JP2005303238A - 荷電粒子線露光用マスクおよびその製造方法 - Google Patents

荷電粒子線露光用マスクおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 荷電粒子線露光用マスク基板としてのSOI基板において、シリコン酸化膜をマスク製造に適した厚さとし、シリコン薄膜層をマスクメンブレンに適した厚さで、かつ低応力で欠陥の無い均一性に優れた薄膜とする荷電粒子線露光用マスク基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 第一のシリコンウェハに酸化膜を形成し、該酸化膜を介してウェハ内に水素イオンを打ち込んで剥離層を形成し、第二のシリコンウェハに第一のシリコンウェハを貼り合せ、前記剥離層とともに前記第一のシリコンウェハを剥離除去し、第二のシリコンウェハ上に酸化膜を介してシリコン薄膜層を形成したSOIウェハにおいて、前記シリコン薄膜層上に、さらにシリコンをボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープしながらエピタキシャル成長させてシリコン薄膜層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体デバイス等の製造におけるリソグラフィ用マスクおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線を用いてマスクパターンをウェハ上に転写する荷電粒子線露光用マスク、およびその製造方法に関するものである。
半導体集積回路の素子の微細化、高集積化に伴い、光を用いる従来のフォトリソグラフィ技術に代わって、荷電粒子線、特に電子線を用いて所望の形状をウェハ上に転写する電子線転写型リソグラフィ技術が開発され、最近では、高スループット化が可能なEPL(Electron−beam Projection Lithography)法として開発が進められている。例えば、電子線転写型リソグラフィ技術として、マスクパターンを小領域に分け、各小領域毎に所定のサイズ、配置にて形成された貫通孔パターンを形成したステンシルマスクを用意し、前記小領域に電子ビームを照射し、貫通孔パターンによって成形された電子ビームを被露光基板であるウェハ上に縮小転写する技術が記載されており、マスク上に分割形成された所定パターンを被露光基板上にてつなぎ合わせながらデバイスパターンを形成するシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
上記の電子線転写型リソグラフィ技術に使われるマスクの一例を図8に示す。図8は8インチウェハ基板を用いた電子線露光用マスク70の例であり、図8(a)がマスクの全体図であり、二つのパターン領域(132.57mm×54.43mm)71を有する。パターン領域71は、メンブレンマスクパターン72とストラット(strut)73(0.17mm幅)からなる。
メンブレンマスクパターン72はシリコンの薄膜層に電子線が通過する貫通孔を設けてパターンを形成したものであり、メンブレンマスクパターン72は非常に薄いので、パターン領域を裏側からストラット(strut)73(0.17mm幅)と称するシリコンの支柱で分割してメンブレンマスクパターン72を補強することにより、パターン領域の撓みを低減し、パターン位置精度の向上を図っている。図8(b)は図8(a)の一部拡大模式図であり、ウェハ上に転写されるメンブレンマスクパターン72はストラット73間に形成される。
したがって、高品質、高精度の荷電粒子線露光用マスクを作製する上で、シリコン薄膜の品質、特性が重要となってくる。
また、マスク作製工程において、メンブレン側シリコンとストラット側シリコンとは、それぞれ異なる工程でエッチング加工されるので、マスク基板としては、両者のシリコンの中間に所定の厚さを有するエッチング停止層が必要となり、一般にはシリコン酸化膜が用いられている。
上記の荷電粒子線露光用マスクを作製するためのマスク基板としては、シリコンウェハ上のシリコン酸化膜(エッチング停止層として機能する)を介してシリコン薄膜を設けたSOI(Silicon On Insulator)基板を使う方法と、シリコンウェハ上の金属層を介してスパッタ等でシリコン薄膜層を成膜した基板を使う方法の2つが主に用いられている。
SOI基板は既にLSI用半導体回路基板として実績があり、パターンを形成する上部のシリコン薄膜層の品質は、単結晶である点、および無欠陥で形成し得る点で信頼性が高い。
SOI基板の製造方法としては、貼り合せ法と埋め込み法の2つの製法が行なわれており、製造方法の相違により数種のSOI基板があり、荷電粒子線露光用マスク作製のためのマスク基板として検討されている。
貼り合せ法としては、例えば、支持基板となるシリコン基板(ベースウェハと呼ぶ)を熱酸化し、シリコン薄膜層を形成するのに用いる別なシリコン基板(ボンドウェハと呼ぶ)を貼り合せ、ボンドウェハを相当量研磨してシリコン薄膜層としてウェハ基板を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
また、他の貼り合せ法による基板として、水素イオンを注入した熱酸化ウェハ(ボンドウェハ)をベースウェハに貼り合せて形成するSmart Cutウェハ基板、エピタキシャル層を形成したウェハ(ボンドウェハ)をベースウェハに貼り合せて形成するELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)ウェハ基板等がある。
埋め込み法としては、ウェハ基板に酸素イオンを注入して埋め込みシリコン酸化膜を形成するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェハ基板等がある。
しかしながら、特許文献2に記載された方法によるSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクでは、貼り合せたウェハ基板のシリコン薄膜層は研磨で薄くするため、膜厚ばらつきが大きく、所望する2μm程度の厚さに対し、±0.5μm程度も大きくばらつくことがあり、高精度マスク用には実用的に不向きであるという問題があった。研磨技術として膜厚分布を±0.01μmまで向上させるPACE(Plasma Assisted Chemical Etching)と呼ばれる手法があるが、本手法は生産性が低く、例えば、200mm径のSOI基板を除去量3.8μmで±0.01μmの精度で加工するには、計3回のPACE加工を必要とし、1枚の加工に1時間以上かかる。
一方、上記の他の製法によるSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの場合、例えば、ウェハ基板に酸素イオンを注入して埋め込みシリコン酸化膜を形成するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェハ基板では、シリコン酸化膜が0.14μm以下と非常に薄く、マスク製造工程におけるエッチング停止層の厚さとして、エッチングの選択比をとるためには不十分であるという問題があった。さらに、メンブレンとなるシリコン薄膜層の厚さも0.25μm以下と薄く、このSOI基板から作製した荷電粒子線露光用マスクは、メンブレンがマスクパターンとして強度的に不十分であるという問題があった。また、水素イオンを注入した熱酸化ウェハ(ボンドウェハ)をベースウェハに貼り合せて形成するSmart Cutウェハ基板もメンブレンとなるシリコン薄膜層の厚さが0.4μm以下と薄く、このSOI基板から作製した荷電粒子線露光用マスクは、メンブレンがマスクパターンとして強度的に不十分であるという問題があった。エピタキシャル層を形成したウェハ(ボンドウェハ)をベースウェハに貼り合せて形成するELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)ウェハ基板ではシリコン酸化膜、シリコン薄膜とも所望の膜厚を形成することは可能であるが、本基板を用いた荷電粒子線露光用マスクでは、シリコン酸化膜の圧縮応力(例えば、SiO2 の厚さ1μmの場合、300〜400MPa)のため、マスクパターンの歪みが大きいという問題があった。改善策として、マスクパターン形成時の応力を低減するために、シリコン薄膜に原子半径がシリコンより小さいボロンまたはリン等の不純物イオンをイオン注入によりドープすることでシリコン薄膜層に引張応力を持たせる方法があるが、必要となるドープ量は1×1018原子/cm3 以上と大きいため、イオン注入法により所望のドープ量を得るのは時間が膨大にかかり過ぎてしまい、工業的には実用性が困難であるという問題があった。
他方、シリコン薄膜層形成にスパッタ成膜を行なう荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、エッチング停止層に金属が使えるのでエッチング選択比が向上し、応力調整も可能であるという利点がある(例えば、非特許文献1。)。
しかしながら、スパッタ成膜によるシリコン薄膜層の構造はアモルファス状態であり、膜も緻密ではなく、シリコンの異常粒子等が生じることによる欠陥等が存在し、無欠陥で均一膜厚のシリコン薄膜層を成膜することは困難であり、この製造方法によるマスクブランクスを用いても高品質マスクを得るのが難しいという問題があった。また、アモルファスシリコン内では電子は結晶粒子の境界で散乱し、その分、マスクに熱として蓄積されることが想定され、電子線露光転写の際に、マスクの熱変形が避けられないという本質的な問題を有していた。
特許第2829942号公報 特許第2725319号公報 Abstracts of The 46th International Conference on Electron,Ion and Photon Beam Technology and Nanofabrication,p401,"Fabrication of complete8" stencil mask for electron projection lithography"
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、荷電粒子線露光用マスク基板としてのSOI基板を用いた荷電粒子線マスクにおいて、シリコン酸化膜をマスク製造に適した厚さとし、シリコン薄膜層をマスクメンブレンに適した厚さで、かつ低応力でさらに単結晶で欠陥の無い均一性に優れた薄膜とする荷電粒子線露光用マスクおよびその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係わる荷電粒子線露光用マスクは、シリコン上にシリコン酸化膜とシリコン薄膜層が設けられたSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクにおいて、前記シリコン薄膜層の大部分もしくはすべてがエピタキシャル成膜されたシリコンであり、前記シリコン薄膜層がボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープ量1×1018原子/cm3 以上含むようにしたものである。なお、本発明において、ドープ量はSIMS(2次イオン質量分析)にて測定される。
シリコン酸化膜の厚さは0.1〜1μmの範囲で用いられるが、本発明の請求項2に係わる荷電粒子線露光用マスクは、より好ましい形態として、前記シリコン酸化膜の厚さが0.2〜1μmの範囲であり、前記シリコン薄膜層の厚さが0.5〜2μmの範囲としたものである。シリコン酸化膜の厚さが0.2μm未満であるとエッチング停止層としてのエッチング選択比がとり難く、また1μmを越えると内部応力によるパターン歪を制御することが困難になるからである。さらに、シリコン薄膜層が0.5μm未満であると、メンブレンとした時のマスクパターンとして強度的に不十分であり、2μmを越えると、微細な高精度パターン形成が困難となってくるからである。
本発明の請求項3に係わる荷電粒子線露光用マスクは、より好ましい形態として、シリコン薄膜層にボロンが平均ドープ量で6.7×1018〜1.3×1020原子/cm3 の範囲で含まれるものである。
本発明の請求項4に係わる荷電粒子線露光用マスクは、より好ましい形態として、シリコン薄膜層にリンが平均ドープ量で2.0×1019〜4.3×1020原子/cm3 の範囲で含まれるものである。
本発明の請求項5に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、第一のシリコンウェハ上に酸化膜を形成し、該酸化膜を介してウェハ内に水素イオンを注入して剥離層を形成し、第二のシリコンウェハに第一のシリコンウェハの水素イオン注入側の酸化膜を貼り合せ、前記剥離層とともに前記第一のシリコンウェハを剥離除去し、第二のシリコンウェハ上に酸化膜を介してシリコン薄膜層を形成したSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法において、前記シリコン薄膜層上に、さらにシリコンをエピタキシャル成膜させてシリコン薄膜層を形成する工程を含むようにしたものである。
また、本発明の請求項6に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、好ましい形態として、前記シリコンのエピタキシャル成膜工程において、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープするようにしたものである。
本発明の請求項7に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、第一のシリコンウェハ上に多孔質シリコンを形成し、該多孔質シリコン上にシリコンをエピタキシャル成膜させ、該エピタキシャル成膜したシリコン面に、酸化膜を形成した第二のシリコンウェハの前記酸化膜を貼り合せ、前記多孔質シリコンとともに前記第一のシリコンウェハを剥離除去し、第二のシリコンウェハ上に酸化膜を介してシリコン薄膜層を有するSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法において、前記シリコンをエピタキシャル成膜させる時に、前記シリコンにボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープさせたことを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、前記ドープがボロンまたはリンのいずれか一方または双方を主体とするガスでドープするものであり、ドープ量が1×1018原子/cm3 以上であるようにしたものである。
本発明の請求項9に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、前記ドープがボロンを主体とするガスでドープするものであり、平均ドープ量が6.7×1018〜1.3×1020原子/cm3 の範囲であるようにしたものである。
本発明の請求項10に係わる荷電粒子線露光用マスクの製造方法は、前記ドープがリンを主体とするガスでドープするものであり、平均ドープ量が2.0×1019〜4.3×1020原子/cm3 の範囲であるようにしたものである。
本発明の荷電粒子線露光用マスクによれば、無欠陥で、膜厚均一性が良い高品質のSOI基板を用い、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方を高濃度ドープしたエピタキシャルシリコン層をマスクパターン形成層とすることにより、低応力で欠陥の無い露光用マスクパターンに最適な膜厚とし、かつ膜厚を均一化し、またエッチング停止層として高品質のシリコン酸化膜を必要十分な膜厚に形成することにより、高品質で信頼性の高い荷電粒子線露光用マスクを得ることができる。
また、本発明の荷電粒子線露光用マスクの製造方法によれば、マスク特性の上から重要なメンブレン層とエッチング停止層を所望する膜厚で均一性よく、低応力で成膜する製造方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、荷電粒子線露光の中で実用化が近い電子線露光を例に、電子線露光用マスクとその製造方法について、図面を参照して説明する。
(荷電粒子線露光用マスク)
図1および図2は、電子線転写型リソグラフィに使われるステンシルマスクに用いる本発明の電子線露光用マスクの実施形態例を模式的に示す部分縦断面図である。
図1において、電子線露光用マスク10は、電子線通過孔11を設けたシリコン薄膜層12aおよび12bより形成されるメンブレンマスクパターン12、マスク作製時にエッチング停止層として用いたシリコン酸化膜13、シリコンよりなるストラット14から構成され、シリコン薄膜層12aはエピタキシャル成膜された層であり、より好ましい形態としてボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープ量1×1018原子/cm3 以上含むものである。
また、図2において、電子線露光用マスク20は、電子線通過孔21を設けたシリコン薄膜層より形成されるメンブレンマスクパターン22、マスク作製時にエッチング停止層として用いたシリコン酸化膜23、シリコンよりなるストラット24から構成され、メンブレンマスクパターン22のシリコン薄膜層はエピタキシャル成膜された層であり、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープ量1×1018原子/cm3 以上含むものである。
本発明の電子線露光用マスク10、20のメンブレンマスクパターン12、22の厚さは、ともに0.5〜数μmであり、より好ましくは0.5〜2μmの厚さの範囲である。また、電子線露光用マスク10、20のシリコン酸化膜13、23の厚さは、ともに0.1〜1μm程度の範囲、より好ましくは0.2〜1μmの範囲である。裏面側のストラット(支持体シリコン)14、24の厚さは露光装置や用いられるマスク形態によって異なってくるが、例えば8インチシリコンウェハを用いた場合には、500〜725μmの厚さが用いられる。
ここで、図1及び図2の構成の電子線露光用マスク10、20において、メンブレンマスクパターン12、22のシリコン薄膜層のボロンまたはリンのいずれか一方のドープ量についてより望ましい値を検討した結果、シリコン酸化膜13、23の厚さが0.2〜1μmの範囲で、メンブレンマスクパターン12、22のシリコン薄膜層の厚さが2〜0.5μmの範囲で選択されるとき、ボロンをドープする場合は、6.7×1018〜1.3×1020原子/cm3 の平均ドープ量、リンをドープする場合は、2.0×1019〜4.3×1020原子/cm3 の平均ドープ量をドープすることにより、高性能の電子線露光用マスクが得られる。ここで、ボロンまたはリンのドープ量が上記範囲の下限より少ない場合には、シリコン酸化膜13、23の圧縮応力(300から400Mpa)により、シリコンメンブレン12、22は歪んでしまい、その結果マスクパターンに必要な形状、寸法、位置精度を確保できなくなる。逆に、ボロンまたはリンのドープ量が上記範囲の上限より多い場合には、シリコンメンブレン12、22の内部応力(引張応力)により、マスクパターンは変形し、必要な形状、寸法、位置精度を確保できなくなる(参考:65nmノードにおいてEPLマスクに許される位置精度誤差は10nm以下)。
(荷電粒子線露光用マスクの製造方法)
(第1の実施形態)
図3およびそれに続く図4は、図1に示した本発明の実施形態の一例に関わる電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。
図3(a)に示すように、第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)31上に熱酸化したシリコン酸化膜32を形成する。ウェハの大きさは適用する露光装置によって決められるが、例えば、8インチで500〜725μm厚のシリコンウェハが適用し得る。熱酸化によるシリコン酸化膜32の厚さはマスク製造工程におけるエッチング停止層としての機能を果たすために0.1〜1μm程度の範囲が好ましく、さらに0.2〜1μmの範囲がより好ましい。シリコン酸化膜32の厚さが0.2μm未満だとエッチング選択比が十分にとれないためにエッチング停止層としての機能を安定して果たせず、1μmを越えると内部応力が大きくなりパターン歪を引き起こすことがあるからである。
次に、図3(b)に示すように、シリコン酸化膜32を介して水素イオン注入33を行なうことにより、シリコン酸化膜32から一定の距離0.1〜0.4μm程度の距離に、水素イオン注入33による欠陥層である剥離層34を形成する。通常、注入量は3×1016〜1017イオン/cm2 の範囲で用いられる。
次に、図3(c)に示すように、イオン注入した第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)31と鏡面研磨した第二のシリコンウェハ(ベースウェハ)35とをイオン注入側のシリコン酸化膜32を接して貼り合せ、次いで400〜600℃の熱処理をすることにより、剥離層34とともに第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)31を剥離除去する。続いて、貼り合わせ部分の結合強度を上げるために、第二のシリコンウェハ(ベースウェハ)35を1000℃以上の高温でアニールし、軽く研磨(タッチポリッシュ)して、図3(d)に示すように、第二のシリコンウェハ(ベースウェハ)35上にシリコン酸化膜32を介してシリコン薄膜層36を形成したSOI基板37を得る。シリコン薄膜層36の厚さは水素イオン注入の深さに対応し、0.1〜0.4μm程度である。
次に、図3(e)に示すように、前記のSOI基板37のシリコン薄膜層36上に、さらにエピタキシャル成膜したシリコン薄膜層38を形成し、所定のシリコン薄膜の厚さを有するマスク基板39とする。シリコン薄膜層36、38を合せた厚さは0.5〜2μmの範囲が好ましい。
シリコン薄膜層38のエピタキシャル成膜は、市販のエピタキシャル成長装置を用いることで形成することができ、上記のSOI基板37を設置し、水素ガスをキャリアガスとして、SiH4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 のいずれか一つのガスを用い、所定の温度、圧力、例えば、温度850〜1050℃、圧力1×10-2〜760Torrの範囲で成膜し得る。
なお、本発明において、メンブレンマスクパターン形成時の変形を避けるため、シリコン薄膜層38のエピタキシャル成膜時に、B2 6 ガスまたはPH3 ガスを添加して、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープしながらエピタキシャル成膜するのが好ましく、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープすることで引張り応力とすることにより、マスクパターン形成時に位置精度の高いマスクを形成し得る。ボロンまたはリンのいずれか一方または双方のドープ量としては1×1018原子/cm3 以上であることが好ましい。
次に、上記のマスク基板39のシリコン薄膜層38上に、シリコンエッチング時のマスキング材としてハードマスク層41を形成する(図4(f))。ハードマスク層41の材料としては、Cr、Ti、Ta、Mo、W、Zr、およびこれらの金属の酸化物、窒化物、酸窒化物のなかのいずれか1種からなる材料を、数100nmの厚さにスパッタリング等の方法で真空成膜して設ける。
続いて、基板の裏面側の支持体となるシリコンウェハ35にフォトレジスト等により露光領域に開口部を形成するためのエッチングの保護膜を設け、所定の方法により基板の裏面側から、シリコン酸化膜32をエッチング停止層として、シリコンウェハ35をドライエッチングして開口部42およびストラット43を形成した後、フォトレジストを剥離し、マスクブランクス44を形成する(図4(g))。
シリコンウェハ35の深掘りドライエッチングは、通常市販されているICP−RIE装置等を用いることができ、プロセスガスとしては、SF6 、CF4 、C2 6 、C4 8 等のフッ素系ガス等を用い、例えば、SF6 ガスとC4 8 ガスとを交互に供給しながら高密度プラズマでドライエッチングを行なういわゆるボッシュ(BOSCH)プロセスにより行なうことができる。また、エッチング速度を速めるために、マスク材に影響しない範囲内で酸素や窒素を微量に混合することも可能である。
次に、上記のマスクブランクス44のハードマスク層41上に電子線レジストを塗布し、マスク用電子線露光装置で所定のパターンを露光し、現像して、レジストパターンを形成した後、先ずハードマスク層41をエッチングして、ハードマスクパターン45を形成するが、エッチング条件は、ハードマスク材料により異なる。次いで、レジストパターンを剥膜後、露出しているシリコン薄膜層をドライエッチングし、電子線通過孔46を設けたメンブレンマスクパターン47を形成する(図4(h))。メンブレンマスクパターン47を形成するシリコン薄膜層のドライエッチングは、高精度のトレンチエッチングが求められ、例えば、HBr系ガス等によるドライエッチングが用いられる。
次に、ハードマスクパターン45をエッチング除去し、次いで開口部42のエッチング停止層のシリコン酸化膜32を緩衝フッ酸等を用いてエッチング除去して、電子線通過孔46を有するメンブレンマスクパターン47を設けたステンシルマスク40を形成する(図4(i))。
ここで、EPLマスクとして特に好適な例として、図1に示したような構成の電子線露光用マスク10におけるシリコン薄膜層12aの厚さを1.65μm、シリコン薄膜層12bの厚さを0.35μm、シリコン酸化膜13の厚さを1.00μm、ストラット(支持体シリコン)14の厚さを725μmとした場合について説明する。
得られたマスク10のシリコンメンブレン12の深さとボロン濃度の関係は図5(a)のようになる。ここで、シリコンメンブレン12のシリコン薄膜層12a部分のボロン濃度は3.5×1019原子/cm3 であり、シリコン薄膜層12b部分のボロン濃度は、第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)31(図3)のボロン濃度で、2.7×1019原子/cm3 である。従来法である、先に2μm厚シリコンメンブレンを形成し、その後イオン注入法によりボロンをドープした場合のシリコンメンブレンの深さとボロン濃度の関係の一例を示した図5(b)に比べて、本発明によりエピタキシャル成膜工程において同時にボロンをドープする場合には、シリコンメンブレン深さ方向におけるボロン濃度の均一性が良いことが判る。
シリコン酸化膜の圧縮応力(例えば、シリコン酸化膜の膜厚が1μm厚の場合、その圧縮応力は300から400MPaである)のため、ボロンドープ量が小さい場合、シリコンメンブレンは歪んでしまう。上記好適例においては、シリコン薄膜層12aのボロンドープ量を3.5×1019原子/cm3 とし、シリコン薄膜層12bのボロン濃度と合わせてシリコンメンブレン12のボロンドープ量を加重平均で3.4×1019原子/cm3 とすることにより、シリコン酸化膜の圧縮応力による歪みを無くすことができた。
なお、EPLマスクでは、シリコンメンブレンの内部応力は引張応力でかつ10MPa以下が望ましいとされている。これは、電子線による転写パターンが貫通孔(ステンシル)であるため、引張応力が大きいと、その転写パターンが歪んでしまい、必要な形状、寸法、位置精度が確保できないからである。上記好適例では引張応力は10MPa以下であった。
(第2の実施形態)
図6およびそれに続く図7は、図2に示した本発明の実施形態の一例に関わる電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。
シリコンウェハを用意する。ウェハの大きさは適用する露光装置によって決められるが、例えば、8インチで500〜725μm厚のシリコンウェハが適用し得る。
図6(a)に示すように、第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)51の一主面上に多孔質シリコン52を形成する。多孔質シリコンは、HF水溶液中において陽極化成を行うことにより、多孔質シリコンを形成する方法が用いられる。多孔質シリコンは剥離層として用いるので、その厚さは数μm〜数10μmで十分である。その後、CVDエピタキシャル成長装置内で、水素雰囲気中、1000〜1100℃程度でベークを行ない、多孔質シリコン層の表面孔を封止する。
さらに上記の表面孔を封止した多孔質シリコン52上にボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープさせながら、シリコン薄膜層53をエピタキシャル成膜する(図6(b))。シリコン薄膜層53のエピタキシャル成膜は、水素ガスをキャリアガスとして、SiH4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 のいずれか一つのガスを用い、B2 6 ガスもしくはPH3 ガスを添加しながら、所定の温度、圧力で、例えば、温度850〜1050℃、圧力1×10-2〜760Torrの範囲で成膜する。ボロンまたはリンの濃度は1×1018原子/cm3 以上となるようにする。
次に、図6(c)に示すように、シリコン酸化膜54を形成した第二のシリコンウェハ(ベースウェハ)55上に、前記のボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープしたエピタキシャルシリコン薄膜層53を成膜した第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)51を貼り合せる。次いで多孔質層52とともに第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)51を剥離除去し、HFと過酸化水素水の混合液で表面に残留した多孔質シリコンを完全に除去し、さらに水素アニールにより表面を平坦化して、図6(d)に示すように、第二のシリコンウェハ(ベースウェハ)55上にシリコン酸化膜54を介してボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープしたシリコン薄膜層53を形成したSOI基板56を得る。
次に、上記のSOI基板56のマスクパターンを形成するシリコン薄膜層53上に、シリコンエッチング時のマスキング材としてハードマスク層61を形成する(図7(e))。マスキング材としては実施形態1に記載したものと同じ材料を、数100nmの厚さにスパッタリング等の方法で真空成膜して設ける。
次に、ハードマスク層61上に電子線レジストを塗布し、電子線露光装置で所定のパターンを露光し、現像し、露出したハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターン65を形成し、電子線レジストを除去した後、露出したシリコン薄膜層をドライエッチングして電子線通過孔66を設け、メンブレンマスクパターン67を形成する(図7(f))。メンブレンマスクパターン67のドライエッチングは前述の実施形態1と同じである。
続いて、基板の裏面側にフォトレジスト等により露光領域に開口部を形成するためのエッチングの保護膜を設け、所定の方法により基板の裏面側から、シリコン酸化膜54をエッチング停止層として、シリコンウェハ55をドライエッチングして開口部62およびストラット63を形成した後、レジストを剥離する(図7(g))。シリコンの深掘りドライエッチングは、前述の実施形態1と同じである。
次に、ハードマスクパターン65をエッチング除去し、次いで開口部62のエッチング停止層のシリコン酸化膜54を緩衝フッ酸等を用いてエッチング除去して、ステンシルマスク60を形成する(図7(h))。
(実施例1)
チョクラルスキー法による大きさ8インチ、厚さ725μmの第一の単結晶シリコンウェハを熱酸化し、表面に厚さ1μmのシリコン酸化膜を形成した。次に、イオン注入装置により水素イオンをシリコン酸化膜を介して、シリコン中に深さ0.4μmの位置に1×1017イオン/cm2 の濃度で注入し剥離層を形成した。
次に、大きさ8インチ、厚さ725μmの鏡面研磨した第二のシリコンウェハに上記の第一のシリコンウェハを水素イオン注入側を接して貼り合せ、500℃熱処理した後、剥離層とともに第一のシリコンウェハを剥離除去した。続いて、貼り合わせの結合強度を増すために、1000℃でアニールを行なった後、軽く研磨(タッチポリッシュ)し、第二のシリコンウェハ上に1μm厚のシリコン酸化膜を介して厚さ0.35μmのシリコン薄膜を有するSOI基板を形成した。
次に、市販のエピタキシャル成長装置に上記のSOI基板を設置し、温度900℃、圧力80Torrで、水素ガス(230l/min)をキャリアガスにしてSiH2 Cl2 (0.4l/min)を流しながら、B2 6 ガスを添加して、ボロン濃度が3.5×1019原子/cm3 のエピタキシャルシリコン層を1.65μm堆積した。その結果、シリコン酸化膜上のシリコン薄膜層が合せて2μmとしたマスク基板を形成した。
次に、上記のマスク基板のシリコン薄膜上に、シリコンエッチング時のマスク材としてCrをスパツタリングし、0.2μm厚のハードマスク層を形成した。
次いで、裏面の支持体シリコン上にノボラック系樹脂を用いたフォトレジストを15μmの厚さに塗布し、開口部パターンを有するフォトマスクを用いて露光し、現像して、レジストパターンを形成した。開口部パターンは、開口部の1単位が1.13×1.13mm、支持体シリコン(ストラット)となる開口部間の幅は170μmであって、開口部は複数単位が設けられたものであった。
続いて、上記のレジストパターンをもとに、ICP−RIEエッチング装置でSF6 ガスとC4 8 ガスを交互に供給するプロセスを用いて、裏面側のシリコンを725μmの深さにドライエッチングし、開口部を形成した後、レジストパターンを酸素プラズマによるアッシング処理にて除去した。
上記のマスクブランクス上に電子線レジストを塗布し、マスク用電子線露光装置で所定のパターンを露光し、現像して、260nmのライン&スペースのレジストパターンを形成した。このレジストパターンをもとに、ハードマスク層のCrをドライエッチングしてハードマスクパターンを形成した後、レジストパターンを剥膜し、次いで、Crのハードマスクパターンをもとに、露出しているシリコン薄膜層をCF4 ガスを用いてドライエッチングし、電子線通過孔を設けたマスクパターンを形成した。マスクパターンは260nmのライン&スペースであった。
次に、ハードマスク層のCrを、硝酸第2セリウムアンモニウム系エッチング液でエッチング除去し、続いて、開口部に露出したシリコン酸化膜を緩衝フッ酸(フッ酸:フッ化アンモニウム=1:10)を用いてエッチング除去して、電子線露光用マスクとしてのステンシルマスクを形成した。
本実施例のステンシルマスクは、マスク裏面の開口部が1.13×1.13mm、支持体シリコン(ストラット)は170μm幅で高さ725μm、シリコンメンブレンよりなるマスクパターンは2μm厚で260nmのライン&スペースが形成されているマスクであった。シリコンメンブレンはボロンが高濃度ドープされ低応力のマスクパターンとなっているので、パターンの位置ずれの無い高精度マスクが得られた。
(実施例2)
大きさ8インチ、厚さ725μmの第一のシリコンウェハ(ボンドウェハ)を用意し、50%のHF溶液中において、電流密度100mA/cm2 で陽極化成を施し、シリコン上に10μm厚の多孔質シリコン層を形成した。
その後、CVDエピタキシャル成長装置内で、水素雰囲気中、1000℃でベークを行ない、多孔質シリコン層の表面孔を封止し、次に、温度900℃、圧力80Torrで、水素ガス(230l/min)をキャリアガスにしてSiH2 Cl2 (0.4l/min)を流し、さらにB2 6 ガスを添加して、表面孔を封止した多孔質シリコン層の一主面上にボロン濃度が3.4×1019原子/cm3 のエピタキシャルシリコン層を2μmの厚さに堆積した。
次に、厚さ1μmの熱酸化膜を形成した大きさ8インチ、厚さ725μmの第二のシリコンウェハを、上記のエピタキシャルシリコン層を設けた第一のシリコンウェハと貼り合わせ、500℃熱処理した後、多孔質シリコン層とともに第一のシリコンウェハを剥離除去した。続いて、結合強度を増すために、1000℃でアニールを行なった後、軽く研磨し、第二のシリコンウェハ上に1μm厚のシリコン酸化膜を介して厚さ2μmのシリコン薄膜を有するSOI基板を形成した。
次に、上記のマスク基板のシリコン薄膜上に、シリコンエッチング時のマスク材としてCrをスパッタリングし、0.2μm厚のハードマスク層を形成した。
上記のハードマスク層上に電子線レジストを塗布し、マスク用電子線露光装置で所定のパターンを露光し、現像して、260nmのライン&スペースのレジストパターンを形成した。このレジストパターンをもとに、ハードマスク層のCrをドライエッチングしてハードマスクパターンを形成した後、レジストパターンを剥膜し、次いで、Crのハードマスクパターンをもとに、露出しているシリコン薄膜層をCF4 ガスを用いてドライエッチングし、電子線通過孔を設けたマスクパターンを形成した。マスクパターンは260nmのライン&スペースであった。
次に、裏面の支持体シリコン上にノボラック系樹脂を用いたフォトレジストを15μmの厚さに塗布し、開口部パターンを有するフォトマスクを用いて露光し、現像して、レジストパターンを形成した。開口部パターンは、開口部の1単位が1.13×1.13mm、支持体シリコン(ストラット)となる開口部間の幅は170μmであって、開口部は複数単位が設けられたものであった。
続いて、上記のレジストパターンをもとに、ICP−RIEエッチング装置でSF6 ガスとC4 8 ガスを交互に供給するボッシュプロセスを用いて、裏面側のシリコンを725μmの深さにドライエッチングし、開口部を形成した後、レジストパターンを酸素プラズマによるアッシング処理にて除去した。
次に、ハードマスク層のCrを、硝酸第2セリウムアンモニウム系エッチング液でエッチング除去し、続いて、開口部に露出したシリコン酸化膜を緩衝フッ酸(フッ酸:フッ化アンモニウム=1:10)を用いてエッチング除去、電子線露光用マスクとしてのステンシルマスクを形成した。
本実施例のステンシルマスクは、マスク裏面の開口部が1.13×1.13mm、支持体シリコン(ストラット)は170μm幅で高さ725μm、シリコンメンブレンよりなるマスクパターンは2μm厚で260nmのライン&スペースが形成されているマスクであった。シリコンメンブレンはボロンが高濃度ドープされ低応力のマスクパターンとなっているので、パターンの位置ずれの無い高精度マスクが得られた。
本発明の電子線露光用マスクの一実施形態を示す部分断面図である。 本発明の電子線露光用マスクの別の実施形態を示す部分断面図である。 図1に示す本発明の電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。 図3に続く本発明の電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。 本発明の図1に示す電子線露光用マスクの好適例のシリコンメンブレンの深さとボロン濃度の関係(a)と従来のイオン注入法によるマスクのシリコンメンブレンの深さとボロン濃度の関係(b)を示す図である。 図2に示す本発明の電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。 図6に続く本発明の電子線露光用マスクの製造方法を示す工程図である。 電子線露光用マスクの一例を示す図である。
符号の説明
10、20、40、60、70…電子線露光用マスク(ステンシルマスク)
12、22、47、67、72…メンブレンマスクパターン
12、12a、12b、36、38、53…シリコン薄膜層
13、23、32、54 シリコン酸化膜
14、24、43、63、73…ストラット(支持体シリコン)
41、61…ハードマスク層
42、62…開口部
31、35、51、55…シリコンウェハ
33…水素イオン注入
34…剥離層(イオン注入層)
37…SOI基板
39、56…マスク基板
44…マスクブランクス
45、65…ハードマスクパターン
46、66…電子線通過孔
52…多孔質シリコン
71…パターン領域

Claims (10)

  1. シリコン上にシリコン酸化膜とシリコン薄膜層が設けられたSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクにおいて、前記シリコン薄膜層の大部分もしくはすべてがエピタキシャル成膜されたシリコンであり、前記シリコン薄膜層がボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープ量1×1018原子/cm3 以上含むことを特徴とする荷電粒子線露光用マスク。
  2. 前記シリコン酸化膜の厚さが0.2〜1μmの範囲であり、前記シリコン薄膜層の厚さが0.5〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線露光用マスク。
  3. 前記シリコン薄膜層にボロンが平均ドープ量で6.7×1018〜1.3×1020原子/cm3 の範囲で含まれることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の荷電粒子線露光用マスク。
  4. 前記シリコン薄膜層にリンが平均ドープ量で2.0×1019〜4.3×1020原子/cm3 の範囲で含まれることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の荷電粒子線露光用マスク。
  5. 第一のシリコンウェハ上に酸化膜を形成し、該酸化膜を介してウェハ内に水素イオンを注入して剥離層を形成し、第二のシリコンウェハに第一のシリコンウェハの水素イオン注入側の酸化膜を貼り合せ、前記剥離層とともに前記第一のシリコンウェハを剥離除去し、第二のシリコンウェハ上に酸化膜を介してシリコン薄膜層を形成したSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法において、前記シリコン薄膜層上に、さらにシリコンをエピタキシャル成膜させてシリコン薄膜層を形成する工程を含むことを特徴とする荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  6. 前記シリコンのエピタキシャル成膜工程において、ボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープすることを特徴とする請求項5に記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  7. 第一のシリコンウェハ上に多孔質シリコンを形成し、該多孔質シリコン上にシリコンをエピタキシャル成膜させ、該エピタキシャル成膜したシリコン面に、酸化膜を形成した第二のシリコンウェハの前記酸化膜を貼り合せ、前記多孔質シリコンとともに前記第一のシリコンウェハを剥離除去し、第二のシリコンウェハ上に酸化膜を介してシリコン薄膜層を有するSOI基板を用いた荷電粒子線露光用マスクの製造方法において、前記シリコンをエピタキシャル成膜させる時に、前記シリコンにボロンまたはリンのいずれか一方または双方をドープさせたことを特徴とする荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  8. 前記ドープがボロンまたはリンのいずれか一方または双方を主体とするガスでドープするものであり、ドープ量が1×1018原子/cm3 以上であることを特徴とする請求項6もしくは7に記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  9. 前記ドープがボロンを主体とするガスでドープするものであり、平均ドープ量が6.7×1018〜1.3×1020原子/cm3 の範囲であることを特徴とする請求項8記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
  10. 前記ドープがリンを主体とするガスでドープするものであり、平均ドープ量が2.0×1019〜4.3×1020原子/cm3 の範囲であることを特徴とする請求項8記載の荷電粒子線露光用マスクの製造方法。
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