JP2005297543A - 樹脂成形材料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

樹脂成形材料の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な装置で、微粉の含有量が少ない樹脂成形材料の造粒品を効率よく製造することができるとともに、比較的小型の装置でも大きな生産量を確保できる樹脂成形材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1のシリンダーと、第1の移送スクリューとを有する第1移送部に、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を供給して、移送しながら高密度化する工程、第2のシリンダーと、第2の移送スクリューとを有する第2移送部で樹脂組成物を移送しながら溶融してシート状溶融材料とする工程、シート状材料を裁断して成形材料とする工程、を有する樹脂成形材料の製造方法であって、
第2のシリンダー内径、及び、第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、第2のシリンダーと、第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする樹脂成形材料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂成形材料の製造方法及び製造装置に関するものである。
樹脂成形材料は、樹脂や硬化剤のほか、有機充填材、無機充填材などの充填材、離型剤、顔料などの添加剤を配合し、プラネタリミキサーなどの装置で予備混練を行った後、二軸押出混練装置や混練ロール装置などの溶融混練装置で混練され、これを粉砕又は造粒することにより得られている。
特に近年は、製造時に微粉の発生が避け難い粉砕法より、ダストフリー化が実現しやすい造粒法が注目されている。
樹脂成形材料を造粒する方法としては、押出造粒法が挙げられる。これは、単軸又は二軸の押出装置により熱溶融させた樹脂成形材料を、目的とする造粒品の大きさに対応した径のダイス孔を有するダイスを通し、これをホットカットする方法である(例えば、特許文献1参照。)。
この方法は、溶融粘度が比較的低く、熱安定性が良好な樹脂成形材料には好適である。しかし、樹脂成分として熱硬化性樹脂を用いたり、充填材の配合量が多く熱溶融粘度が高い樹脂成形材料を用いたりする場合には、ダイスを通過する際の抵抗が大きいために、樹脂成形材料の熱履歴が不均一になったり、発熱して硬化詰まりを起こしたりすることがあった。
また、ダイスは孔径よりも孔ピッチが小さいと、ダイスの出口で再溶着しやすいため、通常、孔ピッチを孔径の1〜3倍に設定する必要がある。この結果、ダイスからの吐出量を充分に大きくすることが難しく、生産性の点でも問題があった。
これとは別に、樹脂や硬化剤を一旦加熱混合して溶融混合物を調製し、これを有機溶剤に溶解したものと、充填材とをヘンシェルミキサー等で撹拌しながら再加熱して造粒する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、樹脂混合物を再加熱することにより、樹脂成分への熱履歴が増大するという問題があり、また、有機溶剤についても造粒時に乾燥除去するため、その処理が必要であるという問題があった。
特開平04−024040号公報 特開平10−041327号公報
本発明は、簡易な装置で、微粉の含有量が少ない樹脂成形材料の造粒品を効率よく製造することができるとともに、比較的小型の装置でも大きな生産量を確保できる樹脂成形材料の製造方法、並びに、この製造方法を提供できる製造装置を提供するものである。
このような目的は、以下の本発明(1)〜(7)によって達成される。
(1)
(a)樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製する工程、
(b)第1のシリンダーと、上記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有する第1移送部に、上記樹脂組成物を供給する工程、
(c)上記第1移送部において、上記樹脂組成物を移送しながら高密度化する工程、
(d)上記第1移送部に連通して設けられ、第2のシリンダーと、上記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有する第2移送部に、上記高密度化した樹脂組成物を供給する工程、
(e)上記第1移送部から供給された樹脂組成物を移送しながら溶融して溶融材料とする工程、
(f)上記溶融材料を略円筒形のシート状材料として吐出する工程、及び、
(g)上記吐出されたシート状材料を裁断して成形材料とする工程、
を有する樹脂成形材料の製造方法であって、
上記第2のシリンダー内径、及び、上記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、上記第2のシリンダーと、上記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする、樹脂成形材料の製造方法。
(2)さらに、
(h)上記裁断された成形材料を、架砕装置により整粒する工程、
を有する、上記(1)に記載の樹脂成形材料の製造方法。
(3)上記(a)工程において調製される上記樹脂組成物は、樹脂と充填材とを含有する材料混合物を溶融させることなく混合させたブレンドマターである上記(1)又は(2)に記載の樹脂成形材料の製造方法。
(4)上記第1移送部は、上記樹脂組成物の移送方向における圧縮比が1.1〜1.5である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂成形材料の製造方法。
(5)上記第2移送部は、上記第2のシリンダーと、上記第2の移送スクリューとのクリアランスが、その先端部において1〜4mmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂成形材料の製造方法。
(6)
(ア)第1のシリンダーと、上記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有し、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を移送するとともに高密度化する第1移送装置、
(イ)上記第1移送装置に連通して設けられ、第2のシリンダーと、上記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有し、上記第1移送装置から供給された高密度化した樹脂組成物を移送するとともに溶融して、略円筒形のシート状材料とする第2移送装置、
(ウ)上記第2移送装置から吐出されたシート状溶融材料を裁断して成形材料とする裁断装置、
を有する樹脂成形材料の製造装置であって、
上記第2移送装置において、上記第2のシリンダー内径、及び、上記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、上記第2のシリンダーと、上記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする、樹脂成形材料の製造装置。
(7)さらに、
(エ)裁断された成形材料を整粒する架砕装置、
を有する、上記(6)に記載の樹脂成形材料の製造方法。
本発明の樹脂成形材料の製造方法によれば、簡易な装置で、微粉の含有量が少ない樹脂成形材料を効率よく製造することができるとともに、比較的小型の装置でも大きな生産量を確保することができる。
また、本発明の樹脂成形材料の製造装置は、このような製造方法により樹脂成形材料を製造するのに好適に用いることができるものである。
以下に、本発明の樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)の製造方法及び製造装置について詳細に説明する。
本発明の成形材料の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)は、
(a)樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製する工程、
(b)第1のシリンダーと、上記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有する第1移送部に、上記樹脂組成物を供給する工程、
(c)上記第1移送部において、上記樹脂組成物を移送しながら高密度化する工程、
(d)上記第1移送部に連通して設けられ、第2のシリンダーと、上記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有する第2移送部に、上記高密度化した樹脂組成物を供給する工程、
(e)上記第1移送部から供給された樹脂組成物を移送しながら溶融して溶融材料とする工程、
(f)上記溶融材料を略円筒形のシート状材料として吐出する工程、及び、
(g)上記吐出されたシート状材料を裁断して成形材料とする工程、
を有する樹脂成形材料の製造方法であって、
上記第2のシリンダー内径、及び、上記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、上記第2のシリンダーと、上記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする。
本発明の製造方法においては、まず、
(a)樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製する。
本発明の製造方法において用いられる樹脂組成物に含有される樹脂成分としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは、これらの混合物を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
樹脂成分として熱硬化性樹脂を用いる場合は、これらと通常併用される硬化剤、硬化促進剤を併せて用いることができる。
例えば、ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合は、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒドなど、エポキシ樹脂を用いる場合は、酸無水物、ポリアミン化合物、イミダゾール化合物、ポリフェノール化合物などを用いることができる。
また、熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィンおよび変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系共重合体、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、
ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の耐熱性樹脂、芳香族ポリエステル等の液晶樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。
一方、充填材成分としては、特に限定されないが、例えばタルク、焼成クレー等の等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等に代表される無機充填材、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂等の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の粉末、またはこれらの樹脂で構成される共重合体等の粉末状有機充填材、木粉、パルプ、ケナフ、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の繊維状有機充填材等に代表される有機充填材等が挙げられる。これらは2種類以上を併せて用いることができる。
本発明の製造方法において用いられる樹脂組成物には、これらの樹脂成分、充填材成分のほか、可塑剤、離型剤、着色剤、カップリング剤などを併せて用いることができる。
本発明の製造方法において用いられる樹脂組成物の調製方法としては特に限定されないが、特に、樹脂成分として熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂と充填材とを含有する材料混合物を溶融させることなく混合させたブレンドマターであることが好ましい。
これにより、樹脂組成物の調製時に熱履歴を与えることがないので、成形材料の製造時に溶融粘度を低くすることができ、各成分の混合性を高めることができるとともに、成形材料化する際の作業性を向上させることができる。
上記ブレンドマターの調製方法としては特に限定されないが、樹脂、硬化剤、充填材などの材料混合物を溶融させることなく、ヘンシェルミキサー、プラネタリミキサー等の装置を用いて混合することにより調製することができる。
上記ブレンドマターの調製において、樹脂成分としては粉末状のものを用いることが好ましい。
例えば、樹脂として1種類を単独で用いる場合は、樹脂を平均粒径0.5〜50μmに粉砕する第1の形態の粉末化工程により、粉末状の樹脂を調製することができる。この工程では特に、平均粒径1〜10μmに粉末化することが好ましい。
これにより、樹脂成分と、充填材など他の原材料成分との混合精度を向上させることができる。
また、樹脂として2種類以上を用いる場合は、これらの混合物を、平均粒径0.5〜50μmに同時粉砕する第2の形態の粉末化工程により、粉末状の樹脂混合物を調製することができる。この工程では特に、平均粒径1〜10μmに粉末化することが好ましい。
これにより、樹脂成分どうしの混合精度を高め、化学反応の均一性を向上させることができるとともに、樹脂成分と、充填材など他の原材料成分との混合精度を向上させることができる。
また、1種類以上の樹脂と、1種類以上の硬化剤との混合物を用いる場合は、これらの混合物を、平均粒径0.5〜50μmに粉砕する第3の形態の粉末化工程により、粉末状の樹脂−硬化剤混合物を調製することができる。この工程では特に、平均粒径1〜10μmに粉末化することが好ましい。
これにより、用いる樹脂と硬化剤との混合精度を高め、化学反応の均一性を向上させることができるとともに、樹脂及び硬化剤成分と、充填材など他の原材料成分との混合精度を向上させることができる。
なお、ここでいう硬化剤としては、硬化剤のほか、硬化促進剤も含むものとする。
上記3種の形態の粉末化工程において用いることができる装置としては特に限定されないが、例えば、ボールミル、ハンマーミル、カッターミルなどの、通常の粉砕装置のほか、旋回流型ジェットミル、対向型ジェットミル、壁衝突型ジェットミルなどのジェットミル、オングミル(ホソカワミクロン社製・メカノフュージョン装置)、多段石臼型混練押し出し機(KCK社製:メカノケミカルディスパージョン装置)などを用いることができる。
これらの中でも、上記第1の形態の粉末化工程においては、ジェットミルを用いることが好ましい。これにより、粉末化工程を連続的かつ効率的に実施することができる。
また、上記第2の形態、又は、第3の形態の粉末化工程においては、ジェットミル、オングミル、多段石臼型混練押し出し機から選ばれるものを用いることが好ましい。
これらの装置を用いることにより、原材料を単に微粉砕できるだけでなく、粉砕時に、被粉砕物に衝突、ずり剪断などのエネルギーが作用するため、異なる樹脂どうし、あるいは、樹脂と硬化剤との間に、その少なくとも一部において複合化などの作用が働くと考えられる。これにより、混合精度や化学反応の均一性をさらに高めることができる。特に、ジェットミル、多段石臼型混練押し出し機を用いた場合には、上記効果に加えて、粉末化工程を連続的かつ効率的に実施することができる。
上記粉砕化工程においてジェットミルを用いる場合、その粉砕条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、ホソカワミクロン社製・「カウンタージェットミル200AFG(ノズル径5mm×3本)」を用い、樹脂として軟化温度が100℃程度のノボラック型フェノール樹脂、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用い、これらを混合したものを粉砕する場合は、空気圧600kPa、圧空量5.5m/minで処理し、分級ローター回転数を5000〜12000rpmとすることにより、平均粒径1〜10μmの粉砕物を得ることができる。
上記粉末化工程は、本発明の製造方法において必須のものではないが、樹脂や硬化剤として平均粒径が50μmを超える固形形態のものを用いる場合には、実施することが好ましい。
また、本発明の製造方法において、充填材として、表面がカップリング剤により処理されていない無機充填材を用いる場合には、上記ブレンドマターを調製する前に、無機充填材の表面を液状のカップリング剤で処理する表面処理工程を有することが好ましい。
これにより、無機材料である無機充填材と、有機材料である樹脂との親和性を向上させ、成形品の機械的特性、耐熱性、吸湿時の耐熱性などを向上させることができる。
無機充填材の表面を液状のカップリング剤で処理する方法としては特に限定されないが、例えば、スプレー装置から噴霧され、旋回流を与えられて流動している無機充填材に、ノズル霧化装置により微粒子化された液状のカップリング剤を噴霧する方法が好ましい。
これにより、無機充填材に対する液状のカップリング剤の配合量が少量であっても、無機充填材とカップリング剤とを高い精度で接触させ、無機充填材の表面処理を行うことができる。また、無機充填材が凝集性を有したものであっても、スプレー装置で噴霧するため、凝集の解離を促進させることができるので、無機充填材の表面をむらなくカップリング剤で処理することができる。
さらに、この工程を連続的に実施することができ、液状のカップリング剤で表面処理した無機充填材を効率的に調製することができる。
上記の方法は、2種類以上の無機充填材を用いる場合でも同様に適用することができる。この場合、各々の無機充填材を液状のカップリング剤で表面処理してもよいし、予め所定の比率で予備混合した無機充填材の混合物を用いて、液状のカップリング剤で表面処理することもできる。
上記の方法は、特に、無機充填材として粉末状の無機充填材を用いる場合に好適に適用することができる。これにより、上記処理を効率的に実施することができる。
ここで用いられるカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤などを挙げることができる。
次に、本発明の製造方法においては、
(b)第1のシリンダーと、前記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有する第1移送部に、樹脂組成物を供給する。
本発明の製造方法において、第1移送部は、第1のシリンダーと、この第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有するものであり、例えば、通常の移送スクリュー装置などを用いることができる。
上記第1移送部に樹脂組成物を供給する方法としては特に限定されないが、例えば、スクリューフィーダー、振動フィーダーなど通常の粉体供給装置を用いて行うことができる。第1移送部へ供給する際には、第1移送部の基端側にホッパなどを設け、樹脂組成物を安定して供給するために、このホッパ内に押し込みスクリュー装置などを設置することが好ましい。
樹脂組成物の供給量としては特に限定されないが、第1移送部の移送能力を考慮して、これとバランスさせた供給量とすることができる。
次に、本発明の製造方法においては
(c)第1移送部において、樹脂組成物を移送しながら高密度化する。
上記(b)工程において、樹脂組成物は、第1のシリンダーと第1の移送スクリューとの間に形成された移送空間に供給された後、第1の移送スクリューの回転に伴い移送されるとともに、樹脂組成物中に含有される空気が圧縮に伴い排出される。これにより、高密度化することができる。
この第1移送部における圧縮比は特に限定されないが、樹脂組成物の移送方向において1.1〜1.5であることが好ましい。これにより、樹脂組成物を好ましい密度に高密度化することができる。この圧縮比は、樹脂組成物の組成や溶融粘度特性などにより、適宜最適な水準に設定することができる。
ここで、樹脂組成物が高密度化した形態としては、例えば、樹脂組成物が粉体の状態のまま圧縮された形態、樹脂組成物中の樹脂成分などが一部溶融した形態などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、(c)工程において樹脂組成物をこのように高密度化することにより、第2移送部における熱伝導性を高めて容易に溶融材料化することができる。また、樹脂組成物のかさ密度を高くして、成形材料の製造効率を高めることができる。
この第1移送部は、必要に応じて温調をすることができる。温調は、加温、冷却、いず
れでもよく、第1移送部の各部位によって、独立して温調することもできる。これにより、第1移送部を移送される際の樹脂組成物の密度、流動性を最適な水準に設定することができる。
次に、本発明の製造方法においては、
(d)第1移送部に連通して設けられ、第2のシリンダーと、第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有する第2移送部に、高密度化した樹脂組成物を供給する。
本発明の製造方法において、第2移送部は、第2のシリンダーと、この第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有するものである。
上記第2移送部に高密度化した樹脂組成物を供給する方法としては特に限定されないが、第1移送部の先端側の移送空間と、第2移送部の基端側の移送空間とを連通させることにより行うことができる。また、第1移送部の先端側と、第2移送部の基端側とは、実質的に連接した状態とし、連接部位におけるシリンダー内径と移送スクリュー外径とは、それぞれ等しく設定することが好ましい。これにより、高密度化した樹脂組成物を滞留させることなく、第1移送部から第2移送部へスムーズに供給することができる。
次に、本発明の製造方法においては、
(e)第1移送部から供給された樹脂組成物を移送しながら溶融して溶融材料とする。
第2移送部において、第1移送部から供給された樹脂組成物を移送しながら溶融して溶融材料とする方法としては特に限定されないが、例えば、第2のシリンダー及び第2の移送スクリューと樹脂組成物との摩擦熱により溶融する方法、あるいは、第2移送部を外部あるいは内部から温調する方法などにより行うことができる。また、これらの方法は組み合わせて用いることもできる。
本発明の製造方法において、第2移送部は、第1移送部と基本的構成は同一であるが、下記の特徴を有するものである。
(ア)第2のシリンダー内径、及び、第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径している。
(イ)第2のシリンダーと、第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減している。
これにより、第1移送部から供給された樹脂組成物を、滞留させることなく、第2のシリンダーと、第2の移送スクリューとのクリアランスに相当する薄いシート状の材料とすることができる。
ここで、第2移送部のシリンダーと移送スクリューとの間に形成された移送空間の断面積は、基端側から先端側におけるどの部位においても、実質的に同じであることが好ましい。これにより、第1移送部から供給された樹脂組成物を滞留させることなく、かつ、第1移送部で高密度化された状態を維持することができる。
そして、第2移送部からは、上記(b)工程で供給された樹脂組成物の供給量に応じた溶融材料を吐出することができるので、比較的小型の装置を用いた場合でも大きな生産量を確保することできる。
本発明の製造方法においては、第1のシリンダーと第2のシリンダーとは、回転数が実質的に同じであることが好ましい。これにより、第2移送部において、樹脂組成物の移送が進むのに伴い、第2の移送スクリューの周速度が速くなっていくので、樹脂組成物に摩擦熱が伝わり、効率的に溶融化することができる。また、装置の構成を簡易なものにする
ことができる。
また、第2移送部の先端部におけるシリンダーと移送スクリューとのクリアランスは特に限定されないが、1〜4mmとすることが好ましい。さらに好ましくは2〜3mmである。これにより、シート状の溶融材料がこの厚みに加工されるので、成形材料化する際に、厚み方向の粉砕を最小限にすることができ、微粉の発生を抑制することができる。
この第2移送部は、必要に応じて温調をすることができる。温調は、加温、冷却、いずれでもよく、第2移送部の各部位によって、独立して温調することもできる。これにより、第2移送部を移送される際の樹脂組成物の密度、流動性、及び、第2移送部から吐出される溶融材料の状態を最適な水準に設定することができる。
次に、本発明の製造方法においては、
(f)溶融材料を略円筒形のシート状材料として吐出する。
本発明の製造方法においては、上記(e)工程において、第2移送部で樹脂組成物を溶融することができるので、樹脂組成物の移送に伴い、第2移送部の先端部から、所定の厚みを有した略円筒形のシート状材料として吐出することができる。
次に、本発明の製造方法においては、
(g)吐出されたシート状材料を裁断して成形材料とする。
第2移送部の先端部から吐出されたシート状材料を裁断する方法としては特に限定されないが、例えば、円盤形状の金属板の外周部にチップを設けたリングカッター状の裁断装置を用い、これを第2移送部の先端部位に隣接して設置することにより行うことができる。
ここで、シート状材料を裁断するにあたっては、シート状材料がまだ溶融状態ないしは溶融状態から若干冷却された状態にあり、可撓性を有していることが好ましい。これにより、上記裁断装置によりいわゆるホットカットを行うことができるので、成形材料化する段階で微粉の発生を少なくすることができる。
上記(g)工程で得られる成形材料の粒度としては特に限定されないが、最大径が20mm以下とすることが好ましい。これにより、この成形材料の粒度をさらに調整する場合においても、成形材料の粉砕箇所を少なくすることができるので、粒度調整の際の微粉の発生を少なくすることができるとともに、効率的に粒度調整を行うことができる。
本発明の製造方法においては、特に限定されないが、さらに、
(h)裁断された成形材料を、架砕装置により整粒する
ことができる。
ここで用いられる架砕装置としては特に限定されないが、例えば、ロールグラニュレーター、ネビュラサイザー(奈良機械社製)などを用いることができる。
架砕装置は、被粉砕材料の中央部を押して砕く原理により、整粒を行うものであるので、通常の粉砕装置と異なり、過粉砕を防ぎ、微粉の発生を抑えることができる。そして、例えばロールグラニュレーターを用いる場合では、ロールの山−山間ピッチ、ロールの間隔、ロールの段数等を設定することにより、目的とする粒度を有し、シャープな粒度分布を有するものを得ることができる。また、粉砕に要するエネルギーが少なくて済むという利点も有する。
本発明の製造方法においては、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製し、これを
第1移送部と第2移送部とにより、樹脂組成物を滞留させることなく効率的に溶融材料とし、これをホットカットするため、成形材料の製造段階において微粉の発生を極めて低く抑えることができる。また、これを架砕装置によりさらに整粒する場合も、同様に微粉の発生を低く抑えることができる。
このように、本発明の製造方法によれば、比較的小型の簡易な装置を用いて、微粉の含有量が少ない樹脂成形材料を効率よく製造することができる。
次に、本発明の樹脂成形材料の製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある)について説明する。本発明の製造装置は、
(ア)第1のシリンダーと、上記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有し、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を移送するとともに高密度化する第1移送装置、
(イ)上記第1移送装置に連通して設けられ、第2のシリンダーと、上記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有し、上記第1移送装置から供給された高密度化した樹脂組成物を移送するとともに溶融して、略円筒形のシート状材料とする第2移送装置、
(ウ)上記第2移送装置から吐出されたシート状材料を裁断して成形材料とする裁断装置、
を有する樹脂成形材料の製造装置であって、
上記第2移送装置において、上記第2のシリンダー内径、及び、上記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、上記第2のシリンダーと、上記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする。
以下、本発明の製造装置について、好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の製造装置の形態の一例を、側断面図で示したものである。図1において、製造装置101は、第1移送装置1、第2移送装置2、裁断装置3を有している。また、図2は、第2移送部2の拡大図である。
第1移送装置1は、第1のシリンダー4と、第1のシリンダー4内に配設された第1の移送スクリュー5とを有している。第1の移送スクリュー5は、駆動装置6により回転駆動されている。
樹脂組成物は、第1移送装置1の基端1a側に設けられたホッパ7より供給される。樹脂組成物のブリッジ防止のため、必要に応じて押し込みスクリュー装置8を用いることができる。供給された樹脂組成物は、第1の移送スクリュー5の回転に伴い、基端1a側から先端1b側へ移送されるとともに、高密度化されていき、次工程の第2移送装置2に供給される。
なお、図示していないが、この第1移送装置1においては、第1のシリンダー4の外側、及び、第1の移送スクリュー5の内側に設置されたジャケットにより、好適な温度に加温ないし冷却することができる温調装置を備えている。
第2移送装置2は、第2のシリンダー9と、第2のシリンダー9内に配設された第2の移送スクリュー10とを有している。図1の形態では、第2の移送スクリュー10は、第1の移送スクリュー5と連接した構造となっており、ともに駆動装置6により同じ回転数で回転駆動されている。
図1の形態では、第1移送装置1の先端1b側の移送空間と、第2移送装置2の基端2a側の移送空間とを連通させ、かつ、第1移送装置1の先端1b側と、第2移送装置の基端2a側との連接部位において、シリンダー内径、及び、移送スクリュー外径はそれぞれ等しく設定されている。これにより、第1移送装置1から第2移送装置2への樹脂組成物の移送をスムーズに行うことができるようになっている。
そして、第2移送装置2においては、第2のシリンダー9の内径、及び、第2の移送スクリュー10の外径は、いずれも基端2a側から先端2b側に向かって拡径しているとともに、第2のシリンダー9と、第2の移送スクリュー10とのクリアランスが、基端2a側(クリアランスa)から先端2b側(クリアランスb)に向かって漸減している。
このようにして、第2移送装置2においては、第1移送装置1から供給された高密度化した樹脂組成物を実質的に滞留させることなく移送するとともに溶融して、略円筒形のシート状材料とすることができる。
なお、図示していないが、この第2移送装置2においては、第2のシリンダー9の外側、及び、第2の移送スクリュー10の内側に設置されたジャケットにより、好適な温度に加温ないし冷却することができる温調装置を備えている。
裁断装置3は、第2移送装置2の先端2b側から吐出されたシート状材料を裁断して所定の大きさを有する成形材料とするものであり、図1の形態では、円盤形状の金属板の外周部にチップを設けたリングカッター11が設けられており、これは駆動装置12で駆動されている。
溶融材料は、リングカッター11により所定の大きさに裁断されるが、この時点でシート状材料は溶融状態ないしは溶融状態から若干冷却された状態にあり、可撓性を有しているので、リングカッター11によりホットカットを行うことができ、成形材料化する段階で微粉の発生を少なくすることができる。このようにして裁断された成形材料13は、貯留部14に貯められる。
また、図3は、本発明の製造装置のもう一つの形態の一例を、側断面図で示したものである。図2において、製造装置102は、第1移送装置1、第2移送装置2、裁断装置3、及び、架砕装置としてロールグラニュレーター20を有している。また、図4は、ロールグラニュレーター20の一組の架砕ロール21、21間の平面図(拡大図)である。
図3に示した形態は、第1移送装置1から裁断装置3までは、図1に示した形態と同じであり、裁断装置3により所定の大きさに裁断された成形材料を、さらに、ロールグラニュレーター20により整粒することができるものである。
ロールグラニュレーター20は、外周部に三角形状の山と谷とを交互に多数有した構造の架砕ロール間に被粉砕材料を通過させて、被粉砕材料の中央部を押して砕く原理により整粒を行うものである。
図3においては、ロールグラニュレーター20は、三組の架砕ロール(21aと21a、21bと21b、21cと21c)を有しており、成形材料はこの架砕ロール間を順次通過することにより、目的とする粒度に整粒される。各架砕ロールには、架砕後の成形材料の付着を防ぐため、スクレーパ(22a〜22c)が設けられている。
三組の架砕ロールは、それぞれ、山のピッチc、山の高さd、及び、各組の架砕ロール間のクリアランスeを個別に設定することができる。通常、架砕処理を行うのに伴い、山のピッチc、山の高さd、及び、架砕ロール間のクリアランスeは、順次小さく設定していき、最終組の架砕ロールにおけるこれらの設定数値により、得られる成形材料の粒度を実質的に決定することができる。
架砕ロール21、21間において、成形材料は、一方の架砕ロールが有する2つの山25、25との間に架橋する形態となり、この架橋の中央部分をもう一方の架砕ロールが有する山26により押されることにより架砕が行われる。このような架砕プロセスが各架橋ロール間で行われ、必要分の粉砕のみが順次行われるので、シャープな粒度分布を有するものを得ることができる。また、過粉砕を防ぐことにより、これに伴う微粉の発生を防ぐことができる。
架砕ロールの組数は特に限定されず、成形材料の性状、目的とする粒度により適宜設定
することができる。
このようにして整粒された成形材料23は、貯留部24に貯められる。
従来の成形材料の製造方法においては、樹脂、硬化剤、及び充填材等を予備混合したものを溶融混練し、これを冷却後に粉砕していた。しかし、このような方法によると、所定の粒度まで粉砕する際に過粉砕となりやすく、この結果多量の微粉が発生する。成形材料中の微粉は、成形材料を使用する工程において取り扱い性に問題があり、環境衛生上も好ましくないため、篩分装置等により分別し、微粉については混練工程に戻すなどの方法が採られていた。このため、装置構成が複雑になり、実質的な歩留りも常時低いものであるという問題があった。
また、単軸又は二軸の押出装置により熱溶融させた樹脂成形材料を、目的とする造粒品の大きさに対応した径のダイス孔を有するダイスを通して造粒する方法では、微粉の発生は抑制できるものの、安定した品質の成形材料を高い生産性で製造することは困難であった。
これに対して、本発明の製造方法は、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製し、これを第1移送部と第2移送部とにより、樹脂組成物を滞留させることなく効率的に溶融材料とし、これをホットカットする、あるいは、これを架砕装置によりさらに整粒することにより成形材料を製造する。
本発明の製造方法によれば、成形材料の製造段階において微粉の発生を極めて低く抑えることができるので、微粉の回収や循環のための装置を必要としない。また、ロール混練工程、混練後のシート化工程など、大がかりな装置を要する工程が存在しない。このため、装置構成を簡易かつコンパクトなものとすることができる。さらには、実質的にボトルネックとなる工程が存在しないため、高い生産性で成形材料を製造することができる。
本発明の製造方法は、このように、従来の製造方法が有していた種々の問題を解決することができるものである。そして、本発明の製造装置は、このような製造方法により成形材料を製造するのに好適に用いることができるものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.樹脂組成物の調製
(1)樹脂組成物Aの調製
樹脂組成物全体に対して、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「A−1082」)42重量%、ヘキサメチレンテトラミン8重量%、木粉(100メッシュ通過品)30重量%、ココナッツシェルパウダー(200メッシュ通過品)6重量%、炭酸カルシウム(日東粉化社製・「SS−80」)、酸化マグネシウム2重量%、ステアリン酸1重量%、及び、カーボンブラック1重量%の割合で配合し、これをヘンシェルミキサーで混合攪拌(600rpm、1分間)して樹脂組成物Aを調製した。
(2)樹脂組成物Bの調製
樹脂組成物全体に対して、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「A−1082」)34重量%、ヘキサメチレンテトラミン6重量%、ミルドファイバー(旭ファイバーグラス社製・「MF20MH2−20」)40重量%、マイカ(クラレ社製・「マイカ200HK」)10重量%、クレー(水澤化学社製・「インシュライト」)5重量%、酸化マグネシウム2重量%、ステアリン酸1.5重量%、及び、カーボンブラック1.5重量%の割合で配合し、これをヘンシェルミキサーで混合攪拌(600rpm、1分間)して樹脂組成物Bを調製した。
2.成形材料の製造
<実施例1>
図1に示した形態の製造装置を用い、上記で得られた樹脂組成物Aを用いて成形材料を得た。装置の仕様及び運転条件は下記のとおりである。
(1)第1移送装置
・シリンダー内径:130mm
・移送スクリュー外径:116mm
・移送スクリュー長さ:900mm
・移送スクリューのフライト溝深さ:6.5mm
・移送スクリューの圧縮比:1.38(フライトピッチの調整により設定した)
・移送スクリューの回転数:100rpm
・樹脂組成物の供給量:250kg/hr
・温調:シリンダーは外部から30℃の温水を循環して温調し、移送スクリューは内部から10℃の冷却水を通して温調した。
(2)第2移送装置
・シリンダー内径:基端部130mm、先端部205mm
・移送スクリュー外径:基端部116mm、先端部200mm
・移送スクリュー長さ:75mm
・移送スクリューのフライト溝深さ:基端部6.5mm、先端部2mm
・移送スクリューの回転数:100rpm
・シリンダーと移送スクリューとのクリアランス:基端部7mm、先端部2.5mm
・温調:シリンダーは外部から80℃の温水を循環して温調し、樹脂組成物が溶融した時点で40℃の温水に切り替えて温調した。移送スクリューは内部から10℃の冷却水を通して温調した。
(3)裁断装置
鋼製の円盤状の基部に、カッターチップを取り付けたリングカッターを用いた。
・基部直径:190mm
・基部厚み:5mm
・チップ個数:24個
・リングカッターの回転数:1200rpm
<実施例2>
図3に示した形態の製造装置を用い、実施例1で得られた成形材料を、さらに、架砕装置で整粒して、成形材料を得た。第1移送装置、第2移送装置、及び、裁断装置の仕様及び運転条件は実施例1と同様にして行い、架砕装置の仕様及び運転条件は下記のとおりである。
(4)架砕装置
・使用装置:日本グラニュレーター製・ロールグラニュレーター「GRN−1031」
・架砕ロール組数:3組(処理順から、第1組、第2組、第3組と呼称する)
・架砕ロールの仕様及び運転条件:表1のとおり。
Figure 2005297543
<実施例3>
樹脂組成物Aの代わりに、樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様に行い、成形材料を得た。
<実施例4>
樹脂組成物Aの代わりに、樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例2と同様に行い、成形材料を得た。
<比較例1>
実施例1で調製した樹脂組成物Aを用い、これを、90℃の混練ロールで3分間溶融混練して厚さ4mmのシート状にし、これを冷却後、衝撃式粉砕装置で粉砕して成形材料を得た。
<比較例2>
樹脂組成物全体に対して、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製・「A−1082」)34重量%、ヘキサメチレンテトラミン6重量%、ガラスチョップドストランド(日本板硝子社製・「RES015−BM38」)40重量%、マイカ(クラレ社製・「マイカ200HK」)10重量%、クレー(水澤化学社製・「インシュライト」)5重量%、酸化マグネシウム2重量%、ステアリン酸1.5重量%、及び、カーボンブラック1.5重量%の割合で配合し、これをヘンシェルミキサーで混合攪拌(600rpm、1分間)して樹脂組成物Cを調製した。これを、90℃の混練ロールで3分間溶融混練して厚さ4mmのシート状にし、これを冷却後、衝撃式粉砕装置で粉砕して成形材料を得た。
3.成形品の評価
実施例及び比較例で得られた成形材料について、下記項目の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005297543
4.評価方法
(1)成形品の曲げ強度、シャルピー衝撃強さ、絶縁抵抗:JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。なお、特性評価用試験片の成形は下記条件で行った。
・成形方法:トランスファー成形
・金型温度:175℃
・硬化時間:180秒間
(2)充填性:充填が難しい上記絶縁抵抗評価用試験片(JIS K 6911)において、ゲート部から最も遠い部位における成形性を確認した。端部まで成形できているものを○とした。
(3)成形材料の粒度、微粉発生量:JIS標準篩で篩分して測定した。このうち、80メッシュ通過品を微粉とした。
実施例1〜4は、本発明の製造方法により得られた成形材料であり、従来の方法で製造された比較例の成形材料と比べて、成形材料としての基本的特性を低下させることなく、微粉の発生を抑えることができた。
本発明は樹脂成形材料の製造方法によれば、簡易な装置で、微粉の含有量が少ない樹脂成形材料を効率よく製造することができるとともに、比較的小型の装置でも大きな生産量を確保することができるので、種々の用途に用いられる成形材料を、例えば少量多品種で製造する場合にも好適である。
また、本発明の樹脂成形材料の製造装置は、このような製造方法により樹脂成形材料を製造するのに好適に用いることができるものである。
本発明の製造装置の形態の一例(側断面図) 図1の形態の部分拡大図(側断面図) 本発明の製造装置の形態の一例(側断面図) 図3の形態の部分拡大図(平面図)
符号の説明
1 第1移送装置
1a 第1移送装置の基端側
1b 第1移送装置の先端側
2 第2移送装置
2a 第2移送装置の基端側
2b 第2移送装置の先端側
3 裁断装置
4 第1のシリンダー
5 第1の移送スクリュー
6 第1の移送スクリューの駆動装置
7 ホッパ
8 押し込みスクリュー装置
9 第2のシリンダー
10 第2の移送スクリュー
11 リングカッター
12 リングカッターの駆動装置
13 成形材料
14 貯留部
20 架砕装置
21 架砕ロール
22 スクレーパ
23 整粒された成形材料
24 貯留部
25、26 架砕ロールの山部
101 製造装置
102 製造装置
a 第2移送装置の基端側におけるシリンダーと移送スクリューとのクリアランス
b 第2移送装置の先端側におけるシリンダーと移送スクリューとのクリアランス
c 架砕ロールの山のピッチ
d 架砕ロールの山の高さ
e 架砕ロール間のクリアランス

Claims (7)

  1. (a)樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を調製する工程、
    (b)第1のシリンダーと、前記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有する第1移送部に、前記樹脂組成物を供給する工程、
    (c)前記第1移送部において、前記樹脂組成物を移送しながら高密度化する工程、
    (d)前記第1移送部に連通して設けられ、第2のシリンダーと、前記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有する第2移送部に、前記高密度化した樹脂組成物を供給する工程、
    (e)前記第1移送部から供給された樹脂組成物を移送しながら溶融して溶融材料とする工程、
    (f)前記溶融材料を略円筒形のシート状材料として吐出する工程、及び、
    (g)前記吐出されたシート状材料を裁断して成形材料とする工程、
    を有する樹脂成形材料の製造方法であって、
    前記第2のシリンダー内径、及び、前記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、前記第2のシリンダーと、前記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする、樹脂成形材料の製造方法。
  2. さらに、
    (h)前記裁断された成形材料を、架砕装置により整粒する工程、
    を有する、請求項1に記載の樹脂成形材料の製造方法。
  3. 前記(a)工程において調製される前記樹脂組成物は、樹脂と充填材とを含有する材料混合物を溶融させることなく混合させたブレンドマターである請求項1又は2に記載の樹脂成形材料の製造方法。
  4. 前記第1移送部は、前記樹脂組成物の移送方向における圧縮比が1.1〜1.5である請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂成形材料の製造方法。
  5. 前記第2移送部は、前記第2のシリンダーと、前記第2の移送スクリューとのクリアランスが、その先端部において1〜4mmである請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂成形材料の製造方法。
  6. (ア)第1のシリンダーと、前記第1のシリンダー内に配設された第1の移送スクリューとを有し、樹脂と充填材とを含有する樹脂組成物を移送するとともに高密度化する第1移送装置、
    (イ)前記第1移送装置に連通して設けられ、第2のシリンダーと、前記第2のシリンダー内に配設された第2の移送スクリューとを有し、前記第1移送装置から供給された高密度化した樹脂組成物を移送するとともに溶融させて、略円筒形のシート状材料とする第2移送装置、
    (ウ)前記第2移送装置から吐出されたシート状溶融材料を裁断して成形材料とする裁断装置、
    を有する樹脂成形材料の製造装置であって、
    前記第2移送装置において、前記第2のシリンダー内径、及び、前記第2の移送スクリュー外径は、いずれも基端側から先端側に向かって拡径しているとともに、前記第2のシリンダーと、前記第2の移送スクリューとのクリアランスが、基端側から先端側に向かって漸減していることを特徴とする、樹脂成形材料の製造装置。
  7. さらに、
    (エ)裁断された成形材料を整粒する架砕装置、
    を有する、請求項6に記載の樹脂成形材料の製造装置。
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