JP2003200418A - 熱硬化性樹脂成形材料の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形材料の製造方法およびその製造装置

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JP2003200418A
JP2003200418A JP2002002565A JP2002002565A JP2003200418A JP 2003200418 A JP2003200418 A JP 2003200418A JP 2002002565 A JP2002002565 A JP 2002002565A JP 2002002565 A JP2002002565 A JP 2002002565A JP 2003200418 A JP2003200418 A JP 2003200418A
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thermosetting resin
resin molding
outer core
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Yasushi Tominaga
康 富永
Takeshi Kato
健 加藤
Hiroshi Ikura
博 伊倉
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、成形材料製造時の微粉の発
生が極めて少なく、かつ、設備負荷が小さく簡易な設備
で成形材料を造粒化する方法を提供することである。 【解決手段】 熱硬化性樹脂成形材料の製造方法におい
て、所定のクリアランスをもって相対して設置された内
子と外子との間に形成された空間に熱硬化性樹脂成形材
料を供給し、該空間において前記内子と外子との相対的
な回転運動により造粒化することを特徴とする熱硬化性
樹脂成形材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂成形
材料の製造方法およびその製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂成形材料は、熱硬化性樹
脂、有機基材、無機基材、硬化剤、離型剤などの原材料
を配合し、プラネタリミキサー等で予備混練を行った
後、二軸押出混練機やミキシングロール等で混練され
る。混練後の成形材料は通常塊状またはシート状であ
り、成形材料として使用するためにはこれを一定の大き
さ以下に粉砕、分級または造粒して製品化されるのが一
般的である。
【0003】しかし、混練後の成形材料を粉砕する際に
は、通常ハンマーミル、カッターミル等の装置が用いら
れるため、粉砕により一定の粒度以下にすることはでき
るものの、粉砕品の粒径や粒形を揃えることは難しい上
に、粉砕に伴い大量の微粉が発生することが避けられな
かった。このような微粉は分別廃棄すれば歩留まりの低
下になるため、サイクロン等の微粉回収装置を用いて再
び混練工程に戻すなどの手法が採用されることが多い。
しかしながら、このような微粉の回収・再混合は、設備
が大型化・複雑化するだけでなく、微粉による作業環境
の悪化、健康被害への影響といった問題点があった。
【0004】一方、このような微粉をほとんど発生させ
ない手法として、混練後の熱硬化性樹脂成形材料を造粒
化する方式が一部で採用されている。一例として、温調
機構を有した移送スクリュー装置などを用いて混練後の
成形材料を一定粘度に保ちつつ圧送し、装置前方に設置
されたスクリーンから押し出して造粒する方法、あるい
は、同様に成形材料を圧送し、円筒形状の側面にスクリ
ーンを配して側面押出機構により押し出して造粒する方
法などが挙げられる。しかし前者は、成形材料の粘性が
高い場合には開口率の大きいスクリーンを使用しないと
移送抵抗が大きくなる傾向があり、一方でこのようなス
クリーンに充分な強度を持たせることが難しいため、生
産性が低くなることが多かった。また、後者の場合は、
側面押出装置の構造によっては材料の滞留ゾーンができ
る場合があり、熱硬化性樹脂成形材料に適用した場合は
長時間安定して造粒を行うことが難しいという問題点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法における問題点
を解消すべく検討した結果なされたものであり、成形材
料製造時の微粉の発生が極めて少なく、かつ、設備負荷
が小さい簡易な設備で成形材料を造粒化する製造方法
と、その製造装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明(1)〜(4)によって達成される。 (1)熱硬化性樹脂成形材料の製造方法において、所定
のクリアランスをもって相対して設置された内子と外子
との間に形成された空間に熱硬化性樹脂成形材料を供給
し、該空間において前記内子と外子との相対的な回転運
動により造粒化することを特徴とする熱硬化性樹脂成形
材料の製造方法。 (2)前記内子及び/又は外子は、前記熱硬化性樹脂成
形材料と接する面に溝を有しているものである上記
(1)に記載の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法。 (3)前記空間が円錐または円錐台の側面形状である上
記(1)または(2)に記載の熱硬化性樹脂成形材料の
製造方法。 (4)熱硬化性樹脂成形材料の製造装置において、所定
のクリアランスをもって相対して設置された、相対的に
回転運動する内子と外子、該内子と外子との間に形成さ
れた空間に熱硬化性樹脂成形材料を供給する材料供給装
置、及び該内子及びまたは外子を回転させる駆動装置を
有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料の製造装
置。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法(以
下、単に「製造方法」という)は、熱硬化性樹脂成形材
料を所定のクリアランスをもって相対して設置された内
子と外子との間に形成された空間に供給し、この空間に
おいて前記内子と外子との相対的な回転運動により造粒
化することを特徴とする。また、本発明の熱硬化性樹脂
成形材料の製造装置(以下、単に「製造装置」という)
は、所定のクリアランスをもって相対して設置された、
相対的に回転運動する内子と外子、該内子と外子との間
に形成された空間に熱硬化性樹脂成形材料を供給する材
料供給装置、及び該内子及び/又は外子を回転させる駆
動装置を有することを特徴とする。まず、本発明の製造
方法について説明する。
【0008】図1は、本発明の製造方法を適用した一例
である。(a)は内子1と外子2のそれぞれの斜視図で
あり、(b)はこれを組み合わせたときの側断面図であ
る。本発明の製造方法では、熱硬化性樹脂成形材料(以
下、単に「材料」という)を、内子1と外子2との間に
形成された空間3に供給する。4は材料と接触する内子
表面、5は同様に外子表面である。6は内子と外子との
クリアランスを表す。図1の例では、材料7は一方の開
口部8側から供給され、空間3において内子1と外子2
との相対的な回転運動により造粒化される。造粒化後の
材料は他の開口部9から排出される。
【0009】本発明の製造方法において、内子と外子と
の間に形成される空間の形状については特に限定されな
いが、例えば、円錐形、円錐台形、円筒形、あるいはこ
れらに類する形の側面に沿った形状などが挙げられる。
この場合、空間の断面形状(図1(b)のA1〜A2)は
どの部位においても内子及び外子の回転中心と同心円で
あり、内子と外子との間のクリアランスに相当する厚み
を有した形状となる。また、必要に応じてこのような形
状を複数組み合わせた形状のものを使用することもでき
る。これらは目的とする造粒品の形状・密度、材料の供
給量などにより適宜設定すればよい。前記空間として、
例えば先拡がりの円錐形状や、図1(b)に示したよう
な先拡がりの円錐台形状をクリアランスを一定として適
用した場合は、材料が造粒化される空間容積は排出側へ
の移送に伴い増大していくので、供給された材料が造粒
化途中で再凝集しにくく、造粒品を順次スムーズに排出
できるので好ましいものである。
【0010】本発明の製造方法において、内子と外子と
は相対的に回転数差を有する。これにより、供給された
材料にはずり剪断力が作用し、撚りをかけられることに
よって造粒化される。この回転数差や回転方向は特に限
定されないが、内子と外子の両方を反対方向または同一
方向に回転させることによって与えてもよいし、内子又
は外子のどちらか一方のみを回転させる方式を用いても
よい。これらの中でも、外子を固定とし、内子を回転さ
せる方式は、設備構成を簡易にすることができ好まし
い。このような回転数差は、内子と外子との組合せごと
にそれぞれ設計することができる。従って、内子と外子
との組合せを複数段階設けて造粒化を行う場合には、各
々についてこれを設計することができる。
【0011】造粒化を行う際の内子と外子の相対的な回
転数差については特に限定されない。これは、用いる材
料の配合、粘度特性、あるいは内子や外子の材料接触面
の形状などによって大きく変動し、個々の材料条件や装
置条件により最適範囲が異なるためである。いずれの場
合でも、材料に充分なずり剪断力を与えるとともに、こ
れが過大なエネルギー供給とならないような範囲とする
ことが好ましい。一例を挙げると、材料としてフェノー
ル樹脂50重量%及び基材として木粉とクレーを配合し
たフェノール樹脂成形材料を用いた場合では、内子と外
子とのクリアランスを2mmとし、200〜2000r
pm、好ましくは500〜1000rpmで行うのが好
ましい。なおこれは、回転する内子として、頂点角60
度、底面径210mmの円錐または円錐台を使用し、外
子は固定としたときの造粒条件である。一般的には、回
転数差が大きすぎると内子及び/又は外子の表面と材料
との間にすべりを生じ、ここで発生する摩擦熱により材
料が変質したり、装置の温調に影響したりすることがあ
る。一方、回転数差が小さすぎる場合は、材料が内子と
外子との間に滞留する時間が長くなるため、温度感応性
の高い材料の場合は、目的とする性質が熱履歴により変
性する場合がある。
【0012】前記内子と外子とのクリアランスは特に限
定されないが、1〜5mmに設定することが好ましく、
さらに好ましくは2〜4mmである。これにより、供給
される材料に充分なずり剪断力を作用させ造粒化すると
ともに、材料に過剰な力を与えて摩擦により発熱するの
を抑えることができる。また、成形材料として用いるの
に適した大きさの造粒品を得ることができる。クリアラ
ンスが前記上限値を越えると、材料に充分なずり剪断力
を作用させる前に装置から排出されやすくなるので、造
粒品の密度が低くなる傾向があり、また、造粒化が不十
分になり微粉の発生量が増えることがある。また、得ら
れる造粒品の大きさもクリアランスの増大に伴って大き
くなる。一方、クリアランスが前記下限値より小さい
と、造粒時に大きなずり剪断力が作用するようになるた
め、原料配合によっては発熱による変質や、部分的な硬
化により排出部位につまりを生じることがある。
【0013】前記クリアランスは、内子と外子とが相対
するどの部位においても一定としてもよいし、必要に応
じて部位により変えてもよい。材料の移送方向に対して
直交する方向においては一定とすることが好ましいが、
移送方向においては、例えば、材料供給部付近は大きい
クリアランスとし、造粒品排出側に近づくにつれて徐々
に小さくすることもできる。これにより、かさ密度が比
較的小さい材料を用いた場合でも、供給直後は材料が処
理されやすく、徐々に塊状になるにつれてより大きなず
り剪断力を与えて造粒品を均一に高密度化し、バラツキ
の小さい造粒品を得ることができる。このような設定
は、材料組成などにより最適な条件を選択して行うこと
が好ましい。
【0014】また、本発明の製造方法で用いる内子及び
/又は外子は、特に限定されないが、材料と接触する面
に溝を有するものであることが好ましい。これにより、
材料との間にスベリを起こすことなく、ずり剪断力、圧
縮力を繰り返して加えることにより、安定した造粒化を
効率的に行うことができる。図2(a)は円錐台形状の
内子表面に、図2(b)はこれと相対する形状の外子表
面に、それぞれ溝10を加工した例であるが、特にこの
ような表面形状に限定されるものではない。この溝の断
面形状については特に限定されないが、一般的には図2
(c)に示した断面形状を有するものが好ましく用いら
れる。図2(c)において、11は溝の幅、12は溝の
深さである。これにより、前記効果に加えて溝の内部に
材料が滞留するのを防ぐことができる。溝の幅と深さは
加工される全部位において同一であってもよいが、部位
により変えることもできる。例えば、材料の供給側は溝
の断面積を大きくし、排出側に近づくに従ってこれを徐
々に小さくすることもできる。このような溝は一定以上
の幅を有していれば、断面積が小さい場合は材料に作用
するずり剪断力を大きくすることができ、一方、断面積
が大きい場合は密度が高くない材料を多く取り込んで圧
縮力を強く作用させることができる。従って、溝の深さ
を前記のように変えることにより、これらの機能の組合
せにより比較的低密度の材料を順次均一な造粒品に加工
することができる。
【0015】また、この溝加工を施す表面位置は特に限
定されず、内子及び/又は外子の全面に加工されてもよ
いし、どちらか一方でもよい。また、例えば材料の排出
部付近には、造粒品の形状を制御するために別の形状の
溝を加工したり、造粒品の表面を滑らかなものにするた
めに溝加工を行わないフラットな部位を設けることもで
きる。
【0016】さらに、内子及び/又は外子表面の溝加工
については特に限定されないが、例えば内子のみが回転
する場合の内子表面の溝形状は、図3に示したような形
状、すなわち、材料の移送方向15に対して角度を有し
たものであることが好ましい。これにより、材料を造粒
化すると同時に、排出側へ移送する機能を付与すること
ができる。図3において、溝13の本数、角度、ピッチ
などは特に限定されないが、内子の材料供給側から材料
排出側へ向かって、溝13が内子の回転方向14側へ向
くような方向に角度を付けて加工すればよい。このと
き、外子表面の溝は特に限定されないが、図2(b)の
ような形状でもよいし、あるいは、内子の溝と反対方向
の角度を有した形状に加工することにより、材料を移送
する効果をさらに高めてもよい。本発明の製造方法で用
いられる材料は温度感応性が高いものである場合があ
り、内子と外子との間に形成された空間内に長時間滞留
したり、その滞留時間に差異を生じたりすると、材料の
成形性や硬化物の特性に影響する場合がある。内子及び
/又は外子に前記溝加工を行うことにより、このような
問題をより確実に回避することができる。
【0017】本発明の製造方法においては、特に限定さ
れないが、内子及び外子は温調機構を有したものである
ことが好ましい。これにより、造粒化するときの材料粘
度を最適なものとすることができる。造粒化を行う場合
の設定温度は特に限定されないが、造粒化を充分に行う
ことができるとともに、それ自体の変質をできるだけ抑
えることができる温度に設定することが好ましい。ま
た、内子と外子の温度設定は、個別に設定できることが
好ましい。これにより、材料と、内子及び外子表面との
密着性を制御できる。内子及び/又は外子表面には前記
のような溝加工を行うことが好ましいが、施された溝形
状が異なる場合はその機能も異なる。このため、各々を
個別に温度制御することにより、材料との接触状態や密
着状態に差を生じさせ、機能の発現程度を制御すること
ができる。これにより、造粒化のためのさらにきめ細か
い設定を行うことができる。例えば、ともに図2(c)
で表される断面形状の溝を、外子側には図2(b)、内
子側には図3に示したような形状に加工した場合では、
材料の粘度がより低下する側に内子の温度を設定する。
これにより、材料との密着性は内子の方が強くなり、材
料を排出方向へ移送する内子の溝の機能をより強く発現
させることができる。
【0018】本発明の製造方法で用いられる内子及び外
子の表面の材質については特に限定されないが、耐熱性
や耐摩耗性を有するものであることが好ましい。一般的
には、鉄、ステンレス、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイ
ヤモンドなどが好ましく用いられる。造粒化する材料の
種類や組成に合わせて適宜選択すればよい。
【0019】本発明の製造方法において、内子と外子と
の間に形成された空間に材料を供給する方法としては特
に限定されないが、例えば、搬送コンベア、移送スクリ
ューなどを用いることができる。これらの中でも、一軸
もしくは二軸の移送スクリューを用いるのが好ましい。
これにより、供給量を容易に調節でき、造粒部位である
前記空間へ材料を圧入しながら供給することができる。
移送スクリューを用いる場合の移送圧縮比については特
に限定されないが、1.1〜1.5に設定することが好
ましい。これにより、材料の移送抵抗を増大させること
なく、適度に材料を高密度化して供給することができ
る。また、移送スクリューを用いる場合は、スクリュー
本体とケーシングはともに温調機構を有していることが
好ましい。これにより、造粒装置に供給する際の材料の
粘度を最適かつ一定に制御できる。なお、材料の供給装
置の駆動装置と、造粒装置の駆動装置とは独立して制御
できるようにしておくことが好ましい。これにより、造
粒装置の処理能力に対して、材料の供給量を最適なもの
に設定できる。
【0020】本発明で用いられる材料については特に限
定されず、一般的な熱硬化性樹脂成形材料であれば本発
明の製造方法および製造装置を適用することができる。
通常、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
ポリイミド樹脂などが用いられる。また、充填材として
は有機基材もしくは無機基材が配合されるのが一般的で
ある。有機基材としては、木粉、パルプ、織物繊維、熱
硬化性樹脂硬化物粉砕物などがあり、無機基材として
は、ガラス繊維、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、クレー、マイカ、シリカ等が挙げられる。このほ
か、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、離型
剤、顔料などが配合される。
【0021】前記のような原材料を所定量で配合し、リ
ボンブレンダー等を用いて混合を行ったのち、プラネタ
リミキサー等で予備混練を行う。予備混練後の材料を二
軸押出混練機や熱ロール等で混練後、移送スクリュー等
を用いて造粒装置に供給すればよい。また、造粒装置に
材料を供給する設備と混練装置とを兼ねる場合は、二軸
押出混練機を使用して材料の混練を行い、そのまま造粒
装置へ供給することもできる。
【0022】次に、本発明の製造装置について説明す
る。本発明の製造装置の具体的な一例を図4に示す。図
4は、本発明の製造方法を実施する造粒装置と、これに
材料を供給する材料供給装置である移送スクリューとを
組み合わせた場合の概略図である。16は混練後の材料
を供給するホッパ、17は移送スクリュー、18は17
のケーシング、19は17の駆動装置である。1は内
子、2は外子、20は1の駆動装置である。本例の場
合、ホッパ16からロール混練後の材料を粗粉砕して供
給し、移送スクリューとそのケーシングによって温調し
ながら粘度を調整し、移送スクリューによって内子と外
子との間に形成された空間に圧入して供給する。図示さ
れていないが、内子と外子はそれぞれ材料と接する表面
に溝加工が施されており、材料は前記空間において繰り
返しずり剪断力、圧縮力の作用を受けて造粒化される。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて発明の効果を説明す
る。
【0024】≪実施例1≫材料全体に対して、ノボラッ
ク型フェノール樹脂(秋田住友ベークライト製「A−1
082」)45重量%、硬化剤としてヘキサメチレンテ
トラミン5重量%、有機基材として木粉(100メッシ
ュ通過品)31重量%、無機基材としてクレー(土屋カ
オリン工業製「NNカオリンクレー」)15重量%、硬
化助剤として水酸化カルシウム1重量%、離型剤として
ステアリン酸1.5重量%、及び顔料としてカーボンブ
ラック1.5重量%を配合し、プラネタリミキサーで予
備混練したのち、90℃の混練ロールで3分間混練し、
粒状のフェノール樹脂成形材料を得た。前記材料Aを、
図4(内子及び外子については図1(b))に示した設
備に投入し、下記条件で処理を行った。 (1)移送スクリューの運転条件:スクリュー径110
mm(軸径90mm)の移送スクリューを使用し、スク
リュー本体とケーシングの設定温度を120℃とし、回
転数20rpmで運転した。移送スクリューの圧縮比は
1.1のものを用いた。 (2)内子の仕様:内子は駆動させる側とした。円錐台
形状であり、短径側(材料供給側)外径90mm、長径
側(造粒品排出側)外径210mm、円錐台高さ104
mmのものを使用した。溝形状は図2(c)に示した断
面形状および図3に示した平面形状を有するものを使用
し、溝の断面の幅8mm、深さは短径側4mm、長径側
2mmとし、この間には均一な勾配を設け、これを24
本均一ピッチで加工した。 (3)外子の仕様:外子は固定する側とした。円錐台形
状である内子と相対する全部位において同じクリアラン
スを有する形状とし、クリアランスを2.0mmとし
た。溝形状は図2(b)に示した平面形状および図2
(c)に示した断面形状を有するものを使用し、溝の断
面の幅、深さ、本数は内子側に加工したものと同仕様と
した。 (4)内子及び外子の温調条件:内子70℃、外子11
0℃とした。 (5)内子の運転条件:回転数を800rpmとした。
【0025】≪実施例2≫内子の回転数を300rpm
に設定した以外は、実施例1と同様の条件で実施した。 ≪実施例3≫内子の回転数を1500rpmに設定した
以外は、実施例1と同様の条件で実施した。 ≪実施例4≫クリアランスを4.0mmに設定した以外
は、実施例1と同様の条件で実施した。 ≪実施例5≫クリアランスを1.0mmに設定した以外
は、実施例1と同様の条件で実施した。 ≪実施例6≫クリアランスを6.0mmに設定した以外
は、実施例1と同様の条件で実施した。
【0026】≪比較例1≫実施例1と同じ配合の材料
を、90℃の混練ロールで3分間混練し、冷却後にハン
マーミルで粗粉砕後、カッターミルで粉砕して平均粒径
2mmのフェノール樹脂成形材料を得た。
【0027】以上の実施例及び比較例の方法で得られた
材料A、Bを用いて、下記項目の評価を行った。また、
これらの成形品の一般特性評価用サンプルの成形を下記
条件で行った。 (成形条件) 1.成形方法:射出成形 2.金型温度:175℃ 3.射出圧力:実効圧1200kg/cm2 4.硬化時間:60秒
【0028】評価項目及びその試験条件は以下の通りで
ある。 1.材料 (1)微粉量:実施例1〜6については造粒後、比較例
1については粉砕後の成形材料をそれぞれ100gサン
プリングし、全体に対する80メッシュ篩(平畳織金
網)の通過量(重量%)を測定した。 (2)平均粒度:実施例1〜6については、得られた円
筒形状の造粒品100個について長径側のほぼ中心の断
面部における最大径を測定しその平均値を求めた。比較
例1については、粉砕品100個について定方向最大径
を測定し、その平均値を求めた。 (3)見掛け密度:実施例1〜6については造粒後、比
較例1については粉砕後の成形材料をそれぞれ200g
サンプリングし、この見掛け容積を測定して見掛け密度
を算出した。 2.成形品 (1)成形品の曲げ強度:JIS K6911 (2)成形品のシャルピー衝撃強さ:JIS K691
1 (3)ロックウェル硬度:JIS K6911 (スケール:M 、圧子:1/4" 鋼球 、荷重:10
0kgf) (4)絶縁抵抗:JIS K6911 (5)耐電圧:JIS K6911
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果より、本発明の造粒方法を適用
した実施例1〜6は、従来の方法により製造した場合と
比較し、成形品の一般特性に影響を与えることなく、微
粉量が極めて少ない造粒品が得られており、内子と外子
とのクリアランスを変えることにより、粒径の異なった
材料が得られることが確認された。また、内子の回転数
を変えて実施したが、得られる造粒品やこれを用いた硬
化物の特性に実質的な差異はみられず、本発明の製造方
法を用いた場合、運転条件面では広範囲で目的とする材
料を得られることがわかった。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法は、混練後の材料を所
定のクリアランスをもって設置され、内子と外子との相
対的な回転運動により造粒化することを特徴とするもの
であり、硬化物の特性に影響を与えることなく、簡易で
コンパクトな設備を用いて、微粉の発生がほとんどない
造粒品を連続的に効率よく得ることができる。従って、
本発明は、設備を大型化することなく造粒化成形材料を
得る工業的な方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の製造方法を適用した一例(斜
視図) (b)本発明の製造方法を適用した一例(側断面図)
【図2】 (a)本発明の内子表面の溝の平面形状の一
例(側断面図) (b)本発明の外子表面の溝の平面形状の一例(側断面
図) (c)本発明の内子及び/又は外子の溝の断面形状の一
【図3】 本発明の内子表面の溝の平面形状の一例(側
断面図)
【図4】 本発明の製造方法を適用した製造装置の一例
(側断面図)
【符号の説明】
1 内子 2 外子 3 内子と外子との間に形成された空間 4 内子表面 5 外子表面 6 内子と外子とのクリアランス 7 材料 8 材料供給側 9 材料排出側 10 内子表面に加工された溝 11 溝断面の幅 12 溝断面の深さ 13 内子表面に加工された溝 14 内子の回転方向 15 ホッパ 16 移送スクリュー 17 ケーシング 18 移送スクリューの駆動装置 19 内子の駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 79:00 B29K 79:00 C08L 61:06 C08L 61:06 Fターム(参考) 4F070 AA44 AA46 AA47 AA49 AA55 AB10 AC15 AC22 AC23 AC28 DA03 4F201 AA36 AA37 AA39 AA40 AA41 BA02 BC01 BC02 BC12 BC37 BK13 BK15 BL01 BL42 BL50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂成形材料の製造方法におい
    て、所定のクリアランスをもって相対して設置された内
    子と外子との間に形成された空間に熱硬化性樹脂成形材
    料を供給し、該空間において前記内子と外子との相対的
    な回転運動により造粒化することを特徴とする熱硬化性
    樹脂成形材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記内子及び/又は外子は、前記熱硬化
    性樹脂成形材料と接する面に溝を有しているものである
    請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記空間が円錐または円錐台の側面形状
    である請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂成形材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂成形材料の製造装置におい
    て、所定のクリアランスをもって相対して設置された、
    相対的に回転運動する内子と外子、該内子と外子との間
    に形成された空間に熱硬化性樹脂成形材料を供給する材
    料供給装置、及び該内子及び/又は外子を回転させる駆
    動装置を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料
    の製造装置。
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JP4569302B2 (ja) * 2004-03-17 2010-10-27 住友ベークライト株式会社 樹脂成形材料の製造方法及び製造装置

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