JP2002167624A - 回転床炉処理用塊成物の製造方法 - Google Patents

回転床炉処理用塊成物の製造方法

Info

Publication number
JP2002167624A
JP2002167624A JP2000359706A JP2000359706A JP2002167624A JP 2002167624 A JP2002167624 A JP 2002167624A JP 2000359706 A JP2000359706 A JP 2000359706A JP 2000359706 A JP2000359706 A JP 2000359706A JP 2002167624 A JP2002167624 A JP 2002167624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agglomerate
raw material
iron oxide
bed furnace
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000359706A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoku Naka
広徳 仲
Takahiro Nasuno
孝洋 奈須野
Masashi Yamamuro
政志 山室
Kazuo Onuki
一雄 大貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2000359706A priority Critical patent/JP2002167624A/ja
Publication of JP2002167624A publication Critical patent/JP2002167624A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塊成物の製造、移送、回転床炉内での還元処
理などの回転床炉の操業過程において割れにくい塊成物
を製造する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 水分と酸化鉄原料と還元剤と必要に応じ
て任意成分とを振動ミル内に装入して混練し、水分で表
面を覆われた酸化鉄原料粒子および還元剤の混合物を塊
成化して、回転床炉処理用の塊成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転床炉処理用の
塊成物の製造方法に関し、詳しくは、回転床炉を用いた
還元処理操業過程において割れにくい塊成物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】粉鉄鉱石や、製鉄所などで発生する鉄分
を含むダスト、スケールおよびスラッジを処理し、還元
鉄を製造する方法として、炉床が水平に回転移動する加
熱床炉(以下「回転床炉」という)を用いる方法が注目
されている。この方法は一般的には、回転床炉の回転床
炉面に、粉状酸化鉄原料と粉状の還元剤などを混合・成
形した塊成物を敷き詰め、床炉内で塊成物を移動させな
がら加熱還元させ、還元鉄を得るというものである。
【0003】図1は、回転床炉を用いて行う還元鉄の製
造プロセスの一例である。また、図2に回転床炉の一例
を示す。この工程図に沿って回転床炉による還元鉄の製
造例を説明すると次の通りである。図示するように、粉
鉄鉱石、ダスト、スケール、スラッジ、ステンレスを製
造する工程で発生するダスト、スケール、スラッジなど
の粉体酸化鉄原料および粉石炭などを混合し、混練機で
さらに水分などを添加して混合する。この混合原料はペ
レタイザーまたはダブルロール圧縮機などの造粒機で塊
成化される。通常この後塊成物は水分量の調整のために
乾燥機により乾燥処理される。乾燥後、塊成物は回転床
炉の原料装入部へ移送して炉内へ装入される。塊成物
は、ベルトコンベヤーなどにより回転床炉の上部に送ら
れ、そこから回転炉床上に幅広く分散するように装入シ
ュートなどを用いて装入され、レベラーなどによりなら
される。回転炉床の移動に伴って1回転させる間に塊成
物中の酸化鉄を高温還元して固体状金属鉄とする。得ら
れた金属鉄は排出部から取り出される。
【0004】回転床炉内は、炉内に燃料ガスと空気を送
り込み燃焼させることによっておよそ900〜1400
℃の炉内温度が確保される。この回転床炉の炉床上に上
記の塊成化物を10〜20mm程度の薄い厚みで敷き、
主に炉内壁からのガスバーナーなどにより900℃以上
に昇温し、炉床が1回転する間に所定の金属化率に達す
るように炉床の回転速度を調整しつつ還元焼結させ、排
出部からスクリューコンベア(スクリューフィーダとも
いわれる)などの掻き出し装置により還元された塊成物
を排出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回転床炉内
に装入される塊成物としては、ペレット、ブリケット、
押し出し成形して裁断したものなどが挙げられる。これ
らの塊成物は、塊成化された後回転床炉へ移送されるま
での間に、また塊成物を回転炉床面に敷設する際に、あ
るいは加熱される過程などで割れてしまうことがある。
塊成物が割れること粉体が生じ、鉄分を含む粉体が回転
炉床面に落ちて貯まっていく。また、塊成物の表面に付
着している粉体を回転床炉に装入する前に100%取り
除くのも実質上困難であり、塊成物の表面に付着してい
た粉体も回転炉床面に落ちて、粉体が貯まる原因とな
る。
【0006】このような回転炉床面に貯まっていく鉄分
を含む粉体は、炉内で加熱され徐々に融着・固化した堆
積層(以下、固化した堆積層を単に「堆積層」とい
う)、あるいは、また塊成物の搬出手段であるスクリュ
ーコンベアの刃先などで圧延されて徐々に堆積層を形成
するに至る。
【0007】上記のようにして回転炉床面上に堆積層が
形成されることにより回転床炉の操業上、例えば次のよ
うな問題が生じる。炉床面と原料の装入口との間隙を狭
く採っている場合などには、堆積層が厚くなっていくこ
とにより、装入口の損傷を招くことがある。さらに、塊
成物の搬出口に備えられるスクリューコンベアまたはス
クレーパなどの羽先を摩耗させ、さらには損傷させてし
まう場合がある。そこで、堆積層を除去する必要性が生
じる。堆積層を除去するには、回転床炉での還元操業を
定期的に停止し、堆積層を剥離除去することが考えられ
る。しかし、堆積層除去だけのために頻繁に還元操業を
停止するのは稼働率の点からして好ましくない。また、
鉄分を含む堆積層が形成されるということは、原料のロ
スを生じているということであり、この点でも不都合で
ある。
【0008】塊成物が割れにくくなるようにバインダー
を配合することも考えられるが、一般にバインダーを入
れればコスト高を招き、また原料中の鉄分比率を下げる
ことになるので、バインダーの配合量は最小限に抑制す
ることが望まれる。
【0009】上記のような状況に鑑み、本発明は、塊成
物の製造、移送、回転床炉内での還元処理などの回転床
炉の操業過程において割れにくい塊成物を製造する方法
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を進めたところ、振動ミルを
用いて、塊成物原料の粒子の表面に可及的に薄く均一に
水分を覆わせるように予め塊成物原料を調製してから塊
成化することにより、回転床炉で処理する塊成物として
割れにくい塊成物を得ることができることを見いだし、
本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の通りであ
る。 (1)水分と、酸化鉄原料と、還元剤と、必要に応じて
任意成分と、を振動ミル内に装入して混練し、酸化鉄原
料粒子および還元剤粒子の混合物を塊成化して塊成物と
する、回転床炉処理用塊成物の製造方法。 (2)前記振動ミルによる混練によって、酸化鉄原料粒
子および還元剤粒子の表面全体を可及的に水分で覆わせ
ることを特徴とする、前記(1)に記載の回転床炉処理
用塊成物の製造方法。 (3)前記還元剤が炭材であり、酸化鉄原料と炭材との
配合割合が、酸化鉄原料80〜90質量%および炭材1
0〜20質量%となるように配合することを特徴とす
る、前記(1)または(2)に記載の回転床炉処理用塊
成物の製造方法。 (4)混練による調湿後の水分量が、塊成物原料全体の
6〜11質量%である、前記(1)から(3)のいずれ
かに記載の回転床炉処理用塊成物の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、回転床炉で還元処理し
て酸化鉄を製造するために回転床炉内に装入される塊成
物を製造する方法である。回転床炉に装入される塊成物
は、酸化鉄を主成分とし、この酸化鉄分が回転床炉内で
還元処理されて還元鉄が製造される。
【0012】塊成物とは、ペレット、ブリケット、押し
出し成形して裁断した成形品、粒度調整された塊状物な
どの粒状物・塊状物のことをいう。塊成物の大きさは、
回転床炉による還元の条件などにより適宜調節してよい
が、好ましくは1つの塊成物の粒径(還元処理前)はお
よそ8〜25mmである。
【0013】本発明では、塊成物の製造にあたり、少な
くとも水分と酸化鉄原料と還元剤とを塊成物原料とし、
塊成物原料を振動ミル内に配合して混練し、酸化鉄原料
粒子、還元剤粒子などの表面を水分で覆わせる。塊成物
原料としてはさらに必要に応じてバインダーなどの任意
成分を添加してもよい。
【0014】酸化鉄原料としては、粉状の鉄鉱石の他
に、製鉄所で発生する鉄分を含んだ各種のダストやスラ
ッジ、スケールなどが使用できる。また、ステンレスを
製造する工程で発生するダスト、スケール、スラッジも
使用可能である。
【0015】また、還元剤としては、炭材が好適であ
り、具体的には石炭、コークス、チャー、オイルコーク
ス、廃プラスチック、廃タイヤなどが使用可能なものと
して例示される。これらの還元剤も粉状にして粉状の酸
化鉄原料と混ぜ合わせることが好適である。
【0016】本発明において水分は塊成物成形のための
バインダーとして作用するが、水分の他に、任意成分と
して必要に応じて他のバインダーを添加してもよい。他
のバインダーとしては、例えば、澱粉、タール、糖蜜、
有機系樹脂、セメント、スラグ、ベントナイト、生石
灰、軽焼ドロマイト、消石灰などが挙げられる。
【0017】本発明では、塊成物原料を振動ミルで混練
する。振動ミルとしては、ボールミル、ロッドミルなど
が例示される。振動ミルは、本体に装入された内装物に
振動を加える装置であり、より具体的には、原料が装入
される振動ミル本体の揺動、円運動、回転運動、上下左
右運動などの振動動作に伴い(以下、振動ミルのこのよ
うな運動を単に「振動」という)内装物に振動を加え
る。振動ミル本体内には、本体の稼働によって本体内で
回転したり、上下左右などに自由に運動するボールまた
は棒状のロッドが収納されており、振動ミル本体の振動
動作に伴い、原料に対して粉砕、剪断、転動、圧潰、こ
ね廻しなどの総合的な作用を加えて混練が行われる。図
4、図5に振動ロッドミルの例を示す。図4は振動ロッ
ドミル6の斜視図であり、図5は本体軸方向から見たと
きの振動ミルの動作を示す図である。本体61は、振動
モーター62と同期回転し、クッション65と協動し、
ドラム形状の本体61内に備えられたロッド64が回
転、上下左右などに振動して本体内に装入されたものを
混練する。なお、振動ロッドミルには加湿器(不図示)
を設けて、本体内部に水分が添加される。
【0018】他に塊成物原料を混練する手段として、回
転羽根の回転運動により原料を粉砕、混練するパドルミ
キサー、高速攪拌羽根ミキサーなどが考えられるが、本
発明で製造しようとする塊成物の成形前処理として、原
料の粒子全体に水分を均一に覆わせるには、上記の振動
ミルが最適である。還元剤として石炭のように高い撥水
性を有するものが用いられる場合、振動ミルは特に好適
である。
【0019】振動ミルなどによる「混練」という処理
は、さらに細かく分類すると「混練」、「ねつか」、
「分散」、「混合」などと分類される場合があるが、本
明細書では単に「混練」という場合には、これらの概念
の総称として広い概念で用いる。
【0020】振動ミルにより、塊成物原料は粉砕処理も
施されるので、振動ミルに装入する前の塊成物原料の粒
度はそれほど厳密に限定して調整されている必要は必ず
しもないが、振動ミルでの処理をより円滑に行うために
は、振動ミルに装入される塊成物原料の粒度は、およそ
1mm以下程度としておくことが好ましい。他方、振動
ミルによる混練処理後の塊成物原料の粒度は、通常、−
75μmが80%以上になるようにすることが好まし
い。
【0021】本発明では、振動ミルによる混練によっ
て、酸化鉄原料、還元剤などの塊成物原料の粒子表面が
水分で覆われるように調製する。振動ミルによる塊成物
原料の調製条件は、振動ミルの種類や振動ミルに装入さ
れる塊成物原料の粒度、量などにもよるが、好ましくは
加振力4〜8G(G:重力加速度)で0.5〜3.0分
間混練処理を行うことが好適であり、特に好ましくは、
加振力5〜6Gで2.0分間混練処理を行うことが好適
である。
【0022】振動ミルに装入される酸化鉄原料や還元剤
の配合割合は、回転床炉による還元処理により還元鉄を
得るために好適な条件を考慮して調整される。また、水
分量を多くすれば、塊成物原料粒子の表面を水分で覆う
ことはより容易になるが、水分量が多すぎると塊成物を
成形するには流動性が大きくなりすぎるため、振動ミル
に添加される水分の量は、塊成物原料が粘土状になる程
度であることが好ましい。具体的には、振動ミルによる
調湿後の水分の添加量が、水分を含む塊成物原料全体の
6〜11質量%程度になるようにすることが好適であ
る。
【0023】より具体的に好適な配合例を例示すると、
酸化鉄原料として粉状の鉄鉱石、製鉄所で発生する鉄分
を含んだダストなどを用い、還元剤として炭材(石炭)
を用いる場合、酸化鉄原料を80〜90質量%、石炭を
10〜20質量%を混合して100とし、これに水分を
加えて調湿後の水分を塊成物原料全体の6〜11%とす
る。ここで調湿後の水分の百分率は、水分質量/(酸化
鉄原料質量+還元剤(石炭)質量+水分質量)×100
(%)で表される。石炭などのように撥水性の高いもの
が用いられる場合、このようなものが10〜20質量%
程度含まれると、粒子の表面に均一に水分を覆わせるこ
とが困難になる傾向があるが、本発明のように振動ミル
を用いることにより、塊成物を成形するのに好適な程度
に粒子表面に水分を均一に覆わせることができる。
【0024】振動ミルで処理する際に添加される水分
は、酸化鉄原料などに予め添加しておいてから振動ミル
に装入してもよいが、振動ミルに備えられた加湿器など
により、霧状にして混練しながら添加することが、粒子
を水分で覆うためにはより好適である。
【0025】図6は同じ水分量で混練された場合の模式
図である。(a)は振動ロッドミルで混練し調湿した場
合の粒子の状態を示し、(b)はパドルミキサーを用い
従来の方法に従って混練し調湿した場合の粒子の状態を
示す。本発明のように振動ミルを用いた場合(a)で
は、(b)に比べて、水分で粒子の表面全体がより全体
的に覆われており、後のペレット強度アップ、金属化率
アップの効果が得られる。
【0026】振動ミルで、混練され、塊成物原料の粒子
表面に水分を覆わせた後、塊成化して塊成物を得る。塊
成化は、上記したペレットなどの塊成物を製造するため
に一般的に用いられる塊成化装置を用いて行うことがで
きる。具体例を挙げると、パンペレタイザー(皿型造粒
機)、ダブルロール圧縮機(ブリケット製造機)、押し
出し成形機(押し出し後、所定のサイズに裁断する)な
どが挙げられる。
【0027】成形された塊成物は、回転床炉内での加熱
による割れを防止するために、乾燥機を用いて予め水分
量の調整を行ってから回転床炉内に挿入することが好ま
しい。回転床炉内に装入される塊成物の水分量は、好ま
しくは1質量%以下に調製する。
【0028】本発明の塊成物製造方法によれば、塊成物
を塊成化するために好適な水分量で塊成化原料粒子の表
面に水分を均一に被覆させることができるため、塊成化
が容易である。また、得られた塊成物は、回転床炉への
移送、装入、回転床炉での加熱処理という操業過程でも
割れにくく、回転床炉の炉床上に形成されてしまう堆積
層の原因となる粉体の発生を抑制することができる。さ
らに、原料の一部が堆積層になって原料をロスしてしま
うことを抑制できるため、還元鉄の製造における製品の
歩留まりを向上させることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示し本発明についてより詳し
く説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
【0030】<実施例1>図3に示す工程に従って、還
元鉄製造用のペレットを製造した。ペレットの原料配合
組成(水分を除く)を表1に、また化学組成を表2に示
す。
【0031】各配合成分を振動ロッドミル内に装入し、
水分を含む塊成物原料全体で水分が9%程度となるよう
に加湿器により水分を添加して、配合成分の混練を行
い、酸化鉄原料などの粒子の表面が十分に水分で覆われ
るように調製した。振動ロッドミルによる混練は、加振
力5G(G:重力加速度)で1.5分間行った。振動ミ
ルで混練した後の原料の粒度を表3に示す。また、用い
た振動ロッドミルの仕様は次の通りである。 (振動ロッドミル(バイブロミキサー)の仕様) 寸法:長さ1800mm×直径1000mm ロッド:直径55mm×長さ1750mm、ロッド本数:9
本 振動ロッドミルによる混練の後、塊成物原料を皿型造粒
機を用いて成形し、粒径φ8〜12mmのペレット(生
ペレット)を得た。生ペレットは、乾燥機にかけ水分1
質量%以下として、回転床炉に装入するためのペレット
を得た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】<比較例1>実施例1において用いた振動
ミルの代わりに、パドルミキサーを用い、回転速度1
6.5rpm、2.5分間の条件で塊成物原料の混練を
行った。他の条件は実施例1と同様とし、ペレットを製
造した。なお、回転数はカタログ上ミキサーの製造業者
が推奨する回転数を参考にした。また、用いたパドルミ
キサーの仕様は次の通りである。 (パドルミキサーの仕様) 寸法:長さ2000mm×巾900mm×高さ600mm パドル羽根:一軸当たり14枚、羽根長さ:150mm、
羽根ピッチ:500mmパドル軸:二軸式
【0036】<比較例2>実施例1において用いた振動
ミルの代わりに、高速攪拌羽根ミキサーを用い、回転数
250rpm、2分間の条件で塊成物原料の混練を行っ
た。他の条件は実施例1と同様とし、ペレットを製造し
た。なお、回転数はカタログ上ミキサー製造業者が推奨
する回転数を参考にした。また、用いたパドルミキサー
の仕様は次の通りである。 (高速攪拌羽根ミキサーの仕様) 寸法:長さ2900mm×直径1100mm 攪拌羽根:鋸歯状ショベル4枚
【0037】<強度試験>上記実施例1、比較例1、2
で得られたペレットの強度の比較試験を行った。強度
は、1mの高さから鉄板上にペレットを落下させる作業
を繰り返し、割れたときの回数を強度として示した。結
果を図7に示す。図7に示されるとおり、実施例1で得
られたペレットは強度が高いことが明らかになった。
【0038】<回転床炉による還元鉄の製造>実施例
1、比較例1、2のペレットについてそれぞれ別個に、
回転床炉に装入し炉床の回転に伴い炉床上に敷設し、回
転炉床を回転させながらペレットを還元し、還元鉄を製
造した。用いた回転床炉の仕様は表4に、回転床炉によ
る還元条件は表5に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】<金属化率の評価>上記のように実施例
1、比較例1、2の各ペレットを用いて得られた、還元
された塊成物の金属化率を測定した。金属化率は、化学
分析を行い、「金属鉄質量/全鉄分質量」により表し
た。金属鉄質量とはFeの質量のことであり、全鉄分質量
とはFe、FeO、Fe2O3などの鉄および鉄化合物の鉄の総質
量である。結果を図8に示す。図8に示されるように、
実施例のペレットを用いた場合には、回転床炉による還
元鉄の製造における金属化率を向上させることができる
ことが明らかとなった。
【0042】<5mm以上の製品比率>上記の回転床炉
の還元鉄の製造により得られた実施例1、比較例1、2
各ペレットの5mm以上の製品比率を比較した。製品比
率は、回転床炉に装入したペレット重量に対し、還元処
理して搬出された径5mm以上のペレットの重量の割合
として求めた。すなわち、装入した塊成物重量と同重量
であれば製品比率100%である。なお、各ペレット
は、装入前の段階でその径が8〜12mm程度に調製さ
れているが、通常、加熱還元処理をすることにより若干
収縮するので、径5mm以上の径のペレットは割れなか
ったペレットと判断してカウントした。
【0043】結果を図9に示す。図9に示されるよう
に、実施例のペレットを用いて回転床炉による還元鉄の
製造を行った場合、製品率を向上させることができるこ
とが明らかとなった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、塊成物の製造、移送、
回転床炉内での還元処理などの回転床炉の操業過程にお
いて割れにくい塊成物を容易に製造することができる。
また、塊成物製造にあたり高価なバインダーの使用を低
減することが可能であり、コスト上も有利である。ま
た、本発明により得られる塊成物は、操業過程で粉化し
にくいので、還元操業による塊成物の歩留まりを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塊成物の形成から回転床炉に塊成物を装入する
までの工程を示す図である。
【図2】回転床炉を示す図である。
【図3】塊成物の製造工程を示す図である。
【図4】振動ミル(振動ロッドミル)の斜視図である。
【図5】軸方向から、振動ロッドミルの動きを模式的に
示した図である。
【図6】(a)は、塊成物原料粒子の表面が水分で覆われ
た様子を模式的に示す図である。(b)は、塊成物原料粒
子の表面が水分で十分には覆われていない様子を模式的
に示した図である。
【図7】塊成物の落下強度を示す図である。
【図8】回転床炉による還元鉄製造における金属化率を
示す図である。
【図9】5mm以上の成品比率を示す図である。
【符号の説明】
1・・・回転床炉 10・・・回転炉床 11・・・スクリューコンベア 12・・・装入口 13・・・ガスバーナ 3・・・ダスト 4・・・水分 6・・・振動ロッドミル 61・・・振動ロッドミル本体 62・・・振動モーター 63・・・装入口 64・・・ロッド 65・・・スプリング(クッション)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山室 政志 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鉄所内 (72)発明者 大貫 一雄 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鉄所内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA02 CA18 CA21 CA23 GA12 HA01 4K012 DE03 DE08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分と、酸化鉄原料と、還元剤と、必要
    に応じて任意成分と、を振動ミル内に装入して混練し、
    酸化鉄原料粒子および還元剤粒子の混合物を塊成化して
    塊成物とする、回転床炉処理用塊成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記振動ミルによる混練によって、酸化
    鉄原料粒子および還元剤粒子の表面全体を可及的に水分
    で覆わせることを特徴とする、請求項1に記載の回転床
    炉処理用塊成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記還元剤が炭材であり、酸化鉄原料と
    炭材との配合割合が、酸化鉄原料80〜90質量%およ
    び炭材10〜20質量%となるように配合することを特
    徴とする、請求項1または2に記載の回転床炉処理用塊
    成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 混練による調湿後の水分量が、塊成物原
    料全体の6〜11質量%である、請求項1から3のいず
    れかに記載の回転床炉処理用塊成物の製造方法。
JP2000359706A 2000-11-27 2000-11-27 回転床炉処理用塊成物の製造方法 Withdrawn JP2002167624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000359706A JP2002167624A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 回転床炉処理用塊成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000359706A JP2002167624A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 回転床炉処理用塊成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002167624A true JP2002167624A (ja) 2002-06-11

Family

ID=18831434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000359706A Withdrawn JP2002167624A (ja) 2000-11-27 2000-11-27 回転床炉処理用塊成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002167624A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006088121A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 Ntn Corporation 製鋼ダスト固形化物およびその製造方法
JP2007523256A (ja) * 2003-09-23 2007-08-16 コールド−ボール・メタラジー・カンパニー・リミテッド 自己還元する低温結合ペレット
JP2007277599A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Nippon Steel Corp ダスト塊成鉱の製造方法
WO2009051172A1 (ja) 2007-10-19 2009-04-23 Nippon Steel Corporation 予備還元鉄の製造方法
JP2018178253A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 新日鐵住金株式会社 回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法及び回転炉床炉

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007523256A (ja) * 2003-09-23 2007-08-16 コールド−ボール・メタラジー・カンパニー・リミテッド 自己還元する低温結合ペレット
WO2006088121A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 Ntn Corporation 製鋼ダスト固形化物およびその製造方法
US7842119B2 (en) 2005-02-18 2010-11-30 Ntn Corporation Solidification product of dust generated during steel making and method for production thereof
JP2007277599A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Nippon Steel Corp ダスト塊成鉱の製造方法
WO2009051172A1 (ja) 2007-10-19 2009-04-23 Nippon Steel Corporation 予備還元鉄の製造方法
US8182575B2 (en) 2007-10-19 2012-05-22 Nippon Steel Corporation Producing method of direct reduced iron
AU2008312903B2 (en) * 2007-10-19 2012-07-12 Nippon Steel Corporation Producing Method of Direct Reduced Iron
KR101193275B1 (ko) 2007-10-19 2012-10-19 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 예비 환원철의 제조 방법
TWI392744B (zh) * 2007-10-19 2013-04-11 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 直接還原鐵之製造方法
JP2018178253A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 新日鐵住金株式会社 回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法及び回転炉床炉
JP7035688B2 (ja) 2017-04-10 2022-03-15 日本製鉄株式会社 回転炉床炉を用いた還元鉄の製造方法及び回転炉床炉

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW565617B (en) Raw pellets containing oxidized metal for a reduction furnace, a method for production the same, a method for reducing the raw pellets and a reducing apparatus
KR100327848B1 (ko) 환원철의제조방법및장치
TWI412602B (zh) The manufacturing method of the agglomerate, the manufacturing method of the reduced metal, and the separation method of zinc or lead
JP5730533B2 (ja) 製鉄スラッジ等を主原料とする造粒物の製造方法
JP4927702B2 (ja) 焼結用混合原材料を生産する工程
JP5730534B2 (ja) 製鉄スラッジ等を主原料とする造粒物の製造方法
JP4022941B2 (ja) 還元鉄製造原料の成形方法
JP2007197783A (ja) 回転炉床式還元炉での酸化金属の還元方法
JP2002167624A (ja) 回転床炉処理用塊成物の製造方法
JP5165943B2 (ja) 含金属副産物の造粒物整粒設備
JP2020111817A (ja) 塊成物の造粒方法
JP4105856B2 (ja) 回転床炉による還元鉄製造方法
JP5602586B2 (ja) 製鉄ダスト等を主原料とする造粒物の製造方法
JP3837845B2 (ja) 還元鉄の製造方法
JP6323297B2 (ja) 焼結原料の事前処理方法
JP3756754B2 (ja) 還元鉄回転炉床の補修方法
JP4264190B2 (ja) 回転床炉による還元鉄製造方法
JP2021063270A (ja) 焼結原料の事前造粒方法
JP2017065971A (ja) 軽量骨材の製造方法
JP5664126B2 (ja) 含水粉体の造粒物の評価試験方法
JP2003113425A (ja) 焼結原料の製造方法
JP6183752B2 (ja) ブリケットの製造方法
JP2002302710A (ja) 回転床炉の操業方法、回転炉床上への塊成物の敷設方法および原料資材供給設備
JP3820677B2 (ja) 還元鉄製造原料の装入方法および装置
JP6973627B2 (ja) 造粒物の製造方法および焼結鉱の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080205