分として、Tgが18℃以下で、MFTが5℃以下の合成樹脂エマルションが配合される。
Tgが18℃以下で、MFTが5℃以下の合成樹脂エマルションが、Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂の造膜助剤として作用するので、VOCが不要となり、しかも粘着感が無く塗膜性能が良好となり、VOCを配合しなくても、塗料組成物の造膜性を向上させることができ、造膜助剤のVOCの配合量を1重量%未満の低配合量、或いは実質的にVOCを無配合量に近づけることができる。しかも、被塗装物の表面に形成される塗膜は、粘着感が無く、即ち、耐汚れ性に優れる。またこの塗膜は、耐洗剤性においても優れている。
Tgが18℃以下で、MFTが5℃以下の合成樹脂エマルションが、Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂の造膜助剤として作用するので、VOCが不要となり、しかも粘着感が無く塗膜性能が良好となり、VOCを配合しなくても、塗料組成物の造膜性を向上させることができ、造膜助剤のVOCの配合量を1重量%未満の低配合量、或いは実質的にVOCを無配合量に近づけることができる。しかも、被塗装物の表面に形成される塗膜は、粘着感が無く、即ち、耐汚れ性に優れる。またこの塗膜は、耐洗剤性においても優れている。
本発明では、TgやMFTが前記した値の範囲である合成樹脂エマルションであれば、あらゆる種類の合成樹脂エマルションを使用することができる。
合成樹脂エマルションとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、塩化ビニル系エマルション、シリコン樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルションなどを例示することができる。
特に本発明では、上記した合成樹脂エマルションのうち、アクリル系エマルション樹脂、ウレタン系エマルション樹脂を使用することが好ましく、アクリル系エマルション樹脂を使用することがより好ましい。
合成樹脂エマルションとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、塩化ビニル系エマルション、シリコン樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルションなどを例示することができる。
特に本発明では、上記した合成樹脂エマルションのうち、アクリル系エマルション樹脂、ウレタン系エマルション樹脂を使用することが好ましく、アクリル系エマルション樹脂を使用することがより好ましい。
合成樹脂エマルションのTgが18℃を超えると、低温造膜性が悪化する場合がある。合成樹脂エマルションのTgは18℃以下であれば良いが、好ましいTgは17〜0℃、より好ましいTgは17〜2℃である。
合成樹脂エマルションのMFTが5℃を超えると、低温造膜性が悪化したり、耐洗剤性などの塗膜性能が低下したりする場合がある。合成樹脂エマルションのMFTは5℃以下であれば良いが、好ましいMFTは2〜−10℃、より好ましいMFTは2〜0℃である。
合成樹脂エマルションのMFTが5℃を超えると、低温造膜性が悪化したり、耐洗剤性などの塗膜性能が低下したりする場合がある。合成樹脂エマルションのMFTは5℃以下であれば良いが、好ましいMFTは2〜−10℃、より好ましいMFTは2〜0℃である。
合成樹脂エマルションの製造方法は特に限定されず、エマルション重合法、乳化剤により樹脂を水中に分散させる強制乳化法、樹脂に親水性の官能基を付与して水中に分散させる自己乳化法などを例示することができる。
本発明に係る水性塗料組成物には、第二の必須成分として、Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂が配合される。
Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を配合することにより、塗膜の強度を向上させることができ、凍結融解性や耐汚れ性を向上させることができる。さらに、レベリング性を向上させることもできる。
Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を配合することにより、塗膜の強度を向上させることができ、凍結融解性や耐汚れ性を向上させることができる。さらに、レベリング性を向上させることもできる。
水溶性アクリル樹脂は、有機溶媒中で、酸基含有モノマー及びその他の不飽和モノマーなどを共重合させた後に、水溶性アクリル樹脂の固形分を20重量%以上となるように、また水溶性アクリル樹脂溶液に含まれる有機溶媒を2重量%以下となるように調整した後に、中和剤で中和することにより製造することができる。
水溶性アクリル樹脂は水を主とする溶媒に溶解されているが、この溶液中には、モノマーの共重合反応の際に使用したエタノールやイソプロパノールなどの有機溶媒が2重量%以下含まれている。この溶液のpHは特に限定されないが、pH5〜10であり、好ましくはpH6〜9である。
Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を単独で配合した場合、有機溶媒の含有量が2重量%以下となると、常温では成膜せず、ヒビ割れが生じてしまう。
水溶性アクリル樹脂は水を主とする溶媒に溶解されているが、この溶液中には、モノマーの共重合反応の際に使用したエタノールやイソプロパノールなどの有機溶媒が2重量%以下含まれている。この溶液のpHは特に限定されないが、pH5〜10であり、好ましくはpH6〜9である。
Tgが30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を単独で配合した場合、有機溶媒の含有量が2重量%以下となると、常温では成膜せず、ヒビ割れが生じてしまう。
前記酸基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩などを例示することができる。
この他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ジメチルアミノエチルアクリレートなどを例示することができる。
この他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ジメチルアミノエチルアクリレートなどを例示することができる。
上記アクリル共重合体の中和は、通常の場合、アミンを用いて行なわれる。アミンとしては、例えばアンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルプロパノールアミンなどを例示することができる。
本発明で配合される水溶性アクリル樹脂は、Tgが前記したような範囲内となる水溶性アクリル樹脂であれば、あらゆる水溶性アクリル樹脂を使用することができる。
水溶性アクリル樹脂のTgが30℃未満の場合、塗膜の強度が低下したり、粘着感が生じたりする場合がある。Tgが100℃を超えると、低温造膜性が悪化する場合がある。
水溶性アクリル樹脂のTgは30〜100℃であれば良いが、好ましいTgは30〜80℃、より好ましいTgは30〜60℃である。
水溶性アクリル樹脂のTgが30℃未満の場合、塗膜の強度が低下したり、粘着感が生じたりする場合がある。Tgが100℃を超えると、低温造膜性が悪化する場合がある。
水溶性アクリル樹脂のTgは30〜100℃であれば良いが、好ましいTgは30〜80℃、より好ましいTgは30〜60℃である。
水溶性アクリル樹脂の樹脂固形分の酸価は特に限定されないが、20〜80mgKOH、好ましくは20〜70mgKOH、より好ましくは30〜60mgKOHとされる。
水溶性アクリル樹脂の酸価が20mgKOHより低いと、水に不溶解性となる。80mgKOHより高くなると、耐水性や耐洗浄性が悪化する場合がある。
水溶性アクリル樹脂の酸価が20mgKOHより低いと、水に不溶解性となる。80mgKOHより高くなると、耐水性や耐洗浄性が悪化する場合がある。
前記エマルジョン樹脂と、前記水溶性アクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、エマルジョン樹脂中の樹脂固形分と水溶性アクリル樹脂中の樹脂固形分とが、重量比で、90:10〜10:90となるように配合する。
前記エマルジョン樹脂と前記水溶性アクリル樹脂の合計の含有量は特に限定されないが、樹脂固形分の合計の含有量が、組成物全量中、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるように含有される。
前記エマルジョン樹脂と前記水溶性アクリル樹脂の合計の含有量は特に限定されないが、樹脂固形分の合計の含有量が、組成物全量中、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるように含有される。
さらに、本発明に係る水性塗料組成物には、塗膜の硬度を向上させたり、塗膜の耐水性を向上させたりするために、MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションを配合することができる。
塗膜の耐水性や硬度を向上させる目的で、MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションを配合する場合、合成樹脂エマルションのMFTは10℃以上であれば構わないが、好ましいMFTは10〜20℃である。
MFTが10℃未満の合成樹脂エマルションを配合しても塗膜の硬度や耐水性が十分向上しない場合がある。
塗膜の耐水性や硬度を向上させる目的で、MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションを配合する場合、合成樹脂エマルションのMFTは10℃以上であれば構わないが、好ましいMFTは10〜20℃である。
MFTが10℃未満の合成樹脂エマルションを配合しても塗膜の硬度や耐水性が十分向上しない場合がある。
MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションは、MFTが10℃以上であれば、あらゆる種類の合成樹脂エマルションを使用することができ、例えば、酢酸ビニル系エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体系エマルション、マレイン化ポリブタジエン重合体系エマルション、塩化ビニル系エマルション、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体系エマルション、合成ゴムラテックス系エマルション、ポリエステル樹脂系エマルション、シリコン樹脂系エマルション、フッ素樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション、エポキシ樹脂系エマルション等を例示することができる。
特に本発明では、上記した合成樹脂エマルションのうち、スチレンアクリル系エマルション、アクリル系エマルション、ウレタン樹脂系エマルションを使用することが好ましく、アクリル系エマルションを使用することがより好ましい。
特に本発明では、上記した合成樹脂エマルションのうち、スチレンアクリル系エマルション、アクリル系エマルション、ウレタン樹脂系エマルションを使用することが好ましく、アクリル系エマルションを使用することがより好ましい。
MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションを配合する場合、含有量は特に限定されないが、組成物全量中、樹脂固形分の含有量が、0.4〜5重量%、好ましくは1.0〜4重量%となるように配合される。MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションの含有量が0.4重量%未満の場合では、塗膜の硬度や耐水性を十分向上させることができない場合がある。MFTが10℃以上の合成樹脂エマルションを、5重量%を超えて含有すると、低温造膜性が低下する場合がある。
本発明では、上記した成分に加えて、ワックス類を配合することができる。ワックス類を配合することによって、塗膜表面にある程度の滑り性を付与させ、歩行性を向上することができ、また塗膜表面の摩擦抵抗を低下させることができ、床面の塗装に使用することができる。
ワックス類としては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、ラノリンワックス、鯨ロウ、蜜ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム、オゾケライト、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどを例示することができる。
ワックス類を含有する場合、ワックス類の含有量は特に限定されないが、1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%となるように配合される。
ワックス類としては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、ラノリンワックス、鯨ロウ、蜜ロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム、オゾケライト、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどを例示することができる。
ワックス類を含有する場合、ワックス類の含有量は特に限定されないが、1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%となるように配合される。
本発明では、必要に応じて顔料を配合することができる。
水性塗料組成物に配合される顔料は、通常の水性塗料組成物に配合される顔料を使用することができる。
例えば、着色顔料としては、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化第二鉄、群青などの無機系着色顔料、アゾ系着色顔料、ナフトール系着色顔料、ピラゾロン系着色顔料、アントラキノン系着色顔料、ペリレン系着色顔料、キナクリドン系着色顔料、ジスアゾ系着色顔料、イソインドリノン系着色顔料、ベンゾイミダゾール系着色顔料、フタロシアニン系着色顔料、キノフタロン系着色顔料などの有機系着色顔料を例示することができる。
体質顔料としては、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどを例示することができる。
水性塗料組成物に配合される顔料は、通常の水性塗料組成物に配合される顔料を使用することができる。
例えば、着色顔料としては、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化第二鉄、群青などの無機系着色顔料、アゾ系着色顔料、ナフトール系着色顔料、ピラゾロン系着色顔料、アントラキノン系着色顔料、ペリレン系着色顔料、キナクリドン系着色顔料、ジスアゾ系着色顔料、イソインドリノン系着色顔料、ベンゾイミダゾール系着色顔料、フタロシアニン系着色顔料、キノフタロン系着色顔料などの有機系着色顔料を例示することができる。
体質顔料としては、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどを例示することができる。
顔料を配合する場合、含有量は特に限定されないが、PWCが0〜80%、好ましくは0〜75%、より好ましくは0〜70%の範囲内となるように配合する。
顔料の配合量が80%を超える場合、低温造膜性、密着性、塗膜強度が悪化する場合がある。
顔料の配合量が80%を超える場合、低温造膜性、密着性、塗膜強度が悪化する場合がある。
さらに、本発明では、上記成分の他、必要に応じて、通常の水性塗料組成物に配合される顔料分散剤、消泡剤、造膜助剤、防腐・防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、増粘剤、レベリング剤、沈降防止剤、タレ防止剤、艶消し剤、光安定剤などを例示することができる。
本発明に係る水性塗料組成物は、建築物内装面、建築物外装面などの塗装に使用することができる。被塗装物としては、一般的な建材に適用することができ、石膏ボード、合板、コンクリート、プラスチックなどの表面仕上げに使用することができる。
本発明に係る水性塗料組成物を被塗装物に塗装する方法は特に限定されず、例えば、ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、カーテンフローコーター、ナイフエッジコート、浸漬塗装等を例示することができる。
塗装後、塗膜は、常温或いは強制乾燥によって形成される。なお、塗布量、塗布膜厚および乾燥時間は、塗料の種類および被塗装物に応じて任意に設定することができる。
塗装後、塗膜は、常温或いは強制乾燥によって形成される。なお、塗布量、塗布膜厚および乾燥時間は、塗料の種類および被塗装物に応じて任意に設定することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[試料の調製]
表1〜3に示される実施例1〜12及び比較例1〜4の塗料組成物を、常法に従って調製した。
尚、表中、「エマルゲンA−60」(商品名)は花王社製の非イオン性界面活性剤である。
「プライマルSF−016」(商品名)はロームアンドハース社製のエマルション樹脂であり、MFTは1℃、Tgは9℃、樹脂固形分の含有量は50重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「T−201」(商品名)は三水社製のエマルション樹脂であり、MFTは16℃、Tgは8℃、樹脂固形分の含有量は40重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「TOCRYLBCX2636」(商品名)は東洋インキ社製のエマルション樹脂であり、MFTは2℃、Tgは2℃、樹脂固形分の含有量は48重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「TWA−1P」(商品名)及び「AT−002」(商品名)は松本油脂製薬社製の水溶性樹脂である。
「TWA−1P」のTgは62℃、樹脂固形分の含有量は25重量%、酸価は32.5mgKOHであり、有機溶媒としてエタノールが1重量%含まれている。
「AT−002」のTgは33.8℃、樹脂固形分の含有量は25重量%、酸価は58.7mgKOHであり、有機溶媒としてエタノールが1重量%含まれている。
「ハイテックE−4B」(商品名)は、東邦化学社製のポリエチレンワックスであり、有機溶媒は含まれていない。
表1〜3に示される実施例1〜12及び比較例1〜4の塗料組成物を、常法に従って調製した。
尚、表中、「エマルゲンA−60」(商品名)は花王社製の非イオン性界面活性剤である。
「プライマルSF−016」(商品名)はロームアンドハース社製のエマルション樹脂であり、MFTは1℃、Tgは9℃、樹脂固形分の含有量は50重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「T−201」(商品名)は三水社製のエマルション樹脂であり、MFTは16℃、Tgは8℃、樹脂固形分の含有量は40重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「TOCRYLBCX2636」(商品名)は東洋インキ社製のエマルション樹脂であり、MFTは2℃、Tgは2℃、樹脂固形分の含有量は48重量%であり、有機溶媒は含まれていない。
「TWA−1P」(商品名)及び「AT−002」(商品名)は松本油脂製薬社製の水溶性樹脂である。
「TWA−1P」のTgは62℃、樹脂固形分の含有量は25重量%、酸価は32.5mgKOHであり、有機溶媒としてエタノールが1重量%含まれている。
「AT−002」のTgは33.8℃、樹脂固形分の含有量は25重量%、酸価は58.7mgKOHであり、有機溶媒としてエタノールが1重量%含まれている。
「ハイテックE−4B」(商品名)は、東邦化学社製のポリエチレンワックスであり、有機溶媒は含まれていない。
[試験例1;密着性試験]
水に浸漬して十分アク抜きをした7mm×15mmの大きさのスレート板に油性シーラーを塗布して乾燥した後に、このスレート板の表面に実施例及び比較例の各塗料組成物を刷毛で塗布した。
24時間自然乾燥した後に、JIS A 5400 8.5.3に規定されるXカットテープ法を実施した。Xカットテープ法に従って得られた評価点数に基づいて、以下の評価基準により、塗膜とスレート板との密着性を評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 評価点数8〜10
△ 評価点数4〜6
× 評価点数0〜2
水に浸漬して十分アク抜きをした7mm×15mmの大きさのスレート板に油性シーラーを塗布して乾燥した後に、このスレート板の表面に実施例及び比較例の各塗料組成物を刷毛で塗布した。
24時間自然乾燥した後に、JIS A 5400 8.5.3に規定されるXカットテープ法を実施した。Xカットテープ法に従って得られた評価点数に基づいて、以下の評価基準により、塗膜とスレート板との密着性を評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 評価点数8〜10
△ 評価点数4〜6
× 評価点数0〜2
[試験例2;低温造膜性]
ガラス板の表面に、実施例及び比較例の各塗料組成物を6MILのアプリケータにて塗布した。このガラス板を庫内温度2℃に調整されたインキュベータに入れた。6時間庫内に放置した後、次いで、塗膜の状態を観察して、各試料により形成された塗膜の低温造膜性を、以下の評価基準に従い評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 ひび割れ無し
△ 少しひび割れあり
× 全面にわたってひび割れあり
ガラス板の表面に、実施例及び比較例の各塗料組成物を6MILのアプリケータにて塗布した。このガラス板を庫内温度2℃に調整されたインキュベータに入れた。6時間庫内に放置した後、次いで、塗膜の状態を観察して、各試料により形成された塗膜の低温造膜性を、以下の評価基準に従い評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 ひび割れ無し
△ 少しひび割れあり
× 全面にわたってひび割れあり
[試験例3;凍結融解性]
実施例及び比較例の各塗料組成物80mLを100mLの瓶に入れた後、−10℃の冷凍庫に15時間保存した。次いで、冷凍庫から取り出し、室温で9時間放置した。これを3サイクル繰り返した。
次いで、以下の評価基準に従って、各塗料組成物の凍結融解性を評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 異常なし
△ 液の粘度が増加した
× 液がゲル化した
実施例及び比較例の各塗料組成物80mLを100mLの瓶に入れた後、−10℃の冷凍庫に15時間保存した。次いで、冷凍庫から取り出し、室温で9時間放置した。これを3サイクル繰り返した。
次いで、以下の評価基準に従って、各塗料組成物の凍結融解性を評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 異常なし
△ 液の粘度が増加した
× 液がゲル化した
[試験例4;耐汚れ性]
実施例及び比較例の各塗料組成物を、Pタイル(ジニアスマーブルGE−5121、タジマ社製)の表面に刷毛塗りした後、24時間室温で乾燥した。
このPタイルを床面に貼り付けて、その上を土足歩行して、床面の汚れ難さを、以下の評価基準に従い、評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 汚れ難い
△ やや汚れ易い
× 汚れ易い
実施例及び比較例の各塗料組成物を、Pタイル(ジニアスマーブルGE−5121、タジマ社製)の表面に刷毛塗りした後、24時間室温で乾燥した。
このPタイルを床面に貼り付けて、その上を土足歩行して、床面の汚れ難さを、以下の評価基準に従い、評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 汚れ難い
△ やや汚れ易い
× 汚れ易い
[試験例5;耐洗剤性]
実施例及び比較例の各塗料組成物を、ベニヤ合板の表面に刷毛塗りして、24時間自然乾燥した。
塗膜の表面に、家庭用食器洗剤(商品名「チャーミー」、ライオン社製)を滴下した。1時間経過した後に、洗剤を拭き取り除去した。洗剤を滴下した部分の塗膜表面の状態を以下の評価基準に従い、評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 変化なし
△ やや変色が確認できる
× はっきりとした変色が確認できる
実施例及び比較例の各塗料組成物を、ベニヤ合板の表面に刷毛塗りして、24時間自然乾燥した。
塗膜の表面に、家庭用食器洗剤(商品名「チャーミー」、ライオン社製)を滴下した。1時間経過した後に、洗剤を拭き取り除去した。洗剤を滴下した部分の塗膜表面の状態を以下の評価基準に従い、評価した。結果を表1〜3に記載する。
<評価基準>
〇 変化なし
△ やや変色が確認できる
× はっきりとした変色が確認できる
表1〜3に示されるとおり、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションと、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有する実施例の塗料組成物は、密着性、低温造膜性、耐汚れ性、耐洗剤性などの塗膜性能に優れた塗膜を形成するこができることが分かる。また実施例の各塗料組成物は凍結融解性に優れることが分かる。
一方、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションを含有するが、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂は含有しない比較例1の塗料組成物や、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションは含有せず、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を含有する比較例2の塗料組成物では、低温造膜性が劣ることが分かる。また比較例1の塗料組成物では、形成された塗膜に粘着感があった。
またガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションを含有せずに、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以上の合成樹脂エマルションを含有する比較例4の塗料組成物では、密着性、低温造膜性、凍結融解性、耐洗剤性などの塗膜性能が劣ることが分かる。
一方、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションを含有するが、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂は含有しない比較例1の塗料組成物や、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションは含有せず、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂を含有する比較例2の塗料組成物では、低温造膜性が劣ることが分かる。また比較例1の塗料組成物では、形成された塗膜に粘着感があった。
またガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以下の合成樹脂エマルションを含有せずに、ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が2℃以上の合成樹脂エマルションを含有する比較例4の塗料組成物では、密着性、低温造膜性、凍結融解性、耐洗剤性などの塗膜性能が劣ることが分かる。
本発明に係る水性塗料組成物は、VOCの含有量が極めて少なく、しかも、造膜性や塗膜性能に優れており、床面や壁面などの様々な被塗装物の塗装に使用することができる水性塗料組成物として有用である。
Claims (4)
- ガラス転位温度が18℃以下で、最低造膜温度が5℃以下の合成樹脂エマルションと、ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂とを含有することを特徴とする水性塗料組成物。
- 前記ガラス転位温度が30〜100℃の水溶性アクリル樹脂の樹脂固形分の酸価が20〜80mgKOHであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
- 最低造膜温度が10℃以上の合成樹脂エマルションが含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
- 揮発性有機化合物の含有量が1重量%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水性塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004124756A JP2005306971A (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | 水性塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004124756A JP2005306971A (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | 水性塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005306971A true JP2005306971A (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=35436106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004124756A Pending JP2005306971A (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | 水性塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005306971A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102702895A (zh) * | 2012-06-15 | 2012-10-03 | 宁波华宝石节能建材有限公司 | 一种全水性多彩涂料 |
CN104761965A (zh) * | 2015-03-25 | 2015-07-08 | 牛无畏 | 一种水性丙烯酸防护浸涂料的制备 |
JP7220761B1 (ja) | 2021-10-20 | 2023-02-10 | 大日本塗料株式会社 | 水系塗料組成物及び塗装物品 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01131743A (ja) * | 1987-11-18 | 1989-05-24 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 断熱施工法 |
JPH06200110A (ja) * | 1991-04-01 | 1994-07-19 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 水性分散体および水性塗料 |
JPH09296089A (ja) * | 1996-04-11 | 1997-11-18 | Rohm & Haas Co | エマルションポリマー組成物 |
JPH10245426A (ja) * | 1997-03-05 | 1998-09-14 | Kansai Paint Co Ltd | 水溶性アクリル樹脂及びこれを含む水性塗料用樹脂組成物 |
JP2000204285A (ja) * | 1999-01-14 | 2000-07-25 | Kansai Paint Co Ltd | 水性シ―ラ―及び窯業系基材のインライン塗装方法 |
JP2001200181A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-24 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 水性塗料組成物 |
JP2002194298A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Konishi Co Ltd | 水性艶出しコーティング剤組成物 |
JP2005048026A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Asahipen Corp | 水性フロアーポリッシュ組成物 |
-
2004
- 2004-04-20 JP JP2004124756A patent/JP2005306971A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01131743A (ja) * | 1987-11-18 | 1989-05-24 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 断熱施工法 |
JPH06200110A (ja) * | 1991-04-01 | 1994-07-19 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 水性分散体および水性塗料 |
JPH09296089A (ja) * | 1996-04-11 | 1997-11-18 | Rohm & Haas Co | エマルションポリマー組成物 |
JPH10245426A (ja) * | 1997-03-05 | 1998-09-14 | Kansai Paint Co Ltd | 水溶性アクリル樹脂及びこれを含む水性塗料用樹脂組成物 |
JP2000204285A (ja) * | 1999-01-14 | 2000-07-25 | Kansai Paint Co Ltd | 水性シ―ラ―及び窯業系基材のインライン塗装方法 |
JP2001200181A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-24 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 水性塗料組成物 |
JP2002194298A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Konishi Co Ltd | 水性艶出しコーティング剤組成物 |
JP2005048026A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Asahipen Corp | 水性フロアーポリッシュ組成物 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102702895A (zh) * | 2012-06-15 | 2012-10-03 | 宁波华宝石节能建材有限公司 | 一种全水性多彩涂料 |
CN104761965A (zh) * | 2015-03-25 | 2015-07-08 | 牛无畏 | 一种水性丙烯酸防护浸涂料的制备 |
JP7220761B1 (ja) | 2021-10-20 | 2023-02-10 | 大日本塗料株式会社 | 水系塗料組成物及び塗装物品 |
JP2023061709A (ja) * | 2021-10-20 | 2023-05-02 | 大日本塗料株式会社 | 水系塗料組成物及び塗装物品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6768731B2 (ja) | シラン基含有ポリマー組成物およびそれを含むコーティング | |
US7418990B2 (en) | Tire with acrylic polymer film | |
JPH08218037A (ja) | 水性塗料組成物 | |
US6664329B2 (en) | Floor finish composition | |
EP0869995A1 (en) | Removable coating composition and process for protecting surfaces | |
JPS63450B2 (ja) | ||
CA3022470C (en) | Scuff resistant architectural compositions | |
WO2020196433A1 (ja) | 水分散型樹脂組成物及び塗膜 | |
JP3852003B2 (ja) | 無機建材用水性塗料組成物及びその塗装板 | |
JP2005306971A (ja) | 水性塗料組成物 | |
JP3464730B2 (ja) | アクリルゾル | |
JP5547367B2 (ja) | 水性多彩模様塗料 | |
JP3786553B2 (ja) | 1液硬化型水性樹脂保護剤組成物 | |
CA3090503A1 (en) | Chip resistant architectural compositions | |
JP3768838B2 (ja) | 水性塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法 | |
JP4874143B2 (ja) | 塗膜積層体 | |
JP5232566B2 (ja) | 水性被覆材 | |
JP4174709B2 (ja) | 防汚加工剤 | |
JPH11116860A (ja) | 多彩模様塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法 | |
WO2021171150A1 (en) | Floor finishing compositions with enhanced durability, methods of making and using thereof | |
JP2008012373A (ja) | 塗装仕上げ方法 | |
JP2010065098A (ja) | 水性被覆材 | |
JP4637471B2 (ja) | 水性塗料組成物 | |
JP2023024371A (ja) | 水性クリヤー被覆材 | |
JP2006116450A (ja) | 水性シーラーの塗装方法及びそれにより得られる塗装物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061107 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20100421 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100510 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20100913 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |