以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明のシーラント巻取10の斜視図であり、図2(a)はキャスト法で製膜して巻き取ったシーラント11のA−A’面の側断面図であり、図2(b)はインフレーション製膜機で樹脂をチューブ状に押し出し、押し出したチューブ状シーラント内にクリーンエアを吹き込み、チューブ状シーラントの両端を製造ラインで耳切りをせず、帯状で巻き取ったシーラント12のA−A’面の側断面図である。
前記シーラントは、共押し出し構成とすることも好ましく行われる。つまり、要求されるシーラントの厚みに応じて、2層以上の共押し出し構成とすることも可能である。例えば、シーラントの厚みとして90μmが要求される場合、加工方法によって単層で90μmの厚みが得られない場合がある。そのようなときには、45μm、45μmの2層共押し出し構成としてもよいし、30μm、30μm、30μmの3層共押し出し構成としてもよい。共押し出し構成の場合に用いる樹脂は、必ずしも同じ樹脂ではなくてもよいが、十分な層間強度が得られるような樹脂を選択する必要がある。
通常、シーラントの厚みは10〜200μm程度であるが、シーラントが厚いと後述する総アウトガス量が増加するため、シーラントの総厚みは120μm以下が好ましい。
前記シーラント11、12に用いる樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどの単独重合体や、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテンなどのオレフィンから選ばれる2つ以上のモノマーの共重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体等が挙げられ、これら2つ以上の混合物を用いることも可能であり、また、ある種の官能基を導入したグラフトポリマー、例えば無水マレイン酸グラフトポリプロピレンのような樹脂、エチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体を主骨格とするエチレン系共重合体を用いることも可能であるが、クリーン性の面からはメルトインデックス(MI)=0.1〜20(g/10分・190℃)で、かつ酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等の添加物を含まないLDPEが最適である。LDPEのメルトインデックス(MI)が0.1〜20(g/10分・190℃)が好ましいとするのは、メルトインデックス(MI)の低い樹脂を用いたほうが、低分子量成分が少ないため成形時の熱安定性に優れ、クリーン性が高い積層材料が得られるためである。
図3(a)は、シーラント11の片面に接着剤層を介して蒸着フィルム層を積層した積層体の断面図であり、シーラント11、接着剤層13、蒸着フィルム層15が順次積層されている。また図3(b)は、シーラント12の両面に接着剤層を介して蒸着フィルム層、ナイロン層を積層した積層体の断面図であり、シーラント12、接着剤層13、蒸着フィルム層15、接着剤層17、ナイロン層18が順次積層されている。また図3(c)は、シーラント11の片面に接着剤層を介して蒸着フィルム層、ナイロン層を積層した積層体の断面図であり、シーラント11、接着剤層13、蒸着フィルム層16、接着剤層17、ナイロン層18が順次積層されている。蒸着フィルム層、シーラント層以外に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム(EVOHフィルム)等からなるフィルム層が、突き刺し強度等の機械的強度を補うためなど目的に合わせて適宜選択される。
前記蒸着フィルム層15、16あるいはナイロン層18の積層方法としては、接着剤層13及び17を介して公知のドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法などで積層可能である。前記接着剤層13、17に用いる接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、及びそれらを主体とした混合物などが一般的に用いられるが、Sn化合物及びSi化合物を含有せず、溶出成分の少ない接着剤が好ましく、かつ塗布量は必要最低限とすることが好ましい。接着性樹脂を用いることも可能である。また、何らかの表面改質によりダイレクトラミネーション、あるいはサンドラミネーションをすることも好ましく行われる。また、ラミネートする面の活性を上げるために、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理をすることも可能である。
サンドラミネーションに用いるラミネーション用樹脂としては、エチレンアクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、エチレンアクリレート共重合体、メタアクリレート共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、変性マレイン酸共重合体などが用いられる。接着剤をアンカーコートしてもよいが、クリーン性の面からアンカーコートをせず、酸成分等の分解が少ないポリエチレンを用いるサンドラミネーションをする方法がより好ましい。
図3(a)、(b)の蒸着フィルム層15は、蒸着フィルム基材層14上に、蒸着薄膜層(A層)と、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤よりなる被膜層(B層)とが順次積層された蒸着フィルムである。図3(c)の蒸着フィルム層16は、蒸着フィルム基材層14上に蒸着薄膜層(A層)と、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤よりなる被膜層(B層)と、更に蒸着薄膜層(C層)と、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤よりなる被膜層(D層)とが順次積層されている蒸着フィルムである。図3(a)、(b)の蒸着フィルム層15と比較して、図3(c)の蒸着フィルム層16ではより高いガスバリア性を付与することが可能である。どちらの蒸着フィルムを用いる場合も、ナイロンフィルム等の他のフィルム層を設ける場合には、蒸着薄膜層上に他のフィルム層を設けることが好ましい。
前記蒸着フィルム基材層14はプラスチック材料であり、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)、ポリエチレンフィルム、EVOHフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどが選択され、延伸、未延伸のどちらを用いることも可能であるが、耐熱性の面から二軸延伸PETフィルムが特に好ましく用いられる。薄膜層あるいは他のフィルムを接着させる面にコロナ処理、低温プラズマ処理等を施すことでより良好な接着強度が得られる。
前記蒸着フィルム基材層14の厚さは特に制限を受けるものではないが、蒸着薄膜層(A層およびC層)、被膜層(B層およびD層)を形成する場合の加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることがより好ましい。
また、量産性を考慮すると、連続的に前記各層を形成することができるように、長尺状の連続フィルムを用いることが好ましい。
前記蒸着薄膜層(A層およびC層)の薄膜形成材料としては、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、錫、チタン、亜鉛、ジルコニウム、カルシウム、ニッケル等から選択される金属、またはこれら金属の酸化物、窒化物、フッ化物のうちのいずれか1種、あるいは2種以上の混合物が挙げられる。透明性を考慮する場合には、無機化合物を用いることが好ましく、特に酸化アルミニウム、酸化ケイ素は蒸着膜単体での水蒸気、酸素等のガスバリア性に優れ、さらに高い透明性を有するために内容物の認識が可能となる点でより好ましい。
また、蒸着薄膜層A層およびC層に用いる薄膜形成材料は、それぞれ同じ材料でも異なる材料でも特に制限はなく、要求されるガスバリア性に応じてその組合せは特に限定されない。
蒸着薄膜層を形成する方法として種々存在するが、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などの薄膜形成方法を用いることが可能である。特に真空蒸着法は生産効率の点から特に優れている。真空蒸着法の加熱手段としては、電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。また、蒸着薄膜層と基材の密着性および蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着の際に、酸素ガス等を吹き込む反応蒸着を行ってもよい。
蒸着薄膜層の厚みは、用いられる蒸着材料の種類等により最低条件が異なるが、1〜300nmの範囲であることが望ましい。より好ましくは5〜100nmの範囲にあることが望ましい。蒸着薄膜層の厚みが1nm未満であると、基材の全面に製膜できないおそれがある。また、蒸着薄膜層の厚みが300nmを超える場合には薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により薄膜に亀裂を生じさせるおそれがあるために好ましくない。
次いで、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤よりなる被膜層(B層およびD層)について説明する。本発明において、被膜層は少なくとも水溶性高分子を含む必要がある。このような水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性を示すものであれば特に限定されることはない。これらの中で、PVAを用いた場合は特にガスバリア性に優れる。ここでのPVAは、酢酸基が数十%残存している部分ケン化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAまで、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものであれば特に限定されるものではない。これを蒸着薄膜層上にコーティングした後、加熱乾燥することで被膜層が形成される。
更に、被膜層(B層およびD層)が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド、または/および、その加水分解物、または(b)塩化錫、の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水とアルコールとの混合溶液とを主剤とするコーティング剤からなる層であることが好ましい。例えば、水溶性高分子と塩化錫とを水系(水、あるいは水とアルコールとの混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解するなどの処理を施したものを混合した溶液を調製する。ここで用いられる水溶性高分子は前述したものを使用することが可能である。
前記コーティング剤に使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよい。また、これらの塩化錫は無水物であっても、水和物であってもよい。
また、前記金属アルコキシドとは、一般式M(OR)n(M:Si、Ti、Zr等の金属、R:CH3、C2H5等のアルキル基、n:自然数)で表される化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン[Si(OC2H5)4]、トリイソポロポキシアルミニウム[Al(O−2’−C3H7)3]などが挙げられ、なかでもテトラエトキシシランは、加水分解後、水系の溶媒中において安定であるためより好ましい。
前記コーティング剤の塗布方法としては、グラビア印刷法、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法等の公知の手法を用いることができる。
被膜層(B層およびD層)の厚みは、乾燥後で100〜5000nmが好ましく、特に厚みが均一であり、200〜600nmの厚みであることがより好ましい。100nm未満の場合には塗膜の厚みが均一にならないおそれがあり、また、5000nmを超える場合にはクラックを生じ易くなる。
本発明のクリーンフィルムについて、定量的に規定したアウトイオン量、溶出Sn量、溶出Si量、フィルム表面のパーティクル(微粒子)数、アウトガスについて説明を加える。
アウトイオン量および溶出Sn量の抽出は同一条件で行う。抽出は、前記クリーンフィルムの内容物に接する面を22±3℃の雰囲気下において、1cm2当たり0.3mlの超純水で10分間行う。
抽出液中のイオン濃度をイオンクロマトグラフ(IC)で測定した際の、塩素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンの5種のアウトイオン量が各0.20ng/cm2以下であり、さらに、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンの9種のアウトイオン量が各0.20ng/cm2以下であることが、クリーンフィルムにおいて要求される。また、抽出液中のSn濃度を結合誘導プラズマ質量分析計(ICP−MS)で測定した結果、0.5pg/cm2以下であることが要求される。
溶出Si量の抽出は、前記クリーンフィルムの内容物に接する面を22±3℃の雰囲気下において、1cm2当たり0.1mlの超純水で抽出を行う。抽出液中のSi量を測定する方法としては原子吸光分光光度分析計(AAS)、特にフレームレスAASが用いられる。クリーンフィルムにおいて、抽出液中のSi濃度は、0.5ng/cm2以下であることが要求される。
フィルム表面のパーティクルの抽出は、前記クリーンフィルムの内容物に接する面を1cm2当たり0.1mlの超純水で行う。抽出液中のパーティクル数の測定は、液中パーティクルカウンター(LPC)を用いて測定を行う。その結果、粒径1μm以上のパーティクル数が1個/cm2以下、粒径0.3μm以上のパーティクル数が125個/cm2以下であることが、クリーンフィルムにおいて好ましい。
アウトガスは、前記クリーンフィルムを一定面積サンプリングし、パージアンドトラップ(P&T)装置で80℃、10分間加熱した後、ガスクロマトグラフ−質量計(GC−MS)にて測定する。総アウトガス量がヘキサデカン換算で1500ng/cm2未満であることが好ましい。また、環状シロキサン合計量がシロキサン六量体換算で2.5ng/cm2未満であることが好ましい。
前記クリーンフィルムのクリーン度を評価する際には、抽出作業や測定時にコンタミネーションが生じないように細心の注意を払う必要があり、パーティクルを高性能フィルター等で除去した高清浄環境のクリーンルーム内で作業を行うことが好ましい。米国規格において、粒径0.5μm以上のパーティクル数が1立方フィート中に100個以下の清浄度をクラス100、10000個以下の清浄度をクラス10000と呼ぶ。クリーンフィルムからのアウトイオン、溶出Sn量、溶出Si量を評価する際には、クラス100以下のクリーンルームであることが好ましい。また、抽出中に環境からイオンを取り込むことがないように、クリーンルーム環境のイオンが少ないことが重要であるため、ケミカルフィルターを有するクリーンルーム内で作業を行うことが好ましい。
クリーンフィルムからのアウトイオン、溶出Sn量、溶出Si量を評価する際には、クラス100以下のクリーンルームであることが好ましい。また、抽出中に環境からイオンを取り込むことがないように、クリーンルーム環境のイオンが少ないことが重要であるため、ケミカルフィルターを有するクリーンルーム内で作業を行うことが好ましい。また、抽出に用いる超純水は、比抵抗18mΩ・cm以上で、イオンやSn、Siレベルが低いことが望まれ、より好ましくは検出限界以下であることが望ましい。
また、クリーンフィルムの内面に付着するパーティクル数を評価する際には、抽出に用いる超純水のパーティクルレベルが低いことが望まれる。少なくとも、超純水に含まれる粒径0.3μm以上のパーティクル数が2個/ml以下であること、さらに好ましくは0個/mlであることが望まれる。また、環境中の浮遊パーティクルを取り込むことがないよう、クラス1000以下のクリーンルーム内で作業を行うことが好ましい。
以下に、アウトイオン、溶出Sn量、溶出Si量、アウトガス測定について、抽出から測定までの手順を示す。
第一に、梱包されたクリーンフィルムをコンタミネーション防ぐために測定直前に開封する。フィルムが袋状でない場合には、コンタミネーションを防ぐためにインパルスシールあるいはヒートシールを行い袋状にする。サンプル量が少ない等の理由から三方袋状にできないフィルムを評価する場合には、フィルムを一定面積サンプリングし、容器からの溶出が少ないポリプロピレン容器やテフロン(登録商標)容器等にフィルムを入れて、フィルム表面積当たり0.3mlの超純水でフィルム両面から抽出を行ってもよい。製袋品については、クリーン度評価時のコンタミネーションを避けるために、一定面積をサンプリングすることなく、その状態のまま評価することが好ましい。
本発明のクリーンフィルムにおいては、袋サイズの異なるサンプルであっても、サンプル表面積当たりの超純水量を合わせることで、クリーン度測定結果の比較が可能である。
まず、包装袋中に、袋内表面積1cm2当たり0.3mlの超純水を静かに入れ、開口部を三つ折りにしてクリップ止めする。シールする場合には、測定時開口部を開く際のコンタミネーションがないように注意を払う必要がある。袋内面全体に超純水が接していればよく、袋内表面積1cm2当たりに必要な超純水の量は測定の条件に応じて適宜変えることが可能である。
平袋の場合、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。次に、包装袋の面を変えて、同様の作業を行った後、周囲からイオン取り込むことがない環境、好ましくはケミカルフィルター付きのドラフト内で、包装袋を片面につき5分、計10分間放置する。
ガゼット袋の場合は、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。次に、折り込み部分を下にして、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。この作業を4面全てについて行う。その後、包装袋を周囲からイオン取り込むことがない環境、好ましくはケミカルフィルター付きのドラフト内で片面につき5分、計10分間放置する。
国際ディスクドライブ協会(IDEMA)STANDARDSのDocument No.M13−99 Measurement of Extractable/Leachable Cation Comtamination Levels on Drive Components by Ion Chromatography、M22−99 Measurement of Extractable/Leachable Anion Comtamination Levels on Drive Components by Ion Chromatographyでは、常温抽出の場合、部品を容器に入れ、メカニカルシェイカーで10分間振とうする規定になっているが、包装袋をシェイカーで振とうすることは困難であり、包装袋をカットして容器に入れて抽出するのでは包装袋内面のパーティクルだけでなく、外面のパーティクルも抽出してしまうため、本発明のクリーンフィルムにおいては上記のような抽出方法とした。
次に、IC測定あるいはICP−MS測定を行う。溶出Snに関しては長時間放置するとSnが沈降するため、抽出後、すぐにICP−MS測定を行う。包装袋にサンプリングチューブを入れるか、超純水を入れたときのアウトイオンが検出限界以下である容器に抽出液を移してもよい。後者の場合には、包装袋外面からの汚染を避けるため、注ぎ出しの抽出液を数ml捨ててから、容器に移す。溶出Sn量測定の場合には加熱抽出も好ましく行われ、クリーンルーム内のクリーンオーブンで80℃、30分加熱し、22±3℃の室温で30分放置してから、ICP−MS測定を行う。
IC測定における対象イオンは、カチオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アニオンとして塩素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンである。IC装置、カラム等は前記IDEMA STANDARDSのDocument No.M13−99、M22−99に準拠する。IC装置としては、DIONEX社のDX−500(サプレッサー方式)あるいは同等レベルの装置が好ましく、上記イオンを効率良く分離、検出するため、カチオンの分離カラムはDIONEX製のCS12A(基材:エチレンビニルベンゼン−ジビニルベンゼン、交換基:カルボン酸/スルホン酸)、溶離液は20mMメタンスルホン酸、アニオンの分離カラムはDIONEX製のAS4A−SC(基材:エチレンビニルベンゼン−ジビニルベンゼン、交換基:4級アルカノールアミン)、溶離液は1.8mM Na2CO3と1.7mM NaHCO3の混合溶液が好ましく用いられる。
サンプル導入については、検出感度の面から、ループではなく濃縮装置(カラム)使用が好ましく、濃縮量は2〜10mlが適する。
サンプル測定前に、ブランク測定として抽出に用いた超純水中のイオン量を測定することが必ず行われる。検量線は、ブランク以外に3点を通る直線で、相関係数0.99以上であることが好ましい。
ICP−MS装置としては、通常、四重極型の質量分析計を用いて、Snの質量数120を指定して測定を行う。検量線は、超純水ブランク以外に2点以上を通る直線で、相関係数0.99以上であることが好ましい。通常、分析では10σを定量下限、3σを検出限界とするが、本発明のクリーンフィルムの分析においても3σを検出限界とすることが行われる。各イオンの検出限界は0.05ng/cm2以下、Snの検出限界は0.5pg/cm2未満であることが好ましい。
前記測定で得られた数値から、包材1cm2当たりのアウトイオン量、溶出Sn量を計算する式を以下に示す。
包材1cm2当たりのアウトイオン量(ng/cm2)=[包装袋のアウトイオン量(ppb)−抽出に用いた超純水のイオン量(ppb)×抽出液量(ml)]/超純水抽出した包装袋の表面積(cm2)
包材1cm2当たりのSn量(pg/cm2)=[包装袋の溶出Sn量(ppt)×抽出液量(ml)]/超純水抽出した包装袋の表面積(cm2)
さらに、本発明のクリーンフィルムの溶出Siについて、抽出から測定までの手順を示す。
第一に、梱包されたクリーンフィルムをコンタミネーション防ぐために測定直前に開封する。フィルムが袋状でない場合には、コンタミネーションを防ぐためにインパルスシールあるいはヒートシールを行い袋状にする。まず、包装袋中に、袋内表面積1cm2当たり0.1mlの超純水を静かに入れ、開口部を三つ折りにしてクリップ止めする。シールする場合には、測定時開口部を開く際のコンタミネーションがないように注意を払う必要がある。袋内面全体に超純水が接していればよく、袋内表面積1cm2当たりに必要な超純水の量は測定の条件に応じて適宜変えることが可能である。
平袋の場合、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。次に、包装袋の面を変えて、同様の作業を行った後、周囲からイオン取り込むことがない環境、好ましくはケミカルフィルター付きのドラフト内で、包装袋を片面につき5分、計10分間放置する。
ガゼット袋の場合は、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。次に、折り込み部分を下にして、包装袋中の超純水が袋の内面全部に行き渡るように、包装袋を横にして1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。この作業を4面全てについて行う。その後、包装袋を周囲からイオン取り込むことがない環境、好ましくはケミカルフィルター付きのドラフト内で片面につき5分、計10分間放置する。
次にAAS測定を行う。
溶出Si量測定の場合には、加熱抽出も好ましく行われ、クリーンルーム内のクリーンオーブンで80℃、30分加熱し、22±3℃の室温で30分間放置してから、AAS測定を行う。AAS装置としては、通常、フレームレスタイプが用いられ、Siの測定波長は251.6nm、一般的な加熱条件プログラムで測定する。検量線は、ブランク以外に3点以上および原点を通る直線で、相関係数0.99以上であることが好ましい。Siの定量下限(10σ)は0.5ng/cm2未満であることが好ましい。
前記測定で得られた数値から、包材1cm2当たりの溶出Si量を計算する式を以下に示す。
包材1cm2当たりの溶出Si量(pg/cm2)=[包装袋の溶出Si量(ppb)×抽出液量(ml)]/超純水抽出した包装袋の表面積(cm2)
次に、本発明のクリーンフィルムの内表面に付着したパーティクルについて、抽出から測定までの手順を示す。
本発明のクリーンフィルムにおけるパーティクルの評価手法としては、もっとも一般的である光散乱検出器を有するLPCを用いる。該LPCは1μm未満のパーティクルも測定可能であるという特徴があるが、ハンドリングの際に発生する気泡とパーティクルを区別することができない。IDEMA STANDARDSのDocument No.M9−98 PARTICULATE CONTAMINATION TEST METHODS FOR HARD DISK DRIVE COMPONENTSでは、ハードディスクドライブの部品のパーティクルを、超音波またはシェイカーで抽出すると規定されているが、超音波が包装袋材料に及ぼす影響が明らかになっていないため、包装袋材料自体を破壊してパーティクルを発生させる可能性があること、シェイカーによる振とうは包装袋からのパーティクル脱離を促進するどころか気泡を発生させるおそれがあることにより、本発明では気泡の発生を最低限に抑える抽出手順とした。
以下に、抽出からLPC測定までの手順を示す。
第一に、梱包されたクリーンフィルムあるいは包装袋をコンタミネーション防ぐために測定直前に開封する。フィルムが巻取りあるいは枚葉である場合には、コンタミネーションを防ぐためにインパルスシールあるいはヒートシールを行い、三方袋状にすることが好ましく行われる。
平袋の場合、図4に示すようなボックスに包装袋を入れ、包材1cm2当たり0.3mlの超純水を気泡が発生しないように静かに入れ、開口部を三つ折りしてクリップ止めする。袋内面全体に超純水が接していればよく、袋内表面積1cm2当たりに必要な超純水の量は測定の条件に応じて適宜変えることが可能である。次に、包装袋をボックスごと横にして、1回転当たり約6秒の速度で、中に入れた超純水が包材内面を洗うように、ゆっくりと5回転させる。包材の面を変えて、同様の作業を行った後、環境からパーティクルを取り込まない環境下でボックスに入れた包装袋を立たせたまま、LPC装置のサンプリング位置で15分間静置する。
ガゼット袋の場合には、包材1cm2当たり0.3mlの超純水を気泡が発生しないように静かに入れ、開口部を三つ折してクリップ止めする。包装袋を横にして、中の超純水を袋内面全体に行き渡るように、1回転当たり約6秒の速度でゆっくりと5回転させる。
次に折り込み部分を下にして、同様の作業を4面全てについて行った後、環境からパーティクルを取り込まない環境下でボックスに入れた包装袋を立たせたまま、LPC装置のサンプリング位置で15分間静置する。
次に、LPC測定を行う。
包装袋にLPCのサンプリングチューブを入れてサンプリングを行う。包装袋の抽出液を他の容器に移すことは、ハンドリングによる気泡が発生して精度の高い結果が得られなくなるので、好ましいとはいい難い。LPCへのサンプリング量は10mlが好ましく、サンプリングの1回目をLPC装置内のフラッシングとして、その後3回以上測定を行い、それらの平均値を取ることが好ましい。
超純水のみの測定(ブランク測定)は、1サンプル測定する毎に必ず行い、装置内にパーティクルが残留してないことを確認する。
測定対象のパーティクル径は1μm以上であり、IPC装置に1μmと2μmの2チャンネルが存在する場合には、その合計をパーティクル数とする。
LPC装置としては、リオン製やPMS社製等の装置が用いられ、リオン製LPCの標準的な装置組み合わせ例としては、センサーはKS−58、カウンターはKX−47、サンプラーはKZ−30Wが挙げられる。サンプル吸引量は10ml。サンプル吸引速度は10ml/分が好ましい。
LPC測定で得られた数値から、包装袋1cm2当たりのパーティクル量を計算する式を以下に示す。
包装袋1cm2当たりのパーティクル量(個/cm2)=[(包装袋のパーティクル量(個/ml)−抽出に用いた超純水のパーティクル量(個/ml))×抽出液量(ml)]/超純水抽出した包装袋の表面積(cm2)
有機系アウトガス量を測定する方法としてはP&G GC−MSが好ましく用いられる。総アウトガス量はP&G GC−MSで測定したとき、トータルイオンクロマトグラム(TIC)からベースライン上昇分を除いたピーク面積をマニュアル積分し、そのピーク面積合計値をヘキサデカン換算にして定量することが好ましい。ヘキサデカン検量線よりクリーンフィルム1cm2当たりに換算したとき、総アウトガス量が1500ng/cm2であることが好ましい。
環状シロキサン量はP&G GC−MSで測定したとき、TICにおいて環状シロキサン三量体から環状シロキサン八量体までのピーク面積をマニュアル積分で計算しその合計値を求め、シロキサン六量体換算にして定量することが好ましい。炭化水素ピークが大きく、環状シロキサンピークの確認が困難である場合には、質量電荷比m/z=207(環状シロキサン三量体)、281(環状シロキサン四量体、環状シロキサン七量体)、341(環状シロキサン五量体、環状シロキサン八量体)、355(環状シロキサン六量体)を指標として確認することが好ましい。シロキサン六量体より検量線を作成し、環状シロキサン合計値が2.5ng/cm2未満であることが好ましい。
サンプリングはクリーンフィルムをP&G用のガラスチューブに収まる大きさに断裁することが好ましい。その際、重量を小数点以下4位mgまで測定することが好ましい。サンプリングの際にはコンタミネーションを防ぐために注意を払う必要がある。まず、PE手袋またはGC−MS用手袋を着用することが好ましい。次にカッティングマット上にサンプリングするクリーンフィルムと同構成のものを載せる。その上にサンプリングするフィルムを4つ折りにして載せる。枚葉の場合には3枚以上重ねる。さらに、専用ジグを用い、カッターでサンプリングすることが好ましい。ジグおよび下敷きフィルムと接触しているサンプルは廃棄し、内側のサンプルのみ清浄なピンセットで取り出すことが好ましい。上記の作業はクリーンルーム内で実施することが好ましい。
P&T GC−MS測定の際に、使用するガラスチューブからコンタミネーションを生じないように、清浄なガラスチューブを使うことが好ましい。清浄化の方法としては、アセトンを入れたビーカー内にガラスチューブを入れ、超音波洗浄を30分以上行う。次に、ガラスチューブを電気炉で500℃、3時間加熱する。さらに、ガラスチューブに石英ウールを詰め、電気炉で350℃、24時間加熱した後、ガラスチューブ両端にサンプルチューブキャップをする。さらに、アルミホイルでガラスチューブを1本ずつ包むことが好ましい。
総アウトガス量について以下に記述する。総アウトガス量はヘキサデカン換算であるから、ヘキサデカン標準液を調整し、検量線を作成する必要がある。まず、ヘキサデカン50ng/μl程度のメタノール溶液を調整する。この際、ヘキサデカンの正確な重量を測定することが必要である。
ヘキサデカン標準液は例えばTENAX TA100mgを充填したガラスチューブ(TENAXチューブとする)を用いて、P&G GC−MS測定をすることが好ましく行われる。充填剤としては他にTENAX GR、Carbotrap等が使用可能である。コンディショニングを行ったTENAXチューブにヘキサデカン標準液をゼロデッドポリュームシリンジを用いて1μl取り、TENAXチューブのGC−MS測定時にGC注入口に近い端からTENAX中に打ち込み、Heガスによるパージを流量30ml/分以上で3分間以上行うことが好ましい。次に、P&T装置にセットし、GC−MS測定を行う。検量線は横軸にヘキサデカン重量、縦軸にピーク面積を取って作成する。精度向上のために、多点検量線を作成することが好ましい。
ヘキサデカン検量線より得られた総アウトガス量はクリーンフィルム1cm2当たりの量に換算する。
クリーンフィルム1cm2当たりのアウトガス量(ng/cm2)=測定したサンプルのアウトガス量(ng)/サンプルの面積(cm2)
P&T GC−MS測定におけるコンタミネーション把握のため、サンプル測定の前にはガラスチューブのみのブランク測定を行うことが好ましく、TENAXチューブの時も標準液を打ち込む前にブランク測定を行うことが好ましい。ブランクの測定値が環状シロキサンで0.5ng/cm2未満であることが好ましい。
実験室環境からのコンタミネーションがある場合には、サンプル、あるいは標準液測定の前にプレ測定を行うことが好ましい。プレ測定は以下の手順で行う。P&T GC−MSで一度プレ測定をした後、P&T装置内を大気開放せずに同一チューブで本測定を行う。プレ測定の場合、P&Tの加熱脱着温度条件はサンプル、標準液で30℃、10分間のように設定可能な最低温度でよい。
P&Tの加熱脱着温度条件はサンプル本測定の場合は80℃、10分間、標準液の場合には250℃、10分間であることが好ましい。コールドトラップ温度は−135℃以下であることが好ましい。また、サンプルのアウトガスをTENAX等の充填剤やポリジメチルシロキサンをコーティングしたガラスキューブに吸着させた後に、P&T GC−MS内で脱着させてもよい。
GC−MSの温度条件はサンプル測定の場合は、初期温度40℃、5分間保持、昇温速度5℃/分、最低温度300℃、5分間保持とすることが好ましい。また、標準的なGC−MS測定条件としては、イオン化法は電子衝撃(EI)法、イオン化電圧は70eV、イオン源温度は230℃、四重極温度は150℃、マスレンジは45〜550であり、SCAN測定が好ましく、データ取り込みを細かく行うことがより好ましい。カラムは5%Phenyl、95%Poly Dimethyl Siloxane、長さ30m×直径0.25mmid×液相の厚み0.25μmのカラムが好ましく用いられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
蒸着フィルム基材として、厚み12μmの二軸延伸PETフィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して蒸着薄膜層(A層)を形成した。次いで、下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃、1分間乾燥させ、厚さ400nmの被膜層(B層)を形成した。更に、被膜層B層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ8nmの酸化アルミニウムを蒸着して蒸着薄膜層(C層)を形成した。
蒸着薄膜層C層上に、ドライラミネーション加工によりポリエステルウレタン系接着剤(Sn、シランカップリング剤フリー)を介して、ナイロンフィルム(厚さ25nm)をラミネートし、多層フィルムを得た。
インフレーション法により、無添加LDPE樹脂(MI=0.8)からなる厚さ90μmのチューブ状フィルムを得た。得られたチューブ状フィルムをライン上で折り込み、耳切りをせず、内面層が密着した帯状のシーラントを得た。該シーラントの外表面に、多層フィルムのナイロンフィルム面をドライラミネーション加工により貼り合わせた。その後、天地41cm×左右42cmの三方シールの袋に貼り合わせ、実施例4の包装袋を得た。なお、ドライラミネーション加工および製袋加工は、クラス10000以下のクリーン環境下で行った。
<比較例1>
無添加LDPE樹脂(MI=2.0)を原料とし、キャスト法によりフィルム(厚み80μm)を得た後、ドライラミネーション加工を用いて、得られた積層体にナイロンフィルム(25μm)、接着剤層、該LDPEフィルム層の順に積層した。その後、天地41cm×左右42cmの三方シールの袋に貼り合わせ、比較例1の包装袋を得た。なお、押出成形および製袋加工は、一般環境下で行った。
<比較例2>
インフレーション法により、外面からナイロンフィルム(25μm)、接着剤層、シングルサイト系LLDPE樹脂(MI=2.5)(80μm)の順に積層されてなるチューブ状フィルムを得た。得られたチューブ状のフィルムをライン上で折り込み、耳切りをせず、内面層が密着した帯状のシーラントを得た。その後、天地41cm×左右42cmの三方シールの袋に貼り合わせ、比較例2の包装袋を得た。なお、押出成形および製袋加工は、クラス10000以下のクリーン環境下で行った。
<比較例3>
市販品であるシリコンウエハー用ガゼットバッグを比較例3とした。比較例3は、外面からONy層(厚み15μm、Ny:ナイロン)、接着剤層、Al箔層(厚み12μm)、接着剤層、LDPEシーラント層(厚み60μm)がこの順に順次積層してなり、サイズは天地91cm×左右42cm×折り込み寸法39/2cmである。
<比較例4>
市販品であるシリコンウエハー用ガゼットバッグを比較例4とした。比較例4は、外面から酸化ケイ素蒸着PET層(厚み12μm)、接着剤層、ONy層(厚み15μm)、接着剤層、LDPEシーラント層(厚み60μm)がこの順に順次積層してなり、サイズは天地60cm×左右28cm×折り込み寸法26/2cmである。
実施例1〜5、および比較例1〜4の包装袋について、クラス100以下のクリーンルームにおいて、、包材のシーラント面(内容物側の面)を包材1cm2当たり0.3mlの超純水で10分間(片面につき5分間)、ケミカルフィルター付きドラフト内で抽出し、抽出液中の塩素イオン、亜硝酸イオン、臭素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオンのイオン濃度をIC測定した。その結果を表1に示す。
また、IC同様の抽出法で、抽出液中のSn濃度をICP−MS測定した。Snの質量数120を指定し、検量線はブランク、および0.1、0.5、1.0ppbを通る直線とし、検出限界(3σ)以下をN.D.とした。
次に、包材のシーラント面(内容物側の面)を包材1cm2当たり0.1mlの超純水で10分間(片面につき5分間)抽出し、抽出液中のSi濃度をAAS測定した。Siの波長は251.6nmを指定し、検量線は10、20、50、100ppb標準液で作成し、原点を通らない直線とし、定量下限(10σ)以下をN.D.とした。溶出Sn、Siの結果を表2に示す。
次に、クラス1000以下のクリーンルームにおいて、包装袋をボックスに入れ、シーラント面(内容物側の面)を包材1cm2当たり0.3mlの超純水で15分間抽出し、抽出液中の1μm以上のパーティクル数をLPC測定した。その結果を表3に示す。
次に、実施例1〜6および比較例1〜4の包装袋についてP&G GC−MS測定用のガラスチューブに収まるよう一定の大きさに裁断し、重量を小数点以下4位mgまで測定した。ガラスチューブは清浄化したものを用いた。最初にガラスチューブのみのブランク測定を行った。GC−MS測定条件としては、イオン化法はEI、イオン化電圧は70eV、イオン源温度は230℃、四重極温度は150℃、マスレンジは45〜550であり、SCAN測定で行った。使用カラムは5%Phenyl、95%Poly Dimethyl Sioxane、長さ30m×直径0.25mmid×液相厚み0.25μmのものを用いた。GC−MS温度条件は初期温度40℃、5分間保持、昇温速度5℃/分、最高温度300℃、5分間保持とした。P&T加熱脱着温度条件は80℃、10分、コールドトラップ温度は−150℃とした。ブランクの測定値が環状シロキサンにおいて0.5ng/cm2未満であることを確認した後、同一チューブにサンプルを入れ、サンプル測定を行った。GC−MS測定条件は上記のブランク測定と同様にした。
総アウトガスに関しては、得られたTICのベースライン上昇分を除いた部分のピーク面積をマニュアル積分し、ピーク面積合計値を求めた。環状シロキサンに関しては、TIC上において、環状シロキサン三量体〜環状シロキサン八量体までのピーク面積をマニュアル積分で計算してその合計値を求めた。
次に検量線作成のため、標準物質を測定した。総アウトガスに関してはヘキサデカン50ng/μlのメタノール溶液、環状シロキサンに関してはシロキサン六量体50ng/μlのメタノール溶液を調整した。まず、コンディショニングを行ったTENAXチューブのブランク測定を行った。P&Tの加熱脱着温度条件は250℃、10分、コールドトラップ温度は−150℃とした。GC−MS測定測定条件は上記の測定と同様とした。各標準液をゼロデッドポリュームシリンジに1μl取り、ブランク測定をした同一TENAXチューブのGC注入口に近い側からTENAX中に打ち込み、Heガスで30ml/分、3分間パージした後、P&T装置に取り付けGC−MS測定を行った。P&Tの加熱脱着温度条件は250℃、10分、コールドトラップ温度は−150℃とした。GC−MS測定条件は上記のブランク測定と同様とした。
検量線は横軸にヘキサデカン重量またはシロキサン六量体重量、縦軸にピーク面積を取って作成した。ヘキサデカン検量線を用いて、総アウトガスのピーク面積合計値から総アウトガス量(ng)を求め、シロキサン六量体検量線を用いてサンプルより測定した環状シロキサンのピーク面積合計値から環状シロキサン量(ng)を算出し、包材1cm2当たりに換算して環状シロキサン量(ng/cm2)を求めた。その結果を表2に併せて示す。
表1〜3の結果より、実施例1〜5の包装袋は、袋の内面から溶出されたアウトイオン量は検出限界以下であり、かつ、袋の内面から溶出したSn、Siも検出限界以下であり、また袋の内表面に付着している粒径1μm以上のパーティクル数も全て1個/cm
2以下であり、さらに総アウトガス量は1500ng/cm
2未満、環状シロキサン量は2.5ng/cm
2未満であり、非常にクリーン性が高いことが判明した。特にパーティクル数については、従来技術と比較して大幅に減少させることが可能となった。
一方、比較例1、2、3の包装袋は袋の内面から溶出された個々のアウトイオン量および袋の内表面に付着しているパーティクル数が非常に多いことが分かった。比較例1および2は、総アウトガス量も1500ng/cm2を超える結果となった。比較例4は接着剤由来と推定される溶出Sn、Si量が多く、環状シロキサン量も多いという結果となった。また、アウトガス分析において、比較例2、3、4の包装袋からはシーラントに添加されている酸化防止剤であるブチルヒドロキシトルエンが検出された。
実施例1〜5、比較例1〜4の包装袋について、水蒸気透過率を測定した。その結果を表4に示す。水蒸気透過率はモコン法を用いて測定し、測定条件は40℃−90%R.H.である。
実施例3および4の包装袋は、比較例3のアルミ箔を用いた構成と同程度の水蒸気透過率であり、水蒸気バリア性に大変優れることが明らかとなった。実施例1、2、5の包装袋も比較例3には至らないが、水蒸気バリア性に優れることが分かった。一方、比較例1および2はバリア層がないために水蒸気透過率が高く、比較例3は酸化ケイ素蒸着フィルムが使用されているものの、被覆層がないために水蒸気透過率が高いことが確認された。
実施例1〜5において、シーラント面に添加剤無添加のLDPE樹脂を用い、かつ加工時の環境をクリーンにすることにより、もしくはインフレーション成形を採用することにより、コンタミネーションを防ぐことが可能であり、アウトイオン、溶出Sn、溶出Si、パーティクル、アウトガスが少ない、つまりクリーン性が非常に高い包装袋が得られる。また、蒸着フィルムを用いることにより、高い水蒸気バリア性が付与される。
また、シリコンウエハー、IC、LSI等の半導体製品、コンピューター周辺装置の記憶装置であるFDD、光磁気ディスクドライブ、HDD、MRヘッド等、極微小、極微量の汚染物をも嫌う電子部品を、クリーンな環境下にて本発明の包装袋で包装することにより、電子部品包装体として与えることも可能である。