JP2005048026A - 水性フロアーポリッシュ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリブトキシエチルフォスフェートなどの有機リン系レべリング剤を用いることなく、レベリングに優れたフロア−ポリッシュ組成物、及び塗膜表面を親水化することで付着した水滴を広がりやすくし、素早く乾燥することができ、床面を素足で歩行しても不快感を与えることがないフロア−ポリッシュ組成物を提供する。
【解決手段】樹脂固形分のガラス転位温度が30〜100℃で、且つ酸価が30〜120mgKOH/gである水溶性アクリル樹脂と、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール及びイソトリデシルアルコールからなる群から選択された一種以上の脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる下記化学式に示される化合物とを含有することを特徴とする水性フロアーポリッシュ組成物。
Figure 2005048026

(Rは脂肪族アルコールの残基である。m及びnは整数であり、m+n=2〜8である。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性フロアーポリッシュ組成物に関し、その目的は実質的にリン系化合物やリン元素を含有せず、しかも、表面に付着した水分の乾燥性に優れるとともに水滴の跡が残らない被膜を形成することができる水性フロアーポリッシュ組成物を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
フロアーポリッシュ剤には、水性フロアーポリッシュ剤と油性フロアーポリッシュ剤があり、そのうち、油性フロアーポリッシュ剤は、その成分のほとんどが石油系溶剤である。このため、油性フロアーポリッシュ剤には引火性があり、保管時には火気に対する注意、使用時には火気に注意するとともに、揮発する溶剤を除くために換気したり、長時間の使用を控えるなどの注意が必要となる。
【0003】
これに対し、水性フロアーポリッシュ剤は、より安全であるために最近では主流となっているが、水性フロアーポリッシュ剤は、被塗布物への表面張力が高く濡れ性が悪いため、被塗布物上に塗布しても片側に寄ってしまうという欠点があった。即ち、水性フロアーポリッシュ剤は、油性フロアーポリッシュ剤に比べて、レベリング性を良好に維持する技術が必要となる。
レベリング性の悪いフロアーポリッシュ剤では、乾燥後に均一な膜厚を有する被膜が得られない。その結果、膜厚が不均一な被膜では、膜厚の小さい箇所では耐久性が低下することがある。さらに、膜厚が不均一な被膜は美観の上でも好ましくない。
【0004】
フロアーポリッシュ剤のレベリング性を改善するために、レベリング剤が配合される。レベリング剤としては、トリブトキシエチルフォスフェートなどが使用されている。
しかしながら、トリブトキシエチルフォスフェートはリン元素を含有する。リンは環境破壊や公害の問題を引き起こす危険性が指摘されている。またリン酸エステルは一般的に毒性が指摘されており、またシックハウス症候群の原因物質の一つとして疑いがかけられている。
【0005】
リン系化合物を含有しないフロアーポリッシュ剤に関する発明としては、ポリマー又はポリマー及びワックス類からなる艶出し成分とアジピン酸エステル類とを含有してなるフロアーポリッシュ組成物(特許文献1参照)、α,β−不飽和カルボン酸系ポリマー及び/又はウレタン系ポリマーと、レベリング剤としてクエン酸アルキルエステルとを含有するフロアーポリッシュ組成物(特許文献2参照)などが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−80933号公報
【特許文献2】
特開2003−73628号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のフロアーポリッシュ組成物では、レベリング剤としてアジピン酸エステルが、特許文献2に記載のフロアーポリッシュ組成物では、レベリング剤としてクエン酸アルキルエステルが、それぞれ使用されている。
しかしながら、レベリング剤としてアジピン酸エステルやクエン酸エステルを使用した場合、そのレベリング性は依然として満足できるものではなかった。
また、従来のフロアーポリッシュ組成物を塗布した床の上に、水滴が付着した場合、長時間床がぬれたままで乾きにくく、湿度が高い時などに素足で歩行した場合は不快感を感じたり、水滴を長時間放置しすぎた場合は塗膜表面に水滴の跡が残ってしまうことがあった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされた発明であり、トリブトキシエチルフォスフェートなどの有機リン系レベリング剤を用いることなく、レベリングに優れたフロアーポリッシュ組成物、及び塗膜表面を親水化することで付着した水滴を広がりやすくし、素早く乾燥することができ、床面を素足で歩行しても不快感を与えることがないフロアーポリッシュ組成物を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明は、樹脂固形分のガラス転位温度が30〜100℃で、且つ酸価が30〜120mgKOH/gである水溶性アクリル樹脂と、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール及びイソトリデシルアルコールからなる群から選択された一種以上の脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる化学式1(化1)に示される化合物とを含有することを特徴とする水性フロアーポリッシュ組成物に関する。
【化2】
Figure 2005048026
(Rは脂肪族アルコールの残基である。m及びnは整数であり、m+n=2〜8である。)
請求項2に係る発明は、前記水溶性アクリル樹脂を含む、ガラス転位温度が30〜100℃で且つ酸価が30〜120mgKOH/gであるアクリルエマルション樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性フロアーポリッシュ組成物に関する。
請求項3に係る発明は、前記水溶性アクリル樹脂と前記アクリルエマルション樹脂とが、樹脂固形分の重量比で10:90〜100:0の割合で含有されていることを特徴とする請求項2に記載の水性フロアーポリッシュ組成物に関する。
請求項4に係る発明は、リン含有化合物及びリン元素を実質的に含有していないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水性フロアーポリッシュ組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物について詳細に説明する。本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、水溶性アクリル樹脂と特定の可塑剤/レベリング剤とを含有する。
【0011】
本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物の第一の成分は、水溶性アクリル樹脂である。水溶性アクリル樹脂は通常、塗膜の硬さ、密着性を向上させる為に使用される。本発明では、近年、河川など環境への負荷が懸念されている亜鉛などの金属架橋を用いた樹脂は、本発明で使う必要がない。
水溶性アクリル樹脂は、従来公知のものが使用可能であり、例えば、カルボキシル基等の酸基が導入されたアクリル共重合体を中和剤で中和した水溶性アクリル樹脂を例示することができる。
アクリル共重合体は、酸基含有モノマーとその他のアクリルモノマーとを共重合することにより得ることができる。
酸基含有モノマーとしては、ジエチレングリコ−ルメタアクリレート、トリエチレングリコールメタアクリレート、ポリエチレングリコールメタアクリレート、ジプロピレングリコールメタアクリレート、トリプロピレングリコールメタアクリレート、イソボルニルメタアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などを例示することができ、一種又は二種以上を用いることができる。
その他のアクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ブトキシメチルアクリルアミド等を例示することができ、一種又は二種以上を用いることができる。
アクリル共重合体の中和に用いられる中和剤としては、アミンを例示することができ、例えばアンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等を例示することができ、一種又は二種以上を用いることができる。
【0012】
水溶性アクリル樹脂のガラス転位温度は30〜100℃、好ましくは60〜90℃とされる。ガラス転位温度が30℃未満であると、ポリッシュ被膜に粘着感が生じたり、ポリッシュ被膜の強度が低下したりする場合があり、100℃を超えると、低温造膜性が低下する場合がある。
【0013】
水溶性アクリル樹脂の固形分の酸価は30〜100mgKOH/g、好ましくは40〜90mgKOH/gとされる。
樹脂固形分の酸価が30mgKOH/g未満であると、ポリッシュ被膜の除去性が悪くなる場合がある。100mgKOH/gを超えると、ポリッシュ被膜の耐水性が低下する場合がある。
【0014】
水溶性アクリル樹脂の樹脂固形分の含有量は特に限定されないが、水溶性フロアーポリッシュ組成物全量中、1〜40重量%、好ましくは1〜25重量%とされる。1重量%未満であると、ポリッシュ被膜の強度が十分得られない場合があり、40重量%を超えると、水性フロアーポリッシュ組成物を塗り広げる力が重くなり、塗布作業性が悪くなる場合がある。
【0015】
本発明では、短時間でのリコート性を向上させる為、及び塗布作業性を向上させる為にアクリルエマルション樹脂を含有することができる。
アクリルエマルション樹脂は、アクリル樹脂が水中に均一に分散しているものであり、例えばビニルモノマー等の単量体を界面活性剤のような分散安定剤の存在下で乳化重合することによって得られる。
アクリルエマルション樹脂中の樹脂固形分の含有量は特に限定されないが、通常の場合、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%程度となるように調整される。
【0016】
用いられるアクリルエマルション樹脂のガラス転位温度は30〜100℃、好ましくは30〜80℃とされる。
ガラス転位温度が30℃未満であると、ポリッシュ被膜に粘着感が生じたり、強度が低下したりする場合があり、100℃を超えると、低温造膜性が低下する場合がある。
【0017】
アクリルエマルション樹脂の樹脂固形分の酸価は30〜120mgKOH/g、好ましくは40〜80mgKOH/gとされる。樹脂固形分の酸価が30mgKOH/g未満であると、ポリッシュ被膜の除去性が悪くなる場合があり、120mgKOH/gを超えると、ポリッシュ被膜の耐水性が低下する場合がある。
【0018】
アクリルエマルジョン樹脂の樹脂固形分の酸価やガラス転位温度は、アクリルエマルション樹脂を製造する際に使用される単量体の組成によって調節することができる。
アクリルエマルション樹脂を製造する際に使用される単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸又はアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を例示することができ、一種又は二種以上を用いることができる。
本発明では、アクリルエマルション樹脂を製造する際に使用される単量体としては、シックハウス症候群の原因物質とされているスチレン或いはスチレンの誘導体を含有せず、アクリル酸やメタクリル酸或いはこれらの誘導体からなる単量体を使用することが好ましい。
【0019】
アクリルエマルション樹脂を配合する場合、その配合量は特に限定されないが、水溶性アクリル樹脂とアクリルエマルション樹脂とが、樹脂固形分の重量比で10:90〜100:0、好ましくは10:90〜50:50の割合で配合する。
【0020】
本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物には、可塑剤やレベリング剤として、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール及びイソトリデシルアルコールからなる群から選択された一種以上の脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる化学式3(化3)に示される化合物(以下、単にアルキレンオキシド付加物という場合がある。)を含有する。
【化3】
Figure 2005048026
【0021】
化学式3(化3)中、Rは3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール及びイソトリデシルアルコールからなる群から選択された一種以上の脂肪族アルコールの残基である。
m及びnは共に整数であり、m+n=2〜8である。好ましくは、mは1〜4の整数であり、nは1〜4の整数である。
【0022】
アルキレンオキシド付加物の含有量は特に限定されないが、水性フロアーポリッシュ組成物全量中、0.1〜5.0重量%とされる。0.1重量%未満であると、低温造膜性や耐水性に劣る場合がある。5.0重量%を超えると、塗膜の光沢や強度が低下する恐れがある。
さらに本発明では、アルキレンオキシド付加物の配合量を1.0〜2.0重量%とすると、水が付着してそのままの状態で乾燥した場合でも水滴の跡が残りにくい塗膜を形成することができる水性フロアーポリッシュ組成物が得られる。またアルキレンオキシド付加物の配合量を1.5〜4.5重量%とすると、表面に付着した水の乾燥性に優れ、素足で歩いた場合でもべたついた嫌な感じを与えることがない塗膜を形成することができる水性フロアーポリッシュ組成物が得られる。
【0023】
本発明では可塑剤/レベリング剤として、上記説明したアルキレンオキシド付加物を含有するから、従来、可塑剤/レベリング剤として配合されていたトリブトキシエチルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステルを含有する必要がない。従って、リン酸系化合物やリン元素を全く含有しない水性フロアーポリッシュ組成物を得ることができる。またリン酸エステルを配合しなくても、リン酸エステルを配合する水性フロアーポリッシュ組成物に比べて優れたレベリング性を得ることができる。
【0024】
さらに、本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物には、フロアーポリッシュ組成物に要求される各種特性を満足させるために、種々の添加剤を添加することができる。
ワックスを配合すると、耐久性や耐ヒールマーク性を向上させることができる。配合することができるワックスとしては特に限定されず、カルナウバワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等を例示することができるが、好ましくは、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスが用いられる。
ワックスを配合する場合、その配合量は特に限定されないが、水性フロアーポリッシュ組成物全量中30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下程度とされる。
【0025】
さらに、浸透剤、分散剤、香料、消泡剤、殺菌剤、防腐剤、増粘剤、造膜助剤、帯電防止剤、光安定剤、染料、顔料などの添加剤を適宜任意に配合することができる。
【0026】
本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、フローリング等の木質系床材、ビニル床タイル、ビニル床シート等のプラスチック系床材、大理石等の石質系床材などのあらゆる床材に対して適用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(試料の調製)
表1に示される組成のフロアーポリッシュ組成物に、レベリング剤として、化学式4(化4)に示すアルキレンオキシド付加物(商品名;ペグノールD−202、東邦化学社製)を0.5〜5.0重量%添加して実施例1〜10のフロアーポリッシュ組成物を調製した。
【化4】
Figure 2005048026
またペグノールD−202を全く添加しなかったものを比較例1のフロアーポリッシュ組成物とし、表2に示されるトリブトキシエチルフォスフェートを1.5重量%含有する従来のフロアーポリッシュ組成物を比較例2のフロアーポリッシュ組成物とした。
【0028】
【表1】
Figure 2005048026
【0029】
【表2】
Figure 2005048026
【0030】
尚、水溶性アクリル樹脂中の樹脂固形分の酸価は80mgKOH/gであり、ガラス転位温度は80℃であった。またアクリルエマルション樹脂中の樹脂固形分の酸価は45mgKOH/gであり、ガラス転位温度は43℃であった。
【0031】
(試験例1;レベリング性)
上記調製した各試料を、温度23℃、湿度50%の条件下で、1m当り10mlをフローリング材に塗布した。乾燥後の塗膜の仕上がりを目視により以下の評価基準に従い評価した。
<評価基準>
○ 均一な膜厚の塗膜を形成している。
△ 膜厚が不均一で若干のムラが見られる。
× 明らかに膜厚が不均一で、ムラが見られる。
【0032】
【表3】
Figure 2005048026
【0033】
(試験例2;耐水性・乾燥性試験)
上記調製した各試料を1m当り10mlでフローリング材に二回塗りした。このフローリング材の各試料の塗布面に23℃、湿度50%の条件下で水1mlを滴下した。1時間毎に滴下した水滴の乾燥具合を観察し、以下の評価基準に従い評価した。また比較例2のフロアーポリッシュ組成物を塗布したものと比較したときの、水滴の広がり具合を観察し、+、++、+++の三段階で評価(+の数が多いほど広がっている。)した。結果を表4に記載する。
さらに、試験開始から24時間経過した後、フローリング材の表面を観察して水を滴下した跡が残っているか観察した。全く残っていないものを○、少し残っているものを△、明らかに残っているものを×として評価した。結果を表5に記載する。
【0034】
<水滴の乾燥具合の評価基準>
×:濡れている
△:部分的に乾きかけているが濡れている
○:乾燥している
【0035】
【表4】
Figure 2005048026
【0036】
【表5】
Figure 2005048026
【0037】
可塑剤/レベリング剤として配合したアルキレンオキシド付加物の配合量が増加するにつれ、滴下された水滴を広範囲に広げることができる塗膜が形成された。またアルキレンオキシド付加物の添加量が増加するに従い、乾燥性に優れた塗膜が形成された。
試験開始から24時間後、滴下した水滴が完全に乾燥してから塗膜表面を観察したところ、アルキレンオキシド付加物の添加量を1.0〜4.0重量%添加した試料によって形成された塗膜では、水滴の跡は全く残っていなかった。
一方、アルキレンオキシド付加物を4.5重量%以上添加した試料によって形成された塗膜では、わずかに水滴の跡が残っていた。
比較例1や比較例2の試料によって形成された塗膜では、滴下された水滴の輪郭部分が若干白く跡が残っていた。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、フローリング材などの表面に乾燥性に優れた被膜を形成することができる。このために、床に水滴が付着しても素早く乾燥し、素足で歩行した場合でも、べたついた嫌な感じを与え難い。
本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、表面に長時間水滴が付着した場合でも、水滴の跡が残ることがない被膜を形成することもできる。
本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、可塑剤/レベリング剤として特定構造を有するアルキレンオキサイド付加物を含有するから、従来から可塑剤/レベリング剤として配合されているトリブトキシエチルフォスフェート等のリン酸エステルを配合しなくてもレベリング性に優れた水性フロアーポリッシュ組成物が得られる。
従って、本発明に係る水性フロアーポリッシュ組成物は、リン系化合物やリン元素を全く含有せず、人体や環境に対する安全性の高い水性フロアーポリッシュ組成物である。

Claims (4)

  1. 樹脂固形分のガラス転位温度が30〜100℃で、且つ酸価が30〜120mgKOH/gである水溶性アクリル樹脂と、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデシルアルコール、イソウンデシルアルコール及びイソトリデシルアルコールからなる群から選択された一種以上の脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる化学式1(化1)に示される化合物とを含有することを特徴とする水性フロアーポリッシュ組成物。
    Figure 2005048026
    (Rは脂肪族アルコールの残基である。m及びnは整数であり、m+n=2〜8である。)
  2. 前記水溶性アクリル樹脂を含む、ガラス転位温度が30〜100℃で且つ酸価が30〜120mgKOH/gであるアクリルエマルション樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性フロアーポリッシュ組成物。
  3. 前記水溶性アクリル樹脂と前記アクリルエマルション樹脂とが、樹脂固形分の重量比で10:90〜100:0の割合で含有されていることを特徴とする請求項2に記載の水性フロアーポリッシュ組成物。
  4. リン含有化合物及びリン元素を実質的に含有していないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水性フロアーポリッシュ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011148986A (ja) * 2009-12-19 2011-08-04 Rohm & Haas Co フロアポリッシュ組成物
WO2012073452A1 (ja) 2010-12-03 2012-06-07 株式会社Adeka 床用水性艶出し剤組成物

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