JP2005306625A - セラミック多孔質板、その製造方法、および製造装置 - Google Patents

セラミック多孔質板、その製造方法、および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 気孔率の高精度な制御を行うことを容易にした製造方法によって、高精度に制御され均一な気孔率をもつ厚板状のセラミック多孔質材料を提供する。
【解決手段】 平均細孔径が5nm〜200μmの細孔部を有し厚さが0.5mm以上のセラミック多孔質板であって、該細孔部内壁の少なくとも一部にALD法によって分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜が形成されていることを特徴とするセラミック多孔質板を提供する。さらに、そのセラミック多孔質板の製造方法および製造装置、さらにはそのセラミック多孔質板を用いたフィルター、触媒担体およびガスセンサーを提供する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、セラミックス多孔質板に関し、特にガスセンサーやフィルターといった自動車部品に用いられるセラミックス多孔質板に関するものである。さらに、本発明は、そのセラミックス多孔質板の製造方法および製造装置に関する。
一般に、セラミック多孔質板は、緻密構造のセラミックス(図1参照)とは異なり、例えばセラミック粉末と分散媒をバインダー,分散剤,整泡剤,泡安定剤などと共に混合して原料スラリーが作成されて、これを攪拌して泡立てた後に、気泡を含む状態で板状に成形され、次いで乾燥された後、焼成されて得られる(図2参照)。
ここで、バインダーは、乾燥後の成形体の強度を増して、成形作業を容易にするため、またスラリーの粘度を高めることによって泡立ての効率を増して泡の安定化を計る目的で添加される。分散剤は、分散媒中でセラミック粉末を分散させて原料スラリーの高濃度化を可能にし、成形体でのセラミック部分の密度を増加する目的で添加される。整泡剤は、原料スラリーの泡立ちを助けて成形体の気孔率を増す目的で添加される。泡安定剤は、泡立てによって生じた原料スラリーの泡を安定化し、成形体が乾燥する間に泡が消失しないようにするために添加される。分散媒は、原料スラリーを各添加剤に均一に混合し、成形可能な流動性を付与するために使用される。
このスラリーによる成形体を乾燥,焼成する際の、焼成の方法,条件等は、緻密なセラミックスの場合とほぼ同様である。また、セラミック多孔質板の気孔率は、原料スラリーに添加される整泡剤の量や攪拌の度合によって調整されていた。
従来のセラミック多孔質板に関しては、通常の測定手法で求められる気孔率、細孔径、容積分布等の高精度な制御が、前記した製造プロセスによっては困難であった。すなわち、これまでのセラミック多孔質板の製造方法において、均一な気孔率を持ったセラミック多孔質板を得るには、材料の特性や製造条件の制御などに頼らざるを得ず、しかもその気孔率を高精度に制御することは非常に困難であるという問題があった。
このように、従来のセラミック多孔質板において、その気孔率等の制御は、原料スラリーに含有させるセラミック粉末の粒径や整泡剤などの添加物の配合比、攪拌の度合い、焼成条件などに頼らざるを得ず、高精度な気孔率の制御は困難であった。
一方、薄膜形成手法の一つとして、原子層成長法とも呼ばれるALD(Atomic Layer Deposition(以下同じ)) 法が知られている。その一般的特徴としては、原子層または分子層のオーダーで薄膜の膜厚制御が可能であること、2種以上の異なる原料ガスを交互に被成膜基板上に供給し、吸着、脱離、反応作用を利用した表面反応を用いるため表面被覆性に優れていることがあげられる。尚、かかる方法は、通常平坦な表面の基板上において成膜されることが多く、多孔質基板に適用された例はあまり見られなかった。
ALD法の適用例の一つとして、ALD法によってAl23で改質された多孔質アルミナ膜が知られている(非特許文献1参照)。ただし、その多孔質アルミナ膜は、約57μmの多孔質層と2μm以下の緻密層からなる全体厚みが60μm程度のものである。
さらに、原子層エピタキシャル成長(Atomic Layer Epitaxy)法による多孔質シリコン層への酸化錫膜の形成が知られている(非特許文献2参照)。ただし、その多孔質シリコン層は、厚みが2μm程度のものである。
このように、多孔質膜または多孔質層にALD法の成膜技術を適用した例が、いくらか見られる。しかしながら、いずれにおいても、その厚さが高々60μm程度のものであって、厚さが厚い板状のセラミック多孔質材料において、ALD法が適用された例は見られない。
A. Ott およびJ. Klaus: Chem. Mater., 9, 707 (1997) (709ページの左欄第4段落) C.DucsoおよびN.Khanh: J. Cryst. Growth, 143, 683 (1996)(683ページの右欄第2段落)
固体電解質センサーなど、板状のセラミック多孔質材料の気孔率によってガスの拡散を制御しようとするガスセンサーなどにおいては、高精度な気孔率の制御が必須であって、高精度に制御されかつ均一な気孔率をもつセラミック多孔質の供給が望まれる。本発明は、従来方法では困難であった気孔率の高精度な制御を行うことを容易にして、高精度に制御されかつ均一な気孔率をもつ厚さが0.5mm以上の板状のセラミック多孔質材料、およびその製造方法ならびに製造装置を提供することを目的としている。
本発明は、ALD法を用いてセラミックス多孔質基板の細孔内壁面に薄膜を形成することにより得られる、高精度に気孔率が制御された板状のセラミック多孔質材料と、その板状のセラミック多孔質材料を提供するための製造方法および製造装置、さらにはその板状のセラミック多孔質材料を用いたフィルター、触媒担体およびガスセンサーに関するものである。
すなわち本発明は、多孔質板の両面において開口部を有し該多孔質板を貫通した平均細孔径が5nm〜200μmの細孔部を有し厚さが0.5mm以上のセラミック多孔質板であって、該細孔部内壁の少なくとも一部にALD法によって分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜が形成されていることを特徴とする、セラミック多孔質板を提供するものである。
かかる本発明の好ましい態様として、該薄膜が、金属、金属の酸化物、金属の窒化物および金属の酸窒化物からなる群から選ばれる物のALD法による層のいずれか一層で、または同一あるいは異なる層が積層されて形成されているものが挙げられる。
該薄膜の好ましい態様としては、該薄膜形成のための該金属の酸化物が、SiO2 、Al23 、TiO2、Ta25、ZnO、Y23、SnO2またはZrO2であるものが挙げられる。また、該薄膜形成のための金属の窒化物が、Si34、AlNまたはTiNであるものが挙げられる。さらに 該薄膜の他の好ましい態様としては、該薄膜形成のための金属の酸窒化物が、SiON、AlON、TiON、TaONまたはSnONであるものが挙げられる。また、該薄膜形成のための金属が、銅、タングステンまたは白金であるものが挙げられる。
また、本発明の好ましいセラミック多孔質板の態様としては、該セラミック材料が、SiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せを含むものが挙げられる。さらに好ましいセラミック多孔質板としては、該セラミック材料の主成分が、該SiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せであるものが挙げられる。
また、細孔部内壁の少なくとも一部に分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜を備えるセラミック多孔質板のALD法による製造方法であって、多孔質基板の両面において開口部を有し該多孔質基板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質基板の一方の表面側にALD法の原料ガスを供給し、該セラミック多孔質基板の他の表面側からガスを流出させて、該細孔部に該原料ガスを通過させることによって該薄膜を形成することを特徴とする、セラミック多孔質板の製造方法を提供するものである。
かかるセラミック多孔質板の製造方法の好ましい態様として、ALD法によって該薄膜を形成する工程において、原料ガスをセラミック多孔質板の細孔部に通過させて原料ガス導入側から排気側に流通せしめ、かつ導入側の圧力(P1)および排気側の圧力(P2)をモニターして得られた圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御する、製造方法が挙げられる。
さらに好ましいセラミック多孔質板の製造方法の態様として、ALD法によって薄膜を形成したセラミック多孔質板をさらに加熱処理する工程を含む、製造方法が挙げられる。
さらに本発明は、ALD法の原料ガスの導入室および排気室を含むチャンバーと、該原料ガスの導入手段と、ガスの排気手段とを備えた、細孔部内壁の少なくとも一部に分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜を備えるセラミック多孔質板のALD法による製造装置であって、多孔質基板の両面に開口部を有し該多孔質基板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質基板を介して該導入室および該排気室を具備したことを特徴とする、セラミック多孔質板の製造装置を提供するものである。
かかる製造装置のより好ましい態様として、該導入室における圧力(P1)および該排気室における圧力(P2)をモニターしてその圧力差(P1−P2)を検出する手段と、該圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御するための制御手段をさらに備えたセラミック多孔質板の製造装置が提供される。
また、本発明は、多孔質板の両面において開口部を有し該多孔質板を貫通した平均細孔径が5nm〜200μmの細孔部を有し厚さが0.5mm以上のセラミック多孔質板であって、該細孔部内壁の少なくとも一部にALD法によって分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜が形成されていることを特徴とするセラミック多孔質板を用いて成る、フィルターを提供するものである。
また本発明は、同様のセラミック多孔質板を用いて成る触媒担体を提供するものである。
さらに本発明は、同様のセラミック多孔質板を用いて成るガスセンサーを提供するものである。
通常、ALD法は原子層エピタキシャル成長(Atomic Layer Epitaxy)法とも呼ばれる。本発明ではALD法として説明するが、原子層エピタキシャル成長(Atomic Layer Epitaxy)法も本発明に含まれることになる。
本発明のALD法により薄膜が形成されたセラミック多孔質板は、板状であってその厚みが0.5mm以上のものであることを一つの特徴とするものである。好ましくは、その厚さが0.5〜10mmであり、さらに好ましくはその厚さが0.5〜5mm、特に好ましくはその厚さが0.5〜2mmである。厚さが0.5mm未満では、本発明方法を適用する上で実用上重要ではなく、また厚さが10mmを超える場合には原料ガスを効果的に透過させる上で困難性を伴い、本発明における方法での製造が容易でなくなり好ましくない。
また、本発明のALD法により薄膜が形成されたセラミック多孔質板は、多孔質板の両面において開口部を有し該多孔質板を貫通した細孔を有し、平均細孔径(直径)が5nm〜200μmの細孔部を有したことを、他の一つの特徴とするものである。その下限としては、好ましくは20nm、さらに好ましくは50nm、特に好ましくは0.1μmである。またその上限としては、好ましくは100μm、さらに好ましくは50μm、特に好ましくは10μmである。その平均細孔径の好ましい範囲としては、20nm〜100μmであり、さらに好ましくはその平均細孔径が50nm〜50μm、特に好ましくはその平均細孔径が0.1〜10μmである。平均細孔径が5nm未満では原料ガスを効果的に透過させる上で困難性を伴い、本発明における方法での製造が容易でなくなり好ましくなく、また平均細孔径が200μmを超える場合には分子層または原子層レベルでの薄膜形成で気孔率等の細孔を制御するが実用上困難であって、それによって得られる効果が見られなくなる。
かかる薄膜が形成されたセラミックス多孔質板の好ましいものとしては、通常気孔率が5%以上、好ましくは5%〜85%であり、さらに好ましくは20%〜85%であり、特に好ましくは40%〜80%である。また好ましくは、通常気孔率が5%〜85%であり、平均細孔径が5nm〜200μmの連続した空孔を有しているものが挙げられる。さらに好ましくは、気孔率が20%〜85%であり、平均細孔径が100nm〜200μmの連続した空孔を有しているものが挙げられる。特に好ましくは、気孔率が40%〜80%であり、平均細孔径が1〜50μmの連続した空孔を有しているものが挙げられる。また、細孔が実質上均一に分布したものが好ましい。気孔率が5%より低い場合には、原料ガスを効果的に透過させる上で困難性を伴い、本発明における方法での製造が容易でなくなり好ましくない。気孔率が85%より高い場合には、分子層または原子層レベルでの薄膜形成で気孔率等の細孔を制御するが実用上困難であって、それによって得られる効果が見られなくなるので好ましくない。
かかる気孔率を測定する方法としては、種々あるが、ここでは一般的なアルキメデス法で求められる開気孔率と、幾何学法で求められる全気孔率を用いる。すなわち、開気孔率は以下の(1)式で求められる。
気孔率=(飽和質量-乾燥質量)/(飽和質量-水中質量) ×100(%) (1)
また、全気孔率は以下の(2)式で求められる。
全気孔率=(1−嵩密度/真密度) ×100(%) (2)
さらに、嵩密度は次の式(3)で求められる。
嵩密度=全体の質量/ L×W×T (3)
尚ここで、飽和質量は完全に給水したときの質量を意味し、乾燥質量は乾燥時の質量を意味し、水中質量は水中での質量を意味し、真密度は重量密度を意味し、Lは多孔質板の縦方向の大きさを意味し、Wは横方向の大きさを意味し、Tは厚さを意味する。
さらに多孔質板中の細孔径や容積を測定することも気孔率を考慮する上で重要である。これらの特性を測定する手法として、通常水銀圧入式が用いられる。その原理は、大抵の物質と反応せず、漏れもない水銀に圧力を加えることによって固体の細孔中へ圧入し、その時に加えた圧力と、細孔内へ押し込まれた(侵入した)水銀の容積との関係を測定することによって細孔の大きさや容積を測定するものである。尚、測定時には多孔質板中の気体は完全に脱気されている必要がある。加えられた圧力と、その圧力で水銀が侵入可能な細孔径の関係は、ウオッシュバーン(Washburn)の式(4)で導かれる。
D=−4γcosθ/P (4)
ここで、P は加える圧力(N/m2))、D は細孔径(直径)(m)、γは水銀の表面張力(0.48N/m)、θは水銀と細孔壁面の接触角で通常140度である。 γ、θは定数で、ウオッシュバーンの式(4)から、加えた圧力とP と細孔直径D の関係が求められ、その時の侵入容積を測定することにより、細孔径とその容積分布が導かれ、さらに平均細孔径が導かれる。
本発明のかかるセラミックス多孔質板は、ALD法を用いて細孔内部にセラミック多孔質板の細孔内壁面に薄膜を形成することにより、気孔率の高精度な制御がなされたことを特徴とする。すなわち、ALD法の製膜によって、分子層または原子層レベルでの薄膜の均一な膜厚制御がなされたものである。
尚、本発明のセラミック多孔質板は、該細孔部において、ALD法によって薄膜が形成されたことによって、該薄膜形成前のセラミック多孔質基板より、その内容積および気孔率が減少している。尚、その気孔率の減少の程度が、多孔質基板の平均細孔径によって大きく変化し得る。
本発明のセラミック多孔質板は、従来の方法により製造されたセラミック多孔質基板へのALD法での薄膜形成を特徴としており、原材料としてのセラミック多孔質基板そのものの材料や、その製法は特に問わない。さらには多孔質ガラスであっても良く、ポーラスシリコン、メソポーラスなど、化学的、物理的食刻作用で製作する微細加工多孔質板へも適用可能である。本発明の原材料としてのセラミック多孔質基板は、SiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せを含むものが好ましい。かかるSiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せが、該セラミックの主成分をなすものが、特に好ましい。さらに詳細には、ヤング率、熱膨張係数、ポアッソン比等の物理定数が基材に近いものが好ましく、密着性や熱膨張係数差(熱応力)の点で基材の組成に実質上等しいものが好ましい。
かかる原材料セラミック多孔質基板の厚さは、前記した薄膜形成後のセラミック多孔質板の厚さと実質上同等である。またその細孔部の平均細孔径については、10nm〜200μmが好ましい。さらに好ましくはその平均細孔径が50nm〜100μm、特に好ましくはその平均細孔径が0.1〜10μmである。
また、原材料セラミック多孔質基板の気孔率は、成膜時の原料ガスを透過できればよく、好ましくは5%以上、特に好ましくは20%以上である。また、好ましくは85%以下、特に好ましくは60%以下である。
本発明のセラミック多孔質板における細孔部内壁の少なくとも一部にALD法によって膜厚制御されて形成された薄膜としては、たとえば、安定な薄膜材料としての金属や、半導体等の金属の酸化物、金属の窒化物および金属の酸窒化物からなる群から選ばれる物のALD法による層のいずれか一層で、または同一あるいは異なる層が積層されて形成されているものがこのましい。薄膜を形成する方法がALD法であれば、その薄膜の材料は特に問わない。それは目的や特性によって形成する薄膜を決定すればよい。
該薄膜に使用される該金属酸化物としては、SiO2 、Al23 、TiO2、Ta25、ZnO、Y23、SnO2およびZrO2が好ましく、特にSiO2 、Al23 、TiO2が好ましい。該金属窒化物としては、Si34、AlNおよびTiNが好ましく、特にSi34が好ましい。また、該金属酸窒化物としては、SiON、AlON、TiON、TaONおよびSnONが好ましく、特にAlON、TiONが好ましい。さらに具体的な該金属としては、銅、タングステンおよび白金が好ましく、特に白金が好ましい。
本発明の該薄膜として特に好適なものは、非常に化学的、熱的に安定であるSiO2 、Si34、Al23が挙げられる。また、AlON、AlNおよびTiNの窒化物や酸窒化物であってもよい。
該薄膜は、通常これらの化合物または金属成分からなるいずれか一層で、または同一あるいは異なる層が積層されて形成されている。必要に応じて異なる層が組合わされて積層されることにより、目的の膜厚、ひいては目的とする気孔率、細孔径等が得られる。これらの化合物または金属成分からなる2種以上の異なる原料ガスを交互に被成膜セラミック多孔質板上に供給し、吸着、脱離、反応作用を利用した表面反応を用いた場合には、表面被覆性に優れている。
尚、薄膜材料が例えば化学触媒、光触媒、磁性薄膜、半導体、固体電解質、ガス感応膜、電極材料、電極用のバリアメタル、他の物質との接着など界面制御用薄膜、脱臭効果などをもつ機能膜を、ALD法による薄膜と合せて用いてもよい。
本発明のセラミック多孔質板の製造方法は、多孔質基板の両面において開口部を有し該多孔質基板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質基板に、ALD法によって該細孔部内壁の少なくとも一部に薄膜を形成する工程であって、ALDの原料ガスを原料ガス導入側から排気側に流通させて、該原料ガスをセラミック多孔質基板の該細孔部に通過させて、該薄膜を形成する工程を含むものである。好ましくは、該薄膜を形成する工程において、該導入側の圧力(P1)および該排気側の圧力(P2)をモニターして得られた圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御する、製造方法が挙げられる。さらに好ましくは、該セラミック多孔質基板を介して原料ガスの導入室および排気ポンプに連通する排気室が形成されるように、該セラミック多孔質板をALDのチャンバー内部に設置することによって、ALD法による薄膜形成を行う製造方法が挙げられる。
本発明の製造方法において使用される、多孔質板の両面において開口部を有し該多孔質板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質板の主な製造方法としては、通常3000℃程度の高温反応を用いて、高融点セラミックスの一部を溶融し、セラミック同士を融着させた3次元網目構造を形成する方法が挙げられる。かかるセラミックとしては、前記したように、SiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せを含むものが好ましい。
本発明の製造方法において、アルゴンや窒素といった不活性ガスと同時に薄膜形成のための原料ガスをセラミック多孔質板の細孔内部にガスを供給してその細孔にガスを通過させることで、細孔の内壁に薄膜を形成することが特に有効であることを見出した。細孔内部に薄膜を形成することで細孔の容積が減少し、結果的に気体や液体を透過する連続細孔の経路の断面積を小さくことが可能である。これによって、目的とする気孔率、細孔径等が精度高く制御できる。すなわち、ALD法による薄膜の形成をもってすれば、ALDの成膜サイクルごとに1モノレイヤー(monolayer)以下の分子層または原子層が形成されるので細孔の容積や連続した細孔の経路の断面積を分子層レベルで減少させることが可能である(図3参照)。
図3では、小球群がセラミックを構成する粒子群を、小球群の存在しない部分が細孔部を、小球群の外側輪郭に沿って層状に伸びる層がALD法により形成された薄膜を、それぞれ模式的に示している。尚、図2は、ALD法による薄膜形成前における、セラミックを構成する粒子群の部分と細孔部を模式的に示すものである。
本発明の製造法において、該導入側の圧力(P1)および該排気側の圧力(P2)をモニターして得られた圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御する。圧力差(P1−P2)は、セラミック多孔質板の気体透過率に起因して発生するものである。セラミック多孔質板の気体透過率(気孔率と置き換えられ得る)が高いほど、圧力差(P1−P2)は小さく、薄膜形成によって気孔率が小さくなれば圧力差(P1−P2)は大きくなってくる。この圧力差(P1−P2)と、セラミック多孔質板の気孔率との関係を把握すれば、薄膜形成によって所望の気孔率にまで達した時点で成膜を停止しすることが可能となる。このように、セラミック多孔質板に薄膜を形成しながら所望の気孔率でこの成膜工程を的確に停止することによって、再現性の高い高精度に制御された気孔率、細孔径等を有するセラミック多孔質板を、能率(生産性)よく安定して製造することが可能となる。
制御される各々の圧力P1とP2および圧力差(P1−P2)具体的態様は、目的とするセラミック多孔質板に応じて適宜設定することが可能である。より具体的には、例えばある原料ガスの導入を開始して、各圧力P1400〜700PaとP2100〜400Paで原料ガスを供給し、該圧力差(P1−P2)が例えば300Paより低下した時点で原料ガスの導入を停止し、例えば1〜10秒間の該導入側および該排気側のパージの後に、必要に応じて次の原料ガスの導入を開始する形式で、所定の薄膜形成サイクルを実施する。
本発明の製造方法のより好ましい態様では、該セラミック多孔質板を介してALDの原料ガスの導入室および排気ポンプに連通する排気室が形成されるように、該セラミック多孔質板をALDのチャンバー内部に設置する工程として、具体的には原料ガスが導入室から排気室にセラミック多孔質板を介してのみ流れるようにする。すなわち導入室と排気室がセラミック多孔質板によって完全に分離されるように、セラミック多孔質板の装着を行うことが、高精度で薄膜形成サイクルを制御するのに有効である。すなわち、導入室と排気室とに完全に分離されるようにセラミック多孔質板を配置すれば、ガス導入室と排気室の間の圧力差(P1−P2)が正確にモニターでき、セラミック多孔質板に薄膜を形成しながら所望の気孔率でこの成膜工程を的確に停止し、再現性の高い高精度に気孔率が制御された多孔質板を製造することが可能となる。
本発明の製造方法におけるALD法でのセラミック多孔質板の温度は、セラミック多孔質板に形成される目的の薄膜に応じて適宜設定することが可能である。より具体的には、ある原料ガスの導入を開始する前に、例えば原料材料であるセラミック多孔質板の温度を100〜500℃に設定する。薄膜形成サイクルを高精度で安定に制御するために、かかる温度制御は重要であり、目的の薄膜に応じたより限定された温度範囲、例えば設定温度±10℃以内、より好ましくは設定温度±1℃以内がより望ましい。
本発明の製造方法のさらに好ましい態様における、薄膜の形成された該セラミック多孔質板を加熱処理する工程は、薄膜と原材料セラミック多孔質板との密着性を高める、薄膜材料との整合性を高める、薄膜中の未反応残留物質の除去、担体の安定化、薄膜の再結晶化、ならびに薄膜の化学的・物理的安定性の向上などの目的で、有効である。その温度や雰囲気は特に限定されるものではなく、目的とするセラミック多孔質板の所定の特性に見合った熱処理を施すことが望ましい。
本発明は、前記のごとく原子層レベルで高度に精度よく制御された薄膜を備えるセラミック多孔質板を、ALD法により精度よく製造するための製造装置であって、ALDのチャンバーと、該チャンバーの上流側に連結されたALDの原料ガスの導入手段と、チャンバーの下流側に連結された排気ポンプ手段を含み、チャンバー内において該セラミック多孔質基板を設置することによって設けられた原料ガスの導入室および排気室を有し、より好ましくは、さらに該導入室における圧力(P1)および該排気室における圧力(P2)をモニターしてその圧力差(P1−P2)を検出する手段と、該圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御するための制御手段を有する、セラミック多孔質板の製造装置を提供するものである。
図4は、上記の本発明の製造方法に使用されるセラミック多孔質板の製造装置の一態様を模式的に示したものである。図に示されるように、原材料であるセラミック多孔質基板が、ALDのチャンバー内部を原料ガス導入室と、排気ポンプにつながる排気配管が連結された排気室とに完全に隔離するように、基板固定治具によって設置されている。チャンバー内に設置された原材料のセラミック多孔質板を所定の温度に加熱するために、基板加熱用ヒーターが排気室内に備えられている。尚、該基板加熱用ヒーターは、温度制御手段(図示せず)に連結されており、また必要に応じて原料ガス導入室側に設けられても良い。製膜終了時、あるいは必要に応じて同一または異なる原料ガスによって製膜を繰り返す場合に、使用済みのガスを効率よく除去するための、ガス導入室と排気室下流側配管の双方に別々の連結されたパージ用配管およびそれらを連結するパージ用切り替えバルブ手段が設けられている。
図6は、本発明のセラミック多孔質板製造装置の好ましい態様の模式図であって、図4記載の製造装置においてさらに、ガス導入室と排気室双方の圧力P1、P2を各々の圧力計Pin、Poutによってモニターすると共に、それらに連動して各々の圧力P1、P2に基づく圧力差(P1−P2)を検出する圧力差モニター手段(図示せず)が設置されている。さらに好ましくは、その圧力差(P1−P2)によってALD法による薄膜形成サイクルを制御するための制御手段(図示せず)を備えている。
尚、本発明との比較の意味で、例えば図4に示される装置において、下部基板固定用治具に届かない小さな多孔質基板を上部基板固定用治具のみに取り付けて、原料ガスが細孔内を通過することのない状態で、ALD法の成膜を行ったとしても、多孔質基板の表面近くのみで膜が形成され、多孔質基板の細孔内部まで製膜されにくく、望まれる多孔質基板全体での均一な成膜がなされたセラミックス多孔質板は得られない。
また、このように細孔径、気孔率等が高精度に制御されたセラミックス多孔質板の用途としては、酸素センサー、空燃比センサーなどのガスセンサー用の多孔質板が挙げられる。中でも、ジルコニアを使用する固体電解質センサーとして用いることが有用である。すなわち、酸素などのガスの多孔質板に対する透過率と拡散係数が、精度良く制御され得る。
また、本発明におけるセラミック多孔質板を用いて成るフィルターの例としては、生化学分離膜、イオン交換、ガス分離、分子ふるいなどその用途は問わない。中でも、種々の分離膜としての透過率制御に適する。
本発明におけるセラミック多孔質板を用いて成る触媒担体の例としては、白金などの成膜した触媒担体が挙げられ、中でも自動車の排気ガス触媒などに用いられる触媒担体用の基材としても有用である。さらには脱臭剤、光学触媒、抗菌触媒などの基材としても用いても良い。また、その他、防音壁の基材としても、本発明のセラミック多孔質板は有用である。
本発明によれば、原子層または分子層レベルの高精度で膜厚制御された薄膜が全体に均一に形成された板状のセラミック多孔質材料、それを生産性良く安定に製造できる製造方法、およびそのために使用される製造装置が提供される。さらに、かかる優れたセラミック多孔質板を用いたフィルター、触媒担体、およびガスセンサーが提供される。
[実施例1]
通常のアルミナ多孔質体の製造法、すなわちアルミナ粉末と分散媒をバインダー,分散剤,整泡剤,泡安定剤と共に混合して原料スラリーを作成し、これを攪拌して泡立てた後に、気泡を含む状態で板状に成形し、次いで乾燥した後、焼成して得られたアルミナ多孔質基板(厚さ1mm、気孔率30%、大きさ50mm×50mm)を、図4に示されるように、ALDの反応チャンバーにALDの原料となるガスの導入室と、排気ポンプを用いて排気される排気室とに完全に分離されるように配置した。このときチャンバーとセラミックス多孔質板とのすきまが完全にふさがるような、基板固定用治具がチャンバー内に設置された。そのアルミナ多孔質基板をそのように設置し、細孔内部にAl23薄膜を形成し、細孔径、気孔率等を調整した例を以下に示す。尚、実施例では、セラミックス多孔質板としてアルミナを用いたが、他の材質であっても良い。
図5には、上記のアルミナ多孔質基板を用いて、図4に示される装置を使用して、トリメチルアルミニウム(TMA)とH2OによりAl23の薄膜を成膜した、ALD薄膜形成サイクルを含む製膜プロセスを示す。すなわち、ALDチャンバーを40Pa程度の真空にし、窒素ガスを400cm/分程度流しながら基板加熱用ヒーターでアルミナ多孔質基板を加熱し、基板温度を350℃に安定させた。その後TMAおよびH2O(蒸留水)を原料ボトル(図示せず)内にて室温で気化させ、キャリアガスである窒素ガスと共に400cm/分でALDチャンバーに交互に導入した。すなわち、ALDチャンバーへのガスは、まず気化させたTMAを0.6秒間導入した後、アルミナ多孔質基板の細孔等の表面に吸着した分子以外の気相に存在する過剰のTMAを取り除くためのパージとして窒素ガスを5秒間導入し、その後、ガス導入室に残ったTMAガスを完全に排気するため、パージ切り替えバルブを開けてパージを行った。再び、このパージ切り替えバルブを閉じた後、同様に気化させたH2Oを1.0秒間導入した後、窒素パージを5秒間導入して、成膜を行った。
このTMA導入→パージ→H2O導入→パージのALD成膜サイクルを1000回繰り返して成膜を行って、アルミナ多孔質基板の表面、および細孔内部に80nmの薄膜が多孔質基板全体にわたって均一に形成された。得られたアルミナ多孔質板の厚さは実質上変わらずに1mm、気孔率は29%であった。
[実施例2]
さらに好ましい態様の実施例として、同様のアルミナ多孔質基板を用い、図6に記載の装置を用いてALD法による製膜が可能である。図6に示すように、原料ガス導入室と排気室の圧力を各々の圧力計Pin、Poutにてモニターし、差圧(P1−P2)を検出する。尚、その圧力としては、たとえば窒素パージ(パージラインを通さない工程)の安定した圧力をモニターする。測定した圧力の差圧の検出は成膜サイクルごとに行なう。差圧(P1−P2)は、セラミック多孔質板の気孔率、または成膜された膜厚による影響を受けることから、前もって把握しておいた、該差圧(P1−P2)と気孔率の関係から、所望の気孔率が得られた時点で成膜サイクルを停止できるようにする。それにより初期のセラミックス気孔質基板の気孔率に左右されることなく、インラインで気孔率の高精度な制御が可能となる。
図7には、図6に示される装置を使用して実施した実施例における、具体的なALD製膜プロセスが示される。具体的には、実施例1と同様にして、TMA導入→パージ→H2O導入→パージの成膜サイクルを1000回程度繰り返して成膜を行い、差圧(P1−P2)が所定値に達した時点で成膜サイクルを停止する。実施例1と同様に、セラミック多孔質基板の表面、および細孔内部には80nm程度の薄膜が形成される。このように図6に示される装置では、図4の装置による製膜よりもサイクルの停止が的確になされるので、より高精度の製膜が高い生産性でなされることが可能となる。
尚、図7に示されるように、製膜後さらに、ALDチャンバーから取り出されたアルミナ多孔質板が加熱炉(図示せず)内において、さらに大気中で800℃の温度で60分間加熱された後、150℃まで冷却され、そこから取り出されることによって、加熱処理がなされる。薄膜と原材料アルミナ多孔質基板との密着性が高められ、薄膜材料との整合性が高められ、薄膜中の未反応残留物質の除去、アルミナ多孔質基板の安定化、薄膜の再結晶化、ならびに薄膜の化学的、物理的安定性の向上などが可能になる。
緻密なセラミックの微細構造模式図を示すものである。 セラミック多孔質体の微細構造模式図を示すものである。 本発明によるセラミック多孔質板の微細構造模式図を示すものである。 本発明によるセラミック多孔質板のALD成膜チャンバー構造模式図を示すものである。 本発明によるセラミック多孔質板のALD成膜のプロセスを示すものである。 本発明によるセラミック多孔質板のALD成膜チャンバー構造模式図(圧力モニター機能付加)を示すものである。 本発明によるセラミック多孔質板のALD成膜のプロセス(熱処理過程含む)を示すものである。

Claims (18)

  1. 多孔質板の両面において開口部を有し該多孔質板を貫通した平均細孔径が5nm〜200μmの細孔部を有し厚さが0.5mm以上のセラミック多孔質板であって、該細孔部内壁の少なくとも一部にALD(Atomic Layer Deposition;原子層成長(以下同じ)) 法によって分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜が形成されていることを特徴とする、セラミック多孔質板。
  2. 該厚さが0.5〜10mmである、請求項1に記載のセラミック多孔質板。
  3. 該薄膜が、金属の酸化物、金属の窒化物、金属の酸窒化物および金属からなる群から選ばれる物のALD法による層のいずれか一層で、または同一あるいは異なる層が積層されて形成されたものである、請求項1または請求項2に記載のセラミック多孔質板。
  4. 該薄膜形成のための該金属の酸化物が、SiO2 、Al23 、TiO2、Ta25、ZnO、Y23、SnO2またはZrO2である、請求項3に記載のセラミック多孔質板。
  5. 該薄膜形成のための該金属の窒化物が、Si34 、AlNまたはTiNである、請求項3に記載のセラミック多孔質板。
  6. 該薄膜形成のための該金属の酸窒化物が、SiON、AlON、TiON、TaONまたはSnONである、請求項3に記載のセラミック多孔質板。
  7. 該薄膜形成のための該金属が、銅、タングステンまたは白金である、請求項3に記載のセラミック多孔質板。
  8. 該セラミックが、SiO2 、Si34 、Al23 、AlN、ZrO2、Y23およびMgOからなる群から選ばれる化合物のいずれかまたはその組合せを含む、請求項1に記載のセラミック多孔質板。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のセラミック多孔質板を用いて成る、フィルター。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のセラミック多孔質板を用いて成る、触媒担体。
  11. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のセラミック多孔質板を用いて成る、ガスセンサー。
  12. 細孔部内壁の少なくとも一部に分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜を備えるセラミック多孔質板のALD法による製造方法であって、多孔質基板の両面において開口部を有し該多孔質基板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質基板の一方の表面側にALD法の原料ガスを供給し、該セラミック多孔質基板の他の表面側からガスを流出させて、該細孔部に該原料ガスを通過させることによって該薄膜を形成することを特徴とする、セラミック多孔質板の製造方法。
  13. 該セラミック多孔質基板における細孔部の平均細孔径が10nm〜200μmであり、該セラミック多孔質基板の厚さが0.5mm以上である、請求項12に記載のセラミック多孔質板の製造方法。
  14. 該一方の表面側の圧力(P1)および該他の表面側の圧力(P2)の圧力差(P1−P2)を検知し、該圧力差(P1−P2)に基づいて該ALD法による薄膜形成サイクルを制御する、請求項12または請求項13に記載のセラミック多孔質板の製造方法。
  15. 該薄膜が形成されたセラミック多孔質板を加熱処理する工程をさらに含む、請求項12〜請求項14のいずれかに記載のセラミック多孔質板の製造方法。
  16. ALD法のための原料ガスの導入室および排気室を含むチャンバーと、該原料ガスの導入手段と、ガスの排気手段とを備えた、細孔部内壁の少なくとも一部に分子層または原子層レベルで膜厚制御された薄膜を備えるセラミック多孔質板のALD法による製造装置であって、多孔質基板の両面に開口部を有し該多孔質基板を貫通した細孔部を有するセラミック多孔質基板を介して該導入室および該排気室を具備したことを特徴とする、セラミック多孔質板の製造装置。
  17. 該セラミック多孔質基板における細孔部の平均細孔径が10nm〜200μmであり、該セラミック多孔質基板の厚さが0.5mm以上である、請求項16に記載のセラミック多孔質板の製造装置。
  18. 該導入室における圧力(P1)および該排気室における圧力(P2)の圧力差(P1−P2)を検出する手段と、該圧力差(P1−P2)によってALD法による該薄膜形成のサイクルを制御するための制御手段をさらに備えた、請求項16または請求項17に記載のセラミック多孔質板の製造装置。
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